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JPH0781033B2 - タイヤ用のゴム組成物 - Google Patents

タイヤ用のゴム組成物

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Publication number
JPH0781033B2
JPH0781033B2 JP61197346A JP19734686A JPH0781033B2 JP H0781033 B2 JPH0781033 B2 JP H0781033B2 JP 61197346 A JP61197346 A JP 61197346A JP 19734686 A JP19734686 A JP 19734686A JP H0781033 B2 JPH0781033 B2 JP H0781033B2
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JP
Japan
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polymer
rubber
weight
styrene
parts
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Application number
JP61197346A
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JPS6354454A (ja
Inventor
章 斉藤
裕一 北川
Original Assignee
旭化成工業株式会社
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Filing date
Publication date
Application filed by 旭化成工業株式会社 filed Critical 旭化成工業株式会社
Priority to JP61197346A priority Critical patent/JPH0781033B2/ja
Priority to KR1019900701301A priority patent/KR900006274B1/ko
Priority to PCT/JP1987/000013 priority patent/WO1987004172A1/ja
Priority to EP87900690A priority patent/EP0252992B1/en
Priority to KR1019870700277A priority patent/KR900008457B1/ko
Priority to DE8787900690T priority patent/DE3772476D1/de
Priority to US07/030,860 priority patent/US4835209A/en
Priority to ES8700494A priority patent/ES2002575A6/es
Publication of JPS6354454A publication Critical patent/JPS6354454A/ja
Publication of JPH0781033B2 publication Critical patent/JPH0781033B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、加工性ならびに加硫物物性が改良されたタイ
ヤ用のゴム組成物に関し、詳しくは分岐状重合体分子と
特定の官能基によって変性された重合体分子とを有する
ポリブタジエンまたはスチレン−ブタジエン共重合体
と、天然ゴムまたは合成ポリイソプレンゴムとを主たる
原料ゴム成分とする、タイヤトレッド用途に特に好適な
ゴム組成物に関する。
〔従来の技術〕
近年、自動車用タイヤに対して、省燃費性の面からころ
がり抵抗の低減が、又、自動車の安全性の面からは操縦
安定性およびウェット・スキッド特性(湿潤路面におけ
る制動性能)の向上が要望され、他方、自動車用タイヤ
の生産については、加工性の改善による品質の均一性の
向上、作業性の改善による生産性の向上が望まれてきて
いる。
従来より、タイヤのウェット・スキッド特性を保持しつ
つ、ころがり抵抗を低減させる方法として、例えばタイ
ヤの軽量化、タイヤの構造の最適化、タイヤのトレッド
パターンの改良、タイヤトレッドに使用するゴム配合物
の改良等の方法が試みられている。これらの中で、タイ
ヤトレッドに使用するゴム配合物を改良して、ころがり
抵抗を低減する方法としては、原料ゴムとしてヒステリ
シスロスの少ないゴムを使用する方法、カーボンブラッ
クを大きめの粒径のものに変更する方法、加硫ゴムに使
用されるカーボンブラックおよびオイルの量を減らす方
法などがある。
例えば、トレッドに使用するポリマーのころがり抵抗と
ウェット・スキッド特性を改良する方法として、特開昭
54−62248号にはガラス転移温度(Tg)が−50℃以上、
スチレン含有量が20〜40%でブタジエン部分のビニル結
合量が50〜80%であるスチレン−ブタジエン共重合体を
使用する方法が示されている。しかし、このような重合
体を用いた場合、タイヤのころがり抵抗とウェット・ス
キッド特性のバランスはある程度改善されるが、比較的
分子量の高い重合体であるため、ゴム配合物の加工性が
好ましくない傾向になる。
また、特開昭59−117514号に示されるような重合体鎖の
末端に、ベンゾフェノン類を付加させた共役ジエン重合
体もころがり抵抗の改良は見られるが、ベンゾフェノン
類を付加していない重合体に比べて配合物のムーニー粘
度が高くなり、加工性が好ましくない。
さらに、ころがり抵抗性能を保持しつつ上記のような重
合体の加工性上の問題点を解決する試みとしては、特公
昭49−36957号に示される分岐重合体およびそれと類似
した特開昭57−55912号や特開昭58−168611号に開示さ
れた特定構造の分岐重合体を使用する方法がある。
しかし、これらの分岐成分を有する重合体を用いたゴム
組成物に於いても、特開昭60−9443号には、スチレン−
ブタジエン共重合体単独の場合、高速での押出加工時に
押出成型物の表面の肌が荒れるという問題があり、その
ために天然ゴムないしは合成ポリイソプレンゴムをブレ
ンドする改良方法が提案されている。
このような分岐状のスチレン−ブタジエン共重合体を天
然ゴム系のゴムとブレンドして使用する場合には、分岐
状の重合体の有する性能上の特徴を保持しつつ加工性が
改良されることが望ましい。しかし、分岐状の重合体が
スズ化合物によっつ分岐された重合体分子を含有する場
合には、天然ゴム系のゴムとブレンドした組成物にする
と、ころがり抵抗性能に対応する50〜70℃における反撥
弾性が、分岐状重合体単独のゴム組成物に比べて悪化す
る傾向にあり、この傾向は分岐成分を多く含む場合にお
いて大きく、スズによって改良された分岐状重合体の性
能が必ずしも発現されないという状況にあった。
さらに、最近、オールシーズンタイヤを要望する産業界
の声が高まるにつれて、タイヤトレッドに使用されるゴ
ムに対して、従来のころがり抵抗性能とウェット・スキ
ッド特性に加えて、冬期の寒冷地における雪氷路面での
コントロール性能が要求されるにいたり、タイヤトレッ
ド用のゴム組成物には従来以上に高度な性能バランスが
要求されてきている。
このようなオールシーズンタイヤに要求される機能に対
しては、低温性能を改良するために、天然ゴム系のゴム
をブレンドしたり、より低温性能の良好なオイルないし
可塑剤の使用、カーボンブラック以外のフィラーの使用
などが試みられている。しかし、このような各種の配合
剤を使用する場合、配合剤による機械的強度等の低下の
問題があり、従って使用されるゴムの種類も、低下の少
ないものに限定せざるを得ず、配合組成の自由度は必ず
しも高くはない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前記の如く、従来の重合体を使用した組成物に於いて
は、加工性および低温性能の改良をした場合、重合体の
有するすぐれたころがり抵抗性能等を必ずしも十分に発
揮できなかったのが実情である。
本発明は、これらの点に鑑みなされたものであって、ポ
リブタジエンあるいはスチレン−ブタジエン共重合体
と、天然ゴムまたは合成ポリイソプレンゴムをブレンド
して用いることにより、ころがり抵抗、ウェット・スキ
ッド特性、機械的強度、低温性能、加工性がバランスさ
れたタイヤ用ゴム組成物を提供することを目的としてな
されたものである。
〔問題点を解決するための手段及び作用〕
本発明は、タイヤ用ゴム組成物として、ポリブタジエン
あるいはスチレン−ブタジエン共重合体と、天然ゴムあ
るいは合成ポリイソプレンゴムとのブレンド物を原料ゴ
ム成分として含有する組成物においてブレンド状態での
ゴム組成物の性能を向上させるべく、使用するポリブタ
ジエンあるいはスチレン−ブタジエン共重合体のポリマ
ー構造について鋭意検討を重ねた結果、特定量の分岐状
重合体分子と直鎖状重合体分子を有し、且つカルボジイ
ミド類によって変性された重合体分子を含有するポリブ
タジエンあるいはスチレン−ブタジエン共重合体を使用
することにより前記目的を満足することを見い出し、本
発明に到達した。
すなわち本発明は、 合計量が100重量部である原料ゴム成分の (A)30〜90重量部が、 (1)重合体を構成する分子の10〜50重量%が3官能性
以上の分岐剤によって結合された分岐状重合体であり、 (2)重合体を構成する分子の少なくとも20重量%がカ
ルボジイミド類が付加した直鎖状重合体であり、 (3)重合体のスチレン含有量が0〜30重量%である 分岐状重合体分子と直鎖状重合体分子を有するポリブタ
ジエンまたはスチレン−ブタジエン共重合体であり、 (B)原料ゴム成分の10〜70重量部が、天然ゴムまたは
合成ポリイソプレンゴムであり、 (C)原料ゴム成分の0〜30重量部が他の共役ジエン系
ゴム状重合体であり、 他に、補強性カーボンブラック、ゴム用伸展油、硫黄、
加硫促進剤を含有するタイヤ用のゴム組成物である。
以下、本発明に関して詳しく述べる。
本発明のタイヤの用ゴム組成物の原料ゴム組成物の30〜
90重量部は、分岐状重合体分子と直鎖状重合体分子とを
有する特定構造のポリブタジエンまたはスチレン−ブタ
ジエン共重合体である。これらの重合体は有機リチウム
化合物、例えば、エチルリチウム、n−プロピルリチウ
ム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、等を
重合触媒とし、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘ
キサン、ベンゼン等の炭化水素を主体とする溶媒中でブ
タジエンを重合あるいはスチレンとブタジエンを共重合
し、得られた活性末端を有するリビング重合体に、3官
能性以上の分岐剤と、カルボジイミド類を併用して反応
させることによって得られる。
分岐状重合体分子を形成するために用いる3官能性以上
の分岐剤は1分子内に3個以上のハロゲン−スズ結合、
ハロゲン−ケイ素結合、アルコキシ−スズ結合、アリー
ル−スズ結合を含有する化合物、ジカルボン酸ジエステ
ル、3個以上のエポキシ基、3個以上のイソシアネート
基等を含有する化合物である。これらの中では、ハロゲ
ン−スズ結合、ハロゲン−ケイ素結合を分子内に3個以
上含有する化合物、ジカルボン酸エステル等が好まし
く、具体的な化合物は、四塩化スズ、モノブチル三塩化
スズ、四塩化ケイ素、エチレンビストリクロルシラン、
アジピン酸ジエチルなどが好適に用いられ、特に、四塩
化スズ、ないしはモノブチル三塩化スズが、本発明の目
的達成のためには好ましい。
一方、本発明においてカルボジイミド類が付加した直鎖
状重合体分子を得るために用いられる化合物は、 一般式−N=C=N−結合を分子内に有する2置換カル
ボジイミド化合物又は一般式−N−C≡N結合を有す
る2置換シアナミド化合物であり、ジアルキルカルボジ
イミド、アルキルアリールカルボジイミド、ジアリール
カルボジイミド、ジアルキルシアナミド、アルキルアリ
ールシアナミド、ジアリールシアナミドなどが含まれ、
これらは、1種又は2種以上の混合物として使用され
る。
例えばジメチルカルボジイミド、ジエチルカルボジイミ
ド、ジプロピルカルボジイミド、ジブチルカルボジイミ
ド、ジヘキシルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカル
ボジイミド、ジベンジルカルボジイミド、ジフェニルカ
ルボジイミド、メチルプロピルカルボジイミド、ブチル
シクロヘキシルカルボジイミド、エチルベンジルカルボ
ジイミド、プロピルフェニルカルボジイミド、フエニル
ベンジルカルボジイミド、ジメチルシアナミド、ジエチ
ルシアナミド、ジプロピルシアナミド、ジブチルシアナ
ミド、ジヘキシルシアナミド、ジシクロヘキシルシアナ
ミド、ジベンジルシアナミド、ジフエニルシアナミド、
メチルプロピルシアナミド、ブチルシクロヘキシルシア
ナミド、エチルベンジルシアナミド、プロピルフエニル
シアナミド、フエニルベンジルシアナミドなどがある。
これらのうち特に好適なのはジシクロヘキシルカルボジ
イミド、ジフエニルカルボジイミド及びジフエニルシア
ナミドである。
カルボジイミド類は、重合体末端に活性な官能基を導入
するために使用され、反応によって得られた重合体はア
ミノ基を含有する重合体となる。
かかる活性な官能基を導入する場合において、カルボジ
イミド類を使用することにより、リビング重合体と反応
後のムーニー粘度の上昇が少なく加工の低下が少なく好
ましい傾向にある。
本発明で用いる3官能性以上の分岐剤と結合した分岐状
重合体分子は、重合体を構成する分子の10〜50重量%で
あり、一方、カルボジイミド類と結合した直鎖状重合体
分子は、重合体を構成する分子の少なくとも20重量%で
ある。
さらに、3官能以上の分岐剤が活性スズ化合物の場合に
は、3官能性以上の活性スズ化合物によって分岐された
分子とカルボジイミド類と結合した直鎖状重合体分子と
の合計量が重合体を構成する分子の少なくとも30重量%
であることが好ましく、3官能性以上の分岐剤が活性ス
ズ化合物以外の化合物である場合には、カルボジイミド
類と結合した直鎖状重合体分子の量が、重合体を構成す
る分子の少なくとも30重量%であることが好ましい。
本発明においては、前記の分岐状重合体および直鎖状重
合体に関する限定は、天然ゴム成分その他とブレンドし
た配合物とした場合において配合物の加工性、加硫物の
機械的強度、反撥弾性、耐発熱性、低温性能を良好とす
るために必要である。分岐状重合体分子の量が10重量%
未満では、天然ゴム成分その他とブレンドした場合にお
いても加工性に問題があり、また重合体がコールドフロ
ーしやすく保存する上で好ましくない。一方、分岐状重
合体の量が50重量%を超える重合体では、天然ゴム成分
とブレンドした場合の反撥弾性が単独の配合物に比べて
低下が大きい。
分岐状重合体分子は、重合体を構成する分子の15〜40重
量%の範囲であることが加工性と反撥弾性および耐発熱
性のバランスの上で特に好ましい。
また、カルボジイミド類と結合した直鎖状重合体の量
が、20重量%未満の場合は、反撥弾性および耐発熱性の
改良効果がわずかである。
さらに、活性スズ化合物と結合した分岐状重合体分子と
カルボジイミド類と結合した直鎖状重合体分子の量との
合計量は、重合体を構成する分子の50重量%以上である
ことが反撥弾性および耐発熱性の改良の面で特に好まし
い。
以上の分岐状重合体分子、直鎖状重合体分子の量は、リ
ビング重合体と分岐剤およびカルボジイミド類との反応
がほぼ定量的であることから、活性リチウムとこれら反
応性化合物との当量比を制御することによって可能であ
る。
前記の重合体における各成分の量は、G.P.C.(ゲルパー
ミュエーション・クロマトグラフ)によって各成分を分
離することや、活性末端と反応する試薬によって更に活
性末端を反応させて、活性末端量を定量することや、反
応前後のG.P.C.の分析結果を比較することによって測定
することが可能である。
また、本発明の特定構造のポリブタジエンまたはスチレ
ン−ブタジエン共重合体のスチレン含有量は、天然ゴム
成分その他とブレンドしたゴム組成物が、良好な引張強
度、耐摩耗性、反撥弾性、耐発熱性を保持するためには
0〜30重量%であり、特にオールシーズンタイヤのよう
な高度な性能バランスが要求される用途では5〜20重量
%の範囲が好ましい。スチレン含有量が30重量%を超え
ると、ブレンドした場合の、反撥弾性、耐発熱性および
低温性能が悪化する。
一方、重合体のブタジエン部分のビニル結合量は、10〜
80%の範囲である。ビニル結合量が30〜80%の範囲であ
ると、天然ゴム成分とブレンドした場合の相溶性が良好
で反撥弾性および耐発熱性の悪化の傾向が少ない。
本発明で用いる特定の重合体のムーニー粘度(ML1+4,10
0℃)は、25〜150であり、35〜100の範囲が天然ゴム成
分その他とブレンドした配合物の加工性と、加硫物の物
性のバランスの上で好ましく、特に使用する天然ゴム成
分の量が原料ゴム成分の20重量部を超える場合には、特
定の重合体のムーニー粘度は50〜100の範囲が特に好ま
しい。
ムーニー粘度が25未満では、耐摩耗性が低下し、150を
超えると加工性が問題となり好ましくない。
本発明のスチレン−ブタジエン共重合ゴムは、ランダム
共重合体が好ましい。スチレン−ブタジエン共重合ゴム
のスチレン連鎖分布は、共重合ゴムの低温オゾン分解物
のGPCによって分析される。この方法は田中らによって
開発された方法であって、スチレンの連鎖分布はブタジ
エンの2重結合をすべてオゾン開裂して得た分解物のGP
Cによって分析される(Macromolecules,1983,16,192
5)。本発明の共重合ゴムはこの方法によって分析され
た単離スチレン、すなわちスチレン単位の連鎖が1のス
チレンが全結合スチレンの40重量%以上が好ましく、更
に好ましくは50重量%以上であり、長鎖ブロックスチレ
ン、すなわちスチレン単位の連鎖が8以上のスチレンが
全結合スチレンの5重量%以下が好ましく、更に好まし
くは2.5重量%以下である。単離スチレンが40重量%未
満であっても、長鎖ブロックスチレンが5重量%を超え
る場合であっても本発明の共重合ゴムの優れた特性であ
る高い反発弾性と低発熱性及び高ウェットスキッド抵抗
性のバランスは低下して好ましくない。
また、前記重合体のG.P.C.によって測定された重量平均
分子量(▲▼)と、数平均分子量(▲▼)との
比(▲▼/▲▼)は、1.3〜3.0の範囲、特に1.
3〜2.0の範囲が、得られるゴム組成物の反撥弾性、発熱
性の面で好ましい。
さらに、本発明においては、特定のポリブタジエンまた
はスチレン−ブタジエン共重合体は、活性リチウム末端
を有した前駆重合体と、分岐剤およびカルボジイミド類
との反応で得られるが、この前駆重合体のムーニー粘度
(ML1+4,100℃)は、10〜60、特に20〜50の範囲である
ことが、得られる組成物の物性および加工性のバランス
の上で好ましい。
つぎに、本発明の原料ゴム成分の10〜70重量部は、天然
ゴムあるいは合成ポリイソプレンゴムである。合成ポリ
イソプレンゴムは、シス−1.4結合が90%以上のもので
ある。天然ゴム成分は本発明のゴム組成物の加工性を改
良するだけでなく、前述の特定のポリブタジエンあるい
はスチレン−ブタジエン共重合体と共にゴム組成物に、
十分な機械的強度、耐発熱性、良好な低温性能を与える
ために必要なゴム成分である。
本発明において、特定のポリブタジエンおよびスチレン
−ブタジエン共重合体は、原料ゴム成分の30〜90重量
部、好ましくは40〜85重量部であり、天然ゴムあるいは
合成ポリイソプレンゴムは原料ゴム成分の10〜70重量
部、好ましくは20〜60重量部である。上記、範囲外で
は、加工性、反撥弾性、耐発熱性、機械的強度、耐摩耗
性、低温性能を高度にバランスすることがむずかしい。
さらに、原料ゴム成分として前記のゴム組成物の性能を
損なわない範囲において、他の共役ジエン系ゴム状重合
体、たとえば、高シス−ポリブタジエン、低シス−ポリ
ブタジエン、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体等
を使用することが可能である。それらの量は、原料ゴム
成分の0〜30重量部である。
次に、前記の各ゴム状重合体を原料ゴムとしたゴム組成
物には、他に、補強性カーボンブラック、ゴム用伸展
油、脂肪族カルボン酸、硫黄、加硫促進剤を必要成分と
して含有され、さらに必要に応じて、加硫促進剤、老化
防止剤、オゾン劣化防止剤、加工助剤等のゴム用配合剤
が含有される。
本発明において補強性のカーボンブラックは、原料ゴム
成分100重量部あたり35〜100重量部、好ましくは40〜80
重量部用いられる。
カーボンブラックとしては、粒子径、粒子径分布、スト
ラクチャー、チントなどが異なる各種のものが使用され
ているが、自動車タイヤを中心とする用途には、SAF,IS
AF,HAFないしFEFの各クラスのカーボンブラックが使用
される。本発明においては、粒子径が15〜50mμ、ヨウ
素吸着量が40〜160mg/g、DBP吸油量が70〜150ml/100gの
ファーネスカーボンブラックを使用することが好まし
い。
本発明において、ゴム用伸展油は、原料ゴム成分100重
量部あたり5〜80重量部、好ましくは、5〜50重量部使
用される。
ゴム用伸展油としては、アロマチック系、ナフテン系、
パラフィン系の伸展油が本発明のゴム組成物の用途に応
じて使用され、特に低温性能が重視されるオールシーズ
ンタイヤやスタッドレスタイヤの用途や、耐発熱性が重
視されるカーカスの用途にはナフテン系やパラフィン系
の伸展油が好ましい。また、引張強度や耐磨耗性を重視
する用途にはアロマチック系伸展油が好ましい。ゴム用
伸展油量が5重量部未満では加工性が悪くカーボンブラ
ックの分散が悪くなり、引張強度、伸びなどの性能が発
現せず、一方80重量部を超えると、引張強度、耐発熱性
の低下をもたらし好ましくない。
また、加硫ゴム組成物には加硫助剤または加工助剤とし
て、ステアリン酸を代表的なものとする脂肪族カルボン
酸が用いられるが、本発明のゴム組成物においては、こ
のような脂肪族カルボン酸は、原料ゴム成分として用い
るスズと結合した重合体分子を含有するポリブタジエン
またはスチレン−ブタジエン共重合体のスズと重合体分
子との結合を、ゴムの混練工程において切断するために
必要である。重合体とスズとの結合が存在することによ
り、重合体と補強性カーボンブラックの相互作用が増加
して、いわゆるカーボンゲルが生成し、その結果とし
て、反撥弾性、耐発熱性、引張強度等の性質が改良され
る。脂肪族カルボン酸は、原料ゴム成分100重量部あた
り、0.5〜5重量部使用される。
さらに、本発明の組成物においては原料ゴム成分100重
量部あたり、加硫剤として硫黄が、0.1〜3.0重量部、好
ましくは1.0〜2.5重量部使用され、また、加硫促進剤と
して、スルフェンアミド系、グアニジン系、チウラム系
など加硫促進剤が原料ゴム成分100重量部あたり0.05〜
2重量部、1種または2種以上併用して用いられる。
必要に応じて本発明のゴム組成物に含有されるゴム用配
合剤は、その使用目的に応じた量が使用される。
本発明のゴム組成物は、ゴム用混練ロール、インターナ
ルミキサー、押出機などのゴム用混練機によって混練さ
れた後、成型され、常法に従って130〜200℃の温度で加
硫される。
本発明のゴム組成物は、前述のごとくタイヤのトレッド
に好適であり、特に低燃費タイヤ、オールシーズンタイ
ヤ、高性能タイヤのキャップトレッド、アンダートレッ
ド等に使用され、その他にすぐれた性能を生かして、タ
イヤのサイドウォール、カーカス、クッションゴム等の
タイヤの部分や、防振ゴム、工業用品等の用途において
も使用することができることは、いうまでもない。
〔実施例〕
以下、実施例を示すが、これらは本発明をより具体的に
示すものであって、本発明の範囲を限定するものではな
い。
重合体の調整 撹拌器およびジャケット付きの内容積10の反応器に、
シクロヘキサン4200g、精製ブタジエン640g、精製スチ
レン160g、極性化合物としてテトラハイドロフラン60g
を仕込み、温度を50℃に保持した後、触媒としてn−ブ
チルリチウムを0.34g加えて重合を開始させ、その後、
重合温度を40〜85℃に保って60分間重合反応を行ない、
得られたリビング重合体に、まず0.104gの四塩化スズ
(n−ブチルリチウムに対する当量比0.3)を添加し、
続いて0.62gのジシクロヘキシルカルボジイミド(n−
ブチルリチウムに対する当量比0.6)を添加して、分岐
反応と付加反応を行なった。さらに、この重合体溶液に
酸化防止剤として8gのジ−tert−ブチルヒドロキシトル
エンを添加した後、溶媒を蒸発させポリマーを回収し
た。
得られた重合体(試料A)は、ムーニー粘度(ML1+4,10
0℃)は68、スチレン含有量20重量%、ブタジエン部分
のミクロ構造は、1,4トランス結合26%、1,4−シス結合
19%、1,2−ビニル結合55%であった。またこの重合体
のG.P.C.による分析では、分岐重合体分子の量は30%、
▲▼/▲▼は1.7、また、オゾン分解物のG.P.C
より求めた単離スチレンは全スチレンに対して62%であ
り、長鎖ブロックスチレンは0%であった。また、得ら
れた重合体のスズの量の分析、ジシクロヘキシルカルボ
ジイミドの反応量の分析より、ほぼ目標通りの反応が行
なわれていることが確認された。
また分岐反応前の前駆重合体のムーニー粘度は32、G.P.
Cによる▲▼/▲▼は1.15であった。
さらに、試料Aを得たのと同様な方法で、スチレン含有
量、ブタジエン部分のミクロ構造、分岐剤、分岐状重合
体分子の比率等の異なる各種の重合体を調製した。これ
らを、本発明の範囲内および比較のための重合体として
使用した。それらのポリマー構造を表1に示した。
なお、スチレン含有量およびブタジエン部分のミクロ構
造は、赤外分光光度計を用いてスペクトルを測定し、ハ
ンプトンの方法で計算して求めた。
▲▼/▲▼は、G.P.C.(島津製作所製、LC−3
A、カラム:104,105,106各1本、溶媒:テトラハイドロ
フラン、検出器:示差屈折計)を使用し、ポリスチレン
を標準物質として較正曲線を使用する方法によって求め
た。
表1に示す重合体のうち試料A〜試料Gは本発明の範囲
に該当する重合体であり、試料H〜試料Mは比較のため
の重合体である。
また、天然ゴムおよびその他のゴム状重合体として、表
2に示すゴムを用意し、ゴム配合物の調整に使用した。
実施例1および比較例1 表1に示す重合体および表2に示される他の原料ゴムを
使用し表3に示す評価配合No.1、表4の組成の原料ゴム
成分を用い、内容量1.7の試験用バンバリーミキサー
を使用し、ASTM−D−3403−75の標準配合混合手順の方
法Bによって、ゴム配合物を得、これらを160℃、20分
加硫し、以下に示す方法に従って物性および加工性を評
価した。
(1)引張強度;JIS−K−6301に従った。
(2)反撥弾性;JIS−K−6301によるリュプケ法、70℃
における反撥弾性は、試料を70℃オーブン中で1時間予
熱後、素早く取り出して測定。
(3)グッドリッチ発熱 グリッドリッチフレクソメーターを使用し、荷重48ポン
ド、変位0.225インチ、スタート50℃、回転数1800rpmの
条件で試験を行ない、20分後の上昇温度差を表わした。
(4)ウェット・スキッド抵抗 スタンレー・ロンドンのポータブル・スキッドテスター
を使用し、路面としてセーフティ・ウォーク(3M製)を
使用して、ASTM−E−808−74の方法に従い測定した。
比較例1−7の測定値を100とした指数で表示した。
(5)アイス・スキッド抵抗;ウェット・スキッド抵抗
と同じ測定機を使用。−8℃に設定した室内で、表面温
度−8℃の氷を路面として使用。
比較例1−7の測定値を100とした指数で表示した。
(6)ロール加工性;試験用6インチロールを使用し、
ゴム配合物のロール上での操作性、巻きつき状態を観察
し、良好なものを4ロールに巻きつかず、バギングする
ものを1とした。
(7)押出加工性;ブラベンダープラストグラフにカー
ベイダイを装着し、押出量、表面の肌及びエッジの状態
を観察し、最良を4、最悪を1とした。
表4に示される加工性および加硫物物性の結果から明ら
かな如く、本発明において限定された特定の構造を有し
たポリブタジエンあるいはスチレン−ブタジエン共重合
体(試料A〜F)と天然ゴムとからなるゴム組成物は、
加工性がすぐれていると共に、引張強度、反撥弾性、発
熱、ウェット・スキッド特性、アイス・スキッド特性が
すぐれているのに対し、本発明の限定の範囲を満足して
いない試料H〜Mと、天然ゴムとからなるゴム組成物
は、加工性が良好な場合は、反撥弾性、発熱が悪く、一
方、反撥弾性、発熱が良好な組成物は、加工性に問題が
ある。
実施例2および比較例2 表5に示す本発明で限定する特定の重合体を使用し、実
施例1と同じく表3に示す配合でゴム組成物とし、加工
性および加硫物性を測定した。
表5に示される結果から明らかな如く、本発明の特定の
重合体を使用し、天然ゴム成分と、本発明で限定された
組成ブレンドして原料ゴム成分とした実施例2−1〜2
−9のゴム組成物は、加工性および加硫物物性が良好で
あるのに対し、本発明の範囲外の組成の比較例2−1〜
2−4のゴム組成物は、加工性および加硫物物性のバラ
ンスが劣っている。
〔発明の効果〕 本発明のタイヤ用ゴム組成物は、前記のように、ロール
加工性、押出加工性といった配合物の加工性が良好であ
ると共に、ころがり抵抗性能の尺度である反撥弾性ある
いは発熱性とウェット・スキッド特性のバランスが良好
で、かつウェット・スキッド特性とアイス・スキッド特
性のバランスも良好であり、更に加硫物の強度も高いと
いったすぐれた加硫物物性を示す。このようなゴム組成
物は低燃費タイヤ、オールシーズンタイヤを中心とした
乗用車タイヤをはじめ、各種タイヤのトレッドに特に好
適であり、本発明のもたらす工業的な意義は大きい。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合計量が100重量部である原料ゴム成分の
    (A)30〜90重量部が、 (1)重合体を構成する分子の10〜50重量%が3官能性
    以上の分岐剤によって結合された分岐状重合体であり、 (2)重合体を構成する分子の少なくとも20重量%がカ
    ルボジイミド類が付加した直鎖状重合体であり、 (3)重合体のスチレン含有量が0〜30重量%である 分岐状重合体分子と直鎖状重合体分子を有するポリブタ
    ジエンまたはスチレン−ブタジエン共重合体であり、 (B)原料ゴム成分の10〜70重量部が、天然ゴムまたは
    合成ポリイソプレンゴムであり、 (C)原料ゴム成分の0〜30重量部が他の共役ジエン系
    ゴム状重合体であり、 他に補強性カーボンブラック、ゴム用伸展油、硫黄、加
    硫促進剤を含有するタイヤ用のゴム組成物。
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