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JPH0776845A - オープンケーソンの沈設方法 - Google Patents

オープンケーソンの沈設方法

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Publication number
JPH0776845A
JPH0776845A JP24634893A JP24634893A JPH0776845A JP H0776845 A JPH0776845 A JP H0776845A JP 24634893 A JP24634893 A JP 24634893A JP 24634893 A JP24634893 A JP 24634893A JP H0776845 A JPH0776845 A JP H0776845A
Authority
JP
Japan
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caisson
open caisson
excavation
depth
mud
Prior art date
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Granted
Application number
JP24634893A
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English (en)
Other versions
JP2726611B2 (ja
Inventor
Masatake Yasumoto
匡剛 安本
Yasuhiko Asai
康彦 浅井
Koji Yano
功二 矢野
Tomoaki Satou
智晶 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toda Corp
Original Assignee
Toda Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toda Corp filed Critical Toda Corp
Priority to JP24634893A priority Critical patent/JP2726611B2/ja
Publication of JPH0776845A publication Critical patent/JPH0776845A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2726611B2 publication Critical patent/JP2726611B2/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高水圧条件のもとでオープンケーソンを安全
に沈設可能にすることにより、大深度立坑に要する工期
の短縮、コストダウン化、高水圧対策等をすべて解決す
ることのできるオープンケーソンの沈設方法を提供す
る。 【構成】 ケーソン躯体24内に中空部34を有するオ
ープンケーソンの沈設方法である。前記オープンケーソ
ンの沈設位置において、ケーソン躯体24の厚さよりや
や大きめの幅を有する溝孔12を所定のオープンケーソ
ン設置深さまで多数形成して、該溝孔12に泥土20を
充填する。ケーソン躯体24で囲まれた空間の地山の水
位を低下させて気中掘削が安全に施工できる深さを算出
し、該掘削深さに対応するロット数の複数の上下方向に
連通した中空部34を有するケーソン躯体24を構築
し、中空部34より溝孔12中の泥土20を排出させな
がらケーソン躯体24を沈設させる。ケーソン躯体24
で囲まれた空間の地山の水位を低下させて、前記掘削深
さまで気中掘削を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オープンケーソンの沈
設方法に関し、特に道路、鉄道、下水道、地下放水路、
大深度水道、エネルギー貯留大深度型地下タンク用等の
大深度立坑や開削式地下大空洞等を構築するためのオー
プンケーソンの沈設方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、立坑を構築する場合、比較的機
械設備が簡単で、工費が安いことから、オープンケーソ
ン工法が有効である。
【0003】このオープンケーソン工法では、鉄筋コン
クリート製のケーソン躯体により、筒状のケーソンを構
築し、その内部を掘削しながら地中に沈下させ、所定の
深さに到達させるようにしている。
【0004】このオープンケーソン工法による場合に
は、深さの浅い立坑を構築する場合には有効であるが、
深さが40メートル以上の大深度立坑を構築する場合に
は、高水圧によりヒービングやボイリングあるいは盤ぶ
くれやパイピング等が生じやすく、そのため施工が困難
となるものであった。
【0005】そこで、従来深さ40メートル以上の大深
度立坑を構築するに際しては、高水圧対策等から、連続
地中壁工法またはニューマチックケーソン工法が採用さ
れていた。
【0006】連続地中壁工法では、掘削溝に安定液を満
たし、壁面の崩壊を防ぎながら各種の掘削機で溝孔を掘
削し、スライム処理、鉄筋籠の建て込み、コンクリート
打設など一連の工程を繰り返し、3〜7メートルごとに
順次地下連続壁を築造するとともに、連続壁に沿った支
保工を構築して連続壁を支持するようにしていた。
【0007】また、ニューマチックケーソン工法では、
底部にスラブ構造を設けた作業室から土砂を排出しなが
らこれを沈下させ、所定の支持層に到達させるようにし
たもので、作業室内に浸入する水を排除するため、作業
室に圧縮空気を供給するようにしていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の連続地中壁
工法による場合には、3〜7メートルの掘削ごとに鉄筋
籠の建て込みおよびコンクリート打設を行って連続壁の
単位エレメントを築造し、しかも支保工を形成して支持
を行う必要があり、そのため工期が長くかかり、場合に
よっては数年を要することがあるという問題があった。
【0009】また、連続壁下端からの高圧の地下水の浸
透により、ヒービングやボイリングあるいは盤ぶくれや
パイピングなどのおそれが高く、その対応策として、根
入れ長さを相当大きくとる必要性が生じ、そのためにコ
ストアップが余儀なくされているという問題があった。
【0010】さらに、ニューマチックケーソン工法によ
る場合には、地下水を安全に征服できるが、圧気下での
作業であり、圧力が増加すると、健康管理上、加圧減圧
に多くの時間を要し、実作業時間が極端に短くなり、作
業能率が低下し、工期も長くかかるという問題があっ
た。
【0011】また、大深度に限らず、浅深度の立坑等の
構築に際しても、透水係数の大きい砂質地盤においては
同様の問題があった。
【0012】本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、高水圧条件のもとでオー
プンケーソンを安全に沈設可能にすることにより、大深
度立坑や透水係数の大きい砂質地盤などに要する工期の
短縮、コストダウン化、高水圧対策等をすべて解決する
ことのできるオープンケーソンの沈設方法を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】第1の発明にあっては、
躯体内に中空部を有するオープンケーソンの沈設方法で
あって、前記オープンケーソンの沈設位置において、該
オープンケーソンの躯体厚さよりやや大きめの幅を有す
る溝孔を所定のオープンケーソン設置深さまで多数形成
して、該溝孔に泥土を充填した後、前記ケーソン躯体で
囲まれた空間の地山の水位を低下させて気中掘削が安全
に施工できる深さを算出し、該掘削深さに対応するロッ
ト数の複数の上下方向に連通した中空部を有するケーソ
ン躯体を構築し、前記中空部より前記溝孔中の泥土を排
出させながら前記ケーソン躯体を沈設させる工程と、前
記ケーソン躯体で囲まれた空間の地山の水位を低下させ
て、前記掘削深さまで気中掘削を行なう工程と、を含む
ことを特徴としている。
【0014】第2の発明にあっては、前記泥土の比重を
少なくとも1. 3以上としたことを特徴としている。
【0015】第3の発明にあっては、前記オープンケー
ソンを沈設させる工程において、前記泥土を前記中空部
に滞留させて載荷重として作用させることを特徴として
いる。
【0016】第4の発明にあっては、前記オープンケー
ソンを沈設させる工程において、所定のオープンケーソ
ン設置深さより深い地盤に定着させたアンカー部材を反
力として前記オープンケーソンに押圧力を作用させるこ
とを特徴としている。
【0017】第5の発明にあっては、前記溝孔が平面的
に不連続に形成されることを特徴としている。
【0018】第6の発明にあっては、前記溝孔の不連続
部分を高圧力水の噴射により掘削することを特徴として
いる。
【0019】
【作用】第1の発明にあっては、オープンケーソン設置
深さまで多数形成した溝孔内に泥土を充填し、この泥土
を排出させながら上下方向に連通した複数の中空部を有
するケーソン躯体を沈設することにより、ケーソン躯体
を泥土中に浮かぶようにして沈設させ、かつ泥土の排出
量を調節して重量バランスを取りながら沈設させること
ができ、ケーソン躯体の安定した沈設が可能となる。
【0020】また、オープンケーソンの沈設時に、ケー
ソン壁外周の地山砂分が崩落して、楔現象により沈下摩
擦抵抗が増大する場合があるが、前記溝孔内に充填した
泥土が滑材として作用し、沈下摩擦抵抗を減少させるこ
とが可能となる。
【0021】さらに、ケーソン刃口の貫入を先行させる
ことにより、水中掘削時における刃口下の掘削が不要と
なり、効率的に沈設を行うことが可能となる。しかも、
刃口周りが余掘状態となることがなく、地山の崩壊や緩
みが防止できることとなる。
【0022】このケーソン躯体の沈設に際して、ケーソ
ン躯体で囲まれた空間の地山の水位を低下させて、気中
掘削が安全に施工できる深さ、即ち気中掘削を安全に施
工できる根入れ長を確保できる深さ、を算出し、その掘
削深さに対応するロット数のケーソン躯体を構築して、
沈設する。
【0023】そして、前記ケーソン躯体で囲まれた空間
の地山の水位を低下させて、前記掘削深さまで気中掘削
を行なう。従って、十分な根入れ長を確保した状態で気
中掘削を行なうことが可能で、高水圧によるヒービング
やボイリングあるいは盤ぶくれやパイピング等の心配を
することなく、気中掘削を行なうことができ、工費が安
く、工期も短くすることが可能となる。
【0024】第2の発明にあっては、泥土の比重を少な
くとも1.3以上とすることにより、ケーソン躯体を緩
かに沈下させて、安定した沈設を行うことが可能とな
る。
【0025】第3の発明にあっては、泥土を中空部に滞
留させて載荷重として作用させることにより、オープン
ケーソンの沈設時における浮力調整を容易に行うことが
可能で、しかも、小さな押圧力でオープンケーソンを姿
勢制御させながら沈設することが可能となる。また、ケ
ーソン自重が総沈下抵抗に優勢な状況であれば、ケーソ
ン躯体の見掛の単位堆積自重を小さくさせる効果があ
り、沈設を容易にさせることが可能となる。
【0026】第4の発明にあっては、アンカー部材を反
力として用いることにより、オープンケーソンに対する
十分な押圧力を作用させることが可能となる。
【0027】第5の発明にあっては、溝孔を平面的に不
連続に形成することにより、溝孔を連続して形成する場
合に比し、溝孔の形成が容易となり、工期の短縮化が可
能となる。
【0028】第6の発明にあっては、溝孔の不連続部分
を高圧力水の噴射により掘削することで、不連続部分を
大きくとることが可能となり、溝孔形成時の不連続部分
の水圧による崩壊を防止し、安定した施工を行うことが
可能となる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について、図面
を参照しつつ詳細に説明する。
【0030】図1〜図10は、本発明の一実施例に係る
オープンケーソンの沈設方法を示す図である。
【0031】まず、図1に示すように、オープンケーソ
ンを沈設しようとする位置に、溝孔掘削用のガイドウォ
ール10を設置する。このガイドウォール10は、オー
プンケーソン沈設用の溝孔をトレンチ掘削する際のガイ
ドをなすもので、オープンケーソンの躯体厚さよりやや
大きめの幅に設定されている。また、本実施例では、円
形のオープンケーソンを用いるようにしており、このガ
イドウォール10もオープンケーソンの形状に沿わせて
円形に配設されるようになっている。
【0032】次に、図2に示すように、オープンケーソ
ンの沈設位置に設置したガイドウォール10に沿って、
オープンケーソン沈設用の多数の溝孔12を掘削形成す
る。この場合、溝孔12の掘削に先立って、ガイドウォ
ール10の外周側に鋼矢板14を打設し、防護縁切壁を
形成して、地盤の変形を抑止するようにしている。
【0033】また、溝孔12は、トレンチ掘削により形
成されるもので、図8に示すように、連続する3つの掘
削部16A,16B,16Cを1つのエレメントとして
形成され、各溝孔12がエレメント単位で平面的に不連
続に形成されるようになっている。したがって、エレメ
ント間の妻止め材などの端部処理が不要となり、工期の
短縮化が可能となる。この不連続部分の地山18が、隣
接する溝孔12内の水圧差によって容易に崩壊しない程
度の厚さに設定される。
【0034】更に、各溝孔12の幅は、ガイドウォール
10の幅に合せてオープンケーソンの躯体厚さよりやや
大きめに設定され、しかも各溝孔12の深さは所定のオ
ープンケーソン設置深さまで掘削形成される。例えば、
溝孔12の掘削深さは、50メートル以上に設定され
る。このように、予め溝孔12を所定のオープンケーソ
ン設置深さまで掘削しておくことによって、オープンケ
ーソン沈設時におけるケーソン刃口下の掘削を行なうこ
となくケーソン躯体の沈設が可能となり、工期短縮及び
コストダウンが可能となる。
【0035】なお、掘削深さが50m程度までの場合に
は、多軸オーガを用いて上記溝孔を掘削することによ
り、ガイドウォールを必要としないで、さらに工期短縮
・工費低減を図ることも可能となる(図11参照)。
【0036】そして、溝孔12の掘削後、各溝孔12中
の掘削泥水を泥土20に置換する。この泥土20は、比
重が少なくとも1.3以上、好ましくは1.4以上にな
るように、掘削土を混合したり、配合成分を調整して作
製する。このように、比重1. 3以上の泥土20に置換
することにより、ケーソン躯体の沈設を安定して行なえ
るようにしている。また、この泥土20の比重は、沈設
しようとするケーソン躯体の比重との関係を考慮して適
宜決定されることとなる。
【0037】ついで、図3に示すように、溝孔12上に
ケーソン刃口22を設置し、このケーソン刃口22上に
ケーソン躯体24を構築して連結する。この場合、ケー
ソン刃口22の設置に先立って、鋼矢板14にて形成さ
れた防護縁切壁内の地山を3メートル程度気中でオープ
ン掘削を行う。また、各溝孔12の上方部分は、ケーソ
ン刃口22の沈設初期において刃口支持力を多く必要と
するため、砂置換して支持部26を形成することにより
刃口支持力を高めるようにしている。したがって、ケー
ソン刃口22を溝孔12上に載置し沈設する場合に、支
持部26によってケーソン刃口22が確実に支持され、
安定した沈設が可能となる。なお、支持部26は、前記
砂置換に限らず、例えば、溝孔12の上部に泥水固化材
を配合して強度を高めるようにすることも可能で、更に
は、必要に応じて深度別に泥水固化材の配合を変え、最
適な沈設状態が得られるようにすることも可能である。
【0038】また、溝孔12と鋼矢板14との間には、
所定のオープンケーソン設置深さより深い地盤にアンカ
ー部材28を定着させ、このアンカー部材28を油圧ジ
ャッキ30を介してケーソン刃口22に接続し、このア
ンカー部材28を反力としてケーソン刃口22に押圧力
を作用させるようにしている。したがって、ケーソン刃
口22に十分な圧入力を付与することが可能となる。な
お、アンカー部材28は、アースアンカー31とアンカ
ー鋼棒32とから構成されている。
【0039】さらに、ケーソン躯体24は、図9および
図10に示すように、上下方向に連通した複数の中空部
34を有するもので、本実施例では、直径30メート
ル、壁厚2〜3メートル程度に設定されている。なお、
このケーソン躯体24は、予め工場で構築され、または
現場で構築される。そして、この中空部34内に排泥管
36を挿通させ、この排泥管36の下端をケーソン刃口
22の下部より露出させるようにしている。また、排泥
管36には、中空部34内の適宜位置に浮力調整用のバ
ルブ38が取り付けられている。また、ケーソン躯体2
4に対する中空部34の割合は、44%前後とされ、泥
土20と比重バランスできるようにされている。なお、
ケーソン刃口22の下端には、刃口金物40が取り付け
られている。
【0040】次に、溝孔12上に設置したケーソン刃口
22を油圧ジャッキ30により押圧して、溝孔12内に
圧入し、このケーソン刃口22上に連結したケーソン躯
体24を沈設させる。また、ケーソン躯体24の圧入時
には、排泥管36下端より泥土20を排出させながら、
ケーソン躯体24が溝孔12内で水中に浮かぶような状
態にして沈設させて行く。この場合、必要に応じ、排泥
管36に設けた浮力調整用のバルブ38を開閉して、ケ
ーソン躯体24の中空部34内に泥土20を充填し、浮
力調整やバランスを取りながら好適な状態で沈下させる
ようにしている。また、前記中空部34内に水荷重やコ
ンクリートを充填しながらバランスを取ることも可能で
ある。
【0041】さらに、溝孔12間に残された不連続部分
の地山18は、ケーソン躯体24の自重によりケーソン
刃口22が切り崩していくことができ、しかもこの不連
続部分の地山18が刃口支持力として有効に作用するこ
ととなる。また、不連続部分の地山18の間隔が大き
く、ケーソン躯体24の自重で切り崩しできない場合に
は、ケーソン躯体24の中空部34内に高圧力水を供給
する配管45を挿通させ、この配管44の下端をケーソ
ン刃口22に臨ませ、配管45下端より高圧力水を噴射
させて不連続部分の地山18を掘削しつつ沈下させるこ
とも可能である。
【0042】また、前もって置換しておいた泥土材が上
載荷重やケーソン圧入力を受けて、圧密状態となり、ケ
ーソン躯体24の圧入がスムーズに進まない場合は、中
空部に設けた高圧水力の噴射によって再度流動化させ、
沈設を容易にさせることもできる。
【0043】そして更に、ここで沈設させるケーソン躯
体24は、ケーソン躯体24で囲まれた空間の地山の水
位を低下させて気中掘削が安全に施工できる深さ、即ち
少なくとも安全に気中掘削が施工できる根入れ長が確保
される深さ、を算出し、この掘削深さに対応するロット
数のケーソン躯体24を構築して沈設させるようにして
いる。
【0044】この気中掘削が安全に施工できる深さは、
既往の算定式によって、掘削底面の安全性を検討して求
めることが可能である。この掘削底面の安全性を検討す
る場合には、例えばヒービング、ボイリング、盤ぶく
れ、パイピング等に対する安全性を検討しなければなら
ない。
【0045】(A)ヒービングに対する安全性 一例として、ペックの安定数(Nb )により求めること
が可能である。
【0046】即ち、 Nb =γt ・H/Su ここに γt :土の湿潤単位体積重量 H :掘削深さ Su :掘削底面以深の粘土の非排水剪断強さ 上式により、Nb =3以下では安全とされている。
【0047】(B)ボイリングに対する安全性 一例として、テルツァーギの方法により求めることが可
能である。
【0048】即ち、 Fs =W/U=2γ・Ld /γw ・hw ≧1.2〜1.
5 ここに Fs :安全率 W :土の有効重量 U :平均過剰間隙水位 γ :土の水中単位体積重量 γw :水の単位体積重量 hw :水位差 (C)盤ぶくれに対する安全性 一例として、クリープ比により求めることが可能であ
る。
【0049】即ち、 Fs =W/U=γt1・h1 +γt2・h2 /γw ・γw ここに γt1、γt2:土の湿潤単位重量 h1 、h2 :地層の厚さ hw :被圧水頭 γw :水の単位体積重量 上式により、Fs =1.1程度で安全とされている。
【0050】(D)パイピングに対する安全性 例えば、自然状態の地盤では、パイピングに対して、ク
リープ比の考え方を用いて検討することが可能である。
【0051】即ち、流線の長さlと、水位差hw との比
をクリープ比(l/hw )とし、地盤の種類に応じたク
リープ比を確保する。例えば、河川の締切では、3.5
以上のクリープ比が必要とされる。
【0052】次に、前述のように、安全に気中掘削が施
工できる根入れ長が確保できる深さまで、それに対応す
るロット数のケーソン躯体24を構築、沈設した状態
で、ケーソン躯体24に囲まれた地山を気中で掘削す
る。従って、高水圧によるヒービング、ボイリング、盤
ぶくれ、更にはパイピングなどの影響を受けることな
く、安全に気中掘削を行なうことが可能となる。また、
この場合、ケーソン刃口22の沈設が、ケーソン躯体2
4出囲まれた空間の地山の掘削に先行するため、気中掘
削時に、ケーソン刃口22の下部の掘削をする必要がな
く、沈設が容易となり、工期の短縮化に寄与し得ること
となる。
【0053】そして、図4のように、安全に気中掘削が
できる深さまで気中掘削した後、更に、図5に示すよう
に、安全に気中掘削が施工できる根入れ長が確保できる
深さまで、それに対応するロット数のケーソン躯体24
を構築、沈設し、ケーソン躯体24に囲まれた内部空間
の地山を気中で掘削する。そして更に、前記工程を掘削
予定位置まで繰返して、掘削を完了する。
【0054】ついで、図6に示すように、掘削を完了し
た状態において、気中で底部の床ならしを行いスライム
処理した後、底部に鉄筋を組み立てて、コンクリートを
打設し、底盤基礎部48を形成する。さらに、ケーソン
躯体24の周りには裏込め材50を充填してシール処理
をしておく。
【0055】そして、図7に示すように、底盤基礎部4
8上に気中で鉄筋を組立、コンクリートを打設して底盤
52を形成する。その後、油圧ジャッキ30その他の機
材を撤去し鋼矢板を引き抜き、さらにはケーソン躯体2
4の中空部34内にコンクリートを充填して固化させれ
ば立坑が完成することとなる。なお、立坑底盤下からの
揚圧力が大きい場合には、底盤基礎部48、底盤52等
を重量コンクリートで形成して、全体重量を増加させて
揚圧力に対抗させることも可能である。
【0056】本発明は、前記実施例に限定されるもので
はなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施
が可能である。
【0057】例えば、ケーソン躯体は、直径30メート
ル、壁厚2〜3メートルの円形のものを示しているが、
この例に限らず、角形、楕円形等種々の形状や、大小様
々の寸法が採用できることは勿論である。
【0058】また、前記実施例では、溝孔を平面的に不
連続に形成したが、地盤その他の状況によっては、連続
的に形成してもよいことはもちろんである。
【0059】更に、前記実施例では、所定のオープンケ
ーソン設置深さまで気中掘削を行なう場合について説明
したが、この例に限らず、所定のオープンケーソン設置
深さまで安全に気中掘削ができない場合には、安全に気
中掘削ができる範囲で気中掘削を行ない、そこから先は
水中掘削とすることも可能である。
【0060】さらに、前記実施例では、アンカー部材2
8をケーソン躯体24の外側に設けるようにしている
が、この例に限らず、ケーソン躯体24に形成した中空
部34内を利用してアンカー部材を設置することによ
り、本設アンカーとしての利用時に有利にすることが可
能である。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、第1の発明にあっ
ては、オープンケーソン設置深さまで多数形成した溝孔
内に泥土を充填し、この泥土を排出させながら上下方向
に連通した複数の中空部を有するケーソン躯体を沈設す
ることにより、ケーソン躯体を泥土中に浮かぶようにし
て沈設させ、かつ泥土の排出量を調節して重量バランス
を取りながら沈設させることができ、ケーソン躯体の安
定した沈設ができるという効果がある。
【0062】また、オープンケーソンの沈設時に、ケー
ソン壁外周の地山砂分が崩落して沈下摩擦抵抗が増大し
たとしても、前記溝孔内に充填した泥土が滑材として作
用し、沈下摩擦抵抗を減少させることできるという効果
がある。
【0063】さらに、ケーソン刃口の貫入を先行させる
ことにより、気中掘削時における刃口下の掘削が不要と
なり、効率的に沈設を行うことができ、しかも、刃口周
りが余掘状態となることがなく、地山の崩壊や緩みが防
止できるという効果がある。
【0064】そして更に、ケーソン躯体で囲まれた空間
の地山の水位を低下させて、気中掘削が安全に施工でき
る深さを算出し、その掘削深さに対応するロット数のケ
ーソン躯体を構築して、沈設した後、ケーソン躯体で囲
まれた空間の地山の水位を低下させて、前記掘削深さま
で気中掘削を行なうため、十分な根入れ長を確保した状
態で気中掘削を行なうことが可能で、高水圧によるヒー
ビングやボイリングあるいは盤ぶくれやパイピング等の
心配をすることなく、気中掘削を行なうことができ、工
費が安く、工期も短くすることができるという効果があ
る。
【0065】第2の発明にあっては、泥土の比重を少な
くとも1.3以上とすることにより、ケーソン躯体を緩
かに沈下させて、安定した沈設を行うことができるとい
う効果がある。
【0066】第3の発明にあっては、泥土を中空部に滞
留させて載荷重として作用させることにより、オープン
ケーソンの沈設時における浮力調整を容易に行うことが
でき、しかも、小さな押圧力でオープンケーソンを姿勢
制御させながら沈設することができるという効果があ
る。また、ケーソン自重が総沈下抵抗に優勢な状況であ
ればケーソン躯体の見掛の単位堆積自重を小さくさせる
効果があり、沈設を容易にさせることが可能となる。
【0067】第4の発明にあっては、アンカー部材を反
力として用いることにより、オープンケーソンに対する
十分な押圧力を作用させることができるという効果があ
る。
【0068】第5の発明にあっては、溝孔を平面的に不
連続に形成することにより、溝孔を連続して形成する場
合に比し、溝孔の形成が容易となり、工期の短縮化なし
得るという効果がある。
【0069】第6の発明にあっては、溝孔の不連続部分
を高圧力水の噴射により掘削することで、不連続部分を
大きくとることが可能となり、溝孔形成時の不連続部分
の水圧による崩壊を防止し、安定した施工を行うことが
できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例に係るオープンケーソンの沈設方法に
おけるガイドウォール設置状態を示す断面図である。
【図2】図1の状態から溝孔を掘削して、泥土を充填し
た状態を示す断面図である。
【図3】図2の状態からアンカーを設置してケーソン刃
口を沈設する状態を示す断面図である。
【図4】図3の状態から気中掘削が安全に施工できる深
さまでケーソンの沈設を行なって地中掘削を行なう状態
を示す断面図である。
【図5】図4の状態から更に気中掘削が安全に施工でき
る深さまでケーソンの沈設を行なって地中掘削を行なう
状態を示す断面図である。
【図6】図5の状態からケーソン沈設及び地中掘削が完
了し、底盤基礎部を形成する状態を示す断面図である。
【図7】図6の状態から仕上用の底盤を形成する状態を
示す断面図である。
【図8】図2の溝孔の掘削状態を示す断面図である。
【図9】図3のケーソン刃口を示す断面図である。
【図10】ケーソン躯体の平面図である。
【図11】溝孔掘削を多軸オーガを用いて行った状態を
示す平面図である。
【符号の説明】
12 溝孔 20 泥土 22 ケーソン刃口 24 ケーソン躯体 28 アンカー部材 34 中空部 36 排泥管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 智晶 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田建 設株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 躯体内に中空部を有するオープンケーソ
    ンの沈設方法であって、 前記オープンケーソンの沈設位置において、該オープン
    ケーソンの躯体厚さよりやや大きめの幅を有する溝孔を
    所定のオープンケーソン設置深さまで多数形成して、該
    溝孔に泥土を充填した後、 前記ケーソン躯体で囲まれた空間の地山の水位を低下さ
    せて気中掘削が安全に施工できる深さを算出し、該掘削
    深さに対応するロット数の複数の上下方向に連通した中
    空部を有するケーソン躯体を構築し、前記中空部より前
    記溝孔中の泥土を排出させながら前記ケーソン躯体を沈
    設させる工程と、 前記ケーソン躯体で囲まれた空間の地山の水位を低下さ
    せて、前記掘削深さまで気中掘削を行なう工程と、 を含むことを特徴とするオープンケーソンの沈設方法。
  2. 【請求項2】 前記泥土の比重を少なくとも1.3以上
    としたことを特徴とする請求項1記載のオープンケーソ
    ンの沈設方法。
  3. 【請求項3】 前記オープンケーソンを沈設させる工程
    において、 前記泥土を前記中空部に滞留させて載荷重として作用さ
    せることを特徴とする請求項1記載のオープンケーソン
    の沈設方法。
  4. 【請求項4】 前記オープンケーソンを沈設させる工程
    において、 所定のオープンケーソン設置深さより深い地盤に定着さ
    せたアンカー部材を反力として前記オープンケーソンに
    押圧力を作用させることを特徴とする請求項1記載のオ
    ープンケーソンの沈設方法。
  5. 【請求項5】 前記溝孔が平面的に不連続に形成される
    ことを特徴とする請求項1記載のオープンケーソンの沈
    設方法。
  6. 【請求項6】 前記溝孔の不連続部分を高圧力水の噴射
    により掘削することを特徴とする請求項1記載のオープ
    ンケーソンの沈設方法。
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