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JPH0776082B2 - 第三リン酸カルシウムの製法 - Google Patents

第三リン酸カルシウムの製法

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JPH0776082B2
JPH0776082B2 JP9834986A JP9834986A JPH0776082B2 JP H0776082 B2 JPH0776082 B2 JP H0776082B2 JP 9834986 A JP9834986 A JP 9834986A JP 9834986 A JP9834986 A JP 9834986A JP H0776082 B2 JPH0776082 B2 JP H0776082B2
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JP
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tricalcium phosphate
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water
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JP9834986A
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千也 井上
晃 小野
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Kanto Chemical Co Inc
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Kanto Chemical Co Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、第三リン酸カルシウムの新しい製法に関する
ものである。
第三リン酸カルシウム(Tetiary Calcium Phosphat
e)、Ca3(PO4は、リン酸三カルシウム(Tricalciu
m Phosphate)とも呼ばれており、1180℃以下で熱力学
的に安定なβ型、1180℃から1430℃で安定なα型、及び
1430℃以上の高温で安定なα′型が知られている。この
第三リン酸カルシウムは古くから陶磁器類の釉薬、研磨
剤、あるいは、高融点を有する特性を利用して鋳造用の
滑剤などに用いられてきた。また、近年になつて、β型
の第三リン酸カルシウムの多孔体は、生体親和性に優
れ、骨の欠損部に埋入すると、孔の中に侵入した骨によ
り吸収され最終的には自家骨により完全に置き換えられ
て生体内に異物を残さない特性を有することが明らかに
されたことによりバイオアクテイブなインプラントセラ
ミツクスとして注目されている。
従来、第三リン酸カルシウムの製法に関しては、大別し
て次のような方法が知られている。
(1) 乾式合成法と称せられる固体拡散反応によつて
第三リン酸カルシウムを合成する方法。
(2) 湿式合成法と称せられる、水溶液イオンの直接
的反応によつて非晶質リン酸カルシウムを沈殿させ、
過、洗浄、乾燥等の工程を経た後に更に高温で加熱処理
して第三リン酸カルシウムに変換する方法。
(1)の乾式合成法は、例えばβ−ピロリン酸カルシウ
ムと炭酸カルシウムを等モルずつ混合し、1100℃で10時
間程度加熱して第三リン酸カルシウムを合成する例から
明らかな如く、高温で長時間反応させる必要があるため
に、多くのエネルギーを消費することや、固体−固体反
応であるため組成の均一性の点に難点がある。また、β
型第三リン酸カルシウムを骨置換材料として利用する場
合には、β型第三リン酸カルシウムの生体内での溶解吸
収速度のコントロールが必要とされており、そのために
β型第三リン酸カルシウムの合成方法、合成温度は重要
な要因の一つであるところ、乾式合成法によるβ型第三
リン酸カルシウムは、合成時に既に高温での長時間の熱
履歴を受けているために、反応活性を変えうる余地がほ
とんど無くなるなどの難点がある。また、(2)の湿式
合成法は、例えば、硝酸カルシウム水溶液とリン酸水素
二アンモニウムとをpHを10付近に保持しながら、脱炭酸
雰囲気中で混合し、非晶質リン酸カルシウムの沈殿を生
成させ、過し、アンモニア水で洗浄後、乾燥し、更に
600℃から1300℃程度の温度で加熱処理して第三リン酸
カルシウムに変換するなどの方法である。
しかしながら、この方法によると、カルシウム塩の水溶
液とリン水溶液を混合し、イオンの直接的反応によつて
非晶質リン酸カルシウムの沈殿を生成させる過程は原料
塩の種類や濃度、原料の混合手順と混合速度、pH調節な
ど非常に多くの因子によつて影響されるので、目的とす
る組成の沈殿を得ることが難かしく、また沈殿物の過
洗浄、乾燥、粉砕などのために必要とする多くの工程並
びに多くの装置を要し、その操作も熟練を必要とするな
どの難点がある。
本発明者らは、上述の如き従来技術における欠点を解消
し、しかも工程数が少なく、簡便な方法によつて第三リ
ン酸カルシウムを製造する方法について、種々研究を重
ねた結果、本発明を完成するに至つた。
即ち、本発明は、第三リン酸カルシウムの新規な製造方
法を提供するものである。本発明方法においては、原料
の均一な混合を実現するために、水と相溶性のアルコー
を溶媒として、あるいは、水と相溶性のアルコールと水
の混合溶媒を溶媒として用い、その溶媒に溶解させた均
一な組成の原料溶液を用いるものであつて、混合による
沈殿物を生じさせないことが一特徴となつている。そし
て、この溶液に、沈殿を生じさせない範囲内でアンモニ
ア水や上記溶液に可溶性のアミンを含有させ、液の性状
を中性域から弱アルカリ性域として、噴霧用原料溶液を
調製する。次いで、この原料溶液を火炎中または加熱帯
域中に噴霧して熱分解反応を行わせ、第三リン酸カルシ
ウムを生成せしめることを特徴とする。
従来技術の湿式合成法により生成される沈殿物は、湿式
生成ヒドロキシアパタイトの前駆物質として知られてい
る非晶質リン酸カルシウムであるから、目的の結晶質第
三リン酸カルシウムに変換するためには沈殿物の過、
洗浄、乾燥などの煩雑な工程を経た後に加熱処理するこ
とが必要である。これに対して、本発明の方法において
は、過、洗浄、乾燥などの煩雑な工程を全く必要とせ
ず、僅かに数秒以下の極めて短かい時間で合成反応を行
なわせることができ、しかも、直接に目的とする結晶質
の第三リン酸カルシウムを含む粉体を生成できるという
優れた利点を有する。
また、本発明の方法においては、原料の混合を溶液状態
で行なうから、必要に応じて、カルシウムとリン以外の
微量の元素を均一に添加混合することが容易であるとい
う利点を有する。例えば、第三リン酸カルシウムをバイ
オセラミツクス用粉体として用いるときに、哺乳動物の
骨に通常含まれる微量のNa,Mg,Si,K,Fe,Cu,Zn,Sr,Baな
どを第三リン酸カルシウムに微量配合することが望まし
い場合には、カルシウムとリンを含む原料溶液に対し、
それに可溶性で、これらの元素を含有している化合物を
微量混合して、均一に溶解した溶液を調製し、それを噴
霧熱分解することにより容易に目的とする生成物を得る
ことができる。
本発明は、第1の方法として、水と相溶性のアルコール
溶媒又は水と相溶性のアルコールと水との混合溶媒を溶
媒として用い、該溶媒に対し、可溶性のカルシウムの無
機化合物及びリンの有機化合物を混合溶解し、更にアン
モニア水及び/または生成溶液に可溶性のアミンを存在
させた原料溶液を調製し、その原料溶液を火炎中または
加熱帯域中に噴霧して、熱分解反応を行なわせることに
より、従来技術における欠点を解消し、第三リン酸カル
シウム粉体を直接生成する方法を提供するものである。
本発明は第2の方法として、上記の第1の方法により得
られた粉体をさらに、およそ400℃以上の温度で加熱処
理することによつて、反応活性などの粉体特性をコント
ロールしたα型またはβ型の所望の型の第三リン酸カル
シウムを製造する方法を提供するものである。
本発明の第1の方法によれば、1000℃以下の比較的低い
温度での噴霧熱分解反応においても、生成する粉体とし
て、目的とする第三リン酸カルシウムの結晶質相で、条
件によつては、第三リン酸カルシウムの非晶質相あるい
は、ヒドロキシアパタイトの結晶質相が含まれているも
のが得られる。いずれの場合であつても、生成粉体中の
第三リン酸カルシウムは、X線回析分析により、α型第
三リン酸カルシウムであることが確認された。本来、α
型第三リン酸カルシウムは1180℃から1430℃の高温下で
熱力学的に安定な相とされている〔D.E.C.Corbridge,
“The Structural Chemistry of Phosphorus,"Elsevier
Scientific Pub.Co.(1974)〕から、上記の条件によ
り生成されるα型第三リン酸カルシウムは、準安定状態
のものと考えられる。更に、より高い噴霧熱分解温度で
の合成においても直接第三リン酸カルシウム粉体が得ら
れることはもちろんである。従来技術における湿式合成
法では、直接、第三リン酸カルシウムの結晶質粉体を得
ることはできないので、本発明の第1の方法により上述
の如く、直接に第三リン酸カルシウム結晶質粉体を合成
することができるということは格別の利点であるという
ことができる。
本発明の第2の方法によれば、上記の第1の方法により
生成された粉体を種々の温度で加熱処理することによ
り、α型またはβ型の結晶系の選択や、粉体の反応活性
の大きさ、結晶成長の度合、焼結時の収縮率などの第三
リン酸カルシウム粉体の種々な特性をコントロールする
ことができる。また、準安定状態のα型第三リン酸カル
シウムを加熱してゆくと、準安定状態のα型第三リン酸
カルシウムから、一旦、β型第三リン酸カルシウムに転
移し、更に昇温すると再び高温型のα型第三リン酸カル
シウムに転移するが、その転移温度は、使用する原料化
合物の種類や合成条件などによつて、α型からβ型への
転移温度はおよそ750゜から950℃まで、またβ型からα
型への転移は、およそ1150℃から1250℃まで変化するこ
とが見い出された。このことは、原料化合物の種類や合
成条件を選択することにより、所望の型の第三リン酸カ
ルシウムの存在する温度範囲を広くしたり、同じ型の第
三リン酸カルシウムでも加熱処理温度を変えて活性の高
いものや活性の低い粉体を得ることができることを意味
するものであり、バイオセラミツクス用原料粉体などの
製造において極めて有利なことである。
更に本発明の方法は、上述の如く、従来技術の難点を解
消する第三リン酸カルシウムの新規な製造方法であるば
かりでなく、生成する第三リン酸カルシウムの性状その
ものも従来技術による第三リン酸カルシウムとは異なる
という特徴を有する。即ち、従来技術により得られる第
三リン酸カルシウムは乾式合成法による場合は、通常
は、塊状の焼結体として得られるものであるから、各種
の用途に用いるための原料粉体とするためには、それら
の塊状物を粉砕しなければならない。しかも粉砕された
粉体の形状は不定形で粒度分布の幅も広いものとなるた
めに目的に合つた粒径や粒度分布を有する粉体を得るた
めには、更に分級操作などの工程を必要とすることが多
い。これに対して、本発明の方法によれば、生成する第
三リン酸カルシウムは、初めから微細な粉体として得ら
れ、通常、サブミクロン〜数10ミクロンの球状の粉体で
ある。そしてその粒径は、原料溶液の調製に用いる原料
の種類や溶液の濃度、噴霧熱分解条件などを選択するこ
とにより変えることができる。従つて、粉砕工程による
時間の消費とそれに伴う不純物の混入などの恐れが無い
という利点を有する。
第三リン酸カルシウムをセラミツクス用原料として用い
る場合においては、第三リン酸カルシウムの成形体を高
温で焼結するので、これに用いる第三リン酸カルシウム
原料粉体は、焼結性に優れていなければならない。しか
し、乾式合成法によるものは、第三リン酸カルシウムの
合成時において、既に高温で反応を行なつているので、
その熱履歴のために、それを粉砕してセラミツクス用原
料として用いるときの粉体の焼結に対する活性は小さな
ものとなつてしまう。そのため、緻密な焼結体を得るた
めには、より高い温度での焼結を必要とする。これに対
して、本発明の方法による第三リン酸カルシウム粉体
は、焼結に対する活性が大きい。
更に、本発明の方法によれば、目的、用途に応じて意図
された第三リン酸カルシウムの状態に応じて、種々の実
施条件を設定し、簡便な操作により、その状態における
第三リン酸カルシウムを生成させることができる。
例えば、第三リン酸カルシウムのみの生成物を得ようと
する場合、あるいは第三リン酸カルシウム中にヒドロキ
シアパタイトやピロリン酸カルシウムなどの結晶相を混
在させようとする場合、その他各種の目的に適う種々の
場合などに応じて本発明の方法により、容易で第三リン
酸カルシウムを所望の状態で生成させることができる。
本発明方法により得られる第三リン酸カルシウムは、人
工骨などのバイオセラミツクス用原料として使用するの
に好適である。
本発明方法をさらに具体的に説明すると以下の通りであ
る。本発明方法においては、まず、水と相溶性のアルコ
ール又は水と相溶性のアルコールと水との混合溶媒に対
し、該溶媒に対し、可溶性のカルシウムの無機化合物及
びリンの有機化合物を加え、混合溶解して成る溶液に、
更にアンモニア水及び/または上記溶液に可溶性のアミ
ンを存在させた原料溶液を調製し、液性状を中性域から
弱アルカリ性域とする。これらの原料を混合する順序
は、必ずしも特定されるものではなく、沈殿を生じない
ような順序でさえあれば、いずれの順序で混合してもよ
い。混合に要する時間は、選択した原料によつて、異な
る。混合にあたつては、充分均一な溶液が得られるまで
撹拌するのが好ましい。次いで、このようにして調製し
た溶液を加圧ノズルや回転円板などによる公知の噴霧方
法により、ガスバーナーなどの火炎中あるいはガス炉や
電気炉などにより予め700〜1500℃に加熱された加熱帯
域中に噴霧して、数秒以下の極めて短い時間の間に、通
常数10ミクロン以下の微細な液滴となつた溶液中の溶媒
の蒸発・燃焼と溶質の固化、熱分解反応を行なわせる。
生成物は、通常、球状の微小粉体であり、サイクロンな
どによつて捕集することができる。
噴霧熱分解反応により生成する粉体は、原料化合物の種
類や組合せ、噴霧熱分解条件によつては、第三リン酸カ
ルシウム結晶質相と非晶質相の両相を含んでいたり、第
三リン酸カルシウムの他に未反応成分や副生成物が混在
したりする種々の場合があるが、いずれも、反応活性に
富む粉体であり、用途・目的によつては、こうした反応
活性に富んだ粉体を使用するほうが望ましい場合もあ
る。また、別の用途・目的によつては、反応活性を小さ
くしたり、結晶化度を高めたり、α型あるいはβ型の第
三リン酸カルシウム結晶形の所望の型に変換したり、副
生成物を減少または無くしたりするほうが望ましい場合
もあり、その場合には、噴霧熱分解反応によつて生成し
た粉体を、例えば電気炉などを用いておよそ400℃以上
の所望の温度で加熱処理することにより、上述の種々な
粉体特性をコントロールした第三リン酸カルシウムを得
ることができる。
本発明方法において使用される前記のカルシウムの無機
化合物及びリンの有機化合物としては、Ca(NO3・4
H2O,(CH3O)3P,(C2H5O)3P,(C2H5O)2POH等が挙げら
れる。
溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール
類またはこれらの有機溶媒と水との混合溶媒を用いるこ
とができる。これらの溶媒にカルシウムの無機化合物及
びリンの有機化合物を溶解した溶液に対し、加えられる
アミンとしては、トリメチルアミン30%水溶液、トリエ
チルアミン、ジエチルアミン等が好適に使用される。ま
た、アンモニア水を上記溶液に含有させるには、アンモ
ニア水として加えてもよく、あるいはアンモニアガスを
上記溶液に通じその結果として、アンモニア水を存在さ
せるようにしてもよい。これらの態様は、いずれも格別
に特定されるものではないが、原料溶液を調製するとき
に沈殿を生じることなく、均一な溶液状態が保持できる
ような原料の組合わせが用いられなければならない。な
お、水に対して相溶性のアルコールを単独で溶媒として
用いる場合でも、原料化合物の組合せによつては、原料
化合物中の残留水分や結晶水などのために、結果として
反応系が水とアルコールとの混合溶媒を用いた系になる
こともあるが、この場合であつても、沈殿を生じないで
原料溶液が調製できるものであれば、本発明の方法にお
ける溶媒として、もちろん、使用することができる。
以下、実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが本
発明は、これに限定されるものではない。
実施例1 Ca(NO3・4H2O 34.73gをエタノール約180mlに溶解
し、この溶液に(C2H5O)3P 17.10gを加えて撹拌混合
し、更にアンモニア水(28%)16.7mlを加えて混合した
後、エタノールを加えて全量が250mlの原料溶液を調製
した。次いで、この原料溶液を毎分10mlの割合並びに圧
縮空気を毎分10の割合で、二流体噴霧ノズルに供給し
て、ガスバーナーの火炎中に噴霧した。微細な液滴とな
つた原料溶液は、火炎中で溶媒の蒸発・燃焼によつて瞬
間的に加熱され熱分解反応が起つた。生成した粉体は、
サイクロン方式によつて捕集した。次にこの粉体のX線
回折分析を行つた結果、得られた粉体は、α型第三リン
酸カルシウムの結晶質相と非晶質相の両相を含み、その
ほかにヒドロキシアパタイトの結晶質相が微量含まれて
いた。
実施例2 実施例1の方法により得られた粉体を、空気雰囲気中で
5℃/minの割合で昇温し、750℃で1時間加熱処理を行
い、5℃/minの割合で冷却した。この加熱処理によつて
得られた生成物のX線回折測定を行つた結果を第1図に
示した。第1図から明らかなように、本実施例により得
られた生成物の結晶質相は、α型第三リン酸カルシウム
のみであり、実施例1で得られた粉体中に含まれていた
ヒドロキシアパタイトのピークは消滅し、認められなか
つた。
実施例3 実施例1の方法により得られた粉体を、空気雰囲気中で
5℃/minの割合で昇温し、1000℃で1時間加熱処理を行
い、5℃/minの割合で冷却した。この加熱処理によつて
得られた生成物のX線回折測定を行つた結果を第2図に
示した。第2図から明らかなように、本実施例により得
られた生成物は、完全にβ型第三リン酸カルシウムに相
転位していた。
実施例4 Ca(NO3・4H2O 16.96gをエタノール約180mlに溶解
し、この溶液に(C2H5O)3P 8.83gを加えて撹拌混合
し、更に(C2H52NH25.9mlを加えて混合した後、エタ
ノールを加えて全量が250mlの原料溶液を調製した。次
いで、この原料溶液を実施例1と同様の方法で、火炎中
に噴霧して熱分解を行つた。この方法により得られた粉
体は、X線回折分析の結果、α型第三リン酸カルシウム
の結晶質相と僅かな非晶質相を含んでいた。
実施例5〜10 Ca(NO3・4H2O,(CH3O)3P,(C2H5O)3P,(C2H5O)
2POH,メタノール,エタノール,アンモニア水(28
%),トリメチルアミン30%水溶液,ジエチルアミン,
トリエチルアミンなどを原料溶液成分として用い、これ
らから選択して、第1表に示したそれぞれの原料配合割
合に従つて、原料溶液を調製し、第1表に示した以外の
条件については、実施例1と同様な条件により噴霧熱分
解操作を行い、第三リン酸カルシウムを合成した。
なお、第1表中のアルコール類の欄の数字「250」は、
いずれも、原料溶液の全量が250mlとなるように、アル
コール類を加えることを意味する。
【図面の簡単な説明】
添付図面は、いずれも本発明の実施例で得られた生成物
のX線回折図を示すものであり、第1図は、実施例2に
より得られたα型第三リン酸カルシウムのX線回折図を
示す図であり、第2図は、実施例3により得られたβ型
第三リン酸カルシウムのX線回折図を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水と相溶性のアルコールを溶媒として、あ
    るいは水と相溶性のアルコールと水との混合溶媒を溶媒
    として用い、その溶媒に対し可溶性のカルシウムの無機
    化合物及びリンの有機化合物を混合溶解し、更にアンモ
    ニア水及び/または生成溶液に対して可溶性のアミンを
    存在させた原料溶液を調製し、この原料溶液を火炎中ま
    たは加熱帯域中に噴霧して、熱分解反応させることを特
    徴とする第三リン酸カルシウムの製法。
  2. 【請求項2】水と相溶性のアルコールを溶媒として、あ
    るいは水と相溶性のアルコールと水との混合溶媒を溶媒
    として用い、その溶媒に対し可溶性のカルシウムの無機
    化合物及びリンの有機化合物を混合溶解し、更にアンモ
    ニア水及び/または生成溶液に対して可溶性のアミンを
    存在させた原料溶液を調製し、この原料溶液を火炎中ま
    たは加熱帯域中に噴霧して、熱分解反応を行い、生成す
    る粉体を加熱処理することを特徴とする第三リン酸カル
    シウムの製法。
JP9834986A 1986-04-30 1986-04-30 第三リン酸カルシウムの製法 Expired - Lifetime JPH0776082B2 (ja)

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