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JPH0754180A - コラーゲン完全加水分解液からのヒドロキシプロリンの分離精製方法 - Google Patents

コラーゲン完全加水分解液からのヒドロキシプロリンの分離精製方法

Info

Publication number
JPH0754180A
JPH0754180A JP21527593A JP21527593A JPH0754180A JP H0754180 A JPH0754180 A JP H0754180A JP 21527593 A JP21527593 A JP 21527593A JP 21527593 A JP21527593 A JP 21527593A JP H0754180 A JPH0754180 A JP H0754180A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
acid
hydroxyproline
collagen
electrodialysis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21527593A
Other languages
English (en)
Inventor
Masato Yoshioka
正人 吉岡
Hiroshi Shintani
博 新谷
Takeshi Sugiyama
剛 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiwa Kasei Co Ltd
Original Assignee
Seiwa Kasei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiwa Kasei Co Ltd filed Critical Seiwa Kasei Co Ltd
Priority to JP21527593A priority Critical patent/JPH0754180A/ja
Publication of JPH0754180A publication Critical patent/JPH0754180A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Pyrrole Compounds (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 引火性の高い有機溶媒を使用することなく、
かつ強酸、強アルカリなどの廃液が少なく、しかも短時
間にヒドロキシプロリンを分離精製できるようにする。 【構成】 コラーゲン完全加水分解液を亜硝酸処理し、
次いで塩酸加水分解して、イミノ酸以外のアミノ酸をヒ
ドロキシ酸にした溶液から、活性炭処理および電気透析
を経由して、ヒドロキシプロリンを分離精製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コラーゲン完全加水分
解液からイミノ酸であるヒドロキシプロリンを効率よく
分離精製する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヒドロキシプロリンは、医薬品や化粧品
の原料として有用性が期待されているが、合成がむつか
しく、製造コストがかさむため、その入手は、天然のコ
ラーゲンから単離することによって行われてきた。
【0003】そして、そのコラーゲンからヒドロキシプ
ロリンを単離する方法としては、コラーゲンの変成物で
あるゼラチンを塩酸で完全加水分解し、亜硝酸ナトリウ
ムでイミノ酸をニトロソ化合物にし、その他のアミノ酸
をヒドロキシ酸にし、塩酸で加水分解してニトロソ基を
はずしてイミノ酸のニトロソ化合物をイミノ酸に戻した
後、エチルエーテルなどの有機溶媒でヒドロキシ酸を抽
出分離し、水層を中和後、イオン交換樹脂カラムに通液
して無機塩を除去し、カラム通過液を濃縮乾固し、エタ
ノール抽出でプロリンを分離し、不溶部からヒドロキシ
プロリンを分離する方法が一般的に採用されてきた〔タ
ンパク質化学1、p144(共立出版)〕。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では、ヒドロキシ酸の抽出にエチルエーテルや酢酸エ
チルなどの引火性の高い有機溶媒を用いるため、火災を
引き起こすおそれがあり、しかも、それらの有機溶媒は
人体に有害であって、大量に使用する場合には、健康管
理にも充分な注意を払わなければならないという問題が
あった。
【0005】また、上記方法では、塩化ナトリウムなど
の中和塩の除去のためイオン交換樹脂カラムを使用する
が、試料の通液や樹脂の再生、活性化に時間を要する上
に、イオン交換樹脂の再生、活性化に強酸、強アルカリ
を大量に使用するため、それらの廃液処理が問題となっ
ていた。
【0006】さらに、イオン交換樹脂カラムによる脱塩
では、通液によるpHの変化のため、中和塩を完全に除
去することが困難であり、残存する塩が最終段階まで残
り、水溶性のヒドロキシプロリンの精製を困難にしてい
た。
【0007】従って、本発明は、引火性の高い有機溶媒
を使用することなく、かつ強酸、強アルカリなどの廃液
が少なく、しかも短時間にヒドロキシプロリンを分離精
製する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ヒドロキ
シプロリンの分離精製方法について種々検討を重ねた結
果、電気透析装置によって脱塩して完全に中和塩を除去
しておけば、引火性の高い有機溶媒でヒドロキシ酸を抽
出分離しなくても、容易にヒドロキシプロリンを分離精
製できること、また、電気透析の前に活性炭によって加
水分解液中に含まれている微量の油分や加水分解によっ
て生じる着色成分を除去しておくと、電気透析での脱塩
時間を短縮でき、その後のアルコール抽出でプロリンや
ヒドロキシ酸を除去したときに、ヒドロキシプロリンが
さらに容易に結晶化することを見出し、本発明を完成す
るにいたった。
【0009】すなわち、本発明によれば、コラーゲン完
全加水分解液を亜硝酸処理し、次いで塩酸加水分解によ
って、イミノ酸以外のアミノ酸をヒドロキシ酸に変えた
溶液を、活性炭処理した後、電気透析によって脱塩する
ことによりヒドロキシプロリンを従来の方法よりも容易
に、かつ短時間に得ることができるのである。
【0010】本発明により、コラーゲン完全加水分解液
からヒドロキシプロリンを得るまでの各工程について詳
しく説明すると、以下の通りである。
【0011】まず、出発物質のコラーゲンの完全加水分
解液を得るには、コラーゲンまたはその変成物であるゼ
ラチンを塩酸、硫酸などの強酸を用いて加熱分解する。
【0012】本発明において、出発物質をコラーゲン完
全加水分解物と限定しているのは、加水分解が不充分で
は、加水分解液中に未分解のペプチド類が残り、ヒドロ
キシプロリンがイミノ酸として完全に分離してこない上
に、このペプチド類が最終段階でヒドロキシプロリンの
結晶化を妨げるからである。
【0013】そして、上記完全加水分解液に、溶液温度
を35〜55℃程度に保ちながら、常法どおり亜硝酸ナ
トリウム溶液を滴下して反応させ、イミノ酸をニトロソ
化し、同時に他のアミノ酸をヒドロキシ酸に変える。
【0014】その後、この混合液を塩酸で加水分解し、
イミノ酸のニトロソ化合物をイミノ酸に戻し、水酸化ナ
トリウムを加えて溶液を中和する。
【0015】この中和液に活性炭を加えて着色成分や油
状物質を吸着させ、濾過によりそれらの物質を除去した
後、電気透析に適用する。
【0016】上記のように着色成分や油状物質といった
透析膜を劣化させるような物質を除去しておけば、電気
透析は特別な設備を要することなく、通常の設備、方法
によって行い得る。
【0017】例えば、極液には硫酸ナトリウム水溶液な
どの中性塩水溶液が用いられ、透析膜には、低分子量の
アニオンのみが通過し得るアニオン交換膜と、低分子量
のカチオンのみが通過し得るカチオン交換膜が用いら
れ、そこに直流電流を負荷することによって実施され
る。
【0018】電気透析により塩分を完全に除去した溶液
は、減圧濃縮乾固し、メタノール、エタノールなどのア
ルコールで可溶部と不溶部に分別する。
【0019】そして、そのアルコール不溶部を、少量の
水を加えて溶解した後、水−メタノールで再結晶するこ
とによって、ヒドロキシプロリンが得られる。
【0020】次に実施例をあげて本発明をさらに詳しく
説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限ら
れるものではない。なお、以下において、濃度を示す%
は重量%である。
【0021】実施例1 ゼラチン100gを28%塩酸200gに溶解し、10
0℃で18時間加熱分解した。このゼラチンの完全加水
分解液を湯浴上で45℃に保ち、攪拌しながら、40℃
亜硝酸ナトリウム水溶液225gを滴下し、ニトロソ化
反応を行った。
【0022】滴下終了後、湯浴温度を50℃に上げ、さ
らに2時間攪拌を続けて反応を完結させた。
【0023】この反応液に濃塩酸50gを加え、100
℃で3時間加熱して加水分解を行った後、25%水酸化
ナトリウム水溶液170gを加え、溶液のpHを5.8
に調整した。
【0024】この中和液に活性炭10gを添加し、約5
0℃で約30分間攪拌を続け、着色成分や、油状物質を
吸着させ、濾過により不溶物を除去した。
【0025】濾過後の溶液を水で約1.5kgになるま
で希釈し、下記に示す電気透析装置を用いて電気透析を
行った。
【0026】型式 :DO−Cb型〔帝人エンジニア
リング(株)製〕 膜名称 :セレミオンCMVおよびAMV〔旭硝子
(株)社製、商品名〕 膜寸法 :18cm×12cm 組入膜数:10対 電圧 :30V
【0027】陽極液および陰極液には、硫酸ナトリウム
水溶液(無水硫酸ナトリウムとして約5%)1.5リッ
トルを用い、両液を同じタンクを用いることによって中
和しながら循環を行った。被濃縮側の液には、初期濃度
3%の塩化ナトリウム水溶液2リットルを用いた。
【0028】電気透析開始後、経時的に、試料中の灰分
量を測定し、2時間で灰分量が0.1%以下になったこ
とを確認して電気透析を終了した。
【0029】電気透析処理濾液は減圧濃縮乾固し、大量
のメタノールを加えて、可溶部を分離した。
【0030】メタノール不溶部を少量の水に溶解し、メ
タノールを加え、得られた粗結晶を水−メタノールで再
結晶することによって、ヒドロキシプロリン5.5gを
得た。
【0031】得られたヒドロキシプロリンは、融点およ
び薄層クロマトグラフィーで確認したところ、純品であ
った。
【0032】使用したゼラチン100g中のヒドロキシ
プロリンの含有量は、アミノ酸オートアナライザーによ
るアミノ酸分析の結果、6.9gであったので、分離精
製されたヒドロキシプロリンの収率は79.7%であっ
た。
【0033】比較例1 実施例1と同様にゼラチンの完全加水分解液を、亜硝酸
処理し、次いで塩酸加水分解して、イミノ酸以外のアミ
ノ酸をヒドロキシ酸にした。
【0034】この溶液を水酸化ナトリウム水溶液で中和
した後、活性炭処理をせずに濾過し、電気透析を行っ
た。
【0035】電気透析の条件は、実施例1と同様である
が、試料側の灰分量は2時間目でも1.5%あり、灰分
量を0.1%以下にするには6時間要した。
【0036】また、この電気透析装置では、透析膜に着
色成分や油状物質が付着し、膜能力の回復に、実施例1
に比べて約4倍の5時間を要した。
【0037】電気透析後の操作は実施例1と同様であ
り、メタノール不溶部から4.2gのヒドロキシプロリ
ンが得られた。収率は60.8%であった。
【0038】比較例2 実施例1と同様にゼラチンの完全加水分解液を、亜硝酸
処理し、次いで塩酸加水分解して、イミノ酸以外のアミ
ノ酸をヒドロキシ酸にした。
【0039】この溶液を分液ロートに移し、ジエチルエ
ーテル200mlで2回ヒドロキシ酸を抽出除去した。
水層部分は、減圧濃縮により、含有しているジエチルエ
ーテルを除去した後、水酸化ナトリウム水溶液で中和
し、弱塩基性イオン交換樹脂アンバーライトIR−4B
(オルガノ社製、商品名)250mlを充填し、OH-
型に活性化した樹脂塔に約3時間かけて通液し、その
後、約1時間イオン交換水で上記のイオン交換樹脂を洗
浄した。
【0040】通過液および洗液を合一し、減圧下で濃縮
乾固したが、溶液は飴状で完全には乾固しなかった。
【0041】メタノールで可溶部を分離除去したが、メ
タノール不溶部は、着色物質および塩の混在が多く、結
晶化が困難であった。そのため、この溶液に少量のメタ
ノールを添加し、冷蔵庫で1晩冷却した。その結果、少
量の結晶が得られた。
【0042】この結晶は主にヒドロキシプロリンであっ
たが、着色している上に、燃焼試験や薄層クロマトグラ
フィーで塩の混在が認められた。
【0043】そのため、この結晶を水−メタノールで3
回再結晶を繰り返し、2.1gのヒドロキシプロリンの
純品を得た。収率は30.4%であった。
【0044】以上の実施例1および比較例1〜2の結果
を表1に要約する。
【0045】
【表1】
【0046】表1に示すように、本発明の実施例1によ
れば、脱塩に要する時間、脱塩装置の再生に要する時間
とも短く、かつ純品にするための再結晶の回数が少な
く、しかも高収率であった。もとより、この実施例1で
は、エチルエーテルなどの引火性の強い有機溶媒を使用
しておらず、また比較例2のようなイオン交換樹脂カラ
ムへの通液をしていないので、多量の強酸、強アルカリ
の廃液処理問題も生じなかった。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
引火性の高い有機溶媒を使用することなく、かつ強酸、
強アルカリなどの廃液が少なく、しかも有機溶媒による
ヒドロキシ酸抽出工程が不必要になり、短時間にヒドロ
キシプロリンを分離精製することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 剛 神奈川県小田原市中里84−2

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コラーゲン完全加水分解液を亜硝酸処理
    し、次いで塩酸加水分解して、イミノ酸以外のアミノ酸
    をヒドロキシ酸にした溶液から、活性炭処理および電気
    透析を経由して、ヒドロキシプロリンを分離精製するこ
    とを特徴とする、コラーゲン完全加水分解液からのヒド
    ロキシプロリンの分離精製方法。
JP21527593A 1993-08-06 1993-08-06 コラーゲン完全加水分解液からのヒドロキシプロリンの分離精製方法 Pending JPH0754180A (ja)

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JP21527593A JPH0754180A (ja) 1993-08-06 1993-08-06 コラーゲン完全加水分解液からのヒドロキシプロリンの分離精製方法

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JPH0754180A true JPH0754180A (ja) 1995-02-28

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104276990A (zh) * 2013-07-04 2015-01-14 江南大学 一种利用活性炭对l-羟脯氨酸发酵液脱色的方法
CN105669511A (zh) * 2016-03-31 2016-06-15 天津市敬业精细化工有限公司 一种羟脯氨酸精制方法
CN114105849A (zh) * 2021-12-02 2022-03-01 保定九孚生化有限公司 一种l-羟基脯氨酸的提取方法

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