JPH0754087A - 耐浸炭性に優れた耐熱合金 - Google Patents
耐浸炭性に優れた耐熱合金Info
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- JPH0754087A JPH0754087A JP22207793A JP22207793A JPH0754087A JP H0754087 A JPH0754087 A JP H0754087A JP 22207793 A JP22207793 A JP 22207793A JP 22207793 A JP22207793 A JP 22207793A JP H0754087 A JPH0754087 A JP H0754087A
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Landscapes
- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 石油化学工業用反応管(エチレンクラッキン
グチューブ等)として使用される耐熱合金の高温浸炭抵
抗性の改良 【構成】 C:0.3%以下,Si:4%以下,Mn:
3%以下,Cr:10%以下,Fe:10%以下,W:
10〜35%,Al:2〜8%,残部Niおよび不可避
不純分からなる化学組成を有する。所望により、クリー
プ破断強度を高めるための元素としてTi:0.05〜
0.5%,Zr:0.05〜0.5%の群から選ばれる
1種もしくは2種の元素,および浸炭抵抗性を強化する
元素として、Ca:0.001〜0.5%,Hf:0.
5%以下,Y:0.5%以下の群から選ばれる1種ない
し2種以上の元素が添加される。
グチューブ等)として使用される耐熱合金の高温浸炭抵
抗性の改良 【構成】 C:0.3%以下,Si:4%以下,Mn:
3%以下,Cr:10%以下,Fe:10%以下,W:
10〜35%,Al:2〜8%,残部Niおよび不可避
不純分からなる化学組成を有する。所望により、クリー
プ破断強度を高めるための元素としてTi:0.05〜
0.5%,Zr:0.05〜0.5%の群から選ばれる
1種もしくは2種の元素,および浸炭抵抗性を強化する
元素として、Ca:0.001〜0.5%,Hf:0.
5%以下,Y:0.5%以下の群から選ばれる1種ない
し2種以上の元素が添加される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐浸炭性を要求される
高温耐熱用途、代表的には石油化学工業における炭化水
素類の熱分解・改質反応管等の構成材料として有用な耐
浸炭性に優れた高Alニッケル基耐熱合金に関する。
高温耐熱用途、代表的には石油化学工業における炭化水
素類の熱分解・改質反応管等の構成材料として有用な耐
浸炭性に優れた高Alニッケル基耐熱合金に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化水素類の熱分解・改質反応用管、例
えばエチレン製造用クラッキングチューブは、管内を通
過するナフサ等を高温・高圧(温度:約750 〜1050℃,
圧力:約10Kg/cm 2 以上)の条件下に熱分解させる反応
器である。その実使用においては、反応系から固形炭素
が析出し、管壁内面に付着して管壁内部に拡散侵入する
浸炭現象を生じる。浸炭の発生は、管材質の劣化、特に
延性の低下による管体の脆化を引き起こし、高温・高圧
の操業条件下、管体の割れ発生の原因となる。従ってそ
の反応用管は、良好な耐久性と操業の安全性確保のため
に、高温域での強度、耐酸化性等と共に、浸炭抵抗性を
備えたものであることを要する。従来より、その管材料
として、ASTM規格のHP高Si材(0.4 C−1.75S
i−25Cr−35Ni−Fe)、およびそのHP改良材
(0.4 C−1.75Si−25Cr−35Ni−Mo,Nb,W
−Fe)等が使用され、また特公昭63−4897号公
報には、0.4 C−35Cr−45Ni−W,Nb−Ti,Z
r−Fe耐熱鋳鋼、特公昭63−4898号公報には、
0.4 C−35Cr−35Ni−W,Nb−Ti,Zr−Fe
耐熱鋳鋼がそれぞれ開示されている。
えばエチレン製造用クラッキングチューブは、管内を通
過するナフサ等を高温・高圧(温度:約750 〜1050℃,
圧力:約10Kg/cm 2 以上)の条件下に熱分解させる反応
器である。その実使用においては、反応系から固形炭素
が析出し、管壁内面に付着して管壁内部に拡散侵入する
浸炭現象を生じる。浸炭の発生は、管材質の劣化、特に
延性の低下による管体の脆化を引き起こし、高温・高圧
の操業条件下、管体の割れ発生の原因となる。従ってそ
の反応用管は、良好な耐久性と操業の安全性確保のため
に、高温域での強度、耐酸化性等と共に、浸炭抵抗性を
備えたものであることを要する。従来より、その管材料
として、ASTM規格のHP高Si材(0.4 C−1.75S
i−25Cr−35Ni−Fe)、およびそのHP改良材
(0.4 C−1.75Si−25Cr−35Ni−Mo,Nb,W
−Fe)等が使用され、また特公昭63−4897号公
報には、0.4 C−35Cr−45Ni−W,Nb−Ti,Z
r−Fe耐熱鋳鋼、特公昭63−4898号公報には、
0.4 C−35Cr−35Ni−W,Nb−Ti,Zr−Fe
耐熱鋳鋼がそれぞれ開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近時、上記熱分解・改
質反応操業は、操業効率・生産性向上等の観点から、約
1100℃を超える高温操業の要請が高まっている。し
かるに、上記従来の管材料は、温度約1050℃、ない
しは約1100℃までの使用に供し得るものであり、そ
れを超える高温環境において安定な操業を確保すること
は困難であり、特に浸炭抵抗性の不足による管材の劣化
が速く、耐用寿命の低下を免れない。そこで、本発明
は、温度約1100℃を超える高温操業にも卓抜した浸
炭抵抗性を示し、安定な操業を可能とする管材料として
有用な耐熱合金を提供しようとするものである。
質反応操業は、操業効率・生産性向上等の観点から、約
1100℃を超える高温操業の要請が高まっている。し
かるに、上記従来の管材料は、温度約1050℃、ない
しは約1100℃までの使用に供し得るものであり、そ
れを超える高温環境において安定な操業を確保すること
は困難であり、特に浸炭抵抗性の不足による管材の劣化
が速く、耐用寿命の低下を免れない。そこで、本発明
は、温度約1100℃を超える高温操業にも卓抜した浸
炭抵抗性を示し、安定な操業を可能とする管材料として
有用な耐熱合金を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の耐熱合金は、
C:0.3%以下,Si:4%以下,Mn:3%以下,
Cr:10%以下,Fe:10%以下,W:10〜35
%,Al:2〜8%,残部Niおよび不可避不純分から
なる化学組成を有する。本発明の耐熱合金は、更にその
材質改善を目的とし、所望により、上記諸元素のほか、
高温クリープ破断強度の改善元素として、Ti:0.0
5〜0.5%,Zr:0.05〜0.5%の群から選ば
れる1種もしくは2種の元素、および/または耐浸炭性
改善元素として、Ca:0.001〜0.5%,Hf:
0.5%以下,Y:0.5%以下の群から選ばれる1種
ないし2種以上の元素を含有する化学組成が与えられ
る。
C:0.3%以下,Si:4%以下,Mn:3%以下,
Cr:10%以下,Fe:10%以下,W:10〜35
%,Al:2〜8%,残部Niおよび不可避不純分から
なる化学組成を有する。本発明の耐熱合金は、更にその
材質改善を目的とし、所望により、上記諸元素のほか、
高温クリープ破断強度の改善元素として、Ti:0.0
5〜0.5%,Zr:0.05〜0.5%の群から選ば
れる1種もしくは2種の元素、および/または耐浸炭性
改善元素として、Ca:0.001〜0.5%,Hf:
0.5%以下,Y:0.5%以下の群から選ばれる1種
ないし2種以上の元素を含有する化学組成が与えられ
る。
【0005】
【作用】本発明のニッケル基耐熱合金は、高Al含有組
成であることにより、表面に緻密な酸化被膜を生成し、
その被膜はCの拡散侵入に対する有効なバリアーとして
機能する。前記反応管の管内面は、高温操業時の還元性
雰囲気と、その操業を定期的に中断して管壁内面の付着
炭素を除去するために行うデコーキング作業時の弱酸化
性雰囲気との繰り返しであり、またその繰り返しに伴う
熱サイクルを受ける。本発明の高Al含有組成の耐熱合
金からなる反応管は、このような管内雰囲気の変化や熱
サイクルの作用下にも、管壁表面の酸化被膜の劣化(変
質、亀裂・剥離等)を生じることがなく、約1100℃
を超える高温環境でのCの拡散侵入を抑制防止するバリ
アーとして有効に機能し、長期に亘り管体を浸炭による
劣化から保護する。また、Crは耐熱合金の耐酸化性や
高温強度を確保するための主要元素として知られている
が、本発明はこれを少量に制限し、合金中に拡散侵入す
るCとの反応(Cr炭化物の生成)を可及的に抑制防止
することにより、高延性を安定に保持することを可能に
している。そのCr量の制限に伴う耐酸化性および高温
強度の不足に対しては、Al量を富化している効果とし
て耐酸化性を補償すると共に、W等の元素の多量添加の
効果として高温強度を確保することにより、約1100
℃を超える温度使用に要求される材料特性を兼備させて
いる。
成であることにより、表面に緻密な酸化被膜を生成し、
その被膜はCの拡散侵入に対する有効なバリアーとして
機能する。前記反応管の管内面は、高温操業時の還元性
雰囲気と、その操業を定期的に中断して管壁内面の付着
炭素を除去するために行うデコーキング作業時の弱酸化
性雰囲気との繰り返しであり、またその繰り返しに伴う
熱サイクルを受ける。本発明の高Al含有組成の耐熱合
金からなる反応管は、このような管内雰囲気の変化や熱
サイクルの作用下にも、管壁表面の酸化被膜の劣化(変
質、亀裂・剥離等)を生じることがなく、約1100℃
を超える高温環境でのCの拡散侵入を抑制防止するバリ
アーとして有効に機能し、長期に亘り管体を浸炭による
劣化から保護する。また、Crは耐熱合金の耐酸化性や
高温強度を確保するための主要元素として知られている
が、本発明はこれを少量に制限し、合金中に拡散侵入す
るCとの反応(Cr炭化物の生成)を可及的に抑制防止
することにより、高延性を安定に保持することを可能に
している。そのCr量の制限に伴う耐酸化性および高温
強度の不足に対しては、Al量を富化している効果とし
て耐酸化性を補償すると共に、W等の元素の多量添加の
効果として高温強度を確保することにより、約1100
℃を超える温度使用に要求される材料特性を兼備させて
いる。
【0006】本発明の耐熱合金の成分限定理由は次のと
おりである。 C:0.3%以下 Cは、合金の鋳造性を高め、管材の遠心力鋳造等におけ
る鋳造品質の確保を容易化する。また、強度面では、合
金基地中に固溶して高温強度、特にクリープ破断強度の
向上に寄与する元素である。しかし、Wを多量に含有し
ている本発明では、C量が0.3%を超えると、合金が
硬化し、脆化をきたすのですので、これを上限としす
る。
おりである。 C:0.3%以下 Cは、合金の鋳造性を高め、管材の遠心力鋳造等におけ
る鋳造品質の確保を容易化する。また、強度面では、合
金基地中に固溶して高温強度、特にクリープ破断強度の
向上に寄与する元素である。しかし、Wを多量に含有し
ている本発明では、C量が0.3%を超えると、合金が
硬化し、脆化をきたすのですので、これを上限としす
る。
【0007】Si:4%以下 Siは、合金溶製工程における脱酸元素であり、かつ合
金溶湯の流動性を高める効果を有する。本発明の合金は
高Ni組成であるので、Siの添加は、合金溶湯の粘性
を下げ、鋳造性を良好にするのに有効である。また、S
iは、Cの拡散侵入に対するバリアーとなる酸化被膜を
合金表面に形成し、浸炭抵抗性の向上に寄与する。これ
らの効果は、Siの増量と共に増大する。好ましくは、
2%以上である。しかし、4%を超えると、構造材料と
して必要な溶接性を確保し得なくなるので、4%を超え
てはならない。
金溶湯の流動性を高める効果を有する。本発明の合金は
高Ni組成であるので、Siの添加は、合金溶湯の粘性
を下げ、鋳造性を良好にするのに有効である。また、S
iは、Cの拡散侵入に対するバリアーとなる酸化被膜を
合金表面に形成し、浸炭抵抗性の向上に寄与する。これ
らの効果は、Siの増量と共に増大する。好ましくは、
2%以上である。しかし、4%を超えると、構造材料と
して必要な溶接性を確保し得なくなるので、4%を超え
てはならない。
【0008】Mn:3%以下 Mnは、合金溶製工程における脱酸剤であり、また合金
中の不純物であるSをMnSとして固定無害化すること
により、溶接性の向上に奏効する。これらの効果を得る
ための添加量は3%までで充分であり、これを超える多
量添加の利益はないので、3%を上限とする。
中の不純物であるSをMnSとして固定無害化すること
により、溶接性の向上に奏効する。これらの効果を得る
ための添加量は3%までで充分であり、これを超える多
量添加の利益はないので、3%を上限とする。
【0009】Cr:10%以下 Crは、耐熱合金に要求される耐酸化性や高温強度を高
めるための主要成分として周知の元素である。しかし、
合金基地中に固溶したCrは、合金中に拡散侵入するC
と優先的に反応してCr炭化物を形成し、合金の脆化を
促進する。このため、本発明ではその炭化物の形成によ
る合金の脆化をできるだけ回避するために、Crを10
%以下に制限し、これにより高靱性の維持を可能にして
いる。
めるための主要成分として周知の元素である。しかし、
合金基地中に固溶したCrは、合金中に拡散侵入するC
と優先的に反応してCr炭化物を形成し、合金の脆化を
促進する。このため、本発明ではその炭化物の形成によ
る合金の脆化をできるだけ回避するために、Crを10
%以下に制限し、これにより高靱性の維持を可能にして
いる。
【0010】W:10〜35% Wは、Ni基地中に置換型に固溶し、一部は粒界に析出
する。その固溶強化作用と析出強化作用とにより、高温
域における合金の強度、殊にクリープ破断強度を高め
る。この効果を充分ならしめるために、下限量を10%
としている。添加増量によりその効果を増し、また合金
の耐浸炭性も高められる。しかし、35%を超えると、
合金の延性を損なうので、これを上限とする。
する。その固溶強化作用と析出強化作用とにより、高温
域における合金の強度、殊にクリープ破断強度を高め
る。この効果を充分ならしめるために、下限量を10%
としている。添加増量によりその効果を増し、また合金
の耐浸炭性も高められる。しかし、35%を超えると、
合金の延性を損なうので、これを上限とする。
【0011】Al:2〜8% Alは、合金表面に、浸炭のバリアーとなる緻密な酸化
被膜を形成し、耐浸炭性を顕著に高める効果を奏する。
また、その酸化被膜の生成により、高温域での耐酸化性
も確保される。この効果を充分に発現させるために2%
以上を必要とする。増量によりその効果を増すが、あま
り多く添加すると、合金の延性を損なうので、8%を上
限とする。
被膜を形成し、耐浸炭性を顕著に高める効果を奏する。
また、その酸化被膜の生成により、高温域での耐酸化性
も確保される。この効果を充分に発現させるために2%
以上を必要とする。増量によりその効果を増すが、あま
り多く添加すると、合金の延性を損なうので、8%を上
限とする。
【0012】Ni:バランス成分 Niは、本発明合金のオーステナイト基地を形成する主
成分元素であり、高温域における耐酸化性と共に、浸炭
抵抗性を確保するのに必要な元素である。
成分元素であり、高温域における耐酸化性と共に、浸炭
抵抗性を確保するのに必要な元素である。
【0013】本発明の耐熱合金は、その材質を更に高め
ることを目的として、上記諸元素と共に、所望により下
記の元素が添加される。 Ti:0.05〜0.5% Tiは、クリープ破断強度の改善効果を有する。また、
Alとの相乗効果として耐浸炭性を強化する。この効果
は、0.05%以上の添加により得られ、増量により効
果を増す。しかし、0.5%を超えると効果はほぼ飽和
すると共に、増量に伴って却ってクリープ破断強度の低
下を生じるので、これを上限とする。
ることを目的として、上記諸元素と共に、所望により下
記の元素が添加される。 Ti:0.05〜0.5% Tiは、クリープ破断強度の改善効果を有する。また、
Alとの相乗効果として耐浸炭性を強化する。この効果
は、0.05%以上の添加により得られ、増量により効
果を増す。しかし、0.5%を超えると効果はほぼ飽和
すると共に、増量に伴って却ってクリープ破断強度の低
下を生じるので、これを上限とする。
【0014】Zr:0.05〜0.5% Zrは、合金のオーステナイト基地を固溶強化し、高温
クリープ破断強度を高める。この効果は、0.05%以
上の添加により現れ、増量と共に、効果を増す。しか
し、0.5%を超えて添加しても、効果の増加はなく、
却って合金の清浄度の低下に伴いクリープ破断強度の低
下を招く原因となるので、これを上限とする。
クリープ破断強度を高める。この効果は、0.05%以
上の添加により現れ、増量と共に、効果を増す。しか
し、0.5%を超えて添加しても、効果の増加はなく、
却って合金の清浄度の低下に伴いクリープ破断強度の低
下を招く原因となるので、これを上限とする。
【0015】Ca:0.001〜0.5% Caは、高温域において合金表面に酸化物を形成し、浸
炭抵抗性の向上に奏効する。この耐浸炭性改善効果は、
0.001%以上の添加により得られる。しかし、多量
に添加すると、溶接性を損なうので、0.5%を超えて
はならない。
炭抵抗性の向上に奏効する。この耐浸炭性改善効果は、
0.001%以上の添加により得られる。しかし、多量
に添加すると、溶接性を損なうので、0.5%を超えて
はならない。
【0016】Hf:0.5%以下 Hfは、合金の耐浸炭性を高める効果を有する。この効
果を得るための添加量は0.5%までで充分であり、そ
れを超える添加は経済性を損なう。好ましくは、0.0
5〜0.5%である。
果を得るための添加量は0.5%までで充分であり、そ
れを超える添加は経済性を損なう。好ましくは、0.0
5〜0.5%である。
【0017】Y:0.5%以下 Yは、上記Hfと同様に耐浸炭性の改善に奏効する元素
である。この効果は、0.5%以下の添加において充分
に得られ、それを超えて添加する利益はない。好ましく
は、0.05〜0.5%である。
である。この効果は、0.5%以下の添加において充分
に得られ、それを超えて添加する利益はない。好ましく
は、0.05〜0.5%である。
【0018】P,S、その他の不純分は、通常の溶製技
術上不可避的に混入する範囲内の量、例えば0.04%
以下のP、0.04%以下のSの存在によって本発明の
趣旨が損なわれることはない。
術上不可避的に混入する範囲内の量、例えば0.04%
以下のP、0.04%以下のSの存在によって本発明の
趣旨が損なわれることはない。
【0019】本発明の耐熱合金からなる高温部材、例え
ばクラッキングチューブ等の反応管は、遠心力鋳造によ
り製造される。反応管として使用される場合の管体は、
必ずしも管壁の全肉厚を本発明の耐熱合金とする必要は
なく、管壁肉厚を2層積層構成とし、耐浸炭性を必要と
する内側層にのみ本発明の耐熱鋳鋼を適用し、外側層
は、他の耐熱鋳鋼(HP40材ないしその改良材等とし
て使用されている公知の合金)を適用した二層管とする
こともできる。二層管の製造は、遠心力鋳造において、
外側層となる適宜耐熱合金の溶湯を鋳込んで外層を形成
し、ついで本発明耐熱合金の溶湯を鋳込んで内層を形成
する二段鋳造により行うことができる。
ばクラッキングチューブ等の反応管は、遠心力鋳造によ
り製造される。反応管として使用される場合の管体は、
必ずしも管壁の全肉厚を本発明の耐熱合金とする必要は
なく、管壁肉厚を2層積層構成とし、耐浸炭性を必要と
する内側層にのみ本発明の耐熱鋳鋼を適用し、外側層
は、他の耐熱鋳鋼(HP40材ないしその改良材等とし
て使用されている公知の合金)を適用した二層管とする
こともできる。二層管の製造は、遠心力鋳造において、
外側層となる適宜耐熱合金の溶湯を鋳込んで外層を形成
し、ついで本発明耐熱合金の溶湯を鋳込んで内層を形成
する二段鋳造により行うことができる。
【0020】
【実施例】高周波誘導溶解炉で溶製した耐熱鋳鋼溶湯
を、遠心力鋳造に付して中空円筒体を得る。管サイズ
(機械加工後):外径138mm 、肉厚20mm,長さ570mm 。
表1に、供試管材の化学組成(wt%)を示す。No. 1〜
5は発明例、No. 11および12は比較例(HP高Si
材相当)である。
を、遠心力鋳造に付して中空円筒体を得る。管サイズ
(機械加工後):外径138mm 、肉厚20mm,長さ570mm 。
表1に、供試管材の化学組成(wt%)を示す。No. 1〜
5は発明例、No. 11および12は比較例(HP高Si
材相当)である。
【0021】〔浸炭試験〕 (1) 試験方法 各供試管体から試験片(15t ×25W ×70L )を切
出し、円筒状容器内の固体浸炭剤(デグサKG30)に
埋め込み、まず850℃に加熱し、その温度から115
0℃まで30時間を要して昇温し、同温度に18時間保
持した後、常温まで降温するヒートパターンを17回反
復実施するサイクリック浸炭試験〔試験時間:(30+
18)Hr×17=816Hr〕を行う。試験後、試験
片表面から肉厚方向に、深さ5mmまで、0.5mmのピッ
チの各位置より切り粉を採取し、化学分析によりC量を
測定し、その測定値から試験前のC量を差し引いて、浸
炭による炭素増加量を求める。
出し、円筒状容器内の固体浸炭剤(デグサKG30)に
埋め込み、まず850℃に加熱し、その温度から115
0℃まで30時間を要して昇温し、同温度に18時間保
持した後、常温まで降温するヒートパターンを17回反
復実施するサイクリック浸炭試験〔試験時間:(30+
18)Hr×17=816Hr〕を行う。試験後、試験
片表面から肉厚方向に、深さ5mmまで、0.5mmのピッ
チの各位置より切り粉を採取し、化学分析によりC量を
測定し、その測定値から試験前のC量を差し引いて、浸
炭による炭素増加量を求める。
【0022】(2) 試験結果 図1に各供試材について、試験片の表面から深さ方向の
各位置(0.5 mm間隔)における炭素増加量の分布を示
す。図より、発明例の耐熱合金(No. 1〜5)は、代表
的な従来材であるNo. 11およびNo. 12(HP高Si
材相当) に比べ、著しく浸炭抵抗性が高く、従来材との
差異は歴然である。
各位置(0.5 mm間隔)における炭素増加量の分布を示
す。図より、発明例の耐熱合金(No. 1〜5)は、代表
的な従来材であるNo. 11およびNo. 12(HP高Si
材相当) に比べ、著しく浸炭抵抗性が高く、従来材との
差異は歴然である。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】本発明の耐熱合金は、従来の耐熱合金を
大きく凌ぐ高温浸炭抵抗性を有し、エチレンクラッキン
グチューブ等の石油化学工業用反応管材料として、近時
の高温操業の要請に対処し得、その改良された材料特性
により、耐久性の向上、安全円滑な操業をを可能とする
ものである。また、本発明の耐熱合金は、上記用途に限
定されず、例えば鋼材熱処理炉の炉内ハースロール、あ
るいはラジアントチューブ等の材料としても有用であ
る。
大きく凌ぐ高温浸炭抵抗性を有し、エチレンクラッキン
グチューブ等の石油化学工業用反応管材料として、近時
の高温操業の要請に対処し得、その改良された材料特性
により、耐久性の向上、安全円滑な操業をを可能とする
ものである。また、本発明の耐熱合金は、上記用途に限
定されず、例えば鋼材熱処理炉の炉内ハースロール、あ
るいはラジアントチューブ等の材料としても有用であ
る。
【図1】浸炭試験における試験片の浸炭による炭素増加
量の肉厚方向の分布を示すグラフである。
量の肉厚方向の分布を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 C:0.3%以下,Si:4%以下,M
n:3%以下,Cr:10%以下,Fe:10%以下,
W:10〜35%,Al:2〜8%,残部Niからなる
耐浸炭性にすぐれた耐熱合金。 - 【請求項2】 C:0.3%以下,Si:4%以下,M
n:3%以下,Cr:10%以下,Fe:10%以下,
W:10〜35%,Al:2〜8%,およびTi:0.
05〜0.5%とZr:0.05〜0.5%の群から選
ばれる1種ないし2種の元素,残部Niおよび不可避不
純分からなる耐浸炭性にすぐれた耐熱合金。 - 【請求項3】 C:0.3%以下,Si:4%以下,M
n:3%以下,Cr:10%以下,Fe:10%以下,
W:10〜35%,Al:2〜8%,およびCa:0.
001〜0.5%,Hf:0.5%以下,Y:0.5%
以下の群から選ばれる1種ないし2種以上の元素,残部
Niおよび不可避不純分からなる耐浸炭性にすぐれた耐
熱合金。 - 【請求項4】 C:0.3%以下,Si:4%以下,M
n:3%以下,Cr:10%以下,Fe:10%以下,
W:10〜35%,Al:2〜8%,およびTi:0.
05〜0.5%,Zr:0.05〜0.5%の群から選
ばれる1種もしくは2種の元素,Ca:0.001〜
0.5%,Hf:0.5%以下,Y:0.5%以下の群
から選ばれる1種ないし2種以上の元素,残部Niおよ
び不可避不純分からなる耐浸炭性にすぐれた耐熱合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22207793A JPH0754087A (ja) | 1993-08-13 | 1993-08-13 | 耐浸炭性に優れた耐熱合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22207793A JPH0754087A (ja) | 1993-08-13 | 1993-08-13 | 耐浸炭性に優れた耐熱合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0754087A true JPH0754087A (ja) | 1995-02-28 |
Family
ID=16776766
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22207793A Pending JPH0754087A (ja) | 1993-08-13 | 1993-08-13 | 耐浸炭性に優れた耐熱合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0754087A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6458318B1 (en) | 1999-06-30 | 2002-10-01 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Heat resistant nickel base alloy |
-
1993
- 1993-08-13 JP JP22207793A patent/JPH0754087A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6458318B1 (en) | 1999-06-30 | 2002-10-01 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Heat resistant nickel base alloy |
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