JPH0749369A - 核磁気共鳴装置 - Google Patents
核磁気共鳴装置Info
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- JPH0749369A JPH0749369A JP5194474A JP19447493A JPH0749369A JP H0749369 A JPH0749369 A JP H0749369A JP 5194474 A JP5194474 A JP 5194474A JP 19447493 A JP19447493 A JP 19447493A JP H0749369 A JPH0749369 A JP H0749369A
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- Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 観測試料の溶媒をNMR信号により識別し、
その結果に基づいてロック条件、観測条件を変更する。 【構成】 試料の観測に際して、ロックチャネル送信機
1より試料がセットされたコイル9及びNMRが既知の
参照液がセットされたコイル8にロック核のNMR励起
信号を印加し(コイル9への信号印加は試料溶媒を励起
させる意図で行われる)、この試料溶媒及び参照液のN
MR信号をロックチャネル受信機3で検出し、演算装置
7は、この試料溶媒のNMRに対する参照液NMRの化
学シフトを求め、この化学シフト値に相当の試料溶媒を
演算装置7に予め記憶した各種溶媒−化学シフトテーブ
ルで検索して溶媒を識別し、これを基に観測励起パルス
幅やロック条件を設定,校正する。
その結果に基づいてロック条件、観測条件を変更する。 【構成】 試料の観測に際して、ロックチャネル送信機
1より試料がセットされたコイル9及びNMRが既知の
参照液がセットされたコイル8にロック核のNMR励起
信号を印加し(コイル9への信号印加は試料溶媒を励起
させる意図で行われる)、この試料溶媒及び参照液のN
MR信号をロックチャネル受信機3で検出し、演算装置
7は、この試料溶媒のNMRに対する参照液NMRの化
学シフトを求め、この化学シフト値に相当の試料溶媒を
演算装置7に予め記憶した各種溶媒−化学シフトテーブ
ルで検索して溶媒を識別し、これを基に観測励起パルス
幅やロック条件を設定,校正する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核磁気共鳴(NMR)
装置に関し、特に溶液試料中の溶媒を装置が自動的に識
別する技術、さらには、この識別信号を基にロック条
件、観測パルス幅を自動的に変更する技術に関する。
装置に関し、特に溶液試料中の溶媒を装置が自動的に識
別する技術、さらには、この識別信号を基にロック条
件、観測パルス幅を自動的に変更する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】静磁場内に配置された導体コイル(プロ
ーブ)から溶液試料に高周波磁場を与えて核磁気共鳴現
象を観測する際、プローブ共振回路高周波特性は溶媒誘
電率の影響を受け、誘電率の大きい溶媒を用いるに従
い、共振回路を構成する容量成分が増え、共振周波数は
低下する。
ーブ)から溶液試料に高周波磁場を与えて核磁気共鳴現
象を観測する際、プローブ共振回路高周波特性は溶媒誘
電率の影響を受け、誘電率の大きい溶媒を用いるに従
い、共振回路を構成する容量成分が増え、共振周波数は
低下する。
【0003】具体的には、所定量の重クロロホルムなど
非極性溶媒を試料チューブに充填し、観測核共鳴周波数
において高周波吸収最大となるようプローブ観測チャネ
ルの同調および整合を行った後、同体積の重水など極性
溶媒を充填した試料チューブと交換すると、プローブ共
振最大点が低周波数側にずれ、同一周波数での高周波照
射効率が低下し、同一フリップ角相当の励起パルス幅は
長くなる。これは2次元NMR、緩和測定など正確な9
0度、180度パルスを必要とする測定の誤差や、1次
元NMR測定時の信号対雑音比の変動をもたらす。
非極性溶媒を試料チューブに充填し、観測核共鳴周波数
において高周波吸収最大となるようプローブ観測チャネ
ルの同調および整合を行った後、同体積の重水など極性
溶媒を充填した試料チューブと交換すると、プローブ共
振最大点が低周波数側にずれ、同一周波数での高周波照
射効率が低下し、同一フリップ角相当の励起パルス幅は
長くなる。これは2次元NMR、緩和測定など正確な9
0度、180度パルスを必要とする測定の誤差や、1次
元NMR測定時の信号対雑音比の変動をもたらす。
【0004】従って、試料交換により化学種の異なる溶
媒がプローブ共振回路に導入された場合、観測チャネル
照射パルス幅の再校正が必要である。
媒がプローブ共振回路に導入された場合、観測チャネル
照射パルス幅の再校正が必要である。
【0005】また、ロックチャネルでは、重水素溶媒な
どを用いた内部ロックの際、溶媒化学種ごとにロック核
の化学シフト、緩和時間、ロック核濃度が異なるため、
ロック周波数、照射強度、受信感度を変更する必要があ
る。
どを用いた内部ロックの際、溶媒化学種ごとにロック核
の化学シフト、緩和時間、ロック核濃度が異なるため、
ロック周波数、照射強度、受信感度を変更する必要があ
る。
【0006】なお、溶液試料に関する核磁気共鳴装置及
びそのロックチャネルに関する従来技術としては、例え
ば、特開昭59−164946号、特開昭60−187
851号、特開昭61−233348号、特開平3−1
00482号公報等に記載されたものがある。
びそのロックチャネルに関する従来技術としては、例え
ば、特開昭59−164946号、特開昭60−187
851号、特開昭61−233348号、特開平3−1
00482号公報等に記載されたものがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかるに従来法は、個
別試料に貼付した標識の読み取りや、装置制御コンピュ
ータ記憶への手動入力など、測定者の記憶に依存した間
接的手段で観測試料の溶媒化学種を区別するに留まり、
溶媒そのものを直接識別していないため、誤った標識の
貼付や、誤った数値の入力により、人為的に不適切な条
件を設定する余地がある。
別試料に貼付した標識の読み取りや、装置制御コンピュ
ータ記憶への手動入力など、測定者の記憶に依存した間
接的手段で観測試料の溶媒化学種を区別するに留まり、
溶媒そのものを直接識別していないため、誤った標識の
貼付や、誤った数値の入力により、人為的に不適切な条
件を設定する余地がある。
【0008】本発明は以上の点に鑑みてなされ、観測試
料の溶媒を核磁気共鳴信号を利用して自動的に正確に識
別できる核磁気共鳴装置を実現することを第1の課題と
し、さらに、上記の識別を基に溶媒の観測条件(例え
ば、観測チャネルのパルス励起幅やロックチャネルの周
波数,照射強度,受信感度等)を自動校正できる核磁気
共鳴装置を実現することを第2の課題とする。
料の溶媒を核磁気共鳴信号を利用して自動的に正確に識
別できる核磁気共鳴装置を実現することを第1の課題と
し、さらに、上記の識別を基に溶媒の観測条件(例え
ば、観測チャネルのパルス励起幅やロックチャネルの周
波数,照射強度,受信感度等)を自動校正できる核磁気
共鳴装置を実現することを第2の課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の課題解決手段は、
溶液試料を観測試料とする核磁気共鳴装置において、静
磁場内に設置した観測試料の溶媒(以下、試料溶媒と称
する)に核磁気共鳴励起信号を照射して該試料溶媒の核
磁気共鳴信号を検出する手段と、観測試料と共に前記静
磁場内に設置した核磁気共鳴周波数が既知の参照用の液
体(以下、参照液と称する)に核磁気共鳴励起信号を照
射して該参照液の核磁気共鳴信号を検出する手段と、前
記参照液の核磁気共鳴信号に対する前記試料溶媒の化学
シフトから前記試料溶媒を識別する手段とを備えたこと
を特徴とする。
溶液試料を観測試料とする核磁気共鳴装置において、静
磁場内に設置した観測試料の溶媒(以下、試料溶媒と称
する)に核磁気共鳴励起信号を照射して該試料溶媒の核
磁気共鳴信号を検出する手段と、観測試料と共に前記静
磁場内に設置した核磁気共鳴周波数が既知の参照用の液
体(以下、参照液と称する)に核磁気共鳴励起信号を照
射して該参照液の核磁気共鳴信号を検出する手段と、前
記参照液の核磁気共鳴信号に対する前記試料溶媒の化学
シフトから前記試料溶媒を識別する手段とを備えたこと
を特徴とする。
【0010】第2の課題解決手段は、第1の課題解決手
段の構成要素に加えて、前記試料溶媒の識別情報に基づ
き観測条件を変更する手段を備えたことを特徴とする。
段の構成要素に加えて、前記試料溶媒の識別情報に基づ
き観測条件を変更する手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
第1の課題解決手段の作用…上記構成によれば、核磁気
共鳴現象を利用することで、核磁気共鳴周波数が既知の
参照液の化学シフトを基準として、試料溶媒の化学シフ
トを求めることができる。したがって、参照液に対する
各種の試料溶媒の化学シフトを予め調べて記憶しておけ
ば、試料交換により化学種の異なる溶媒が用いられたと
しても、本発明の構成要素たる溶媒識別手段を用いて上
記化学シフトを求めることで、これに相当する試料溶媒
を直接識別することができる。
共鳴現象を利用することで、核磁気共鳴周波数が既知の
参照液の化学シフトを基準として、試料溶媒の化学シフ
トを求めることができる。したがって、参照液に対する
各種の試料溶媒の化学シフトを予め調べて記憶しておけ
ば、試料交換により化学種の異なる溶媒が用いられたと
しても、本発明の構成要素たる溶媒識別手段を用いて上
記化学シフトを求めることで、これに相当する試料溶媒
を直接識別することができる。
【0012】また、参照液に対する試料溶媒の化学シフ
トは、磁場の変動があっても相対的に変わらず維持でき
るので、このような磁場変動にも自ずと対処して正確な
溶媒識別を保証する。
トは、磁場の変動があっても相対的に変わらず維持でき
るので、このような磁場変動にも自ずと対処して正確な
溶媒識別を保証する。
【0013】なお、参照液の種類は何でもよく、各種溶
媒の中から任意に選んだ一溶媒と同化学種のものを使用
でき、また、観測試料の核磁気共鳴信号の検出と参照液
の核磁気共鳴信号の検出とを時分割動作により行う場合
には、試料観測動作と試料溶媒識別動作が重ならないの
で、観測核種と同一の核種のものを参照液として用いる
ことができる。
媒の中から任意に選んだ一溶媒と同化学種のものを使用
でき、また、観測試料の核磁気共鳴信号の検出と参照液
の核磁気共鳴信号の検出とを時分割動作により行う場合
には、試料観測動作と試料溶媒識別動作が重ならないの
で、観測核種と同一の核種のものを参照液として用いる
ことができる。
【0014】第2の課題解決手段によれば、第1の課題
解決手段を用いて溶媒を識別した結果に基づき、例え
ば、観測チャネルでは励起パルス幅を、ロックチャネル
では周波数オフセット、照射強度、受信感度等の観測条
件を自動的に変更(校正)することができる。
解決手段を用いて溶媒を識別した結果に基づき、例え
ば、観測チャネルでは励起パルス幅を、ロックチャネル
では周波数オフセット、照射強度、受信感度等の観測条
件を自動的に変更(校正)することができる。
【0015】
【実施例】本発明の実施例を図面により説明する。
【0016】図1は、本発明にかかる核磁気共鳴装置の
一実施例を示す構成図である。
一実施例を示す構成図である。
【0017】本実施例における核磁気共鳴(以下、NM
Rとする)装置は、大別すると、ロックチャネル送信機
1,ロックチャネルゲート回路2,ロックチャネル受信
機3より成るNMRロックチャネルと、観測チャネル送
信機4,観測チャネルゲート回路5,観測チャネル受信
機6より成る試料観測チャネルと、プローブ10及び静
磁場発生用の磁石13とで構成される。11はロックチ
ャネル制御線、12は観測チャネル制御線である。
Rとする)装置は、大別すると、ロックチャネル送信機
1,ロックチャネルゲート回路2,ロックチャネル受信
機3より成るNMRロックチャネルと、観測チャネル送
信機4,観測チャネルゲート回路5,観測チャネル受信
機6より成る試料観測チャネルと、プローブ10及び静
磁場発生用の磁石13とで構成される。11はロックチ
ャネル制御線、12は観測チャネル制御線である。
【0018】7はA/D変換器を含むディジタル演算装
置で、試料観測チャネル,NMRロックチャネルに必要
な制御を行うと共に、観測チャネルから入力されるNM
R信号をフーリエ変換してNMRスペクトルを求めて試
料の観測を行う演算手段となり、且つ、後述する観測試
料の溶媒を識別する手段となる。
置で、試料観測チャネル,NMRロックチャネルに必要
な制御を行うと共に、観測チャネルから入力されるNM
R信号をフーリエ変換してNMRスペクトルを求めて試
料の観測を行う演算手段となり、且つ、後述する観測試
料の溶媒を識別する手段となる。
【0019】プローブ10は、観測試料にNMRの励起
信号(励起パルス)を照射してNMR信号を検出する試
料コイル(NMR励起・検出コイル)9と、試料溶媒識
別用の共鳴周波数が既知の参照液にNMR励起信号を照
射してそのNMR信号を検出する参照コイル(NMR励
起・検出コイル)8とよりなり、これらのコイル8,9
が磁石13によって発生する一定の静磁場の中に互いに
近接して設置され、コイル8中に参照液の入ったチュー
ブが、コイル9に観測試料の入ったチューブがセットさ
れる。
信号(励起パルス)を照射してNMR信号を検出する試
料コイル(NMR励起・検出コイル)9と、試料溶媒識
別用の共鳴周波数が既知の参照液にNMR励起信号を照
射してそのNMR信号を検出する参照コイル(NMR励
起・検出コイル)8とよりなり、これらのコイル8,9
が磁石13によって発生する一定の静磁場の中に互いに
近接して設置され、コイル8中に参照液の入ったチュー
ブが、コイル9に観測試料の入ったチューブがセットさ
れる。
【0020】また、試料コイル9は、NMRロック用の
励起信号を試料の溶媒に照射してNMRロック信号を検
出するコイルを兼用することで、前記ロックチャネルが
内部ロック方式を採用している。すなわち、観測試料の
溶媒をロック核としている。
励起信号を試料の溶媒に照射してNMRロック信号を検
出するコイルを兼用することで、前記ロックチャネルが
内部ロック方式を採用している。すなわち、観測試料の
溶媒をロック核としている。
【0021】参照コイル8の内部にセットされる参照液
としては、例えば核共鳴周波数が既知の重水などが使用
される。
としては、例えば核共鳴周波数が既知の重水などが使用
される。
【0022】次の本実施例の動作について説明する。本
実施例のNMR装置で試料を観測する場合には、それに
際して装置自身により試料溶媒を直接識別し、この識別
情報を基に観測条件を最適なものに設定(校正を含む)
する。
実施例のNMR装置で試料を観測する場合には、それに
際して装置自身により試料溶媒を直接識別し、この識別
情報を基に観測条件を最適なものに設定(校正を含む)
する。
【0023】この溶媒識別動作は、基本的には、試料溶
媒のNMR信号と参照液のNMR信号を検出して、参照
液に対する試料溶媒の化学シフトを求めて試料溶媒を識
別するが、本実施例では、ロックチャネルの送信機1に
より試料コイル9及び参照コイル8を印加して(送信機
1から試料コイル9には試料溶媒をNMR励起させる意
図で印加される)、該ロックチャネルの受信機3が試料
溶媒のNMR信号を検出する手段と、参照液のNMR信
号を検出する手段を兼用するよう構成した。
媒のNMR信号と参照液のNMR信号を検出して、参照
液に対する試料溶媒の化学シフトを求めて試料溶媒を識
別するが、本実施例では、ロックチャネルの送信機1に
より試料コイル9及び参照コイル8を印加して(送信機
1から試料コイル9には試料溶媒をNMR励起させる意
図で印加される)、該ロックチャネルの受信機3が試料
溶媒のNMR信号を検出する手段と、参照液のNMR信
号を検出する手段を兼用するよう構成した。
【0024】具体的には、一定磁場の下でロックチャネ
ルゲート回路2を切り替えながら、ロックチャネル送信
機1より試料コイル9内に設置された溶液試料の溶媒及
びコイル8に設置された参照液を対象にNMR励起信号
を照射し、その後にロックチャネル受信機3で試料溶媒
及び参照液のNMR信号を検出し、これらのNMR信号
がA/D変換されて演算装置7に入力される。演算装置
7は、次式に基づき参照液のNMR信号に対する試料溶
媒のNMR信号の化学シフトδxを算出する。
ルゲート回路2を切り替えながら、ロックチャネル送信
機1より試料コイル9内に設置された溶液試料の溶媒及
びコイル8に設置された参照液を対象にNMR励起信号
を照射し、その後にロックチャネル受信機3で試料溶媒
及び参照液のNMR信号を検出し、これらのNMR信号
がA/D変換されて演算装置7に入力される。演算装置
7は、次式に基づき参照液のNMR信号に対する試料溶
媒のNMR信号の化学シフトδxを算出する。
【0025】
【数1】δx=(Wx−Ws)/Wo×1,000,000
[単位ppm] 上記式において、Wxは試料溶媒のNMR周波数、Wo
は参照液のNMR周波数、Wsは参照液と同一のものを
試料コイル9側に設置して予め求めておいたNMR周波
数である。このWsは、試料コイル9に参照コイル8側
の参照液と同一化学種の液体を設置してNMR信号を検
出しても、磁場内の位置の違いに伴う磁場の微妙の差か
らNMRに若干のずれが生じることを考慮したもので、
このことは、試料溶媒と参照液とが同一科学種のもので
あっても、双方のNMR検出値が必ずしも同一でないこ
とを意味する(ただし、この場合でも、参照液のNMR
に対する試料溶媒のNMRの化学シフトが求まるので、
これから試料溶媒を識別できる)。上記のようにして、
δxが算出されると、演算装置7は予め記憶しておいた
種々の溶媒とδxの関係を定めたテーブルを検索するこ
とで、試料溶媒が自動的に識別される。
[単位ppm] 上記式において、Wxは試料溶媒のNMR周波数、Wo
は参照液のNMR周波数、Wsは参照液と同一のものを
試料コイル9側に設置して予め求めておいたNMR周波
数である。このWsは、試料コイル9に参照コイル8側
の参照液と同一化学種の液体を設置してNMR信号を検
出しても、磁場内の位置の違いに伴う磁場の微妙の差か
らNMRに若干のずれが生じることを考慮したもので、
このことは、試料溶媒と参照液とが同一科学種のもので
あっても、双方のNMR検出値が必ずしも同一でないこ
とを意味する(ただし、この場合でも、参照液のNMR
に対する試料溶媒のNMRの化学シフトが求まるので、
これから試料溶媒を識別できる)。上記のようにして、
δxが算出されると、演算装置7は予め記憶しておいた
種々の溶媒とδxの関係を定めたテーブルを検索するこ
とで、試料溶媒が自動的に識別される。
【0026】図2に本実施例における参照溶媒のNMR
信号に対する試料溶媒のNMR信号の化学シフトの一例
を示す。
信号に対する試料溶媒のNMR信号の化学シフトの一例
を示す。
【0027】なお、演算装置7に記憶した各種試料溶媒
と化学シフトδxの関係を定めたテーブルは、複数種類
の溶媒をそれぞれ所定量充填した試料チューブを用意し
て、試料コイル9内に順次設置し、これと参照コイル8
にセットした参照液とのNMR信号を検出して、上記数
1式を用いて求めておいたものである。
と化学シフトδxの関係を定めたテーブルは、複数種類
の溶媒をそれぞれ所定量充填した試料チューブを用意し
て、試料コイル9内に順次設置し、これと参照コイル8
にセットした参照液とのNMR信号を検出して、上記数
1式を用いて求めておいたものである。
【0028】そして、試料溶媒が識別されると、演算装
置7は、予め種々の試料溶媒に対応して定めた最適観測
条件(観測パルス幅、ロック周波数、照射強度、ロック
チャネルの受信感度等)を選択して、試料交換ごとに観
測条件の変更を行う。
置7は、予め種々の試料溶媒に対応して定めた最適観測
条件(観測パルス幅、ロック周波数、照射強度、ロック
チャネルの受信感度等)を選択して、試料交換ごとに観
測条件の変更を行う。
【0029】ここで、観測条件は事前に次のようにして
定められ、記憶される。
定められ、記憶される。
【0030】一例として、まず、観測チャネル90度パ
ルス幅について述べる。複数種類の溶媒をそれぞれ所定
量充填した試料チューブを用意し、試料コイル9内に設
置し、90度パルス幅校正を行い、各溶媒の90度パル
ス幅を演算装置7に記憶する。同様にしてNMRロック
の周波数、照射強度、受信感度も各溶媒に対応して設定
される。
ルス幅について述べる。複数種類の溶媒をそれぞれ所定
量充填した試料チューブを用意し、試料コイル9内に設
置し、90度パルス幅校正を行い、各溶媒の90度パル
ス幅を演算装置7に記憶する。同様にしてNMRロック
の周波数、照射強度、受信感度も各溶媒に対応して設定
される。
【0031】以上の設定手順はプローブのロックチャネ
ル共振回路、観測チャネル共振回路の同調および整合を
固定した後に1回行えばよい。
ル共振回路、観測チャネル共振回路の同調および整合を
固定した後に1回行えばよい。
【0032】なお、上記参照液の種類は何でもよく、観
測と溶媒識別を時分割動作すれば参照液の核種は観測核
種と同一でもよく、また、送信機および受信機を、観測
動作と溶媒識別動作とで兼用してもよい。
測と溶媒識別を時分割動作すれば参照液の核種は観測核
種と同一でもよく、また、送信機および受信機を、観測
動作と溶媒識別動作とで兼用してもよい。
【0033】参照コイル8、試料コイル9、プローブ1
0の形状は何でもよい。
0の形状は何でもよい。
【0034】本実施例によれば、試料溶媒を自動的に直
接識別して、溶媒識別の人為的誤りを防止し、しかもこ
れに基づき観測条件を自動的に校正するので、試料交換
によって溶媒が変化しても常に精度の良い観測を保証す
ることができる。
接識別して、溶媒識別の人為的誤りを防止し、しかもこ
れに基づき観測条件を自動的に校正するので、試料交換
によって溶媒が変化しても常に精度の良い観測を保証す
ることができる。
【0035】
【発明の効果】第1の課題解決手段によれば、溶媒の識
別を直接,自動的に行うことで、溶媒識別の人為的な誤
りを追放でき、また従来行われてきた溶媒識別時の標識
貼付や手動入力が不要となる。
別を直接,自動的に行うことで、溶媒識別の人為的な誤
りを追放でき、また従来行われてきた溶媒識別時の標識
貼付や手動入力が不要となる。
【0036】第2の課題解決手段によれば、溶媒の識別
を測定者の記憶に依存せずNMR装置が行い、しかも、
任意に交換された溶液試料に対して観測パルス幅、ロッ
ク条件等を自動的に設定,校正できる。
を測定者の記憶に依存せずNMR装置が行い、しかも、
任意に交換された溶液試料に対して観測パルス幅、ロッ
ク条件等を自動的に設定,校正できる。
【図1】本発明の一実施例にかかるNMR装置の構成
図。
図。
【図2】本実施例における参照溶媒のNMR信号に対す
る試料溶媒のNMR信号の化学シフトの一例を示す
る試料溶媒のNMR信号の化学シフトの一例を示す
1…ロックチャネル送信機、2…ロックチャネルゲート
回路、3…ロックチャネル受信機、4…観測チャネル送
信機、5…観測チャネルゲート回路、6…観測チャネル
受信機、7…A/D変換機および演算装置(試料溶媒識
別手段)、8…参照コイル、9…試料コイル、10…プ
ローブ、11…ロックチャネル送信機制御信号、12…
観測チャネル送信機制御信号、13…磁石。
回路、3…ロックチャネル受信機、4…観測チャネル送
信機、5…観測チャネルゲート回路、6…観測チャネル
受信機、7…A/D変換機および演算装置(試料溶媒識
別手段)、8…参照コイル、9…試料コイル、10…プ
ローブ、11…ロックチャネル送信機制御信号、12…
観測チャネル送信機制御信号、13…磁石。
Claims (3)
- 【請求項1】 溶液試料を観測試料とする核磁気共鳴装
置において、静磁場内に設置した観測試料の溶媒(以
下、試料溶媒と称する)に核磁気共鳴励起信号を照射し
て該試料溶媒の核磁気共鳴信号を検出する手段と、観測
試料と共に前記静磁場内に設置した核磁気共鳴周波数が
既知の参照用の液体(以下、参照液と称する)に核磁気
共鳴励起信号を照射して該参照液の核磁気共鳴信号を検
出する手段と、前記参照液の核磁気共鳴信号に対する前
記試料溶媒の核磁気共鳴信号の化学シフトから前記試料
溶媒を識別する手段とを備えて成ることを特徴とする核
磁気共鳴装置。 - 【請求項2】 請求項1において、前記試料溶媒の識別
情報に基づき観測条件を変更する手段を備えたことを特
徴とする核磁気共鳴装置。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、核磁気
共鳴により溶液試料を観測する試料観測チャネルの他に
内部ロック式のロックチャネルを備え、このロックチャ
ネルの送信機により前記試料溶媒の核磁気共鳴励起・検
出コイル及び前記参照液の各磁気共鳴励起・検出コイル
を印加して、該ロックチャネルの受信機が前記試料溶媒
の核磁気共鳴信号を検出する手段と、前記参照液の核磁
気共鳴信号を検出する手段を兼用するよう構成したこと
を特徴とする核磁気共鳴装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5194474A JPH0749369A (ja) | 1993-08-05 | 1993-08-05 | 核磁気共鳴装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5194474A JPH0749369A (ja) | 1993-08-05 | 1993-08-05 | 核磁気共鳴装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0749369A true JPH0749369A (ja) | 1995-02-21 |
Family
ID=16325156
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5194474A Pending JPH0749369A (ja) | 1993-08-05 | 1993-08-05 | 核磁気共鳴装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0749369A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007531884A (ja) * | 2004-04-01 | 2007-11-08 | リポサイエンス,インコーポレイテッド | バイオサンプルの臨床評価のためのnmr臨床解析器及び関連する方法、システム、モジュール並びにコンピュータプログラムプロダクト |
EP4134694A1 (en) | 2021-08-11 | 2023-02-15 | Jeol Ltd. | Nmr measurement apparatus, and method of identifying solvent |
-
1993
- 1993-08-05 JP JP5194474A patent/JPH0749369A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007531884A (ja) * | 2004-04-01 | 2007-11-08 | リポサイエンス,インコーポレイテッド | バイオサンプルの臨床評価のためのnmr臨床解析器及び関連する方法、システム、モジュール並びにコンピュータプログラムプロダクト |
JP2012008137A (ja) * | 2004-04-01 | 2012-01-12 | Liposcience Inc | バイオサンプルの臨床評価のためのnmr臨床解析器及び関連する方法、システム、モジュール並びにコンピュータプログラムプロダクト |
US8704521B2 (en) | 2004-04-01 | 2014-04-22 | Liposcience, Inc. | NMR analyzers for clinical evaluation of biosamples |
US10365339B2 (en) | 2004-04-01 | 2019-07-30 | Liposcience, Inc. | NMR analyzers for clinical evaluation of biosamples |
EP4134694A1 (en) | 2021-08-11 | 2023-02-15 | Jeol Ltd. | Nmr measurement apparatus, and method of identifying solvent |
JP2023025923A (ja) * | 2021-08-11 | 2023-02-24 | 日本電子株式会社 | Nmr測定装置及び溶媒識別方法 |
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