JPH0748628A - 良好な表面光沢を有するオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 - Google Patents
良好な表面光沢を有するオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法Info
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- JPH0748628A JPH0748628A JP19470193A JP19470193A JPH0748628A JP H0748628 A JPH0748628 A JP H0748628A JP 19470193 A JP19470193 A JP 19470193A JP 19470193 A JP19470193 A JP 19470193A JP H0748628 A JPH0748628 A JP H0748628A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 経済的に調整しやすい雰囲気中での焼鈍であ
っても、その後の酸洗工程において母板の粒界侵食が発
生し難く、従って良好な表面光沢を有するオーステナイ
ト系ステンレス鋼板の製造方法について提案する。 【構成】 オーステナイト系ステンレス鋼熱延板に予め
機械的に脱スケール処理を施し、次いで酸素含有率:1
〜15%および温度:950 〜1300℃の雰囲気中に1〜240
秒間保持して再結晶させる連続焼鈍を行ったのち、酸
洗、冷間圧延、次いで光輝焼鈍を施す。
っても、その後の酸洗工程において母板の粒界侵食が発
生し難く、従って良好な表面光沢を有するオーステナイ
ト系ステンレス鋼板の製造方法について提案する。 【構成】 オーステナイト系ステンレス鋼熱延板に予め
機械的に脱スケール処理を施し、次いで酸素含有率:1
〜15%および温度:950 〜1300℃の雰囲気中に1〜240
秒間保持して再結晶させる連続焼鈍を行ったのち、酸
洗、冷間圧延、次いで光輝焼鈍を施す。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粒界腐食などを原因と
する表面欠陥がないために、良好な表面光沢を有する、
オーステナイト系ステンレス鋼板を製造する方法に関す
る。
する表面欠陥がないために、良好な表面光沢を有する、
オーステナイト系ステンレス鋼板を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】オーステナイト系ステンレス鋼冷延板の
表面光沢は、母板(酸洗後の熱延板)の表面欠陥が少な
いほど向上することが一般に知られている。この母板に
おける表面欠陥の一つとして、熱延板を酸洗したときに
生じる粒界腐食がある。この粒界腐食は、通常、経済的
な雰囲気中で行われる熱延板焼鈍の際に、酸化によって
生じる粒界の脱Cr層が、その後の酸洗時に優先的に溶解
する粒界侵食に起因して、生じるものと考えられてい
る。
表面光沢は、母板(酸洗後の熱延板)の表面欠陥が少な
いほど向上することが一般に知られている。この母板に
おける表面欠陥の一つとして、熱延板を酸洗したときに
生じる粒界腐食がある。この粒界腐食は、通常、経済的
な雰囲気中で行われる熱延板焼鈍の際に、酸化によって
生じる粒界の脱Cr層が、その後の酸洗時に優先的に溶解
する粒界侵食に起因して、生じるものと考えられてい
る。
【0003】母板の粒界腐食を抑制する方法として、特
開昭60−177135号公報には、不活性ガス、還元性ガスま
たは真空中で短時間の焼鈍を施した後、急速冷却する方
法が開示されている。しかしながら、特定の雰囲気また
は真空を保持する設備が必要になるため、経済性に劣る
不利があった。
開昭60−177135号公報には、不活性ガス、還元性ガスま
たは真空中で短時間の焼鈍を施した後、急速冷却する方
法が開示されている。しかしながら、特定の雰囲気また
は真空を保持する設備が必要になるため、経済性に劣る
不利があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、上
記従来技術が抱えている問題点を解決することを課題と
し、とくに経済的に調整しやすい雰囲気中での焼鈍であ
っても、その後の酸洗工程において母板の粒界侵食が発
生し難いことから、表面欠陥が顕れず、それ故に優れた
表面光沢を有することとなる、オーステナイト系ステン
レス鋼板を製造する方法について提案することにある。
記従来技術が抱えている問題点を解決することを課題と
し、とくに経済的に調整しやすい雰囲気中での焼鈍であ
っても、その後の酸洗工程において母板の粒界侵食が発
生し難いことから、表面欠陥が顕れず、それ故に優れた
表面光沢を有することとなる、オーステナイト系ステン
レス鋼板を製造する方法について提案することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記の問題
点を解決するために、オーステナイト系ステンレス鋼に
ついて種々の実験を行った。その結果、焼鈍時に生成す
るスケールは、(Fe,Cr)203型と(Fe,Cr)304型であるこ
と、また、焼鈍時に生成するスケールが(Fe,Cr)304型主
体になると、脱Cr層が大きくなって母板の粒界侵食も大
きくなることを知見した。その機構は必ずしも明らかで
はないが、(Fe,Cr)304型のスケールの成長速度が(Fe,C
r)203型のスケールと比べて著しく速いことが考えられ
る。
点を解決するために、オーステナイト系ステンレス鋼に
ついて種々の実験を行った。その結果、焼鈍時に生成す
るスケールは、(Fe,Cr)203型と(Fe,Cr)304型であるこ
と、また、焼鈍時に生成するスケールが(Fe,Cr)304型主
体になると、脱Cr層が大きくなって母板の粒界侵食も大
きくなることを知見した。その機構は必ずしも明らかで
はないが、(Fe,Cr)304型のスケールの成長速度が(Fe,C
r)203型のスケールと比べて著しく速いことが考えられ
る。
【0006】さらに、焼鈍雰囲気の酸素含有率が高いほ
ど、スケールは(Fe,Cr)203型主体となって(Fe,Cr)304型
主体になりにくいこと、また、雰囲気の酸素含有率が同
じでも、鋼板表面に熱間圧延時に生成したスケールが多
く残っているほど、焼鈍時に生成するスケールが(Fe,C
r)304型主体になりやすいこと、も判明した。この機構
についても、現在のところ必ずしも明らかになっている
訳ではないが、(Fe,Cr)203型のスケールの場合は、酸化
の初期においては主としてFe203 であり、このスケール
が生成するためには、雰囲気の酸素量が多いことが必要
であること、また、熱間圧延時に生成したスケールが残
っていると、Fe203 のスケールが生成するために必要な
酸素量が地鉄表面まで供給されにくいことが関係がある
ものと考えられる。
ど、スケールは(Fe,Cr)203型主体となって(Fe,Cr)304型
主体になりにくいこと、また、雰囲気の酸素含有率が同
じでも、鋼板表面に熱間圧延時に生成したスケールが多
く残っているほど、焼鈍時に生成するスケールが(Fe,C
r)304型主体になりやすいこと、も判明した。この機構
についても、現在のところ必ずしも明らかになっている
訳ではないが、(Fe,Cr)203型のスケールの場合は、酸化
の初期においては主としてFe203 であり、このスケール
が生成するためには、雰囲気の酸素量が多いことが必要
であること、また、熱間圧延時に生成したスケールが残
っていると、Fe203 のスケールが生成するために必要な
酸素量が地鉄表面まで供給されにくいことが関係がある
ものと考えられる。
【0007】本発明は、上記の実験結果と、この結果に
ついて考察したところに基づいて開発したものである。
すなわち、本発明は、オーステナイト系ステンレス鋼熱
延板に予め機械的に脱スケール処理を施し、次いで酸素
含有率:1〜15%および温度:950 〜1300℃の雰囲気中
に1〜240 秒間保持して再結晶させる連続焼鈍を行った
のち、酸洗、冷間圧延、次いで光輝焼鈍を施すことを特
徴とする表面光沢に優れるオーステナイト系ステンレス
鋼板の製造方法である。
ついて考察したところに基づいて開発したものである。
すなわち、本発明は、オーステナイト系ステンレス鋼熱
延板に予め機械的に脱スケール処理を施し、次いで酸素
含有率:1〜15%および温度:950 〜1300℃の雰囲気中
に1〜240 秒間保持して再結晶させる連続焼鈍を行った
のち、酸洗、冷間圧延、次いで光輝焼鈍を施すことを特
徴とする表面光沢に優れるオーステナイト系ステンレス
鋼板の製造方法である。
【0008】
【作用】図1は、SUS304の熱延板について、予めショッ
トブラストによる脱スケール処理を行ったもの、およ
び、該処理を行わないものについて、種々の酸素含有率
の焼鈍雰囲気中に1150℃に30秒間保持する焼鈍を行った
後に酸洗を施した母板における粒界侵食深さと、焼鈍後
さらに冷間圧延して光輝焼鈍を行ったときの光沢度とを
調べた結果である。また、比較のために、脱スケール処
理を行わずに、酸素含有率が5%の雰囲気中で1150℃に
30秒間保持する焼鈍を行った後に酸洗を施した母板にお
ける粒界侵食深さと、焼鈍後さらに冷間圧延して光輝焼
鈍を行ったときの光沢度との調査結果についても、上記
の調査結果と対比して図1に示す。
トブラストによる脱スケール処理を行ったもの、およ
び、該処理を行わないものについて、種々の酸素含有率
の焼鈍雰囲気中に1150℃に30秒間保持する焼鈍を行った
後に酸洗を施した母板における粒界侵食深さと、焼鈍後
さらに冷間圧延して光輝焼鈍を行ったときの光沢度とを
調べた結果である。また、比較のために、脱スケール処
理を行わずに、酸素含有率が5%の雰囲気中で1150℃に
30秒間保持する焼鈍を行った後に酸洗を施した母板にお
ける粒界侵食深さと、焼鈍後さらに冷間圧延して光輝焼
鈍を行ったときの光沢度との調査結果についても、上記
の調査結果と対比して図1に示す。
【0009】同図によれば、SUS304の熱延板を予め脱ス
ケール処理した場合で、かつ焼鈍雰囲気の酸素含有率が
1%以上になると、母板の粒界侵食が著しく小さくな
り、冷間圧延後の光沢度が著しく向上することがわか
る。また、この効果は、酸素含有率が15%以上であって
も現れるが、これ以上に酸素量が増すと、熱効率が悪く
なったり、NOX が多量に発生したりする。一方、予め脱
スケール処理をしないと、焼鈍雰囲気の酸素含有率が変
化しても、母板の粒界侵食の大きさや冷間圧延後の光沢
度は通常の工程を経たものとほとんど差がない。
ケール処理した場合で、かつ焼鈍雰囲気の酸素含有率が
1%以上になると、母板の粒界侵食が著しく小さくな
り、冷間圧延後の光沢度が著しく向上することがわか
る。また、この効果は、酸素含有率が15%以上であって
も現れるが、これ以上に酸素量が増すと、熱効率が悪く
なったり、NOX が多量に発生したりする。一方、予め脱
スケール処理をしないと、焼鈍雰囲気の酸素含有率が変
化しても、母板の粒界侵食の大きさや冷間圧延後の光沢
度は通常の工程を経たものとほとんど差がない。
【0010】なお、本発明のように、オーステナイト系
ステンレス鋼の熱延板を予め脱スケールした後、酸素含
有率が1〜15%である雰囲気中で焼鈍した場合、焼鈍温
度および時間は母板の粒界侵食深さおよび冷間圧延後の
光沢度にはほとんど影響しない。従って、焼鈍温度およ
び時間は、オーステナイト系ステンレス鋼熱延板の再結
晶条件によって規制すればよい。ちなみに、再結晶は95
0 ℃未満または1秒未満の保持では生じない。また、13
00℃をこえるかまたは240 秒間をこえて保持すること
は、経済的に不利である。
ステンレス鋼の熱延板を予め脱スケールした後、酸素含
有率が1〜15%である雰囲気中で焼鈍した場合、焼鈍温
度および時間は母板の粒界侵食深さおよび冷間圧延後の
光沢度にはほとんど影響しない。従って、焼鈍温度およ
び時間は、オーステナイト系ステンレス鋼熱延板の再結
晶条件によって規制すればよい。ちなみに、再結晶は95
0 ℃未満または1秒未満の保持では生じない。また、13
00℃をこえるかまたは240 秒間をこえて保持すること
は、経済的に不利である。
【0011】ここで、熱延板の脱スケールを機械的処理
に限るのは、化学的処理として通常用いられる、鋼板を
硫酸, 硝フッ酸に浸漬する方法では、焼鈍板の場合と異
なり熱延板の表層には脱Cr層がほとんど存在しないた
め、地鉄の溶解が進まず、脱スケールに長時間を要して
生産性が劣ること、および、機械的処理により脱スケー
ルした場合は、鋼板の表層部に歪が導入され、鋼中のCr
の拡散を促進するので、(Fe, Cr) 203型のCr2O3 のスケ
ールを生成しやすくするという効果も期待できること等
の理由による。この機械的処理としては、ショットブラ
スト処理のほか、スキンパス, レベラー等によりスケー
ルにクラックを導入すること等が有利に適合する。
に限るのは、化学的処理として通常用いられる、鋼板を
硫酸, 硝フッ酸に浸漬する方法では、焼鈍板の場合と異
なり熱延板の表層には脱Cr層がほとんど存在しないた
め、地鉄の溶解が進まず、脱スケールに長時間を要して
生産性が劣ること、および、機械的処理により脱スケー
ルした場合は、鋼板の表層部に歪が導入され、鋼中のCr
の拡散を促進するので、(Fe, Cr) 203型のCr2O3 のスケ
ールを生成しやすくするという効果も期待できること等
の理由による。この機械的処理としては、ショットブラ
スト処理のほか、スキンパス, レベラー等によりスケー
ルにクラックを導入すること等が有利に適合する。
【0012】以上説明したように、本発明においては、
オーステナイト系ステンレス鋼の熱延板を予め機械的に
脱スケール処理した後、酸素量が1〜15%である雰囲気
中に950 〜1300℃で1〜240 秒間保持して再結晶させる
連続焼鈍を行った後、酸洗、冷間圧延、そして光輝焼鈍
を施すことによって、表面光沢に優れたオーステナイト
系ステンレス鋼板を製造することが可能になる。
オーステナイト系ステンレス鋼の熱延板を予め機械的に
脱スケール処理した後、酸素量が1〜15%である雰囲気
中に950 〜1300℃で1〜240 秒間保持して再結晶させる
連続焼鈍を行った後、酸洗、冷間圧延、そして光輝焼鈍
を施すことによって、表面光沢に優れたオーステナイト
系ステンレス鋼板を製造することが可能になる。
【0013】
【実施例】板厚:4mmのSUS304に準じた熱延板に、投射
密度:50kgf/m2および投射速度:50m/s の鉄球ショット
ブラストによる脱スケール処理を施したものと、脱スケ
ール処理をしないものとについて、種々の酸素含有率の
ブタンガス雰囲気中で、950 〜1300℃および1〜240sec
の焼鈍を行ったのち、投射密度:60kgf/m2および投射速
度:60m/sec の鉄球ショットブラストによる脱スケール
処理を行ってから、80℃の硫酸:200g/l水溶液に60秒間
浸漬し、次いで60℃の硝酸:150g/lおよびフッ酸:30 g
/l水溶液に60秒間浸漬したときの粒界侵食深さについて
調査した。さらに、通常の冷間圧延により0.7 mm厚に仕
上げた後、アンモニア分解ガス中で1150℃、1sec の光
輝焼鈍を行ったときの光沢度についても調査した。
密度:50kgf/m2および投射速度:50m/s の鉄球ショット
ブラストによる脱スケール処理を施したものと、脱スケ
ール処理をしないものとについて、種々の酸素含有率の
ブタンガス雰囲気中で、950 〜1300℃および1〜240sec
の焼鈍を行ったのち、投射密度:60kgf/m2および投射速
度:60m/sec の鉄球ショットブラストによる脱スケール
処理を行ってから、80℃の硫酸:200g/l水溶液に60秒間
浸漬し、次いで60℃の硝酸:150g/lおよびフッ酸:30 g
/l水溶液に60秒間浸漬したときの粒界侵食深さについて
調査した。さらに、通常の冷間圧延により0.7 mm厚に仕
上げた後、アンモニア分解ガス中で1150℃、1sec の光
輝焼鈍を行ったときの光沢度についても調査した。
【0014】また、比較例として、脱スケール処理を行
わずに酸素含有率が5%の雰囲気中で1150℃に30sec 保
持する焼鈍を行った後は上記と同様の処理を行った場合
の粒界侵食深さおよび光沢度についても調査した。これ
らの調査結果を、表1に示す。
わずに酸素含有率が5%の雰囲気中で1150℃に30sec 保
持する焼鈍を行った後は上記と同様の処理を行った場合
の粒界侵食深さおよび光沢度についても調査した。これ
らの調査結果を、表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】同表に示すように、焼鈍前に脱スケール処
理を行っても焼鈍雰囲気の酸素含有率が1%未満である
試料No.5〜7 、および焼鈍前に脱スケール処理を行って
いない試料No.8〜14は、粒界侵食深さおよび光沢度とも
に、従来法によって得られる鋼板とほとんど変わらない
結果となった。これに対して、本発明に従って得られた
試料No.1〜4 は、粒界侵食深さが比較例(試料No.5〜1
4)の半分以下にかつ光沢度が1.5 倍以上となった。
理を行っても焼鈍雰囲気の酸素含有率が1%未満である
試料No.5〜7 、および焼鈍前に脱スケール処理を行って
いない試料No.8〜14は、粒界侵食深さおよび光沢度とも
に、従来法によって得られる鋼板とほとんど変わらない
結果となった。これに対して、本発明に従って得られた
試料No.1〜4 は、粒界侵食深さが比較例(試料No.5〜1
4)の半分以下にかつ光沢度が1.5 倍以上となった。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、焼鈍中に保護性の高い
スケールが生成して脱Cr層の成長を抑制でき、酸洗を行
っても粒界侵食がほとんど発生しないから、このような
母板に冷間圧延、光輝焼鈍を行えば、表面光沢に優れる
オーステナイト系ステンレス鋼を低コストで製造するこ
とができる。また、本発明製造方法によれば、粒界侵食
溝の倒れ込み等も減少するため、耐食性に優れるオース
テナイト系ステンレス鋼板が得られる。さらに、上記母
板に、冷間圧延、焼鈍、酸洗およびスキンパスを行え
ば、バフ研磨性に優れるオーステナイト系ステンレス鋼
板の製造も可能である。
スケールが生成して脱Cr層の成長を抑制でき、酸洗を行
っても粒界侵食がほとんど発生しないから、このような
母板に冷間圧延、光輝焼鈍を行えば、表面光沢に優れる
オーステナイト系ステンレス鋼を低コストで製造するこ
とができる。また、本発明製造方法によれば、粒界侵食
溝の倒れ込み等も減少するため、耐食性に優れるオース
テナイト系ステンレス鋼板が得られる。さらに、上記母
板に、冷間圧延、焼鈍、酸洗およびスキンパスを行え
ば、バフ研磨性に優れるオーステナイト系ステンレス鋼
板の製造も可能である。
【図1】焼鈍雰囲気中の酸素含有率と粒界侵食深さおよ
び光沢度との関係を示すグラフである。
び光沢度との関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】オーステナイト系ステンレス鋼熱延板に予
め機械的に脱スケール処理を施し、次いで酸素含有率:
1〜15%および温度:950 〜1300℃の雰囲気中に1〜24
0 秒間保持して再結晶させる連続焼鈍を行ったのち、酸
洗、冷間圧延、次いで光輝焼鈍を施すことを特徴とする
良好な表面光沢を有するオーステナイト系ステンレス鋼
板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05194701A JP3133870B2 (ja) | 1993-08-05 | 1993-08-05 | 良好な表面光沢を有するオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05194701A JP3133870B2 (ja) | 1993-08-05 | 1993-08-05 | 良好な表面光沢を有するオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0748628A true JPH0748628A (ja) | 1995-02-21 |
JP3133870B2 JP3133870B2 (ja) | 2001-02-13 |
Family
ID=16328832
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05194701A Expired - Fee Related JP3133870B2 (ja) | 1993-08-05 | 1993-08-05 | 良好な表面光沢を有するオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3133870B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR19990053868A (ko) * | 1997-12-24 | 1999-07-15 | 이구택 | 오스테나이트계 스테인레스강의 표면결함 저감을 위한 열간압연방법 |
JP2002532254A (ja) * | 1998-12-18 | 2002-10-02 | アヴェスタ シェフィールド アクツィアブーラーグ (ペーユーベーエル) | ストリップの製造方法および圧延機ライン |
-
1993
- 1993-08-05 JP JP05194701A patent/JP3133870B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR19990053868A (ko) * | 1997-12-24 | 1999-07-15 | 이구택 | 오스테나이트계 스테인레스강의 표면결함 저감을 위한 열간압연방법 |
JP2002532254A (ja) * | 1998-12-18 | 2002-10-02 | アヴェスタ シェフィールド アクツィアブーラーグ (ペーユーベーエル) | ストリップの製造方法および圧延機ライン |
JP4759698B2 (ja) * | 1998-12-18 | 2011-08-31 | ユートキュムプ オサケ ユキチュア ユルキネン | ストリップの製造方法および圧延機ライン |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3133870B2 (ja) | 2001-02-13 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |