JPH0747698A - インクジェット記録装置 - Google Patents
インクジェット記録装置Info
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- JPH0747698A JPH0747698A JP19366993A JP19366993A JPH0747698A JP H0747698 A JPH0747698 A JP H0747698A JP 19366993 A JP19366993 A JP 19366993A JP 19366993 A JP19366993 A JP 19366993A JP H0747698 A JPH0747698 A JP H0747698A
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- ink
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Landscapes
- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 インクジェット記録装置においてマルチスキ
ャン方式で記録を行う場合、記録ヘッドの信頼性低下や
コスト上昇を伴わずに階調再現範囲の拡大を可能とす
る。 【構成】 淡インクを吐出する複数の吐出口を有した記
録ヘッド1−1と濃インクを吐出する複数の吐出口を有
した記録ヘッド1−2とを具え、これら記録ヘッドの複
数の吐出口からそれぞれ吐出される複数のインク滴を実
質的に同一箇所に重ねて画素を形成し、上記複数のイン
ク滴をその数および濃,淡を適切に組合せることにより
その画素の階調を表現する。
ャン方式で記録を行う場合、記録ヘッドの信頼性低下や
コスト上昇を伴わずに階調再現範囲の拡大を可能とす
る。 【構成】 淡インクを吐出する複数の吐出口を有した記
録ヘッド1−1と濃インクを吐出する複数の吐出口を有
した記録ヘッド1−2とを具え、これら記録ヘッドの複
数の吐出口からそれぞれ吐出される複数のインク滴を実
質的に同一箇所に重ねて画素を形成し、上記複数のイン
ク滴をその数および濃,淡を適切に組合せることにより
その画素の階調を表現する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置に関し、詳しくは記録画像の階調表現に関するもので
ある。
置に関し、詳しくは記録画像の階調表現に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録方式において
記録画像の高画質化の一手段として高解像,高階調化が
要求されつつある。階調性を高める技術としては、比較
的小さなインク滴(小ドロップレット)を被記録材上の
略同一箇所に短時間に複数個着弾させて1つの画素を形
成し、打ち込むインク滴の数を変えることによって階調
を表現するいわゆるマルチドロップレット方式が知られ
ている。このマルチドロップレット方式は1つのインク
滴の大きさを大きく変調することの困難なインクジェッ
ト記録方式において、高密度で且つ高階調の画像が得ら
れる方法である。
記録画像の高画質化の一手段として高解像,高階調化が
要求されつつある。階調性を高める技術としては、比較
的小さなインク滴(小ドロップレット)を被記録材上の
略同一箇所に短時間に複数個着弾させて1つの画素を形
成し、打ち込むインク滴の数を変えることによって階調
を表現するいわゆるマルチドロップレット方式が知られ
ている。このマルチドロップレット方式は1つのインク
滴の大きさを大きく変調することの困難なインクジェッ
ト記録方式において、高密度で且つ高階調の画像が得ら
れる方法である。
【0003】しかしながら、従来のマルチドロップレッ
ト方式では、1つの画素を形成するのに同一吐出口から
連続的に複数回の吐出を行うものであるため、吐出口毎
の吐出インク滴の体積のばらつきや吐出方向のばらつき
がある場合、これらばらつきは画像上にそのまま反映さ
れてスジ(白スジ,黒スジ)や濃度ムラとなって表われ
るという問題がある。
ト方式では、1つの画素を形成するのに同一吐出口から
連続的に複数回の吐出を行うものであるため、吐出口毎
の吐出インク滴の体積のばらつきや吐出方向のばらつき
がある場合、これらばらつきは画像上にそのまま反映さ
れてスジ(白スジ,黒スジ)や濃度ムラとなって表われ
るという問題がある。
【0004】これらの問題を避けるために、従来は、記
録ヘッドの製造を精密に行う必要があり、このため製造
コストが高くなったり、歩留まりを低減させていた。
録ヘッドの製造を精密に行う必要があり、このため製造
コストが高くなったり、歩留まりを低減させていた。
【0005】また、上記スジや濃度ムラが発生する問題
を、画像処理を用いて解消する方法も提案されている
が、上記処理のためのシステムがコストアップの要因と
なったり記録ヘッドの経時変化に対応しにくいといった
問題があった。
を、画像処理を用いて解消する方法も提案されている
が、上記処理のためのシステムがコストアップの要因と
なったり記録ヘッドの経時変化に対応しにくいといった
問題があった。
【0006】さらに、上記問題を解決する手法として、
1つの画素を、異なった複数の吐出口から吐出されるイ
ンク滴で形成するいわゆるマルチスキャン方式も提案さ
れている。しかし熱エネルギーを使用しこれによって発
生する気泡の生成にともなってインクを吐出するインク
ジェット記録方式は、環境温度や記録に伴う記録ヘッド
の自己昇温によって吐出体積が変動するため、常に画像
信号に対応した1画素毎の安定した階調記録を行うこと
ができないことがある。すなわち、個々のドロップレッ
トの体積が上記温度変化によって変動し、その結果、マ
ルチスキャンにより複数のインク滴からなる画素を形成
しても、この形成した画素が所定の濃度を表わさないこ
とがある。このような場合、例えば画像の左右での濃度
差や、スキャン毎の濃度変動によるスキャン幅毎の濃度
ムラが発生し画像品位を低下させる。
1つの画素を、異なった複数の吐出口から吐出されるイ
ンク滴で形成するいわゆるマルチスキャン方式も提案さ
れている。しかし熱エネルギーを使用しこれによって発
生する気泡の生成にともなってインクを吐出するインク
ジェット記録方式は、環境温度や記録に伴う記録ヘッド
の自己昇温によって吐出体積が変動するため、常に画像
信号に対応した1画素毎の安定した階調記録を行うこと
ができないことがある。すなわち、個々のドロップレッ
トの体積が上記温度変化によって変動し、その結果、マ
ルチスキャンにより複数のインク滴からなる画素を形成
しても、この形成した画素が所定の濃度を表わさないこ
とがある。このような場合、例えば画像の左右での濃度
差や、スキャン毎の濃度変動によるスキャン幅毎の濃度
ムラが発生し画像品位を低下させる。
【0007】この傾向は、マルチスキャン方式やバース
ト方式等において階調数を増そうとする場合には、イン
クドロップレットの体積を小さくしなければならないた
め、このドロップレットの徴小化とともに顕著になり、
体積変動や吐出方向のヨレ,信頼性(吐出回復性など)
の低下を助長するものである。またマルチノズル化を上
記方式で達成しようとする場合、困難なことが多い。
ト方式等において階調数を増そうとする場合には、イン
クドロップレットの体積を小さくしなければならないた
め、このドロップレットの徴小化とともに顕著になり、
体積変動や吐出方向のヨレ,信頼性(吐出回復性など)
の低下を助長するものである。またマルチノズル化を上
記方式で達成しようとする場合、困難なことが多い。
【0008】一方、従来の記録ヘッドをそのまま用い、
この記録ヘッドの数を増して濃淡のインクを用い、これ
により階調表現し、粒状感の低減をはかる方式が提案さ
れているが、インク打ち込み量が増加し、その結果、ラ
ンニングコストの増加,コックリング発生の増加,ある
いは定着性の問題などを生ずるとともに、濃淡インクの
切り換え時に発生する疑似輪郭などが問題となってい
る。
この記録ヘッドの数を増して濃淡のインクを用い、これ
により階調表現し、粒状感の低減をはかる方式が提案さ
れているが、インク打ち込み量が増加し、その結果、ラ
ンニングコストの増加,コックリング発生の増加,ある
いは定着性の問題などを生ずるとともに、濃淡インクの
切り換え時に発生する疑似輪郭などが問題となってい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、マルチスキャン方式において、記録ヘッドの信頼性
を低下させず、またコストを上げずに階調再現範囲の拡
大を可能とする技術としてのインクジェット記録装置を
提供することにある。
は、マルチスキャン方式において、記録ヘッドの信頼性
を低下させず、またコストを上げずに階調再現範囲の拡
大を可能とする技術としてのインクジェット記録装置を
提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、濃淡多値方式の問題
点である濃淡インクの切り換え時の疑似階調を、階調数
を増すことで低減することを可能とするインクジェット
記録装置を提供することにある。
点である濃淡インクの切り換え時の疑似階調を、階調数
を増すことで低減することを可能とするインクジェット
記録装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
複数の吐出口を有し該複数の吐出口から同色系で濃度の
異なるインクを吐出するための記録ヘッドを用い、被記
録媒体にインクを吐出して形成される画素を組合せて記
録を行うインクジェット記録装置において、前記記録ヘ
ッドを被記録媒体に相対的に移動させる移動手段と、該
移動手段による前記記録ヘッドの移動を制御するととも
に、当該記録ヘッドの複数の吐出口からの吐出を制御
し、それぞれ吐出された相互に濃度の異なるインク滴を
含む複数のインク滴を被記録媒体の略同一箇所に重ねて
画素を形成することが可能な記録制御手段と、を具えた
ことを特徴とする。
複数の吐出口を有し該複数の吐出口から同色系で濃度の
異なるインクを吐出するための記録ヘッドを用い、被記
録媒体にインクを吐出して形成される画素を組合せて記
録を行うインクジェット記録装置において、前記記録ヘ
ッドを被記録媒体に相対的に移動させる移動手段と、該
移動手段による前記記録ヘッドの移動を制御するととも
に、当該記録ヘッドの複数の吐出口からの吐出を制御
し、それぞれ吐出された相互に濃度の異なるインク滴を
含む複数のインク滴を被記録媒体の略同一箇所に重ねて
画素を形成することが可能な記録制御手段と、を具えた
ことを特徴とする。
【0012】
【作用】以上の構成によれば、複数の吐出口からそれぞ
れ吐出される複数のインク滴が略同一箇所に着弾して画
素が形成される。そして、これら画素を形成するインク
滴の中には互いに濃度の異なるインクが含まれるため、
着弾インク滴の数と濃,淡の組合せによって画素の階調
範囲を大きくすることができる。
れ吐出される複数のインク滴が略同一箇所に着弾して画
素が形成される。そして、これら画素を形成するインク
滴の中には互いに濃度の異なるインクが含まれるため、
着弾インク滴の数と濃,淡の組合せによって画素の階調
範囲を大きくすることができる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
に説明する。
【0014】(実施例1)図1は、本発明に適用可能な
インクジェット記録装置の斜視図である。
インクジェット記録装置の斜視図である。
【0015】図1において、符号1−1は128個の吐
出口を有した記録ヘッドを示し、淡インク(染料濃度:
0.8%)を吐出するものである。また、符号1−2は
同様に128個の吐出口を有した記録ヘッドを示し、濃
インク(染料濃度:3:0%)を吐出するものである。
符号4は記録ヘッド1−1および1−2を搭載して移動
するためのキャリッジを示し、キャリッジ4の移動はそ
の一部において摺動可能に係合する2本のガイド軸5
A,5Bに案内されながら行われる。符号6−1および
6−2は不図示のインクタンクより上述の淡および濃イ
ンクを記録ヘッド1−1および1−2に供給するための
それぞれインク供給チューブを示し、符号7−1および
7−2は記録ヘッド1−1および1−2の一部に設けら
れるそれぞれのヘッド駆動回路へ、不図示の本体装置制
御部から記録データ(画像信号)に基づいて駆動信号や
制御信号をそれぞれ送信するためのフレキシブルケーブ
ルを示す。インク供給チューブ6−1,6−2およびフ
レキシブルケーブル7−1,7−2は、ともにキャリッ
ジ4の移動に追随できるような部材によって構成されて
いる。
出口を有した記録ヘッドを示し、淡インク(染料濃度:
0.8%)を吐出するものである。また、符号1−2は
同様に128個の吐出口を有した記録ヘッドを示し、濃
インク(染料濃度:3:0%)を吐出するものである。
符号4は記録ヘッド1−1および1−2を搭載して移動
するためのキャリッジを示し、キャリッジ4の移動はそ
の一部において摺動可能に係合する2本のガイド軸5
A,5Bに案内されながら行われる。符号6−1および
6−2は不図示のインクタンクより上述の淡および濃イ
ンクを記録ヘッド1−1および1−2に供給するための
それぞれインク供給チューブを示し、符号7−1および
7−2は記録ヘッド1−1および1−2の一部に設けら
れるそれぞれのヘッド駆動回路へ、不図示の本体装置制
御部から記録データ(画像信号)に基づいて駆動信号や
制御信号をそれぞれ送信するためのフレキシブルケーブ
ルを示す。インク供給チューブ6−1,6−2およびフ
レキシブルケーブル7−1,7−2は、ともにキャリッ
ジ4の移動に追随できるような部材によって構成されて
いる。
【0016】また、キャリッジ4はガイド軸5A,5B
と平行に設けられるベルト(不図示)の一部と接続し、
このベルトが不図示のキャリッジモータによって駆動さ
れることにより移動可能となる。符号3は、その長手方
向がガイド軸5A,5Bと平行に延在するプラテンを示
し、符号2は記録用紙等の被記録体を示す。記録ヘッド
1−1および1−2は、キャリッジ4の移動にともな
い、被記録媒体2にそれぞれ淡,濃のインク滴を吐出し
て記録を行うことができる。
と平行に設けられるベルト(不図示)の一部と接続し、
このベルトが不図示のキャリッジモータによって駆動さ
れることにより移動可能となる。符号3は、その長手方
向がガイド軸5A,5Bと平行に延在するプラテンを示
し、符号2は記録用紙等の被記録体を示す。記録ヘッド
1−1および1−2は、キャリッジ4の移動にともな
い、被記録媒体2にそれぞれ淡,濃のインク滴を吐出し
て記録を行うことができる。
【0017】本装置を用いて普通紙上に9階調の記録を
行う方法を説明する。なお、濃,淡インクの組合せにつ
いては図15,16について後述する。すなわち1画素
当たりのインク滴数を0から4の範囲(1画素当たりの
インク打ち込み量:30から90(ng/dot)の範
囲)で変化させて記録を行う。
行う方法を説明する。なお、濃,淡インクの組合せにつ
いては図15,16について後述する。すなわち1画素
当たりのインク滴数を0から4の範囲(1画素当たりの
インク打ち込み量:30から90(ng/dot)の範
囲)で変化させて記録を行う。
【0018】図2,図3は本実施例の記録方法を説明す
るための概念図である。
るための概念図である。
【0019】図中、1−1(1−2)は記録ヘッドを模
式的に表したものであり、記録ヘッド1−1(1−2)
は前述のように淡(濃)インク用の128個の吐出口
を、それぞれ図2の上下方向に配設している。便宜上吐
出口番号を図の上から下へ向かってNo.1,No.
2,・・・・,No.128とする。
式的に表したものであり、記録ヘッド1−1(1−2)
は前述のように淡(濃)インク用の128個の吐出口
を、それぞれ図2の上下方向に配設している。便宜上吐
出口番号を図の上から下へ向かってNo.1,No.
2,・・・・,No.128とする。
【0020】まず、第1走査(スキャン)では、濃イン
クヘッド1−2と淡インクヘッド1−1の両者を用いて
それぞれのNo.97から128(No.97′からN
o.128′)の吐出口のみを用いて主走査方向にキャ
リッジを約282mm/secの速度で移動させつつ記
録を行う。
クヘッド1−2と淡インクヘッド1−1の両者を用いて
それぞれのNo.97から128(No.97′からN
o.128′)の吐出口のみを用いて主走査方向にキャ
リッジを約282mm/secの速度で移動させつつ記
録を行う。
【0021】この結果、図3(A)に示すように被記録
媒体の上端の1から32番目の画素が画像信号に基づい
てまず濃インクで0または1のインク滴で記録され、直
後に淡インクで0または1のインク滴で記録されること
になる。なお、図3は、濃インクあるいは淡インクのい
ずれか一方のみの画素形成を説明するものである。
媒体の上端の1から32番目の画素が画像信号に基づい
てまず濃インクで0または1のインク滴で記録され、直
後に淡インクで0または1のインク滴で記録されること
になる。なお、図3は、濃インクあるいは淡インクのい
ずれか一方のみの画素形成を説明するものである。
【0022】次に、被記録媒体を32画素分上方(副走
査方向,図2の矢印方向)へ送り、記録ヘッド1−1,
1−2を用いてNo.65(No.65′)から128
(128′)の吐出口を用いて記録を行う。この結果、
図3(B)に示すようにNo.65(65′)から96
(96′)の吐出口は前回No.97(97′)から1
28(128′)の吐出口で記録した1から32番目の
画素を記録し、No.97(97′)から128(12
8′)の吐出口は新たに33から64番目の画素を記録
する。これにより、1から32番目の画素は1画素当た
り0から2のインク滴数で記録されることになる。
査方向,図2の矢印方向)へ送り、記録ヘッド1−1,
1−2を用いてNo.65(No.65′)から128
(128′)の吐出口を用いて記録を行う。この結果、
図3(B)に示すようにNo.65(65′)から96
(96′)の吐出口は前回No.97(97′)から1
28(128′)の吐出口で記録した1から32番目の
画素を記録し、No.97(97′)から128(12
8′)の吐出口は新たに33から64番目の画素を記録
する。これにより、1から32番目の画素は1画素当た
り0から2のインク滴数で記録されることになる。
【0023】次に、被記録媒体を再び32画素分上方へ
送りNo.33(33′)から128(128′)の吐
出口を用いて記録を行う。図3(C),(D)に示すよ
うに、上記と同様に記録を順次繰り返すと、4回目の記
録が終了したときには、1から32番目の画素は濃淡の
インクそれぞれについて0から4滴のインクで記録され
ることになり、9階調の記録が得られる。5回目以降も
上記と同様に記録を繰り返すと、全面にわたって9階調
の画像が得られる。なお、記録開始時とは逆に画像最下
端では1走査毎に下方から32ノズルづつ順次吐出を停
止して行き画像端を形成する。
送りNo.33(33′)から128(128′)の吐
出口を用いて記録を行う。図3(C),(D)に示すよ
うに、上記と同様に記録を順次繰り返すと、4回目の記
録が終了したときには、1から32番目の画素は濃淡の
インクそれぞれについて0から4滴のインクで記録され
ることになり、9階調の記録が得られる。5回目以降も
上記と同様に記録を繰り返すと、全面にわたって9階調
の画像が得られる。なお、記録開始時とは逆に画像最下
端では1走査毎に下方から32ノズルづつ順次吐出を停
止して行き画像端を形成する。
【0024】このようにして得られた画像の、例えば1
番目の画素に着目してみると、この画素は吐出口No.
1(1′),33(33′),65(65′),97
(97′)の合計4吐出口からそれぞれ吐出される0ま
たは1のインク滴で形成されるため、各吐出口のインク
滴容量のばらつきが平均化され、スジやムラの目立たな
い画像を得ることができる。
番目の画素に着目してみると、この画素は吐出口No.
1(1′),33(33′),65(65′),97
(97′)の合計4吐出口からそれぞれ吐出される0ま
たは1のインク滴で形成されるため、各吐出口のインク
滴容量のばらつきが平均化され、スジやムラの目立たな
い画像を得ることができる。
【0025】以上の記録方法を用いて種々の画像を記録
したところ、従来の、1画素を同一吐出口から吐出する
複数インク滴で記録したもの(マルチドロップレット方
式)に比べ、階調性に優れ、スジ,ムラがなく極めて高
精細な画像が得られた。また、本例の記録方法を採用し
て、環境条件として低温低湿環境(15℃/10%)か
ら、高温高湿環境(35℃/90%)までの環境試験を
行った結果、固着,吐出応答性能等、すなわち記録ヘッ
ドの目詰まりやヨレなどを防止する性能は従来記録ヘッ
ドと同等以上の性能を持つことが分かった。
したところ、従来の、1画素を同一吐出口から吐出する
複数インク滴で記録したもの(マルチドロップレット方
式)に比べ、階調性に優れ、スジ,ムラがなく極めて高
精細な画像が得られた。また、本例の記録方法を採用し
て、環境条件として低温低湿環境(15℃/10%)か
ら、高温高湿環境(35℃/90%)までの環境試験を
行った結果、固着,吐出応答性能等、すなわち記録ヘッ
ドの目詰まりやヨレなどを防止する性能は従来記録ヘッ
ドと同等以上の性能を持つことが分かった。
【0026】次に、本実施例に係る記録ヘッド駆動方法
について説明する。
について説明する。
【0027】記録ヘッド駆動にはいわゆるパルス幅変調
駆動法を用いており、図4に示す駆動パルスにおいて、
VOPは駆動電圧、P1 はプレヒートパルス幅、P2 はイ
ンターバルタイム、P3 はメインヒートパルス幅を示し
ている。T1 ,T2 ,T3 はP1 ,P2 ,P3 を決める
ための時間を示している。電圧VOPは熱エネルギーを発
生するために必要な電気的エネルギーの指標であり電気
熱変換素子(以下、吐出ヒータともいう)の面積,抵抗
値,膜構造や記録ヘッドの吐出口、インク路構造によっ
て定まるものである。
駆動法を用いており、図4に示す駆動パルスにおいて、
VOPは駆動電圧、P1 はプレヒートパルス幅、P2 はイ
ンターバルタイム、P3 はメインヒートパルス幅を示し
ている。T1 ,T2 ,T3 はP1 ,P2 ,P3 を決める
ための時間を示している。電圧VOPは熱エネルギーを発
生するために必要な電気的エネルギーの指標であり電気
熱変換素子(以下、吐出ヒータともいう)の面積,抵抗
値,膜構造や記録ヘッドの吐出口、インク路構造によっ
て定まるものである。
【0028】パルス幅変調駆動法は、P1 ,P2 ,P3
の順にパルスを与える。P1 はプレヒートパルスの幅を
示し、主にノズル内のインク温度分布,粘度分布を制御
する。記録ヘッドの温度センサを利用した温度検知に応
じて、この幅P1 (P2 ,P3 も同時に制御する)が制
御される。この時吐出ヒータが熱エネルギーを加えすぎ
てインクにプレ発泡,バブルスルー現象が発生しないよ
うな幅とする。インターバルタイムP2 は、プレヒート
パルスとメインヒートパルスが相互干渉しないように一
定時間の間隔を設けるため、および吐出口内インクの温
度分布を制御,均一化する働きがある。メインヒートパ
ルスはその幅P3 により吐出ヒータ上に発泡現象を発生
させ吐出口よりインク滴を吐出させる。これらのパルス
幅は、吐出ヒータの面積,抵抗値,膜構造やヘッドの吐
出口,インク路構造さらにはインク物性によって定める
ことができる。
の順にパルスを与える。P1 はプレヒートパルスの幅を
示し、主にノズル内のインク温度分布,粘度分布を制御
する。記録ヘッドの温度センサを利用した温度検知に応
じて、この幅P1 (P2 ,P3 も同時に制御する)が制
御される。この時吐出ヒータが熱エネルギーを加えすぎ
てインクにプレ発泡,バブルスルー現象が発生しないよ
うな幅とする。インターバルタイムP2 は、プレヒート
パルスとメインヒートパルスが相互干渉しないように一
定時間の間隔を設けるため、および吐出口内インクの温
度分布を制御,均一化する働きがある。メインヒートパ
ルスはその幅P3 により吐出ヒータ上に発泡現象を発生
させ吐出口よりインク滴を吐出させる。これらのパルス
幅は、吐出ヒータの面積,抵抗値,膜構造やヘッドの吐
出口,インク路構造さらにはインク物性によって定める
ことができる。
【0029】図5は本例に係る記録ヘッド構造を示して
おり、ヘッド温度TH =25.0(℃)の環境で淡イン
クの駆動条件は、VOP=15.0(V)の時にP1 =
1.0(μsec)、P2 =4.0(μsec)、P3
=2.0(μsec)のパルスを与えると最適な駆動条
件となり安定したインク吐出状態が得られるものであ
る。この時の吐出特性は、インク吐出量VD =4.7
(ng/dot),吐出速度V=14.0±0.2(m
/sec)である。濃インクの駆動条件は、VOP=1
5.0(V)の時にP1 =1.2(μsec)、P2 =
4.0(μsec)、P3 =2.0(μsec)のパル
スを与えると最適な駆動条件となり安定したインク吐出
状態が得られる。この時の吐出特性は、インク吐出量V
D =5.0(ng/dot),吐出速度V=15.0±
0.2(m/sec)である。濃淡で駆動条件を変えて
いるのは、本実施例ではハイライト部でのドットの粒状
感を低減するためであり、解像度、階調数、インク、被
記録媒体などに応じて最適化すればよくこの限りではな
い。
おり、ヘッド温度TH =25.0(℃)の環境で淡イン
クの駆動条件は、VOP=15.0(V)の時にP1 =
1.0(μsec)、P2 =4.0(μsec)、P3
=2.0(μsec)のパルスを与えると最適な駆動条
件となり安定したインク吐出状態が得られるものであ
る。この時の吐出特性は、インク吐出量VD =4.7
(ng/dot),吐出速度V=14.0±0.2(m
/sec)である。濃インクの駆動条件は、VOP=1
5.0(V)の時にP1 =1.2(μsec)、P2 =
4.0(μsec)、P3 =2.0(μsec)のパル
スを与えると最適な駆動条件となり安定したインク吐出
状態が得られる。この時の吐出特性は、インク吐出量V
D =5.0(ng/dot),吐出速度V=15.0±
0.2(m/sec)である。濃淡で駆動条件を変えて
いるのは、本実施例ではハイライト部でのドットの粒状
感を低減するためであり、解像度、階調数、インク、被
記録媒体などに応じて最適化すればよくこの限りではな
い。
【0030】ちなみに、一画素当たりの最大インク打ち
込み量(濃淡インクの組み合わせで決まる)は、8滴で
約90(ng/dot)、記録ヘッドの最大駆動周波数
はfr=4.0KHzであり、360dpiの解像度を
もち、128吐出口を16Blockに分割して1Bl
ockから順次駆動している。
込み量(濃淡インクの組み合わせで決まる)は、8滴で
約90(ng/dot)、記録ヘッドの最大駆動周波数
はfr=4.0KHzであり、360dpiの解像度を
もち、128吐出口を16Blockに分割して1Bl
ockから順次駆動している。
【0031】すなわち 第1ブロックは 1,2,3,・・・,8 第2ブロックは 9,10,11,・・・,16 ・・ ・・ ・・ 第16ブロックは 121,122,123,・・・,
128 のように割り振り、ブロックの駆動順序は、第1,第
2,第3,・・・,第16の順に順次駆動する。
128 のように割り振り、ブロックの駆動順序は、第1,第
2,第3,・・・,第16の順に順次駆動する。
【0032】次に、まずプレヒートパルス幅P1 (また
は、インターバルP2 についても同様に制御可能であ
る)を用いた吐出量制御方法について詳細に述べる。
は、インターバルP2 についても同様に制御可能であ
る)を用いた吐出量制御方法について詳細に述べる。
【0033】図6はヘッド温度(TH )一定の条件にお
けるプレヒートパルス幅P1 と吐出量VD との関係を示
す。
けるプレヒートパルス幅P1 と吐出量VD との関係を示
す。
【0034】同図に示すように、パルス幅P1 の増加に
対して幅P1LMTまでは直線的(ただし、記録ヘッドの設
計やメインパルス幅P3 の設定によってはこの限りでは
ない。非線形の場合もある)に増加し、それより長いプ
レヒートパルスではプレ発泡(または、バブルスルー現
象;インク滴吐出前に気泡が大気と連通する現象)を生
じメインヒートパルスの発泡が乱される。さらに幅がP
1MAXより大きくなると、吐出量が減少する傾向を示す。
対して幅P1LMTまでは直線的(ただし、記録ヘッドの設
計やメインパルス幅P3 の設定によってはこの限りでは
ない。非線形の場合もある)に増加し、それより長いプ
レヒートパルスではプレ発泡(または、バブルスルー現
象;インク滴吐出前に気泡が大気と連通する現象)を生
じメインヒートパルスの発泡が乱される。さらに幅がP
1MAXより大きくなると、吐出量が減少する傾向を示す。
【0035】以上のように、プレヒートパルス幅P1 の
値を適切に設定することにより、吐出量を変化させるこ
とが可能となる。
値を適切に設定することにより、吐出量を変化させるこ
とが可能となる。
【0036】図7はプレヒートパルス幅P1 が一定の条
件でヘッド温度TH (環境温度TR)と吐出量VD との
関係を示す。図7に示すように、ヘッド温度TH の増加
に対して直線的に増加する傾向を示す。
件でヘッド温度TH (環境温度TR)と吐出量VD との
関係を示す。図7に示すように、ヘッド温度TH の増加
に対して直線的に増加する傾向を示す。
【0037】図6,図7のそれぞれの直線性を示す領域
の係数は、 吐出量のプレヒートパルス依存係数:KP =ΔVDP/Δ
P1 (ng/μs ・ dot) 吐出量のヘッド温度依存係数:KTH=ΔVDT/ΔTH (n
g/C ・ dot) のように定義される。
の係数は、 吐出量のプレヒートパルス依存係数:KP =ΔVDP/Δ
P1 (ng/μs ・ dot) 吐出量のヘッド温度依存係数:KTH=ΔVDT/ΔTH (n
g/C ・ dot) のように定義される。
【0038】図5に示す記録ヘッド構造のものでは、K
P =1.5(ng/μsec・dot),KTH=0.0
5(ng/deg・dot)である。
P =1.5(ng/μsec・dot),KTH=0.0
5(ng/deg・dot)である。
【0039】これらのふたつの関係を以下に説明するよ
うに有効に利用すると、図8に示すように、ヘッド温度
が環境温度の変動や記録に伴う自己昇温による変動など
様々な要因によって変化しても、インク吐出量を常に一
定に保てる吐出量制御方法が可能となる。
うに有効に利用すると、図8に示すように、ヘッド温度
が環境温度の変動や記録に伴う自己昇温による変動など
様々な要因によって変化しても、インク吐出量を常に一
定に保てる吐出量制御方法が可能となる。
【0040】図8に示す吐出量制御は、以下の3つの条
件で構成している。
件で構成している。
【0041】1)TH ≦T0 低温時の吐出量補償を、記録ヘッドのサブヒータを用い
た温度制御で行う。
た温度制御で行う。
【0042】ここでT0 は上記温度制御の目標温度であ
る。
る。
【0043】2)T0 <TH ≦TL 上述したパルス幅変調法(以下、PWMともいう)によ
る吐出量制御を行う。
る吐出量制御を行う。
【0044】3)TL <TH (<TC ) シングルパルスを用い、この幅を制御する。
【0045】上記1)に示す制御は、図8に示す温調領
域で主に低温環境での吐出量を確保するためのものであ
り、記録ヘッド温度TH =25.0℃以下の時でヘッド
温度TH を温調温度T0 =25.0(℃)に一定に保つ
ことでTH =T0 の時の吐出量VD0=5.0(ng/d
ot)を得る。温調温度T0 を25.0℃とするのは温
調によるインク増粘,インク固着または温調リップルな
どによる弊害を極力なくすためである。このときの各パ
ルス幅は、P1 /P2 /P3 =1.0/4.0/2.0
(μsec)である。
域で主に低温環境での吐出量を確保するためのものであ
り、記録ヘッド温度TH =25.0℃以下の時でヘッド
温度TH を温調温度T0 =25.0(℃)に一定に保つ
ことでTH =T0 の時の吐出量VD0=5.0(ng/d
ot)を得る。温調温度T0 を25.0℃とするのは温
調によるインク増粘,インク固着または温調リップルな
どによる弊害を極力なくすためである。このときの各パ
ルス幅は、P1 /P2 /P3 =1.0/4.0/2.0
(μsec)である。
【0046】2)に示す制御は、図8に示すPWM領域
であり、ヘッド温度TH が26.0℃〜56.0℃の間
で行う。すなわち、記録に伴う自己昇温や環境温度の変
化を温度センサで検知し、各ブロック毎に図9に示すテ
ーブルに従って2.0℃毎にプレヒートパルス幅P1 を
変化させる。この制御は図10に示すシーケンスに従
う。なお上記温度検知のための温度センサは上記ブロッ
ク毎に設けてもよく、この場合、より正確な制御を行う
ことができる。
であり、ヘッド温度TH が26.0℃〜56.0℃の間
で行う。すなわち、記録に伴う自己昇温や環境温度の変
化を温度センサで検知し、各ブロック毎に図9に示すテ
ーブルに従って2.0℃毎にプレヒートパルス幅P1 を
変化させる。この制御は図10に示すシーケンスに従
う。なお上記温度検知のための温度センサは上記ブロッ
ク毎に設けてもよく、この場合、より正確な制御を行う
ことができる。
【0047】このシーケンスでは、ヘッド温度の誤検知
を防ぎ、より正確な温度検知を行うためにステップS8
2で過去3回の温度(Tn-3 ,Tn-2 ,Tn-1 )と新し
く検知した温度Tn を加えて平均した温度をヘッド温度
Tn =(Tn-3 +Tn-2 +Tn-1 +Tn )/4として使
用する。次のステップS83では、前回の平均値Tn-1
と今回測定したヘッド温度Tn との差を所定値ΔTと比
較判断し、その差と所定値ΔTとの関係が、 (1)|Tn −Tn-1 |≦ΔTの場合は、温度変化が±
ΔT℃以内の変化で1テーブルの範囲内なので、P1 の
パルス幅は変えない(ステップS85)。
を防ぎ、より正確な温度検知を行うためにステップS8
2で過去3回の温度(Tn-3 ,Tn-2 ,Tn-1 )と新し
く検知した温度Tn を加えて平均した温度をヘッド温度
Tn =(Tn-3 +Tn-2 +Tn-1 +Tn )/4として使
用する。次のステップS83では、前回の平均値Tn-1
と今回測定したヘッド温度Tn との差を所定値ΔTと比
較判断し、その差と所定値ΔTとの関係が、 (1)|Tn −Tn-1 |≦ΔTの場合は、温度変化が±
ΔT℃以内の変化で1テーブルの範囲内なので、P1 の
パルス幅は変えない(ステップS85)。
【0048】(2)Tn −Tn-1 >ΔTの場合は、温度
変化が高温側にシフトしているのでテーブルを1つ下げ
てP1 のパルス幅を狭くする(ステップS86)。
変化が高温側にシフトしているのでテーブルを1つ下げ
てP1 のパルス幅を狭くする(ステップS86)。
【0049】(3)Tn −Tn-1 <−ΔTの場合は、温
度変化が低温側にシフトしているのでテーブルを1つ上
げてP1 のパルス幅を広くする(ステップS84)。
度変化が低温側にシフトしているのでテーブルを1つ上
げてP1 のパルス幅を広くする(ステップS84)。
【0050】ここで、テーブルは1つの変化しか許容し
ない。
ない。
【0051】以上のようにテーブルを変えながら制御を
行う。記録中に1つのテーブルを変化させる周期(フィ
ードバックタイム)TF は20msecである。
行う。記録中に1つのテーブルを変化させる周期(フィ
ードバックタイム)TF は20msecである。
【0052】従って、1ラインに要する記録時間(約8
00msec)の中では約40回のテーブル変更が各吐
出口ブロック毎で独立に可能となっているため、最大で
30.0degの温度上昇にも対処可能となっており濃
度変化の発生を低減している。
00msec)の中では約40回のテーブル変更が各吐
出口ブロック毎で独立に可能となっているため、最大で
30.0degの温度上昇にも対処可能となっており濃
度変化の発生を低減している。
【0053】温度検知に4回平均を用いているのは、セ
ンサのノイズや他のブロックとの干渉を防ぐ等による誤
検知を防ぎフィードバックをなめらかに行うとともに、
制御による濃度変動を必要最低限にし、シリアル記録方
式による繋ぎでの濃度変化(繋ぎムラ)を目だたなくす
るためである。
ンサのノイズや他のブロックとの干渉を防ぐ等による誤
検知を防ぎフィードバックをなめらかに行うとともに、
制御による濃度変動を必要最低限にし、シリアル記録方
式による繋ぎでの濃度変化(繋ぎムラ)を目だたなくす
るためである。
【0054】この吐出量制御方法を用いると上記の温度
範囲で普通紙の目標吐出量VD0=5.0(ng/do
t)に対して±0.08(ng/dot)の範囲内で制
御が可能となる。従って、最大インク打ち込み時でも、
VD0=80.0(ng/dot)に対して±1.28
(ng/dot)の範囲内で制御が可能となる。この範
囲内での吐出量変動に収まると、1枚の用紙を記録中に
発生する濃度変動は、100%デューティー記録のよう
な場合でも±0.05程度に抑えられ、シリアル記録方
式に顕著な濃度ムラの発生,繋ぎスジは問題とならな
い。
範囲で普通紙の目標吐出量VD0=5.0(ng/do
t)に対して±0.08(ng/dot)の範囲内で制
御が可能となる。従って、最大インク打ち込み時でも、
VD0=80.0(ng/dot)に対して±1.28
(ng/dot)の範囲内で制御が可能となる。この範
囲内での吐出量変動に収まると、1枚の用紙を記録中に
発生する濃度変動は、100%デューティー記録のよう
な場合でも±0.05程度に抑えられ、シリアル記録方
式に顕著な濃度ムラの発生,繋ぎスジは問題とならな
い。
【0055】なお、温度検知の平均回数を増すとノイズ
等に強くなり、よりなめらかな温度変化とすることがで
きるが、逆にリアルタイムでの制御では検知精度が損な
われ正確な制御ができなくなる。また、温度検知の平均
回数を減らすと、ノイズ等に弱くなり急激な変化が発生
するが、逆にリアルタイムでの制御では検知精度が高ま
り正確な制御が可能となる。
等に強くなり、よりなめらかな温度変化とすることがで
きるが、逆にリアルタイムでの制御では検知精度が損な
われ正確な制御ができなくなる。また、温度検知の平均
回数を減らすと、ノイズ等に弱くなり急激な変化が発生
するが、逆にリアルタイムでの制御では検知精度が高ま
り正確な制御が可能となる。
【0056】次に、前記3)に示す制御は、駆動パルス
をシングルパルスとし、このパルス幅変調による自己昇
温抑制制御を行う。これにより記録による発熱量を極力
低減することができる。この制御領域はヘッド温度TH
=56.0℃以上の場合を想定しており、この温度は、
例えば100%デューティーで連続して記録すると瞬間
的には到達する温度であるが、ヘッド温度全体(A1 基
板ベース温度)が常時この温度にならないようにヘッド
構造の設計およびヘッド駆動条件を設定している。万
一、この状態が連続して発生するような場合には高温異
常状態と判断し吸引や停止等を含む公知の技術を利用し
て高温異常動作処理を行うことで対処する。
をシングルパルスとし、このパルス幅変調による自己昇
温抑制制御を行う。これにより記録による発熱量を極力
低減することができる。この制御領域はヘッド温度TH
=56.0℃以上の場合を想定しており、この温度は、
例えば100%デューティーで連続して記録すると瞬間
的には到達する温度であるが、ヘッド温度全体(A1 基
板ベース温度)が常時この温度にならないようにヘッド
構造の設計およびヘッド駆動条件を設定している。万
一、この状態が連続して発生するような場合には高温異
常状態と判断し吸引や停止等を含む公知の技術を利用し
て高温異常動作処理を行うことで対処する。
【0057】以上の1)に示す領域の制御シーケンスに
ついて以下に説明する。本実施例では、記録ヘッド基板
の吐出口側の左右に配設されるサブヒータとそのごく近
傍にそれぞれ配置されるセンサとを用いて制御を行う。
ついて以下に説明する。本実施例では、記録ヘッド基板
の吐出口側の左右に配設されるサブヒータとそのごく近
傍にそれぞれ配置されるセンサとを用いて制御を行う。
【0058】図11に、上記温度センサ、サブヒータお
よび吐出用ヒータとの位置関係を示す。
よび吐出用ヒータとの位置関係を示す。
【0059】温度の検知は、上記のパルス幅変調方式と
同様に4回の平均値を用いる。この時、ヘッド温度TH
は温度センサ20A,20Bにより検知した温度TL と
TRとの平均値(TH =(TL +TR )/2)を用い
る。この検知温度に応じてサブヒータ30A,30B
に、吐出ヒータの場合と等しい電圧VOPを加えると同時
に、目標温度に到達するまで吐出ヒータに吐出しない程
度の幅の短いパルスを連続的に与え短時間で温度制御を
行う。本実施例での短パルス加熱条件は、駆動周波数:
f=8(KHz)、駆動電圧:VOP=15.0(V)、
パルス幅:PW =0.5(μsec)の条件で行い、目
標温度に到達した後は、サブヒータによる温調のみに切
り替える。これは、短パルスによる吐出ヒータの劣化を
抑制するためである。サブヒータによる制御方法は、基
本的には、オン/オフ方式である。つまり、目標温度T
0 =25.0℃に到達するまでは最大電力(左右各1.
2W)を投入し、目標温度に到達すると電流を切り、下
がると電流を流す方式である。この制御の周期は40m
secである。このタイミングを長くするとリップルの
幅が大きくなり温度変化の周期が延びる。また、このタ
イミングを短くするとリップルの幅が小さくなり上記周
期は短くなる。この方式によって目標温度での温調リッ
プル幅は約2℃であるが、4回平均による温度検知を用
いているため温調リップルによる吐出量制御への影響は
ほとんどない。必要があればPID制御などの高価な制
御方法を用いても良い。
同様に4回の平均値を用いる。この時、ヘッド温度TH
は温度センサ20A,20Bにより検知した温度TL と
TRとの平均値(TH =(TL +TR )/2)を用い
る。この検知温度に応じてサブヒータ30A,30B
に、吐出ヒータの場合と等しい電圧VOPを加えると同時
に、目標温度に到達するまで吐出ヒータに吐出しない程
度の幅の短いパルスを連続的に与え短時間で温度制御を
行う。本実施例での短パルス加熱条件は、駆動周波数:
f=8(KHz)、駆動電圧:VOP=15.0(V)、
パルス幅:PW =0.5(μsec)の条件で行い、目
標温度に到達した後は、サブヒータによる温調のみに切
り替える。これは、短パルスによる吐出ヒータの劣化を
抑制するためである。サブヒータによる制御方法は、基
本的には、オン/オフ方式である。つまり、目標温度T
0 =25.0℃に到達するまでは最大電力(左右各1.
2W)を投入し、目標温度に到達すると電流を切り、下
がると電流を流す方式である。この制御の周期は40m
secである。このタイミングを長くするとリップルの
幅が大きくなり温度変化の周期が延びる。また、このタ
イミングを短くするとリップルの幅が小さくなり上記周
期は短くなる。この方式によって目標温度での温調リッ
プル幅は約2℃であるが、4回平均による温度検知を用
いているため温調リップルによる吐出量制御への影響は
ほとんどない。必要があればPID制御などの高価な制
御方法を用いても良い。
【0060】上記図8に示す温度制御方法を本例のモノ
クロ記録のインクジェット記録装置により記録した普通
紙上の画像濃度(0から16の各階調に対する反射濃度
OD)と各環境(低温低湿:(5℃/10%)から高温
高湿:(35℃/90%))におけるページ内の濃度変
化(含記録デューティー変化)はほとんど発生しない。
ちなみに、インクの染料濃度は3.5%である。
クロ記録のインクジェット記録装置により記録した普通
紙上の画像濃度(0から16の各階調に対する反射濃度
OD)と各環境(低温低湿:(5℃/10%)から高温
高湿:(35℃/90%))におけるページ内の濃度変
化(含記録デューティー変化)はほとんど発生しない。
ちなみに、インクの染料濃度は3.5%である。
【0061】上記の説明からも分かる通りに、環境温度
や、記録昇温による濃度変化が極めて少なく、階調再現
性のある、スジ,ムラの無い画像が得られる。
や、記録昇温による濃度変化が極めて少なく、階調再現
性のある、スジ,ムラの無い画像が得られる。
【0062】(実施例2)図12は本発明の第2の実施
例に係るインクジェット記録装置の斜視図である。
例に係るインクジェット記録装置の斜視図である。
【0063】本例は、高速フルカラープリンターに本発
明を適用したものである。本装置を用いて特殊紙上に4
色(Bk,C,M,Y)の各色の濃,淡インクを用いた
9階調のフルカラー記録を行う方法を以下に説明する。
明を適用したものである。本装置を用いて特殊紙上に4
色(Bk,C,M,Y)の各色の濃,淡インクを用いた
9階調のフルカラー記録を行う方法を以下に説明する。
【0064】各色記録ヘッドの吐出順序は、ブラックの
Bk1(濃)およびBk2(淡),シアンのC1(濃)
およびC2(淡),マゼンタM1(濃)およびM2
(淡),イエローのY1(濃)およびY2(淡)の順で
ある(ただし、4回のスキャンによって1画素を形成す
るために、各画素におけるインクの着弾順序は画像信号
と濃淡インクおよびドロップレット数の階調データによ
る振り分けによるのでこの限りではない。)。階調を表
すために1画素当たりの各色インク滴数を0から4の範
囲で変化させて記録を行う。
Bk1(濃)およびBk2(淡),シアンのC1(濃)
およびC2(淡),マゼンタM1(濃)およびM2
(淡),イエローのY1(濃)およびY2(淡)の順で
ある(ただし、4回のスキャンによって1画素を形成す
るために、各画素におけるインクの着弾順序は画像信号
と濃淡インクおよびドロップレット数の階調データによ
る振り分けによるのでこの限りではない。)。階調を表
すために1画素当たりの各色インク滴数を0から4の範
囲で変化させて記録を行う。
【0065】本例の記録ヘッドBk1,C1,M1およ
びY1は512個の吐出口を有しており、下端からN
o.1ないし256ヘッド部(Bk1−1,C1−1,
M1−1,Y1−1)、No.257ないし512まで
が淡インク用ヘッド部(Bk1−2,C1−2,M1−
2,Y1−2)となっている。
びY1は512個の吐出口を有しており、下端からN
o.1ないし256ヘッド部(Bk1−1,C1−1,
M1−1,Y1−1)、No.257ないし512まで
が淡インク用ヘッド部(Bk1−2,C1−2,M1−
2,Y1−2)となっている。
【0066】以下、図13および図14を参照して本例
の記録方法を説明する。
の記録方法を説明する。
【0067】まず、第1スキャンでは、No.1から6
4の吐出口のみを用いて主走査方向にキャリッジを約5
08mm/secの速度で移動させつつ記録を行う。
4の吐出口のみを用いて主走査方向にキャリッジを約5
08mm/secの速度で移動させつつ記録を行う。
【0068】ここでは簡単のため、1色についての説明
を行う。この結果、図13(A),図14に示すように
被記録媒体上の第1から64番目の画素が画像信号に基
づき濃インクの0または1個のインク滴で記録される。
を行う。この結果、図13(A),図14に示すように
被記録媒体上の第1から64番目の画素が画像信号に基
づき濃インクの0または1個のインク滴で記録される。
【0069】次に被記録媒体を64画素分上方へ送り、
No.1から128の吐出口を用いて記録を行う。この
結果、図13(B)および図14に示すようにNo.6
5から128の吐出口は前回No.1から64の吐出口
でそれぞれ記録した第1ないし64番目画素を記録し、
No.1から64の吐出口は新たに第65から128番
目の画素を記録する。これにより、第1から64番目の
画素はそれぞれ濃インクが0ないし2のインク滴数で記
録されることになる。
No.1から128の吐出口を用いて記録を行う。この
結果、図13(B)および図14に示すようにNo.6
5から128の吐出口は前回No.1から64の吐出口
でそれぞれ記録した第1ないし64番目画素を記録し、
No.1から64の吐出口は新たに第65から128番
目の画素を記録する。これにより、第1から64番目の
画素はそれぞれ濃インクが0ないし2のインク滴数で記
録されることになる。
【0070】次に、被記録媒体を再び64画素分上方へ
送りNo.1から192の吐出口を用いて記録を行う。
図13(C),(D)および図14に示すように、上記
と同様の記録を順次繰り返すと、濃インクによる画像形
成が終了し4回目の記録が終了したときには、第1ない
し64番目の画素は0ないし4滴のインクで記録される
ことになる。5回目以降では上記と同様に4回のスキャ
ンを行ない、淡インクのNo.257〜512の吐出口
による記録を繰り返す。これにより、図14に示される
ように第1ないし64番目の画素は淡インクの0ないし
4滴で記録され、合せて濃,淡インクの8滴、すなわち
9階調の記録が得られる。
送りNo.1から192の吐出口を用いて記録を行う。
図13(C),(D)および図14に示すように、上記
と同様の記録を順次繰り返すと、濃インクによる画像形
成が終了し4回目の記録が終了したときには、第1ない
し64番目の画素は0ないし4滴のインクで記録される
ことになる。5回目以降では上記と同様に4回のスキャ
ンを行ない、淡インクのNo.257〜512の吐出口
による記録を繰り返す。これにより、図14に示される
ように第1ないし64番目の画素は淡インクの0ないし
4滴で記録され、合せて濃,淡インクの8滴、すなわち
9階調の記録が得られる。
【0071】以下この順序で画像データに基づいて記録
を行うと全面にわたって9階調の画像が得られる。な
お、記録開始時とは逆に画像再下端では1走査毎に下方
から64吐出口づつ順次吐出を停止して行き画像端を形
成する。
を行うと全面にわたって9階調の画像が得られる。な
お、記録開始時とは逆に画像再下端では1走査毎に下方
から64吐出口づつ順次吐出を停止して行き画像端を形
成する。
【0072】このようにして得られた画像の、例えば第
1の画素に着目してみると、この画素は吐出口No.
1,65,129,193,257,321,385,
449の合計8吐出口からそれぞれ吐出される0または
1のインク滴を用い、これにより淡インクによる粒状感
の低減、濃インクによる最高濃度および各吐出口のイン
ク滴容量のばらつきの平均化が達成され、スジやムラの
目立たない高階調でコントラストの高い画像を得ること
ができる。
1の画素に着目してみると、この画素は吐出口No.
1,65,129,193,257,321,385,
449の合計8吐出口からそれぞれ吐出される0または
1のインク滴を用い、これにより淡インクによる粒状感
の低減、濃インクによる最高濃度および各吐出口のイン
ク滴容量のばらつきの平均化が達成され、スジやムラの
目立たない高階調でコントラストの高い画像を得ること
ができる。
【0073】なお、各階調を実現する濃,淡それぞれの
インク滴数は図15に示す濃淡振り分けテーブルに従っ
て決定されるものであり、その組合せの結果は図16
(A)〜(C)に示すものとなる。すなわち、1〜4階
調までは淡インクのそれぞれのインク滴数を吐出し、5
〜7階調は、濃インクと淡インクを組合せ最大の8階調
は、濃インクを吐出して記録するものである。
インク滴数は図15に示す濃淡振り分けテーブルに従っ
て決定されるものであり、その組合せの結果は図16
(A)〜(C)に示すものとなる。すなわち、1〜4階
調までは淡インクのそれぞれのインク滴数を吐出し、5
〜7階調は、濃インクと淡インクを組合せ最大の8階調
は、濃インクを吐出して記録するものである。
【0074】上記では1色について説明したが、他の色
についても同様に吐出すればよく、全色の吐出によって
フルカラー画像が記録される。
についても同様に吐出すればよく、全色の吐出によって
フルカラー画像が記録される。
【0075】以上の記録方法を用いて種々の画像を記録
したところ、従来のマルチドロップレット方式に比べ、
記録ヘッドの信頼性を低下させることなく階調数を増や
すことができるとともにスジ,ムラの無い極めて高精
細,高コントラストな画像が得られる。
したところ、従来のマルチドロップレット方式に比べ、
記録ヘッドの信頼性を低下させることなく階調数を増や
すことができるとともにスジ,ムラの無い極めて高精
細,高コントラストな画像が得られる。
【0076】次に、本実施例の吐出駆動制御方法の特徴
について説明する。
について説明する。
【0077】基本的には実施例1と同様な駆動方式を採
るが、記録ヘッドの長さが長く、以下に説明されるよう
な分散ブロック駆動方式を用いているため、複数の温度
センサによるフィードバック方式では各吐出口に対応し
た吐出量安定化制御が困難なことが多い。従って、吐出
口列方向のヘッド温度分布をなくす必要がある。
るが、記録ヘッドの長さが長く、以下に説明されるよう
な分散ブロック駆動方式を用いているため、複数の温度
センサによるフィードバック方式では各吐出口に対応し
た吐出量安定化制御が困難なことが多い。従って、吐出
口列方向のヘッド温度分布をなくす必要がある。
【0078】記録ヘッド駆動にはパルス幅変調駆動法を
用いており、ここでの説明は省く。本例の記録ヘッドは
濃淡インクの駆動条件を同じとし、濃淡ともに図17
(A)〜(C)に示す同じヘッド構造を有しており、ヘ
ッド温度TH =35.0(℃)の環境でVOP=20.0
(V)の時にP1 =1.0(μsec)、P2 =4.0
(μsec)、P3 =3.0(μsec)のパルスを与
えると最適な駆動条件となり安定したインク吐出状態が
得られる。この時の吐出特性は、インク吐出量VD =
8.0(ng/dot),吐出速度V=14.0±0.
2(m/sec)であった。ちなみに、一画素当たりの
最大インク打ち込み量は、4滴で約32(ng/do
t),記録ヘッドの最大駆動周波数はfr=8.0KH
zであり、400dpiの解像度をもち、512個の吐
出口を8ブロック(1ブロック:64セグメント)に分
散分割して以下の順序で順次駆動している。
用いており、ここでの説明は省く。本例の記録ヘッドは
濃淡インクの駆動条件を同じとし、濃淡ともに図17
(A)〜(C)に示す同じヘッド構造を有しており、ヘ
ッド温度TH =35.0(℃)の環境でVOP=20.0
(V)の時にP1 =1.0(μsec)、P2 =4.0
(μsec)、P3 =3.0(μsec)のパルスを与
えると最適な駆動条件となり安定したインク吐出状態が
得られる。この時の吐出特性は、インク吐出量VD =
8.0(ng/dot),吐出速度V=14.0±0.
2(m/sec)であった。ちなみに、一画素当たりの
最大インク打ち込み量は、4滴で約32(ng/do
t),記録ヘッドの最大駆動周波数はfr=8.0KH
zであり、400dpiの解像度をもち、512個の吐
出口を8ブロック(1ブロック:64セグメント)に分
散分割して以下の順序で順次駆動している。
【0079】すなわち 第1ブロックは 1,9,17,・・・,489,49
7,505 第2ブロックは 2,10,18,・・・,490,4
98,506 ・・ ・・ ・・ 第8ブロックは 8,16,24,・・・,496,5
04,512 のように割り振り、駆動順序は、第1,第4,第7,第
2,第5,第8,第3,第6ブロックの順に分散駆動し
ている。
7,505 第2ブロックは 2,10,18,・・・,490,4
98,506 ・・ ・・ ・・ 第8ブロックは 8,16,24,・・・,496,5
04,512 のように割り振り、駆動順序は、第1,第4,第7,第
2,第5,第8,第3,第6ブロックの順に分散駆動し
ている。
【0080】実施例1では、吐出信号の無い吐出口に関
してはパルスを印加しないように制御(P1 およびP3
=0(μsec))していたが、本実施例では、吐出信
号の無い吐出口に関しても吐出しない程度のパルスを与
え続け、 1)画像信号がある場合は、通常のパルスを与える。
してはパルスを印加しないように制御(P1 およびP3
=0(μsec))していたが、本実施例では、吐出信
号の無い吐出口に関しても吐出しない程度のパルスを与
え続け、 1)画像信号がある場合は、通常のパルスを与える。
【0081】パルス条件:P1 (PWM)/P2 /P3 2)画像信号の無い場合は、P1 (P3 =0:メインパ
ルスを与えないで、発泡または吐出を起こさないように
制御する。)のみを与える。
ルスを与えないで、発泡または吐出を起こさないように
制御する。)のみを与える。
【0082】2)の制御は、吐出信号の無いところでは
P1 のみのシングルパルスのパルス幅変調(吐出信号の
有る吐出口と同じパルス幅:P1 (PWM)を加える)
による単パルス加熱と同様の加熱制御を行うものであ
り、吐出信号のある吐出口または吐出口群と吐出信号の
無い吐出口または吐出口群との温度差をできるだけ少な
くするように制御するものである。また、プレヒートパ
ルス幅P1 による加熱の発熱量を極力低減するよう、吐
出信号の発生している吐出口と同様にヘッド温度に応じ
てP1 をPWM制御するように工夫してある。
P1 のみのシングルパルスのパルス幅変調(吐出信号の
有る吐出口と同じパルス幅:P1 (PWM)を加える)
による単パルス加熱と同様の加熱制御を行うものであ
り、吐出信号のある吐出口または吐出口群と吐出信号の
無い吐出口または吐出口群との温度差をできるだけ少な
くするように制御するものである。また、プレヒートパ
ルス幅P1 による加熱の発熱量を極力低減するよう、吐
出信号の発生している吐出口と同様にヘッド温度に応じ
てP1 をPWM制御するように工夫してある。
【0083】本実施例の上記制御のシーケンスは、実施
例1と同様、左右の温度センサを用いて行う。また、温
度の検知は、上記の吐出量制御方式と同様で4回の平均
値を用いる。
例1と同様、左右の温度センサを用いて行う。また、温
度の検知は、上記の吐出量制御方式と同様で4回の平均
値を用いる。
【0084】すなわち、ヘッド温度TH は左右に配置さ
れたセンサから10(ms)毎に検知した温度THL,T
HRを読みとりこれらの平均値(TH =(THL+THR)/
2)を算出する。次に、過去3回の温度(Tn-3 ,T
n-2 ,Tn-1 )と新しく検知した温度Tn を加えて平均
した温度をヘッド温度Tn =(Tn-3 +Tn-2 +Tn-1
+Tn )/4として用いる。さらに、この値Tn に基づ
き図9と同様なテーブルを参照してパルス幅P1 を定め
る。
れたセンサから10(ms)毎に検知した温度THL,T
HRを読みとりこれらの平均値(TH =(THL+THR)/
2)を算出する。次に、過去3回の温度(Tn-3 ,T
n-2 ,Tn-1 )と新しく検知した温度Tn を加えて平均
した温度をヘッド温度Tn =(Tn-3 +Tn-2 +Tn-1
+Tn )/4として用いる。さらに、この値Tn に基づ
き図9と同様なテーブルを参照してパルス幅P1 を定め
る。
【0085】次に、各吐出口の吐出信号の有無を判定し
てから、吐出信号の有る吐出口については通常の分割パ
ルス:P1 ,P2 ,P3 を与え、吐出信号の無い吐出口
についてはプレヒートパルス:P1 のみを与える。
てから、吐出信号の有る吐出口については通常の分割パ
ルス:P1 ,P2 ,P3 を与え、吐出信号の無い吐出口
についてはプレヒートパルス:P1 のみを与える。
【0086】上記シーケンス中に1つのテーブルを変化
させるのに要する時間(フィードバックタイム)はTF
=20msecである。従って、1ライン(約400m
sec)の中では約20回のテーブル変更が各ブロック
毎に独立に可能であり、最大で20.0degの昇温に
対応して濃度変化の発生を低減することができる。
させるのに要する時間(フィードバックタイム)はTF
=20msecである。従って、1ライン(約400m
sec)の中では約20回のテーブル変更が各ブロック
毎に独立に可能であり、最大で20.0degの昇温に
対応して濃度変化の発生を低減することができる。
【0087】(実施例3)図18は本例に係る記録ヘッ
ドの基板上の回路を示す平面図である。また、図19
は、本例に係る記録ヘッドの分解斜視図である。
ドの基板上の回路を示す平面図である。また、図19
は、本例に係る記録ヘッドの分解斜視図である。
【0088】本装置を用いて普通紙上に4色(Bk,
C,M,Y)の各色5階調のフルカラー記録を行う方法
を説明する。すなわち、1画素当たりの各色インク滴数
を0ないし4の範囲(1画素,1色当たりのインク打ち
込み量:12ないし48(ng/dot)の範囲:但
し、最大インク打ち込み量は1画像当たり96(ng/
dot);2.0色相当(R/G/B印字時)に抑える
ように画素処理で対処するようにしている。)で変化さ
せて記録を行う。
C,M,Y)の各色5階調のフルカラー記録を行う方法
を説明する。すなわち、1画素当たりの各色インク滴数
を0ないし4の範囲(1画素,1色当たりのインク打ち
込み量:12ないし48(ng/dot)の範囲:但
し、最大インク打ち込み量は1画像当たり96(ng/
dot);2.0色相当(R/G/B印字時)に抑える
ように画素処理で対処するようにしている。)で変化さ
せて記録を行う。
【0089】この記録ヘッドは、図19に示すように、
Bk,C,M,Yの4色を1つの記録ヘッドで記録可能
なように構成したものであり、これらの記録ヘッドを4
個用いることにより1回の走査で濃淡+マルチパスと同
等の作用を行えるようにしたものである。すなわち、最
初の2つの記録ヘッドで各色の濃インクを吐出し、残り
の2つの記録ヘッドで淡インクを吐出するように構成す
る。
Bk,C,M,Yの4色を1つの記録ヘッドで記録可能
なように構成したものであり、これらの記録ヘッドを4
個用いることにより1回の走査で濃淡+マルチパスと同
等の作用を行えるようにしたものである。すなわち、最
初の2つの記録ヘッドで各色の濃インクを吐出し、残り
の2つの記録ヘッドで淡インクを吐出するように構成す
る。
【0090】1つの記録ヘッドにおける各色毎の吐出口
数は、Bk:64,C:24,M:24,Y:24であ
る。温度センサ20にはA1 センサを用いており、Bk
とCの吐出口列の間に1つ配置した。このA1 センサ2
0は記録ヘッドの平均温度をモニターするために利用
し、各色の吐出口近傍の温度は別に設けた各色のドット
カウントから計算で求めて独立に制御するようにしたも
のである。従って、1つのセンサで複数色を同時に制御
可能としたものである。
数は、Bk:64,C:24,M:24,Y:24であ
る。温度センサ20にはA1 センサを用いており、Bk
とCの吐出口列の間に1つ配置した。このA1 センサ2
0は記録ヘッドの平均温度をモニターするために利用
し、各色の吐出口近傍の温度は別に設けた各色のドット
カウントから計算で求めて独立に制御するようにしたも
のである。従って、1つのセンサで複数色を同時に制御
可能としたものである。
【0091】本実施例に用いた装置では、記録ヘッドの
最大駆動周波数はfr=8.0KHz(実際の駆動は
5.4KHz)であり、360dpiの解像度を有す
る。
最大駆動周波数はfr=8.0KHz(実際の駆動は
5.4KHz)であり、360dpiの解像度を有す
る。
【0092】まず、ブラック:64吐出口を8ブロック
に分散分割して第1ブロック(1,9,17,25,・
・・,57セグメント)から順次第2,・・,第8ブロ
ックまで駆動する。
に分散分割して第1ブロック(1,9,17,25,・
・・,57セグメント)から順次第2,・・,第8ブロ
ックまで駆動する。
【0093】各ブロックの駆動間隔は8.5(μse
c)に設定してある。このブロック間隔は上記分散分割
駆動をする上で1セグメントから8セグメントまで使用
して特に縦の罫線等を記録するときに直線性が得られる
ようにするために設定してあり、1セグメントから8セ
グメントまでの8×8.5(μsec)=68(μse
c)の吐出時間差に対してキャリッジスピード:381
(mm/sec)で移動する記録ヘッドから吐出される
ドットの位置ずれが生じないようにしている。望ましく
は、解像度の半分:約35(μm)以下に抑える必要が
ある(360dpi)の場合。このような記録ヘッドを
用いると往復記録を行っても打ち込みインクの色順序が
変わらないので好ましい。なお、濃淡の順序は色味には
関係しにくい。また、シアン,マゼンタ,イエローそれ
ぞれ24吐出口は3ブロックに分割して同様に駆動す
る。
c)に設定してある。このブロック間隔は上記分散分割
駆動をする上で1セグメントから8セグメントまで使用
して特に縦の罫線等を記録するときに直線性が得られる
ようにするために設定してあり、1セグメントから8セ
グメントまでの8×8.5(μsec)=68(μse
c)の吐出時間差に対してキャリッジスピード:381
(mm/sec)で移動する記録ヘッドから吐出される
ドットの位置ずれが生じないようにしている。望ましく
は、解像度の半分:約35(μm)以下に抑える必要が
ある(360dpi)の場合。このような記録ヘッドを
用いると往復記録を行っても打ち込みインクの色順序が
変わらないので好ましい。なお、濃淡の順序は色味には
関係しにくい。また、シアン,マゼンタ,イエローそれ
ぞれ24吐出口は3ブロックに分割して同様に駆動す
る。
【0094】また、本例のカラー画像記録方法を、図2
0に示す。
0に示す。
【0095】第1スキャンでは、Bk(N1/N2,T
1/T2:以下、Niは濃インクを表し、Tj(i,j
=1,2)は淡インクを表す)の24吐出口のみを用い
1行目(1パス)を記録する。ここでは、画像濃度信号
による濃淡インクの組み合わせで1色当たり5階調を記
録する。
1/T2:以下、Niは濃インクを表し、Tj(i,j
=1,2)は淡インクを表す)の24吐出口のみを用い
1行目(1パス)を記録する。ここでは、画像濃度信号
による濃淡インクの組み合わせで1色当たり5階調を記
録する。
【0096】以下、同様にして記録紙を24吐出口分ず
らし、第2スキャンでは、1パスはC(N1/N2,T
1/T2)を8吐出口のみ用いて記録する。2パスもB
k(N1/N2,T1/T2)の24吐出口で記録す
る。さらに、記録紙を24吐出口分ずらし、第3スキャ
ンでは、上記1パスはC(N1/N2,T1/T2)の
16吐出口により記録し、これとともに、3パスはBk
(N1/N2,T1/T2)の24吐出口、2パスはC
(N1/N2,T1/T2)の8吐出口で記録する。
らし、第2スキャンでは、1パスはC(N1/N2,T
1/T2)を8吐出口のみ用いて記録する。2パスもB
k(N1/N2,T1/T2)の24吐出口で記録す
る。さらに、記録紙を24吐出口分ずらし、第3スキャ
ンでは、上記1パスはC(N1/N2,T1/T2)の
16吐出口により記録し、これとともに、3パスはBk
(N1/N2,T1/T2)の24吐出口、2パスはC
(N1/N2,T1/T2)の8吐出口で記録する。
【0097】以下、同様に、第4スキャンでは、M(N
1/N2,T1/T2)の24吐出口で記録し、4パス
はBk(N1/N2,T1/T2)の24吐出口、3パ
スはC(N1/N2,T1/T2)の8吐出口、2パス
はC(N1/N2,T1/T2)の16吐出口で記録す
る。
1/N2,T1/T2)の24吐出口で記録し、4パス
はBk(N1/N2,T1/T2)の24吐出口、3パ
スはC(N1/N2,T1/T2)の8吐出口、2パス
はC(N1/N2,T1/T2)の16吐出口で記録す
る。
【0098】記録紙を24吐出口分ずらして、第5スキ
ャンでは、1パスをY(N1/N2,T1/T2)の1
6吐出口で記録するとともに、5パスはBk(N1/N
2,T1/T2)の24吐出口、4パスはC(N1/N
2,T1/T2)の8吐出口、3パスはC(N1/N
2,T1/T2)の16吐出口、2パスはM(N1/N
2,T1/T2)の24吐出口で記録する。
ャンでは、1パスをY(N1/N2,T1/T2)の1
6吐出口で記録するとともに、5パスはBk(N1/N
2,T1/T2)の24吐出口、4パスはC(N1/N
2,T1/T2)の8吐出口、3パスはC(N1/N
2,T1/T2)の16吐出口、2パスはM(N1/N
2,T1/T2)の24吐出口で記録する。
【0099】記録紙を24吐出口分ずらして、第6スキ
ャンでは、1パスをY(N1/N2,T1/T2)の8
吐出口で記録するとともに、6パスはBk(N1/N
2,T1/T2)の24吐出口、5パスはC(N1/N
2,T1/T2)の8吐出口、4パスはC(N1/N
2,T1/T2)の16吐出口、3パスはM(N1/N
2,T1/T2)の24吐出口、2パスはY(N1/N
2,T1/T2)の16吐出口で記録する。
ャンでは、1パスをY(N1/N2,T1/T2)の8
吐出口で記録するとともに、6パスはBk(N1/N
2,T1/T2)の24吐出口、5パスはC(N1/N
2,T1/T2)の8吐出口、4パスはC(N1/N
2,T1/T2)の16吐出口、3パスはM(N1/N
2,T1/T2)の24吐出口、2パスはY(N1/N
2,T1/T2)の16吐出口で記録する。
【0100】以上の方法で、第1記録ヘッドから順に不
図示のデータ振り分け回路によって各記録ヘッドにデー
タが均一に分散されるように振り分けられ、4記録ヘッ
ドを用いて4パス記録を行う。また、本実施例ではヘッ
ド駆動制御方法及び印字方法に特徴を持たせている。ヘ
ッド駆動には分散ブロック駆動・分割パルス(ダブルパ
ルス)駆動法を用いており、第1実施例と同様の制御を
行っている。
図示のデータ振り分け回路によって各記録ヘッドにデー
タが均一に分散されるように振り分けられ、4記録ヘッ
ドを用いて4パス記録を行う。また、本実施例ではヘッ
ド駆動制御方法及び印字方法に特徴を持たせている。ヘ
ッド駆動には分散ブロック駆動・分割パルス(ダブルパ
ルス)駆動法を用いており、第1実施例と同様の制御を
行っている。
【0101】本実施例の、パルス幅変調駆動制御法は、
P1 ,P2 ,P3 の順にパルスを与え、P1 は上記で述
べた、A1 の温度センサ20からの出力値、およびヘッ
ド温度TH (K・C・M・Y)に基づいて記録開始前に
パルス幅を決定し、記録を開始してからは、ドットカウ
ンタを介して得られたデータすなわち:記録ヘッド昇温
のデータ(ΔT(K・C・M・Y))に基づく駆動条件
に変更しながら駆動するPWM駆動方式を行う。P1 に
よる吐出量制御方法については実施例1と同様なのでこ
こでの説明は省く。
P1 ,P2 ,P3 の順にパルスを与え、P1 は上記で述
べた、A1 の温度センサ20からの出力値、およびヘッ
ド温度TH (K・C・M・Y)に基づいて記録開始前に
パルス幅を決定し、記録を開始してからは、ドットカウ
ンタを介して得られたデータすなわち:記録ヘッド昇温
のデータ(ΔT(K・C・M・Y))に基づく駆動条件
に変更しながら駆動するPWM駆動方式を行う。P1 に
よる吐出量制御方法については実施例1と同様なのでこ
こでの説明は省く。
【0102】ちなみにそれぞれの直線性を示す領域の係
数は、 吐出量のプレヒートパルス依存係数:KP =ΔVDP/Δ
P1 (ng/μs ・ dot) 吐出量のヘッド温度依存係数:KTH=ΔVDT/ΔTH (n
g/C ・ dot) のように定まる。
数は、 吐出量のプレヒートパルス依存係数:KP =ΔVDP/Δ
P1 (ng/μs ・ dot) 吐出量のヘッド温度依存係数:KTH=ΔVDT/ΔTH (n
g/C ・ dot) のように定まる。
【0103】図18に示す記録ヘッド構造のものでは、
上記係数は、
上記係数は、
【0104】
【数1】KPBk =8.25(ng/μsec・dot) KTHBk=0.7(ng/μsec・dot) KPCMY=4.12(ng/μsec・dot) KTHCMY =0.36(ng/μsec・dot) である。
【0105】また、上記のような駆動方法を用いて駆動
した記録ヘッドの吐出特性としては、ブラックの場合
は、ヘッド温度TH =25.0(℃)の環境でVOP=2
5.6(V)の時にP1 =1.25(μsec)、P2
=2.0(μsec)、P3 =2.50(μsec)の
パルスを与えると最適な駆動条件となり安定したインク
吐出状態が得られる。この時の吐出特性は、インク吐出
量VD =20.0(ng/dot),吐出速度V=1
4.0(m/sec)であった。
した記録ヘッドの吐出特性としては、ブラックの場合
は、ヘッド温度TH =25.0(℃)の環境でVOP=2
5.6(V)の時にP1 =1.25(μsec)、P2
=2.0(μsec)、P3 =2.50(μsec)の
パルスを与えると最適な駆動条件となり安定したインク
吐出状態が得られる。この時の吐出特性は、インク吐出
量VD =20.0(ng/dot),吐出速度V=1
4.0(m/sec)であった。
【0106】吐出特性として、カラーの場合は、各色と
もにヘッド温度TH =25.0(℃)の環境でVOP=2
5.6(V)の時にP1 =1.00(μsec)、P2
=2.0(μsec)、P3 =2.00(μsec)の
パルスを与えると最適な駆動条件となり安定したインク
吐出状態が得られる。この時の吐出特性は、インク吐出
量VD =10.0(ng/dot),吐出速度V=1
4.0(m/sec)である。
もにヘッド温度TH =25.0(℃)の環境でVOP=2
5.6(V)の時にP1 =1.00(μsec)、P2
=2.0(μsec)、P3 =2.00(μsec)の
パルスを与えると最適な駆動条件となり安定したインク
吐出状態が得られる。この時の吐出特性は、インク吐出
量VD =10.0(ng/dot),吐出速度V=1
4.0(m/sec)である。
【0107】次に、本実施例における1つのセンサで複
数色を同時に独立駆動する方法について説明する。
数色を同時に独立駆動する方法について説明する。
【0108】図21に示すインクジェットプリンタは、
不図示のホストコンピュータから送られる文字,画像等
の記録信号を各色毎に1ライン分のドット数:約300
0画素×各色吐出口数分を独立にカウントするカウンタ
ーを備えている。また、ある単位時間当たりのドット数
をカウントする機能も同時に備えている。このカウンタ
が計数する値に基づきそれぞれの色の吐出口の単位時間
あたりの昇温を、予め計算,実験により決定しておいた
テーブル:TDOT (K,C,M,Y)(本実施例では各
色の昇温が他の色に影響を及ぼさないものとして計算を
行ったが、実験によるデータからも他の色からの影響を
無視できることがわかっている。;このテーブル作成に
おいて、4色の昇温がお互いに影響し複雑になること
と、実験の結果から他の影響が少ないことから独立とし
たが、計算上は他の影響を考慮して作成しても良い)を
参照しながら以下に示すシーケンスに従って各色を独立
に吐出量制御する。
不図示のホストコンピュータから送られる文字,画像等
の記録信号を各色毎に1ライン分のドット数:約300
0画素×各色吐出口数分を独立にカウントするカウンタ
ーを備えている。また、ある単位時間当たりのドット数
をカウントする機能も同時に備えている。このカウンタ
が計数する値に基づきそれぞれの色の吐出口の単位時間
あたりの昇温を、予め計算,実験により決定しておいた
テーブル:TDOT (K,C,M,Y)(本実施例では各
色の昇温が他の色に影響を及ぼさないものとして計算を
行ったが、実験によるデータからも他の色からの影響を
無視できることがわかっている。;このテーブル作成に
おいて、4色の昇温がお互いに影響し複雑になること
と、実験の結果から他の影響が少ないことから独立とし
たが、計算上は他の影響を考慮して作成しても良い)を
参照しながら以下に示すシーケンスに従って各色を独立
に吐出量制御する。
【0109】ここで、1つの温度センサで4色を同時に
制御する方法について詳しく述べる。
制御する方法について詳しく述べる。
【0110】図18に示すように、記録ヘッドにはA1
の温度センサ20が中央部に1つ設置されている。
の温度センサ20が中央部に1つ設置されている。
【0111】最初に、センサ20を用い、5msec毎
に温度を検知し、この検知の10回分の平均をヘッド温
度として設定する。次に、この温度を基に各色の吐出口
温度を初期設定する。さらに、各色吐出口毎の吐出信号
を50msec間カウントし、これをNKi,NCi,
NMi,NYiとする。
に温度を検知し、この検知の10回分の平均をヘッド温
度として設定する。次に、この温度を基に各色の吐出口
温度を初期設定する。さらに、各色吐出口毎の吐出信号
を50msec間カウントし、これをNKi,NCi,
NMi,NYiとする。
【0112】なお、ここで用いる時間間隔は、この時間
間隔にどのようなパターンで印字されてもヘッドの温度
上昇がほぼ一定になるように設定することが望ましい。
間隔にどのようなパターンで印字されてもヘッドの温度
上昇がほぼ一定になるように設定することが望ましい。
【0113】次に、各色について50msec間の総ド
ット数(NK0,NC0,NM0,NY0)に対する比率:αji
(吐出デューティー)を求める。
ット数(NK0,NC0,NM0,NY0)に対する比率:αji
(吐出デューティー)を求める。
【0114】
【数2】αKi=NKi/NKo αCi=NCi/NCo αMi=NMi/NMo αYi=NYi/NYo さらには、上記の比率:αjiから予め実験・計算で求め
ておいた印字比率:αjiと温度上昇:ΔTjiとの関係を
各色の吐出口温度に変換する。
ておいた印字比率:αjiと温度上昇:ΔTjiとの関係を
各色の吐出口温度に変換する。
【0115】
【数3】TKi=TB0+ΔTKi TCi=TB0+ΔTCi TMi=TB0+ΔTMi TYi=TB0+ΔTYi 次に、各色の上記温度に対応した駆動パラメータ、すな
わちパルス幅P1 (Tji)をPWMテーブルにより割り
当てる。
わちパルス幅P1 (Tji)をPWMテーブルにより割り
当てる。
【0116】以下、50msec毎に上記シーケンスを
繰り返して各色の吐出信号に応じた駆動パラメータを設
定する。
繰り返して各色の吐出信号に応じた駆動パラメータを設
定する。
【0117】以上のような複雑な記録方式においても、
上記の制御方法を用いると、様々なパターンを記録する
場合でも各行の吐出デューティーに応じて各色の駆動条
件を変化させ吐出量を一定に保つことができ、左右濃度
差、ページ内濃度ムラや濃度変化の発生がなく階調再現
性・色再現性に優れた印字が可能となる。
上記の制御方法を用いると、様々なパターンを記録する
場合でも各行の吐出デューティーに応じて各色の駆動条
件を変化させ吐出量を一定に保つことができ、左右濃度
差、ページ内濃度ムラや濃度変化の発生がなく階調再現
性・色再現性に優れた印字が可能となる。
【0118】本実施例では、上記制御方法を採用して、
環境条件として低温低湿環境(15℃/10%)から、
高温高湿環境(35℃/90%)までの環境の下で記録
試験を行った結果 Bk駆動条件: P1 :PWM(TH =25℃の時にP1 =1.25(μ
sec)) P2 :2.00(μsec) P3 :2.50(μsec)(ただし、ヘッドの個体差
で変更する) の条件で 吐出量:VdBk =20.0±1.0(ng/dot)
(ページ間・内) 反射濃度変動:ODBK=1.35±0.05(ページ間
・内) となった。ただし、4スキャン印字後(4滴印字)のデ
ータである。
環境条件として低温低湿環境(15℃/10%)から、
高温高湿環境(35℃/90%)までの環境の下で記録
試験を行った結果 Bk駆動条件: P1 :PWM(TH =25℃の時にP1 =1.25(μ
sec)) P2 :2.00(μsec) P3 :2.50(μsec)(ただし、ヘッドの個体差
で変更する) の条件で 吐出量:VdBk =20.0±1.0(ng/dot)
(ページ間・内) 反射濃度変動:ODBK=1.35±0.05(ページ間
・内) となった。ただし、4スキャン印字後(4滴印字)のデ
ータである。
【0119】C,M,Y駆動条件: P1 :PWM(TH =25℃の時にP1 =1.00(μ
sec)) ※ ヘッドの温度センサによるフィードバック制御方式 P2 :2.00(μsec) P3 :2.00(μsec)(ただし、ヘッドの個体差
で変更する) の条件で 吐出量:VdCMY=10.0±0.75(ng/dot) 反射濃度変動:ODC =1.20±0.05(ページ間
・内) 反射濃度変動:ODM =1.20±0.05(ページ間
・内) 反射濃度変動:ODY =1.15±0.05(ページ間
・内) となった。ただし、4スキャン印字後(4滴印字)のデ
ータである。
sec)) ※ ヘッドの温度センサによるフィードバック制御方式 P2 :2.00(μsec) P3 :2.00(μsec)(ただし、ヘッドの個体差
で変更する) の条件で 吐出量:VdCMY=10.0±0.75(ng/dot) 反射濃度変動:ODC =1.20±0.05(ページ間
・内) 反射濃度変動:ODM =1.20±0.05(ページ間
・内) 反射濃度変動:ODY =1.15±0.05(ページ間
・内) となった。ただし、4スキャン印字後(4滴印字)のデ
ータである。
【0120】このように、非常に安定した濃度安定性と
階調再現性とムラの無い画像特性を示した。また、往復
記録を行っても色味の変化やシリアル記録によるつなぎ
筋などの無い良好な画像特性を示した。
階調再現性とムラの無い画像特性を示した。また、往復
記録を行っても色味の変化やシリアル記録によるつなぎ
筋などの無い良好な画像特性を示した。
【0121】なお、上記各実施例では、吐出量制御法に
P1 のPWM制御を行ったが、P2をPWM制御しても
同様の効果がえられるのでP1 ,P2 のどちらを用いて
制御してもよい。また、P3 も環境温度やその他の条件
で変調しても良い。さらに、吐出量の変化幅をさらに増
やすためには温度制御などを同時に行っても良い。
P1 のPWM制御を行ったが、P2をPWM制御しても
同様の効果がえられるのでP1 ,P2 のどちらを用いて
制御してもよい。また、P3 も環境温度やその他の条件
で変調しても良い。さらに、吐出量の変化幅をさらに増
やすためには温度制御などを同時に行っても良い。
【0122】また、上記実施例では、濃インクと淡イン
クとの2種類のインクを用いて階調を表したが、インク
の染料濃度をさらに細かく分けて階調数を増やしてもよ
い。濃淡インクとインク滴数の組合せは、最大インク打
込み量の範囲内では階調再現性との関係で定めることが
できる。また、疑似階調との組合せで、更に階調数を増
すこともでき、さらに、濃淡振分けテーブルは非線型で
あってもよい。
クとの2種類のインクを用いて階調を表したが、インク
の染料濃度をさらに細かく分けて階調数を増やしてもよ
い。濃淡インクとインク滴数の組合せは、最大インク打
込み量の範囲内では階調再現性との関係で定めることが
できる。また、疑似階調との組合せで、更に階調数を増
すこともでき、さらに、濃淡振分けテーブルは非線型で
あってもよい。
【0123】さらに、上記実施例では、濃および淡イン
クのインク滴数を振り分けテーブルを用いて設定した
が、ホストコンピュータやその他の制御装置によって設
定してもよく、階調性を再現できるものであればいずれ
の公知の方法を用いることもできる。
クのインク滴数を振り分けテーブルを用いて設定した
が、ホストコンピュータやその他の制御装置によって設
定してもよく、階調性を再現できるものであればいずれ
の公知の方法を用いることもできる。
【0124】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0125】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0126】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0127】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0128】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0129】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0130】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0131】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0132】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0133】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数の吐出口からそれぞれ吐出される複数のインク滴が
略同一箇所に着弾して画素が形成される。そして、これ
ら画素を形成するインク滴の中には互いに濃度の異なる
インクが含まれるため、着弾インク滴の数と濃,淡の組
合せによって画素の階調範囲を大きくすることができ
る。
複数の吐出口からそれぞれ吐出される複数のインク滴が
略同一箇所に着弾して画素が形成される。そして、これ
ら画素を形成するインク滴の中には互いに濃度の異なる
インクが含まれるため、着弾インク滴の数と濃,淡の組
合せによって画素の階調範囲を大きくすることができ
る。
【0134】この結果、低コストおよび高信頼性を保ち
ながら高階調な記録が可能となり、記録ヘッドの信頼性
を低下させずに階調数を増やすことができ、また、階調
数の増加によって濃淡インクの切り換え時に発生した疑
似階調を低減でき、濃度ムラやスジのない高画質を達成
できる。
ながら高階調な記録が可能となり、記録ヘッドの信頼性
を低下させずに階調数を増やすことができ、また、階調
数の増加によって濃淡インクの切り換え時に発生した疑
似階調を低減でき、濃度ムラやスジのない高画質を達成
できる。
【図1】本発明の実施例1に係るインクジェット記録装
置の斜視図である。
置の斜視図である。
【図2】上記実施例1の記録動作を説明するための説明
図である。
図である。
【図3】実施例1の画素形成過程を示す説明図である。
【図4】実施例1で用いる記録ヘッド駆動パルスを示す
模式的波形図である。
模式的波形図である。
【図5】(A)および(B)は実施例1で用いられる記
録ヘッドの構造を示す縦断面図および正面図である。
録ヘッドの構造を示す縦断面図および正面図である。
【図6】図4に示すプレパルス幅P1 と吐出量Vd との
関係を示す線図である。
関係を示す線図である。
【図7】環境温度と吐出量との関係を示す線図である。
【図8】上記実施例1に適用した吐出量制御を示す説明
図である。
図である。
【図9】上記吐出量制御で用いられるテーブルの模式図
である。
である。
【図10】上記実施例1の吐出量制御シーケンスを示す
フローチャートである。
フローチャートである。
【図11】上記実施例1で用いる記録ヘッドの基板上の
構成を示す平面図である。
構成を示す平面図である。
【図12】本発明の実施例2に係るカラーインクジェッ
ト記録装置を示す斜視図である。
ト記録装置を示す斜視図である。
【図13】実施例2における画素形成過程を示す説明図
である。
である。
【図14】実施例2における画素形成過程を示す説明図
である。
である。
【図15】実施例2で用いる濃淡振り分けテーブルを示
す模式図である。
す模式図である。
【図16】(A)〜(C)は、実施例2における濃淡各
インク滴の階調表現における組合せを説明する説明図で
ある。
インク滴の階調表現における組合せを説明する説明図で
ある。
【図17】(A),(B)および(C)は実施例2に係
る記録ヘッドの構造を示す断面図である。
る記録ヘッドの構造を示す断面図である。
【図18】本発明の実施例3に係る記録ヘッドの基板上
の構成を示す平面図である。
の構成を示す平面図である。
【図19】上記実施例3に係る記録ヘッドの分解斜視図
である。
である。
【図20】上記実施例3における記録動作を説明するた
めの説明図である。
めの説明図である。
【図21】実施例3に係るインクジェット記録装置を示
す斜視図である。
す斜視図である。
1 記録ヘッド 2,P 被記録媒体 3 プラテンローラ 4,32,502 キャリッジ 20A,20B サブヒータ 30,30A,30B 温度センサ
Claims (2)
- 【請求項1】 複数の吐出口を有し該複数の吐出口から
同色系で濃度の異なるインクを吐出するための記録ヘッ
ドを用い、被記録媒体にインクを吐出して形成される画
素を組合せて記録を行うインクジェット記録装置におい
て、 前記記録ヘッドを被記録媒体に相対的に移動させる移動
手段と、 該移動手段による前記記録ヘッドの移動を制御するとと
もに、当該記録ヘッドの複数の吐出口からの吐出を制御
し、それぞれ吐出された相互に濃度の異なるインク滴を
含む複数のインク滴を被記録媒体の略同一箇所に重ねて
画素を形成することが可能な記録制御手段と、 を具えたことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 【請求項2】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用
してインクに気泡を生じさせ、該気泡の生成に基づいて
インクを吐出することを特徴とする請求項1記載のイン
クジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19366993A JPH0747698A (ja) | 1993-08-04 | 1993-08-04 | インクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19366993A JPH0747698A (ja) | 1993-08-04 | 1993-08-04 | インクジェット記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0747698A true JPH0747698A (ja) | 1995-02-21 |
Family
ID=16311815
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19366993A Pending JPH0747698A (ja) | 1993-08-04 | 1993-08-04 | インクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0747698A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6834926B2 (en) | 2000-07-14 | 2004-12-28 | Canon Kabushiki Kaisha | Ink-jet printing apparatus and method, and computer readable memory |
JP2018058347A (ja) * | 2016-10-03 | 2018-04-12 | 株式会社リコー | 記録物、及びその使用方法、並びに記録物の製造方法 |
-
1993
- 1993-08-04 JP JP19366993A patent/JPH0747698A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6834926B2 (en) | 2000-07-14 | 2004-12-28 | Canon Kabushiki Kaisha | Ink-jet printing apparatus and method, and computer readable memory |
JP2018058347A (ja) * | 2016-10-03 | 2018-04-12 | 株式会社リコー | 記録物、及びその使用方法、並びに記録物の製造方法 |
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