JPH0747477A - Al部材と鋼部材との接合方法 - Google Patents
Al部材と鋼部材との接合方法Info
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- JPH0747477A JPH0747477A JP5196463A JP19646393A JPH0747477A JP H0747477 A JPH0747477 A JP H0747477A JP 5196463 A JP5196463 A JP 5196463A JP 19646393 A JP19646393 A JP 19646393A JP H0747477 A JPH0747477 A JP H0747477A
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Landscapes
- Resistance Welding (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 Al部材と鋼部材との接合において、接合継
手の強度を高いものとすることが可能である接合方法を
提供する。 【構成】 Al部材11と鋼部材12とを接合するに際
し、Al 13aと鋼13fのクラッド材13を用い、
クラッド材13のAl 13a側表面にAlとSiの合
金ないし混合物14を配し、Al部材11と鋼部材12
との間にAl同士および鋼同士が接触する向きにクラッ
ド材13を介在させて抵抗スポット溶接を行う。
手の強度を高いものとすることが可能である接合方法を
提供する。 【構成】 Al部材11と鋼部材12とを接合するに際
し、Al 13aと鋼13fのクラッド材13を用い、
クラッド材13のAl 13a側表面にAlとSiの合
金ないし混合物14を配し、Al部材11と鋼部材12
との間にAl同士および鋼同士が接触する向きにクラッ
ド材13を介在させて抵抗スポット溶接を行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウムやアルミ
ニウム合金などよりなるAl部材と、炭素鋼や低合金鋼
などよりなる鋼部材とを強固に接合するのに利用される
Al部材と鋼部材との接合方法に関するものである。
ニウム合金などよりなるAl部材と、炭素鋼や低合金鋼
などよりなる鋼部材とを強固に接合するのに利用される
Al部材と鋼部材との接合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車に対する社会的ニーズの中でも、
近年、地球温暖化に対する主な原因であるCO2低減の
ため、また、安全設備の追加による車両重量の増大、さ
らには、もちろんエネルギ事情の面からも、燃費の向上
が強く望まれている。
近年、地球温暖化に対する主な原因であるCO2低減の
ため、また、安全設備の追加による車両重量の増大、さ
らには、もちろんエネルギ事情の面からも、燃費の向上
が強く望まれている。
【0003】自動車の燃費向上には、エンジンの改善、
摩擦損失の低減以外に、車両重量の軽減が最も効果的で
あるとされている。
摩擦損失の低減以外に、車両重量の軽減が最も効果的で
あるとされている。
【0004】車両重量の軽減は、各部材の肉厚配分の見
直しや複数部材の一体化等によってもある程度可能であ
るが、材料置換、すなわち、従来の鋼部材をアルミニウ
ム,チタン,マグネシウム,プラスチックスなどといっ
た軽量材料に置き換えることが有効である。
直しや複数部材の一体化等によってもある程度可能であ
るが、材料置換、すなわち、従来の鋼部材をアルミニウ
ム,チタン,マグネシウム,プラスチックスなどといっ
た軽量材料に置き換えることが有効である。
【0005】なかでも、諸性質とコストとのバランス,
リサイクル性の面から言って、アルミニウム系材料が最
も使いやすく、すでに一部の乗用車には採用されてい
る。
リサイクル性の面から言って、アルミニウム系材料が最
も使いやすく、すでに一部の乗用車には採用されてい
る。
【0006】今後共、アルミニウム系材料は、自動車車
体により多く使われることになると予想されるが、全面
的にアルミニウム車体となるよりもAl部材と鋼部材と
を組み合わせたハイブリッド車体となるものが多くなる
と見込まれる。
体により多く使われることになると予想されるが、全面
的にアルミニウム車体となるよりもAl部材と鋼部材と
を組み合わせたハイブリッド車体となるものが多くなる
と見込まれる。
【0007】そして、その場合には、Al部材と鋼部材
との接合が不可欠なものとなる。また、全面的にアルミ
ニウム車体となった場合でも補強部材や金具類は鋼製で
あることが多いため、やはり、Al部材と鋼部材との接
合を行う必要がある。
との接合が不可欠なものとなる。また、全面的にアルミ
ニウム車体となった場合でも補強部材や金具類は鋼製で
あることが多いため、やはり、Al部材と鋼部材との接
合を行う必要がある。
【0008】このように、車体重量軽減のため、アルミ
ニウム系材料を使用すると、必らず、Al部材と鋼部材
との接合が必要となる。
ニウム系材料を使用すると、必らず、Al部材と鋼部材
との接合が必要となる。
【0009】一般に、Al部材と鋼部材とを直接的に溶
融接合すると、接合部分において脆弱なAl−Fe化合
物が形成されるので、満足な継手を得ることが困難であ
ることから、様々な工夫を加えることが必要である。
融接合すると、接合部分において脆弱なAl−Fe化合
物が形成されるので、満足な継手を得ることが困難であ
ることから、様々な工夫を加えることが必要である。
【0010】この場合に良く使用される手法は、ボルト
締め,リベット,かしめ等の機械的な締結であったり、
接着剤による接合であったりするが、これらは溶融接合
ではない。
締め,リベット,かしめ等の機械的な締結であったり、
接着剤による接合であったりするが、これらは溶融接合
ではない。
【0011】そして、溶融接合を行うために、鋼部材の
接合部表面に何んらかの処理を施したり(例えば、特開
昭58−93583号公報,「材料とプロセス」 Vo
l.4 No.2 1991 日本鉄鋼協会)、船舶や
鉄道車両のように厚肉のAl部材と鋼部材とを接合する
場合には、Alと鋼の爆発圧接により製造したクラッド
材(合わせ板材)をインサート材として用いてAl部材
と鋼部材との間にAl同士および鋼同士が接触する向き
にインサート材を介在させてアーク溶接やスポット溶接
などによって溶融接合したり(例えば、「軽金属溶接」
Vol.27No.10,1989,「軽金属溶接」V
ol.18 No.3,1980)している。
接合部表面に何んらかの処理を施したり(例えば、特開
昭58−93583号公報,「材料とプロセス」 Vo
l.4 No.2 1991 日本鉄鋼協会)、船舶や
鉄道車両のように厚肉のAl部材と鋼部材とを接合する
場合には、Alと鋼の爆発圧接により製造したクラッド
材(合わせ板材)をインサート材として用いてAl部材
と鋼部材との間にAl同士および鋼同士が接触する向き
にインサート材を介在させてアーク溶接やスポット溶接
などによって溶融接合したり(例えば、「軽金属溶接」
Vol.27No.10,1989,「軽金属溶接」V
ol.18 No.3,1980)している。
【0012】一方、自動車車体のような薄肉のAl部材
と鋼部材との接合に際しては、生産性や溶接歪などの面
から、抵抗スポット溶接による接合手法を採用すること
が望ましく、このような接合手法においても使用できる
圧延による薄肉のAlと鋼のクラッド材が開発されつつ
ある。
と鋼部材との接合に際しては、生産性や溶接歪などの面
から、抵抗スポット溶接による接合手法を採用すること
が望ましく、このような接合手法においても使用できる
圧延による薄肉のAlと鋼のクラッド材が開発されつつ
ある。
【0013】そして、このような薄肉のAlと鋼とのク
ラッド材を用い、Al部材と鋼部材との間にAl同士お
よび鋼同士が接触する向きにクラッド材を介在させて抵
抗スポット溶接することによりAl側ナゲットと鋼側ナ
ゲットからなる2個のナゲットを形成した状態で接合す
ることができ、これによって、Al同士の場合とほぼ同
じ程度の接合強度を得ることができる(例えば、「溶接
学会全国大会講演概要集」Vol.51(1992)3
02頁,「溶接技術」Vol.41 No.3(199
3)83〜87頁)。
ラッド材を用い、Al部材と鋼部材との間にAl同士お
よび鋼同士が接触する向きにクラッド材を介在させて抵
抗スポット溶接することによりAl側ナゲットと鋼側ナ
ゲットからなる2個のナゲットを形成した状態で接合す
ることができ、これによって、Al同士の場合とほぼ同
じ程度の接合強度を得ることができる(例えば、「溶接
学会全国大会講演概要集」Vol.51(1992)3
02頁,「溶接技術」Vol.41 No.3(199
3)83〜87頁)。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Al部
材と鋼部材との間にAl同士および鋼同士が接触する向
きにAlと鋼とのクラッド材を介在させて抵抗スポット
溶接する方法では、図2に示すように、Al部材21と
鋼部材22との間に、Al23aと鋼23fとのクラッ
ド材23が介在していてAl同士および鋼同士が接触し
た状態で抵抗溶接されることとなり、Al側ナゲット2
5と鋼側ナゲット26を介して接合されることとなる
が、Al部材21とクラッド材23のAl23aとの界
面で形成される溶融Al側ナゲット25がクラッド材2
3のAl23aと鋼23fとの界面に接するように偏っ
て形成されてしまい(これは、Feの熱伝導率がAlの
熱伝導率よりも小さいためである。)、クラッド材23
のAl23aと鋼23fとの界面にまで溶融Al側ナゲ
ット25が達することによりAlとFeとの脆弱な化合
物(Al−Fe化合物24)が形成されてしまうので、
この部分での接合強度が不安定なものになってしまうと
いう問題点があり、したがって、Alと鋼のクラッド材
をAl部材と鋼部材との間にAl同士,鋼同士が接触す
る向きにインサートして抵抗溶接して接合する場合に形
成されるAl同士の界面でのAl側ナゲットがクラッド
材のAlと鋼の界面にまで偏らせないようにすることが
課題であった。
材と鋼部材との間にAl同士および鋼同士が接触する向
きにAlと鋼とのクラッド材を介在させて抵抗スポット
溶接する方法では、図2に示すように、Al部材21と
鋼部材22との間に、Al23aと鋼23fとのクラッ
ド材23が介在していてAl同士および鋼同士が接触し
た状態で抵抗溶接されることとなり、Al側ナゲット2
5と鋼側ナゲット26を介して接合されることとなる
が、Al部材21とクラッド材23のAl23aとの界
面で形成される溶融Al側ナゲット25がクラッド材2
3のAl23aと鋼23fとの界面に接するように偏っ
て形成されてしまい(これは、Feの熱伝導率がAlの
熱伝導率よりも小さいためである。)、クラッド材23
のAl23aと鋼23fとの界面にまで溶融Al側ナゲ
ット25が達することによりAlとFeとの脆弱な化合
物(Al−Fe化合物24)が形成されてしまうので、
この部分での接合強度が不安定なものになってしまうと
いう問題点があり、したがって、Alと鋼のクラッド材
をAl部材と鋼部材との間にAl同士,鋼同士が接触す
る向きにインサートして抵抗溶接して接合する場合に形
成されるAl同士の界面でのAl側ナゲットがクラッド
材のAlと鋼の界面にまで偏らせないようにすることが
課題であった。
【0015】
【発明の目的】本発明は、上述した従来の課題にかんが
みてなされたものであって、Alと鋼のクラッド材をA
l部材とFe部材との間にAl同士,鋼同士が接触する
向きにして介在させて抵抗溶接する場合において、接合
部で形成されるナゲットのうちとくにAl同士の界面で
形成されるAl側ナゲットがクラッド材のAlと鋼の界
面に偏らせないようにし、したがって、Al同士の界面
で形成されるAl側ナゲットがクラッド材の鋼にまで到
達しないようにしてAlとFeとの脆弱な化合物(Al
−Fe化合物)が形成されないようにして、接合強度を
向上させることができるようにしたAl部材と鋼部材と
の接合方法を提供することを目的としている。
みてなされたものであって、Alと鋼のクラッド材をA
l部材とFe部材との間にAl同士,鋼同士が接触する
向きにして介在させて抵抗溶接する場合において、接合
部で形成されるナゲットのうちとくにAl同士の界面で
形成されるAl側ナゲットがクラッド材のAlと鋼の界
面に偏らせないようにし、したがって、Al同士の界面
で形成されるAl側ナゲットがクラッド材の鋼にまで到
達しないようにしてAlとFeとの脆弱な化合物(Al
−Fe化合物)が形成されないようにして、接合強度を
向上させることができるようにしたAl部材と鋼部材と
の接合方法を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、Al部材と鋼
部材とを接合するに際し、Alと鋼のクラッド材を用
い、前記クラッド材のAl側表面にAlとSiの合金な
いし混合物を配し、前記Al部材と鋼部材との間にAl
同士および鋼同士が接触する向きにクラッド材を介在さ
せて抵抗溶接する構成としたことを特徴としており、実
施態様において、AlとSiの合金ないし混合物は、S
i含有量ないし配合量が10〜25重量%であるものと
することが可能であり、また、同じく実施態様におい
て、抵抗溶接に用いる電極のうち、Al部材側の電極の
冷却能を鋼部材側の電極の冷却能よりも小さくするよう
になすことが可能である。
部材とを接合するに際し、Alと鋼のクラッド材を用
い、前記クラッド材のAl側表面にAlとSiの合金な
いし混合物を配し、前記Al部材と鋼部材との間にAl
同士および鋼同士が接触する向きにクラッド材を介在さ
せて抵抗溶接する構成としたことを特徴としており、実
施態様において、AlとSiの合金ないし混合物は、S
i含有量ないし配合量が10〜25重量%であるものと
することが可能であり、また、同じく実施態様におい
て、抵抗溶接に用いる電極のうち、Al部材側の電極の
冷却能を鋼部材側の電極の冷却能よりも小さくするよう
になすことが可能である。
【0017】本発明に係わるAl部材と鋼部材との接合
方法において、Alと鋼のクラッド材を用いるにあた
り、クラッド材のAl側表面にAlとSiの合金ないし
混合物を配し、Al部材と鋼部材との間にAl同士およ
び鋼同士が接触する向きにクラッド材を介在させて抵抗
溶接を行うと、合金であってもまた混合物であってもA
lにSiが含まれていると、抵抗溶接においてナゲット
の形成に対し支配的な因子である電気抵抗値が大きくな
り、発熱・溶融が助長される。例えば、実用合金として
良く知られているA5182合金では、導電率IACS
が30%であるのに対して、Siを約17重量%含有す
るA390合金では、導電率IACSが25〜27%に
低下する。
方法において、Alと鋼のクラッド材を用いるにあた
り、クラッド材のAl側表面にAlとSiの合金ないし
混合物を配し、Al部材と鋼部材との間にAl同士およ
び鋼同士が接触する向きにクラッド材を介在させて抵抗
溶接を行うと、合金であってもまた混合物であってもA
lにSiが含まれていると、抵抗溶接においてナゲット
の形成に対し支配的な因子である電気抵抗値が大きくな
り、発熱・溶融が助長される。例えば、実用合金として
良く知られているA5182合金では、導電率IACS
が30%であるのに対して、Siを約17重量%含有す
るA390合金では、導電率IACSが25〜27%に
低下する。
【0018】また、合金である場合に、Al−Si合金
は共晶型の合金であり、溶融開始温度は低く、MgやN
i,Cu等の合金元素を微量含むことによって溶融開始
温度はさらに低下して溶融しやすくなる。例えば、A5
182合金では、溶融開始温度が約580℃であるのに
対し、Siを約17重量%含有するA390合金では、
溶融開始温度が約510℃である。
は共晶型の合金であり、溶融開始温度は低く、MgやN
i,Cu等の合金元素を微量含むことによって溶融開始
温度はさらに低下して溶融しやすくなる。例えば、A5
182合金では、溶融開始温度が約580℃であるのに
対し、Siを約17重量%含有するA390合金では、
溶融開始温度が約510℃である。
【0019】すなわち、Al−Si合金ないし混合物
が、Al部材とクラッド材のAlとの間に介在すること
により、スポット溶接の通電時における発熱が、上記A
l−Si合金ないし混合物が介在しない場合に比べて大
きくなり、この位置でAl側ナゲットがクラッド材のA
lと鋼との界面へ成長していくよりも短時間で偏平に成
長する。したがって、Al同士の界面で形成されるAl
側ナゲットが偏平に成長する時間で且つAl側ナゲット
がクラッド材のAlと鋼との界面へ達しない時間で通電
をとめればよく、これによって、クラッド材のAlと鋼
との界面で脆弱な化合物(Al−Fe化合物)が形成さ
れるのが防止できることによって、安定した接合強度を
もつ継手を得ることが可能となる。
が、Al部材とクラッド材のAlとの間に介在すること
により、スポット溶接の通電時における発熱が、上記A
l−Si合金ないし混合物が介在しない場合に比べて大
きくなり、この位置でAl側ナゲットがクラッド材のA
lと鋼との界面へ成長していくよりも短時間で偏平に成
長する。したがって、Al同士の界面で形成されるAl
側ナゲットが偏平に成長する時間で且つAl側ナゲット
がクラッド材のAlと鋼との界面へ達しない時間で通電
をとめればよく、これによって、クラッド材のAlと鋼
との界面で脆弱な化合物(Al−Fe化合物)が形成さ
れるのが防止できることによって、安定した接合強度を
もつ継手を得ることが可能となる。
【0020】AlとSiの合金ないし混合物において、
Siの含有量ないし配合量が少なすぎると、電気抵抗の
上昇が小さいため溶融助長の作用が十分に得られないこ
ととなるため、10重量%以上とすることが望ましい。
Siの含有量ないし配合量が少なすぎると、電気抵抗の
上昇が小さいため溶融助長の作用が十分に得られないこ
ととなるため、10重量%以上とすることが望ましい。
【0021】また、Siの含有量ないし配合量が多すぎ
ると、電気抵抗が大きくなりすぎて電流の流れが不安定
になり、局所的に電流が集中して流れることによって、
飛散を生じたり、著しい場合には通電されないためナゲ
ットが形成されないときもある。また、AlとSiの混
合物である場合、Si単体の融点はAlに比べてかなり
高く、合金の場合でもSi含有量の増加と共に溶融終了
温度が上昇し、ナゲットの形成が不安定なものとなる。
したがって、Siの含有量ないし配合量は25重量%以
下とすることが望ましい。
ると、電気抵抗が大きくなりすぎて電流の流れが不安定
になり、局所的に電流が集中して流れることによって、
飛散を生じたり、著しい場合には通電されないためナゲ
ットが形成されないときもある。また、AlとSiの混
合物である場合、Si単体の融点はAlに比べてかなり
高く、合金の場合でもSi含有量の増加と共に溶融終了
温度が上昇し、ナゲットの形成が不安定なものとなる。
したがって、Siの含有量ないし配合量は25重量%以
下とすることが望ましい。
【0022】AlとSiの合金ないし混合物をクラッド
材のAl側に配する方法としては、粉体やワイヤを使っ
て溶射したり、粉体をバインダと共に塗布したり、箔や
薄板を接着したりする手段を採用することが可能であ
る。ただし、バインダや接着剤等が多く残存すると溶接
欠陥の原因となるので、事前に乾燥させることが必要で
ある。また、Alと鋼のクラッド材のAl側に、Al−
Si合金の薄板をさらに重ねてあらかじめ3層よりなる
クラッド材として形成しておくと、そのままAl部材と
鋼部材との間にインサートすれば良いので、より効率が
高いものとなる。一方、Al−Si合金ないし混合物の
厚さについては格別な制限はないが、あまり薄いと抵抗
が不足することとなるため、0.1mm程度以上とする
ことが望ましい。しかし、厚すぎると不経済になるだけ
でなく、飛散等の原因となる。
材のAl側に配する方法としては、粉体やワイヤを使っ
て溶射したり、粉体をバインダと共に塗布したり、箔や
薄板を接着したりする手段を採用することが可能であ
る。ただし、バインダや接着剤等が多く残存すると溶接
欠陥の原因となるので、事前に乾燥させることが必要で
ある。また、Alと鋼のクラッド材のAl側に、Al−
Si合金の薄板をさらに重ねてあらかじめ3層よりなる
クラッド材として形成しておくと、そのままAl部材と
鋼部材との間にインサートすれば良いので、より効率が
高いものとなる。一方、Al−Si合金ないし混合物の
厚さについては格別な制限はないが、あまり薄いと抵抗
が不足することとなるため、0.1mm程度以上とする
ことが望ましい。しかし、厚すぎると不経済になるだけ
でなく、飛散等の原因となる。
【0023】さらに、クラッド材のAl側とAl部材と
の間に形成されるAl側ナゲットの偏りを是正する手段
として、抵抗溶接に用いる電極の冷却能のバランスを考
慮することも有効である。
の間に形成されるAl側ナゲットの偏りを是正する手段
として、抵抗溶接に用いる電極の冷却能のバランスを考
慮することも有効である。
【0024】すなわち、ナゲットの生成時に生じる熱の
流れは、一部は被溶接材のナゲット周辺方向へ生じる
が、大部分は両側の電極、厳密には電極内部を流れる冷
却水へと生じるのであるから、Al部材側の電極の冷却
能を鋼部材側の電極の冷却能よりも小さくすることによ
って、Al側ナゲットの生成時にAl部材側の表面方向
の熱がこもりやすくなり、Al側ナゲットが鋼部材側に
偏って生成するのを抑えることができるようになる。
流れは、一部は被溶接材のナゲット周辺方向へ生じる
が、大部分は両側の電極、厳密には電極内部を流れる冷
却水へと生じるのであるから、Al部材側の電極の冷却
能を鋼部材側の電極の冷却能よりも小さくすることによ
って、Al側ナゲットの生成時にAl部材側の表面方向
の熱がこもりやすくなり、Al側ナゲットが鋼部材側に
偏って生成するのを抑えることができるようになる。
【0025】そして、Al部材側の電極の冷却能を鋼部
材側の電極の冷却能よりも小さくする方法としては、
(1)Al部材側の電極の直径を鋼部材側の電極の直径
より小さくし、Al側ナゲットからの熱がAl部材側電
極内の冷却水へ伝達される部分の断面積を小さくして熱
伝導量を低下させ、熱のこもり量を多くする。この方法
を採用するのが最も簡便であるが、このほかには、
(2)Al部材側の電極の冷却水の流量を鋼部材側の電
極の冷却水の流量よりも少なくしてAl部材側の電極内
の熱伝導量を低下させる。
材側の電極の冷却能よりも小さくする方法としては、
(1)Al部材側の電極の直径を鋼部材側の電極の直径
より小さくし、Al側ナゲットからの熱がAl部材側電
極内の冷却水へ伝達される部分の断面積を小さくして熱
伝導量を低下させ、熱のこもり量を多くする。この方法
を採用するのが最も簡便であるが、このほかには、
(2)Al部材側の電極の冷却水の流量を鋼部材側の電
極の冷却水の流量よりも少なくしてAl部材側の電極内
の熱伝導量を低下させる。
【0026】(3)Al部材側の電極の材質を鋼部材側
の電極の材質よりも熱伝導率の低いものにする。例え
ば、Al部材側の電極として、ベリリウム−コバルト−
銅合金,タングステン−銅焼結合金を用い、鋼部材側の
電極として、カドミウム−銅合金,クロム−銅合金を用
いる。
の電極の材質よりも熱伝導率の低いものにする。例え
ば、Al部材側の電極として、ベリリウム−コバルト−
銅合金,タングステン−銅焼結合金を用い、鋼部材側の
電極として、カドミウム−銅合金,クロム−銅合金を用
いる。
【0027】このようにして、Al部材側の電極の冷却
能を鋼部材側の電極の冷却能よりも小さくすることによ
って、抵抗溶接時に発生した熱がAl部材側にこもり易
くなることとなり、クラッド材のAl側とAl部材との
間に形成されるAl側ナゲットがクラッド材のAlと鋼
との界面側に偏るのを抑制することができるようにな
り、クラッド材のAlと鋼の界面で脆弱な化合物が形成
されるのを防止して、接合強度が安定した継手となるよ
うにするのが良い。
能を鋼部材側の電極の冷却能よりも小さくすることによ
って、抵抗溶接時に発生した熱がAl部材側にこもり易
くなることとなり、クラッド材のAl側とAl部材との
間に形成されるAl側ナゲットがクラッド材のAlと鋼
との界面側に偏るのを抑制することができるようにな
り、クラッド材のAlと鋼の界面で脆弱な化合物が形成
されるのを防止して、接合強度が安定した継手となるよ
うにするのが良い。
【0028】
【発明の作用】本発明に係わるAl部材と鋼部材との接
合方法では、上述した構成としたから、クラッド材のA
lとAl部材との間にAlとSiの合金ないし混合物が
配されることとなるので、抵抗溶接の際の発熱が前記A
lとSiの合金ないし混合物を配しない場合に比べて大
きくなり、この位置でAl側ナゲットがクラッド材のA
lと鋼の界面への成長よりも短時間のうちに偏平に成長
することとなり、Al側ナゲットがAl同士の界面で偏
平に成長し、且つクラッド材のAlと鋼の界面に達しな
い時間で通電を止めることによって、クラッド材のAl
と鋼の界面で脆弱な化合物(Al−Fe化合物)が形成
されないこととなり、安定した接合強度を有する継手が
得られることとなる。
合方法では、上述した構成としたから、クラッド材のA
lとAl部材との間にAlとSiの合金ないし混合物が
配されることとなるので、抵抗溶接の際の発熱が前記A
lとSiの合金ないし混合物を配しない場合に比べて大
きくなり、この位置でAl側ナゲットがクラッド材のA
lと鋼の界面への成長よりも短時間のうちに偏平に成長
することとなり、Al側ナゲットがAl同士の界面で偏
平に成長し、且つクラッド材のAlと鋼の界面に達しな
い時間で通電を止めることによって、クラッド材のAl
と鋼の界面で脆弱な化合物(Al−Fe化合物)が形成
されないこととなり、安定した接合強度を有する継手が
得られることとなる。
【0029】
【実施例】実施例1 図1に示すように、アルミニウム合金板(JIS H
4000,A5052)よりなる板厚1.0mmのAl
部材11と、冷間圧延鋼板(JIS G 3141,S
PCC)よりなる板厚0.8mmの鋼部材12とを接合
するに際し、Al 13aと鋼13fのクラッド材13
を用い、Al部材11と鋼部材12との間にAl同士お
よび鋼同士が接触する向きにクラッド材13を介在させ
て抵抗スポット溶接を行った。この場合、クラッド材1
3は、圧延法により作製したものであって、Al 13
aとして厚さ0.5mmの純Alを用い、鋼13fとし
て厚さ0.5mmのSPCC相当材を用い、クラッド厚
さが1.0mmのものを使用した。
4000,A5052)よりなる板厚1.0mmのAl
部材11と、冷間圧延鋼板(JIS G 3141,S
PCC)よりなる板厚0.8mmの鋼部材12とを接合
するに際し、Al 13aと鋼13fのクラッド材13
を用い、Al部材11と鋼部材12との間にAl同士お
よび鋼同士が接触する向きにクラッド材13を介在させ
て抵抗スポット溶接を行った。この場合、クラッド材1
3は、圧延法により作製したものであって、Al 13
aとして厚さ0.5mmの純Alを用い、鋼13fとし
て厚さ0.5mmのSPCC相当材を用い、クラッド厚
さが1.0mmのものを使用した。
【0030】そして、クラッド材13をAl部材11と
鋼部材12との間に介在させるのに先立ち、クラッド材
13のAl 13a側の表面に溶射法によってAl−S
iコーティング層(AlとSiの合金ないし混合物1
4)を形成したのち、Al部材11と鋼部材12との間
に上記コーティング後のクラッド材13を介在させて抵
抗スポット溶接を行うことによって、同じく図1に示す
ように、Al側ナゲット15と鋼側ナゲット16とが形
成された継手を得た。
鋼部材12との間に介在させるのに先立ち、クラッド材
13のAl 13a側の表面に溶射法によってAl−S
iコーティング層(AlとSiの合金ないし混合物1
4)を形成したのち、Al部材11と鋼部材12との間
に上記コーティング後のクラッド材13を介在させて抵
抗スポット溶接を行うことによって、同じく図1に示す
ように、Al側ナゲット15と鋼側ナゲット16とが形
成された継手を得た。
【0031】表1にコーティング層(AlとSiの合金
ないし混合物14)の仕様を示し、表2に抵抗スポット
溶接条件を示し、表3にスポット溶接部の継手強度測定
結果を示す。
ないし混合物14)の仕様を示し、表2に抵抗スポット
溶接条件を示し、表3にスポット溶接部の継手強度測定
結果を示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】表1ないし表3に示す結果より明らかなよ
うに、クラッド材のAl側に、Si含有量が12重量
%,17重量%,22重量%のAl−Si合金を配した
No.1〜4の場合には、クラッド材界面に脆弱なAl
−Fe化合物が形成されておらず、継手の強度が良好な
値を示すものとなっていた。
うに、クラッド材のAl側に、Si含有量が12重量
%,17重量%,22重量%のAl−Si合金を配した
No.1〜4の場合には、クラッド材界面に脆弱なAl
−Fe化合物が形成されておらず、継手の強度が良好な
値を示すものとなっていた。
【0036】一方、Al−Si合金中のSi含有量が5
重量%と少ないNo.5の場合には、電気抵抗の上昇が
小さく溶融助長が得がたいため、クラッド材の界面に若
干のAl−Fe系化合物が形成され、No.1〜4の継
手よりも強度が低いものがあった。
重量%と少ないNo.5の場合には、電気抵抗の上昇が
小さく溶融助長が得がたいため、クラッド材の界面に若
干のAl−Fe系化合物が形成され、No.1〜4の継
手よりも強度が低いものがあった。
【0037】また、Al−Si混合物中のSi含有量が
27重量%と多いNo.6の場合には、クラッド材の界
面にAl−Fe化合物が形成されていないものの、電気
抵抗が高くなると共に融点の高いSi量が多くなるた
め、Al側ナゲットの形成が不安定になりNo.1〜4
の継手よりも強度が低いものがあった。
27重量%と多いNo.6の場合には、クラッド材の界
面にAl−Fe化合物が形成されていないものの、電気
抵抗が高くなると共に融点の高いSi量が多くなるた
め、Al側ナゲットの形成が不安定になりNo.1〜4
の継手よりも強度が低いものがあった。
【0038】さらに、クラッド材のAl側にコーティン
グ層を設けないNo.7の場合には、クラッド材界面に
脆弱なAl−Fe化合物が形成されていて、No.1〜
4よりも強度がかなり低下したものがあった。
グ層を設けないNo.7の場合には、クラッド材界面に
脆弱なAl−Fe化合物が形成されていて、No.1〜
4よりも強度がかなり低下したものがあった。
【0039】実施例2 図1に示したと同様に、アルミニウム合金板(JIS
H 4000,A5052)よりなる板厚1.0mmの
Al部材11と、冷間圧延鋼板(JIS G3141,
SPCC)よりなる板厚0.8mmの鋼部材12とを接
合するに際し、Al 13aと鋼13fのクラッド材1
3を用い、Al部材11と鋼部材12との間にAl同士
および鋼同士が接触する向きにクラッド材13を介在さ
せて抵抗スポット溶接を行った。
H 4000,A5052)よりなる板厚1.0mmの
Al部材11と、冷間圧延鋼板(JIS G3141,
SPCC)よりなる板厚0.8mmの鋼部材12とを接
合するに際し、Al 13aと鋼13fのクラッド材1
3を用い、Al部材11と鋼部材12との間にAl同士
および鋼同士が接触する向きにクラッド材13を介在さ
せて抵抗スポット溶接を行った。
【0040】この場合、クラッド材13は、圧延法によ
り作製したものであって、Al 13aとして厚さ0.
5mmの純Alを用い、鋼13fとして厚さ0.5mm
のSPCC相当材を用い、クラッド厚さが1.0mmの
ものを使用した。
り作製したものであって、Al 13aとして厚さ0.
5mmの純Alを用い、鋼13fとして厚さ0.5mm
のSPCC相当材を用い、クラッド厚さが1.0mmの
ものを使用した。
【0041】そして、クラッド材13をAl部材11と
鋼部材12との間に介在させるのに先立ち、クラッド材
13のAl 13a側の表面に溶射法によってAl−S
iコーティング層(AlとSiの合金ないし混合物1
4)を形成したのち、Al部材11と鋼部材12との間
にクラッド材13を介在させて抵抗スポット溶接を行う
ことによって、図1に示したようにAl側ナゲット15
と鋼側ナゲット16とが形成された継手を得た。
鋼部材12との間に介在させるのに先立ち、クラッド材
13のAl 13a側の表面に溶射法によってAl−S
iコーティング層(AlとSiの合金ないし混合物1
4)を形成したのち、Al部材11と鋼部材12との間
にクラッド材13を介在させて抵抗スポット溶接を行う
ことによって、図1に示したようにAl側ナゲット15
と鋼側ナゲット16とが形成された継手を得た。
【0042】また、抵抗スポット溶接の際に用いた電極
は、Al部材11側と鋼部材12側とで直径を変えたも
のを使用した。
は、Al部材11側と鋼部材12側とで直径を変えたも
のを使用した。
【0043】表4にコーティング層(AlとSiの合金
ないし混合物14)の仕様と電極の直径を示し、表5に
抵抗スポット溶接条件を示し、表6にスポット溶接部の
継手強度測定結果を示す。
ないし混合物14)の仕様と電極の直径を示し、表5に
抵抗スポット溶接条件を示し、表6にスポット溶接部の
継手強度測定結果を示す。
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】表4ないし表6に示す結果より明らかなよ
うに、電極の冷却能に差を設けないNo.11に比べ
て、Al部材側の電極の直径を鋼部材側の電極の直径よ
りも小さくして冷却能を小さくしたNo.12.13の
方が、継手強度が高めで安定したものとすることが可能
であった。
うに、電極の冷却能に差を設けないNo.11に比べ
て、Al部材側の電極の直径を鋼部材側の電極の直径よ
りも小さくして冷却能を小さくしたNo.12.13の
方が、継手強度が高めで安定したものとすることが可能
であった。
【0048】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、Al部材と鋼部材とを接合するに際し、Alと鋼の
クラッド材を用い、前記クラッド材のAl側表面にAl
とSiの合金ないし混合物を配し、前記Al部材と鋼部
材との間にAl同士および鋼同士が接触する向きにクラ
ッド材を介在させて抵抗溶接するようにしたから、接合
部で形成されるナゲットのうちとくにAl同士の界面で
形成されるAl側ナゲットがクラッド材のAlと鋼の界
面に偏らないようにすることが可能であり、Al同士の
界面で形成されるAl側ナゲットがクラッド材の鋼にま
で到達しないようにすることが可能であって、AlとF
eとの脆弱な化合物(Al−Fe化合物)が形成されな
いようにすることが可能であり、接合強度が高いAl部
材と鋼部材との接合継手を得ることが可能であるという
著しく優れた効果がもたらされる。
ば、Al部材と鋼部材とを接合するに際し、Alと鋼の
クラッド材を用い、前記クラッド材のAl側表面にAl
とSiの合金ないし混合物を配し、前記Al部材と鋼部
材との間にAl同士および鋼同士が接触する向きにクラ
ッド材を介在させて抵抗溶接するようにしたから、接合
部で形成されるナゲットのうちとくにAl同士の界面で
形成されるAl側ナゲットがクラッド材のAlと鋼の界
面に偏らないようにすることが可能であり、Al同士の
界面で形成されるAl側ナゲットがクラッド材の鋼にま
で到達しないようにすることが可能であって、AlとF
eとの脆弱な化合物(Al−Fe化合物)が形成されな
いようにすることが可能であり、接合強度が高いAl部
材と鋼部材との接合継手を得ることが可能であるという
著しく優れた効果がもたらされる。
【図1】本発明によるAl部材と鋼部材との接合方法に
よって得られる継手の一例を示す断面説明図である。
よって得られる継手の一例を示す断面説明図である。
【図2】従来によるAl部材と鋼部材との接合方法によ
って得られる継手の一例を示す断面説明図である。
って得られる継手の一例を示す断面説明図である。
11 Al部材 12 鋼部材 13 Alと鋼のクラッド材 13a クラッド材のAl 13f クラッド材の鋼 14 AlとSiの合金ないし混合物 15 Al側ナゲット 16 鋼側ナゲット
Claims (3)
- 【請求項1】 Al部材と鋼部材とを接合するに際し、
Alと鋼のクラッド材を用い、前記クラッド材のAl側
表面にAlとSiの合金ないし混合物を配し、前記Al
部材と鋼部材との間にAl同士および鋼同士が接触する
向きにクラッド材を介在させて抵抗溶接することを特徴
とするAl部材と鋼部材との接合方法。 - 【請求項2】 AlとSiの合金ないし混合物は、Si
含有量ないし配合量が10〜25重量%である請求項1
に記載のAl部材と鋼部材との接合方法。 - 【請求項3】 抵抗溶接に用いる電極のうち、Al部材
側の電極の冷却能を鋼部材側の電極の冷却能よりも小さ
くする請求項1または2に記載のAl部材と鋼部材との
接合方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5196463A JPH0747477A (ja) | 1993-08-06 | 1993-08-06 | Al部材と鋼部材との接合方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5196463A JPH0747477A (ja) | 1993-08-06 | 1993-08-06 | Al部材と鋼部材との接合方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0747477A true JPH0747477A (ja) | 1995-02-21 |
Family
ID=16358230
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5196463A Pending JPH0747477A (ja) | 1993-08-06 | 1993-08-06 | Al部材と鋼部材との接合方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0747477A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007105737A (ja) * | 2005-10-11 | 2007-04-26 | Nissan Motor Co Ltd | 抵抗溶接による異種金属の接合方法及び接合構造 |
JP2007130686A (ja) * | 2005-10-11 | 2007-05-31 | Nissan Motor Co Ltd | 抵抗溶接による異種金属の接合方法及び接合構造 |
JP2008105087A (ja) * | 2006-10-27 | 2008-05-08 | Honda Motor Co Ltd | 鉄部材とアルミニウム部材の接合方法及び鉄−アルミニウム接合体 |
JP2014172053A (ja) * | 2013-03-06 | 2014-09-22 | Nippon Steel & Sumitomo Metal | 溶接継手の製造方法 |
CN106938367A (zh) * | 2017-05-04 | 2017-07-11 | 王蘋 | 铝及铝合金与钢及钢结构的电阻焊焊接方法 |
-
1993
- 1993-08-06 JP JP5196463A patent/JPH0747477A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007105737A (ja) * | 2005-10-11 | 2007-04-26 | Nissan Motor Co Ltd | 抵抗溶接による異種金属の接合方法及び接合構造 |
JP2007130686A (ja) * | 2005-10-11 | 2007-05-31 | Nissan Motor Co Ltd | 抵抗溶接による異種金属の接合方法及び接合構造 |
JP2008105087A (ja) * | 2006-10-27 | 2008-05-08 | Honda Motor Co Ltd | 鉄部材とアルミニウム部材の接合方法及び鉄−アルミニウム接合体 |
JP2014172053A (ja) * | 2013-03-06 | 2014-09-22 | Nippon Steel & Sumitomo Metal | 溶接継手の製造方法 |
CN106938367A (zh) * | 2017-05-04 | 2017-07-11 | 王蘋 | 铝及铝合金与钢及钢结构的电阻焊焊接方法 |
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