JPH0746531B2 - 難着氷雪電線 - Google Patents
難着氷雪電線Info
- Publication number
- JPH0746531B2 JPH0746531B2 JP28854086A JP28854086A JPH0746531B2 JP H0746531 B2 JPH0746531 B2 JP H0746531B2 JP 28854086 A JP28854086 A JP 28854086A JP 28854086 A JP28854086 A JP 28854086A JP H0746531 B2 JPH0746531 B2 JP H0746531B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- snow
- ice
- wire
- hydrogen
- hydrogen storage
- Prior art date
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- Expired - Lifetime
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- Non-Insulated Conductors (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は架空送電線等の着氷雪防止のために、水素吸蔵
合金の発熱反応を利用した難着氷雪電線に関するもので
ある。
合金の発熱反応を利用した難着氷雪電線に関するもので
ある。
(従来技術) 寒冷地方においては、架空送電線に付着した氷や雪が落
下せずに発達し、その重量によって架空送電線が断線し
たり、鉄塔が倒壊する事故の発生する場合がある。
下せずに発達し、その重量によって架空送電線が断線し
たり、鉄塔が倒壊する事故の発生する場合がある。
従来からこうした事故を未然に防止する対策として次の
ような手段がとられている。
ような手段がとられている。
即ち、無着氷雪状態を保つか又は付着した氷雪を融かす
手段として、融雪コアと呼ばれる電流の電磁誘導によ
り発熱する磁性体を電線に取付ける。上記と同様に
低キュリー磁性体を電線にスパイラル状に巻付ける。
撥水性のテフロンテープを電線上に巻付ける等の方法が
とられている。
手段として、融雪コアと呼ばれる電流の電磁誘導によ
り発熱する磁性体を電線に取付ける。上記と同様に
低キュリー磁性体を電線にスパイラル状に巻付ける。
撥水性のテフロンテープを電線上に巻付ける等の方法が
とられている。
又着氷雪の発達を防止する手段として、着雪が電線の
撚りに沿って動くのをリングでせき止めする。着氷雪
した時の電線が捻れて円筒状に発達するのを防止するた
めの捻回防止ウエイトを電線に取付ける。衝撃振動に
より着氷雪を落下せる等の方法がとられている。
撚りに沿って動くのをリングでせき止めする。着氷雪
した時の電線が捻れて円筒状に発達するのを防止するた
めの捻回防止ウエイトを電線に取付ける。衝撃振動に
より着氷雪を落下せる等の方法がとられている。
(解決しようとする問題点) 上述した従来の手段には次に列記するような問題点があ
り、いずれも充分な効果が得られない。
り、いずれも充分な効果が得られない。
磁性体を用いて電磁誘導により発熱させる手段(前
者及び)は200A程度の負荷電流が必要であると共に
取付けが煩雑である。
者及び)は200A程度の負荷電流が必要であると共に
取付けが煩雑である。
撥水性テープを電線に巻付ける手段はテープの経年
劣化の問題がある。
劣化の問題がある。
リングや捻回防止ウエイトを取付ける手段は、効果
があるのは極めて限られた着雪状態のみであり、着氷に
対しては効果がない。
があるのは極めて限られた着雪状態のみであり、着氷に
対しては効果がない。
衝撃振動を与える手段は、径間内全長にわたって振
動を伝えることは極めて困難であり、効果は殆んどな
い。
動を伝えることは極めて困難であり、効果は殆んどな
い。
(問題点を解決するための手段) 本発明は上述の問題点を解決した難着氷雪電線を提供す
るもので、その特徴は、架空送電線に水素吸蔵合金を収
納した金属パイプが撚り込まれていることにある。
るもので、その特徴は、架空送電線に水素吸蔵合金を収
納した金属パイプが撚り込まれていることにある。
第1図及び第2図はいずれも本発明の難着氷雪電線の具
体例の横断面図である。第1図は架空送電線(1)を構
成する撚線の最外層に、水素吸蔵合金(3)を収納した
アルミニウムパイプ、アルミニウム合金パイプ等の金属
パイプ(2)の1条が撚り込まれているものであり、第
2図は水素吸蔵合金(3)を収納した金属パイプ(2)
の複数条を架空送電線(1)の最外層に撚み込んだもの
である。
体例の横断面図である。第1図は架空送電線(1)を構
成する撚線の最外層に、水素吸蔵合金(3)を収納した
アルミニウムパイプ、アルミニウム合金パイプ等の金属
パイプ(2)の1条が撚り込まれているものであり、第
2図は水素吸蔵合金(3)を収納した金属パイプ(2)
の複数条を架空送電線(1)の最外層に撚み込んだもの
である。
(作用) 本発明において、金属パイプに収納する水素吸蔵合金と
は、水素を吸蔵して金属水素化合物を形成するもので、
気体の水素分子をH2、金属元素をMとすれば、典型的な
水素化反応は M+H2MH2で表わされる。
は、水素を吸蔵して金属水素化合物を形成するもので、
気体の水素分子をH2、金属元素をMとすれば、典型的な
水素化反応は M+H2MH2で表わされる。
この反応は可逆的であり、どちら向きの反応が起るかは
水素ガスの圧力と温度によって決まる。もし、温度が一
定で水素ガスの圧力が金属固有の平衡圧力以上であれ
ば、反応は金属水素化物を形成する方向に進み、平衡圧
力よりも低ければ水素ガスと金属に分解する方向に進
む。
水素ガスの圧力と温度によって決まる。もし、温度が一
定で水素ガスの圧力が金属固有の平衡圧力以上であれ
ば、反応は金属水素化物を形成する方向に進み、平衡圧
力よりも低ければ水素ガスと金属に分解する方向に進
む。
又金属水素化物のもう一つの基本的性質は、水素と金属
が反応するときには発熱し、金属水素化物が分解すると
きには熱の吸収があることである。この熱的効果は比較
的大きく、エネルギー変換材料として種々の用途があ
る。
が反応するときには発熱し、金属水素化物が分解すると
きには熱の吸収があることである。この熱的効果は比較
的大きく、エネルギー変換材料として種々の用途があ
る。
本発明は上述の金属水素化物の基本的性質の一つである
水素と金属が反応するときの発熱を利用するもので、架
空送電線に付着した氷や雪を融かすには、金属パイプに
収納した合金に水素を吸蔵させて発熱させればよく、電
線の端末部に水素ガス圧をコントロールする制御装置を
取付けることによって実施できる。
水素と金属が反応するときの発熱を利用するもので、架
空送電線に付着した氷や雪を融かすには、金属パイプに
収納した合金に水素を吸蔵させて発熱させればよく、電
線の端末部に水素ガス圧をコントロールする制御装置を
取付けることによって実施できる。
水素吸蔵合金としては種々のものがあるが、本発明に使
用する合金としては、 水素の吸蔵、放出速度が大きい。
用する合金としては、 水素の吸蔵、放出速度が大きい。
水素の吸蔵、放出を繰り返しても性能劣化がない。
水素化物生成時の発熱が大きい。
安価である。
軽量である。
水素の放出温度が電線に使用されるアルミニウム合
金の耐熱温度より低い。
金の耐熱温度より低い。
等の特長をもった合金が好ましく、具体的にはTiCo.TiC
o0.5Mn0.5.TiCo0.755Ni0.25等の合金が挙げられる。
o0.5Mn0.5.TiCo0.755Ni0.25等の合金が挙げられる。
(実施例1) 第1図に示す構造の架空送電線のアルミニウムパイプ中
に、水素吸蔵合金としてTi0.5合金をパイプ内に空隙が
残るように充填した。
に、水素吸蔵合金としてTi0.5合金をパイプ内に空隙が
残るように充填した。
架空送電線上に着氷が始まった時にパイプ内の水素ガス
圧を1気圧に制御したろこと、発熱反応により氷を融か
すことが可能であった。
圧を1気圧に制御したろこと、発熱反応により氷を融か
すことが可能であった。
この合金は発熱量が−13.8Kcal/molH2と大きいため、特
に着氷の起こり易い条件で使用される架空送電線に対し
て有効である。
に着氷の起こり易い条件で使用される架空送電線に対し
て有効である。
(実施例2) 第2図のように、最外層にCaNi5合金が充填されたアル
ミニウムパイプ4本を撚り込んだ。
ミニウムパイプ4本を撚り込んだ。
架空送電線上に濕潤な雪が付着し始めた時にパイプ内の
水素ガス圧を0.4気圧に制御したところ、素早く雪を融
かすことが可能であった。
水素ガス圧を0.4気圧に制御したところ、素早く雪を融
かすことが可能であった。
この合金の解離温度は30℃であるため、真夏には自然に
解離反応(吸熱反応)が起こり、電線表面の冷却にも有
効である。
解離反応(吸熱反応)が起こり、電線表面の冷却にも有
効である。
(実施例3) 第2図に示す構造の架空送電線のアルミニウムパイプ中
に水素吸蔵合金としてTi0.8Zr0.2Mn1.8Mo0.2合金を充填
した。
に水素吸蔵合金としてTi0.8Zr0.2Mn1.8Mo0.2合金を充填
した。
架空送電線上に乾燥した雪が付着し始めた時にパイプ内
の水素ガス圧を4気圧に制御したところ、素早く雪を融
かすことが可能であった。
の水素ガス圧を4気圧に制御したところ、素早く雪を融
かすことが可能であった。
なお、上述の実施例1〜3において、着氷雪を融かす必
要のない気象条件では、合金の水素吸蔵量が飽和量以下
の場合は水素ガス圧とそのまま保てばよく、飽和量に達
している場合は減圧して水素を解離しておく。
要のない気象条件では、合金の水素吸蔵量が飽和量以下
の場合は水素ガス圧とそのまま保てばよく、飽和量に達
している場合は減圧して水素を解離しておく。
又上記水素吸蔵合金は吸収、解離を繰返しても発熱量等
の性能の劣化はみられなかった。
の性能の劣化はみられなかった。
(発明の効果) 上述した本発明の難着氷雪電線によれば、従来のように
電線に磁性体やリング等の部品を取付ける必要がなく、
水素吸蔵合金を封入した金属パイプを架空送電線の撚り
合せ時に撚り込むのみで、水素吸蔵合金の水素吸収時の
発熱を利用して着氷や着雪を融かすものであり、特に寒
冷地に使用される架空送電線としてその効果は大であ
る。
電線に磁性体やリング等の部品を取付ける必要がなく、
水素吸蔵合金を封入した金属パイプを架空送電線の撚り
合せ時に撚り込むのみで、水素吸蔵合金の水素吸収時の
発熱を利用して着氷や着雪を融かすものであり、特に寒
冷地に使用される架空送電線としてその効果は大であ
る。
第1図及び第2図はいずれも本発明の難着氷雪電線の具
体例の横断面図である。 1……架空送電線、2……金属パイプ、3……水素吸蔵
合金。
体例の横断面図である。 1……架空送電線、2……金属パイプ、3……水素吸蔵
合金。
Claims (3)
- 【請求項1】架空送電線に水素吸蔵合金を収納した金属
パイプが撚り込まれていることを特徴とする難着氷雪電
線。 - 【請求項2】水素吸蔵合金を収納した金属パイプが架空
送電線の最外層に撚り込まれていることを特徴とする特
許請求の範囲第1項記載の難着氷雪電線。 - 【請求項3】電線の表面温度を電線端末の水素ガス圧制
御装置によりコントロールすることを特徴とする特許請
求の範囲第1項記載の難着氷雪電線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28854086A JPH0746531B2 (ja) | 1986-12-03 | 1986-12-03 | 難着氷雪電線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28854086A JPH0746531B2 (ja) | 1986-12-03 | 1986-12-03 | 難着氷雪電線 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63141208A JPS63141208A (ja) | 1988-06-13 |
JPH0746531B2 true JPH0746531B2 (ja) | 1995-05-17 |
Family
ID=17731558
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28854086A Expired - Lifetime JPH0746531B2 (ja) | 1986-12-03 | 1986-12-03 | 難着氷雪電線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0746531B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007284900A (ja) * | 2006-04-13 | 2007-11-01 | Seiken Diamond Kogyo Kk | ライン溝切削走行機 |
WO2019104176A1 (en) * | 2017-11-27 | 2019-05-31 | Dynatech Systems, Inc. | Material removal manufacture, assembly, and method of assembly |
-
1986
- 1986-12-03 JP JP28854086A patent/JPH0746531B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63141208A (ja) | 1988-06-13 |
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