JPH0736812Y2 - 車輌用のウインドモールデイング - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車等の各車輌のフロントと車体パネルと
ウインド硝子との間に介在して装着するモールデイング
であつて、その主たる目的とする所は、主モールデイン
グと副モールデイングとを使用して、雨水排水部が必要
な左右側部モール部と雨水排水部が不用な上部の上部モ
ール部との両方の役目を有効に果たすための車輌用のウ
インドモールデイングに関するものである。

（従来の技術） 一般にこの種のモールデイングは、ウインド硝子の左右
の側部モール部分では、ウインド硝子の嵌合する凹溝
と、その凹溝の上部に雨水が運行中に飛散して運転席に
浸入するのを防止するための排水用の役目を果たす雨水
排水部を設けたものが使用されている。然し、この上下
二段の溝付きのモールデイングは、同じウンド硝子の上
部モール部分には使用できないため、別個の断面形状を
有するモールデイングとコーナー継手部材とを以て連接
する構成となつている。そして、これ等のウインド硝子
のモールデイングは、左右のモール部と上部のモール部
及びコーナー継手の三種類の部品によつて構成される構
造となつている。従つて、この種のウインド硝子に装着
されているモールデイングは、コーナー継手部分の外観
が大変に不体裁となると共に、継手部分が容易に破損し
やすい欠点がある。

また、近年には、モールデイングの左右の側部モール部
におけるモール頭部の裏面に雨水排水用の堰を射出成形
によつて一体的に形成するものが散見されている。

（考案が解決しようとする課題） 一般にこの様な車輌等のウインド硝子用のモールデイン
グにおいて、前者におけるウインド硝子の左右の側部モ
ール部と上部の上部モール部及びコーナー部とが別個の
断面形状で形成されたモールデイングでは、製造及び作
業が面倒で綺麗に仕上がらない問題点がある。また、後
者の左右の側部モールの堰を射出成形によつて形成する
ものでは製作に多大な費用が係ると共に、形状が均一に
仕上がらず、外観を著しく損ねるという問題を有してい
た。

本考案は、この様な従来の問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とする所は、主モールデイングに左右
の側部モール部の必要個所のみに副モールデイングを簡
単な作業で捲着して固定し、上部モールでは、そのまま
の状態で副モールデイングを使用しないで固定すること
によつて、外観全体が非常に強靱化され、且つ継ぎ目の
ない外観的にも優れたウインドモールデイングを提供し
ようとするものである。

（課題を解決するための手段） 本考案のモールデイングは、上記の問題点を解決するた
めに、モールデイング（１）を主モールデイング（２）
と、副モールデイング（３）とによつて構成される。主
モールデイング（２）のモール頭部（５）と下部の挿着
脚部（６）との基部に係合凹部（11）を形成する。ま
た、モール頭部（５）の斜め方向に屈曲捲着片（７）を
形成してある。この屈曲捲着片（７）には、内方に向か
つた第１嵌合突部（９）と第２嵌合突部（10）とを形成
すると共に、第２嵌合突部（10）の外側に切断個所
（８）を構成してある。また、副モールデイング（３）
には、長手方向に第２嵌合突部（10）が嵌合する嵌合部
（15）を形成した排水溝用の円頭部（12）を形成してあ
る。

そして、ウインド硝子（16）の左右の側部モール部（1
9）（19）では、副モールデイング（３）を屈曲捲着片
（７）を以て捲着させ、ウインド硝子（16）の上部モー
ル部（21）では、副モールデイングを使用しないで、該
屈曲捲着片（７）を切断して短片としてウインド硝子を
挾持してなるものである。

（作用） 本考案は、上記の如く構成されたモールデイング（１）
を使用するには、第５図に示す、車輌（22）の車体パネ
ル（17）とウンド硝子（16）との間にモールデイング
（１）を接着剤（18）を以て接着するものである。そし
て、装着には、予めウインド硝子（16）の左右側部及び
上部の外周にモールデイング（１）を嵌着した状態で車
体パネル（17）に嵌装するものである。この時に、本考
案のモールデイング（１）は、第３図に示す如く、ウイ
ンド硝子（16）の左右の側部モール部（19）（19）で
は、ウインド硝子（16）の左右端縁をモール頭部（５）
と補助支持脚（23）との間に副モールデイング（３）を
捲着した屈曲捲着片（７）の先端の第１嵌合突部（９）
をモール頭部（５）の係合凹部（11）に嵌着した状態で
接着剤（18）によつて固定する。

次に、コーナーモール部（20）から上部の上部モール部
（21）では、第４図に示す如く、ウインド硝子（16）の
端縁が、屈曲捲着片（７）における第２嵌合突部（10）
を残して先方を切断個所（８）より切除した状態で該第
２嵌合突部（10）を係合凹部（11）に嵌着した状態で接
着剤（18）によつて固定張着するようにしたものであ
る。

（実施例） 次に、本考案の実施例を図面について説明すると、自動
車等の車輌（22）の車体パネル（17）とウインド硝子
（16）との間に介在取着されるモールデイング（１）
は、合成樹脂を以て長手帯状の主体となる主モールデイ
ング（２）と、幅モールデイング（３）とを押し出し成
形によつて構成している。

主モールデイング（２）には、第１図に示す如く、長手
方向の上部で表面に露出するモール頭部（５）と、隙間
に挿入する挿着脚部（６）とを一体的に形成してある。
モール頭部（５）には、その底部と挿着脚部（６）との
基部に係合凹部（11）を長手方向に形成してある。ま
た、モール頭部（５）の表面には、斜め方向に延設した
屈曲捲着片（７）を形成してある。この屈曲捲着片
（７）には、内面側に突出した先端より第１嵌合突部
（９）と所定間隔を設けて第２嵌合突部（10）を形成し
てある。第２嵌合突部（10）の外側には、長手方向に切
断される切断個所（８）を構成するようになつている。

次に、副モールデイング（３）には、雨水排水溝用とな
る断面が円頭状の円頭部（12）を形成する。この円頭部
（12）には、長手方向の下端に水平辺（13）と、水平辺
（13）に連接して凹状の円弧辺（14）を形成してある。
また、該副モールデイング（３）には、前記第２嵌合突
部（10）が嵌着する嵌合部（15）を長手方向に形成して
ある。

更に、挿着脚部（６）には、下端の一方に補助支持脚
（23）を他方に補助脚（24）を各上向きに形成してあ
る。符号（18）は、車体パネル（17）とウインド硝子
（16）との間に挿着する挿着脚部（６）との三者を一体
的に接着する接着剤を示し、（19）は左右の側部モール
部で、（20）はコーナーモール部を示し、（21）は上部
モール部を示したものである。また、符号（25）は、第
３図に示す、左右の側部モール部（19）（19）の時に形
成される雨水の流下する雨水排水部を示したものであ
る。

（考案の効果） 本考案は、上記の如き構成からなり、このモールデイン
グによると、主モールデイングと副モールデイングとの
二種類を適宜使用することによつて、左右の雨水排水部
付きの左右側部モール部と、上部の雨水排水受部のない
上部モール部とを一体的に連続した状態で確実にウイン
ド硝子を張着できる効果と、従来のこの種のモールデイ
ングの如く、左右の側部モール部に射出成形等によつて
雨水排水部を形成するものの如く大型な機械設備を必要
とせず、簡単確実で安価に提供できる効果がある。ま
た、主モールディングと一部に使用する副モールディン
グとによつて表面に継ぎ目のない綺麗で外観の優れたモ
ールディングを装着できる優れた効果がある。そして、
主モールデイングの上部に斜め方向に延設した屈曲捲着
片によつては、副モールデイングに捲き付けるだけで容
易に雨水排水部が形成でき、且つモール頭部に一体的に
成形されているので、外観が大変に美しく仕上がる効果
がある。また、上部モール部の時には、屈曲捲着片の第
２嵌合突部を残して切断するだけで、ウインド硝子を簡
単確実に圧持できるという効果と、副モールデイングを
使用しないため材料の節約と作業が簡単となる効果があ
る。また、副モールデイングに形成した雨水排水部用の
円頭部によれば、その断面形状を適宜に変形すれば、雨
水排水部の高さ及び深さを自由に調整できるため各車輌
のウインドに利用できる便利な効果がある。

更に、屈曲捲着片の内方に設けた第１嵌合突部と第２嵌
合突部とを形成しているので、第１嵌合突部は、モール
頭部に設けた係合凹部に確実に嵌着し、第２嵌合突部は
副モールデイングの嵌合部に対して強固に嵌着できるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の主モールデイングの斜面図、第２図は
副モールデイングの斜面図、第３図は第５図A-A線の縦
断側面図、第４図は第５図B-B線の縦断側面図、第５図
は車輌に装着した全体斜面図である。 符号（１）はモールデイング、（２）は主モールデイン
グ、（３）は副モールデイング、（５）はモール頭部、
（６）は挿着脚部、（７）は屈曲捲着片、（８）は切断
個所、（９）は第１嵌合突部、（10）は第２嵌合突部、
（11）は係合凹部、（12）は円頭部、（15）は嵌合部、
（16）はウインド硝子、（19）は側部モール部、（21）
は上部モール部、（25）は雨水排水部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】長手方向に成形される主モールディング
   （２）と副モールディング（３）で構成される車輌用の
   ウインドモールディングにおいて、主モールディング
   （２）には、上部のモール頭部（５）と下部の挿着脚部
   （６）とを設けると共に、モール頭部（５）の底部と挿
   着脚部（６）との基部に係合凹部（11）を形成し、モー
   ル頭部（５）の斜め上部に延設した屈曲捲着片（７）を
   設けると共に、該屈曲捲着片（７）には、内面側に第１
   嵌合突部（９）と第２嵌合突部（10）を形成し、第２嵌
   合突部（10）の外側に切断個所（８）を形成したものを
   用い 副モールディング（３）には、雨水排水用となる円頭部
   （12）を設けると共に、長手方向に第２嵌合突部（10）
   が嵌合する嵌合部（15）を形成したものを用い、 ウインド硝子（16）の左右側部モール部（19）（19）で
   は、副モールディング（３）を主モールディング（２）
   の屈曲捲着片（７）の内部に収納し、 ウインド硝子（16）の上部モール頭部（21）では、屈曲
   捲着片（７）の第２嵌合突部（10）を残置して切断個所
   （８）で切断し、嵌合突部（10）を係合凹部（11）に捲
   着嵌合してウインド硝子（16）を圧着することを特徴と
   する車輌用のモールディング。