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JPH07331923A - 剛性調整壁パネルの構造及び剛性調整壁パネルの取付工法 - Google Patents

剛性調整壁パネルの構造及び剛性調整壁パネルの取付工法

Info

Publication number
JPH07331923A
JPH07331923A JP13161994A JP13161994A JPH07331923A JP H07331923 A JPH07331923 A JP H07331923A JP 13161994 A JP13161994 A JP 13161994A JP 13161994 A JP13161994 A JP 13161994A JP H07331923 A JPH07331923 A JP H07331923A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
panel
units
stud
rigidity
wall panel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP13161994A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Nakada
信治 中田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP13161994A priority Critical patent/JPH07331923A/ja
Publication of JPH07331923A publication Critical patent/JPH07331923A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Load-Bearing And Curtain Walls (AREA)
  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】交通による振動や屋内での歩行による振動等の
微小振動に対してのみ剛性や減衰性を発揮する壁パネル
構造を採用することで建物に於ける居住性を維持する。 【構成】鉄骨構造に於ける上下梁1,2に直接或いは所
定の間隔を持って設置された2本の間柱3を介して複数
のパネルユニット4を連結する。パネルユニット4の間
に所定の間隔を持って粘弾性体5aの表裏面にプレート
5b,5cを固着した複数のダンパーユニット5を配置
してパネルユニット4と緊結する。パネルユニット4の
上下両端を継ぎ材9によって接続することで拘束し、壁
パネル構造A,Bの面外方向への変形を防止してダンパ
ーユニット5に於ける力の伝達を適正にする。間柱3を
略中央で分割した間柱部材3a,3bを形成し、調節継
手6を介して接続することで長さを調節可能とし梁間距
離の変動に対応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、道路を通行する車両に
より発生する振動や屋内での歩行により発生する振動等
の微小レベルの振動に対してのみ剛性及び減衰性を有す
る剛性調整壁パネルと該壁パネルの取付工法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に鉄骨構造の建物では、予め設定さ
れた設計基準に基づいて構造計算がなされている。前記
設計基準は想定された地震により構造体に作用する水平
力を主とし、比較的大きい振幅を持った振動が対象とな
る。また高層建築或いは超高層建築では風等による外乱
に対して居住性を確保するために制振機能や減衰機能を
有する構造体を設けるのが一般である。
【0003】例えば、特開昭64−1877号公報に開示され
た技術は、鉄筋コンクリート構造物の耐震強風制御装置
に適用される耐力壁の取付装置に関するものであり、特
に、強風や中小地震時に於ける居住性を維持することを
目的としたものである。
【0004】また特開昭64-66379号公報に開示された技
術は、鉄骨造の高層ビルに用いられる制振機能を内蔵し
た耐震壁に関するものであり、強風或いは中小地震時に
於ける建物の振動を低減することを目的としたものであ
る。
【0005】一方、中低層建物には道路を通行する車両
により発生する振動や屋内の歩行により発生する振動等
の微小振動が作用することがある。そして前記振動レベ
ルに於ける建物(特に、住宅建築等の中低層鉄骨建物)
の剛性は骨組のみならず、帳壁や間仕切壁等の二次部材
が大きく寄与するのが現実である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】建物に微小振動が作用
した場合、二次部材の配置や量によっては、適正になさ
れた構造計算の結果とは全く無関係に、建物に捩じれを
発生させることがあり、壁を付けることによりかえって
悪影響を及ぼす虞がある。即ち、構造計算の結果に応じ
て構成された骨組に対し無制限に二次部材を配置した場
合、重心と剛心との偏心距離が大きくなって僅かな外力
(微小振動)が作用しても捩じれ振動を起こしてしまう
という問題がある。
【0007】また建物の間口方向の長さが桁行方向の長
さに比較して小さい場合、間口方向の二次部材の量が不
足するため、この方向の微小振動に対する剛性が不足す
るという問題がある。
【0008】また極端に壁が少ない場合には、微小振動
レベルでの剛性,減衰不足になる場合がある。このた
め、建物の剛性を高めることを目的として高剛性の部材
で補強することがあるが、部材の取付方法によっては大
地震が発生したときに応力が集中して建物全体に悪影響
を及ぼす虞が生じる。
【0009】また鉄骨構造の建物で微小振動に対する補
強方法として上下梁間にブレースを配置して剛性を高め
ることも行われるが、ブレースの断面積を相当に大きく
しないと僅かな外力が作用したときの負担能力が小さい
という問題がある。
【0010】また特開昭64−1877号公報に開示された技
術、及び同64-66379号公報に開示された技術は高層建築
或いは超高層建築を対象としたものであり、装置や構造
が大掛かりになって住宅建築等の中低層建築には馴染ま
ないという問題がある。
【0011】本発明の目的は、交通振動や屋内での歩行
による振動等の微小振動に対してのみ剛性や減衰性を有
し、微小振動が作用する建物全体の剛性を調整して居住
性を維持し得る剛性調整壁パネルの構造を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る代表的な剛性調整壁パネルの構造は、鉄
骨構造に於ける上下梁の間に複数のパネルユニットを配
置して直接又は間接的に上下の梁に連結すると共に隣接
するパネルユニットを粘弾性体を有する複数のダンパー
ユニットを介して緊結して構成されるものである。
【0013】また剛性調整壁パネルの取付工法は、鉄骨
構造に於ける上下の梁間に複数のパネルユニットを配置
して直接又は所定の間隔を持って設置された2本の間柱
を介して上下の梁に連結し、前記パネルユニットの上下
両端を継ぎ材によって緊結し、更に隣接するパネルユニ
ットの間に粘弾性体を有する複数のダンパーユニットを
所定の間隔を持って配置すると共に該ダンパーユニット
を介してパネルユニットを緊結することを特徴としたも
のである。
【0014】
【作用】上記剛性調整壁パネルの構造(以下『壁パネル
構造』という)では、簡単な構造で上下梁の間に剛性及
び減衰性を持った壁面を構成することが出来る。即ち、
上下梁の間に複数のパネルユニットを配置して直接又は
間接的に上下の梁に連結すると共に隣接するパネルユニ
ットを粘弾性体を有する複数のダンパーユニットを介し
て緊結緊結することで、剛性及び減衰性を有する壁面を
構成することが出来る。
【0015】上記壁パネル構造では、パネルユニットが
上下梁の間に直接或いは間柱を介して間接的に連結され
る。そして骨組に作用する微小振動がパネルユニットに
伝達されたとき、この微小振動に応じた力を剪断変形に
よって負担することによって高い初期剛性を発揮するこ
とが出来る。またパネルユニットをダンパーユニットを
介して緊結したので、該パネルユニットに生じた剪断変
形を吸収して建物に作用する微小振動を速やかに減衰す
ることが出来る。
【0016】また建物に於ける二次部材の配置位置に対
応して上記壁パネル構造を採用することで、重心と剛心
の偏心距離を調整して建物の剛性を調整することが出来
る。このため、建物に微小振動が作用したとき、骨組に
生じる虞のある捩じれを防止することが出来る。
【0017】また上記剛性調整壁パネルの取付工法で
は、複数のパネルユニットを上下梁の間に配置して直
接、或いは所定の間隔を持って設置された間柱を介して
上下梁に接続し、隣接するパネルユニットの間に配置さ
れた複数のダンパーユニットを介して該パネルユニット
を緊結することで、上下梁の間に壁パネル構造を構成す
ることが出来る。
【0018】
【実施例】以下、上記壁パネル構造の実施例について図
を用いて説明し、合わせて取付工法について説明する。
図1は第1実施例に係る壁パネル構造を説明する模式
図、図2はダンパーユニットの構成を説明する図、図3
は第2実施例に係る壁パネル構造を説明する図、図4
(a)は図3のIVa−IVa矢視図,図4(b)は図3の
IVb−IVb断面図、図5は間柱の構成を説明する図であ
る。本発明に係る壁パネル構造は、パネルユニットを直
接或いは間接的に上下梁に連結すると共にパネルユニッ
トをダンパーユニットを介して緊結したものである。以
下、代表して2本の間柱を用いて間接的にパネルユニッ
トを上下梁に連結して構成した壁パネル構造について説
明する。
【0019】先ず、図1により第1実施例に係る壁パネ
ル構造Aの構成について説明する。この剛性調整壁パネ
ルAは、鉄骨構造体に於ける上部梁1と下部梁2の間に
設けた2本の間柱3と、間柱3の間に配置された2枚の
パネルユニット4と、パネルユニット4の間に所定の間
隔を持って配置されたダンパーユニット5とを有し、一
方の間柱3と該間柱3に隣接するパネルユニット4を緊
結すると共に、他方の間柱3と該間柱3に隣接するパネ
ルユニット4を緊結し、更にパネルユニット4,4をダ
ンパーユニット5によって緊結して構成されている。
【0020】上記間柱3,パネルユニット4,ダンパー
ユニット5は夫々予め工場生産された完成品の状態で建
築現場に供給される。そして前記各部材をボルト,ナッ
ト等の緊結部材によって、上下梁1,2或いは互いに緊
結することで壁パネル構造Aを構成することが可能であ
る。
【0021】間柱3は上下梁1,2に於ける対向する面
の距離(梁間距離)と等しい長さを持って形成され、長
手方向の両端部が各梁1,2に固着されている。従っ
て、各梁1,2に作用する微小振動は各間柱3に伝達さ
れる。また間柱の一方の側面には、後述する第2実施例
で示すように、パネルユニット4を緊結するための手段
が構成されている。
【0022】パネルユニット4としては、ALCパネ
ル,木製パネル,鋼製パネル等のパネルを選択的に用い
ることが可能である。即ち、本発明に於いてパネルユニ
ット4を構成する材質を限定するものではない。また後
述するように、パネルユニット4の幅方向の両端部には
夫々間柱3との緊結手段及びダンパーユニット5との緊
結手段が構成されている。
【0023】尚、間柱3,パネルユニット4の緊結手段
は、パネルユニット4が木製パネル或いは鋼製パネルで
あるかに応じて最も適切に構成されるものであり、一義
的に設定されるものではない。特に、パネルユニット4
としてALCパネルを用いた場合には、間柱3を設置す
ることなく、ALCパネルの上下両端を図示しない接続
金具を介して直接上下梁1,2に固着している。
【0024】ダンパーユニット5は、図2(a),
(b)に示すように、塑性ゴム或いは弾性ゴムからなる
減衰性を有する粘弾性体5aの表面及び裏面に所定の形
状に形成されたプレート5b,5cを張り付けて構成さ
れており、プレート5b,5cに作用する微小振動を粘
弾性体5aで減衰する機能を有する。またダンパーユニ
ット5はパネルユニット4の間に配置されてこれ等のパ
ネルユニット4を緊結する。このため、プレート5b,
5cにはボルトを挿通するボルト孔5dが形成されてい
る。
【0025】上記の如き間柱3,パネルユニット4,ダ
ンパーユニット5によって構成された剛性調整パネルA
では、上下梁1,2に発生した微小振動は各梁1,2か
ら間柱3に伝達され、間柱3,パネルユニット4を介し
てダンパーユニット5のプレート5b,5cに伝達され
る。
【0026】微小振動が伝達されたダンパーユニット5
では、プレート5b,5cに作用する微小振動が粘弾性
体5aに伝達され、該粘弾性体5aは微小振動に応じて
変形する。従って、微小振動は本弾性体5aによって吸
収或いは減衰されることとなる。
【0027】次に、図3〜図5により第2実施例に係る
壁パネル構造Bについて説明する。尚、図に於いて前述
の第1実施例と同一部分及び同一の機能を有する部分に
は同一の符号を付して説明を省略する。
【0028】本実施例に係る壁パネル構造Bは、上下梁
1,2間の距離に加工公差や施工公差に起因する変動が
生じたとき、この変動に対応し得るように構成され、且
つ壁パネル構造Bが面外方向に変形することを防止して
ダンパーユニット5に於ける力の伝達を適正に行わせる
ことで減衰性を維持し得るように構成されている。
【0029】特に、本実施例に係る壁パネル構造Bは、
例えば建物が完成した後で振動に対するクレームが発生
した場合、間仕切壁内或いは帳壁の裏面に壁パネル構造
Bを設置して発生したクレームに対処し得るように、部
材の分割化や軽量化をはかると共に設置工事に於ける作
業性を向上をさせることが可能なように構成されてい
る。
【0030】図3,図5に示すように、間柱3は上下梁
1,2間の距離の略1/2の長さを有する間柱部材3
a,3bからなり、各間柱部材3a,3bを調節継手6
によって接続することで、長さを調節し得るように構成
されている。
【0031】一方の間柱部材3aは上部梁1に固着し得
るように形成され、他方の間柱部材3bは下部梁2に固
着し得るように形成され、間柱部材3aの上端側及び間
柱部材3bの下端側には夫々対応する梁1,2と面接触
して固着される固定部材3cが設けられている。また各
間柱部材3a,3bの対向する端部には、ボルト孔3e
を形成した接続プレート3dが固着されている。
【0032】調節継手6は短冊状のプレートによって構
成されており、ボルト孔6aと長孔6bが形成されてい
る。従って、間柱部材3a,3bからなる間柱3の長さ
を長孔6bの範囲内で調節することが可能となり、上下
梁1,2間の距離が変動した場合であっても、間柱部材
3a,3bに設けた固定部材3cを各梁1,2に確実に
接触させた状態で間柱3を設置することが可能である。
【0033】間柱3を上記の如く構成することによっ
て、各梁1,2と間柱3の間に間隙が形成される虞がな
く、各梁1,2に発生した微小振動を確実に間柱3に伝
達することが可能である。
【0034】間柱部材3a,3bの一方の側面には長手
方向にパネルユニット4を緊結するための手段となるブ
ラケット7が固着されている。ブラケット7は、緊結す
べきパネルユニット4の取付方向及び厚さに対応する位
置に設けられている。即ち、本実施例に於いて、パネル
ユニット4は同一平面内に配置されるものではなく、図
4に示すように、間柱3の中心を結ぶ線に対し線対称と
なる位置に配置されている。このため、ブラケット7は
間柱3の中心から所定距離離隔した位置に設けられてい
る。
【0035】本実施例に於いて、パネルユニット4の材
料として鋼材を用いている。このパネルユニット4は、
L字状に形成された部材を組み合わせて形成した額縁部
材4aにプレート4bを固着して構成され、ダンパーユ
ニット5を緊結する位置に対応して補強部材4c,スチ
フナ4dが配置されている。そして上下方向に2枚のパ
ネルユニット4を配置して互いにボルト,ナット等によ
り緊結することで、第1実施例に於けると同様に1枚の
パネルユニットとして扱われる。
【0036】額縁部材4aの側面であってダンパーユニ
ット5を緊結する位置には、緊結手段となる複数の緊結
プレート8が所定間隔で固着されている。緊結プレート
8はL字状に形成されており、一方の片がパネルユニッ
ト4の額縁部材4aに固着され、他方の片が突起してダ
ンパーユニット5のプレート5b,5cと緊結される。
また緊結プレート8の突起片はパネルユニット4が間柱
3に緊結されたとき、2本の間柱3の中心を結ぶ線上に
位置するように構成されている。
【0037】緊結プレート8は接続したパネルユニット
4に於ける上下方向の略中央を中心として上下方向に均
等に設けられており、パネルユニット4の緊結プレート
8と対応する位置には補強部材4cが配置されている。
従って、間柱3を介してパネルユニット4に伝達された
微小振動を緊結プレート8からダンパーユニット5に確
実に伝達することが可能である。
【0038】間柱3の間に配置されたパネルユニット4
は上下両端が継ぎ材9によって接続されている。継ぎ材
9はフラットバーによって形成され、パネルユニット4
の上下両端部に対応する額縁部材4aとボルト,ナット
等によって締結される。
【0039】継ぎ材9は、ダンパーユニット5を介して
緊結されたパネルユニット4を拘束することで、該ユニ
ット4が外部から作用する力に応じて面外方向に変形す
ることを防止するためのものである。即ち、間柱3を介
して伝達された微小振動に応じてパネルユニット4が面
外方向に変形すると、ダンパーユニット5が間柱3を結
ぶ線から離隔し、ダンパーユニット5の直線性が阻害さ
れて有効な減衰性を維持し得なくなることを防止するも
のである。
【0040】本実施例に於いて、間柱3の太さ及びパネ
ルユニット4の厚さは建物の骨組みを構成する主柱の外
形寸法よりも小さい寸法を持って構成されている。この
ため、壁パネル構造Bを上下梁1,2の間に設置したと
き、間仕切壁の内部或いは帳壁の裏面に収容することが
可能である。
【0041】次に、上下梁1,2の間に壁パネル構造B
を取り付ける手順について説明する。先ず、上下梁1,
2の間に間柱3を設置する。即ち、間柱部材3a,3b
の接続プレート3dを対向して配置すると共に調節継手
6を仮止めし、この状態で固定部材3cを各梁1,2に
固定し、その後、調節継手6を介して間柱部材3a,3
bを緊結することで、上下梁1,2の梁間距離が変動し
た場合であっても、これ等の梁1,2と間柱3の間に間
隙を形成することなく設置することが可能である。
【0042】次いで、各間柱3のブラケット7にパネル
ユニット4を緊結する。このとき、上下梁1,2に固着
する際に間柱3の長さが調節された場合には、上下方向
に配置されるパネルユニット4の間に間隙が生じること
がある。この場合、パネルユニット4の間に図示しない
ライナーを設けて緊結することとなる。更に、予め指定
された緊結プレート8にダンパーユニット5を緊結して
パネルユニット4どうしを緊結する。その後、パネルユ
ニット4の上下両端に継ぎ材9を緊結することで壁パネ
ル構造Bを構成することが可能である。
【0043】上記の如く、予め工場生産された間柱部材
3a,3b,調節継手6,パネルユニット4,ダンパー
ユニット5,継ぎ材9を夫々ボルト,ナット等の緊結部
材によって順次緊結することで、壁パネル構造Bを構成
するが可能である。このため、作業の標準化をはかって
工期を短縮することが可能であり、建築現場に於ける現
場合わせの作業を排除して経済的に有利となる。
【0044】上記壁パネル構造Bでは、上下梁1,2と
間柱3の間に間隙が生じる虞がない。このため、各梁
1,2に作用する微小振動は確実に間柱3に伝達され、
且つ間柱3からパネルユニット4に伝達される。パネル
ユニット4に伝達された微小振動は、額縁部材4a,補
強部材4cを介して緊結プレート8に伝達され、更に、
緊結プレート8に緊結されたダンパーユニット5に伝達
される。そしてダンパーユニット5のプレート5b,5
cに伝達された微小振動は粘弾性体5aによって吸収或
いは減衰される。
【0045】上記の如く構成された壁パネル構造A,B
に於いて、パネルユニット4の間に配置されるダンパー
ユニット5の数は、ダンパーユニット5の有する減衰特
性や予め想定された微小振動レベル等の条件に基づいて
設定される。即ち、ダンパーユニット5の配置数を適宜
設定することによって、壁パネル構造A,Bに於ける剛
性,減衰性を所望の条件に応じて極めて容易に調整する
ことが可能である。
【0046】従って、鉄骨構造の建物を設計するに際
し、建物に作用する微小振動レベルの条件が設定された
とき、パネルユニット4,ダンパーユニット5に何等設
計変更を加えることなく、ダンパーユニット5の配置数
を設定するのみによって、前記設定条件に対応し得る剛
性,減衰性を持った壁パネル構造A,Bを構成すること
が可能となる。
【0047】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る
壁パネル構造は、間柱,パネルユニット,ダンパーユニ
ットを夫々ボルト,ナット等の緊結部材によって緊結す
ることで構成することが出来る。また前記各部材は予め
工場生産することが可能であり、建築現場では搬入され
た部材を所定の順序で緊結する作業を実施することで壁
パネル構造を構成することが出来る。このため、工期の
短縮化をはかると共に余計な部材を低減させてコストの
削減をはかることが出来る。
【0048】上記の如く、壁パネル構造を構成するパネ
ルユニットやダンパーユニットが完成品の状態で供給さ
れるため、上下梁に対する取付作業や運搬作業が容易で
あり、建物が完成した後であっても容易に設置すること
が出来る。特に、間柱を2つに分割して構成した場合に
は、該間柱を構成する部材が軽量となり、前記取付作業
や運搬作業、とりわけ建物が完成した後に壁パネル構造
を設置する際の作業を容易に行うことが出来る。
【0049】また壁パネル構造を構成するに際し、パネ
ルユニットの間に配置すべきダンパーユニットの数を適
宜設定することが可能であり、且つ設定されたダンパー
ユニットを容易に取り付けることが可能である。このた
め、固有の建物に於ける設計条件に適正に対応し得る壁
パネル構造を容易に設計し、且つ構成することが出来
る。
【0050】また間柱を略中央付近で分割して構成する
ことで、各梁と間柱の間に間隙を生じさせることがな
く、各梁に発生した微小振動を確実に壁パネル構造に伝
達して剛性,減衰性を発揮させることが出来る。
【0051】またパネルユニットの上下両端を継ぎ材で
接続することによって、壁パネル構造に面外方向の変形
が発生することを防止することが可能となり、ダンパー
ユニットに於ける力の伝達を適正にすることが出来る。
【0052】また本発明に係る壁パネル構造では、骨組
に作用する微小振動がパネルユニットに伝達されたと
き、この微小振動に応じた力を剪断変形によって負担す
ることによって高い初期剛性を発揮することが出来、且
つパネルユニットをダンパーユニットを介して緊結した
ので、該パネルユニットに生じた剪断変形を吸収して建
物に作用する微小振動を速やかに減衰することが出来
る。
【0053】また建物に於ける二次部材の配置位置に対
応して上記壁パネル構造を採用することで、重心と剛心
の偏心距離を調整して建物の剛性を調整することが出来
る。このため、建物に微小振動が作用したとき、骨組に
生じる虞のある捩じれを防止することが出来る。
【0054】また本発明に係る壁パネル構造は、間仕切
壁内や帳壁の裏面に設置することが出来る。このため、
プランを変更することなく建物の剛性を調整することが
出来る等の特徴を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る剛性調整壁パネルの構成を説
明する模式図である。
【図2】ダンパーユニットの構成を説明する図である。
【図3】第2実施例に係る剛性調整壁パネルの構成を説
明する図である。
【図4】(a)は図3のIVa−IVa矢視図,(b)は図
3のIVb−IVb断面図である。
【図5】間柱の構成を説明する図である。
【符号の説明】
A,B 壁パネル構造 1 上部梁 2 下部梁 3 間柱 3a,3b 間柱部材 3c 固定部材 3d 接続プレート 4 パネルユニット 4a 額縁部材 4b プレート 4c 補強部材 4d スチフナ 5 ダンパーユニット 5a 粘弾性体 5b,5c プレート 6 調節継手 7 ブラケット 8 緊結プレート 9 継ぎ材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄骨構造に於ける上下梁の間に複数のパ
    ネルユニットを配置して直接又は間接的に上下の梁に連
    結すると共に隣接するパネルユニットを粘弾性体を有す
    る複数のダンパーユニットを介して緊結したことを特徴
    とした剛性調整壁パネルの構造。
  2. 【請求項2】 前記パネルユニットが上下梁の間に所定
    の間隔を持って設置された間柱を介して上下梁に連結さ
    れることを特徴とした請求項1に記載した剛性調整壁パ
    ネルの構造。
  3. 【請求項3】 前記間柱を略中央部で長手方向に分割す
    ると共に、該分割部分に長さ調整部材を配置したことを
    特徴とした請求項2に記載した剛性調整壁パネルの構
    造。
  4. 【請求項4】 2本の間柱の間に配置された複数のパネ
    ルユニットの上下両端を継ぎ材によって緊結したことを
    特徴とした請求項2又は3に記載した剛性調整壁パネル
    の構造。
  5. 【請求項5】 鉄骨構造に於ける上下の梁間に複数のパ
    ネルユニットを配置して直接又は所定の間隔を持って設
    置された2本の間柱を介して上下の梁に連結し、前記パ
    ネルユニットの上下両端を継ぎ材によって緊結し、更に
    隣接するパネルユニットの間に粘弾性体を有する複数の
    ダンパーユニットを所定の間隔を持って配置すると共に
    該ダンパーユニットを介してパネルユニットを緊結する
    ことを特徴とした剛性調整壁パネルの取付工法。
JP13161994A 1994-06-14 1994-06-14 剛性調整壁パネルの構造及び剛性調整壁パネルの取付工法 Withdrawn JPH07331923A (ja)

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