JPH07310718A - 軸力管理式ボルト・ナット - Google Patents
軸力管理式ボルト・ナットInfo
- Publication number
- JPH07310718A JPH07310718A JP12420894A JP12420894A JPH07310718A JP H07310718 A JPH07310718 A JP H07310718A JP 12420894 A JP12420894 A JP 12420894A JP 12420894 A JP12420894 A JP 12420894A JP H07310718 A JPH07310718 A JP H07310718A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nut
- bolt
- tightening
- axial force
- nut body
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 claims abstract description 10
- 239000010959 steel Substances 0.000 claims abstract description 10
- 230000000149 penetrating effect Effects 0.000 claims description 3
- 230000000087 stabilizing effect Effects 0.000 claims 1
- 230000035939 shock Effects 0.000 abstract description 2
- 238000010276 construction Methods 0.000 abstract 1
- 230000037431 insertion Effects 0.000 abstract 1
- 238000003780 insertion Methods 0.000 abstract 1
- 239000000463 material Substances 0.000 description 7
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 5
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 2
- 238000006073 displacement reaction Methods 0.000 description 1
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 1
- 238000001746 injection moulding Methods 0.000 description 1
- 238000000034 method Methods 0.000 description 1
- 238000003801 milling Methods 0.000 description 1
- 229910052750 molybdenum Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000011733 molybdenum Substances 0.000 description 1
- 238000010791 quenching Methods 0.000 description 1
- 230000000171 quenching effect Effects 0.000 description 1
- 238000011160 research Methods 0.000 description 1
- 238000012360 testing method Methods 0.000 description 1
Landscapes
- Details Of Spanners, Wrenches, And Screw Drivers And Accessories (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、特に部材の装脱が頻繁に繰り返さ
れるボルト・ナットに関し、ベアリング付ナット等を利
用して締め付け時のナット本体の摩擦抵抗を最小限に止
め、その締め付けトルクを一定化させるとともに、ボル
トの適正な軸力管理をすることで、振動や衝撃などによ
ってもナットの緩みがないボルト・ナットを提供するこ
とを目的としたものである。 【構成】 凹形のボックスと、該ボックス内に回転可能
に遊嵌されたナット本体との間に多数の鋼球を介在させ
て一体に構成したベアリング付ナット等の中心孔を貫通
するボルトをナット本体で締め付け可能とし、締め付け
時のナット本体と取り付け部材間の摩擦抵抗を最小に止
めることにより、その締め付けトルクを一定化すると同
時に、予め該ナットの締め付けトルクと軸力の関係を計
算上で求め、その数値を専用のトルクレンチに設定した
上、該トルクレンチを使用して上記ナット本体を締め込
むことにより、所望のボルト軸力を得るようにした軸力
管理式ボルト・ナット。
れるボルト・ナットに関し、ベアリング付ナット等を利
用して締め付け時のナット本体の摩擦抵抗を最小限に止
め、その締め付けトルクを一定化させるとともに、ボル
トの適正な軸力管理をすることで、振動や衝撃などによ
ってもナットの緩みがないボルト・ナットを提供するこ
とを目的としたものである。 【構成】 凹形のボックスと、該ボックス内に回転可能
に遊嵌されたナット本体との間に多数の鋼球を介在させ
て一体に構成したベアリング付ナット等の中心孔を貫通
するボルトをナット本体で締め付け可能とし、締め付け
時のナット本体と取り付け部材間の摩擦抵抗を最小に止
めることにより、その締め付けトルクを一定化すると同
時に、予め該ナットの締め付けトルクと軸力の関係を計
算上で求め、その数値を専用のトルクレンチに設定した
上、該トルクレンチを使用して上記ナット本体を締め込
むことにより、所望のボルト軸力を得るようにした軸力
管理式ボルト・ナット。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ボルト・ナットによ
ってベース上の正確な位置に金型や任意なワーク等を繰
り返し装脱するに当たり、常にそのボルトに所望の軸力
が得られるようにした軸力管理式のボルト・ナットに関
する。
ってベース上の正確な位置に金型や任意なワーク等を繰
り返し装脱するに当たり、常にそのボルトに所望の軸力
が得られるようにした軸力管理式のボルト・ナットに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、ねじ付のボルト・ナットを利用し
てベースに他の部材を締め付け固定する取付け手段は、
広く知られている。
てベースに他の部材を締め付け固定する取付け手段は、
広く知られている。
【0003】又、断面凹形の座板(ボックス)内にナッ
ト本体を回転可能に遊嵌し、上記座板とナット本体との
間にスラストベアリングを介在させて一体に構成するこ
とにより、締め付け時におけるナットとベース間の摩擦
抵抗を大幅に軽減させるようにしたベアリング付ナット
も、例えば同一人の発明に係る特願昭63―12163
9号によって公知の技術とされているのである。
ト本体を回転可能に遊嵌し、上記座板とナット本体との
間にスラストベアリングを介在させて一体に構成するこ
とにより、締め付け時におけるナットとベース間の摩擦
抵抗を大幅に軽減させるようにしたベアリング付ナット
も、例えば同一人の発明に係る特願昭63―12163
9号によって公知の技術とされているのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前項に述べた従来技術
の内、前者即ち、通常のボルト・ナット又はこれにワッ
シャーを併用する部材の取り付け手段は、締め付け時に
おいてベース面又は取り付け部材面に直接的に当接する
ナットの摩擦抵抗が大きいが、新造の機械類における永
久的な固定部分のナット止めは、トルク管理によって或
る程度の適正さで締め付け力が得られていた。
の内、前者即ち、通常のボルト・ナット又はこれにワッ
シャーを併用する部材の取り付け手段は、締め付け時に
おいてベース面又は取り付け部材面に直接的に当接する
ナットの摩擦抵抗が大きいが、新造の機械類における永
久的な固定部分のナット止めは、トルク管理によって或
る程度の適正さで締め付け力が得られていた。
【0005】しかし、繰り返し使用される通常のボルト
・ナットでは、その繰り返し回数や期間等に応じて座面
の摩擦抵抗が大きくなる関係上、この場合の締め付け力
の管理は作業者の経験と勘にたよらざるを得なかったの
である。従って、作業者の個人差などによって部材の適
正な締め付け力は得難く、又締め付け力が不充分な場合
でも締め付けトルクは過大となってボルト・ナットのね
じの摩耗や破損を早めたり、ボルトの伸びを招き、或い
はナットの当接によるベースの損傷が多発する等の不都
合が見られた反面、それらのナットは振動又は衝撃その
他で緩みが生じ易いという課題があったものである。
・ナットでは、その繰り返し回数や期間等に応じて座面
の摩擦抵抗が大きくなる関係上、この場合の締め付け力
の管理は作業者の経験と勘にたよらざるを得なかったの
である。従って、作業者の個人差などによって部材の適
正な締め付け力は得難く、又締め付け力が不充分な場合
でも締め付けトルクは過大となってボルト・ナットのね
じの摩耗や破損を早めたり、ボルトの伸びを招き、或い
はナットの当接によるベースの損傷が多発する等の不都
合が見られた反面、それらのナットは振動又は衝撃その
他で緩みが生じ易いという課題があったものである。
【0006】又、後者のベアリング付ナットでは、ベー
ス面に当接する座板はナット本体の回転によっても静止
状態を保つ構造であるから、取り付け部材の位置のずれ
やベース面との摩擦抵抗が殆ど無く、充分大きな締め付
け力が得られる点で前者よりも数等優れるが、それだけ
に作業者の個人差によっては屡々ボルト・ナットの強度
限界を越えた過大な締め付けが行われ、これ亦ボルト・
ナットのねじ部の摩耗や破損の原因となるという課題が
あった。
ス面に当接する座板はナット本体の回転によっても静止
状態を保つ構造であるから、取り付け部材の位置のずれ
やベース面との摩擦抵抗が殆ど無く、充分大きな締め付
け力が得られる点で前者よりも数等優れるが、それだけ
に作業者の個人差によっては屡々ボルト・ナットの強度
限界を越えた過大な締め付けが行われ、これ亦ボルト・
ナットのねじ部の摩耗や破損の原因となるという課題が
あった。
【0007】従って、上記いづれの手段においても、ボ
ルト・ナットの摩耗や破損によって寿命が短く、特に繰
り返し装脱が要求される部材の固定手段としては、未だ
多くの問題が残されていたのである。
ルト・ナットの摩耗や破損によって寿命が短く、特に繰
り返し装脱が要求される部材の固定手段としては、未だ
多くの問題が残されていたのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような実情に鑑み本
発明者は、特に部材の装脱が頻繁に繰り返されるボルト
・ナットに関して鋭意、実験、研究を重ねた結果、この
種のボルト・ナットにおける締め付け効果は、単にナッ
ト等の締め付けトルクの多寡だけではなく、ボルトに掛
かる軸力を適正に保つことによって達成できるという事
実を究明し、上記ベアリング付ナットを利用して締め付
け時のナット本体の摩擦抵抗を最小限に止め、これを一
定化させるとともに、ボルト・ナットの材質(硬度)や
ねじの呼び径によって変化するボルトの適正な軸力管理
をすることで、上記従来の課題を解決することに成功し
たものである。
発明者は、特に部材の装脱が頻繁に繰り返されるボルト
・ナットに関して鋭意、実験、研究を重ねた結果、この
種のボルト・ナットにおける締め付け効果は、単にナッ
ト等の締め付けトルクの多寡だけではなく、ボルトに掛
かる軸力を適正に保つことによって達成できるという事
実を究明し、上記ベアリング付ナットを利用して締め付
け時のナット本体の摩擦抵抗を最小限に止め、これを一
定化させるとともに、ボルト・ナットの材質(硬度)や
ねじの呼び径によって変化するボルトの適正な軸力管理
をすることで、上記従来の課題を解決することに成功し
たものである。
【0009】本発明は、ナット本体のねじの呼び径別の
締め付けトルクとボルトの軸力の関係を下記の計算式に
従って求め、その数値を例えばグラフ化しておくと同時
に、所望の締め付けトルク(T)を専用のトルクレンチ
に設定した後、該レンチを使用してナットを締め込むこ
とにより、所望の軸力(Ff)を得るという手段を用い
たのである。
締め付けトルクとボルトの軸力の関係を下記の計算式に
従って求め、その数値を例えばグラフ化しておくと同時
に、所望の締め付けトルク(T)を専用のトルクレンチ
に設定した後、該レンチを使用してナットを締め込むこ
とにより、所望の軸力(Ff)を得るという手段を用い
たのである。
【0010】Ff(kgf)=T/(K・d)
【0011】但し、T:締め付けトルク(kgf cm)。 K:トルク係数。 d:ボルト・ナットの呼び径(cm)。
【0012】又、本発明では、上記ベアリング付ナット
におけるナット本体をボルトと一体に結合して頭付きボ
ルトにするという手段も用いた。
におけるナット本体をボルトと一体に結合して頭付きボ
ルトにするという手段も用いた。
【0013】更に本発明は、上述した従来の通常のボル
ト・ナットのナット及びボルト頭部とベース又は取り付
け部材間に、凹形のボックスと、該ボックス内に回転可
能に遊嵌された上盤との間に多数の鋼球を介在させて一
体に構成したベアリング付ワッシャーを介装させるとい
う手段も講じた。
ト・ナットのナット及びボルト頭部とベース又は取り付
け部材間に、凹形のボックスと、該ボックス内に回転可
能に遊嵌された上盤との間に多数の鋼球を介在させて一
体に構成したベアリング付ワッシャーを介装させるとい
う手段も講じた。
【0014】
【作用】本発明は、上述した三つの構成に係るボルト・
ナットを内容とするものであるが、いづれの構成におい
ても上記ねじの呼び径と所望の軸力を決定した上、その
場合の締め付けトルクをグラフ上で求め、その数値を専
用のトルクレンチに設定して該トルクレンチでナット本
体を締め込めば、振動や衝撃等で緩まない適正な軸力管
理が行えるるから、その締め付けに作業者の個人差がな
く、従って従来見受けられていた締め過ぎ、又は締め込
み不足等が確実に防止できるという、格別に優れた作用
が得られるのである。
ナットを内容とするものであるが、いづれの構成におい
ても上記ねじの呼び径と所望の軸力を決定した上、その
場合の締め付けトルクをグラフ上で求め、その数値を専
用のトルクレンチに設定して該トルクレンチでナット本
体を締め込めば、振動や衝撃等で緩まない適正な軸力管
理が行えるるから、その締め付けに作業者の個人差がな
く、従って従来見受けられていた締め過ぎ、又は締め込
み不足等が確実に防止できるという、格別に優れた作用
が得られるのである。
【0015】また本発明の軸力管理によれば、ボルト・
ナットの強度限界を確実に把握できる上、振動等ではナ
ットが緩まないが、ナットの戻し(取り外し)は極めて
僅かな力で簡単に行えるという作用も得られるのであ
る。
ナットの強度限界を確実に把握できる上、振動等ではナ
ットが緩まないが、ナットの戻し(取り外し)は極めて
僅かな力で簡単に行えるという作用も得られるのであ
る。
【0016】更に本発明のベアリング付ナット(ボル
ト)及びベアリング付ワッシャーは、内蔵した鋼球の作
用により、そのボックス部が静止した状態で鋼球の回転
摩擦のみでナット本体(ボルト)が締め込まれるため、
締め付けトルクの多くが締め付け力に変換されて高い軸
力が得られるのである。
ト)及びベアリング付ワッシャーは、内蔵した鋼球の作
用により、そのボックス部が静止した状態で鋼球の回転
摩擦のみでナット本体(ボルト)が締め込まれるため、
締め付けトルクの多くが締め付け力に変換されて高い軸
力が得られるのである。
【0017】
【実施例】以下、本発明の構成を、一つの実施例に従っ
て更に詳述すると、図1において1は通常ベース(図示
せず)上に立設されるボルト、2はボルト1に嵌合され
る取り付け部材、又3はベアリング付ナットであって、
縦断面が凹形を呈し、底部中央に上記ボルト1が貫通可
能な透孔を備えてなるボックス3a内にナット本体3b
を回転可能に遊嵌し、この間に多数の鋼球3cを介在さ
せてスラストベアリングを構成し、これら三者を一体に
組立てたものである。
て更に詳述すると、図1において1は通常ベース(図示
せず)上に立設されるボルト、2はボルト1に嵌合され
る取り付け部材、又3はベアリング付ナットであって、
縦断面が凹形を呈し、底部中央に上記ボルト1が貫通可
能な透孔を備えてなるボックス3a内にナット本体3b
を回転可能に遊嵌し、この間に多数の鋼球3cを介在さ
せてスラストベアリングを構成し、これら三者を一体に
組立てたものである。
【0018】尚、図1における上記ボルト1は、ベース
上に立設され、その段部1aに取り付け部材2を係止し
た状態での使用例であるが、上記ベアリング付ナット3
を貫通するボルト素材はクローム・モリブデン鋼の完品
焼きとし、又硬度は上記のナット本体3bよりも少しく
低いHRC35〜40の範囲にするのが好ましい。
上に立設され、その段部1aに取り付け部材2を係止し
た状態での使用例であるが、上記ベアリング付ナット3
を貫通するボルト素材はクローム・モリブデン鋼の完品
焼きとし、又硬度は上記のナット本体3bよりも少しく
低いHRC35〜40の範囲にするのが好ましい。
【0019】又、上記実施例では、ボルト1とベアリン
グ付ナット3を別体に構成したものについて記述した
が、図2〔A〕に示したように上記ベアリング付ナット
におけるナット本体3bを頭部としてボルトと一体に結
合してなる頭付きボルト4とした場合でも、本発明が意
図するところの軸力管理式ボルト・ナットの作用効果が
そっくり得られることは当然である。
グ付ナット3を別体に構成したものについて記述した
が、図2〔A〕に示したように上記ベアリング付ナット
におけるナット本体3bを頭部としてボルトと一体に結
合してなる頭付きボルト4とした場合でも、本発明が意
図するところの軸力管理式ボルト・ナットの作用効果が
そっくり得られることは当然である。
【0020】更に、本発明の他の実施例として図2
〔B〕に示した軸力管理式ボルト・ナットの構成は、凹
形のボックス5aと、該ボックス内に回転可能に遊嵌さ
れた上盤5bとの間に多数の鋼球5cを介在させてスラ
ストベアリングを構成したベアリング付ワッシャー5を
使用したものであって、その中心孔5dを貫通するボル
ト1を上記のナット3bで締め込み可能とし、締め付け
時のナット下面が、上記上盤5bに当接した状態となっ
てナットと取り付け部材2間の摩擦抵抗を最小に止め、
締め付けトルクの一定化を図ったものであるから、前記
二つの実施例と同様に計算上で求めた締め付けトルクと
軸力の関係数値を使用して専用のトルクレンチでボルト
頭部を回転することにより、所望のボルト軸力が得られ
るのである。
〔B〕に示した軸力管理式ボルト・ナットの構成は、凹
形のボックス5aと、該ボックス内に回転可能に遊嵌さ
れた上盤5bとの間に多数の鋼球5cを介在させてスラ
ストベアリングを構成したベアリング付ワッシャー5を
使用したものであって、その中心孔5dを貫通するボル
ト1を上記のナット3bで締め込み可能とし、締め付け
時のナット下面が、上記上盤5bに当接した状態となっ
てナットと取り付け部材2間の摩擦抵抗を最小に止め、
締め付けトルクの一定化を図ったものであるから、前記
二つの実施例と同様に計算上で求めた締め付けトルクと
軸力の関係数値を使用して専用のトルクレンチでボルト
頭部を回転することにより、所望のボルト軸力が得られ
るのである。
【0021】他方、図3は、締め付けトルク(T)を縦
軸に、軸力(Ff)を横軸として上記の計算式によって
求めたボルト・ナットの呼び径別の締め付けトルクと軸
力の関係をグラフ化して示したもので、今仮にねじの呼
び径(d)を20mm(2cm)、トルク係数(K)を
0.1、締め付けトルク(T)を40(kgf cm)として
締めた際の軸力(Ff)は、次の通りである。 Ff=40×10・2 /(0. 1×2)=20.000
kgf
軸に、軸力(Ff)を横軸として上記の計算式によって
求めたボルト・ナットの呼び径別の締め付けトルクと軸
力の関係をグラフ化して示したもので、今仮にねじの呼
び径(d)を20mm(2cm)、トルク係数(K)を
0.1、締め付けトルク(T)を40(kgf cm)として
締めた際の軸力(Ff)は、次の通りである。 Ff=40×10・2 /(0. 1×2)=20.000
kgf
【0022】このことは、呼び径2cmのボルト・ナッ
トを使用して20.000kgf の軸力が必要である場合
のナット本体の締め付けトルク(40kgf cm)を図3の
グラフから求め、その数値を予め専用のトルクレンチに
設定してナット本体3bを締め付ければ良いことを示し
ているのである(図3中、HTN−20を参照)。尚、
ベアリング付ナット3を採用した場合のトルク係数
(K)は、0.08〜0.12の範囲である。
トを使用して20.000kgf の軸力が必要である場合
のナット本体の締め付けトルク(40kgf cm)を図3の
グラフから求め、その数値を予め専用のトルクレンチに
設定してナット本体3bを締め付ければ良いことを示し
ているのである(図3中、HTN−20を参照)。尚、
ベアリング付ナット3を採用した場合のトルク係数
(K)は、0.08〜0.12の範囲である。
【0023】次に、上記図1の実施例に示した仕様に従
って得られた本発明のボルト・ナットを資料1とし、従
来方法によって締め付けた同径の焼き入れフランジ型ナ
ットによるものを資料2、更に同じくダブルねじ偏心ナ
ットを使用したものを資料3とし、各供試体についてN
B式高速ねじ緩み試験機を使ってナットの緩み状態を比
較したところ、資料1については15分間ナットの緩み
は全く無かったのに対し、資料2は26秒で、又資料3
でも13分余で緩みが生じるという明らかな差異が認め
られた。尚、この場合の試験条件は、いづれも垂直方向
の振動数を30Hzとして行ったものである。
って得られた本発明のボルト・ナットを資料1とし、従
来方法によって締め付けた同径の焼き入れフランジ型ナ
ットによるものを資料2、更に同じくダブルねじ偏心ナ
ットを使用したものを資料3とし、各供試体についてN
B式高速ねじ緩み試験機を使ってナットの緩み状態を比
較したところ、資料1については15分間ナットの緩み
は全く無かったのに対し、資料2は26秒で、又資料3
でも13分余で緩みが生じるという明らかな差異が認め
られた。尚、この場合の試験条件は、いづれも垂直方向
の振動数を30Hzとして行ったものである。
【0024】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の軸力管理
式ボルト・ナットによれば、ボルト・ナットの呼び径と
所望の軸力を決定し、その場合のナット本体の締め付け
トルクを計算上で求めて、その数値を専用のトルクレン
チに設定した上で締め込めば、適正な軸力管理と、締め
付けの標準化が図れるだけでなく、従来のボルト・ナッ
トの締め付け力の半分の力で同程度の軸力が得られるか
ら、ベースの損傷等はもとより、ねじ部の摩耗や破損等
は皆無に等しく、繰り返して同じ軸力で締め付けが行
え、しかもその締め付け作業には作業者の個人差なども
現れず、非力な女性や年配者でも充分な締め付け成果が
得られるなど、この種作業の大幅な能率向上が期待でき
るという顕著な効果が得られるのである。
式ボルト・ナットによれば、ボルト・ナットの呼び径と
所望の軸力を決定し、その場合のナット本体の締め付け
トルクを計算上で求めて、その数値を専用のトルクレン
チに設定した上で締め込めば、適正な軸力管理と、締め
付けの標準化が図れるだけでなく、従来のボルト・ナッ
トの締め付け力の半分の力で同程度の軸力が得られるか
ら、ベースの損傷等はもとより、ねじ部の摩耗や破損等
は皆無に等しく、繰り返して同じ軸力で締め付けが行
え、しかもその締め付け作業には作業者の個人差なども
現れず、非力な女性や年配者でも充分な締め付け成果が
得られるなど、この種作業の大幅な能率向上が期待でき
るという顕著な効果が得られるのである。
【0025】更に本発明の軸力管理では、ボルト・ナッ
トの強度限界を確実に把握できる上、振動等ではナット
が緩まないが、ナットの戻しが極めて僅かな力(従来の
ナットの1/3の力)で簡単に行えるという特徴もあ
り、従って射出成型機の金型、プレス金具、ワーク、治
具、フライス盤などの工作機械、更には仮組を要する機
械構造物等々、特に多振動の機械類に対して極めて有用
であるという効果も亦、格別である。
トの強度限界を確実に把握できる上、振動等ではナット
が緩まないが、ナットの戻しが極めて僅かな力(従来の
ナットの1/3の力)で簡単に行えるという特徴もあ
り、従って射出成型機の金型、プレス金具、ワーク、治
具、フライス盤などの工作機械、更には仮組を要する機
械構造物等々、特に多振動の機械類に対して極めて有用
であるという効果も亦、格別である。
【図1】本発明の軸力管理式ボルト・ナットの一部を切
除して示す斜視図。
除して示す斜視図。
【図2】〔A〕は本発明の他の実施例を示す平面図、又
〔B〕は本発明の他の実施例に係るベアリング付ワッシ
ャーの中心部縦断面図。
〔B〕は本発明の他の実施例に係るベアリング付ワッシ
ャーの中心部縦断面図。
【図3】ナットの呼び径別の締め付けトルクと、軸力と
の関係を計算上求めて得たグラフ。
の関係を計算上求めて得たグラフ。
1 ボルト 2 取付け部材 3 ベアリング付ナット 4 ベアリング付ボルト 5 ベアリング付ワッシャー
Claims (4)
- 【請求項1】凹形のボックスと、該ボックス内に回転可
能に遊嵌されたナット本体との間に多数の鋼球を介在さ
せて一体に構成したベアリング付ナットの中心孔を貫通
するボルトをナット本体で締め付け可能とし、締め付け
時のナット本体と取り付け部材間の摩擦抵抗を最小に止
めることにより、その締め付けトルクを一定化すると同
時に、予め該ナットの締め付けトルクと軸力の関係を計
算上で求め、その数値を専用のトルクレンチに設定した
上、該トルクレンチを使用して上記ナット本体を締め込
むことにより、所望のボルト軸力を得るようにした軸力
管理式ボルト・ナット。 - 【請求項2】ベアリング付ナットのナット本体とボルト
を結合して一体のベアリング付ボルトとした請求項1記
載の軸力管理式ボルト・ナット。 - 【請求項3】凹形のボックスと、該ボックス内に回転可
能に遊嵌された上盤との間に多数の鋼球を介在させて一
体に構成したベアリング付ワッシャーの中心孔を貫通す
るボルトをナットで締め付け可能とし、締め付け時のナ
ット下面が、上記上盤に当接してナットと取り付け部材
間の摩擦抵抗を最小に止めることにより、その締め付け
トルクを一定化すると同時に、予め上記ナットの締め付
けトルクと軸力の関係を計算上で求め、その数値を専用
のトルクレンチに設定した上、該トルクレンチを使用し
て上記ボルト頭部を回転することにより、所望のボルト
軸力を得るようにした軸力管理式ボルト・ナット。 - 【請求項4】ベアリング付ワッシャーの中心孔を貫通す
るボルトが頭付ボルトである請求項3記載の軸力管理式
ボルト・ナット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12420894A JPH07310718A (ja) | 1994-05-13 | 1994-05-13 | 軸力管理式ボルト・ナット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12420894A JPH07310718A (ja) | 1994-05-13 | 1994-05-13 | 軸力管理式ボルト・ナット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07310718A true JPH07310718A (ja) | 1995-11-28 |
Family
ID=14879674
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12420894A Pending JPH07310718A (ja) | 1994-05-13 | 1994-05-13 | 軸力管理式ボルト・ナット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07310718A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007105343A (ja) * | 2005-10-17 | 2007-04-26 | Dynam Co Ltd | パーラーチェアの着脱機構 |
JP2012062984A (ja) * | 2010-09-17 | 2012-03-29 | Bestma Kk | 低トルクナット |
CN103697042A (zh) * | 2013-10-29 | 2014-04-02 | 彩琪有限公司 | 止推螺帽 |
JP2016089880A (ja) * | 2014-10-30 | 2016-05-23 | 株式会社フジキン | 配管用クランプ及びサニタリー配管の接続構造 |
-
1994
- 1994-05-13 JP JP12420894A patent/JPH07310718A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007105343A (ja) * | 2005-10-17 | 2007-04-26 | Dynam Co Ltd | パーラーチェアの着脱機構 |
JP2012062984A (ja) * | 2010-09-17 | 2012-03-29 | Bestma Kk | 低トルクナット |
CN103697042A (zh) * | 2013-10-29 | 2014-04-02 | 彩琪有限公司 | 止推螺帽 |
JP2016089880A (ja) * | 2014-10-30 | 2016-05-23 | 株式会社フジキン | 配管用クランプ及びサニタリー配管の接続構造 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6524034B2 (en) | Tool tip and tool body assembly | |
US6409189B1 (en) | Suspension arm mounting structure | |
AU2002212271B2 (en) | Chip removing tool | |
US6543855B2 (en) | Cup style spacer for attaching an upper arm to a seat frame forming a part of a seat integrated restraint mechanism | |
US5879119A (en) | Bucket elevator construction bolt | |
EP1581766B1 (en) | Adjustable foot for setting up equipment in alignment | |
JPH07310718A (ja) | 軸力管理式ボルト・ナット | |
US20060102247A1 (en) | Tool holder for supporting a cutting tool | |
JP4293577B2 (ja) | 回転工具用ビット及びドライバー | |
JP3148727B2 (ja) | 回転工具用ビットの製造方法 | |
JPH0510533B2 (ja) | ||
WO2004015285A1 (ja) | 締結部材 | |
JPH02199316A (ja) | 鋸歯形コイルばね座金 | |
JP3095134U (ja) | 戻り止めボルト | |
JPH11200579A (ja) | 手すり本体と取付用ブラケットとの結合構造、および手すり取付用ブラケット | |
WO1998046402A1 (de) | Fräswerkzeug zur bearbeitung von werkstücken aus holz, einem holzwerkstoff, einem kunststoff oder dergleichen | |
JP2001054876A (ja) | 締結部品の締め付けトルク管理用治具 | |
JPH0756472Y2 (ja) | 蝶 番 | |
KR940004919Y1 (ko) | 보울 앤드 밀(Ball end mill) | |
JP2526369Y2 (ja) | 座金付きねじ | |
KR100345180B1 (ko) | 자동선반 주축에서의 스핀들과 풀리 연결구조 | |
JP2511172Y2 (ja) | 蝶 番 | |
CA2282074A1 (en) | Support bearing and process for its manufacture | |
GB2339255A (en) | Locking nut and fastener assembly | |
JPH0611097Y2 (ja) | 耐摩耗性チツプ |