JPH07309746A - システイン誘導体を含有した注射剤 - Google Patents
システイン誘導体を含有した注射剤Info
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- JPH07309746A JPH07309746A JP6231892A JP23189294A JPH07309746A JP H07309746 A JPH07309746 A JP H07309746A JP 6231892 A JP6231892 A JP 6231892A JP 23189294 A JP23189294 A JP 23189294A JP H07309746 A JPH07309746 A JP H07309746A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】血栓形成阻害剤および/または血栓溶解剤とし
て、システイン、システインメチルエステル、システイ
ンエチルエステル、N−アセチル−L(D)−システイ
ン、グルタチオンなどのシステイン誘導体を含有する。
また、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)
などを配合してもよい。 【効果】血栓の形成阻害作用および溶解作用を有し、心
筋梗塞および脳梗塞時の血栓除去と再閉塞の防止に有効
に使用できる。
て、システイン、システインメチルエステル、システイ
ンエチルエステル、N−アセチル−L(D)−システイ
ン、グルタチオンなどのシステイン誘導体を含有する。
また、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)
などを配合してもよい。 【効果】血栓の形成阻害作用および溶解作用を有し、心
筋梗塞および脳梗塞時の血栓除去と再閉塞の防止に有効
に使用できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は心筋梗塞または脳梗塞時
の血栓溶解後の血管の再閉塞を防止し、血栓溶解療法を
より有効に実施するために用いるシステイン誘導体を含
有する注射剤に関する。
の血栓溶解後の血管の再閉塞を防止し、血栓溶解療法を
より有効に実施するために用いるシステイン誘導体を含
有する注射剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】心筋
梗塞や脳梗塞時において血管に生じる血栓を除去するた
め、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)、
ウロキナーゼ等の血栓溶解剤を用いた経皮的冠血管溶解
術(PTCR)や経皮的冠血管拡大術(PTCA)が汎
用されている。この時、血管が開通してもその後に血管
の障害部位で血小板血栓やフィブリン塊が生じることに
よる再閉塞が問題となっている。これを防ぐために抗凝
固剤であるヘパリンや抗血小板剤であるアスピリン、チ
クロピジン等の薬物が用いられているが、効力の面で弱
く、しかも高用量を用いると出血傾向等の副作用をもた
らし、より有効で安全な薬物が求められている。
梗塞や脳梗塞時において血管に生じる血栓を除去するた
め、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)、
ウロキナーゼ等の血栓溶解剤を用いた経皮的冠血管溶解
術(PTCR)や経皮的冠血管拡大術(PTCA)が汎
用されている。この時、血管が開通してもその後に血管
の障害部位で血小板血栓やフィブリン塊が生じることに
よる再閉塞が問題となっている。これを防ぐために抗凝
固剤であるヘパリンや抗血小板剤であるアスピリン、チ
クロピジン等の薬物が用いられているが、効力の面で弱
く、しかも高用量を用いると出血傾向等の副作用をもた
らし、より有効で安全な薬物が求められている。
【0003】
【課題を解決するための手段】含硫アミノ酸であるシス
テインは生体成分であり単独またはグルタチオン等のペ
プチドや蛋白質にふくまれて抗酸化作用を持つことが知
られており、さらに栄養成分であるため大量に投与され
ても蛋白源として利用されるだけで重篤な副作用は生じ
ない。
テインは生体成分であり単独またはグルタチオン等のペ
プチドや蛋白質にふくまれて抗酸化作用を持つことが知
られており、さらに栄養成分であるため大量に投与され
ても蛋白源として利用されるだけで重篤な副作用は生じ
ない。
【0004】本発明者らは、血栓形成モデル動物におい
て、システイン誘導体の作用を研究していたところ、驚
くべきことにシステイン誘導体単独で、血栓の形成阻害
作用とともに生じた血栓の溶解作用を示すこと、また、
tPAと併用することでその後の再閉塞までの時間が有
意に延長されtPAの血栓溶解作用をより効果的に発揮
出来ることが分かり、本発明を完成するに至った。上記
課題は以下の本発明により解決される。
て、システイン誘導体の作用を研究していたところ、驚
くべきことにシステイン誘導体単独で、血栓の形成阻害
作用とともに生じた血栓の溶解作用を示すこと、また、
tPAと併用することでその後の再閉塞までの時間が有
意に延長されtPAの血栓溶解作用をより効果的に発揮
出来ることが分かり、本発明を完成するに至った。上記
課題は以下の本発明により解決される。
【0005】(1) 血栓形成阻害剤および/または血
栓溶解剤としてシステイン誘導体を含有する注射剤。
栓溶解剤としてシステイン誘導体を含有する注射剤。
【0006】(2) 前記システイン誘導体が、システ
イン、システインメチルエステル、システインエチルエ
ステル、N−アセチル−L(D)−システイン、グルタ
チオンからなる群の少なくとも一つである上記(1)に
記載の注射剤。
イン、システインメチルエステル、システインエチルエ
ステル、N−アセチル−L(D)−システイン、グルタ
チオンからなる群の少なくとも一つである上記(1)に
記載の注射剤。
【0007】(3) 前記システイン誘導体以外の血栓
溶解剤および/または血液抗凝固剤と、前記システイン
誘導体を含有する上記(1)乃至(2)に記載の注射
剤。
溶解剤および/または血液抗凝固剤と、前記システイン
誘導体を含有する上記(1)乃至(2)に記載の注射
剤。
【0008】(4) 前記システイン誘導体以外の血栓
溶解剤が組織プラスミノーゲンアクチベーターである上
記(1)乃至(3)に記載の注射剤。
溶解剤が組織プラスミノーゲンアクチベーターである上
記(1)乃至(3)に記載の注射剤。
【0009】本発明においてシステイン誘導体は血栓形
成阻害剤および/または血栓溶解剤として用いられ、単
独または他の血栓溶解剤および/または血液抗凝固剤と
併用し、心筋梗塞または脳梗塞時の血栓除去と再閉塞の
防止に有効である。
成阻害剤および/または血栓溶解剤として用いられ、単
独または他の血栓溶解剤および/または血液抗凝固剤と
併用し、心筋梗塞または脳梗塞時の血栓除去と再閉塞の
防止に有効である。
【0010】本発明のシステイン誘導体としては、シス
テイン、システインのエステル誘導体、アセチル誘導体
またはその他の各種誘導体など何ら限定することなく用
いることができる。また、これらを場合により、塩酸
塩、硫酸塩等の塩として用いてもよい。
テイン、システインのエステル誘導体、アセチル誘導体
またはその他の各種誘導体など何ら限定することなく用
いることができる。また、これらを場合により、塩酸
塩、硫酸塩等の塩として用いてもよい。
【0011】具体的にはL−システイン塩酸塩、DL−
システイン塩酸モノハイドレイト、L−システインメチ
ルエステル塩酸、L−システインエチルエステル塩酸、
N−アセチル−L−システイン、グルタチオンが挙げら
れる。
システイン塩酸モノハイドレイト、L−システインメチ
ルエステル塩酸、L−システインエチルエステル塩酸、
N−アセチル−L−システイン、グルタチオンが挙げら
れる。
【0012】本発明においてシステイン誘導体の含有量
は、1.0〜200mg/ml、より好ましくは10〜100
mg/ml含有される。1.0mg/ml以下であると生じた血栓
の溶解作用が期待できい。
は、1.0〜200mg/ml、より好ましくは10〜100
mg/ml含有される。1.0mg/ml以下であると生じた血栓
の溶解作用が期待できい。
【0013】本発明において、上記のシステイン誘導体
とtPAを併用すると、その後の再閉塞までの時間が有
意に延長され血栓溶解作用および血栓形成阻害作用をよ
り効果的にする。
とtPAを併用すると、その後の再閉塞までの時間が有
意に延長され血栓溶解作用および血栓形成阻害作用をよ
り効果的にする。
【0014】また本発明において、他の血栓溶解剤とし
てウロキナーゼ,ストレプトキナーゼ,プラスミノーゲ
ンプロアクチベーターなども含有できる。さらに、血液
抗凝固剤として、ヘパリン,クエン酸ナトリウム,エチ
レンジアミン四酢酸2ナトリウム塩(EDTA−2N
a),エチレンジアミン四酢酸2カリウム塩(EDTA
−2K),エチレンジアミン四酢酸3カリウム塩(ED
TA−3K)などを配合してもよい。
てウロキナーゼ,ストレプトキナーゼ,プラスミノーゲ
ンプロアクチベーターなども含有できる。さらに、血液
抗凝固剤として、ヘパリン,クエン酸ナトリウム,エチ
レンジアミン四酢酸2ナトリウム塩(EDTA−2N
a),エチレンジアミン四酢酸2カリウム塩(EDTA
−2K),エチレンジアミン四酢酸3カリウム塩(ED
TA−3K)などを配合してもよい。
【0015】本発明において、システイン誘導体および
他の血栓溶解剤および/または血液抗凝固剤は溶液とし
て用いられ、その溶媒としては、蒸留水、生理食塩水等
が挙げられるが何ら限定されない。また、システイン誘
導体および他の血栓溶解剤および/または血液抗凝固剤
は一剤として用いてもよいが、それぞれを別々に投与し
ても構わない。
他の血栓溶解剤および/または血液抗凝固剤は溶液とし
て用いられ、その溶媒としては、蒸留水、生理食塩水等
が挙げられるが何ら限定されない。また、システイン誘
導体および他の血栓溶解剤および/または血液抗凝固剤
は一剤として用いてもよいが、それぞれを別々に投与し
ても構わない。
【0016】本発明の注射剤の製造方法は特に限定され
ず、常法に従ってシステイン誘導体と必要な他の血栓溶
解剤および/または血液抗凝固剤を上記の溶媒に溶解さ
せればよい。また、出来た注射剤は、軟質プラスチック
樹脂からなる袋状容器、ガラス,硬質プラスチック樹脂
からなるバイアル,シリンジ等に収納される。
ず、常法に従ってシステイン誘導体と必要な他の血栓溶
解剤および/または血液抗凝固剤を上記の溶媒に溶解さ
せればよい。また、出来た注射剤は、軟質プラスチック
樹脂からなる袋状容器、ガラス,硬質プラスチック樹脂
からなるバイアル,シリンジ等に収納される。
【0017】次に本発明のシステイン誘導体を含有する
注射剤およびその使用方法を具体的に説明する。
注射剤およびその使用方法を具体的に説明する。
【0018】システイン誘導体は予め脱酸素化された蒸
留水に溶解し、フィルターで不溶物を除去した後ガラス
バイアルに分注し窒素雰囲気下に封入する。投与につい
てはPTCAの際は心臓または脳血管の栓塞部位にカテ
ーテルが挿入されているので、tPA,ウロキナーゼを
投与した後、直ちにシステイン誘導体溶液を持続投与す
る。
留水に溶解し、フィルターで不溶物を除去した後ガラス
バイアルに分注し窒素雰囲気下に封入する。投与につい
てはPTCAの際は心臓または脳血管の栓塞部位にカテ
ーテルが挿入されているので、tPA,ウロキナーゼを
投与した後、直ちにシステイン誘導体溶液を持続投与す
る。
【0019】投与する際の濃度は、症状の程度によって
異なるが、1〜200mg/ml、より好ましくは10〜1
00mg/mlとなるよう生理的食塩液で希釈する。または
直接tPA、ウロキナーゼ溶液に混注し投与してもよ
い。血栓溶解療法後やPTCA後では静脈内へ持続的に
投与する。この場合、微量を持続的に注入できるシリン
ジポンプを用いるか、体液の水、電解質補正のための輸
液が行われておれば、この輸液剤中に混入させることが
出来る。
異なるが、1〜200mg/ml、より好ましくは10〜1
00mg/mlとなるよう生理的食塩液で希釈する。または
直接tPA、ウロキナーゼ溶液に混注し投与してもよ
い。血栓溶解療法後やPTCA後では静脈内へ持続的に
投与する。この場合、微量を持続的に注入できるシリン
ジポンプを用いるか、体液の水、電解質補正のための輸
液が行われておれば、この輸液剤中に混入させることが
出来る。
【0020】
【実施例】次に実施例を示し本発明を更に詳細に説明す
る。
る。
【0021】(実施例1)モルモット(Hartley、雄
性、体重450〜600g)にペントバルビタールで麻
酔後、総頸動脈を露出させた。これに血流測定のための
プローブを装着し、超音波血流測定器(アドバンス社)
に接続した。また大腿静脈に薬物投与のためのカニュー
レを留置した。プローブ装着部位より中枢側に単色光
(波長540nm、500,000 lux)を照射(光照射
装置、浜松ホロニクス社)して、血流の安定後、大腿静
脈より色素ローズベンガル(和光純薬、10mg/kg)を
投与し、投与から閉塞までの血流変化並びに閉塞時間を
測定した。
性、体重450〜600g)にペントバルビタールで麻
酔後、総頸動脈を露出させた。これに血流測定のための
プローブを装着し、超音波血流測定器(アドバンス社)
に接続した。また大腿静脈に薬物投与のためのカニュー
レを留置した。プローブ装着部位より中枢側に単色光
(波長540nm、500,000 lux)を照射(光照射
装置、浜松ホロニクス社)して、血流の安定後、大腿静
脈より色素ローズベンガル(和光純薬、10mg/kg)を
投与し、投与から閉塞までの血流変化並びに閉塞時間を
測定した。
【0022】システイン溶液はL−システイン塩酸塩
(ナカライラスク社)を脱酸素化した蒸留水10mlに溶
解し、フィルター(ポアサイズ0.2μm,ミリポア社)
で除菌後、滅菌したガラスバイアルに分注し窒素雰囲気
下に封入した。それを、投与時に生理的食塩水で希釈し
てシステイン濃度100mg/mlの注射剤を得た。ローズ
ベンガルを投与後直ちにシステイン溶液及びシステイン
を含有しない生理食塩水各2mlを20分間シリンジポン
プにより持続注入した。図1に示すように、システイン
を投与しない場合は、10〜15分で血流が停止し、こ
の部位の走査型電子顕微鏡による観察においても血栓塊
の形成が確認できた。
(ナカライラスク社)を脱酸素化した蒸留水10mlに溶
解し、フィルター(ポアサイズ0.2μm,ミリポア社)
で除菌後、滅菌したガラスバイアルに分注し窒素雰囲気
下に封入した。それを、投与時に生理的食塩水で希釈し
てシステイン濃度100mg/mlの注射剤を得た。ローズ
ベンガルを投与後直ちにシステイン溶液及びシステイン
を含有しない生理食塩水各2mlを20分間シリンジポン
プにより持続注入した。図1に示すように、システイン
を投与しない場合は、10〜15分で血流が停止し、こ
の部位の走査型電子顕微鏡による観察においても血栓塊
の形成が確認できた。
【0023】一方、システインを投与した場合は図2に
示すように血流の低下は生じず、走査型電子顕微鏡によ
る観察においても内皮細胞の破壊や血栓形成は見られな
かった。
示すように血流の低下は生じず、走査型電子顕微鏡によ
る観察においても内皮細胞の破壊や血栓形成は見られな
かった。
【0024】ローズベンガルを投与し血流が停止した直
後にシステイン濃度100mg/mlの注射剤1mlを投与し
た場合は、その後血流の再開通がみられ、血流は2時間
以上持続した。
後にシステイン濃度100mg/mlの注射剤1mlを投与し
た場合は、その後血流の再開通がみられ、血流は2時間
以上持続した。
【0025】(実施例2)ラット(SD,雄性、体重2
70〜400g)に実施例1と同様に総頸動脈にプロー
ブを装着した。血栓形成は20%硝酸銀溶液5ulを血管
の外側に滴下することで作成した。何も投与しない場合
は、図3に示す通り12〜18分で血流の停止と走査型
電子顕微鏡による観察において血栓の形成が見られた
が、血流停止3分後にシステイン濃度100mg/mlの注
射剤1mlを投与した場合は、図4に示す通りその後血流
の再開通がみられ血流は持続し、走査型電子顕微鏡によ
る観察においても内皮細胞の破壊や血栓形成は見られな
かった。
70〜400g)に実施例1と同様に総頸動脈にプロー
ブを装着した。血栓形成は20%硝酸銀溶液5ulを血管
の外側に滴下することで作成した。何も投与しない場合
は、図3に示す通り12〜18分で血流の停止と走査型
電子顕微鏡による観察において血栓の形成が見られた
が、血流停止3分後にシステイン濃度100mg/mlの注
射剤1mlを投与した場合は、図4に示す通りその後血流
の再開通がみられ血流は持続し、走査型電子顕微鏡によ
る観察においても内皮細胞の破壊や血栓形成は見られな
かった。
【0026】(実施例3)モルモット(Hartley、雄
性、体重450〜600g)を実施例1と同様に総頸動
脈にプローブを装着し光照射下でローズベンガルを投与
した。血流停止5分後にtPA(商品名;アクチバシ
ン、協和発酵)を投与し血流変化を120分間測定し
た。tPAのみの投与の場合は血流の開通後平均23分
で一時的な再閉塞が生じたが、システイン濃度100mg
/mlの注射剤2mlを投与した場合は、その後平均88分
間血流は持続した。また同じ量のシステインとtPAを
一剤として用いて投与した結果、同様な安定した血流を
示した。
性、体重450〜600g)を実施例1と同様に総頸動
脈にプローブを装着し光照射下でローズベンガルを投与
した。血流停止5分後にtPA(商品名;アクチバシ
ン、協和発酵)を投与し血流変化を120分間測定し
た。tPAのみの投与の場合は血流の開通後平均23分
で一時的な再閉塞が生じたが、システイン濃度100mg
/mlの注射剤2mlを投与した場合は、その後平均88分
間血流は持続した。また同じ量のシステインとtPAを
一剤として用いて投与した結果、同様な安定した血流を
示した。
【0027】(実施例4)システインの血栓溶解作用を
以下のように検討した。フィブリノーゲン濃度1.25m
g/mlの溶液2mlに、0.5U/mlのトロンビンを添加し良
く撹拌した後、DL−システイン塩酸モノハイドレイト
0.06mg/mlを添加した。分光光度計(U−2000ス
ペクトロスコピー)により、得られた溶液の波長500
nm領域での吸光度の時間変化の測定を行った。なお、フ
ィブリノーゲンにはウシ[Bovine]フィブリノーゲン(シ
グマ社)をSDS−ポリアクリルアミドゲルで分けたタ
イプ1−Sを用いた。
以下のように検討した。フィブリノーゲン濃度1.25m
g/mlの溶液2mlに、0.5U/mlのトロンビンを添加し良
く撹拌した後、DL−システイン塩酸モノハイドレイト
0.06mg/mlを添加した。分光光度計(U−2000ス
ペクトロスコピー)により、得られた溶液の波長500
nm領域での吸光度の時間変化の測定を行った。なお、フ
ィブリノーゲンにはウシ[Bovine]フィブリノーゲン(シ
グマ社)をSDS−ポリアクリルアミドゲルで分けたタ
イプ1−Sを用いた。
【0028】結果を図5に示す。結果よりDL−システ
イン塩酸モノハイドレイトを添加した溶液(A線)で
は、システイン誘導体無添加の溶液(D線)と比較して
吸光度が著しく小さく、つまり、DL−システイン塩酸
モノハイドレイトはフィブリノーゲンのフィブリンポリ
マー変化を抑制していることが分かった。
イン塩酸モノハイドレイトを添加した溶液(A線)で
は、システイン誘導体無添加の溶液(D線)と比較して
吸光度が著しく小さく、つまり、DL−システイン塩酸
モノハイドレイトはフィブリノーゲンのフィブリンポリ
マー変化を抑制していることが分かった。
【0029】また、DL−システイン塩酸モノハイドレ
イトを0.015mg/ml(B線)及び0.03mg/ml(C
線)添加した溶液についても全く同様な試験を行い血栓
溶解作用を検討した。結果よりDL−システイン塩酸モ
ノハイドレイトのフィブリノーゲンのフィブリンポリマ
ーへの変換抑制作用は、濃度に依存して高くなることが
分かった。
イトを0.015mg/ml(B線)及び0.03mg/ml(C
線)添加した溶液についても全く同様な試験を行い血栓
溶解作用を検討した。結果よりDL−システイン塩酸モ
ノハイドレイトのフィブリノーゲンのフィブリンポリマ
ーへの変換抑制作用は、濃度に依存して高くなることが
分かった。
【0030】(実施例5)実施例4のDL−システイン
塩酸モノハイドレイトと、その替わりとしてL−システ
インメチルエステル塩酸、L−システインエチルエステ
ル塩酸、N−アセチル−L−システイン、グルタチオン
を用いて、実施例4と同様な試験を行った。各システイ
ン誘導体について、血栓溶解効果を示す最小有効濃度を
表1に示した。
塩酸モノハイドレイトと、その替わりとしてL−システ
インメチルエステル塩酸、L−システインエチルエステ
ル塩酸、N−アセチル−L−システイン、グルタチオン
を用いて、実施例4と同様な試験を行った。各システイ
ン誘導体について、血栓溶解効果を示す最小有効濃度を
表1に示した。
【0031】
【表1】
【0032】結果が示す通り各システイン誘導体は、非
常に低用量で優れた血栓溶解効果を示した。
常に低用量で優れた血栓溶解効果を示した。
【0033】
【発明の効果】上述した通り、本発明のシステイン誘導
体を含有する注射剤は血栓の形成阻害作用とともに生じ
た血栓の溶解作用を有し、心筋梗塞または脳梗塞時の血
栓除去と再閉塞の防止が可能である。また、tPAと併
用することでその後の再閉塞までの時間が有意に延長さ
れ血栓溶解作用をより効果的に発揮出来る。
体を含有する注射剤は血栓の形成阻害作用とともに生じ
た血栓の溶解作用を有し、心筋梗塞または脳梗塞時の血
栓除去と再閉塞の防止が可能である。また、tPAと併
用することでその後の再閉塞までの時間が有意に延長さ
れ血栓溶解作用をより効果的に発揮出来る。
【図1】ローズベンガルを投与後にシステインを含有し
ない生理食塩水を投与した時のモルモットの総頸動脈の
血流測定の結果を示す。
ない生理食塩水を投与した時のモルモットの総頸動脈の
血流測定の結果を示す。
【図2】ローズベンガルを投与後にシステインを含有し
た注射剤を投与した時のモルモットの総頸動脈の血流測
定の結果を示す。
た注射剤を投与した時のモルモットの総頸動脈の血流測
定の結果を示す。
【図3】20%硝酸銀溶液を血管の外側に滴下し血栓を
形成させた後、何も投与しなかった時のラットの総頸動
脈の血流測定の結果を示す。
形成させた後、何も投与しなかった時のラットの総頸動
脈の血流測定の結果を示す。
【図4】20%硝酸銀溶液を血管の外側に滴下し血栓を
形成させた後、システインを含有した注射剤を投与した
時のラットの総頸動脈の血流測定の結果を示す。
形成させた後、システインを含有した注射剤を投与した
時のラットの総頸動脈の血流測定の結果を示す。
【図5】トロンビンを添加した後システインを添加した
フィブリノーゲン溶液の波長500nm領域での吸光度の
時間変化を示す。
フィブリノーゲン溶液の波長500nm領域での吸光度の
時間変化を示す。
Claims (4)
- 【請求項1】血栓形成阻害剤および/または血栓溶解剤
としてシステイン誘導体を含有する注射剤。 - 【請求項2】前記システイン誘導体が、システイン、シ
ステインメチルエステル、システインエチルエステル、
N−アセチル−L(D)−システイン、グルタチオンか
らなる群の少なくとも一つである請求項1に記載の注射
剤。 - 【請求項3】前記システイン誘導体以外の血栓溶解剤お
よび/または血液抗凝固剤と、前記システイン誘導体を
含有する請求項1乃至2に記載の注射剤。 - 【請求項4】前記システイン誘導体以外の血栓溶解剤が
組織プラスミノーゲンアクチベーターである請求項1乃
至3に記載の注射剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6231892A JPH07309746A (ja) | 1994-03-22 | 1994-09-27 | システイン誘導体を含有した注射剤 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7649194 | 1994-03-22 | ||
JP6-76491 | 1994-03-22 | ||
JP6231892A JPH07309746A (ja) | 1994-03-22 | 1994-09-27 | システイン誘導体を含有した注射剤 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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AU2011202871B2 (en) * | 2005-08-24 | 2014-06-12 | Cumberland Pharmaceuticals Inc. | Acetylcysteine composition and uses therefor |
JP2018135287A (ja) * | 2017-02-21 | 2018-08-30 | 株式会社アミンファーマ研究所 | 脳血管障害および/または認知症の予防、治療および/または症状進展抑制剤 |
WO2022067248A1 (en) * | 2020-09-28 | 2022-03-31 | Georgia Tech Research Corporation | Use of cystine and derivatives thereof as anti-thrombotic and thrombolytic agents |
-
1994
- 1994-09-27 JP JP6231892A patent/JPH07309746A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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