JPH07308573A - 大気汚染物質処理剤 - Google Patents
大気汚染物質処理剤Info
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- JPH07308573A JPH07308573A JP6102979A JP10297994A JPH07308573A JP H07308573 A JPH07308573 A JP H07308573A JP 6102979 A JP6102979 A JP 6102979A JP 10297994 A JP10297994 A JP 10297994A JP H07308573 A JPH07308573 A JP H07308573A
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- spinel
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 大気中に含まれる大気汚染物質処理剤の提
供。 【構成】 スピネル型結晶構造の二酸化マンガンおよび
/あるいは水素化マンガン酸化物が、マンガン、酸素の
他に、マンガン以外の金属を本質的構成成分として含
み、かつ、マンガンの酸化数が+3 および/または+4
であるスピネル型の金属・マンガン複合酸化物の、金属
イオンの一部または全部を水素イオンで除去または交換
して得られたものを活性成分として含む大気汚染物質処
理剤。 【効果】 汚染物質であるいおう酸化物、窒素酸化物、
オキシダント類を、吸着(あるいは分解)、除去ならび
に後続の工程で容易に除去し得る化合物に酸化してから
放出させることができる。
供。 【構成】 スピネル型結晶構造の二酸化マンガンおよび
/あるいは水素化マンガン酸化物が、マンガン、酸素の
他に、マンガン以外の金属を本質的構成成分として含
み、かつ、マンガンの酸化数が+3 および/または+4
であるスピネル型の金属・マンガン複合酸化物の、金属
イオンの一部または全部を水素イオンで除去または交換
して得られたものを活性成分として含む大気汚染物質処
理剤。 【効果】 汚染物質であるいおう酸化物、窒素酸化物、
オキシダント類を、吸着(あるいは分解)、除去ならび
に後続の工程で容易に除去し得る化合物に酸化してから
放出させることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大気汚染物質処理剤に
関し、不特定多数あるいは特定の機器・設備類から発生
して大気中に含まれるいおう酸化物、窒素酸化物および
オキシダント類などの大気汚染物質を、効果的に吸着除
去するか、他の除去手段によって容易に除去できる物質
に変換してから放出するか、あるいは、それらを同時に
進行させる物質に関するもので、大気環境の悪い地域に
おける屋内空間、汚染物質発生源からの換気ガスなどを
清浄化し、健康障害の予防や構造物等の腐食防止に活用
できる大気汚染物質処理剤に関するものである。
関し、不特定多数あるいは特定の機器・設備類から発生
して大気中に含まれるいおう酸化物、窒素酸化物および
オキシダント類などの大気汚染物質を、効果的に吸着除
去するか、他の除去手段によって容易に除去できる物質
に変換してから放出するか、あるいは、それらを同時に
進行させる物質に関するもので、大気環境の悪い地域に
おける屋内空間、汚染物質発生源からの換気ガスなどを
清浄化し、健康障害の予防や構造物等の腐食防止に活用
できる大気汚染物質処理剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、汚染空気の浄化には活性炭フィル
タが多用されている(炭素材料学会編、活性炭−基礎と
応用−、6.2.3 項、講談社、(1975)参照)。また、大気
汚染物質には、発生限が広範囲にわたる代表的なものと
して、いおう酸化物(二酸化いおう等)、窒素酸化物
(一酸化窒素、二酸化窒素)およびオキシダント類(オ
ゾン等)が挙げられる。
タが多用されている(炭素材料学会編、活性炭−基礎と
応用−、6.2.3 項、講談社、(1975)参照)。また、大気
汚染物質には、発生限が広範囲にわたる代表的なものと
して、いおう酸化物(二酸化いおう等)、窒素酸化物
(一酸化窒素、二酸化窒素)およびオキシダント類(オ
ゾン等)が挙げられる。
【0003】これらの中で、吸着性および反応性の低い
一酸化窒素を除くと、各対象物質に適した活性炭(例え
ば薬剤添着等の処理を行なったもの)によって除去する
ことが出来る。また、窒素酸化物の大部分を占める一酸
化窒素を除去するために、各種酸化剤(オゾン、過マン
ガン酸塩や亜塩素酸塩など)によって、予め二酸化窒素
に酸化してから活性炭等の吸着剤によって除去する方法
が考えられている。
一酸化窒素を除くと、各対象物質に適した活性炭(例え
ば薬剤添着等の処理を行なったもの)によって除去する
ことが出来る。また、窒素酸化物の大部分を占める一酸
化窒素を除去するために、各種酸化剤(オゾン、過マン
ガン酸塩や亜塩素酸塩など)によって、予め二酸化窒素
に酸化してから活性炭等の吸着剤によって除去する方法
が考えられている。
【0004】例えば、本発明者の一部は、一酸化窒素を
効果的に吸着する活性炭を提案している(特願平3-3523
41号、)。また、本発明者の一部は、水素を本質的構成
成分として含むスピネル型結晶構造の水素化マンガン酸
化物であってマンガンの平均価数が 3.5を超えるものが
一酸化窒素除去剤として高活性であることを見出した
(特開平5-253474号公報)。
効果的に吸着する活性炭を提案している(特願平3-3523
41号、)。また、本発明者の一部は、水素を本質的構成
成分として含むスピネル型結晶構造の水素化マンガン酸
化物であってマンガンの平均価数が 3.5を超えるものが
一酸化窒素除去剤として高活性であることを見出した
(特開平5-253474号公報)。
【0005】この除去剤は、具体的にはLi1.33Mn1.67O4
のリチウムイオンの一部または全部を水素イオンで置換
したLi(1.33-X)H X Mn1.67O4 ( 0<X ≦1.33) を、好ま
しくは60質量%以上含み、かつ Xが好ましくは0.9 以
上、より好ましくは1.2 以上である酸化物であり、一酸
化窒素の一部を吸着し、一部を二酸化窒素に酸化してか
ら放出する特性を有している。
のリチウムイオンの一部または全部を水素イオンで置換
したLi(1.33-X)H X Mn1.67O4 ( 0<X ≦1.33) を、好ま
しくは60質量%以上含み、かつ Xが好ましくは0.9 以
上、より好ましくは1.2 以上である酸化物であり、一酸
化窒素の一部を吸着し、一部を二酸化窒素に酸化してか
ら放出する特性を有している。
【0006】実用的には、予め処理空気を除湿しておく
場合には一酸化窒素吸着剤として、また、除湿しないで
処理する場合には後流に二酸化窒素吸着剤を設けること
によって、一酸化窒素を効果的に除去することが出来る
(特願平4-252872号)。
場合には一酸化窒素吸着剤として、また、除湿しないで
処理する場合には後流に二酸化窒素吸着剤を設けること
によって、一酸化窒素を効果的に除去することが出来る
(特願平4-252872号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】大気汚染が進む中で種
々の有害成分を総合的に除去することが、健康障害の防
止や構造物等の腐食防止に重要となりつつある。活性炭
で複数の除去有害対象成分を総合的かつ効果的に処理す
る場合には、それぞれの対象に適した各種活性炭を組み
合わせて使用する必要があるほか、一酸化窒素のよう
に、必ずしも効果的な除去を期待できない対象もある。
オゾン等の酸化剤を用いて二酸化窒素に酸化してから除
去する方法は、その実際的な効率の他に、余剰オゾンの
除去や、使用済み酸化剤の廃棄などの問題がある。
々の有害成分を総合的に除去することが、健康障害の防
止や構造物等の腐食防止に重要となりつつある。活性炭
で複数の除去有害対象成分を総合的かつ効果的に処理す
る場合には、それぞれの対象に適した各種活性炭を組み
合わせて使用する必要があるほか、一酸化窒素のよう
に、必ずしも効果的な除去を期待できない対象もある。
オゾン等の酸化剤を用いて二酸化窒素に酸化してから除
去する方法は、その実際的な効率の他に、余剰オゾンの
除去や、使用済み酸化剤の廃棄などの問題がある。
【0008】すでに、一酸化窒素吸着用の活性炭が特願
平3-352341号で提案されているが、その吸着容量は長期
間にわたって吸着を続けさせることができるほどではな
く、定期的に再生を繰り返して使用することが前提とな
る。したがって、設置場所の制約などのために、現地で
の再生を行なえない場合には実用的でない。
平3-352341号で提案されているが、その吸着容量は長期
間にわたって吸着を続けさせることができるほどではな
く、定期的に再生を繰り返して使用することが前提とな
る。したがって、設置場所の制約などのために、現地で
の再生を行なえない場合には実用的でない。
【0009】また、特開平5-253474号公報に提案された
一酸化窒素除去剤は、スピネル型結晶構造を有するマン
ガン酸化物の一部に限定したものであるが、それ以外の
構成をとる化合物の適否には触れられておらず、窒素酸
化物以外の成分の処理可能性にも触れられていない。
一酸化窒素除去剤は、スピネル型結晶構造を有するマン
ガン酸化物の一部に限定したものであるが、それ以外の
構成をとる化合物の適否には触れられておらず、窒素酸
化物以外の成分の処理可能性にも触れられていない。
【0010】本発明は前記従来の問題点を解消し、より
広範囲に、大気汚染物質を処理できる大気汚染物質処理
剤を提供することを目的としている。
広範囲に、大気汚染物質を処理できる大気汚染物質処理
剤を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、活性成分と
して、スピネル型結晶構造の二酸化マンガン、あるいは
マンガンおよび酸素の他に水素を本質的構成成分として
含む、スピネル型水素化マンガン酸化物のうち少なくと
も一方を含むものが、大気汚染物質の処理特性を向上さ
せるという知見を得て、本発明を完成するに至ったもの
である。
め、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、活性成分と
して、スピネル型結晶構造の二酸化マンガン、あるいは
マンガンおよび酸素の他に水素を本質的構成成分として
含む、スピネル型水素化マンガン酸化物のうち少なくと
も一方を含むものが、大気汚染物質の処理特性を向上さ
せるという知見を得て、本発明を完成するに至ったもの
である。
【0012】すなわち、上記知見に基づいた本発明は、
スピネル型結晶構造の二酸化マンガンおよび/あるいは
水素化マンガン酸化物が、マンガン、酸素の他に、マン
ガン以外の金属を本質的構成成分として含み、かつ、マ
ンガンの酸化数が+3 および/または+4 であるスピネ
ル型の金属・マンガン複合酸化物の、金属イオンの一部
または全部を水素イオンで除去または交換して得られた
ものを活性成分として含むことを特徴とする大気汚染物
質処理剤を要旨としている。その金属には、リチウム、
マグネシウムあるいは鉄を用いる。また、本処理剤は、
いおう酸化物、窒素酸化物、オキシダント類の少なくと
も1種を含む被処理ガスに適用することができる。
スピネル型結晶構造の二酸化マンガンおよび/あるいは
水素化マンガン酸化物が、マンガン、酸素の他に、マン
ガン以外の金属を本質的構成成分として含み、かつ、マ
ンガンの酸化数が+3 および/または+4 であるスピネ
ル型の金属・マンガン複合酸化物の、金属イオンの一部
または全部を水素イオンで除去または交換して得られた
ものを活性成分として含むことを特徴とする大気汚染物
質処理剤を要旨としている。その金属には、リチウム、
マグネシウムあるいは鉄を用いる。また、本処理剤は、
いおう酸化物、窒素酸化物、オキシダント類の少なくと
も1種を含む被処理ガスに適用することができる。
【0013】
【作用】本発明の構成と作用を説明する。本発明に係る
スピネル型結晶構造を有する代表的な複合マンガン酸化
物は、リチウムを含む化合物であり、この中には、マン
ガンが+3.5 価(酸化数が+3 と+4 のマンガンが等量
混在している)のLiMn2O4 と+4 価のLi1.33Mn1.67O4が
ある。
スピネル型結晶構造を有する代表的な複合マンガン酸化
物は、リチウムを含む化合物であり、この中には、マン
ガンが+3.5 価(酸化数が+3 と+4 のマンガンが等量
混在している)のLiMn2O4 と+4 価のLi1.33Mn1.67O4が
ある。
【0014】これらは、例えば炭酸マンガンと炭酸リチ
ウムの粉末混合物を数百℃で焼成することによって得ら
れるが、両炭酸塩の混合比を調整することによって、両
複合酸化物がさまざまな割合で固溶した酸化物が得られ
る。LiMn2O4 は、結晶格子のMnサイトの1/6 までをLiで
置換することができ、その結果としてマンガンの酸化数
が次第に+4 まで上昇していく。すなわち、マンガンの
平均酸化数が+3.5 を上回るにつれて、LiMn2O4 の中に
Li1.33Mn1.67O4が次第に生成してくると考えられる。
ウムの粉末混合物を数百℃で焼成することによって得ら
れるが、両炭酸塩の混合比を調整することによって、両
複合酸化物がさまざまな割合で固溶した酸化物が得られ
る。LiMn2O4 は、結晶格子のMnサイトの1/6 までをLiで
置換することができ、その結果としてマンガンの酸化数
が次第に+4 まで上昇していく。すなわち、マンガンの
平均酸化数が+3.5 を上回るにつれて、LiMn2O4 の中に
Li1.33Mn1.67O4が次第に生成してくると考えられる。
【0015】両酸化物は、酸処理によりリチウムを溶出
させることができるが、その挙動は異なっている。LiMn
2O4 は、酸に可溶な酸化数+3 のマンガンを含むため不
均化反応を起こし、一部は+2 価のマンガンイオンとし
て溶出するとともに、残余は非溶解性の+4 価のスピネ
ル構造の二酸化マンガンになる。+4 価のマンガンのみ
からなるLi1.33Mn1.67O4ではマンガンの溶解はなく、ス
ピネル構造を保ったままリチウムイオンが水素イオンに
順次置換していく。したがって、Li(1.33-X)H X Mn1.67O
4 (X:0-1.33) が一般的な化学式となる。
させることができるが、その挙動は異なっている。LiMn
2O4 は、酸に可溶な酸化数+3 のマンガンを含むため不
均化反応を起こし、一部は+2 価のマンガンイオンとし
て溶出するとともに、残余は非溶解性の+4 価のスピネ
ル構造の二酸化マンガンになる。+4 価のマンガンのみ
からなるLi1.33Mn1.67O4ではマンガンの溶解はなく、ス
ピネル構造を保ったままリチウムイオンが水素イオンに
順次置換していく。したがって、Li(1.33-X)H X Mn1.67O
4 (X:0-1.33) が一般的な化学式となる。
【0016】リチウム以外の金属でも、+3 価および/
または+4 価のマンガンイオンを含むスピネル型の金属
・マンガン複合酸化物をつくる。例えば、マグネシウム
や鉄は、MgMn2O4 、FeMn2O4 のように酸化数+3 の、Mg
2MnO4 のように酸化数+4 のマンガンイオンを含む化合
物をつくるので、それぞれ酸に対して前述と同様の反応
を起こす。
または+4 価のマンガンイオンを含むスピネル型の金属
・マンガン複合酸化物をつくる。例えば、マグネシウム
や鉄は、MgMn2O4 、FeMn2O4 のように酸化数+3 の、Mg
2MnO4 のように酸化数+4 のマンガンイオンを含む化合
物をつくるので、それぞれ酸に対して前述と同様の反応
を起こす。
【0017】本発明者らは、マンガン酸化物が酸化等に
対して高い反応性を示す場合が多いことから、一酸化窒
素に対する吸着性をおよび反応性を調べ、スピネル構造
のH1 .33Mn1.67O4 が優れた性能を示すこと、さらに未置
換のリチウムイオンを残したLi(1.33-X)H X Mn1.67O4
(X:0-1.33) が、完全置換体よりも相対的には劣るもの
の、従来からのマンガン酸化物に比べると優れているこ
とを見出して特開平5-253474号公報を提案するに至った
が、この提案をさらに研究し、より多くのスピネル型マ
ンガン酸化物が、より多種類の大気汚染物質成分の除去
あるいは除去のための前処理反応に用い得ることを確認
した。
対して高い反応性を示す場合が多いことから、一酸化窒
素に対する吸着性をおよび反応性を調べ、スピネル構造
のH1 .33Mn1.67O4 が優れた性能を示すこと、さらに未置
換のリチウムイオンを残したLi(1.33-X)H X Mn1.67O4
(X:0-1.33) が、完全置換体よりも相対的には劣るもの
の、従来からのマンガン酸化物に比べると優れているこ
とを見出して特開平5-253474号公報を提案するに至った
が、この提案をさらに研究し、より多くのスピネル型マ
ンガン酸化物が、より多種類の大気汚染物質成分の除去
あるいは除去のための前処理反応に用い得ることを確認
した。
【0018】多種類のスピネル型マンガン酸化物とは、
+3 価のマンガンイオンを含むスピネル型複合酸化物XM
n2O4(X:Li、Mg、Feなど)の酸処理によって、金属 Xの
イオンの一部または全部の溶出を伴って合成される、一
般にλ-MnO2 とされる二酸化マンガンと、+4 価のマン
ガンイオンを含むスピネル型複合酸化物Li1.33Mn1.67O4
やXMn2O4(X:Mgなど)の酸処理によって合成される、金
属イオンの一部または全部が水素イオンに交換された化
合物の少なくとも一種である。複合酸化物をつくる金属
は、これらに限られることはないが、前記の金属を原料
にすれば簡単にマンガン酸化物を製造でき、価格、後処
理などの問題も少ないので有利である。
+3 価のマンガンイオンを含むスピネル型複合酸化物XM
n2O4(X:Li、Mg、Feなど)の酸処理によって、金属 Xの
イオンの一部または全部の溶出を伴って合成される、一
般にλ-MnO2 とされる二酸化マンガンと、+4 価のマン
ガンイオンを含むスピネル型複合酸化物Li1.33Mn1.67O4
やXMn2O4(X:Mgなど)の酸処理によって合成される、金
属イオンの一部または全部が水素イオンに交換された化
合物の少なくとも一種である。複合酸化物をつくる金属
は、これらに限られることはないが、前記の金属を原料
にすれば簡単にマンガン酸化物を製造でき、価格、後処
理などの問題も少ないので有利である。
【0019】これらの化合物が、いおう酸化物、窒素酸
化物、オキシダント類(代表的成分であるオゾンを用い
た)の処理剤として優れていることを従来剤との比較を
含む実験により確認した。
化物、オキシダント類(代表的成分であるオゾンを用い
た)の処理剤として優れていることを従来剤との比較を
含む実験により確認した。
【0020】
【実施例】本発明の実施例を説明するが、これによって
本発明は何ら限定されるものではない。 実施例1 炭酸マンガン、複合マンガン酸化物を構成する金属の炭
酸塩の各粉末を所定の割合に混合して、加熱焼結するこ
とによって合成したスピネル型複合マンガン酸化物を塩
酸処理し、各種マンガン酸化物を合成して径 2〜3mm の
大きさに成形した。このときの加熱焼結して合成したス
ピネル型複合マンガン酸化物(出発物質)と塩酸処理後
の各種マンガン酸化物(主要生成物質)を以下に示す。
本発明は何ら限定されるものではない。 実施例1 炭酸マンガン、複合マンガン酸化物を構成する金属の炭
酸塩の各粉末を所定の割合に混合して、加熱焼結するこ
とによって合成したスピネル型複合マンガン酸化物を塩
酸処理し、各種マンガン酸化物を合成して径 2〜3mm の
大きさに成形した。このときの加熱焼結して合成したス
ピネル型複合マンガン酸化物(出発物質)と塩酸処理後
の各種マンガン酸化物(主要生成物質)を以下に示す。
【0021】 番 号 出発物質 主要生成物質 (1) LiMn2O4 λ−MnO2 (Liの残留率:0.64) (2) LiMn2O4 λ−MnO2 (Liの残留率:0.11) (3) MgMn2O4 λ−MnO2 (Mgの残留率:0.47) (4) MgMn2O4 λ−MnO2 (Mgの残留率:0.08) (5) FeMn2O4 λ−MnO2 (Feの残留率:0.52) (6) Li1.33Mn1.67O4 Li(1.33-X)H X Mn1.67O4 X=0.30 (Liの残留率:0.77) (7) Li1.33Mn1.67O4 Li(1.33-X)H X Mn1.67O4 X=0.74 (Liの残留率:0.44) (8) Li1.33Mn1.67O4 Li(1.33-X)H X Mn1.67O4 X=1.20 (Liの残留率:0.10) (9) Mg2MnO4 Mg(1.33-X)/2H X Mn1.67O4 X=0.79 (Mgの残留率:0.41)
【0022】また比較例として、(10)市販二酸化マンガ
ン(メルク社製)および(11)鉄マンガン複合酸化物(鉄
40質量%、マンガン22質量%、日産ガードラー社製)、
また、酸処理する前のスピネル型複合酸化物である(12)
LiMn2O4 および(13)Li1.33Mn 1.67O4をそれぞれ同じ粒度
に揃えて使用した。
ン(メルク社製)および(11)鉄マンガン複合酸化物(鉄
40質量%、マンガン22質量%、日産ガードラー社製)、
また、酸処理する前のスピネル型複合酸化物である(12)
LiMn2O4 および(13)Li1.33Mn 1.67O4をそれぞれ同じ粒度
に揃えて使用した。
【0023】実験は、前記の各粒状品を10cmの高さに充
填した直径 2.2cmの円筒状容器に、約 5ppmvの窒素酸化
物(その内の95〜97%は一酸化窒素、残余は二酸化窒
素)、約 5ppmvのSO2 、約 5ppmvのオゾンのいずれかを
調整添加した空気を、流量 5.0Nl/min、温度25℃または
40℃、湿度30%または60%で供給し、出口濃度を分析し
た。処理開始から約6時間の平均的な処理能力を表1に
示す。
填した直径 2.2cmの円筒状容器に、約 5ppmvの窒素酸化
物(その内の95〜97%は一酸化窒素、残余は二酸化窒
素)、約 5ppmvのSO2 、約 5ppmvのオゾンのいずれかを
調整添加した空気を、流量 5.0Nl/min、温度25℃または
40℃、湿度30%または60%で供給し、出口濃度を分析し
た。処理開始から約6時間の平均的な処理能力を表1に
示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1に示すように、本発明の処理剤 (1)〜
(9) の性能は、全てこの時間内にはほとんど変わらなか
った。オゾンおよび二酸化いおうは高効率で除去され、
一酸化窒素の大部分は活性炭素等の吸着剤で除去され易
い二酸化窒素に転換するか、酸化物上に吸着し、一酸化
窒素のままでの放出は僅かであった。
(9) の性能は、全てこの時間内にはほとんど変わらなか
った。オゾンおよび二酸化いおうは高効率で除去され、
一酸化窒素の大部分は活性炭素等の吸着剤で除去され易
い二酸化窒素に転換するか、酸化物上に吸着し、一酸化
窒素のままでの放出は僅かであった。
【0026】複合酸化物を構成する金属イオンを酸処理
することによって処理性能は大きく向上するが、λ−Mn
O2タイプと水素イオン置換タイプとで大差はなく、金属
イオンの残留率が低下するにつれて処理能力が向上する
こと、さらに金属イオン種による差も小さいことが分か
った。
することによって処理性能は大きく向上するが、λ−Mn
O2タイプと水素イオン置換タイプとで大差はなく、金属
イオンの残留率が低下するにつれて処理能力が向上する
こと、さらに金属イオン種による差も小さいことが分か
った。
【0027】実施例2 次に、(2) 、(4) 、(8) 、(10)の各処理剤を実施例1と
同量充填し、温度40℃、湿度30%の窒素酸化物を 5ppmv
含むか、オゾンを 5ppmv含む空気を、流量20Nl/minで供
給し、表2に示すように、0日目、7日目、20日目、43
日目に3〜4時間流量を 5.0Nl/minに下げて、処理性能
の経時変化を測定した。測定値は各3〜4時間の平均的
な値を採用した。その結果を表2に示す。
同量充填し、温度40℃、湿度30%の窒素酸化物を 5ppmv
含むか、オゾンを 5ppmv含む空気を、流量20Nl/minで供
給し、表2に示すように、0日目、7日目、20日目、43
日目に3〜4時間流量を 5.0Nl/minに下げて、処理性能
の経時変化を測定した。測定値は各3〜4時間の平均的
な値を採用した。その結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】表2に示すように、本発明の各処理剤は、
比較例に比べて初期性能のみならず耐久性においてもは
るかに優れていることが分かる。
比較例に比べて初期性能のみならず耐久性においてもは
るかに優れていることが分かる。
【0030】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるから、大気中に含まれた汚染物質であるいおう酸化
物、窒素酸化物、オキシダント類を、吸着(あるいは分
解)、除去ならびに後続の工程で容易に除去し得る化合
物に酸化してから放出させることができるため、この特
性を環境浄化に役立てることができ、産業上極めて有用
である。
いるから、大気中に含まれた汚染物質であるいおう酸化
物、窒素酸化物、オキシダント類を、吸着(あるいは分
解)、除去ならびに後続の工程で容易に除去し得る化合
物に酸化してから放出させることができるため、この特
性を環境浄化に役立てることができ、産業上極めて有用
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/50 53/81 53/56 53/86 ZAB 53/94 B01J 20/04 ZAB C 23/34 ZAB A B01D 53/34 123 A 129 A 53/36 ZAB D ZAB F 102 G
Claims (4)
- 【請求項1】 スピネル型結晶構造の二酸化マンガン、
あるいはマンガンおよび酸素の他に水素を本質的構成成
分として含む、スピネル型水素化マンガン酸化物の、少
なくとも一方を活性成分として含むことを特徴とする大
気汚染物質処理剤。 - 【請求項2】 スピネル型結晶構造の二酸化マンガンお
よび/あるいは水素化マンガン酸化物が、マンガン、酸
素の他に、マンガン以外の金属を本質的構成成分として
含み、かつ、マンガンの酸化数が+3 および/または+
4 であるスピネル型の金属・マンガン複合酸化物の、金
属イオンの一部または全部を水素イオンで除去または交
換して得られたものである請求項1記載の大気汚染物質
処理剤。 - 【請求項3】 金属が、リチウム、マグネシウムまたは
鉄である請求項2記載の大気汚染物質処理剤。 - 【請求項4】 大気汚染物質が、いおう酸化物、窒素酸
化物、オキシダント類の少なくとも1種を含んでいる請
求項1、2または3記載の大気汚染物質処理剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6102979A JPH07308573A (ja) | 1994-05-17 | 1994-05-17 | 大気汚染物質処理剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6102979A JPH07308573A (ja) | 1994-05-17 | 1994-05-17 | 大気汚染物質処理剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07308573A true JPH07308573A (ja) | 1995-11-28 |
Family
ID=14341857
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6102979A Withdrawn JPH07308573A (ja) | 1994-05-17 | 1994-05-17 | 大気汚染物質処理剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07308573A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08173796A (ja) * | 1994-09-02 | 1996-07-09 | Sakai Chem Ind Co Ltd | 窒素酸化物酸化吸着剤及び窒素酸化物除去法 |
WO2006120885A1 (ja) * | 2005-05-09 | 2006-11-16 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | オゾン分解剤 |
JP2007203131A (ja) * | 2006-01-31 | 2007-08-16 | Kobe Steel Ltd | 一酸化窒素酸化用触媒及び一酸化窒素の酸化方法 |
JP2007209895A (ja) * | 2006-02-09 | 2007-08-23 | Toyobo Co Ltd | オゾン分解シート及び空気浄化フィルタ |
JP2010042413A (ja) * | 2009-10-06 | 2010-02-25 | Toyobo Co Ltd | オゾン分解剤 |
-
1994
- 1994-05-17 JP JP6102979A patent/JPH07308573A/ja not_active Withdrawn
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US7875251B2 (en) | 2005-05-09 | 2011-01-25 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | Ozone-decomposing agent |
JP2007203131A (ja) * | 2006-01-31 | 2007-08-16 | Kobe Steel Ltd | 一酸化窒素酸化用触媒及び一酸化窒素の酸化方法 |
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JP4692311B2 (ja) * | 2006-02-09 | 2011-06-01 | 東洋紡績株式会社 | オゾン分解シート及び空気浄化フィルタ |
JP2010042413A (ja) * | 2009-10-06 | 2010-02-25 | Toyobo Co Ltd | オゾン分解剤 |
JP4711012B2 (ja) * | 2009-10-06 | 2011-06-29 | 東洋紡績株式会社 | オゾン分解剤 |
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