JPH0730098B2 - 1,2―ジクロロ―1,2,2―トリメチル―1―フェニルジシランの製造法 - Google Patents
1,2―ジクロロ―1,2,2―トリメチル―1―フェニルジシランの製造法Info
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- JPH0730098B2 JPH0730098B2 JP61032808A JP3280886A JPH0730098B2 JP H0730098 B2 JPH0730098 B2 JP H0730098B2 JP 61032808 A JP61032808 A JP 61032808A JP 3280886 A JP3280886 A JP 3280886A JP H0730098 B2 JPH0730098 B2 JP H0730098B2
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- Japan
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- disilane
- phenyldisilane
- dichloro
- trimethyl
- iii
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、式〔III〕 Cl Me2 Si Si Me Cl2 〔III〕 (式中、Meはメチル基を表わす) で示される1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリメチルジシ
ラン(以下、ジシラン〔III〕と称する)とフェニルリ
チウムとを反応させることを特徴とする式〔II〕 Cl Me2 Si Si Me Ph Cl 〔II〕 (式中、Phはフェニル基を、Meは前記と同一の意味を表
わす) で示される1,2−ジクロロ−1,2,2−トリメチル−1−フ
ェニルジシラン(以下、ジシラン〔II〕と称する)の製
造法に関する発明である。
ラン(以下、ジシラン〔III〕と称する)とフェニルリ
チウムとを反応させることを特徴とする式〔II〕 Cl Me2 Si Si Me Ph Cl 〔II〕 (式中、Phはフェニル基を、Meは前記と同一の意味を表
わす) で示される1,2−ジクロロ−1,2,2−トリメチル−1−フ
ェニルジシラン(以下、ジシラン〔II〕と称する)の製
造法に関する発明である。
本発明のシジラン〔II〕は、非対称形の官能性ジシラン
であり、電気伝導体、フォトレジスト、光情報記憶材料
等としての機能を有するポリシランの中間体として有用
な化合物である。
であり、電気伝導体、フォトレジスト、光情報記憶材料
等としての機能を有するポリシランの中間体として有用
な化合物である。
(従来技術) 従来、ジシラン〔III〕の如き1,1,2,-トリクロロジシラ
ン骨格構造へのアリール基の選択的な導入手段は開示さ
れていない。
ン骨格構造へのアリール基の選択的な導入手段は開示さ
れていない。
(発明が解決すべき問題点) ジシラン〔II〕の製造法としては、ジシラン〔III〕と
フェニルマグネシウムブロマイドやフェニルマグネシウ
ムクロライドの如きフェニルマグネシウムハライドとの
反応が考えられるが、この反応では目的とする1,2-ジク
ロロジシラン型であるジシラン〔II〕のほかに、1,1-ジ
クロロジシラン型でる式〔I〕 Ph Me2 Si Si Me Cl2 〔I〕 (式中、PhおよびMeは前記と同一の意味を表わす) で示される1,1-ジクロロ‐1,2,2-トリメチル‐2-フェニ
ルジシラン(以下、ジシラン〔I〕と称する)はほぼ1:
1の割合で生成し、ジシラン〔I〕またはジシラン〔I
I〕のみを選択的に得られない欠点を有している。
フェニルマグネシウムブロマイドやフェニルマグネシウ
ムクロライドの如きフェニルマグネシウムハライドとの
反応が考えられるが、この反応では目的とする1,2-ジク
ロロジシラン型であるジシラン〔II〕のほかに、1,1-ジ
クロロジシラン型でる式〔I〕 Ph Me2 Si Si Me Cl2 〔I〕 (式中、PhおよびMeは前記と同一の意味を表わす) で示される1,1-ジクロロ‐1,2,2-トリメチル‐2-フェニ
ルジシラン(以下、ジシラン〔I〕と称する)はほぼ1:
1の割合で生成し、ジシラン〔I〕またはジシラン〔I
I〕のみを選択的に得られない欠点を有している。
(問題を解決するための手段) 本発明者らはジシラン〔III〕よりジシラン〔II〕のみ
を選択的に製造する方法について検討した結果、ジシラ
ン〔III〕とフェニルリチウムとを反応させることによ
り、ジシラン〔II〕のみを選択的に、かつ好収率で得る
本発明を完成したものである。
を選択的に製造する方法について検討した結果、ジシラ
ン〔III〕とフェニルリチウムとを反応させることによ
り、ジシラン〔II〕のみを選択的に、かつ好収率で得る
本発明を完成したものである。
本発明のジシラン〔II〕の製造工程を化学反応式で示す
と下記のようになる。
と下記のようになる。
本発明の原料であるジシラン〔III〕は、塩化メチルと
金属ケイ素とからジクロロジメチルシランを合成する際
に副生するジシラン留分より得られる。
金属ケイ素とからジクロロジメチルシランを合成する際
に副生するジシラン留分より得られる。
本発明のジシラン〔II〕の製造法は、ジシラン〔III〕
1当量とフェニルリチウム1当量とを非プロトン性溶
媒、たとえばn-ヘキサン、テトラヒドロフラン、エチル
エーテル、トルエン、ベンゼンなどの溶媒中で反応させ
る。反応温度は0〜50℃が好適であり、通常は1〜12時
間で反応は完結するが、これらの反応条件に限定されな
い。反応終了後、常法の精製法により精製し、ジシラン
〔III〕に対して90%以上の収率で高純度のジシラン〔I
I〕が得られる。
1当量とフェニルリチウム1当量とを非プロトン性溶
媒、たとえばn-ヘキサン、テトラヒドロフラン、エチル
エーテル、トルエン、ベンゼンなどの溶媒中で反応させ
る。反応温度は0〜50℃が好適であり、通常は1〜12時
間で反応は完結するが、これらの反応条件に限定されな
い。反応終了後、常法の精製法により精製し、ジシラン
〔III〕に対して90%以上の収率で高純度のジシラン〔I
I〕が得られる。
(効果) 本発明は、ジシラン〔III〕とフェニルリチウムとの反
応を行うことにより、1,2-ジクロロジシラン型であるジ
シラン〔II〕のみを選択的に、かつ高収率で得るもので
ある。また、原料であるジシラン〔III〕は、塩化メチ
ルと金属ケイ素とからジクロロジメチルシランを合成す
る際に10〜20%程度副生するジシラン留分より得られる
が、現在このジシラン留分は未利用のまま貯蔵または廃
棄されており、本発明はかかる未利用資源の有効利用を
はかるものである。
応を行うことにより、1,2-ジクロロジシラン型であるジ
シラン〔II〕のみを選択的に、かつ高収率で得るもので
ある。また、原料であるジシラン〔III〕は、塩化メチ
ルと金属ケイ素とからジクロロジメチルシランを合成す
る際に10〜20%程度副生するジシラン留分より得られる
が、現在このジシラン留分は未利用のまま貯蔵または廃
棄されており、本発明はかかる未利用資源の有効利用を
はかるものである。
(実施例) 以下、実施例および比較例により説明する。
比較例 冷却管、滴下ロート、温度計および攪拌機を備えた1
四つ口フラスコに、1,1,2-トリクロロ‐1,2,2,-トリメ
チルジシラン103.8g(0.5モル)およびエチルエーテル2
00gを仕込み、攪拌しながらフェニルマグネシウムブロ
マイド90.5g(0.5モル)のエチルエーテル溶液を、反応
温度を25〜30℃に保ちながら3時間を要して滴下した。
滴下終了後、25〜30℃で2時間攪拌を続け、反応を完結
させた。次いで反応物を同定するために、副生したマグ
ネシウム塩を別して得た生成物の少量を水素化アルミ
ニウムリチウムで還元し、還元生成物の1H‐NMRスペク
トル(C6D6)を測定した結果、下記のようにa,bの水素
が確認でき、その強度比は1:1であった。
四つ口フラスコに、1,1,2-トリクロロ‐1,2,2,-トリメ
チルジシラン103.8g(0.5モル)およびエチルエーテル2
00gを仕込み、攪拌しながらフェニルマグネシウムブロ
マイド90.5g(0.5モル)のエチルエーテル溶液を、反応
温度を25〜30℃に保ちながら3時間を要して滴下した。
滴下終了後、25〜30℃で2時間攪拌を続け、反応を完結
させた。次いで反応物を同定するために、副生したマグ
ネシウム塩を別して得た生成物の少量を水素化アルミ
ニウムリチウムで還元し、還元生成物の1H‐NMRスペク
トル(C6D6)を測定した結果、下記のようにa,bの水素
が確認でき、その強度比は1:1であった。
a:3.2〜3.5ppm(q) b:3.6〜4.4ppm(m) 従って、本反応の生成物は1,1-ジクロロ‐1,2,2-トリメ
チル‐2-フェニルジシランと1,2-ジクロロ‐1,2,2-トリ
メチル‐1-フェニルジシランとの1:1の混合物である。
チル‐2-フェニルジシランと1,2-ジクロロ‐1,2,2-トリ
メチル‐1-フェニルジシランとの1:1の混合物である。
実施例 比較例と同じ装置に、1,1,2,-トリクロロ‐1,2,2-トリ
メチルジシラン103.8g(0.5モル)および石油エーテル2
00gを仕込み、攪拌しながらフェニルリチウム42.5g(0.
5モル)の石油エーテル溶液を、反応温度を25〜30℃に
保ちながら3時間を要して滴下した。滴下終了後25〜30
℃で2時間攪拌を続け反応を完結させた。副生したリチ
ウム塩を別して得た生成物を、比較例と同様にして1H
‐NMRスペクトル(C6D6)を測定した結果、1,1-ジクロ
ロ‐1,2,2-トリメチル‐2-フェニルジシランはほとんど
認められず、1,2-ジクロロ‐1,2,2-トリメチル‐1-フェ
ニルジシランが良好な選択性で得られることを確認し
た。次いで乗法により精製し、1,2-ジクロロ‐1、2,2-
トリメチル‐1-フェニルジシラン113.4gを得た。
メチルジシラン103.8g(0.5モル)および石油エーテル2
00gを仕込み、攪拌しながらフェニルリチウム42.5g(0.
5モル)の石油エーテル溶液を、反応温度を25〜30℃に
保ちながら3時間を要して滴下した。滴下終了後25〜30
℃で2時間攪拌を続け反応を完結させた。副生したリチ
ウム塩を別して得た生成物を、比較例と同様にして1H
‐NMRスペクトル(C6D6)を測定した結果、1,1-ジクロ
ロ‐1,2,2-トリメチル‐2-フェニルジシランはほとんど
認められず、1,2-ジクロロ‐1,2,2-トリメチル‐1-フェ
ニルジシランが良好な選択性で得られることを確認し
た。次いで乗法により精製し、1,2-ジクロロ‐1、2,2-
トリメチル‐1-フェニルジシラン113.4gを得た。
収率91%。
沸点:129〜131℃/20mmHg マススペクトル:249(m+1) プロトンNMRスペクトル(C Cl4): a:7.1〜7.6ppm(m,5H) b:0.45 ppm(s,6H) b:0.65 ppm(s,3H) 赤外吸収スペクトル(NaCl):(cm-1) 3180,2975,1485,1430,1400,1255,1115
Claims (1)
- 【請求項1】式〔III〕 Cl Me2 Si Si Me Cl2 〔III〕 (式中、Meはメチル基を表わす) で示される1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリメチルジシ
ランとフェニルリチウムとを反応させることを特徴とす
る式〔II〕 Cl Me2 Si Si Me Ph Cl 〔II〕 (式中、Phはフェニル基を、Meは前記と同一の意味を表
わす) で示される1,2−ジクロロ−1,2,2−トリメチル−1−フ
ェニルジシランの製造法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61032808A JPH0730098B2 (ja) | 1986-02-19 | 1986-02-19 | 1,2―ジクロロ―1,2,2―トリメチル―1―フェニルジシランの製造法 |
US07/011,964 US4716240A (en) | 1986-02-19 | 1987-02-06 | 1,2-dichloro-1,2,2-trimethyl-1-phenyldisilane and method for producing the same |
DE8787101915T DE3760507D1 (en) | 1986-02-19 | 1987-02-11 | 1,2-dichloro-1,2,2-trimethyl-1-phenyldisilane and method for producing the same |
EP87101915A EP0234412B1 (en) | 1986-02-19 | 1987-02-11 | 1,2-dichloro-1,2,2-trimethyl-1-phenyldisilane and method for producing the same |
CA000530040A CA1301184C (en) | 1986-02-19 | 1987-02-18 | 1,2-dichloro-1,2,2-trimethyl-1-phenyldisilane and method for producing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61032808A JPH0730098B2 (ja) | 1986-02-19 | 1986-02-19 | 1,2―ジクロロ―1,2,2―トリメチル―1―フェニルジシランの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62192391A JPS62192391A (ja) | 1987-08-22 |
JPH0730098B2 true JPH0730098B2 (ja) | 1995-04-05 |
Family
ID=12369134
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61032808A Expired - Lifetime JPH0730098B2 (ja) | 1986-02-19 | 1986-02-19 | 1,2―ジクロロ―1,2,2―トリメチル―1―フェニルジシランの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0730098B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
BE792714A (fr) * | 1971-12-15 | 1973-06-14 | Dow Corning | Preparation de complexes silyles du platine et du palladium et nouveauxcomplexes du palladium |
JPS5483098A (en) * | 1977-12-14 | 1979-07-02 | Asahi Chem Ind Co Ltd | Preparation of organosilicon polymer |
GB2101620A (en) * | 1981-05-15 | 1983-01-19 | Wacker Chemie Gmbh | Process for methylating silicon compounds |
US4482689A (en) * | 1984-03-12 | 1984-11-13 | Dow Corning Corporation | Process for the preparation of polymetallo(disily)silazane polymers and the polymers therefrom |
-
1986
- 1986-02-19 JP JP61032808A patent/JPH0730098B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62192391A (ja) | 1987-08-22 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |