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JPH07296839A - 固体電解質型燃料電池セル - Google Patents

固体電解質型燃料電池セル

Info

Publication number
JPH07296839A
JPH07296839A JP6092392A JP9239294A JPH07296839A JP H07296839 A JPH07296839 A JP H07296839A JP 6092392 A JP6092392 A JP 6092392A JP 9239294 A JP9239294 A JP 9239294A JP H07296839 A JPH07296839 A JP H07296839A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support tube
group
amount
fuel cell
solid electrolyte
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6092392A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahide Akiyama
雅英 秋山
Shoji Yamashita
祥二 山下
Masahito Nishihara
雅人 西原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP6092392A priority Critical patent/JPH07296839A/ja
Publication of JPH07296839A publication Critical patent/JPH07296839A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】支持管の耐クリープ性を向上させ、製造時にお
ける良品率を向上させるとともに発電時におけるセルの
長期安定性を向上させる。 【構成】空気極能を有する多孔質の支持管1上に固体電
解質2と燃料極3とを順次積層してなる固体電解質型燃
料電池セルにおいて、支持管1が、下記化1 【化1】 で表され、式中のAは、Yおよび希土類元素の群から選
ばれる少なくとも1種、Bは、Ca、Ba、Srの群か
ら選ばれる少なくとも1種、CはCo、Ni、Zr、C
e、FeおよびMgの群から選ばれる少なくとも1種か
らなるとともに、x、y、zおよびpが所定の範囲の複
合ペロブスカイト型酸化物からなり、Al、Siなどの
金属不純物量を所定範囲以下に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体電解質型燃料電池
セルに関し、特に空気極能を有する多孔質の支持管の改
良に関する。
【0002】
【従来技術】従来より、固体電解質型燃料電池セルに
は、円筒型と平板型の2種類の燃料電池が知られてい
る。平板型燃料電池セルは、発電の単位体積当り出力密
度が高いという特徴を有するが、実用化に際してはガス
シールの不完全性やセル内の温度分布の不均一性などの
問題がある。それに対して、円筒型燃料電池セルでは、
出力密度は低いものの、セルの機械的強度が高く、また
セル内の温度分布の均一性が保てるという特長がある。
両形状の固体電解質燃料電池セルとも、それぞれの特長
を生かして積極的に研究開発が進められている。
【0003】一般に、円筒型燃料電池の単セルは、図2
に示すように開気孔率が約40%程度のCaO安定化Z
rO2 からなる支持管11の表面に例えば、スラリーデ
ィップ法によりLaMnO3 系材料からなる多孔性の空
気極12を形成し、その表面に気相合成法(EVD)
や、溶射法などの手法により例えば、Y2 3 含有の安
定化ZrO2 固体電解質13が形成され、さらに固体電
解質13の表面に多孔性のNi−ジルコニアなどからな
る燃料極14が形成される。燃料電池のモジュールは、
上記構成からなる複数の単セルがLaCrO3 系材料な
どからなるインターコネクタ15を介して接続される。
発電は、支持管11の内部に空気(酸素)を、外部に燃
料(水素)を流し、1000〜1050℃の温度で行わ
れる。
【0004】近年、上記燃料電池セルの作製にあたり、
プロセスを単純化するため、空気極であるLaMnO3
系材料を直接多孔性の支持管として使用する試みがなさ
れている。空気極としての機能を合せ持つ支持管材料と
しては、例えばLaを10〜20原子%のCaあるいは
Srで置換したLaMnO3 固溶体材料が用いられてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする問題】しかしながら、前記の
CaOあるいはSrOを固溶したLaMnO3 材料を支
持管として使用する場合、この表面に気相合成法(EV
D)や溶射法で固体電解質膜あるいはインターコネクタ
を被覆する際、支持管は1000℃以上、特に気相合成
法では1200〜1400℃の高温下に保持される。こ
のため、固体電解質膜あるいはインターコネクタ膜の成
膜中に支持管がクリープ変形しセル間の接続が出来ない
という問題が起こっている。また、発電においても、セ
ルは1000℃の高温に長時間保持されるため、同様に
支持管が変形してセル間の接続が悪くなり、出力が低下
するという問題も発生している。
【0006】本発明は、この空気極機能を有する支持管
の耐クリープ性を向上させ、セル作製工程あるいは発電
時における支持管の変形の問題を解決し、セルの良品率
を向上させることおよび高温に保持されても長期安定性
のあるセルを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
点を解決するために検討を重ねた結果、LaMnO3
材料を支持管として形成し、そのLaMnO3 系材料に
おけるLaの一部を所定のアルカリ土類元素と同時に特
定の3価の金属により置換し、場合によりMnの一部を
他の遷移金属元素により置換した組成からなると同時
に、金属不純物量を所定量以下に制御するか、あるいは
上記系においてMnの一部を遷移金属とともにCrによ
り特定の比率で置換することにより、上記目的が達成さ
れることを知見した。
【0008】即ち、本発明の固体電解質型燃料電池セル
は、空気極能を有する多孔質の支持管上に固体電解質と
燃料極とを順次積層してなる固体電解質型燃料電池セル
において、前記支持管が、下記化1
【0009】
【化1】
【0010】で表され、式中のAは、Yおよび希土類元
素の群から選ばれる少なくとも1種、Bは、Ca、Ba
及びSrの群から選ばれる少なくとも1種、CはCo、
Ni、Zr、Ce、FeおよびMgの群から選ばれる少
なくとも1種からなるとともに、x、y、zおよびp
が、0.05≦x≦0.3、0.25≦y≦0.5、
0.9≦z≦1.05および0≦p≦0.3を満足する
複合ペロブスカイト型酸化物からなり、且つ前記構成元
素以外の金属不純物のうちAlおよびSiが合量で0.
2重量%以下、金属不純物の合量が0.8重量%以下で
あることを特徴とするものである。
【0011】また、空気極能を有する多孔質の支持管上
に固体電解質と燃料極とを順次積層してなる固体電解質
型燃料電池セルにおいて、前記支持管が、下記化2
【0012】
【化2】
【0013】で表され、式中のAは、Yおよび希土類元
素の群から選ばれる少なくとも1種、Bは、Ca、Ba
およびSrの群から選ばれる少なくとも1種、CはC
o、Ni、Zr、Ce、FeおよびMgの群から選ばれ
る少なくとも1種からなるとともに、a,b,c,dお
よびeが、0.02≦a≦0.50、0.20≦b≦
0.60、0.90≦c≦1.05、0≦d≦0.40
および0.02≦e≦0.50を満足する複合ペロブス
カイト型酸化物からなることを特徴とするものである。
【0014】以下、本発明を詳述する。図1は、本発明
における固体電解質型燃料電池セルの一実施例を説明す
るための図である。図1において、1は支持管、2は固
体電解質、3は燃料極である。
【0015】本発明によれば、支持管1は、それ自体導
電性セラミックスからなる円筒形状からなる。この円筒
状支持管1上には固体電解質2が形成され、さらにその
上には燃料極3が形成される。かかる構造のセルにより
発電を行う場合、円筒型の支持管1の内部に大気などの
酸素を含有するガスが、一方、燃料極3側には、水素ガ
スなどの燃料ガスが供給されることにより、支持管1と
燃料極3間に電力が発生する。そのため、支持管1およ
び燃料極3はそれぞれ供給されたガスを固体電解質に供
給可能とするために、それ自体35〜40%の開気孔率
を有する多孔質体から構成されている。また、燃料電池
モジュールは、複数のセルが、インターコネクタ4を介
して接続されることにより構成される。
【0016】本発明の第1の発明によれば、上記構成に
おいて支持管1を下記化1
【0017】
【化1】
【0018】で表され、式中のAは、Yおよび希土類元
素の群から選ばれる少なくとも1種、Bは、Ca、Ba
及びSrの群から選ばれる少なくとも1種、CはCo、
Ni、Zr、Ce、FeおよびMgの群から選ばれる少
なくとも1種からなる元素より構成すると同時に、化1
中の、x、y、zおよびpを、0.05≦x≦0.3、
0.25≦y≦0.5、0.9≦z≦1.05および0
≦p≦0.3を満足するような材料により構成すること
を大きな特徴とする。また、かかる材料は、複合ペロブ
スカイト型酸化物からなる。
【0019】なお、本発明において、前記支持管材料の
組成を上記の範囲に限定したのは、LaへのY、Yb、
Sc、Erなどの置換量を示すx値が0.05より小さ
いか、または0.3より大きいとクリープ変形量が大き
くなり、また、LaへのCa、Sr、Baの置換量を示
すy値が0.25より小さくてもクリープ変形量は大き
くなり、y値が0.5より大きいと焼成温度を1600
℃以上に高める必要があり経済的でなく、低温での焼成
では焼結性が悪くなり所定の開気孔率の有する材料を作
製することができ難くなる。
【0020】また、AサイトとBサイトとの比率を示す
z値は、ペロブスカイト型結晶構造では通常1である
が、z値が0.9までの不定比であっても同様な効果が
得られるが、0.9より小さいとペロブスカイト型以外
のMnなどを含む異相が析出しクリープ変形量が大きく
なる。逆に、この値が1.05を越えるとLa2 3
析出して材料が短時間に風化してしまう。
【0021】さらに、LaMnO3 系固溶体を基本とし
て、MnをCo、Ni、Zr、Ce、Fe等で置換して
もその格子欠陥構造は本質的に変化しない。しかし、こ
れらの元素により置換量p値が0.3を越えるとクリー
プ変形量は大きくなる。
【0022】本発明において、前記化1の組成系におい
て特に望ましい範囲は、0.05≦x≦0.2、0.2
5≦y≦0.4、0.95≦z≦1.0、0≦p≦0.
2である。
【0023】さらに、上記化1で示される系において
は、前記支持管を構成する材料中に含まれる金属不純物
量が0.8重量%以下であり、その中のAlおよびSi
が合量で0.2重量%以下であることが重要である。本
発明における金属不純物としては、Al、Si、Ti、
Nb、Na、Vなどを不純物として取り扱うものであ
る。これらの金属不純物量が0.8重量%を越えたり、
あるいはAlおよびSi量が0.2重量%を越えるとク
リープ変形量が増大する。本発明によれば、特にAlお
よびSi量は0.1重量%以下、上記金属不純物の合量
が0.5重量%以下に制御されることが望ましい。
【0024】さらに、本発明によれば、前記支持管を、
下記化2
【0025】
【化2】
【0026】で表され、式中のAは、Yおよび希土類元
素の群から選ばれる少なくとも1種、Bは、Ca、Ba
およびSrの群から選ばれる少なくとも1種、CはC
o、Ni、Zr、Ce、FeおよびMgの群から選ばれ
る少なくとも1種からなるとともに、a,b,c,dお
よびeが、0.02≦a≦0.50、0.20≦b≦
0.60、0.90≦c≦1.05、0≦d≦0.40
および0.02≦e≦0.50を満足する複合ペロブス
カイト型酸化物により構成することにより、同様な効果
を奏するものである。
【0027】なお、化2の組成からなる複合ペロブスカ
イト型酸化物において、組成を上記の範囲に限定したの
は、Yや希土類元素のLaへの置換量a値が0.02よ
り小さいか、または0.50より大きいとクリ−プ変形
量が大きくなり、また、Ca、Sr、BaのLaへの置
換量b値が0.20より小さくてもクリ−プ変形量は大
きくなり、b値が0.6より大きいと焼成温度を160
0℃以上に高める必要があり経済的でなく、低温での焼
成では焼結性が悪くなり所定の開気孔率の有する材料を
作製することができ難くなる。
【0028】また、AサイトとBサイトとの比率を示す
c値は、ペロブスカイト型結晶構造では通常1である
が、z値が0.9までの不定比であっても同様な効果が
得られるが、0.9より小さいとペロブスカイト型以外
のMnなどを含む異相が析出しクリープ変形量が大きく
なる。逆に、この値が1.05を越えるとLa2 3
析出して材料が短時間に風化してしまう。
【0029】さらに、Co、Ni、Zr、Ce、Fe等
のMnへの置換量dが0.40を越えるとクリ−プ変形
量は大きくなる。さらにMnへのCrへの置換量eが
0.02より小さいとクリープ変形量が大きく、0.5
0より大きいと焼結性が悪くなり所定の開気孔率を有す
る材料を作製することが出来にくくなる。
【0030】本発明において、前記化2の組成系におい
て特に望ましい範囲は、0.05≦a≦0.20、0.
20≦b≦0.40、0.95≦c≦1.0、0≦d≦
0.3および0.05≦e≦0.2がよい。
【0031】なお、本発明の燃料電池セルにおいて用い
られる固体電解質はY2 3 やCaOなどの安定化材を
含む周知の安定化ZrO2 からなり、さらに燃料極材料
としてはNi−ジルコニアなどが用いられ、さらにイン
ターコネクタは、LaCrO3 系で、Laの一部をCa
などのアルカリ土類で置換した複合酸化物などが用いら
れる。
【0032】本発明によれば、平板型燃料電池セルにお
いて、空気極をガスディフューザとして使用する場合に
も、高温での変形が小さいため、電解質との接続に優
れ、その結果接続不良による発電出力低下を抑制するこ
とができる。
【0033】
【作用】ペロブスカイト型結晶は、一般的にABO3
表され、結晶中の格子点はAサイト、Bサイトおよび酸
素(O)サイトの3つに分けられる。LaMnO3 、L
aFeO3 、LaCoO3 系にCaOあるいはSrOを
固溶させた材料中の格子欠陥構造についての詳細な研究
結果から、これらの材料では、Aサイトの欠損の程度に
よらずCaあるいはSrのLaに対する置換量が25原
子%より小さいと、下記数1
【0034】
【数1】
【0035】の反応によりLaとMnの陽イオン空孔が
支配的に生成する。
【0036】それに対して、置換量が25原子%以上に
なると、下記数2
【0037】
【数2】
【0038】の反応により、酸素イオン空孔が支配的に
なることを明らかにした。
【0039】これらの結果は、上記の固溶体はCa、あ
るいはSrの置換量が25原子%より小さいと、陽イオ
ン空孔を介しての陽イオンの拡散速度が大きくなること
を意味している。
【0040】クリ−プ変形に関して、その変形が拡散で
起こり粒子内(体積)拡散が支配的である場合、クリー
プ変形速度は、下記数3
【0041】
【数3】
【0042】で表される。
【0043】また、粒界拡散が支配的な場合は、下記数
【0044】
【数4】
【0045】のように表される。
【0046】一般的には、DV 、Db は結晶内の陰イオ
ン、陽イオンのうち遅い方のイオンの拡散係数である。
ペロブスカイト型結晶においては、数1、数2中の拡散
係数は陽イオンのそれになる。これらの式に従うと、耐
クリ−プ性は、拡散係数の小さいほど、また粒子の大き
いほど優れることが容易に判断される。
【0047】Ca、Ba、Srの置換比率(y値)が2
5原子%より小さい場合にクリープによる変形量が大き
いのは、上記の格子欠陥構造と考え合わせると、数1に
より生成した陽イオン空孔の濃度が高いため、陽イオン
の粒子内あるいは粒界の拡散速度が早く、その結果クリ
−プ変形速度が大きくなったと考えられる。また、Y、
Yb等の希土類元素の添加効果に関しては、希土類元素
の添加量(x値)が5原子%未満および30原子%を越
えると、希土類イオンとLaイオンとのイオン半径の違
いから、この範囲においては材料中に大きな結晶の格子
歪みを生じ、陽イオンの拡散の活性化エネルギーが減少
して、拡散係数が大きくなり、その結果クリープ変形速
度が増大したものと考えられる。Aサイトが欠損した不
定比系においても、同様な結果が得られるのは、定比系
と比較して格子欠陥構造に本質的な変化が無いためであ
る。
【0048】また、材料中の不純物量に関しては、ごく
わずかな量は結晶内に固溶されるが、固溶限界より多く
存在するとこれらが粒界に偏析するか、または粒界でガ
ラス相を形成する。このような粒界が存在する場合、粒
子間ですべりが起こり、クリープ速度が増大する。金属
不純物量が0.8重量%を越える場合にクリープ変形量
が増大するのもこのような粒界相互のすべりに起因する
ものであると推察される。特に、金属不純物の中でもA
l、Siはガラス相を形成しやすいため、これらの量は
特に少ない範囲に制御することが必要である。
【0049】さらに、BサイトのMnをNi,Co等で
置換してもLaMnO3 と同一の格子欠陥構造を有する
ため、このような置換系でもクリープ変形のメカニズム
はLaMnO3 系と同じである。しかしながら、LaN
iO3 ,LaCoO3 固溶体系の焼結速度はLaMnO
3 のそれと比較して早い傾向にある。このことは、La
NiO3 あるいはLaCoO3 固溶体系内の陽イオン拡
散係数が、LaMnO3 のそれより大きいことを意味し
ている。そのため、MnのNi、Co等による置換量
(p値)が0.3を越えると、NiあるいはCo添加に
より陽イオンの拡散速度が大きくなるためクリープ速度
が増大すると考えられる。
【0050】以上の説明から明らかなように、本発明の
構成によれば、化1に示される組成系においてそれらの
x、y、zおよびp値を前記の特定の範囲に限定するこ
とにより、高温で保持された場合においても優れた耐ク
リープ性が達成されるのである。
【0051】また、本発明の化2で示された組成系につ
いて、特にMnをCrで置換しても上記LaMnO3
と同様な格子欠陥構造からなる。一般に、LaCrO3
は燃料電池のインターコネクタとして使用される材料で
ある。通常、LaCrO3 は難焼結性材料であるため、
焼結体を得るためには還元性雰囲気で2000℃付近の
高温で焼成する必要がある。このことはLaCrO3
溶体系内の陽イオン拡散係数がLaMnO3 のそれより
小さいことを意味している。このため、BサイトのMn
をCrで置換した場合、置換量(e値)が0.02以上
では、Crの添加により陽イオン拡散係数が小さくなる
ことから、クリープ速度が小さくなると考えられる。
【0052】さらに、BサイトのMnをCe、Ni、C
o、Zr、Mg等で置換した場合、あるいはペロブスカ
イト構造中のAサイト/Bサイト比が1よりわずかにず
れた不定比系においてもLaMnO3 と同一の格子欠陥
構造を有するため、クリープ変形のメカニズムはLaM
nO3 系と同一である。
【0053】以上の理由から、化2において、a,b,
c,dおよびeを特定の比率に限定することにより耐ク
リープ性を高めることができる。
【0054】本発明によれば、上記のような化1および
化2で示される材料からなる支持管上に固体電解質およ
び燃料極を形成する場合、これらの形成過程で支持管が
クリープ変形することがないために、固体電解質や燃料
極膜が剥離することがなく、また燃料電池セルとしての
高温での長期作動時においても優れた耐久性を付与する
ことができる。
【0055】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づき説明する。 実施例1 市販の純度99.9%のY2 3 、La2 3 、Yb2
3 、Sc2 3 、Nd2 3 、Gd2 3 、Dy2
3 、Er2 3 、CaCO3 、SrCO3 、BaC
3 、Mn2 3 、NiO、CoO、ZrO2 、CeO
2 、FeOおよびMgOを出発原料として、これを表1
および表2の組成になるように調合し、ジルコニアボー
ルを用いて10時間混合した後、1300℃で10時間
固相反応させた。さらに場合により、Al2 3 、Si
2 、TiO2 、Nb2 5 などの影響を調べるため、
上記固溶体粉末に別途添加し、この粉末をジルコニアボ
ールを用いて、さらに24時間粉砕混合を行った。この
後、外径15mm、内径11mm、長さ200mmに円
筒状に成形して、1450〜1500℃にて焼成し、開
気孔率が38〜41%の円筒状焼結体を得た。なお、得
られた焼結体中の不純物はケイ光X線分析により、また
その量はICP発光分光分析により測定した。
【0056】上記の焼結体について、支点間距離を15
0mmとなるようにジルコニアブロックで支え、大気中
1400℃で10時間保持し、加熱前後の最大変形量を
支点間距離で除した比率をクリープ変形量とした。測定
の結果は表1および表2に示した。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】表1および表2の結果から明らかなよう
に、2価金属の置換量(y値)が0.25より小さいと
変形量が大きい。またy値が0.5を越えると、焼結性
が悪くなり所定の開気孔率を有した円筒支持管の作製が
できなかった。3価金属の置換量(x値)が0.05よ
り小さいか、または0.3を越えるものについても同様
に変形量が大きかった。Aサイトが欠損した不定比のも
のに関しては、z値が0.9より小さくなるとペロブス
カイト型以外のMnを含有する異相が析出し、変形量が
大きくなった。その他のx、y、z、p値に対して本発
明の範囲を逸脱する試料はいずれも変形が認められた。
【0060】また、不純物量が0.8重量%を越えるも
の、あるいはAl、Si量が0.2重量%を越えるもの
もやはり変形量が大きくなった。
【0061】実施例2 実施例1の表1、2中、試料No.1、2、3、4、1
1、12、19、31、33、42、45、51、5
8、65、74、76、78の組成からなる長さ50c
mの支持管を作製し、その表面に気相合成法により11
00℃で10モル%のY2 3 を含有するZrO2 から
なる固体電解質を形成し、それぞれ10本作製したとこ
ろ、従来品および本発明の範囲を逸脱する試料No.1、
2、3、12、19、31、45については、クリープ
変形が発生し、固体電解質膜の一部剥離が観察された
が、その他の本発明の試料は、何ら固体電解質形成時に
おいても変形が生じなかった。
【0062】実施例3 市販の純度99.9%のY2 3 、La2 3 、Yb2
3 、Sc2 3 、Nd2 3 、Gd2 3 、Dy2
3 、Er2 3 、CaCO3 、SrCO3 、BaC
3 、Mn2 3 、NiO、CoO、ZrO2 、CeO
2 、FeO、Cr23 、MgOを出発原料として、こ
れを表3および表4の組成になるように調合し、ジルコ
ニアボールを用いて10時間混合した後、1300℃で
10時間固相反応させた。
【0063】この固溶体をジルコニアボールを用いて、
さらに24時間粉砕混合を行った後、外径15mm、内
径11mm、長さ200mmに円筒状に成形して、14
50〜1500℃にて焼成し、開気孔率が38〜41%
の円筒状焼結体を得た。
【0064】得られた焼結体に対して、支点間距離を1
50mmとなるようにジルコニアブロックで支え、大気
中1400℃で10時間保持し、加熱前後の最大変形量
を支点間距離で除した比率をクリープ変形量とした。測
定の結果は表3および表4に示した。なお、金属不純物
としてAlおよびSiは合量で1000ppm以下、A
l、Si、Ti、Nb、NaおよびVの合量は1重量%
以下であった。
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】表3および表4から明らかなように、La
へのYや希土類元素、またはCa、Sr、Baによる置
換量が、本発明の範囲を逸脱すると変形量が大きくなっ
た。
【0068】さらに、BサイトのMnに対するCrの置
換を行うことにより耐クリープ性が向上することが理解
される。しかし、Crの置換量eが0.5を越えると焼
結性が低下した。
【0069】
【発明の効果】以上の説明したように、本発明によれ
ば、支持管自体の高温における耐クリープ性に優れ、セ
ル作製工程おけるセルの良品率を向上させるとともに、
高温作動時における長時間の発電においても変形による
セル間の接続不良を起こさない耐久性に優れた燃料電池
セルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における燃料電池セルの構造を説明する
ための図である。
【図2】従来の燃料電池セルの構造を説明するための図
である。
【符号の説明】
1 支持管 2 固体電解質 3 燃料極 4 インターコネクタ 5 空気極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空気極能を有する多孔質の支持管上に固体
    電解質と燃料極とを順次積層してなる固体電解質型燃料
    電池セルにおいて、前記支持管が、下記化1 【化1】 で表され、式中のAは、Yおよび希土類元素の群から選
    ばれる少なくとも1種、Bは、Ca、BaおよびSrの
    群から選ばれる少なくとも1種、CはCo、Ni、Z
    r、Ce、FeおよびMgの群から選ばれる少なくとも
    1種からなるとともに、x、y、zおよびpが、0.0
    5≦x≦0.3、0.25≦y≦0.5、0.9≦z≦
    1.05および0≦p≦0.3を満足する複合ペロブス
    カイト型酸化物からなり、前記構成元素以外の金属不純
    物のうち、AlおよびSiが合量で0.2重量%以下、
    且つ金属不純物の合量が0.8重量%以下であることを
    特徴とする固体電解質型燃料電池セル。
  2. 【請求項2】空気極能を有する多孔質の支持管上に固体
    電解質と燃料極とを順次積層してなる固体電解質型燃料
    電池セルにおいて、前記支持管が、下記化2 【化2】 で表され、式中のAは、Yおよび希土類元素の群から選
    ばれる少なくとも1種、Bは、Ca、BaおよびSrの
    群から選ばれる少なくとも1種、CはCo、Ni、Z
    r、Ce、FeおよびMgの群から選ばれる少なくとも
    1種からなるとともに、a,b,c,dおよびeが、
    0.02≦a≦0.50、0.20≦b≦0.60、
    0.90≦c≦1.05、0≦d≦0.40および0.
    02≦e≦0.50を満足する複合ペロブスカイト型酸
    化物からなることを特徴とする固体電解質型燃料電池セ
    ル。
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