JPH0728936B2 - 消火剤 - Google Patents
消火剤Info
- Publication number
- JPH0728936B2 JPH0728936B2 JP61241939A JP24193986A JPH0728936B2 JP H0728936 B2 JPH0728936 B2 JP H0728936B2 JP 61241939 A JP61241939 A JP 61241939A JP 24193986 A JP24193986 A JP 24193986A JP H0728936 B2 JPH0728936 B2 JP H0728936B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fire extinguisher
- bicarbonate
- carbonate
- silicon dioxide
- fire
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Fire-Extinguishing Compositions (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は消火剤、特に天ぷら油やフライ用油等の植物油
に着火した際、これを有効且容易に消火し得る消火剤に
係るものである。
に着火した際、これを有効且容易に消火し得る消火剤に
係るものである。
[従来の技術] 天ぷらやフライ等に用いられる植物油にあっては、油の
着火温度、発火温度共に300℃以上であり、火災が発生
した場合には油温はせいぜい410℃程度である。
着火温度、発火温度共に300℃以上であり、火災が発生
した場合には油温はせいぜい410℃程度である。
従来、この様な火災に対して粉末等の消火薬剤がいくつ
か提案され、又、一部は商品化されている。
か提案され、又、一部は商品化されている。
[発明の解決しようとする問題点] しかしながら、これら粉末消火剤は、一旦消火した状態
でも油温を発火温度より降下させる効果に乏しい為、再
発火する欠点を有している。
でも油温を発火温度より降下させる効果に乏しい為、再
発火する欠点を有している。
[問題点を解決する為の手段] 本発明者はかかる欠点を除去し、植物油の火災を効果的
且確実迅速に消火し、しかも取り扱いが容易な消火剤を
見出すことを目的として種々研究、検討した結果、特定
の物性を有する二酸化珪素と、炭酸塩よ重炭酸塩とを用
いることにより、前記目的を達成し得ることを見出し
た。かくして本発明は、シリカゾルを熟成した後20〜60
℃の温度で乾燥して得られる二酸化珪素であって、平均
粒径が凝集状態で10〜20μm、水分含有量80〜20重量%
の二酸化珪素と炭酸塩及び又はい重炭酸塩とを主成分と
し、二酸化珪素と炭酸塩及び/又は重炭酸塩との総量に
対して炭酸塩及び/又は重炭酸塩の使用量が5〜25重量
%である消火剤を提供するにある。
且確実迅速に消火し、しかも取り扱いが容易な消火剤を
見出すことを目的として種々研究、検討した結果、特定
の物性を有する二酸化珪素と、炭酸塩よ重炭酸塩とを用
いることにより、前記目的を達成し得ることを見出し
た。かくして本発明は、シリカゾルを熟成した後20〜60
℃の温度で乾燥して得られる二酸化珪素であって、平均
粒径が凝集状態で10〜20μm、水分含有量80〜20重量%
の二酸化珪素と炭酸塩及び又はい重炭酸塩とを主成分と
し、二酸化珪素と炭酸塩及び/又は重炭酸塩との総量に
対して炭酸塩及び/又は重炭酸塩の使用量が5〜25重量
%である消火剤を提供するにある。
本発明において用いられる二酸化珪素は、水分含有量が
80〜20重量%を有することが必要であるが、これを具体
化する手段として二酸化珪素中にシラノール基を含有し
たものが用いられる。
80〜20重量%を有することが必要であるが、これを具体
化する手段として二酸化珪素中にシラノール基を含有し
たものが用いられる。
かかるシラノール基は、100℃に二酸化珪素を加熱した
際に速やかにシラノール基の90%以上が分解して水分と
してこれが蒸発するようなものである。本発明の二酸化
珪素は、シリカゾルを熟成した後20〜60℃の温度で乾燥
して得られるものである。例えば、通常行なわれている
珪酸ソーダと硫酸の反応により所望の粒径のシリカゾル
を形成し、これを通常の手段により熟成せしめるが、次
の乾燥工程において、20〜60℃の如き低温を採用し、長
時間かけて乾燥することにより得られる。その乾燥工程
の一例として、先ず60℃に5時間保持した後40℃に7時
間保持し、次いで35℃に6時間保持後徐冷することによ
り、水分含有量55重量%の二酸化珪素を得ることが出来
る。
際に速やかにシラノール基の90%以上が分解して水分と
してこれが蒸発するようなものである。本発明の二酸化
珪素は、シリカゾルを熟成した後20〜60℃の温度で乾燥
して得られるものである。例えば、通常行なわれている
珪酸ソーダと硫酸の反応により所望の粒径のシリカゾル
を形成し、これを通常の手段により熟成せしめるが、次
の乾燥工程において、20〜60℃の如き低温を採用し、長
時間かけて乾燥することにより得られる。その乾燥工程
の一例として、先ず60℃に5時間保持した後40℃に7時
間保持し、次いで35℃に6時間保持後徐冷することによ
り、水分含有量55重量%の二酸化珪素を得ることが出来
る。
そしてこの様に乾燥温度と時間を選ぶことにより、所望
の含水量の二酸化珪素を得ることが出来る。
の含水量の二酸化珪素を得ることが出来る。
これら水分含有量のうち、80〜35重量%を採用する場合
には、効果的且安定して消火を行ない得るので特に好ま
しい。
には、効果的且安定して消火を行ない得るので特に好ま
しい。
又、消火剤として用いられる二酸化珪素の平均粒径は凝
集状態で10〜20μm程度を採用するのが適当である。
集状態で10〜20μm程度を採用するのが適当である。
更に、これら二酸化珪素はBET法による比表面積が200〜
1200m2/g、細孔径が10〜300Å、細孔容積が0.4〜2.5ml/
gであることが好ましく、かかる物性を有することによ
り、二酸化珪素中の水分を速やかに且十分有効に消火に
活用することが可能となる。
1200m2/g、細孔径が10〜300Å、細孔容積が0.4〜2.5ml/
gであることが好ましく、かかる物性を有することによ
り、二酸化珪素中の水分を速やかに且十分有効に消火に
活用することが可能となる。
更に本発明においては、これら二酸化珪素と共に炭酸塩
よ重炭酸塩が併用される。炭酸塩としては炭酸ソーダや
炭酸カリを、又重炭酸塩としては重炭酸ソーダや重炭酸
カリを適宜単独或は混合して用い得る。そしてこれらの
使用量は、前記二酸化珪素との総量に対し、5〜25重量
%が適当である。炭酸塩や重炭酸塩は、油中においてそ
の表面にケン化膜を生成させる作用を有し、空気を遮断
する効果が大である。これらの使用量が5重量%に満た
ないと十分な空気遮断効果を期待し難く、逆に25重量%
を超えると二酸化珪素による冷却効果を実質的に阻害す
るので不適当である。
よ重炭酸塩が併用される。炭酸塩としては炭酸ソーダや
炭酸カリを、又重炭酸塩としては重炭酸ソーダや重炭酸
カリを適宜単独或は混合して用い得る。そしてこれらの
使用量は、前記二酸化珪素との総量に対し、5〜25重量
%が適当である。炭酸塩や重炭酸塩は、油中においてそ
の表面にケン化膜を生成させる作用を有し、空気を遮断
する効果が大である。これらの使用量が5重量%に満た
ないと十分な空気遮断効果を期待し難く、逆に25重量%
を超えると二酸化珪素による冷却効果を実質的に阻害す
るので不適当である。
かくしてこの様な消火剤を実際使用するに際しては、例
えば、これを袋等に収容しておき、天ぷら鍋に火災が発
生した際、これに投入する。その投入法は必ずしも火面
を覆うようにする必要はなく、又その投入量は、油量の
約2割程度でよい。
えば、これを袋等に収容しておき、天ぷら鍋に火災が発
生した際、これに投入する。その投入法は必ずしも火面
を覆うようにする必要はなく、又その投入量は、油量の
約2割程度でよい。
かくすることにより、投入された二酸化珪素はそれが有
するシラノール基が油の熱により分解し、水分が蒸発す
るとき油の熱を奪い、油温を発火点より有効に低下させ
ることが可能となると共に、炭酸塩や重炭酸塩によるケ
ン化膜の生成によって空気を有効に遮断せしめることが
可能となる。
するシラノール基が油の熱により分解し、水分が蒸発す
るとき油の熱を奪い、油温を発火点より有効に低下させ
ることが可能となると共に、炭酸塩や重炭酸塩によるケ
ン化膜の生成によって空気を有効に遮断せしめることが
可能となる。
本発明による消火剤は、天ぷら用油やフライ用油の如
く、植物性の油、換言すれば、発火温度が300〜400℃前
後の油火災に対して極めて有効な消火作用を有するもの
であり、使用時に炎が立ち上ることがなく、又固化、変
質せず、安価で毒性がなく、家庭において広く普及し得
る利点がある。
く、植物性の油、換言すれば、発火温度が300〜400℃前
後の油火災に対して極めて有効な消火作用を有するもの
であり、使用時に炎が立ち上ることがなく、又固化、変
質せず、安価で毒性がなく、家庭において広く普及し得
る利点がある。
[実施例] 実施例1 鉄製鍋に天ぷら油1100gを入れ、鍋を加熱して油温340℃
において着火した。このときSiO2 33重量%、水に換算
したシラノール基67重量%(このうちの97%は100℃に
より速やかに分解して水となる)を有し、比表面積800
〜1000m2/g、細孔径80〜150Å、細孔容積2ml/gを有する
平均粒径14μmの二酸化珪素(米国PQ社製、商品名ブラ
イトソルブ)100g及び炭酸ソーダ粉末20gとの混合物を
油面上に散布して加熱源を除いた。
において着火した。このときSiO2 33重量%、水に換算
したシラノール基67重量%(このうちの97%は100℃に
より速やかに分解して水となる)を有し、比表面積800
〜1000m2/g、細孔径80〜150Å、細孔容積2ml/gを有する
平均粒径14μmの二酸化珪素(米国PQ社製、商品名ブラ
イトソルブ)100g及び炭酸ソーダ粉末20gとの混合物を
油面上に散布して加熱源を除いた。
鍋中の油は薬剤投入後急激に320℃迄温度降下し、ジュ
ウジュウ音を出して12秒後に完全に消火し、油温は310
℃になった。この間炎の立ち上りや油の飛散等何らの危
険は生じなかった。
ウジュウ音を出して12秒後に完全に消火し、油温は310
℃になった。この間炎の立ち上りや油の飛散等何らの危
険は生じなかった。
実施例2 実施例1と同様な鍋に着火後1分間燃やし続け、油温が
355℃になり、炎が1m立ち上った。このとき、SiO2 67重
量%、水に換算したシラノール基を33重量%(このうち
の94%は100℃により速やかに分解して水となる)を有
し、比表面積1000〜1200m2/g、細孔径30〜40Å、細孔容
積0.6ml/gを有する平均粒径17μmの市販二酸化珪素200
g及び重炭酸ソーダ粉末25gとの混合物を散布すると共に
加熱源を除いた処、実施例1とほぼ同様に鎮火した。
355℃になり、炎が1m立ち上った。このとき、SiO2 67重
量%、水に換算したシラノール基を33重量%(このうち
の94%は100℃により速やかに分解して水となる)を有
し、比表面積1000〜1200m2/g、細孔径30〜40Å、細孔容
積0.6ml/gを有する平均粒径17μmの市販二酸化珪素200
g及び重炭酸ソーダ粉末25gとの混合物を散布すると共に
加熱源を除いた処、実施例1とほぼ同様に鎮火した。
尚、重炭酸ソーダ粉末の代りに重炭酸ソーダ粉末15g及
び炭酸ソーダ粉末10gの混合物を用いた場合も消火効果
は殆ど同様であった。
び炭酸ソーダ粉末10gの混合物を用いた場合も消火効果
は殆ど同様であった。
Claims (6)
- 【請求項1】シリカゾルを熟成した後20〜60℃の温度で
乾燥して得られる二酸化珪素であって、平均粒径が凝集
状態で10〜20μm、水分含有量80〜20重量%の二酸化珪
素と炭酸塩及び/又は重炭酸塩とを主成分とし、二酸化
珪素と炭酸塩及び/又は重炭酸塩との総量に対して炭酸
塩及び/又は重炭酸塩の使用量が5〜25重量%である消
火剤。 - 【請求項2】二酸化珪素はシラノール基を含有する特許
請求の範囲(1)の消火剤。 - 【請求項3】二酸化珪素は比表面積が200〜1200m2/g、
細孔径が10〜300Å、細孔容積が0.4〜2.5ml/gである特
許請求の範囲(1)又は(2)の消火剤。 - 【請求項4】炭酸塩は炭酸ソーダ又は炭酸カリである特
許請求の範囲(1)から(3)いずれか1の消火剤。 - 【請求項5】重炭酸塩は重炭酸ソーダ又は重炭酸カリで
ある特許請求の範囲(1)から(4)いずれか1の消火
剤。 - 【請求項6】消火剤は植物油火災用である特許請求の範
囲(1)から(5)いずれか1の消火剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61241939A JPH0728936B2 (ja) | 1986-10-14 | 1986-10-14 | 消火剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61241939A JPH0728936B2 (ja) | 1986-10-14 | 1986-10-14 | 消火剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6397178A JPS6397178A (ja) | 1988-04-27 |
JPH0728936B2 true JPH0728936B2 (ja) | 1995-04-05 |
Family
ID=17081814
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61241939A Expired - Lifetime JPH0728936B2 (ja) | 1986-10-14 | 1986-10-14 | 消火剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0728936B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB8705803D0 (en) * | 1987-03-11 | 1987-04-15 | Ici Plc | Explosion suppression system |
JP2544563Y2 (ja) * | 1993-12-27 | 1997-08-20 | 東京都 | 燃焼天ぷら油の消火具 |
JP2014534839A (ja) * | 2011-10-12 | 2014-12-25 | エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー | 炭酸ケイ素組成物とその調製方法および使用方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6031769A (ja) * | 1983-08-02 | 1985-02-18 | 株式会社柏化学工業 | 油火災消火薬剤 |
JPS60122576A (ja) * | 1983-12-08 | 1985-07-01 | 中西化研株式会社 | 粉末消火剤 |
-
1986
- 1986-10-14 JP JP61241939A patent/JPH0728936B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6397178A (ja) | 1988-04-27 |
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