JPH0728914B2 - 眼内レンズ - Google Patents
眼内レンズInfo
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- JPH0728914B2 JPH0728914B2 JP1294917A JP29491789A JPH0728914B2 JP H0728914 B2 JPH0728914 B2 JP H0728914B2 JP 1294917 A JP1294917 A JP 1294917A JP 29491789 A JP29491789 A JP 29491789A JP H0728914 B2 JPH0728914 B2 JP H0728914B2
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- Japan
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- lens
- polyimide
- intraocular lens
- polyamic acid
- colorless
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- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、白そこひ等による水晶対摘出手術後に、無
水晶体眼となった眼内の前房または後房内に入れること
により視力を回復させることが可能となる眼内レンズ
(人工水晶体)に関するものである。
水晶体眼となった眼内の前房または後房内に入れること
により視力を回復させることが可能となる眼内レンズ
(人工水晶体)に関するものである。
[従来の技術] 白内障等により水晶体摘出手術後に無水晶体眼となった
患者の視力回復(屈折強制)の方法としては、(1)眼
鏡使用(2)コンタクトレンズ装用および(3)人工水
晶体いわゆる眼内レンズ移植が行われている。
患者の視力回復(屈折強制)の方法としては、(1)眼
鏡使用(2)コンタクトレンズ装用および(3)人工水
晶体いわゆる眼内レンズ移植が行われている。
(1)眼鏡矯正では手術後、視力は得られるものの、視
野の狭窄(網膜像の拡大)や、ジャックインザボックス
(Jack in the box)現象等に悩まされ、実際に使用で
きるまでには患者自信、ある期間、堪えなければならな
い。また、特に、片眼無水晶体眼の場合には、不等像視
のため両眼視機能が得られない。
野の狭窄(網膜像の拡大)や、ジャックインザボックス
(Jack in the box)現象等に悩まされ、実際に使用で
きるまでには患者自信、ある期間、堪えなければならな
い。また、特に、片眼無水晶体眼の場合には、不等像視
のため両眼視機能が得られない。
(2)コンタクトレンズ装用はこのような不等像視に対
して有効であり、現在では高含水率ソフトコンタクトレ
ンズ等が開発され、連続装用が可能となり、この問題は
解決されつつあるが、患者が高齢者であることが多く、
その取り扱いが困難であるために手術後処方しても実際
に装用している人が少ないのが現状である。このよう
に、眼鏡およびコンタクトレンズによる矯正は、好まし
い方法とは云えない。
して有効であり、現在では高含水率ソフトコンタクトレ
ンズ等が開発され、連続装用が可能となり、この問題は
解決されつつあるが、患者が高齢者であることが多く、
その取り扱いが困難であるために手術後処方しても実際
に装用している人が少ないのが現状である。このよう
に、眼鏡およびコンタクトレンズによる矯正は、好まし
い方法とは云えない。
(3)人工水晶体移植はすでに30年前から行われている
方法であり、人工水晶体、いわする眼内レンズは網膜像
の拡大も少なく、視野狭窄や輪状暗点もなく、両眼視機
能を得ることができ(片眼無水晶眼では眼鏡に比べて特
に優れた点である)、慣れに要する期間がいらず、一度
移植してしまえば取り外す必要のないことから優れた点
が多い。近年顕微鏡や超音波メス等の発達により、移植
手術手技が向上し、また眼内レンズの形および材質がよ
り改善されており、上記眼内レンズは、無水晶体眼の視
力矯正の方法として今後最も重要となるものである。こ
のように眼内レンズは視力矯正において非常に優れてい
るが、眼内レンズは眼内異物であり、眼合併症が問題で
あり、角膜内皮障害を併発し、ついには代償不全となり
失明に至るという例もみられる。したがって、眼内レン
ズの素材としては生体毒性がなく、かつ生体適合性に優
れており、さらに生体側からの修飾、劣化を受けないこ
とが要求される。
方法であり、人工水晶体、いわする眼内レンズは網膜像
の拡大も少なく、視野狭窄や輪状暗点もなく、両眼視機
能を得ることができ(片眼無水晶眼では眼鏡に比べて特
に優れた点である)、慣れに要する期間がいらず、一度
移植してしまえば取り外す必要のないことから優れた点
が多い。近年顕微鏡や超音波メス等の発達により、移植
手術手技が向上し、また眼内レンズの形および材質がよ
り改善されており、上記眼内レンズは、無水晶体眼の視
力矯正の方法として今後最も重要となるものである。こ
のように眼内レンズは視力矯正において非常に優れてい
るが、眼内レンズは眼内異物であり、眼合併症が問題で
あり、角膜内皮障害を併発し、ついには代償不全となり
失明に至るという例もみられる。したがって、眼内レン
ズの素材としては生体毒性がなく、かつ生体適合性に優
れており、さらに生体側からの修飾、劣化を受けないこ
とが要求される。
ところで自然光は、紫外線,可視光線および赤外線領域
の波長をも含んでおり、眼内に対する多量の紫外線の透
過は、網膜の障害を引き起こす危険性がある。眼の水晶
体は、上記紫外線を優先的に吸収して網膜を保護する役
目も果たしているため、先に述べたような無水晶体眼に
おいては、紫外線の透過は大きな問題となる。このた
め、上記眼内レンズの素材としては200〜380nm領域の紫
外線を吸収し、380〜780nm領域の可視光線に対しては透
明であることが望まれている。さらに、上記眼内レンズ
自体が重いと、眼に負担を与えるため、その素材として
は本質的に比重が小さく、かつレンズ厚を薄くできるよ
う屈折率の大きいことが望まれている。
の波長をも含んでおり、眼内に対する多量の紫外線の透
過は、網膜の障害を引き起こす危険性がある。眼の水晶
体は、上記紫外線を優先的に吸収して網膜を保護する役
目も果たしているため、先に述べたような無水晶体眼に
おいては、紫外線の透過は大きな問題となる。このた
め、上記眼内レンズの素材としては200〜380nm領域の紫
外線を吸収し、380〜780nm領域の可視光線に対しては透
明であることが望まれている。さらに、上記眼内レンズ
自体が重いと、眼に負担を与えるため、その素材として
は本質的に比重が小さく、かつレンズ厚を薄くできるよ
う屈折率の大きいことが望まれている。
例えば、ガラスは屈折率が高く紫外線の吸収が可能であ
るが、加工が難しく、また比重が大きい(2.5)ことか
ら、レンズ自体が重くなり、眼に対する負担が大きくな
ることから眼内レンズとしては使用に問題がある。サフ
ァイア,ルビー,コランダム,シリコン,ダイアモンド
等の天然結晶体ないしは合成結晶体も紫外線の吸収能を
有するが、ガラス同様、加工が困難であり、比重もまた
大きいことから、やはり眼内レンズとしては不適当であ
る。
るが、加工が難しく、また比重が大きい(2.5)ことか
ら、レンズ自体が重くなり、眼に対する負担が大きくな
ることから眼内レンズとしては使用に問題がある。サフ
ァイア,ルビー,コランダム,シリコン,ダイアモンド
等の天然結晶体ないしは合成結晶体も紫外線の吸収能を
有するが、ガラス同様、加工が困難であり、比重もまた
大きいことから、やはり眼内レンズとしては不適当であ
る。
現在、眼内レンズとして最も多く使用されているのは、
ポリメチルメタクリレート(PMMA)である。このPMMAは
光学特性に優れ、酸,アルカリ,有機溶剤に対して耐性
があり、経年変化にも強いという特性を備えている。
ポリメチルメタクリレート(PMMA)である。このPMMAは
光学特性に優れ、酸,アルカリ,有機溶剤に対して耐性
があり、経年変化にも強いという特性を備えている。
しかしながら、上記PMMAはガラス転移温度(Tg)が100
℃以下と低く熱安定性に欠けるため、蒸気を用いるオー
トクレープ滅菌を行うことができない。オートクレープ
滅菌は、通常121℃,1.2気圧,1時間程度の条件で行うた
め、この条件下ではPMMAは軟化して変形してしまい使用
不可能となるからである。したがって、PMMAでつくられ
た眼内レンズはエチレンオキサイドガス等による滅菌法
によって滅菌されているが、レンズ内にガスが残留し、
これを眼内に入れた場合、粘膜に対し炎症を起こす恐れ
がある。そのため、上記ガス滅菌法においては、ガス抜
きが必須工程となっており、これに2週間程度を要する
ため、コスト高となり、蒸気オートクレープ滅菌法より
も高価なものとなっているのが現状である。また、PMMA
はかなりの紫外線を透過させるため、先に述べたよう
に、紫外線によって網膜の損傷を生起する可能性があ
る。このため、特開昭60−232149号にみられるように、
紫外線吸収剤を添加することによって、上記問題を解決
することが図られている。しかしながら、このように紫
外線吸収剤を添加すると、可視光線の透過性をも悪くし
たり、また、徐々にレンズから紫外線吸収剤が浸出し、
生体に対して悪影響を及ぼす恐れがあるため、好ましい
方法とはいえない。また、上記PMMAは、ガラスに比べて
屈折率が約1.4と小さいため、レンズが厚くなってしま
い、レンズが瞳孔に付着して合併症を引き起こす可能性
もある。
℃以下と低く熱安定性に欠けるため、蒸気を用いるオー
トクレープ滅菌を行うことができない。オートクレープ
滅菌は、通常121℃,1.2気圧,1時間程度の条件で行うた
め、この条件下ではPMMAは軟化して変形してしまい使用
不可能となるからである。したがって、PMMAでつくられ
た眼内レンズはエチレンオキサイドガス等による滅菌法
によって滅菌されているが、レンズ内にガスが残留し、
これを眼内に入れた場合、粘膜に対し炎症を起こす恐れ
がある。そのため、上記ガス滅菌法においては、ガス抜
きが必須工程となっており、これに2週間程度を要する
ため、コスト高となり、蒸気オートクレープ滅菌法より
も高価なものとなっているのが現状である。また、PMMA
はかなりの紫外線を透過させるため、先に述べたよう
に、紫外線によって網膜の損傷を生起する可能性があ
る。このため、特開昭60−232149号にみられるように、
紫外線吸収剤を添加することによって、上記問題を解決
することが図られている。しかしながら、このように紫
外線吸収剤を添加すると、可視光線の透過性をも悪くし
たり、また、徐々にレンズから紫外線吸収剤が浸出し、
生体に対して悪影響を及ぼす恐れがあるため、好ましい
方法とはいえない。また、上記PMMAは、ガラスに比べて
屈折率が約1.4と小さいため、レンズが厚くなってしま
い、レンズが瞳孔に付着して合併症を引き起こす可能性
もある。
このように、PMMAは長所の多い反面、欠点も多いため、
オートクレープ滅菌ができ、紫外線の吸収が可能であ
り、さらに屈折率の高い素材が要望されている。
オートクレープ滅菌ができ、紫外線の吸収が可能であ
り、さらに屈折率の高い素材が要望されている。
PMMAに代わる合成樹脂として、ポリスルホン,ポリアリ
レート,ポリエーテルイミド等が検討されている。上記
ポリスルホンは、高屈折率を有していて、紫外線吸収性
をも備えており、軟化点が175℃であって、オートクレ
ープ滅菌が可能であるが、加工性に難点があるため実用
化することはできない。また、ポリアリレートも高屈折
率,紫外線吸収性を備えており、かつオートクレープ滅
菌も可能であるが、上記ポリスルホン同様、加工性に問
題があり実用化に難点がある。また、既存のポリエーテ
ルイミドは、高屈折率,紫外線吸収性、オートクレープ
滅菌性に加えて加工性も良好であるが、黄色ないし黄褐
色に着色されており、可視光線の透過量が低すぎるた
め、眼内レンズとしては使用することは不可能である。
レート,ポリエーテルイミド等が検討されている。上記
ポリスルホンは、高屈折率を有していて、紫外線吸収性
をも備えており、軟化点が175℃であって、オートクレ
ープ滅菌が可能であるが、加工性に難点があるため実用
化することはできない。また、ポリアリレートも高屈折
率,紫外線吸収性を備えており、かつオートクレープ滅
菌も可能であるが、上記ポリスルホン同様、加工性に問
題があり実用化に難点がある。また、既存のポリエーテ
ルイミドは、高屈折率,紫外線吸収性、オートクレープ
滅菌性に加えて加工性も良好であるが、黄色ないし黄褐
色に着色されており、可視光線の透過量が低すぎるた
め、眼内レンズとしては使用することは不可能である。
このように、PMMAは先に述べたような欠点を有している
にもかかわらず、それに代わる素材が見いだされていな
いため、高価なガス滅菌法を応用して滅菌を行い、光学
的,生体的に悪影響を及ぼす可能性のある紫外線吸収性
の添加により眼内レンズ素材として使用しているのが実
情である。
にもかかわらず、それに代わる素材が見いだされていな
いため、高価なガス滅菌法を応用して滅菌を行い、光学
的,生体的に悪影響を及ぼす可能性のある紫外線吸収性
の添加により眼内レンズ素材として使用しているのが実
情である。
[発明が解決しようとする課題] この発明は、このような事情に鑑みなされたもので、生
体適合性,紫外線吸収性に優れ、比重が小さく、屈折率
が大きく、化学的に安定で、しかもオートクレープ蒸気
滅菌が可能な耐熱性を備えている眼内レンズの提供をそ
の目的とする。
体適合性,紫外線吸収性に優れ、比重が小さく、屈折率
が大きく、化学的に安定で、しかもオートクレープ蒸気
滅菌が可能な耐熱性を備えている眼内レンズの提供をそ
の目的とする。
より具体的には機械加工ないしは成形等により容易に薄
いレンズ状に加工することが可能であって、比重が1.7
以下、好ましくは1.5以下であり、屈折率が1.5以上、好
ましくは1.6以上であり、さらに化学的に安定で、かつ
生体適合性を有しており、網膜に対して危険な紫外線を
吸収し、しかもオートクレープ蒸気滅菌が可能な耐熱性
を備えている眼内レンズ素材を提供することを目的とす
る。
いレンズ状に加工することが可能であって、比重が1.7
以下、好ましくは1.5以下であり、屈折率が1.5以上、好
ましくは1.6以上であり、さらに化学的に安定で、かつ
生体適合性を有しており、網膜に対して危険な紫外線を
吸収し、しかもオートクレープ蒸気滅菌が可能な耐熱性
を備えている眼内レンズ素材を提供することを目的とす
る。
[課題を解決するための手段] 上記目的は、「レンズ部と、これを眼内に固定する固定
部とを備え、上記レンズ部が、下記の一般式(I)で表
される繰返し単位を主成分とする無色透明なポリイミド
によって構成されている眼内レンズ」で達成された。
部とを備え、上記レンズ部が、下記の一般式(I)で表
される繰返し単位を主成分とする無色透明なポリイミド
によって構成されている眼内レンズ」で達成された。
(式中、Xは直結、炭素数1ないし10の2価の鎖式炭化
水素基、ペルフルオロ(1−メチルエチリデン)基、カ
ルボニル基、チオ基からなる群より選ばれた基を表し、
イミド環の窒素原子の結合位置はエーテル結合に対しメ
タまたはパラ位である。) 先に本発明者等はポリイミドが本来有する長期耐熱性,
耐薬品性,機械的強度に加え、著しく光線透過率の高い
ポリイミドフィルムとして上記(I)で表される骨格を
基本構造とするポリイミドを開示した(特開昭62−1857
15)。
水素基、ペルフルオロ(1−メチルエチリデン)基、カ
ルボニル基、チオ基からなる群より選ばれた基を表し、
イミド環の窒素原子の結合位置はエーテル結合に対しメ
タまたはパラ位である。) 先に本発明者等はポリイミドが本来有する長期耐熱性,
耐薬品性,機械的強度に加え、著しく光線透過率の高い
ポリイミドフィルムとして上記(I)で表される骨格を
基本構造とするポリイミドを開示した(特開昭62−1857
15)。
本発明者等は上記(I)式で表されるポリイミドを眼内
レンズとして使用すべく鋭意検討した結果、本発明に至
ったものである。
レンズとして使用すべく鋭意検討した結果、本発明に至
ったものである。
すなわち、本発明者らは、先に述べたPMMAより優れた眼
内レンズを得るために、一連の樹脂について検討を重ね
た結果、芳香族ポリイミドは、紫外線を完全に吸収し、
しかも屈折率が大きく(1.6以上)、またオートクレー
プ蒸気滅菌を行うのに充分な耐熱性を備えており、PMMA
に比べて優れた特性を備えていることを突き止めた。し
かしながら、既存の芳香族ポリイミドは黄色ないしは褐
色に着色しているため、紫外線のみならず可視光線のか
なりの部分を吸収してしまう。そこで、本発明者らは、
可視光線を吸収しない芳香族ポリイミドの開発について
研究を重ねた結果、上記一般式(I)で表される芳香族
ポリイミドを用いると、紫外線を完全に吸収し、しかも
可視光線の大半を透過させて実質的に透過である眼内レ
ンズが得られ、さらに、このものは従来の芳香族ポリイ
ミド同様、眼内レンズに要求される諸特性を備えてお
り、生体適合性にも優れていることを見いだしこの発明
に到達した。
内レンズを得るために、一連の樹脂について検討を重ね
た結果、芳香族ポリイミドは、紫外線を完全に吸収し、
しかも屈折率が大きく(1.6以上)、またオートクレー
プ蒸気滅菌を行うのに充分な耐熱性を備えており、PMMA
に比べて優れた特性を備えていることを突き止めた。し
かしながら、既存の芳香族ポリイミドは黄色ないしは褐
色に着色しているため、紫外線のみならず可視光線のか
なりの部分を吸収してしまう。そこで、本発明者らは、
可視光線を吸収しない芳香族ポリイミドの開発について
研究を重ねた結果、上記一般式(I)で表される芳香族
ポリイミドを用いると、紫外線を完全に吸収し、しかも
可視光線の大半を透過させて実質的に透過である眼内レ
ンズが得られ、さらに、このものは従来の芳香族ポリイ
ミド同様、眼内レンズに要求される諸特性を備えてお
り、生体適合性にも優れていることを見いだしこの発明
に到達した。
すなわち、この発明の眼内レンズは、レンズ部が、生体
適合性があり、化学的に不活性であり、生体側からの修
飾,劣代を受けず、屈折率が1.6以上であり、200〜380n
m領域の紫外線を完全に吸収し、かつ380〜780nm領域の
可視光線に対しては実質的に透明であり、オートクレー
プ滅菌に耐えうる耐熱性を備えた一般式(I)で表され
る繰返し単位を主成分とする無色透明なポリイミドによ
って構成されているものである。
適合性があり、化学的に不活性であり、生体側からの修
飾,劣代を受けず、屈折率が1.6以上であり、200〜380n
m領域の紫外線を完全に吸収し、かつ380〜780nm領域の
可視光線に対しては実質的に透明であり、オートクレー
プ滅菌に耐えうる耐熱性を備えた一般式(I)で表され
る繰返し単位を主成分とする無色透明なポリイミドによ
って構成されているものである。
この発明の眼内レンズは、レンズ部とこのレンズ部を眼
内に固定するための固定部とを備えている。そして、レ
ンズ部は、前記一般式(I)で表される繰返し単位を主
成分とする無色透明なポリイミドによって構成されてい
る。このような無色透明なポリイミドは、例えばつぎの
一般式(II)、 で表される3,3′,4,4′−ジフェニルエーテルテトラカ
ルボン酸二無水物と、一般式(III) (式中、Xは式(I)の定義と同じであり、アミノ基の
結合位置はエーテル結合に対しメタまたはパラ位であ
る。) で表される芳香族ジアミノ化合物との反応によって得ら
れる式(IV) (式中、Xは式(I)の定義と同じであり、アミド結合
の窒素原子の位置はエーテル結合に対しメタ位またはパ
ラ位である。) で表される繰返し単位を有するポリアミド酸をさらに脱
水環化して得られる。
内に固定するための固定部とを備えている。そして、レ
ンズ部は、前記一般式(I)で表される繰返し単位を主
成分とする無色透明なポリイミドによって構成されてい
る。このような無色透明なポリイミドは、例えばつぎの
一般式(II)、 で表される3,3′,4,4′−ジフェニルエーテルテトラカ
ルボン酸二無水物と、一般式(III) (式中、Xは式(I)の定義と同じであり、アミノ基の
結合位置はエーテル結合に対しメタまたはパラ位であ
る。) で表される芳香族ジアミノ化合物との反応によって得ら
れる式(IV) (式中、Xは式(I)の定義と同じであり、アミド結合
の窒素原子の位置はエーテル結合に対しメタ位またはパ
ラ位である。) で表される繰返し単位を有するポリアミド酸をさらに脱
水環化して得られる。
上記芳香族ジアミノ化合物としては、ビス〔4−(3−
アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,
1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エ
タン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕エタン、1,2ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−
ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタ
ン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕ブタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4′−
ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィ
ド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ス
ルフィドなどがあげられる。
アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,
1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エ
タン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕エタン、1,2ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−
ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタ
ン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕ブタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4′−
ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィ
ド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ス
ルフィドなどがあげられる。
上記芳香族ジアミンはそれぞれ単独で用いてもよいし、
適宜組み合わせて用いてもよい。
適宜組み合わせて用いてもよい。
上記のような3,3′,4,4′−ジフェニルエーテルテトラ
カルボン酸二無水物と上記の芳香族ジアミンとを組み合
わせることにより、始めて前記一般式(I)で表される
繰返し単位を主成分とする無色透明なポリイミドが得ら
れるのである。ここで、主成分とするとは、全体が主成
分のみからなる場合も含める趣旨である。この場合にお
いて、無色透明なポリイミドの主成分となる上記一般式
(I)で表される繰返し単位の含有量が多い程、得られ
るポリイミドの無色透明性が高まる。しかしながら、上
記の一般式(I)で表される繰返し単位が80モル%以上
含有されていれば少なくともこの発明で求める紫外線吸
収性および可視光線透過性が確保されるので、その範囲
内において、上記3,3′,4,4′−ジフェニルエーテルテ
トラカルボン酸二無水物以外のその他の芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物および上記芳香族ジアミン以外のその
他のジアミン化合物を用いることができる。しかし、上
記一般式(I)で表される繰返し単位の含有量の好まし
い範囲は80モル%以上であり、最も好ましい範囲は95モ
ル%以上である。
カルボン酸二無水物と上記の芳香族ジアミンとを組み合
わせることにより、始めて前記一般式(I)で表される
繰返し単位を主成分とする無色透明なポリイミドが得ら
れるのである。ここで、主成分とするとは、全体が主成
分のみからなる場合も含める趣旨である。この場合にお
いて、無色透明なポリイミドの主成分となる上記一般式
(I)で表される繰返し単位の含有量が多い程、得られ
るポリイミドの無色透明性が高まる。しかしながら、上
記の一般式(I)で表される繰返し単位が80モル%以上
含有されていれば少なくともこの発明で求める紫外線吸
収性および可視光線透過性が確保されるので、その範囲
内において、上記3,3′,4,4′−ジフェニルエーテルテ
トラカルボン酸二無水物以外のその他の芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物および上記芳香族ジアミン以外のその
他のジアミン化合物を用いることができる。しかし、上
記一般式(I)で表される繰返し単位の含有量の好まし
い範囲は80モル%以上であり、最も好ましい範囲は95モ
ル%以上である。
上記その他の芳香族テトラカルボン酸二無水物として
は、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4′−ビス(3,4−
ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水
物、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン
酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレ
ンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテ
トラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラ
カルボン酸二無水物があげられ、これらは単独でまたは
併せて用いることができる。
は、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4′−ビス(3,4−
ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水
物、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン
酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレ
ンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテ
トラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラ
カルボン酸二無水物があげられ、これらは単独でまたは
併せて用いることができる。
また、その他のジアミノ化合物としては、4,4′−ジア
ミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニル
エーテル、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′
−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフ
ェニルメタン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、4,
4′−ジアミノベンゾフェノン、3,3′−ジアミノベンゾ
フェノン、4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、3,3′
−ジアミノジフェニルプロパン、p−フェニレンジアミ
ン、m−フェニレンジアミン、ベンジジン、3,3′−ジ
メチルベンジジン、4,4′−ジアミノジフェニルチオエ
ーテル、3,3′−ジアミノジフェニルチオエーテル等が
あげられ、単独でもしくは併せて用いることができる。
ミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニル
エーテル、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′
−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフ
ェニルメタン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、4,
4′−ジアミノベンゾフェノン、3,3′−ジアミノベンゾ
フェノン、4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、3,3′
−ジアミノジフェニルプロパン、p−フェニレンジアミ
ン、m−フェニレンジアミン、ベンジジン、3,3′−ジ
メチルベンジジン、4,4′−ジアミノジフェニルチオエ
ーテル、3,3′−ジアミノジフェニルチオエーテル等が
あげられ、単独でもしくは併せて用いることができる。
この発明の眼内レンズの素材となる無色透明なポリイミ
ドは、上記の芳香族テトラカルボン酸二無水物およびジ
アミノ化合物を有機極性溶媒中において、80℃以下の温
度で重合させることによりポリアミド酸を合成し、この
ポリアミド酸溶液を用いて所望の形状の賦形体を形成
し、この賦形体を空気中または不活性ガス中において、
温度;50〜350℃,圧力;常圧もしくは減圧の条件下で有
機極性溶媒を蒸発除去すると同時にポリアミド酸を脱水
閉環してポリイミドにすること等により得られる。ま
た、上記ポリアミド酸溶液においてピリジン等の塩基と
無水酢酸等の脱水剤を用い、イミド化を行いポリイミド
にする化学的イミド化方法によって得ることができる。
ドは、上記の芳香族テトラカルボン酸二無水物およびジ
アミノ化合物を有機極性溶媒中において、80℃以下の温
度で重合させることによりポリアミド酸を合成し、この
ポリアミド酸溶液を用いて所望の形状の賦形体を形成
し、この賦形体を空気中または不活性ガス中において、
温度;50〜350℃,圧力;常圧もしくは減圧の条件下で有
機極性溶媒を蒸発除去すると同時にポリアミド酸を脱水
閉環してポリイミドにすること等により得られる。ま
た、上記ポリアミド酸溶液においてピリジン等の塩基と
無水酢酸等の脱水剤を用い、イミド化を行いポリイミド
にする化学的イミド化方法によって得ることができる。
上記の方法において、ポリアミド酸を再沈により単離
し、その後加熱あるいは化学的イミド化剤により、脱水
閉環してポリイミドとすることも可能である。さらに、
ポリアミド酸合成後の溶液をそのまま100℃以上に加熱
してイミド化し、溶液中より沈澱物或いは貧溶媒に排出
してポリイミドを得ることもできる。この場合、ろ別洗
浄が必要となるが、実質的に同一の無色透明なポリイミ
ドが得られる。
し、その後加熱あるいは化学的イミド化剤により、脱水
閉環してポリイミドとすることも可能である。さらに、
ポリアミド酸合成後の溶液をそのまま100℃以上に加熱
してイミド化し、溶液中より沈澱物或いは貧溶媒に排出
してポリイミドを得ることもできる。この場合、ろ別洗
浄が必要となるが、実質的に同一の無色透明なポリイミ
ドが得られる。
この反応に用いる有機溶媒としては、例えばN,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−
ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセト
アミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、
1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)
エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタ
ン、ビス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}エー
テル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジ
オキサン、ピリジン、ピコリン、キノリン、ジメチルス
ルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素、ヘ
キサメチルホスホルアミド、フェノール、クレゾール、
ハロフェノールなどが挙げられる。またこれらの有機溶
剤は単独でも或いは2種以上混合して用いても差し支え
ない。
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−
ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセト
アミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、
1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)
エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタ
ン、ビス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}エー
テル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジ
オキサン、ピリジン、ピコリン、キノリン、ジメチルス
ルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素、ヘ
キサメチルホスホルアミド、フェノール、クレゾール、
ハロフェノールなどが挙げられる。またこれらの有機溶
剤は単独でも或いは2種以上混合して用いても差し支え
ない。
なお、上記に例示した好適な有機極性溶媒を使用する際
に、上記溶媒に、エタノール,トルエン,ベンゼン,キ
シレン,ジオキサン,テトラヒドロフラン,ニトロベン
ゼン等の、透明性を損なわない貧溶媒または良溶媒を、
溶解性を損なわない範囲内において1種もしくは2種以
上適宜混合して用いてもよい。ただし、これらの溶媒は
多量に使用すると、生成ポリアミド酸の溶解性に悪影響
を及ぼすようになる。したがって、その使用量は溶媒全
体の50重量%未満に制限することが妥当であり、最も好
ましいのは30重量%までにとどめることである。
に、上記溶媒に、エタノール,トルエン,ベンゼン,キ
シレン,ジオキサン,テトラヒドロフラン,ニトロベン
ゼン等の、透明性を損なわない貧溶媒または良溶媒を、
溶解性を損なわない範囲内において1種もしくは2種以
上適宜混合して用いてもよい。ただし、これらの溶媒は
多量に使用すると、生成ポリアミド酸の溶解性に悪影響
を及ぼすようになる。したがって、その使用量は溶媒全
体の50重量%未満に制限することが妥当であり、最も好
ましいのは30重量%までにとどめることである。
上記のようにして、無色透明なポリイミドを製造する際
にポリアミド酸溶液の固有粘度(対数粘度)は0.2〜5.0
の範囲にあることが好ましい。より好適なのは0.3〜2.0
である。上記固有粘度は、N,N−ジメチルアセトアミド
中0.5g/100mlの温度で測定した値である。この固有粘度
が低すぎると得られる眼内レンズの機械的強度が低くな
るため好ましくない。また、固有粘度が高すぎるとポリ
アミド酸溶液を適当な形状に賦形する際の作業、あるい
はポリアミド酸を単離する作業が困難となるため好まし
くない。又、得られたポリイミド粉を押し出し或いは射
出成形する際に溶融粘度が高くなりすぎて加工性が低下
してしまう。尚、ポリアミド酸溶液の濃度は特に制限が
無く作業性等の見地から適宜決定される。
にポリアミド酸溶液の固有粘度(対数粘度)は0.2〜5.0
の範囲にあることが好ましい。より好適なのは0.3〜2.0
である。上記固有粘度は、N,N−ジメチルアセトアミド
中0.5g/100mlの温度で測定した値である。この固有粘度
が低すぎると得られる眼内レンズの機械的強度が低くな
るため好ましくない。また、固有粘度が高すぎるとポリ
アミド酸溶液を適当な形状に賦形する際の作業、あるい
はポリアミド酸を単離する作業が困難となるため好まし
くない。又、得られたポリイミド粉を押し出し或いは射
出成形する際に溶融粘度が高くなりすぎて加工性が低下
してしまう。尚、ポリアミド酸溶液の濃度は特に制限が
無く作業性等の見地から適宜決定される。
ここに対数粘度とは次式で算出した値である。
対数粘度=1n(η/η0)/c 式中1nは自然対数、ηは溶媒、N,N−ジメチルアセトア
ミド100ml中にポリアミド酸0.5gを溶かした溶液の35℃
で測定した粘度、η0は溶媒の35℃で測定した粘度、c
は溶媒100ml当りポリアミド酸のgで表された重合体の
溶液濃度である。
ミド100ml中にポリアミド酸0.5gを溶かした溶液の35℃
で測定した粘度、η0は溶媒の35℃で測定した粘度、c
は溶媒100ml当りポリアミド酸のgで表された重合体の
溶液濃度である。
上記のようにして得られる無色透明なポリイミドを用い
て眼内レンズを作製するには、例えばつぎのような方法
がある。
て眼内レンズを作製するには、例えばつぎのような方法
がある。
第1の方法はポリイミドフィルムを前もって作製しそれ
を数枚重ね合せて所望の厚みの板状成形体を得る方法で
ある。すなわち、前記ポリアミド酸溶液を鏡面仕上げし
たガラス板、ステンレス板等の上に一定の厚みになるよ
うに流延し、100〜350℃の温度で徐々に加熱して脱水閉
環させ、ポリアミド酸をイミド化することによりポリイ
ミドフィルムを得る。ポリアミド酸溶液からのフィルム
形成における有機極性溶媒の除去およびポリアミド酸の
イミド化のための加熱は連続して行ってもよく、またこ
れらの工程を減圧したもしくは不活性ガス雰囲気中で行
ってもよい。また、ポリイミドフィルム形成の他の方法
は、上記のポリアミド酸溶液をガラス板上等に流延して
100〜150℃で30〜120分加熱乾燥して皮膜を形成し、こ
の皮膜をピリジン等の塩基と無水酢酸等の脱水剤を含む
有機溶媒又は水溶液等に浸漬して脱溶剤とイミド化反応
を行い、上記皮膜をポリイミドフィルムとする方法であ
り、この方法によってもポリイミドフィルムを得ること
ができる。
を数枚重ね合せて所望の厚みの板状成形体を得る方法で
ある。すなわち、前記ポリアミド酸溶液を鏡面仕上げし
たガラス板、ステンレス板等の上に一定の厚みになるよ
うに流延し、100〜350℃の温度で徐々に加熱して脱水閉
環させ、ポリアミド酸をイミド化することによりポリイ
ミドフィルムを得る。ポリアミド酸溶液からのフィルム
形成における有機極性溶媒の除去およびポリアミド酸の
イミド化のための加熱は連続して行ってもよく、またこ
れらの工程を減圧したもしくは不活性ガス雰囲気中で行
ってもよい。また、ポリイミドフィルム形成の他の方法
は、上記のポリアミド酸溶液をガラス板上等に流延して
100〜150℃で30〜120分加熱乾燥して皮膜を形成し、こ
の皮膜をピリジン等の塩基と無水酢酸等の脱水剤を含む
有機溶媒又は水溶液等に浸漬して脱溶剤とイミド化反応
を行い、上記皮膜をポリイミドフィルムとする方法であ
り、この方法によってもポリイミドフィルムを得ること
ができる。
このようにして得られたポリイミドフィルムを一定の厚
みの板状成形体となるように必要枚数を重ね、温度200
〜400℃,圧力0.5〜10t/cm2で0.1〜10時間熱圧成形を行
うことにより透明性のあるポリイミドの成形体が得られ
る。これを研摩装置を用いて眼内レンズ状に研摩加工す
ることにより眼内レンズが得られる。
みの板状成形体となるように必要枚数を重ね、温度200
〜400℃,圧力0.5〜10t/cm2で0.1〜10時間熱圧成形を行
うことにより透明性のあるポリイミドの成形体が得られ
る。これを研摩装置を用いて眼内レンズ状に研摩加工す
ることにより眼内レンズが得られる。
第2の方法は、ポリイミド粉或いはポリアミド酸粉を直
接加熱成形する方法である。すなわち、ポリアミド酸溶
液を水,メタノール等の貧溶媒中に投入してポリアミド
酸を再沈させて回収後、100〜350℃の温度で加熱するこ
とにより脱水閉環してイミド化し、つづいて、粉砕して
無色透明なポリイミドの粉末を得、この粉末状のポリイ
ミドを用いて前記同様、温度200〜400℃,圧力0.5〜10t
/cm2で0.1〜10時間熱圧成形することにより透明性のあ
るポリイミドの成形体が得られ、これは前記同様に眼内
レンズに研摩加工することができる。
接加熱成形する方法である。すなわち、ポリアミド酸溶
液を水,メタノール等の貧溶媒中に投入してポリアミド
酸を再沈させて回収後、100〜350℃の温度で加熱するこ
とにより脱水閉環してイミド化し、つづいて、粉砕して
無色透明なポリイミドの粉末を得、この粉末状のポリイ
ミドを用いて前記同様、温度200〜400℃,圧力0.5〜10t
/cm2で0.1〜10時間熱圧成形することにより透明性のあ
るポリイミドの成形体が得られ、これは前記同様に眼内
レンズに研摩加工することができる。
上記第2の方法において、粉末状の無色透明なポリイミ
ドを得る他の方法として、ポリアミド酸溶液を撹拌しな
がら100〜200℃に加熱するか、或いはピリジン等の塩基
と無水酢酸等の脱水剤により、ポリアミド酸をポリイミ
ド化に転化させ、さらに沈澱物として系外に析出させる
方法があり、この場合、洗浄,乾燥のみで成形に供する
ことが可能である。
ドを得る他の方法として、ポリアミド酸溶液を撹拌しな
がら100〜200℃に加熱するか、或いはピリジン等の塩基
と無水酢酸等の脱水剤により、ポリアミド酸をポリイミ
ド化に転化させ、さらに沈澱物として系外に析出させる
方法があり、この場合、洗浄,乾燥のみで成形に供する
ことが可能である。
特に作業性、生産性の良い方法として、本発明のポリイ
ミドの多くは熱可塑性を示し、非常に良好な流動性を示
すため押し出し成形により、丸棒或いは平板を作り、そ
れより切削加工により所望の形状の成形体が得られる。
又、射出成形による成形も生産性の上から好ましい方法
である。
ミドの多くは熱可塑性を示し、非常に良好な流動性を示
すため押し出し成形により、丸棒或いは平板を作り、そ
れより切削加工により所望の形状の成形体が得られる。
又、射出成形による成形も生産性の上から好ましい方法
である。
このようにして、無色透明なポリイミドフィルムあるい
はポリイミド粉末を用いて眼内レンズを作製する。
はポリイミド粉末を用いて眼内レンズを作製する。
第3の方法は、上記第1および第2の方法のように、熱
成形を用いる方法ではなく、ポリアミド酸から直接ポリ
イミドの成形体を得る方法である。従来の乾燥方法で
は、このような方法では発泡を抑えることができず、15
0μm以上の均質なポリイミドの成形体を得ることは困
難である。しかしながら、ポリアミド酸溶液を長時間減
圧下に放置し、かつ遠赤外線もしくはマイクロ波を用い
て内部から加熱することにより、発泡のない500μm以
上のポリイミド成形体を得ることができる。すなわち、
このような遠赤外線,マイクロ波を使用することによっ
て、ポリアミド酸から直接均質なポリイミド成形体を得
ることができる。
成形を用いる方法ではなく、ポリアミド酸から直接ポリ
イミドの成形体を得る方法である。従来の乾燥方法で
は、このような方法では発泡を抑えることができず、15
0μm以上の均質なポリイミドの成形体を得ることは困
難である。しかしながら、ポリアミド酸溶液を長時間減
圧下に放置し、かつ遠赤外線もしくはマイクロ波を用い
て内部から加熱することにより、発泡のない500μm以
上のポリイミド成形体を得ることができる。すなわち、
このような遠赤外線,マイクロ波を使用することによっ
て、ポリアミド酸から直接均質なポリイミド成形体を得
ることができる。
上記のような3種類の方法によって得られたポリイミド
成形体から眼内レンズを製造するには、例えば機械加工
により行うことができる。すなわち、度数に併せて局面
研摩を行ってレンズをつくり、つづいて固定部を取り付
けるホールをNC加工(数値制御加工)し、このホールに
固定部をスポット加熱により、溶着させてることによっ
て行うことができる。このようにして得られた眼内レン
ズの一例(人間の眼の後房に埋め込むための眼内レン
ズ)を第1図および第2図に示す。図において、1はレ
ンズ部であり、2はそのレンズ部1の周縁部に円周に沿
って形成された位置調整用ホール、3は上記レンズ部1
を眼内に固定するための固定部である。
成形体から眼内レンズを製造するには、例えば機械加工
により行うことができる。すなわち、度数に併せて局面
研摩を行ってレンズをつくり、つづいて固定部を取り付
けるホールをNC加工(数値制御加工)し、このホールに
固定部をスポット加熱により、溶着させてることによっ
て行うことができる。このようにして得られた眼内レン
ズの一例(人間の眼の後房に埋め込むための眼内レン
ズ)を第1図および第2図に示す。図において、1はレ
ンズ部であり、2はそのレンズ部1の周縁部に円周に沿
って形成された位置調整用ホール、3は上記レンズ部1
を眼内に固定するための固定部である。
上記固定部3の形状は、多岐にわたっており必要に応じ
て変えることができる。そして、固定部3の材質として
は、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン等がよく用
いられる。しかしながら、この発明の眼内レンズでは、
これらの材質のものを用いてもよいし、それ以外の材質
のものを用いてもよい。さらに、レンズ部と同材質の無
色透明なポリイミドを用いてもよい。
て変えることができる。そして、固定部3の材質として
は、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン等がよく用
いられる。しかしながら、この発明の眼内レンズでは、
これらの材質のものを用いてもよいし、それ以外の材質
のものを用いてもよい。さらに、レンズ部と同材質の無
色透明なポリイミドを用いてもよい。
なお、上記のように、レンズ部と固定部とを別体に設け
て、これを結合するのではなく、レンズ部と固定部とを
一体成形することによって形成してもよい。この場合に
は、両者の接合部がないため、固定部がレンズ部から脱
離するというような事態の発生が回避される。
て、これを結合するのではなく、レンズ部と固定部とを
一体成形することによって形成してもよい。この場合に
は、両者の接合部がないため、固定部がレンズ部から脱
離するというような事態の発生が回避される。
このようにして得られた眼内レンズは、従来の芳香族ポ
リイミドを用いて作製したものとは全く異なり、極めて
透明性が高くなっている。
リイミドを用いて作製したものとは全く異なり、極めて
透明性が高くなっている。
なお、この発明に用いる上記無色透明なポリイミドは、
膜厚50μmのフィルム状成形体の場合、可視光線(500n
m)の透過率が80%以上であって、黄色度(イエローネ
スインデックス)が30以下のものである。そして、この
発明の眼内レンズのレンズ部は、0.5mm厚の場合、可視
光線のトータル透過量(全光透過量)が70%以上のもの
となる。
膜厚50μmのフィルム状成形体の場合、可視光線(500n
m)の透過率が80%以上であって、黄色度(イエローネ
スインデックス)が30以下のものである。そして、この
発明の眼内レンズのレンズ部は、0.5mm厚の場合、可視
光線のトータル透過量(全光透過量)が70%以上のもの
となる。
この発明の眼内レンズのレンズ部が、紫外線を完全に吸
収し、可視光線に対してもその大半を透過させ、実質的
に透明であることは、紫外線−可視光線スペクトルを測
定すると、透過率が零になる点(いわゆるカットオフ
点)が紫外線領域と可視光線領域の丁度境界点(380n
m)であり、このカットオフがほぼ垂直に起こることで
確証できる。
収し、可視光線に対してもその大半を透過させ、実質的
に透明であることは、紫外線−可視光線スペクトルを測
定すると、透過率が零になる点(いわゆるカットオフ
点)が紫外線領域と可視光線領域の丁度境界点(380n
m)であり、このカットオフがほぼ垂直に起こることで
確証できる。
[実施例] 本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 かきまぜ機、還流冷却器および窒素導入管を備えた容器
に、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル3
6.8g(0.1モル)とN,N−ジメチルアセトアミド202gを装
入し、室温で窒素雰囲気下に3,3′,4,4′−ジフェニル
エーテルテトラカルボン酸二無水物30.5g(0.099モル)
を溶液温度の上昇に注意しながら分割して加え、室温で
約20時間かきまぜた。かくして得られたポリアミド酸の
対数粘度は1.7dl/gであった。
に、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル3
6.8g(0.1モル)とN,N−ジメチルアセトアミド202gを装
入し、室温で窒素雰囲気下に3,3′,4,4′−ジフェニル
エーテルテトラカルボン酸二無水物30.5g(0.099モル)
を溶液温度の上昇に注意しながら分割して加え、室温で
約20時間かきまぜた。かくして得られたポリアミド酸の
対数粘度は1.7dl/gであった。
上記ポリアミド酸溶液の一部を取り、ガラス板上にキャ
ストした後、100℃,200℃,300℃で各々1時間加熱して
無色透明、厚み50μのポリイミドフィルムを得た。この
ポリイミドフィルムの引っ張り強さは1380kg/cm2、引っ
張り伸び率は15%であった。(測定方法は、ともにASTM
D−882に拠る。以下同様。)またこのポリイミドフィ
ルムのガラス転移温度は208℃(TMA針入法で測定。以下
同様。)、空気中での5%重量減少温度は515℃(DTA−
TGで測定。以下同様。)であった。
ストした後、100℃,200℃,300℃で各々1時間加熱して
無色透明、厚み50μのポリイミドフィルムを得た。この
ポリイミドフィルムの引っ張り強さは1380kg/cm2、引っ
張り伸び率は15%であった。(測定方法は、ともにASTM
D−882に拠る。以下同様。)またこのポリイミドフィ
ルムのガラス転移温度は208℃(TMA針入法で測定。以下
同様。)、空気中での5%重量減少温度は515℃(DTA−
TGで測定。以下同様。)であった。
上記のポリイミドフィルムを直径38mmのポンチで打ち抜
き、20枚重ねて温度300℃、圧力1ton/cm2、時間30分の
条件で熱圧成形して厚み1mmのポリイミド円板状成形体
を作製した。この成形体はフィルム同士が完全に融着一
体化しており、均質なポリイミド成形体であった。
き、20枚重ねて温度300℃、圧力1ton/cm2、時間30分の
条件で熱圧成形して厚み1mmのポリイミド円板状成形体
を作製した。この成形体はフィルム同士が完全に融着一
体化しており、均質なポリイミド成形体であった。
このようにして得られたポリイミド成形体の紫外線−可
視光線スペクトルを測定してカットオフ点の波長を求め
た。さらに全光線透過率および比重,屈折率を求め第1
表に結果を示した。また、121℃,12気圧,24時間のプレ
ッシャークッカー試験を行ない外観上の変化を調べ結果
を同表に併せて示した。
視光線スペクトルを測定してカットオフ点の波長を求め
た。さらに全光線透過率および比重,屈折率を求め第1
表に結果を示した。また、121℃,12気圧,24時間のプレ
ッシャークッカー試験を行ない外観上の変化を調べ結果
を同表に併せて示した。
実施例2 実施例1で得られたポリアミド酸溶液をシャーレに入
れ、真空乾燥機中に入れ減圧下、25℃の温度で24時間乾
燥後、減圧下の状態を保持したまま赤外線を用いて100
℃で40時間、150℃で48時間、最終的に250℃で24時間熱
処理して厚み1.0mmのポリイミド成形体を作製した。こ
の成形体は均質で透明なポリイミド成形体であった。
れ、真空乾燥機中に入れ減圧下、25℃の温度で24時間乾
燥後、減圧下の状態を保持したまま赤外線を用いて100
℃で40時間、150℃で48時間、最終的に250℃で24時間熱
処理して厚み1.0mmのポリイミド成形体を作製した。こ
の成形体は均質で透明なポリイミド成形体であった。
このようにして得られたポリイミド成形体について、実
施例1と同様にカットオフ点の波長,全光線透過率,比
重,屈折率を測定し第1表に示した。また、実施例1と
同様にプレッシャークッカー試験を行い結果を同表に併
せて示した。
施例1と同様にカットオフ点の波長,全光線透過率,比
重,屈折率を測定し第1表に示した。また、実施例1と
同様にプレッシャークッカー試験を行い結果を同表に併
せて示した。
実施例3 実施例1において4,4′−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ビフェニルのかわりに4,4′−ビス(4−アミノフ
ェノキシ)ビフェニルを用いた以外は実施例1と同様に
重合を行った。かくして得られたポリアミド酸の対数粘
度は1.35dl/gであった。
シ)ビフェニルのかわりに4,4′−ビス(4−アミノフ
ェノキシ)ビフェニルを用いた以外は実施例1と同様に
重合を行った。かくして得られたポリアミド酸の対数粘
度は1.35dl/gであった。
このポリアミド酸溶液の一部を取り、ガラス板上にキャ
ストした後、100℃,200℃,300℃で各々1時間加熱して
厚み50μの無色透明のポリイミドフィルムを得た。この
ポリイミドフィルムの引張強度は1250kg/cm2、引張伸び
率は22%であった。またこのポリイミドフィルムのガラ
ス転移温度は243℃、空気中での5%重量減少温度は530
℃であった。
ストした後、100℃,200℃,300℃で各々1時間加熱して
厚み50μの無色透明のポリイミドフィルムを得た。この
ポリイミドフィルムの引張強度は1250kg/cm2、引張伸び
率は22%であった。またこのポリイミドフィルムのガラ
ス転移温度は243℃、空気中での5%重量減少温度は530
℃であった。
このようにして得られたポリイミドフィルムを用い、実
施例1と同様の手順により厚み1mmのポリイミド成形体
を作製した。この成形体はフィルム同士が完全に融着一
体化しており、均質なポリイミド成形体となっていた。
このものについて、実施例1と同様にカットオフ点の波
長,全光線透過率,比重,屈折率を測定し第1表に示し
た。また、実施例1と同様にプレッシャークッカー試験
を行い結果を同表に合せて示した。
施例1と同様の手順により厚み1mmのポリイミド成形体
を作製した。この成形体はフィルム同士が完全に融着一
体化しており、均質なポリイミド成形体となっていた。
このものについて、実施例1と同様にカットオフ点の波
長,全光線透過率,比重,屈折率を測定し第1表に示し
た。また、実施例1と同様にプレッシャークッカー試験
を行い結果を同表に合せて示した。
実施例4 実施例1における4,4′−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ビフェニル36.8g(0.1モル)を4,4′−ビス(3−
アミノフェノキシ)ジフェニルスルフィド40g(0.1モ
ル)に、N,N−ジメチルアセトアミド202gを212gに代え
た以外は、すべて実施例1と同様に重縮合を行った。か
くして得られたポリアミド酸の対数粘度は1.1dl/gであ
った。
シ)ビフェニル36.8g(0.1モル)を4,4′−ビス(3−
アミノフェノキシ)ジフェニルスルフィド40g(0.1モ
ル)に、N,N−ジメチルアセトアミド202gを212gに代え
た以外は、すべて実施例1と同様に重縮合を行った。か
くして得られたポリアミド酸の対数粘度は1.1dl/gであ
った。
このポリアミド酸溶液170gにN,N−ジメチルアセトアミ
ド254gを装入し、かきまぜながら窒素雰囲気下に、室温
で24.8g(0.24モル)の無水酢酸および9.05g(0.09モ
ル)のトリエチルアミンを滴下し、5時間かきまぜた。
この溶液を水400gに排出し、析出物をろ別し、メタノー
ルで洗浄し、150℃で8時間減圧乾燥して、38.7gの無色
粉末を得た。(収率96.4%) この粉末を、離型剤を塗布した厚み1mmのスペーサーを
有するフェロ板間にはさみ、300℃,圧力50kg/cm2で圧
縮成形し、厚み1mmの成形体を得た。この成形体のガラ
ス転移温度は174℃,空気中での5%重量減少温度は、5
23℃であった。このものについて、実施例1と同様にカ
ットオフ点の波長,全光線透過率,比重,屈折率を測定
し結果を第1表に示した。また、実施例1と同様にプレ
ッシャークッカー試験を行い結果を同表に併せて示し
た。
ド254gを装入し、かきまぜながら窒素雰囲気下に、室温
で24.8g(0.24モル)の無水酢酸および9.05g(0.09モ
ル)のトリエチルアミンを滴下し、5時間かきまぜた。
この溶液を水400gに排出し、析出物をろ別し、メタノー
ルで洗浄し、150℃で8時間減圧乾燥して、38.7gの無色
粉末を得た。(収率96.4%) この粉末を、離型剤を塗布した厚み1mmのスペーサーを
有するフェロ板間にはさみ、300℃,圧力50kg/cm2で圧
縮成形し、厚み1mmの成形体を得た。この成形体のガラ
ス転移温度は174℃,空気中での5%重量減少温度は、5
23℃であった。このものについて、実施例1と同様にカ
ットオフ点の波長,全光線透過率,比重,屈折率を測定
し結果を第1表に示した。また、実施例1と同様にプレ
ッシャークッカー試験を行い結果を同表に併せて示し
た。
実施例5 実施例1における4,4′−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ビフェニル36.8g(0.1モル)をビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕ケトン39.6g(0.1モル)に
代えた他は、すべて実施例1と同様に行って、対数粘度
1.90dl/gのポリアミド酸溶液を得た。
シ)ビフェニル36.8g(0.1モル)をビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕ケトン39.6g(0.1モル)に
代えた他は、すべて実施例1と同様に行って、対数粘度
1.90dl/gのポリアミド酸溶液を得た。
上記ポリアミド酸溶液から実施例1と同様の手法により
無色透明、厚み50μmのポリイミドフィルムを得た。こ
のポリイミドフィルムのガラス転移温度は232℃,5%重
量減少温度は520℃であった。
無色透明、厚み50μmのポリイミドフィルムを得た。こ
のポリイミドフィルムのガラス転移温度は232℃,5%重
量減少温度は520℃であった。
このようにして得られたポリイミドフィルムを用い実施
例1と同様の手順により厚み1mmのポリイミド成形体を
作製した。この成形体はフィルム同士が完全に融着一体
化しており、均質なポリイミド成形体であった。
例1と同様の手順により厚み1mmのポリイミド成形体を
作製した。この成形体はフィルム同士が完全に融着一体
化しており、均質なポリイミド成形体であった。
このようにして得られたポリイミド成形体のカットオフ
点の波長,全光線透過率,比重,屈折率を測定し結果を
第1表に示した。
点の波長,全光線透過率,比重,屈折率を測定し結果を
第1表に示した。
又、実施例1と同様にプレッシャークッカー試験を行い
結果を同表に併せて示した。
結果を同表に併せて示した。
[発明の効果] 以上のように、この発明の眼内レンズは、そのレンズ部
が3,3′4,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二
無水物と特定の芳香族ジアミンとを反応させて得られる
無色透明なポリイミドを用いてつくられ、200〜300nm領
域の紫外線を完全に吸収することができ、しかも380〜7
80nm領域の可視光線の大半を透過させ、実質的な透明性
を備えている。したがって、眼内に埋め込んだ状態で
は、有害な紫外線を吸収カットして網膜を保護し、しか
も充分な視力を与えることができる。そのうえ、上記無
色透明なポリイミドは、通常、比重が1.3〜1.4と小さい
うえに、屈折率が1.6〜1.7と従来のPMMAに比べて大きい
ため、同じ度数であればPMMA製のものに比べて3〜5割
も薄く、したがって、軽くすることができる。そのた
め、眼内に埋め込んだ場合に、眼に対する負担が軽く、
また角膜へ接触して合併症を起こす可能性も低くなり、
極めて安全性が高い。しかも、この発明の眼内レンズに
おけるレンズ部は、従来の芳香族ポリイミドと耐熱性の
点において変わらない無色透明なポリイミドを用いてつ
くられているため、オートクレープ蒸気滅菌法を用いて
容易に滅菌することができ、また、溶融流動するため押
し出し射出成形が可能であり、低コスト化を達成するこ
とができる。
が3,3′4,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二
無水物と特定の芳香族ジアミンとを反応させて得られる
無色透明なポリイミドを用いてつくられ、200〜300nm領
域の紫外線を完全に吸収することができ、しかも380〜7
80nm領域の可視光線の大半を透過させ、実質的な透明性
を備えている。したがって、眼内に埋め込んだ状態で
は、有害な紫外線を吸収カットして網膜を保護し、しか
も充分な視力を与えることができる。そのうえ、上記無
色透明なポリイミドは、通常、比重が1.3〜1.4と小さい
うえに、屈折率が1.6〜1.7と従来のPMMAに比べて大きい
ため、同じ度数であればPMMA製のものに比べて3〜5割
も薄く、したがって、軽くすることができる。そのた
め、眼内に埋め込んだ場合に、眼に対する負担が軽く、
また角膜へ接触して合併症を起こす可能性も低くなり、
極めて安全性が高い。しかも、この発明の眼内レンズに
おけるレンズ部は、従来の芳香族ポリイミドと耐熱性の
点において変わらない無色透明なポリイミドを用いてつ
くられているため、オートクレープ蒸気滅菌法を用いて
容易に滅菌することができ、また、溶融流動するため押
し出し射出成形が可能であり、低コスト化を達成するこ
とができる。
なお、この発明の眼内レンズは、前房支持レンズおよび
後房支持レンズ、場合によっては、虹彩支持レンズとし
て使用することができるものであり、これらの全てを含
んでいる。
後房支持レンズ、場合によっては、虹彩支持レンズとし
て使用することができるものであり、これらの全てを含
んでいる。
第1図および第2図は、本発明の眼内レンズの一例を示
し第1図は正面図、第2図は側面図である。 1……レンズ部、2……ホール、3……固定部。
し第1図は正面図、第2図は側面図である。 1……レンズ部、2……ホール、3……固定部。
Claims (2)
- 【請求項1】レンズ部と、これを眼内に固定する固定部
とを備え、上記レンズ部が、下記の一般式(I)で表さ
れる繰返し単位を主成分とする無色透明なポリイミドに
よって構成されていることを特徴とする眼内レンズ。 式(I) (式中、Xは直結、炭素数1ないし10の2価の鎖式炭化
水素基、ペルフルオロ(1−メチルエチリデン)基、カ
ルボニル基、チオ基からなる群より選ばれた基を表し、
イミド環の窒素原子の結合位置はエーテル結合に対しメ
タまたはパラ位である。) - 【請求項2】レンズ部と固定部とが一体化され、両者が
上記一般式(I)で表される繰返し単位を主成分とする
無色透明なポリイミドによって構成されている請求項1
記載の眼内レンズ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1294917A JPH0728914B2 (ja) | 1989-11-15 | 1989-11-15 | 眼内レンズ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1294917A JPH0728914B2 (ja) | 1989-11-15 | 1989-11-15 | 眼内レンズ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03155868A JPH03155868A (ja) | 1991-07-03 |
JPH0728914B2 true JPH0728914B2 (ja) | 1995-04-05 |
Family
ID=17813927
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1294917A Expired - Fee Related JPH0728914B2 (ja) | 1989-11-15 | 1989-11-15 | 眼内レンズ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0728914B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI758624B (zh) * | 2018-08-16 | 2022-03-21 | 長興材料工業股份有限公司 | 聚醯亞胺的製備方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0724683B2 (ja) * | 1987-03-16 | 1995-03-22 | 株式会社メニコン | 眼内レンズ |
JPH0736836B2 (ja) * | 1987-04-08 | 1995-04-26 | 株式会社メニコン | 眼内レンズ |
JPH0782235B2 (ja) * | 1988-05-09 | 1995-09-06 | 富士写真フイルム株式会社 | 画像形成材料 |
JP3100972B2 (ja) * | 1989-10-30 | 2000-10-23 | 株式会社メニコン | 眼内レンズ |
-
1989
- 1989-11-15 JP JP1294917A patent/JPH0728914B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03155868A (ja) | 1991-07-03 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |