[go: up one dir, main page]

JPH0728275A - 静電荷像現像トナー - Google Patents

静電荷像現像トナー

Info

Publication number
JPH0728275A
JPH0728275A JP5175318A JP17531893A JPH0728275A JP H0728275 A JPH0728275 A JP H0728275A JP 5175318 A JP5175318 A JP 5175318A JP 17531893 A JP17531893 A JP 17531893A JP H0728275 A JPH0728275 A JP H0728275A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
toner
molecular weight
acid
peak
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5175318A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Emoto
茂 江本
Hisami Saito
久美 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP5175318A priority Critical patent/JPH0728275A/ja
Publication of JPH0728275A publication Critical patent/JPH0728275A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ホットオフセット性、粉砕性、環境安定性に
優れた静電荷像現像トナーを提供すること。 【構成】 バインダー樹脂に着色剤を分散させてなる電
子写真トナーにおいて、バインダー樹脂がポリエステル
樹脂からなり、かつこのバインダー樹脂は1×107
上の分子量を有する成分がなく、THF溶解分のGPC
による分子量分布において重量平均分子量10,000
〜30,000の領域にメインピークを有し、かつ、分
子量500,000以上にサブピークを持ち、このサブ
ピークがトナー組成物を混練し、混練時に機械的エネル
ギーにより前記1×107以上の分子量を有する樹脂成
分の分子を切断することにより得られることを特徴とす
る静電荷層現像トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真、静電記録、
静電印刷などにおける静電荷像を現像するためのトナー
に関するもので、特にレーザープリンター用その他熱ロ
ール定着機構を有する複写機に適する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法は、一般には光導電性物質を
利用し種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成
し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じ
て紙等に粉像を転写したのち、加熱あるいは溶剤蒸気等
により定着し、コピーを得るものである。
【0003】電気的潜像をトナーを用いて可視化する方
法としては、磁気ブラシ法、カスケード現像法、粉末雲
法等が知られているが、いずれの現像法においてもトナ
ー像の定着が重要な工程であることはいうまでもない。
ことに高速複写機への適用を考えた場合、ヒートロール
定着器を採用するため定着時にトナー像とヒートロール
が加熱溶融状態で接触するため、トナー像の一部がヒー
トロール表面に付着して移転する、いわゆるオフセット
のおこらないことが要求される。
【0004】このようなオフセットのおこらないトナー
を得ることは、定着器に多くの電力を使わず、しかもヒ
ートロールを使用した高速な複写機、いわゆる省力高速
複写機への適用を考える時、より困難な問題にあう。即
ち、オフセットがおこらないためにはトナーに使うバイ
ンダーポリマーは、できるだけ強靱であり、かつ十分な
溶融流動性が要求される。だが、溶融流動性を持たせる
ためには相当高温までトナーを加熱しなければならず、
このことは省力という要請を満たさないことになる。従
って、省力であるためには、低温で定着することが要求
され、ガラス転移点および分子量の低い樹脂を使用する
ことが好ましい。しかし、分子量の低い樹脂は当然強靱
性がなくオフセットを生じやすくなる。
【0005】従来、オフセット防止のためのトナーの強
靱化は、通常約10万以上の平均分子量の高分子ポリマ
ー、特にビニル系ポリマーを用いる場合が多い。高分子
量ビニルポリマーを用いたトナーを低温で定着させるた
めには、ポリマーのガラス転移点をブロッキングをぉこ
さない限りできるだけ低く下げるか或いは可塑剤の添加
によって定着温度を下げる等の方法がある。しかしなが
ら、これらの方法はただ定着点(完全に定着の行われる
最低温度)を下げるだけでなくホットオフセット温度
(オフセットのおこりはじめる温度)をも同時に下げて
しまい、このため定着点とホットオフセット温度の間の
温度範囲、いわゆるフュージング・ラッテイチュードを
低温側に移動するだけになるという結果を招く。また、
重量平均分子量の増大によりホットオフセット温度の下
降を防止しようとすると、樹脂の高粘度化のため、ガラ
ス転移点降下や可塑剤添加の効果が減殺され、さらには
架橋分が多いことによる粉砕性の悪化を伴う。
【0006】一方、ポリエステル樹脂は、ビニル系ポリ
マーと異なりガラス転移点が低く、しかも低分子量の樹
脂を容易に得ることができる。このことは低温定着トナ
ーが容易に得られることを意味する。しかしながら、ポ
リエステル樹脂は低分子量樹脂であるためオフセットが
はげしくヒートロール用トナーには、そのままでは使用
することはできない。
【0007】そこで、ビニル系ポリマーの高温までオフ
セットのおこらない性質とポリエステルの低温において
も定着可能であるという両者の長所を生かすために、両
方の樹脂をブレンドすることが考えられ、例えば特開昭
54−114245号公報に記載されている。だが、高
分子量のビニル系ポリマーと低分子量のポリエステル樹
脂では、樹脂同志の相溶性が悪く不均一な分散状態とな
る。特に両者の分子量が異なるほど相溶性が悪化し、分
散状態を位相差顕微鏡などで観察すると海の中に島があ
るような状態で観察される。こうしたことは相溶性の悪
いプラスチックをブレンドした時にも観察され、海−島
理論として、プラスチックス,13,No.9,1(19
62)に掲載されている。
【0008】トナー樹脂中に上記のような海−島が形成
されると、トナーの他の成分である染料のような極性制
御剤やカーボンブラック、磁性体等の着色剤は分散が不
十分となり、くり返しコピーで逆帯電トナーなどが発生
し、いわゆるかぶりが発生する。他方、ポリエステル樹
脂とビニル系ポリマーとの分散性を改良するために、両
者に共通セグメントを導入し、グラフト共重合体を形成
する方法も提案されている。しかし、このような共重合
体になった樹脂では、耐ホットオフセット性及び低温定
着性の互いの樹脂の長所を生かせず平均化されてしま
う。
【0009】定着性、ホットオフセット性と関係するト
ナー特性の中に粉砕性がある。粉砕性についてはトナー
生産する時の粉砕工程に係わるものと複写機現像タンク
内における粉砕性がある。この2つは相反する性格を持
っている。つまりトナー粉砕性についてはトナー製造時
衝突式粉砕機の生産方式の場合、過粉砕(微粉)になり
にくいが割れやすいものが望まれ、複写機内においては
割れやすく微粒化しにくいものは好ましくない。これら
を解決するため過去様々な発明がされてきたがいまだ十
分とはいえない。例えば公開平 −225964では低
分子量成分と高分子量成分を有するバインダーを使用し
低分子量成分で粉砕性をあげる試みをしている。
【0010】つまり適当な粉砕性を有するためにはレジ
ンにおいて低分子量、特に10,000〜30,000
にメインピークを有することが一般的に良いとされてい
る。高分子量成分は粉砕性を悪化させるがホットオフセ
ットを満足させるには高分子量成分が必要である。結局
トナーの定着性、ホットオフセット性、粉砕性等には相
反する特性が存在し、各々に満足しなければいけない
が、いまだ十分満足しているものはない。
【0011】また、従来の定着方式は、少なくとも一方
が加熱ローラーである一対のローラーの間に、未定着の
トナーの画像が転写された複写用紙を通過させる熱ロー
ラー定着方式が一般的で、定着効率が良いので、高速度
複写装置に広く用いられている。しかし、この熱ローラ
ー定着方式は、定着時にトナーが加熱ローラー表面に融
着し、これが再び、複写用紙の上に転移して画像を汚
す、いわゆるオフセット現象を起こす欠点がある。
【0012】この対策として、加熱ローラーの表面に、
表面エネルギーの低い、フッ素樹脂やシリコンゴムなど
の被膜を形成したり、また、シリコンオイル等のオフセ
ット防止剤を塗布している。また、特公昭52−330
4号公報、および特公昭52−3305号公報のように
離型材として表面エネルギーが低く、トナーの主樹脂の
融点と同程度の融点をもつ低分子量ポリエチレンや低分
子ポリプロピレンなどをトナー粒子中に予め加える方法
がとられている。しかしながら、上述の低分子量のポリ
オレフィンを予め加える方法は、トナーの帯電特性を大
きく損う危険性を有しており、製造の際の用い方が難し
いという問題があった。
【0013】すなわち、低分子量ポリオレフィンは、表
面エネルギーが低いため、トナーの主樹脂との相溶性が
悪く、主樹脂中に均一に分散することが難しく、トナー
樹脂組成物を混練機や、加熱押出機などで加熱混練する
時に、均一な混練分散がしにくいことに併せて、温度な
どのわずかな条件違いにより、分散性が大きく変わると
いう問題があった。また、低分子量ポリオレフィンは、
通常用いられるスチレン−アクリレート共重合体樹脂
や、ポリエステル樹脂などと比べて、強い負帯電性を持
つので、低分子量ポリオレフィンの分散性の違いによ
り、トナーの帯電量が変化するため、画像の安定性が損
われるという問題もあった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱
ロール定着方式に適したトナーを提供すること、環境
変動に対し、優れたトナーを提供すること、製造時に
おける粉砕性及び顔料分散性をあげ生産性の良いトナー
を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明はバインダー樹脂
に着色剤を分散させてなるトナーにおいて、バインダー
樹脂がポリエステル樹脂またはポリエステル樹脂とビニ
ール系樹脂を主としてなり、かつ、このバインダー樹脂
はMw1×107以上の成分がなく、GPCによる分子
量分布の重量平均分子量が10,000〜30,000
の領域にメインピークを有し、かつ、分子量500,0
00以上にサブピークを持ち、このサブピークがトナー
組成物を混練し、核混練時に機械的エネルギーにより前
記樹脂成分の分子が切断されることにより得られる。こ
の時、この樹脂の特性がガラス転移点(Tg)が50〜
65℃、酸価が5mgKOH/g以下、水酸基価30〜
80mgKOH/gの特性を有することが好ましく、更
にこのトナー中に粒径2μm以下の低軟化点ワックスを
分散することで、更にホットオフセット性を向上させる
ことができる。以下子の内容について説明する。
【0016】A)分子量分布に関する説明 今まで提供されている内容は架橋分(THF不溶解分と
して測定)の割合とTHF可溶分の割合を工夫すること
で定着性、粉砕性、ホットオフセットのバランスをとっ
てきた。分子量分布に基づく粉砕性と定着性及びホット
オフセット等の関係はバインダー樹脂をTHFなどの溶
剤にとかすと不溶解分と可溶分に分離でき、可溶分はG
PCで分子量分布を測定することができる。THF不溶
解分と可溶分の分子量分布のピーク位置及び成分量に着
目するとTHF不溶解分は定着性に不利にはたらくがホ
ットオフセットには有効となる。不溶解分が多すぎると
混練機でトナーを混練する際負荷がかかりすぎるため材
料の供給量を少なくしなければならないという生産性に
悪い結果や品質がバラツキやすい等の問題を発生させ
る。
【0017】一方分子量コントロールやTHF不溶解分
をもつバインダー樹脂を使った特許は何件かは出願され
ているが、いずれも満足する結果とはなっていない。こ
れについて研究した結果、新しく分子量分布に基づく粉
砕性と定着性及びホットオフセット等について下記の事
実を発見した。
【0018】1.1×107以上の分子量を有する成分
がなく、かつ重量平均分子量10,000〜30,00
0の分子量域をメインピークとし、かつ50万以上にサ
ブピークを持つポリエステル樹脂又はこれとビニール系
樹脂のブレンド物をバインダー樹脂として含有するトナ
ーは粉砕性と定着性及びホットオフセットに大きな効果
が得られる。 2.上記の分子領域をもつバインダー樹脂はTHF不溶
解分を含有しているポリエステル樹脂又はこれとビニル
樹脂とのブレンド物を機械的なエネルギーにより分子を
切断し得られる。 3.この時バインダー樹脂の特性がTg50〜65℃、
酸価5mgKOH/g以下、水酸基価30〜80mgK
OH/gを有すると定着性、ホットオフセット、帯電安
定性、粉砕性のバランスに一層優れたトナーが得られ
る。 4.さらに融点が110〜170℃域のポリオレフィン
を2μm以下に分散することによりトナーのホットオフ
セット性が一層向上する。
【0019】上記項目について更に詳しく説明するとG
PC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)は次の
様にして測定される。すなわち、40℃のヒートチャン
バー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに
溶媒としてTHF(テトラヒドロフラン)を毎分1ml
の流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6重量%
に調製した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注
入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料
の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試
料により作成された検量線の対数値とカウント数との関
係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料
としては、例えばPressure Chemical
Co.或いは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×10
2,2.1×103,4×103,1.75×104,5.
1×104,1.1×105,3.9×105,8.6×
105,2×106,4.48×106のものを用い、少
なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるの
が適当である。また検出器にはRI(屈折率)検出器を
用いる。この様にしてレジンの分子量分布を測定するわ
けだが現在のカラムではMw1×107以上の検出は実
質的に難しい。一方THF可溶部の中にもGPCの分子
量測定検出限界107以上の分子量域の存在が発見さ
れ、且つこの分子域が定着性、粉砕性、オフセットに影
響を与えている。THF溶解部の中の1×107以上の
分子量域の測定方法としては樹脂の分別方法を利用する
と求めることができる。つまりTHFに樹脂不溶解な溶
剤を加えていき、分子量分布を見ながらTHFとその溶
剤の比率を決定してやればよい。今回はTHFとイソド
デカンの混合溶剤を使用し25℃において分別を行っ
た。この方法によりMw1×107以上成分の定量を行
う。以下これをTHF/イソドデカン不溶解分とよぶ。
【0020】またTHF/イソドデカン不溶解分を定量
するには次のような方法で行う。樹脂約1.0gを秤量
し、これにTHF/イソドデカン混合液約50gを加え
て20℃で24時間静置する。これをまず遠心分離で分
けJIS規格(P3801)5種Cの定量濾紙を用いて
常温で濾過する。続いて濾紙残渣が不溶分であり、用い
た樹脂と濾紙残渣の比(重量%)で表わす。THF/イ
ソドデカンの比率はGPCの分子量分布から決める。
【0021】(B)架橋ポリエステルを得る方法 本発明においてバインダーとして用いるポリエステル樹
脂は、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合によ
って得られるが、用いられるアルコール成分としては、
例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、1,2−プロピレングリコー
ル、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオ
ール等のジオール類、1,4−ビス(ヒドロキシメチ
ル)シクロヘキサン、およびビスフェノールA、水素添
加ビスフェノールA、その他の二価のアルコール単量体
を挙げることができる。またカルボン酸成分としては、
例えばマレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコ
ン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コ
ハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらの
酸無水物または低級アルキルエステル、リノレイン酸の
二量体、その他の二価の有機酸単量体を挙げることがで
きる。
【0022】本発明において用いるポリエステル樹脂
は、以上の二官能性単量体のみならず、三官能以上の多
官能性単量体によるカルボン酸成分として三価以上の多
価カルボン酸単量体またはその酸無水物を含有する重合
体である。かかる多官能性単量体である三価以上の多価
カルボン酸単量体としては、例えば1,2,4−ベンゼ
ントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン
酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,
5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフ
タレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボ
ン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−
ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシ
ルプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、
1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンボー
ル三量体酸およびこれらの酸無水物、その他を挙げるこ
とができる。以上のような三官能以上の多官能性単量体
によるカルボン酸成分の15〜20モル%の割合で含有
されることが必要である。
【0023】本発明に使用される3価以上の多価アルコ
ールは、一般に3価以上の多価アルコールとして知られ
ているものであればよい。例えば、グリセリン、1,
1,1−トリメチロールエタン、1,1,1−トリメチ
ロールプロパン、1,1,1−トリメチロールブタン、
ペンタエリスリトール、1,1,2,2−テトラメチロ
ールエタン、1,1,3,3−テトラメチロールプロパ
ン、ソルビトール、及びポリビニルアルコール等が挙げ
られる。これらは一種もしくは二種以上の混合系で使用
される。
【0024】上記の3価以上の多価アルコールのうち、
グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリトールがエステル化反応性、価格の面から
好ましい。これらの使用量は全酸成分に対して15〜4
0mol%の範囲が好ましく、更には15〜30mol
%が特に反応制御を考えると好ましい。特に3価以上の
カルボン酸、多価アルコールの量を上記のような範囲が
好ましいとする理由として、 1)3価のカルボン酸又はアルコールが少ないと架橋し
ない。3価のカルボン酸又はアルコールが多すぎるゲル
化する。樹脂反応上の制約は10〜60mol%であ
る。 2)カルボン酸を15〜20mol%とする理由として
カルボン酸成分が多いとポリエステル樹脂になった時の
酸価が高い傾向になり、好ましいトナーであるポリエス
テル樹脂5mgKOH/g以下の達成が難しいからであ
る。 3)アルコール、カルボン酸の量が15mol%以上に
する理由として15mol%以下でも架橋するが15m
ol%以下で架橋した場合、トナー混練時の剪断エネル
ギーでは架橋分子の結合は切れずトナー中にMw1×1
7分子以上成分が残ってしまうためである。
【0025】これは架橋する手が少ないと線状高分子が
長く伸び分子切断が起こりにくい一方架橋する手が多い
系は架橋点から分子切断すると考えられる。3価アルコ
ールでも好ましくは15〜30mol%とする。30m
ol%を超えるとゲル化のコントロールが難しいためで
ある。
【0026】本発明のポリエステルを得るための製造方
法は特に限定されるものではなく、エステル化反応は公
知の方法によって行うことができる。エステル交換反応
は公知の方法によって行うことができ、この際公知のエ
ステル交換触媒を使用することができる。例えば酢酸マ
グネシウム、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸カルシウ
ム、酢酸スズ、酢酸鉛、チタンテトラブトキシサイド等
が挙げられる。重縮合反応は公知の方法によって行うこ
とができ、この際公知の重合触媒を使用できる。具体例
としては、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム等が
挙げられる。
【0027】C)ビニル樹脂の合成 本発明におけるビニル系重合体は、その成分として、ス
チレンが50〜100重量%、好ましくは60〜90重
量%重合されたビニル系共重合体を使用するのが好まし
い。スチレン共重合量が50重量%未満であると、トナ
ーの熱溶融性が劣り、その結果、定着性が不充分となる
傾向にある。
【0028】本発明において、ビニル系重合体の成分と
なるスチレン以外のビニル系単量体としては、α−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチ
ルスチレン、p−クロロスチレン等のスチレン誘導体、
メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル
酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニ
ル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メ
タクリル酸ドデシル、メタクリル酸グリシジル、メタク
リル酸メトキシエチル、メタクリル酸プロポキシエチ
ル、メタクリル酸ブトキシエチル、メタクリル酸メトキ
シジエチレングリコール、メタクリル酸エトキシジエチ
レングリコール、メタクリル酸メトキシジエチレングリ
コール、メタクリル酸ブトキシトリエチレングリコー
ル、メタクリル酸メトキシジプロピレングリコール、メ
タクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸フェノキシ
ジエチレングリコール、メタクリル酸フェノキシテトラ
エチレングリコール、メタクリル酸ベンジル、メタクリ
ル酸シクロヘキシル、メタクリル酸テトラヒドロフルフ
リル、メタクリル酸ジシクロペンテニル、メタクリル酸
ジシクロペンテニルオキシエチル、メタクリル酸N−ビ
ニル−2−ピロリドン、メタクリロニトリル、メタクリ
ルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、メタクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプ
ロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸
−2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル、ジア
セトンアクリルアミド、アクリル酸、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、
アクリル酸へプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、ア
クリル酸ドデシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸
メトキシエチル、アクリル酸プロポキシエチル、アクリ
ル酸ブトキシエチル、アクリル酸メトキシジエチレング
リコール、アクリル酸エトキシジエチレングリコール、
アクリル酸メトキシエチレングリコール、アクリル酸ブ
トキシエチレングリコール、アクリル酸メトキシジプロ
ピレングリコール、アクリル酸フェノキシエチル、アク
リル酸フェノキシジエチレングリコール、アクリル酸フ
ェノキシテトラエチレングリコール、アクリル酸ベンジ
ル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸テトラヒド
ロフルフリル、アクリル酸ジシクロペンテニル、アクリ
ル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、アクリル酸N−
ビニル−2−ピロリドン、アクリル酸ヒドロキシエチ
ル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロ
キシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェニル
オキシプロピル、アクリル酸グリシジル、アクリロニト
リル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、ジアセトンアクリルアミド、ビニルピリジン等の1
分子中に1個のビニル基を有するビニルモノマーを主成
分として用いるが、加えてジビニルベンゼン、グリコー
ルとメタクリル酸或いはアクリル酸との反応生成物、例
えばエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブ
チレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジ
オールジメタクリレート、1,5−ペンタンジオールジ
メタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリ
レート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジ
エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレング
リコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジ
メタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリ
レート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコール
エステルジメタクリレート、トリメチロールエタントリ
メタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリ
レート、ペンタエリトリットトリメタクリレート、ペン
タエリトリットテトラメタクリレート、トリスメタクリ
ロキシエチルホスフェート、ビス(メタクリロイルオキ
シエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、トリス
(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エ
チレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレング
リコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジア
クリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペ
ンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコー
ルジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレ
ート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプ
ロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピパリ
ン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチ
ロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、ペンタエリトリットトリアクリレ
ート、ペンタエリトリットテトラアクリレート、トリス
アクリロキシエチルホスフェート、ビス(メタクリロイ
ルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、
トリス(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレー
ト、メタクリル酸グリシジルとメタクリル酸或いはアク
リル酸の半エステル化物、ビスフェノール型エポキシ時
油脂とメタクリル酸或いはアクリル酸の半エステル化
物、アクリル酸グリシジルとメタクリル酸或いはアクリ
ル酸の半エステル化物等の1分子中に2個以上のビニル
基を有するビニルモノマーを使用する。
【0029】これらのうち、好ましいビニル系単量体と
しては、1分子中に1個のビニル基を有するビニル系単
量体では、スチレン、スチレン誘導体、メタクリル酸エ
ステル、アクリル酸エステル等であり、特にスチレン並
びにアルキル基に1〜5個の炭素原子を有するメタクリ
ル酸或いはアクリル酸のアルキルエステルが好ましい。
1分子中に2個以上のビニル基を有するビニル系単量体
では、ジビニルベンゼン、炭素原子数2〜6のメチレン
グリコールのジメタクリレート及びジアクリレート等が
好ましい。これらの単量体は、合計が100重量%にな
るように配合される。
【0030】上記の単量体又は単量体混合物の重合に用
いられるラジカル開始剤としては、過酸化ベンゾイル、
過安息香酸2−エチルヘキシル、過酸化ラウロイル、過
酸化アセチル、過酸化イソブチリル、過酸化オクタノイ
ル、ジ−tert−ブチルペルオキシド、tert−ブ
チルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、メチル
エチルケトンペルオキシド、4,4,6−トリメチルシ
クロヘキサノンジ−tert−ブチルペルオキシケター
ル、シクロヘキサノンペルオキシド、メチルシクロヘキ
サノンペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシド、
シクロヘキサノンジ−tert−ブチルペルオキシケタ
ール、2−オクタノンジ−tert−ブチルペルオキシ
ケタール、アセトンジ−tert−ブチルペルオキシケ
タール、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド等
の過酸化物系ラジカル開始剤、2,2’−アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキ
シ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−ア
ゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1’−アゾビス(シクロ
ヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾビス系ラジカ
ル開始剤などがある。これらは単量体の総量に対して好
ましくは0.01〜20重量%、特に好ましくは0.1
〜10重量%使用する。
【0031】重合時にはブチルメルカプタン、オクチル
メルカプタン、ドデシルメルカプタン、メチル2−メル
カプトプロピオネート、エチル2−メルカプトプロピオ
ネート、ブチル2−メルカプトプロピオネート、オクチ
ル2−メルカプトプロピオネート、2−メルカプトプロ
ピオネート等のメルカプタン類、クロロホルム、プロモ
ホルム、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素等のラジカ
ル重合分子量調整剤を使用することが必要。これらの分
子量調整剤は、単量体の総量に対して0〜3重量%使用
されるのが好ましい。
【0032】水性懸濁重合を実施する場合には、部分ケ
ン化ポリビニルアルコール、アルキルセルロース、ヒド
ロキシ−アルキルセルロース、カルボキシアルキルセル
ロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、
ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、ポリメタクリ
ル酸及びそのアルカリ金属塩等の水溶性高分子分散剤、
燐酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、燐酸マグネシ
ウム、ピロ燐酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バ
リウム、疎水性シリカ等の難溶性無機分散剤を用いるこ
とができる。分散剤は、水溶性高分子分散剤の場合は水
性媒体に対して0.0001〜5重量%、難溶性無機分
散剤の場合は水性媒体に対して0.01〜15重量%使
用するのが好ましい。
【0033】(D)トナー及び現像剤をつくる方法 以上のようにして得られるトナーバインダー樹脂は、着
色剤及び/又は、磁性粉並びに必要に応じて帯電制御
剤、その他の添加剤と適宜溶融混合して静電荷像現像用
トナーとすることができる。着色剤としては、カーボン
ブラック、酸化鉄顔料、フタロシアニンブルー、フタロ
シアニングリーン、ローダミン6Gレーキ、ウォッチン
グレッドストロンチウム等、従来公知のものを使用する
ことができ、トナー中1〜60重量%の範囲で適宜選択
して使用する。
【0034】帯電制御剤としては、ニグロシン染料、脂
肪酸変性ニグロシン染料、含金属ニグロシン染料、含金
属脂肪酸変性ニグロシン染料、3,5−tert−ブチ
ルサリチル酸のクロム錯体等を使用することができ、通
常、トナー中に0〜20重量%使用する。その他の添加
剤としては、シリカ粉末、疎水性シリカ粉末、ポリオレ
フィン、パラフィンワックス、フルオロカーボン化合物
等を使用することができ、これらは、通常トナー中に0
〜10重量%使用される。
【0035】次にバインダー樹脂がポリエステル樹脂又
はこれとビニル系樹脂とのブレンドからなり、Mw1×
107以上成分がなく、THF溶解分のGPCによる分
子量分布においてMw10,000〜30,000の領
域にメインピークを有し、かつ分子量500,000以
上にサブピークを持つこの組成物が混練時の機械的エネ
ルギーにより前記樹脂成分の分子を切断することにより
得られる方法について述べる。
【0036】前記ポリエステル樹脂の合成法に従いMw
1×107以上成分5〜40%をもつポリエステルをカ
ーボンブラックや帯電制御剤、その他の添加剤を混合し
機械的エネルギーを与えながら混練する。混練する場合
はまずVブレンダー、ヘンシェルミキサー等の混練機で
予備混合した後、熱ロール、加圧ニーダ、バンバリミキ
サー、一軸、二軸連続混練機等で一般的に100〜20
0℃で混練する。このように混練する場合機械的エネル
ギーにより分子が切断される領域がある。
【0037】これは主に混練時の粘度に支配される。こ
の粘度は104〜107ポイズである。この粘度域より低
い粘度で混練された場合は分子は切断されにくく1×1
7以上成分がトナー中に残ってしまう。又、高い粘度
で混練した場合は他の材料と分散しないことに加え、機
械の負荷が大きく機械破損につながるケースもある。分
子切断は重量平均分子量でおよそ1×106付近以上の
網目構造を持つ高分子が切断されると考えられる。混練
前後のMw分布をみると約1×104以下の分子量域は
変化していない(図1参照)。
【0038】上記粘度範囲で混練する場合分子量5万以
上にサブピークを持つ樹脂を含むトナー組成物となる。
サブピークの分布は全体のMw分布の中で正確には算出
しにくいが約5〜30%の範囲がよい。サブピークの量
は5%より少ないとホットオフセット性が悪く、30%
より多いと定着性が低下する。ポリエステル樹脂単独の
他ビニル系樹脂ブレンドでもホットオフセット性、粉砕
性には効果がある。
【0039】ビニル系樹脂をブレンドする場合は30%
以下で架橋成分を含む場合はMw1×107以上成分が
ポリエステルとビニル系樹脂の総和で5〜40%でなけ
ればならない。ビニル系樹脂をブレンドする効果として
環境安定性が良い(帯電変化が少ない)ことである。ブ
レンド比率が30%を越えると耐塩ビマット性ダウン、
定着性低下がある。サブピークは合成でも得られるが合
成で得た樹脂はホットオフセット性が悪い。これは機械
的剪断エネルギーで分子切断したレジンは分岐型レジン
構造となっているため、定着ロールへの接着が弱く合成
品は低網目構造で、リニアポリマーの性質が発揮されて
しまうため、溶融状態になる温度が低いのでホットオフ
セットしやすい。粉砕性についても架橋高分子が分子切
断した構造体の方がもろく粉砕されやすくなる。
【0040】サブピークについては粉砕性やホットオフ
セット性に対して効果があり、定着性については低分子
成分が有効となる。Mw分布において10,000〜3
0,000にメインピークの存在が必要である。Mwの
10,000〜30,000にメインピークが存在する
と定着は良いがホットに対しては不利になるので両者の
バランスをMw10,000〜30,000にメインピ
ークをMw50万以上から1×107成分以下にサブピ
ークが存在することでとっている。サブピークの量は以
下のようにGPCの分布から面積比で表わしたものであ
る。
【0041】
【数1】
【0042】次にさらにポリオレフィンワックスが2μ
m以下で微粉散されているトナーを得る方法について記
す。ポリオレフィンワックスの分散性はバインダー樹脂
中にサブピーク成分が存在することにより、非常に良好
となる。これはサブピークのレオロジー特性に大きなか
かわりがある。つまり高分子ポリマーは典型的な粘弾性
挙動を示す物質である。サブピークはMw1×107
上成分の分子を切断してできた分岐型構造であり、かつ
50万以上の分子量が大きい成分であるので、混練時の
貯蔵弾性率G’が大きい。トナーの混練時の温度は10
0〜200℃の範囲であることが一般的であるが、この
範囲においても分岐型構造を有する高分子では分子は流
動せず、少なくとも106dyne/cm2程度の弾性率
が維持されることが知られている(レオロジー入門p8
3)。弾性率は物質の凝集力に関するものであるのでポ
リオレフィンワックスはサブピークを含むトナー相全体
からの凝集力をうけた状態で混練されるため、強い剪断
がかかり、分散性が良好になる。
【0043】一方、サブピークを含有していない系、つ
まり線形高分子をバインダー樹脂として使用した場合、
一般的な混練条件下においては樹脂が流動を起こし、弾
性率はゼロに向かうことが知られている。これではポリ
オレフィンに剪断がかからず、十分な分散性が得られな
い。ポリオレフィンワックスを使用した発明はいくつか
提案されているがバインダー樹脂との相溶性が悪く分散
不良となるケースがほとんどであった。しかし混練中に
分子切断によるサブピークを有するポリエステル又はこ
れとビニル系樹脂とのブレンド品は粘弾性挙動を示すこ
とからポリオレフィンワックスの分散には最適でポリオ
レフィンが2μm以下での微分散される。ポリオレフィ
ンとしては融点が110〜170℃のワックスが使用さ
れる。
【0044】その主なものとしてポリエチレンワック
ス、ポリプロピレンワックス、ポリブテンワックスがあ
る。融点は110℃以下では混練時に溶融し粘度が低く
なりすぎ、170℃以上では定着性に対し不利となる。
ポリオレフィンが2μm以下に分散されていることはよ
く知られた離型効果が上がるばかりでなくトナーのドラ
ム付着にも効果がある。2μm以下については電顕で確
認が可能である。
【0045】本発明のポリエステル樹脂及びビニル系樹
脂とのブレンドでは特性がトータルバインダーとしてT
g50〜65℃、酸価5mgKOH/g以下、水酸基価
30〜60mgKOH/gの特性を持つとトナーの性能
が強く発揮される。Tgは50℃以下では保存性が悪く
通常の使用では固化を起こしやすい。65℃を越えると
定着性を確保できない。酸価、水酸基価についてはこれ
ら範囲外では帯電の環境変動率が大きくなってゆく他、
水酸基30mgKOH/g以下は樹脂を得ることが反応
上難しい。
【0046】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明するが、各評価
は次のような方法によった。 トナー製造時の粉砕性 混練したトナーをハンマーミルで粗粉砕しジェット式エ
アーミルで微粉砕した。この時平均粒径10μを得るた
めに必要な供給量を測定し粉砕性の指標とした。吐出エ
ア圧力5.0kg/cm2
【0047】画像評価方法 粒径10〜11μにそろえたトナー50部とEFV20
0/300(日本鉄粉製)950部とを混合し充分振り
混ぜて現像剤とした。この現像剤を用い複写機(リコー
製FT−7050)を用いて画像評価を実施する。
【0048】環境安定性 高温、高湿(30℃,90%)の帯電と低温低湿(10
℃,30%)の帯電の比較をし変動巾で評価する。
【0049】ポリエステル樹脂A1〜A3(実施例用)の合成 A−1 ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロ キシフェニル)プロパン 400g ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフ ェニル)プロパン 300g エチレングリコール 200g テレフタル酸 400g 1,1,1−トリメチロールプロパン 150g ジブチル金属オキシド 2.5g をガラス製3Lの4つ口フラスコに入れ温度計、ステン
レス製撹拌棒、流化式コンデンサー及びチッ素導入管を
取付けマントルヒーター中でチッ素気流化にて190℃
で6時間反応した結果増粘し、撹拌トルクが3.5kg
・cmに到達した時点で反応温度を下げ反応を終了し
た。A−2,3を下記処方(単位mol%)に従いA−
1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。
【0050】
【表1】
【0051】ポリエステル樹脂B−1〜B−3(比較
用)の合成 上記表1のA−2処方に対して B−1 グリセリンをトリメリット酸に、また、テレフ
タル酸を30mol%、EG15mol%に変更 B−2 グリセリンを1,1,1−トリメチロールプロ
パン 25mol%に、またTPAを40mol%に変
更 B−3 グリセリンを0mol%に変更 上記処方でA−1と同様にしてポリエステル樹脂を得
た。
【0052】ビニル系樹脂実施例C−1,C−2の合成 冷却管、撹拌器、ガス導入管及び温度計を取り付けた3
Lのフラスコにイオン交換水及びモノマーを仕込む。そ
の処方例は表2に実施例C−1,C−2として記す。液
は撹拌しながら加熱し、規定の反応温度まで昇温し反応
する時間は全て12時間とした。得られた重合物は水洗
し常温10トールにて乾燥し、揮発分1%以下の粉状粉
体を得た。
【0053】
【表2】
【0054】トナーD−1〜3,6,7(実施例)及び
比較例D−4,5の調製 ポリエステル樹脂A−1〜3、ポリエステル樹脂B−1
〜3、ビニル系樹脂C−1〜2のサンプルを用いトナー
を作った。この時のトナー処方とつくり方を記す。表3
に配合を表4に処方量を記載した。
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】製法 上記処方量を2本ロールで表7の条件によりサンプルを
作成した。
【0058】トナーD−8〜12の調製
【0059】
【表5】
【0060】
【表6】
【0061】*D−12はポリプロピレンを加えない。
【0062】
【表7】
【0063】◎良好問題なし、○満足できる、△やや劣
る、×不可
【0064】
【表8】
【0065】◎良好問題なし、○満足できる、△やや劣
る、×不可 表7,8に示す結果より、本発明のトナーD−1〜3は
定着性、ホットオフセット、分散性、環境安定性のバラ
ンスに優れる。その比較例としてD−4はトナー中にM
w1×107以上成分が多く定着性、粉砕性が劣る。公
知例の架橋成分例えばクロロホルム不溶分を含んだトナ
ーなどはこの例にあたる。D−5は架橋成分が含まれな
い一般的なポリエステル樹脂を原料として用いた場合で
あり、本発明のトナーの特徴である環境安定性(帯電)
とホットオフセット性が悪い。
【0066】D−6,7はトナー中にビニル系樹脂とポ
リエステル樹脂を含むトナーであるが、上記の特徴に加
えて環境安定性が更に優れる。D−8〜10は、さらに
低軟化点ポリプロピレンワックスが加わったトナーで低
軟化点ワックスを加えることによりホットオフセット向
上、フィルミング防止の効果がある。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明のトナーは、
バインダー樹脂として、重量平均分子量10,000〜
30,000をメインピークに有し、かつ1×107
上の分子量を有する成分の混練による分子量減成に由来
する分子量50万以上のサブピークを有するポリエステ
ル樹脂を使用することにより、ホットオフセット性、粉
砕性、環境安定性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーにバインダー樹脂として用いる
ポリエステル樹脂の分子量分布の模式的説明図。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バインダー樹脂に着色剤を分散させてな
    る電子写真トナーにおいて、バインダー樹脂がポリエス
    テル樹脂からなり、かつこのバインダー樹脂は1×10
    7以上の分子量を有する成分がなく、THF溶解分のG
    PCによる分子量分布において重量平均分子量10,0
    00〜30,000の領域にメインピークを有し、か
    つ、分子量500,000以上にサブピークを持ち、こ
    のサブピークがトナー組成物を混練し、混練時に機械的
    エネルギーにより前記1×107以上の分子量を有する
    樹脂成分の分子を切断することにより得られることを特
    徴とする静電荷像現像トナー。
  2. 【請求項2】 ポリエステル樹脂が、ポリエステルとビ
    ニール系樹脂のブレンドであることを特徴とする請求項
    1記載の静電荷像現像トナー。
  3. 【請求項3】 さらに融点が110〜170℃の低軟化
    点ワックスが2μm以下で分散されていることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の静電荷像現像トナー。
  4. 【請求項4】 ポリエステル樹脂がガラス転移点50〜
    65℃、酸価5mgKOH/g以下、水酸基価30〜6
    0mgKOH/gの特性を有することを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載の静電荷像現像トナー。
JP5175318A 1993-07-15 1993-07-15 静電荷像現像トナー Pending JPH0728275A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5175318A JPH0728275A (ja) 1993-07-15 1993-07-15 静電荷像現像トナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5175318A JPH0728275A (ja) 1993-07-15 1993-07-15 静電荷像現像トナー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0728275A true JPH0728275A (ja) 1995-01-31

Family

ID=15993996

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5175318A Pending JPH0728275A (ja) 1993-07-15 1993-07-15 静電荷像現像トナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0728275A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08240927A (ja) * 1995-03-03 1996-09-17 Minolta Co Ltd フルカラー用非磁性一成分トナー
WO2000052533A1 (fr) * 1999-03-03 2000-09-08 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Résine de liaison pour toner, toner et électrophotographie
KR100461803B1 (ko) * 2001-04-27 2004-12-14 캐논 가부시끼가이샤 정전하상현상토너, 이 토너의 제조방법 및 이 토너를사용한 화상형성방법 및 화상형성장치
JP2014153424A (ja) * 2013-02-05 2014-08-25 Sharp Corp 電子写真用トナーおよびそれを用いる画像形成装置、画像形成方法
US9400439B2 (en) 2012-09-18 2016-07-26 Ricoh Company, Ltd. Toner, developer, and image forming apparatus

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08240927A (ja) * 1995-03-03 1996-09-17 Minolta Co Ltd フルカラー用非磁性一成分トナー
WO2000052533A1 (fr) * 1999-03-03 2000-09-08 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Résine de liaison pour toner, toner et électrophotographie
US6579653B1 (en) 1999-03-03 2003-06-17 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Binding resin for toner, toner, and electrophotograph
EP1168088A4 (en) * 1999-03-03 2004-09-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd BINDERS FOR TONER, TONER AND ELECTROPHOTOGRAPHIC APPARATUS
US7063929B2 (en) 1999-03-03 2006-06-20 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Binding resin for toner, toner and electrophotographic apparatus
US7208254B2 (en) 1999-03-03 2007-04-24 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Binding resin for toner, toner and electrophotographic apparatus
JP2009116355A (ja) * 1999-03-03 2009-05-28 Panasonic Corp トナー
JP2009116354A (ja) * 1999-03-03 2009-05-28 Panasonic Corp トナーの製造方法
KR100461803B1 (ko) * 2001-04-27 2004-12-14 캐논 가부시끼가이샤 정전하상현상토너, 이 토너의 제조방법 및 이 토너를사용한 화상형성방법 및 화상형성장치
US9400439B2 (en) 2012-09-18 2016-07-26 Ricoh Company, Ltd. Toner, developer, and image forming apparatus
JP2014153424A (ja) * 2013-02-05 2014-08-25 Sharp Corp 電子写真用トナーおよびそれを用いる画像形成装置、画像形成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6221549B1 (en) Toner for developing latent electrostatic images, binder resin for use in the toner, and image formation method using the toner
JP3370106B2 (ja) 静電荷像現像トナー
WO2019004095A1 (ja) トナー用結着樹脂組成物
JP2001249492A (ja) トナー用樹脂組成物および乾式トナー
JPH04178658A (ja) トナー用樹脂組成物およびその製造方法
JP7618408B2 (ja) トナー及び粉末接着剤を含む電子写真用現像剤セット並びに接着物の製造方法
JP2004133095A (ja) トナー組成物
JPH0519530A (ja) 非磁性一成分系現像剤、画像形成方法、画像形成装置、装置ユニツト及びフアクシミリ装置
JP3521373B2 (ja) フルカラー電子写真用トナーキット
EP1655323B1 (en) Toner composition
JPH0728275A (ja) 静電荷像現像トナー
JPH11190913A (ja) 静電荷像現像用トナー及びそれを用いた電子写真用現像剤
JP3585666B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP6973850B2 (ja) 電子写真用正帯電性トナーの製造方法
JPH1063035A (ja) 静電潜像現像用トナー
JP6777283B2 (ja) 電子写真用トナー用結着樹脂組成物の製造方法
JP2003156880A (ja) トナー及び加熱定着方法
JP3815986B2 (ja) トナーの製造方法
JP3101350B2 (ja) 静電荷像現像トナー
JP4708988B2 (ja) トナーの製造方法
JP2017146419A (ja) 電子写真用トナー
JP4500242B2 (ja) 電子写真用トナー用結着樹脂
JP2769895B2 (ja) 静電荷像現像用非磁性トナー
WO1989000719A1 (en) Toner for electrophotography
JP3963673B2 (ja) 電子写真用トナー