JPH0727959Y2 - 多目的運動場用脱着式安全縁石 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は多目的運動場のトラック（競走路）とインフィ
ールド（トラック内側）とを仕切る縁石に係り、さらに
は安全性に優れ着脱が容易なグランド用の縁石に関する
ものである。

（従来の技術） 従来このような縁石としては第４図〜第６図に示すよう
な物があり、第４図に示すものはコンクリートブロック
１にウレタン系ブロックカバー２を嵌装したものをグラ
ンド３のレベルにその頭部を露出して設置したものに上
部縁石本体４を支持する支持板５をアンカーボルト６に
よりコンクリートブロック１に固定するものであるが、
このような物はグランド表面にアンカーボルト６の頭部
が突出し、縁石の側方は競走路等となる関係上競技者が
これにつまづいて転倒する危険性があり好ましくない。

第５図に示すものは、グランド３の表面にケーシング７
を埋込み、このケーシング７にケーシングキャップ８を
嵌合又はねじ込み、このケーシングキャップ８を外した
ケーシング７に上部縁石本体４の脚部９を嵌合又はねじ
込みして固定するものであるが、第５図のような物はグ
ランド表面にケーシング７の頭が出て上部縁石本体を取
外ししておくときはケーシングキャップ８を嵌装してお
かないと土、砂がケーシング７中に入って取れにくくな
る欠点があり、また取外した場合にケーシングキャップ
８の紛失が多い。

第６図に示すものは、グランド３に孔10を穿設し、これ
に上方に空室11Aと下方に脚部11Bとを垂下してなるケー
シングボックス11を嵌め込み、このケーシングボックス
11の上方空室11Aに上部縁石本体４の下方に連結した下
部縁石4Aを着脱自在に嵌合するものであるが、縁石を取
外したときには、このケーシングボックス11の上方空室
11Aに蓋12をする必要がある。また第６図のような物は
グランド表面に溝の縁が出て、溝に蓋12と水抜き13が必
要であるなど多くの欠点を有する物が多かった。

（考案が解決しようとする課題） ノンレベルの縁石を設ける陸上競技場（第３種公認程
度）と、野球、ソフトボール、サッカー、ラクビー等を
兼用する多目的運動場において、簡単に脱着でき、且つ
安全性をもった縁石をグランドレベルに設置する陸上競
技場（第４種程度）と野球、ソフトボール、サッカー、
ラクビー等を兼用に使う多目的グランドでも安全で曲線
部もスムースに施工できる縁石を鋭意研究し本考案を得
るに至った。

（課題を解決するための手段） 本考案は、多目的運動場トラックの下方に埋設した砕石
基礎14と、この上に固定した基礎コンクリート15と、更
にその上にモルタル16で固定しその頭部に弾性を有する
下部縁石カバー17Aを嵌合したPCブロック製下部縁石17
の頭部を前記トラックに露出設置し、前記下部縁石カバ
ー17Aに嵌め合せる凹型はめ具20をその下方に取付けた
上部縁石19を下縁縁石17の露出頂部に脱着可能に差し込
んでなることを特徴とする多目的運動場用脱着式安全縁
石にある。

（実施例） 図面について、本考案の実施の一例態様を説明すると、
第１図において、14は縁石設置部分のグランド下部に設
けた砕石基礎であり、この上に基礎コンクリート15を縁
石設置位置の下方に連続して設け、上部縁石本体４の下
方に設ける孔部にPCブロック製下部縁石17をモルタル16
により固定し、PCブロック製下部縁石17の頭部に下部縁
石カバー17Aを嵌合して、この下部縁石カバー17Aの頂面
をグランド３のレベルに露出させ、この下部縁石カバー
17Aとグランド３との間の間隙に上部縁石19の下方に設
けた凹型はめ具20を逆Ｕ字状で嵌込むように構成したも
のである。第２図は凹型はめ具20の嵌め込み状態を説明
するための立体的斜視図である。第３図は本考案の上部
縁石本体19を地上に設置した状態を示した側面図であ
り、21はたわみ止めスペーサーを示す。

本考案はその実施例の図面に示すように、上部縁石本体
19の脚部19Aに凹型はめ具20よりなるさし込み部を取り
付ける。この時上部縁石本体19の脚部19Aと凹型はめ具2
0との接合は溶接でも、上部縁石本体19との同時成型で
も取り付け可能である。又、それをさし込むゴム又は樹
脂製弾性を有する下部縁石カバー17A付きPCブロック製
下部縁石17はレベル式トラックの縁石としても、単独で
も使え、この接着も、コンクリート成型時に同時に接着
することができる。縁石のゴム又は樹脂製弾性を有する
下部縁石カバー17Aの周囲には土、砂等があるため凹型
はめ具20のさし込み部は先をとがらせた物が取り付け易
くなる。

本考案の縁石の構成は上部縁石本体19の脚部19Aに凹型
はめ具よりなる金属製又はプラスチック製はめ具20を設
け、それをグランドレベルと同一に設置したゴム又は樹
脂製弾性を有する下部縁石カバー17Aを嵌合したPCブロ
ック製下部縁石17の頭部に差し込み固定してトラック競
技に使用し、野球やサッカーの場として使用する時は上
部縁石本体19を簡単にひき抜き保管するようにしたもの
である。又本考案の上部縁石本体19の脚部に設ける凹型
はめ具20よりなる嵌め具は錆の発生しない弾性のある金
属、又はエンジニアリングプラスチック等の強度のある
樹脂を用いてもよい。次にグランドレベルに設置するゴ
ム又は樹脂製の弾性を有する下部縁石カバー17Aは差し
込み、引抜きに十分に耐え、かつ、スパイク性にも優れ
た材質を使用することができる。上部縁石本体19は直線
用と曲線用との二種類があり、予め直線用、曲線用の上
部縁石本体を使い分ける。

陸上競技場公認に関する細則第７条には「トラックの内
縁はコンクリート、石造、煉瓦、その他硬質のものを使
い、下部はコンクリートで基礎地盤に固着させ、表面排
水を良好にするように設置する。管理人を常置する競技
場では、縁の一部を抜き差しできるようにしてもよい。
内縁の上面は走路から50mm高くする。ただし、第4,5種
公認競技場に限り内縁は走路と同一レベルとしてもよ
い。なお、第５種に限って本連盟の承認によって、 内縁または外縁の一部を設置しないこともできる」とあ
る。本考案はノンレベルの縁石を設ける陸上競技場（第
３種公認程度以上）、野球（ソフトボール）、サッカー
（ラクビー）等を兼用する多目的グランドにおいて、簡
単に脱着できる安全なトラック縁石を提供するものであ
り、縁石をレベルに設置する陸上競技場（第４種公認程
度以下）、野球、ソフトボール、サッカー、ラクビー等
を兼用して使う多目的グランドにおいて安全で曲線部も
スムーズに施工出来るトラック縁石を提供するものであ
る。

（考案の効果） 以上述べたように本考案による取り外し式縁石は簡単に
使用競技、球技に対応できるよう脱着の容易な縁石を提
供できかつ、抜き取った場合にもスパイク性のある、万
が一選手等がころんでも安全なラインをも提供できるも
のである。主にクレイ系のグランドに使用できるが、必
要に応じてウレタン、ゴム等で施工される全天候型グラ
ンドにも差し込むことが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の面図、 第２図は本考案の一実施例の面図、 第３図は本考案の一実施例の斜視図、 第４図ないし第６図は従来例の断面を示す説明図であ
る。 １……コンクリートブロック ２……ウレタン系ブロックカバー ３……グランド ４……上部縁石本体 ５……支持板 ６……アンカーボルト ７……ケーシング ８……キャップ ９……脚部 10……孔 11……ケーシングボックス 11A……空室 12……蓋 13……水抜き 14……砕石基礎 15……基礎コンクリート 16……モルタル 17……PCブロック製下部縁石 17A……弾性を有する下部縁石カバー 19……上部縁石本体 20……凹型はめ具 21……たわみ止めスペーサー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 藤井 真之 広島県福山市引野町6445番地 (56)参考文献 実開 昭63−165306（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−111910（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭60−5045（ＪＰ，Ｙ２) 実公 昭58−46849（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】多目的運動場トラックの下方に埋設した砕
   石基礎14と、この上に固定した基礎コンクリート15と、
   更にその上にモルタル16で固定しその頭部に弾性を有す
   る下部縁石カバー17Aを嵌合したPCブロック製下部縁石1
   7の頭部を前記トラックに露出設置し、前記下部縁石カ
   バー17Aに嵌め合せる凹型はめ具20をその下方に取付け
   た上部縁石19を下縁縁石17の露出頂部に脱着可能に差し
   込んでなることを特徴とする多目的運動場用脱着式安全
   縁石。