JPH07278665A - 磁束密度が高い無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
磁束密度が高い無方向性電磁鋼板の製造方法Info
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- JPH07278665A JPH07278665A JP7111194A JP7111194A JPH07278665A JP H07278665 A JPH07278665 A JP H07278665A JP 7111194 A JP7111194 A JP 7111194A JP 7111194 A JP7111194 A JP 7111194A JP H07278665 A JPH07278665 A JP H07278665A
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Landscapes
- Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、高い磁束密度を持つ無方向性電磁
鋼板を製造する方法を提供することを目的とする。 【構成】 鋼中に重量%で0.10%≦Si≦7.00
%、C≦0.01%および残部がFeならびに不可避不
純物からなるスラブを用い熱間圧延して熱延板とし、必
要に応じ熱延板焼鈍工程を施し、1回もしくは中間焼鈍
をはさむ2回以上の冷間圧延工程で最終板厚とし、つい
で、仕上げ焼鈍を施す無方向性電磁鋼板の製造方法にお
いて、冷延開始前の熱延板の金属組織の平均粒径が結晶
粒度番号で4以下であり、冷間圧延前の板厚t(mm)と
冷間圧延時の圧延ロール径d(mm)の比率をd/t≦1
00で規定する無方向性電磁鋼板の製造方法。およびそ
の冷延時の圧下率を60〜90%とすることを特徴とす
る磁束密度が高い無方向性電磁鋼板の製造方法。
鋼板を製造する方法を提供することを目的とする。 【構成】 鋼中に重量%で0.10%≦Si≦7.00
%、C≦0.01%および残部がFeならびに不可避不
純物からなるスラブを用い熱間圧延して熱延板とし、必
要に応じ熱延板焼鈍工程を施し、1回もしくは中間焼鈍
をはさむ2回以上の冷間圧延工程で最終板厚とし、つい
で、仕上げ焼鈍を施す無方向性電磁鋼板の製造方法にお
いて、冷延開始前の熱延板の金属組織の平均粒径が結晶
粒度番号で4以下であり、冷間圧延前の板厚t(mm)と
冷間圧延時の圧延ロール径d(mm)の比率をd/t≦1
00で規定する無方向性電磁鋼板の製造方法。およびそ
の冷延時の圧下率を60〜90%とすることを特徴とす
る磁束密度が高い無方向性電磁鋼板の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気機器の鉄心材料と
して用いられる、磁束密度が高く、鉄損が低い優れた磁
気特性を有する無方向性電磁鋼板の製造方法に関するも
のである。
して用いられる、磁束密度が高く、鉄損が低い優れた磁
気特性を有する無方向性電磁鋼板の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギーの観点から無方向性
電磁鋼板の品質向上のニーズは高まってきている。これ
まで高磁束密度無方向性電磁鋼板としては低級グレード
の無方向性電磁鋼板が広く用いられてきている。これら
の無方向性電磁鋼板の特性向上のためには溶製段階での
高純化、鋼中のSi,Al含有量を多くする、仕上げ焼
鈍温度、時間の確保、冷延条件の検討等が行われてきた
が、高磁束密度を得ることには限界があった。
電磁鋼板の品質向上のニーズは高まってきている。これ
まで高磁束密度無方向性電磁鋼板としては低級グレード
の無方向性電磁鋼板が広く用いられてきている。これら
の無方向性電磁鋼板の特性向上のためには溶製段階での
高純化、鋼中のSi,Al含有量を多くする、仕上げ焼
鈍温度、時間の確保、冷延条件の検討等が行われてきた
が、高磁束密度を得ることには限界があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おけるこのような問題点を解決し、高磁束密度の無方向
性電磁鋼板を提供することを目的とするものである。
おけるこのような問題点を解決し、高磁束密度の無方向
性電磁鋼板を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は以下の構成を要旨とする。 (1)鋼中に重量%で0.10%≦Si≦7.00%、
C≦0.01%を含み、残部がFeならびに不可避不純
物からなるスラブを用い、熱間圧延して熱延板とし、必
要に応じ熱延板焼鈍工程を施し、1回もしくは中間焼鈍
をはさむ2回以上の冷間圧延工程で最終板厚とし、つい
で、仕上げ焼鈍を施す無方向性電磁鋼板の製造方法にお
いて、冷延開始前の熱延板の金属組織の平均粒径を結晶
粒度番号で4以下とし、冷間圧延開始前の板厚をt(m
m)、冷間圧延時の圧延ロール径をd(mm)としたと
き、 d/t≦100 を満足するロールで冷延することを特徴とする磁束密度
が高い無方向性電磁鋼板の製造方法。および (2)前項(1)記載の無方向性電磁鋼板の製造方法に
おいて、冷間圧下率60〜90%の冷間圧延を施すこと
を特徴とする磁束密度が高く、鉄損の低い無方向性電磁
鋼板の製造方法である。
に本発明は以下の構成を要旨とする。 (1)鋼中に重量%で0.10%≦Si≦7.00%、
C≦0.01%を含み、残部がFeならびに不可避不純
物からなるスラブを用い、熱間圧延して熱延板とし、必
要に応じ熱延板焼鈍工程を施し、1回もしくは中間焼鈍
をはさむ2回以上の冷間圧延工程で最終板厚とし、つい
で、仕上げ焼鈍を施す無方向性電磁鋼板の製造方法にお
いて、冷延開始前の熱延板の金属組織の平均粒径を結晶
粒度番号で4以下とし、冷間圧延開始前の板厚をt(m
m)、冷間圧延時の圧延ロール径をd(mm)としたと
き、 d/t≦100 を満足するロールで冷延することを特徴とする磁束密度
が高い無方向性電磁鋼板の製造方法。および (2)前項(1)記載の無方向性電磁鋼板の製造方法に
おいて、冷間圧下率60〜90%の冷間圧延を施すこと
を特徴とする磁束密度が高く、鉄損の低い無方向性電磁
鋼板の製造方法である。
【0005】以下に、本発明を詳細に説明する。従来無
方向性電磁鋼板の磁束密度向上のための冷延技術とし
て、特開昭51−97527号公報のごとく熱延方向か
ら55°±20°方向に冷間圧延方向をとることによる
全周特性を向上する技術、特開昭63−26313号公
報のごとくブライトロールにて圧延後ダルロールにてス
キンパスを行う技術、あるいは特開平3−120316
号公報のごとくリバース圧延による冷延等が示されてい
る。また、磁気特性の向上技術として、特開平1−29
4825号公報ではクレータ付きロールにて圧延後、ブ
ライトロールによる最終圧延、特開平3−267313
号、同3−267318号、同3−237319号の各
公報にはいずれも縦溝付きロールにて圧延後、最終圧延
をスムースロールにて圧延する技術等が開示されてい
る。また、特開昭56−58925号公報では鋼板表面
の平均粗さをRa<0.4μmに規定している。
方向性電磁鋼板の磁束密度向上のための冷延技術とし
て、特開昭51−97527号公報のごとく熱延方向か
ら55°±20°方向に冷間圧延方向をとることによる
全周特性を向上する技術、特開昭63−26313号公
報のごとくブライトロールにて圧延後ダルロールにてス
キンパスを行う技術、あるいは特開平3−120316
号公報のごとくリバース圧延による冷延等が示されてい
る。また、磁気特性の向上技術として、特開平1−29
4825号公報ではクレータ付きロールにて圧延後、ブ
ライトロールによる最終圧延、特開平3−267313
号、同3−267318号、同3−237319号の各
公報にはいずれも縦溝付きロールにて圧延後、最終圧延
をスムースロールにて圧延する技術等が開示されてい
る。また、特開昭56−58925号公報では鋼板表面
の平均粗さをRa<0.4μmに規定している。
【0006】しかし、熱延方向と冷延方向を変化させて
圧延することは、ストリップ圧延による冷延が不可能で
あり、切り板圧延によるためコストの上昇を招き、また
スキンパス工程の追加やリバース圧延もコストの点で不
利である。また、クレータ付きロール、溝付きロール使
用ではロール自身のコスト上昇およびロール表面形状の
保守の煩雑さによりコストアップを招き、またスムース
ロールにて圧延することは鋼板表面の粗さを常に一定以
下に保つために頻繁なロール研削を行わなくてはならず
コストの上昇を招く等の欠点があった。
圧延することは、ストリップ圧延による冷延が不可能で
あり、切り板圧延によるためコストの上昇を招き、また
スキンパス工程の追加やリバース圧延もコストの点で不
利である。また、クレータ付きロール、溝付きロール使
用ではロール自身のコスト上昇およびロール表面形状の
保守の煩雑さによりコストアップを招き、またスムース
ロールにて圧延することは鋼板表面の粗さを常に一定以
下に保つために頻繁なロール研削を行わなくてはならず
コストの上昇を招く等の欠点があった。
【0007】本発明者らは、従来技術における問題点を
解決すべく冷延条件について鋭意検討を重ねた結果、無
方向性電磁鋼板製造プロセスにおいて、冷延開始前の熱
延板の結晶粒径を一定以上の大きさとし、冷延開始前板
厚と圧延ロール直径との値が一定の関係を満たす場合
に、一定の冷延率の範囲において仕上げ焼鈍後および磁
性焼鈍後の製品における磁束密度が極めて高い無方向性
電磁鋼板を得ることに成功した。
解決すべく冷延条件について鋭意検討を重ねた結果、無
方向性電磁鋼板製造プロセスにおいて、冷延開始前の熱
延板の結晶粒径を一定以上の大きさとし、冷延開始前板
厚と圧延ロール直径との値が一定の関係を満たす場合
に、一定の冷延率の範囲において仕上げ焼鈍後および磁
性焼鈍後の製品における磁束密度が極めて高い無方向性
電磁鋼板を得ることに成功した。
【0008】すなわち、冷延開始前の結晶粒度および冷
間圧延条件(冷間圧延開始前の板厚tと冷間圧延時の圧
延ロール径dの比率)および冷延率を規定することによ
り、仕上げ焼鈍後および磁性焼鈍後の製品における集合
組織を制御し、磁束密度が極めて高い無方向性電磁鋼板
を製造するようにしたものである。
間圧延条件(冷間圧延開始前の板厚tと冷間圧延時の圧
延ロール径dの比率)および冷延率を規定することによ
り、仕上げ焼鈍後および磁性焼鈍後の製品における集合
組織を制御し、磁束密度が極めて高い無方向性電磁鋼板
を製造するようにしたものである。
【0009】まず、成分について説明すると、Siは一
般に鋼板の固有抵抗を増大させ渦流損を低減させるため
に添加されるが、0.10%未満ではその効果が見られ
ないので0.10%以上の添加量とする。一方、Si添
加量が7.00%を超えると鋼板の脆性が著しく悪化
し、スラブの置き割れ、熱間圧延、冷間圧延時の破断、
加工性の劣化が起こるので7.00%以下とする必要が
ある。
般に鋼板の固有抵抗を増大させ渦流損を低減させるため
に添加されるが、0.10%未満ではその効果が見られ
ないので0.10%以上の添加量とする。一方、Si添
加量が7.00%を超えると鋼板の脆性が著しく悪化
し、スラブの置き割れ、熱間圧延、冷間圧延時の破断、
加工性の劣化が起こるので7.00%以下とする必要が
ある。
【0010】Cは0.010%以下であれば本発明の目
的を達成することができる。低級グレードの無方向性電
磁鋼板は主として小型回転機であり、鉄損の低減のため
に冷延後の仕上げ焼鈍あるいはさらに歪み取り焼鈍中の
粒成長を促進させる必要があり、鋼中の微細析出物を減
らす必要がある。このためには、鋼中のCの含有量を
0.010%以下に制限する必要がある。
的を達成することができる。低級グレードの無方向性電
磁鋼板は主として小型回転機であり、鉄損の低減のため
に冷延後の仕上げ焼鈍あるいはさらに歪み取り焼鈍中の
粒成長を促進させる必要があり、鋼中の微細析出物を減
らす必要がある。このためには、鋼中のCの含有量を
0.010%以下に制限する必要がある。
【0011】また、製品の機械的特性の向上、磁気的特
性、耐錆性の向上あるいはその他の目的のために、A
l,Mn,P,B,Ni,Cr,Sb,Sn,Cuの1
種または2種以上を鋼中に含有させても本発明の効果は
損なわれない。
性、耐錆性の向上あるいはその他の目的のために、A
l,Mn,P,B,Ni,Cr,Sb,Sn,Cuの1
種または2種以上を鋼中に含有させても本発明の効果は
損なわれない。
【0012】冷延開始前の熱延板の結晶粒度は、粒度番
号4以下であることが望ましい。冷延前の粒度番号が4
を超えると、次に述べる冷延条件による磁束密度の向上
が不十分である。従って、冷延開始前の結晶粒度は4以
下と規定する。
号4以下であることが望ましい。冷延前の粒度番号が4
を超えると、次に述べる冷延条件による磁束密度の向上
が不十分である。従って、冷延開始前の結晶粒度は4以
下と規定する。
【0013】次に本発明のプロセス条件について説明す
る。本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、冷間圧延工程
において冷延前板厚t(mm)と冷間圧延前の冷延ロール直
径d(mm)との関係を次式の範囲に規定することにより製
品における磁束密度が著しく改善され得ることを発見し
本発明の完成に至った。 d/t≦100
る。本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、冷間圧延工程
において冷延前板厚t(mm)と冷間圧延前の冷延ロール直
径d(mm)との関係を次式の範囲に規定することにより製
品における磁束密度が著しく改善され得ることを発見し
本発明の完成に至った。 d/t≦100
【0014】冷間圧延時の圧延ロール径と冷延前板厚の
選択は上式の範囲であればよいが、生産性との兼ね合い
から自ずと板厚および冷延ロール径の限定条件が定めら
れる。ただし、冷延ロールの直径は好ましくは200mm
以下である。
選択は上式の範囲であればよいが、生産性との兼ね合い
から自ずと板厚および冷延ロール径の限定条件が定めら
れる。ただし、冷延ロールの直径は好ましくは200mm
以下である。
【0015】本発明によれば、仕上げ焼鈍時の条件を従
来の焼鈍条件よりも高温にし時間を長くして粒成長させ
製品の鉄損を改善しても、磁束密度が低くなることはな
い。また、磁性焼鈍後の磁束密度の低下を抑制するとい
う特徴を合わせ持っている。
来の焼鈍条件よりも高温にし時間を長くして粒成長させ
製品の鉄損を改善しても、磁束密度が低くなることはな
い。また、磁性焼鈍後の磁束密度の低下を抑制するとい
う特徴を合わせ持っている。
【0016】前記成分からなる鋼スラブは、転炉で溶製
され連続鋳造あるいは造塊−分塊圧延により製造され
る。鋼スラブは公知の方法にて加熱される。このスラブ
に熱間圧延を施し所定の厚みとする。この際、必要に応
じ熱延後ホットコイルの自己焼鈍、あるいは熱延板焼鈍
を行っても本発明の効果を何等損なうものではない。
され連続鋳造あるいは造塊−分塊圧延により製造され
る。鋼スラブは公知の方法にて加熱される。このスラブ
に熱間圧延を施し所定の厚みとする。この際、必要に応
じ熱延後ホットコイルの自己焼鈍、あるいは熱延板焼鈍
を行っても本発明の効果を何等損なうものではない。
【0017】本発明においては、冷延開始前の板厚を厚
くし、圧延ロール直径を小さくすることで、仕上げ焼鈍
後および磁性焼鈍後の高磁束密度化に適した冷延集合組
織に制御することが最も肝要である。すなわち、仕上げ
焼鈍および磁性焼鈍後の鋼板において磁性に有害な難磁
化方位を板面に有する(111)集合組織の発達を抑制
し、磁化容易軸を板面に有し無方向性電磁鋼板の磁束密
度向上に欠かせない(110)および(100)集合組
織の発達を促すものである。
くし、圧延ロール直径を小さくすることで、仕上げ焼鈍
後および磁性焼鈍後の高磁束密度化に適した冷延集合組
織に制御することが最も肝要である。すなわち、仕上げ
焼鈍および磁性焼鈍後の鋼板において磁性に有害な難磁
化方位を板面に有する(111)集合組織の発達を抑制
し、磁化容易軸を板面に有し無方向性電磁鋼板の磁束密
度向上に欠かせない(110)および(100)集合組
織の発達を促すものである。
【0018】冷延率は60%以上90%以下、好ましく
は70%以上90%以下である。60%未満では磁束密
度が低下し、また磁束密度のL方向とC方向の差も大き
くなりすぎる。さらに、熱延板の仕上げ板厚が薄くなり
すぎ、熱延工程での生産性に低下をきたすので、60%
以上とした。一方、90%超では、(111)集合組織
が急激に増加し、磁束密度の急激な低下をもたらすので
90%以下とした。
は70%以上90%以下である。60%未満では磁束密
度が低下し、また磁束密度のL方向とC方向の差も大き
くなりすぎる。さらに、熱延板の仕上げ板厚が薄くなり
すぎ、熱延工程での生産性に低下をきたすので、60%
以上とした。一方、90%超では、(111)集合組織
が急激に増加し、磁束密度の急激な低下をもたらすので
90%以下とした。
【0019】
【実施例】次に、本発明の実施例について述べる。 (実施例1)表1に示した成分を有する無方向性電磁鋼
用スラブを通常の方法にて加熱し、熱延により板厚3.
5mmに仕上げた。これらの熱延板の結晶粒径を調整する
ため、熱延板焼鈍を施し、粒度番号を調整した。その
後、酸洗を施し、冷間圧延により85%圧下し所定板厚
に仕上げた。この際、冷間圧延の圧延ロール径を100
mmとした。これを連続焼鈍炉にて、800℃で30秒間
焼鈍し、磁気特性を測定した。表2に本発明における冷
延開始前の結晶粒度番号と仕上げ焼鈍後の磁束密度との
関係について示した。
用スラブを通常の方法にて加熱し、熱延により板厚3.
5mmに仕上げた。これらの熱延板の結晶粒径を調整する
ため、熱延板焼鈍を施し、粒度番号を調整した。その
後、酸洗を施し、冷間圧延により85%圧下し所定板厚
に仕上げた。この際、冷間圧延の圧延ロール径を100
mmとした。これを連続焼鈍炉にて、800℃で30秒間
焼鈍し、磁気特性を測定した。表2に本発明における冷
延開始前の結晶粒度番号と仕上げ焼鈍後の磁束密度との
関係について示した。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】このように冷延開始前の結晶粒度番号が4
以下の粗大粒の材料において磁束密度が高いことがわか
る。
以下の粗大粒の材料において磁束密度が高いことがわか
る。
【0023】(実施例2)表3に示した成分を有する無
方向性電磁鋼用スラブを通常の方法にて加熱し、熱延に
より板厚1.0〜5.0mmに仕上げた。これらの熱延板
の結晶粒径を調整するため、熱延板焼鈍を施し、粒度番
号は3.1とした。その後、酸洗を施し、冷間圧延によ
り85%圧下し所定板厚に仕上げた。この際、冷間圧延
の圧延ロール径を50mm,100mm,200mm,400
mmとした。これを連続焼鈍炉にて、800℃で30秒間
焼鈍し、磁気特性を測定した。表4,表5に本発明にお
ける冷間圧延時の圧延ロール径と板厚の比と仕上げ焼鈍
後の磁束密度との関係について示した。
方向性電磁鋼用スラブを通常の方法にて加熱し、熱延に
より板厚1.0〜5.0mmに仕上げた。これらの熱延板
の結晶粒径を調整するため、熱延板焼鈍を施し、粒度番
号は3.1とした。その後、酸洗を施し、冷間圧延によ
り85%圧下し所定板厚に仕上げた。この際、冷間圧延
の圧延ロール径を50mm,100mm,200mm,400
mmとした。これを連続焼鈍炉にて、800℃で30秒間
焼鈍し、磁気特性を測定した。表4,表5に本発明にお
ける冷間圧延時の圧延ロール径と板厚の比と仕上げ焼鈍
後の磁束密度との関係について示した。
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】このように冷間圧延時の圧延ロール径と板
厚の比の範囲を一定にとることにより、磁束密度の値が
高い材料が得られることがわかる。
厚の比の範囲を一定にとることにより、磁束密度の値が
高い材料が得られることがわかる。
【0028】(実施例3)表6に示した成分を有する無
方向性電磁鋼用スラブを通常の方法にて加熱し、熱延に
より3.5mmに仕上げた。各試料の冷延前の結晶粒度は
熱延板焼鈍を施すことにより粒度番号3.5に調整し
た。その後、酸洗を施し、冷間圧延により58.3〜9
2.7%圧下し所定板厚に仕上げた。この際、冷間圧延
の圧延ロール径を50mmとした。これを連続焼鈍炉に
て、800℃で30秒間焼鈍し、磁気特性を測定した。
表7,表8に本発明における冷間圧延時の圧延ロール径
と板厚の比と仕上げ焼鈍後の磁束密度との関係について
示した。
方向性電磁鋼用スラブを通常の方法にて加熱し、熱延に
より3.5mmに仕上げた。各試料の冷延前の結晶粒度は
熱延板焼鈍を施すことにより粒度番号3.5に調整し
た。その後、酸洗を施し、冷間圧延により58.3〜9
2.7%圧下し所定板厚に仕上げた。この際、冷間圧延
の圧延ロール径を50mmとした。これを連続焼鈍炉に
て、800℃で30秒間焼鈍し、磁気特性を測定した。
表7,表8に本発明における冷間圧延時の圧延ロール径
と板厚の比と仕上げ焼鈍後の磁束密度との関係について
示した。
【0029】
【表6】
【0030】
【表7】
【0031】
【表8】
【0032】このように本発明の方法を用いると、冷延
率60〜90%、特に70〜90%の圧下率にて磁束密
度の値が高い材料が得られる。
率60〜90%、特に70〜90%の圧下率にて磁束密
度の値が高い材料が得られる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、仕上げ焼鈍および磁性
焼鈍後の鋼板において磁性に有害な難磁化方位を板面に
有する(111)集合組織の発達を抑制し、磁化容易軸
を板面に有し無方向性電磁鋼板の磁束密度向上に欠かせ
ない(110)および(100)集合組織の発達を促
し、磁束密度が高い無方向性電磁鋼板を製造することが
可能である。
焼鈍後の鋼板において磁性に有害な難磁化方位を板面に
有する(111)集合組織の発達を抑制し、磁化容易軸
を板面に有し無方向性電磁鋼板の磁束密度向上に欠かせ
ない(110)および(100)集合組織の発達を促
し、磁束密度が高い無方向性電磁鋼板を製造することが
可能である。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で0.10%≦Si≦7.00
%、C≦0.01%を含み、残部がFeならびに不可避
不純物からなるスラブを用い、熱間圧延して熱延板と
し、必要に応じ熱延板焼鈍工程を施し、1回もしくは中
間焼鈍をはさむ2回以上の冷間圧延工程で最終板厚と
し、ついで、仕上げ焼鈍を施す無方向性電磁鋼板の製造
方法において、冷延開始前の熱延板の金属組織の平均粒
径を結晶粒度番号で4以下とし、冷間圧延開始前の板厚
をt(mm)、冷間圧延時の圧延ロール径をd(mm)とし
たとき、 d/t≦100 を満足するロールで冷延することを特徴とする磁束密度
が高い無方向性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の無方向性電磁鋼板の製造
方法において、冷間圧下率60〜90%の冷間圧延を施
すことを特徴とする磁束密度が高く、鉄損の低い無方向
性電磁鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7111194A JPH07278665A (ja) | 1994-04-08 | 1994-04-08 | 磁束密度が高い無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7111194A JPH07278665A (ja) | 1994-04-08 | 1994-04-08 | 磁束密度が高い無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07278665A true JPH07278665A (ja) | 1995-10-24 |
Family
ID=13451125
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7111194A Withdrawn JPH07278665A (ja) | 1994-04-08 | 1994-04-08 | 磁束密度が高い無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07278665A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005200756A (ja) * | 2004-01-19 | 2005-07-28 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 無方向性電磁鋼板の製造方法 |
CN107245646A (zh) * | 2017-06-01 | 2017-10-13 | 东北大学 | 一种板面周向高磁感低铁损无取向硅钢的制备方法 |
CN107245647A (zh) * | 2017-06-01 | 2017-10-13 | 东北大学 | 一种基于薄带连铸制备发达{100}面织构无取向硅钢薄带的方法 |
-
1994
- 1994-04-08 JP JP7111194A patent/JPH07278665A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005200756A (ja) * | 2004-01-19 | 2005-07-28 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 無方向性電磁鋼板の製造方法 |
CN107245646A (zh) * | 2017-06-01 | 2017-10-13 | 东北大学 | 一种板面周向高磁感低铁损无取向硅钢的制备方法 |
CN107245647A (zh) * | 2017-06-01 | 2017-10-13 | 东北大学 | 一种基于薄带连铸制备发达{100}面织构无取向硅钢薄带的方法 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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