JPH07275666A - 中空糸膜モジュール - Google Patents
中空糸膜モジュールInfo
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- JPH07275666A JPH07275666A JP7315594A JP7315594A JPH07275666A JP H07275666 A JPH07275666 A JP H07275666A JP 7315594 A JP7315594 A JP 7315594A JP 7315594 A JP7315594 A JP 7315594A JP H07275666 A JPH07275666 A JP H07275666A
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- JP
- Japan
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- hollow fiber
- fiber membrane
- hollow yarn
- module
- yarns
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- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 中空糸膜4と、中空糸膜の端部を固定する固
定部材3と、構造材2とを有し、固定部材の中空糸膜に
垂直な断面の形状が細長いほぼ矩形である中空糸膜モジ
ュールに、中空糸膜としてその全面に拘束糸条5を有す
る中空糸膜の編織物を用いる。 【効果】 中空糸膜間への有機物の堆積が極めて生じに
くいので、高汚濁性水の濾過において長期に亙って差圧
の上昇及び流量低下が防止できる。
定部材3と、構造材2とを有し、固定部材の中空糸膜に
垂直な断面の形状が細長いほぼ矩形である中空糸膜モジ
ュールに、中空糸膜としてその全面に拘束糸条5を有す
る中空糸膜の編織物を用いる。 【効果】 中空糸膜間への有機物の堆積が極めて生じに
くいので、高汚濁性水の濾過において長期に亙って差圧
の上昇及び流量低下が防止できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中空糸膜モジュールに
関し、特に汚濁性(殊に有機物の汚濁性)の高い液体を
濾過するのに適した中空糸膜モジュールに関する。
関し、特に汚濁性(殊に有機物の汚濁性)の高い液体を
濾過するのに適した中空糸膜モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、中空糸膜モジュールは、無菌水、
飲料水、高純度水の製造や、空気の浄化といったいわゆ
る精密濾過の分野において多く使用されてきたが、近
年、下水処理場における二次処理、三次処理や、浄化槽
における固液分離等の高汚濁性水処理用途に用いる検討
が様々な形で行われている。
飲料水、高純度水の製造や、空気の浄化といったいわゆ
る精密濾過の分野において多く使用されてきたが、近
年、下水処理場における二次処理、三次処理や、浄化槽
における固液分離等の高汚濁性水処理用途に用いる検討
が様々な形で行われている。
【0003】これらの分野で用いられている中空糸膜モ
ジュールも、従来の精密濾過の分野において用いられて
きた円形状や同心円状に中空糸膜を収束して配置した円
筒形タイプのものがほとんどであった。また、改良が施
されるとしても、中空糸膜の充填率や充填形態を変える
だけのものが多かった。
ジュールも、従来の精密濾過の分野において用いられて
きた円形状や同心円状に中空糸膜を収束して配置した円
筒形タイプのものがほとんどであった。また、改良が施
されるとしても、中空糸膜の充填率や充填形態を変える
だけのものが多かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の中空
糸膜モジュールを用いて高汚濁性水(例えば、SS≧5
0ppm,TOC≧100ppm)の濾過処理を行った
場合には、使用に伴ない中空糸膜表面に付着した有機物
等の堆積物を介して、中空糸膜同士が固着(接着)して
一体化されることにより、モジュール内の中空糸膜の有
効膜面積が低下し、濾過流量の急激な減少がみられた。
特に、この現象は円筒形モジュールの中心部の中空糸膜
において著しく、大型のもの程顕著であった。
糸膜モジュールを用いて高汚濁性水(例えば、SS≧5
0ppm,TOC≧100ppm)の濾過処理を行った
場合には、使用に伴ない中空糸膜表面に付着した有機物
等の堆積物を介して、中空糸膜同士が固着(接着)して
一体化されることにより、モジュール内の中空糸膜の有
効膜面積が低下し、濾過流量の急激な減少がみられた。
特に、この現象は円筒形モジュールの中心部の中空糸膜
において著しく、大型のもの程顕著であった。
【0005】また、このようにして中空糸膜同士が固着
して一体化した中空糸膜モジュールを定期的に膜面洗浄
や逆洗を行う場合も、一旦固着一体化したモジュールの
機能回復は容易ではなく、洗浄効率の低下がみられた。
して一体化した中空糸膜モジュールを定期的に膜面洗浄
や逆洗を行う場合も、一旦固着一体化したモジュールの
機能回復は容易ではなく、洗浄効率の低下がみられた。
【0006】この問題の解決策として、集束型で円筒形
の中空糸膜モジュールに換えて、多本数の中空糸膜をシ
ート状に並び拡げて配置し、中空糸膜の片端部または両
端部が一つまたは異なる二つの構造材内において固定部
材でそれぞれの開口状態を保ちつつ固定されてなる中空
糸膜モジュールであって、固定部材の中空糸膜に垂直な
断面の形状がいずれも細長いほぼ矩形である中空糸膜モ
ジュールが提案されている(特開平5−220356号
公報等)。
の中空糸膜モジュールに換えて、多本数の中空糸膜をシ
ート状に並び拡げて配置し、中空糸膜の片端部または両
端部が一つまたは異なる二つの構造材内において固定部
材でそれぞれの開口状態を保ちつつ固定されてなる中空
糸膜モジュールであって、固定部材の中空糸膜に垂直な
断面の形状がいずれも細長いほぼ矩形である中空糸膜モ
ジュールが提案されている(特開平5−220356号
公報等)。
【0007】このようなシート状の平型の中空糸膜モジ
ュールは、中空糸膜を層間隔を設けて内外層に均等に配
置させることが可能となり、膜面洗浄の際、中空糸膜表
面を均等に洗浄することが極めて容易となるので、これ
までのような濾過効率の低下を抑えることができるな
ど、高汚濁性水の濾過に適したモジュールである。
ュールは、中空糸膜を層間隔を設けて内外層に均等に配
置させることが可能となり、膜面洗浄の際、中空糸膜表
面を均等に洗浄することが極めて容易となるので、これ
までのような濾過効率の低下を抑えることができるな
ど、高汚濁性水の濾過に適したモジュールである。
【0008】しかし、このタイプの中空糸膜モジュール
においても、汚濁度の高い原水を濾過する場合には、濾
過を続けるうちに中空糸膜間に濁質が次第に堆積した。
この濁質の堆積は有効膜面積の減少を招き、差圧の上昇
及び流量低下を引き起すことによってモジュールの寿命
を早めるという問題があった。
においても、汚濁度の高い原水を濾過する場合には、濾
過を続けるうちに中空糸膜間に濁質が次第に堆積した。
この濁質の堆積は有効膜面積の減少を招き、差圧の上昇
及び流量低下を引き起すことによってモジュールの寿命
を早めるという問題があった。
【0009】本発明の目的は、高汚濁性水の濾過に使用
しても中空糸膜間に濁質が堆積しにくく、長期に亘って
差圧の上昇及び流量低下を引き起すことが少ない中空糸
膜モジュールを提供することにある。
しても中空糸膜間に濁質が堆積しにくく、長期に亘って
差圧の上昇及び流量低下を引き起すことが少ない中空糸
膜モジュールを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、中
空糸膜と、中空糸膜の端部を開口状態を保ちつつこれを
固定する固定部材と、固定部材を支持収納する構造材と
を有してなり、固定部材の中空糸膜に垂直な断面の形状
が細長いほぼ矩形である中空糸膜モジュールにおいて、
該中空糸膜が中空糸膜を含む編織物からなり、該編織物
はその全面において拘束糸条を有するものである中空糸
膜モジュールである。
空糸膜と、中空糸膜の端部を開口状態を保ちつつこれを
固定する固定部材と、固定部材を支持収納する構造材と
を有してなり、固定部材の中空糸膜に垂直な断面の形状
が細長いほぼ矩形である中空糸膜モジュールにおいて、
該中空糸膜が中空糸膜を含む編織物からなり、該編織物
はその全面において拘束糸条を有するものである中空糸
膜モジュールである。
【0011】
【実施例】以下、本発明の中空糸膜モジュールにつき図
面を参照しつつより詳細に説明する。
面を参照しつつより詳細に説明する。
【0012】図1は、本発明の中空糸膜モジュールの一
例を示す斜視図である。本発明の中空糸膜モジュール1
は、基本的には、構造材2と、固定部材3と、中空糸膜
4と、拘束糸条5とを有して構成される。これらに加
え、各種付属部材が付設されてもよい。
例を示す斜視図である。本発明の中空糸膜モジュール1
は、基本的には、構造材2と、固定部材3と、中空糸膜
4と、拘束糸条5とを有して構成される。これらに加
え、各種付属部材が付設されてもよい。
【0013】構造材2は、中空糸膜モジュール全体を支
持する部材として機能し、細長いほぼ矩形の開口部を有
するとともに、その内部に濾液室を有する。その材質と
しては機械的強度および耐久性を有するものであればよ
く、例えばポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリプ
ロピレン、アクリル樹脂、ABS樹脂、変成PPE樹
脂、塩化ビニル樹脂等が例示される。
持する部材として機能し、細長いほぼ矩形の開口部を有
するとともに、その内部に濾液室を有する。その材質と
しては機械的強度および耐久性を有するものであればよ
く、例えばポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリプ
ロピレン、アクリル樹脂、ABS樹脂、変成PPE樹
脂、塩化ビニル樹脂等が例示される。
【0014】図1のように、中空糸膜の編織物の両耳部
の位置に中空糸膜の開口を有するタイプの中空糸膜モジ
ュールでは一モジュール当り2個の構造材が使用される
が、一方の耳部の位置にのみ中空糸膜の開口が設けられ
るタイプのモジュールでは1個の構造材が使用される。
なお、濾液取り出し口6が構造材2の一端に配設されて
いる。
の位置に中空糸膜の開口を有するタイプの中空糸膜モジ
ュールでは一モジュール当り2個の構造材が使用される
が、一方の耳部の位置にのみ中空糸膜の開口が設けられ
るタイプのモジュールでは1個の構造材が使用される。
なお、濾液取り出し口6が構造材2の一端に配設されて
いる。
【0015】構造材2の開口部は、そこに中空糸膜を伴
って充填固定される固定部材の中空糸膜に垂直な断面の
形状が細長いほぼ矩形となるようなものであることが必
要であり、この矩形の短辺の長さが30mm以下となる
ことが好ましく、15mm以下となることが特に好まし
い。すなわち、中空糸膜の編織物が固定部材の紐状の帯
域に固定されることでモジュール内の中空糸膜全体が平
坦なシート状に並び拡げられる。このように、多数本の
中空糸膜をシート状に並び拡げることで、中空糸膜束が
一本の棒状に固着一体化するのが防止される。一方、矩
形の長辺の長さについては特に限定はないが、余り短い
と一つの中空糸膜モジュール内に配設できる中空糸膜の
本数が減少するので好ましくなく、また余り長いと製造
が困難になるので好ましくない。通常、長辺の長さは1
00〜2000mm程度とされる。
って充填固定される固定部材の中空糸膜に垂直な断面の
形状が細長いほぼ矩形となるようなものであることが必
要であり、この矩形の短辺の長さが30mm以下となる
ことが好ましく、15mm以下となることが特に好まし
い。すなわち、中空糸膜の編織物が固定部材の紐状の帯
域に固定されることでモジュール内の中空糸膜全体が平
坦なシート状に並び拡げられる。このように、多数本の
中空糸膜をシート状に並び拡げることで、中空糸膜束が
一本の棒状に固着一体化するのが防止される。一方、矩
形の長辺の長さについては特に限定はないが、余り短い
と一つの中空糸膜モジュール内に配設できる中空糸膜の
本数が減少するので好ましくなく、また余り長いと製造
が困難になるので好ましくない。通常、長辺の長さは1
00〜2000mm程度とされる。
【0016】固定部材3は、構造材2の開口部に充填固
定され、中空糸膜3の各端部を開口状態を保ったまま集
束して固定するとともに、かつこれらの中空糸膜を濾過
膜として機能させるために、被処理水と処理水とを液密
に仕切る部材として機能する。固定部材3は、通常エポ
キシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン等の
液状樹脂を硬化させて形成される。
定され、中空糸膜3の各端部を開口状態を保ったまま集
束して固定するとともに、かつこれらの中空糸膜を濾過
膜として機能させるために、被処理水と処理水とを液密
に仕切る部材として機能する。固定部材3は、通常エポ
キシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン等の
液状樹脂を硬化させて形成される。
【0017】中空糸膜4としては、種々のものが使用で
き、例えばセルロース系、ポリオレフィン系、ポリビニ
ルアルコール系、PMMA系、ポリスルフォン系等の各
種材料からなるものが使用できるがポリエチレン、ポリ
プロピレン等の強伸度の高い材質のものが好ましい。な
お、濾過膜として使用可能なものであれば、孔径、空孔
率、膜厚、外径等には特に制限はないが、除去対象物や
容積当たりの膜面積の確保および中空糸膜の強度等を考
えると、好ましい例としては、孔径0.01〜1μm、
空孔率20〜90%、膜厚5〜300μm、外径20〜
2000μmの範囲を挙げることができる。また、バク
テリアの除去を目的とする場合の孔径は0.2μm以下
であることが必須となり、有機物やウイルスの除去を目
的とする場合には分画分子量数万から数十万の限外濾過
膜を用いる場合もある。
き、例えばセルロース系、ポリオレフィン系、ポリビニ
ルアルコール系、PMMA系、ポリスルフォン系等の各
種材料からなるものが使用できるがポリエチレン、ポリ
プロピレン等の強伸度の高い材質のものが好ましい。な
お、濾過膜として使用可能なものであれば、孔径、空孔
率、膜厚、外径等には特に制限はないが、除去対象物や
容積当たりの膜面積の確保および中空糸膜の強度等を考
えると、好ましい例としては、孔径0.01〜1μm、
空孔率20〜90%、膜厚5〜300μm、外径20〜
2000μmの範囲を挙げることができる。また、バク
テリアの除去を目的とする場合の孔径は0.2μm以下
であることが必須となり、有機物やウイルスの除去を目
的とする場合には分画分子量数万から数十万の限外濾過
膜を用いる場合もある。
【0018】中空糸膜の表面特性としては、表面に親水
基等を持ついわゆる恒久親水化膜であることが望まし
い。恒久親水化膜の製法としては、ポリビニルアルコー
ルのような親水性高分子で中空糸膜を製造する方法、ま
たは疎水性高分子膜の表面を親水化する方法等公知の方
法が使用できる。例えば親水性高分子を膜面に付与し疎
水性中空糸膜を親水化する際の親水性高分子の例として
は、エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物、ポリビ
ニルピロリドン等を挙げることができる。別の手法によ
る膜面親水化の例としては、親水性モノマーの膜面重合
方式があり、このモノマーの例としてはジアセトンアク
リルアマイド等を挙げることができる。また、他の手法
としては疎水性高分子(例えばポリオレフイン)に親水
性高分子をブレンドして紡糸製膜する手法を挙げること
ができ、使用する親水性高分子の例としては上述したも
のが挙げられる。表面が疎水性の中空糸膜であると、被
処理水中の有機物と中空糸膜表面との間に疎水性相互作
用が働き膜面ヘの有機物吸着が発生し、それが膜面閉塞
につながり濾過寿命が短くなる。また、吸着由来の目詰
まりは膜面洗浄による濾過性能回復も一般には難しい。
恒久親水化膜を用いることにより有機物と中空糸膜表面
との疎水性相互作用を減少させることができ、有機物の
吸着を抑えることができる。さらに疎水性膜ではスクラ
ビングの際に気泡によって膜面が乾燥状態となることが
あり、これにより疎水性が強まりフラックスの低下を招
くことがあるが、恒久親水化膜では乾燥してもフラック
スの低下が生じない。
基等を持ついわゆる恒久親水化膜であることが望まし
い。恒久親水化膜の製法としては、ポリビニルアルコー
ルのような親水性高分子で中空糸膜を製造する方法、ま
たは疎水性高分子膜の表面を親水化する方法等公知の方
法が使用できる。例えば親水性高分子を膜面に付与し疎
水性中空糸膜を親水化する際の親水性高分子の例として
は、エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物、ポリビ
ニルピロリドン等を挙げることができる。別の手法によ
る膜面親水化の例としては、親水性モノマーの膜面重合
方式があり、このモノマーの例としてはジアセトンアク
リルアマイド等を挙げることができる。また、他の手法
としては疎水性高分子(例えばポリオレフイン)に親水
性高分子をブレンドして紡糸製膜する手法を挙げること
ができ、使用する親水性高分子の例としては上述したも
のが挙げられる。表面が疎水性の中空糸膜であると、被
処理水中の有機物と中空糸膜表面との間に疎水性相互作
用が働き膜面ヘの有機物吸着が発生し、それが膜面閉塞
につながり濾過寿命が短くなる。また、吸着由来の目詰
まりは膜面洗浄による濾過性能回復も一般には難しい。
恒久親水化膜を用いることにより有機物と中空糸膜表面
との疎水性相互作用を減少させることができ、有機物の
吸着を抑えることができる。さらに疎水性膜ではスクラ
ビングの際に気泡によって膜面が乾燥状態となることが
あり、これにより疎水性が強まりフラックスの低下を招
くことがあるが、恒久親水化膜では乾燥してもフラック
スの低下が生じない。
【0019】中空糸膜4を、構造材2の細長いほぼ矩形
の開口部に中空糸膜をシート状に並べて収納して中空糸
膜モジュールを作製するには、中空糸膜を編織物とした
ものを使用すると作業性が良好であることが前述した特
開平5−220356号公報等に開示されている。この
中空糸膜の編織物としては、従来は主にその耳部に相当
する位置に拘束糸条(緯糸である中空糸膜に対して編物
または織物の経糸を指称する)が配され、編織物の中央
には殆ど拘束糸条がないかあっても極めて粗く配された
ものが使用されてきた。しかし、本発明で用いる中空糸
膜を含む編織物はその全面において拘束糸条を有するも
のである。これは、拘束糸条を用いて各中空糸膜相互間
の位置を固定して一本一本の中空糸膜の移動自由度を制
限し強制的にシート状態を維持させたほうが意外にも中
空糸膜間に濁質が堆積しにくいことが見い出されたこと
に基づくものである。
の開口部に中空糸膜をシート状に並べて収納して中空糸
膜モジュールを作製するには、中空糸膜を編織物とした
ものを使用すると作業性が良好であることが前述した特
開平5−220356号公報等に開示されている。この
中空糸膜の編織物としては、従来は主にその耳部に相当
する位置に拘束糸条(緯糸である中空糸膜に対して編物
または織物の経糸を指称する)が配され、編織物の中央
には殆ど拘束糸条がないかあっても極めて粗く配された
ものが使用されてきた。しかし、本発明で用いる中空糸
膜を含む編織物はその全面において拘束糸条を有するも
のである。これは、拘束糸条を用いて各中空糸膜相互間
の位置を固定して一本一本の中空糸膜の移動自由度を制
限し強制的にシート状態を維持させたほうが意外にも中
空糸膜間に濁質が堆積しにくいことが見い出されたこと
に基づくものである。
【0020】すなわち、本発明で用いる中空糸膜を含む
編織物は、編織物の全面において拘束糸条が互いに平行
に、ほぼ等間隔で密に配されてなるものである。より具
体的には、各拘束糸条は30mm以下の間隔、好ましく
は10mm以下の間隔で中空糸膜の編織物の全面に配さ
れている必要がある。
編織物は、編織物の全面において拘束糸条が互いに平行
に、ほぼ等間隔で密に配されてなるものである。より具
体的には、各拘束糸条は30mm以下の間隔、好ましく
は10mm以下の間隔で中空糸膜の編織物の全面に配さ
れている必要がある。
【0021】図2は、中空糸膜の編織物の部分拡大図で
あり、中空糸膜4が拘束糸条5によって鎖編み状に拘束
された状態を示している。図2においては、モデル的に
1本の中空糸膜4を鎖編み状に拘束した状態を示してい
るが、もちろん緯糸に何本かを集束した中空糸膜を用い
ても差し支えないし、拘束糸条は織物の経糸であっても
差支えない。拘束糸条5を構成する繊維としては、ポリ
エステル繊維等の耐水性を有する合成繊維製のマルチフ
ィラメント糸や紡績糸等が用いられる。なかでも、マル
チフィラメント糸は濁質が付着しにくいので好ましい。
あり、中空糸膜4が拘束糸条5によって鎖編み状に拘束
された状態を示している。図2においては、モデル的に
1本の中空糸膜4を鎖編み状に拘束した状態を示してい
るが、もちろん緯糸に何本かを集束した中空糸膜を用い
ても差し支えないし、拘束糸条は織物の経糸であっても
差支えない。拘束糸条5を構成する繊維としては、ポリ
エステル繊維等の耐水性を有する合成繊維製のマルチフ
ィラメント糸や紡績糸等が用いられる。なかでも、マル
チフィラメント糸は濁質が付着しにくいので好ましい。
【0022】拘束糸条を編織物の全面に密に配したこと
により、拘束糸条に濁質が付着し、そこに雑菌の繁殖が
生じやすくなることもあるので、それを防止する観点か
らは拘束糸条が抗菌性を有していることが好ましい。拘
束糸条に抗菌性を付与するには、拘束糸条を構成してい
る糸条の一部もしくは全部に抗菌性繊維を用いればよ
い。抗菌性繊維は、繊維製造時に抗菌剤を含有させる等
繊維自体が抗菌性を有したものでもよいし、製造された
合成繊維等に抗菌剤を塗布あるいは含浸させたものでも
よい。抗菌剤としては、銀を担持させた抗菌性ゼオライ
トや金属フタロシアニン化合物、第4級アンモニウム
塩、銅化合物等を挙げることができる。
により、拘束糸条に濁質が付着し、そこに雑菌の繁殖が
生じやすくなることもあるので、それを防止する観点か
らは拘束糸条が抗菌性を有していることが好ましい。拘
束糸条に抗菌性を付与するには、拘束糸条を構成してい
る糸条の一部もしくは全部に抗菌性繊維を用いればよ
い。抗菌性繊維は、繊維製造時に抗菌剤を含有させる等
繊維自体が抗菌性を有したものでもよいし、製造された
合成繊維等に抗菌剤を塗布あるいは含浸させたものでも
よい。抗菌剤としては、銀を担持させた抗菌性ゼオライ
トや金属フタロシアニン化合物、第4級アンモニウム
塩、銅化合物等を挙げることができる。
【0023】中空糸膜の編織物の製法としては、任意の
手法が用いられるが、例えば特公平4−26886号公
報や特開昭63−91673号公報に記載されている装
置や方法を用いると容易である。
手法が用いられるが、例えば特公平4−26886号公
報や特開昭63−91673号公報に記載されている装
置や方法を用いると容易である。
【0024】本発明の中空糸膜モジュールは、密閉容器
内に配設して被処理水を加圧して中空糸膜を透過させる
いわゆる加圧濾過法にも使用できるが、活性汚濁槽や沈
澱槽等に配設し、中空糸膜を透過した処理水を回収する
サイドを吸引する吸引濾過法で使用することが好まし
い。また、吸引濾過法を採用し、スクラビングによる膜
面洗浄と膜面と平行方向の水流を生じさせながらの濾過
を行うと本中空糸膜モジュールの有機物推積が生じにく
い性能がより効果的に発揮される。特に複数の中空糸膜
モジュールを各中空糸膜の編織物が平行になるように配
設し、この吸引濾過法を採用すると極めて効果的であ
る。更に、周期的に一時吸引を停止する、いわゆる間欠
吸引運転方法を採用することも有効である。
内に配設して被処理水を加圧して中空糸膜を透過させる
いわゆる加圧濾過法にも使用できるが、活性汚濁槽や沈
澱槽等に配設し、中空糸膜を透過した処理水を回収する
サイドを吸引する吸引濾過法で使用することが好まし
い。また、吸引濾過法を採用し、スクラビングによる膜
面洗浄と膜面と平行方向の水流を生じさせながらの濾過
を行うと本中空糸膜モジュールの有機物推積が生じにく
い性能がより効果的に発揮される。特に複数の中空糸膜
モジュールを各中空糸膜の編織物が平行になるように配
設し、この吸引濾過法を採用すると極めて効果的であ
る。更に、周期的に一時吸引を停止する、いわゆる間欠
吸引運転方法を採用することも有効である。
【0025】本発明の中空糸膜モジュールは、特に高汚
濁性水の濾過に適しており、具体的な利用分野として
は、河川水の濾過、工業用水濾過、下水の固液分離、排
水処理(例えば合併浄化槽での処理)等が挙げられる。
濁性水の濾過に適しており、具体的な利用分野として
は、河川水の濾過、工業用水濾過、下水の固液分離、排
水処理(例えば合併浄化槽での処理)等が挙げられる。
【0026】
【発明の効果】本発明の中空糸膜モジュールでは、多数
本の中空糸膜がシート状に並び拡げられているので、中
空糸膜間への有機物の堆積が生じにくく、中空糸膜の固
着一体化が防止される。特に拘束糸条が密に配され中空
糸膜相互間の位置も固定されたことにより、有機物の堆
積が極めて生じにくくなった。そのため、高汚濁性水の
濾過において長期に亙って差圧の上昇及び流量低下が防
止できる。
本の中空糸膜がシート状に並び拡げられているので、中
空糸膜間への有機物の堆積が生じにくく、中空糸膜の固
着一体化が防止される。特に拘束糸条が密に配され中空
糸膜相互間の位置も固定されたことにより、有機物の堆
積が極めて生じにくくなった。そのため、高汚濁性水の
濾過において長期に亙って差圧の上昇及び流量低下が防
止できる。
【0027】また、拘束糸条に抗菌性繊維を使用する
と、拘束糸条に濁質が付着してそこで雑菌が繁殖するの
を防止する効果も発揮され、中空糸膜モジュールの機能
低下がより生じにくくなる。
と、拘束糸条に濁質が付着してそこで雑菌が繁殖するの
を防止する効果も発揮され、中空糸膜モジュールの機能
低下がより生じにくくなる。
【図1】本発明の中空糸膜モジュールの一例を示す斜視
図である。
図である。
【図2】本発明に用いる中空糸膜の編織物の一例を示す
部分拡大図である。
部分拡大図である。
1 中空糸膜モジュール 2 構造材 3 固定部材 4 中空糸膜 5 拘束糸条 6 濾液取り出し口 w 拘束糸条の間隔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 真澄 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 (72)発明者 亘 謙治 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 中空糸膜と、中空糸膜の端部を開口状態
を保ちつつこれを固定する固定部材と、固定部材を支持
収納する構造材とを有してなり、固定部材の中空糸膜に
垂直な断面の形状が細長いほぼ矩形である中空糸膜モジ
ュールにおいて、該中空糸膜が中空糸膜を含む編織物か
らなり、該編織物はその全面において拘束糸条を有する
ものである中空糸膜モジュール。 - 【請求項2】 拘束糸条が抗菌性繊維を含むものである
請求項1記載の中空糸膜モジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7315594A JPH07275666A (ja) | 1994-04-12 | 1994-04-12 | 中空糸膜モジュール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7315594A JPH07275666A (ja) | 1994-04-12 | 1994-04-12 | 中空糸膜モジュール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07275666A true JPH07275666A (ja) | 1995-10-24 |
Family
ID=13510011
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7315594A Pending JPH07275666A (ja) | 1994-04-12 | 1994-04-12 | 中空糸膜モジュール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07275666A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007064123A1 (en) * | 2005-11-29 | 2007-06-07 | Kolon Industries, Inc | A braid-reinforced composite hollow fiber membrane |
WO2007064124A1 (en) * | 2005-11-29 | 2007-06-07 | Kolon Industries, Inc | A braid-reinforced composite hollow fiber membrane |
KR100842074B1 (ko) * | 2007-03-14 | 2008-06-30 | (주)세프라텍 | 중공사 내부 투입용 중공사막 |
KR100842067B1 (ko) * | 2007-03-14 | 2008-06-30 | (주)세프라텍 | 브레이드 강화 중공사막 |
JP2009183847A (ja) * | 2008-02-05 | 2009-08-20 | Panasonic Electric Works Co Ltd | 濾過装置 |
-
1994
- 1994-04-12 JP JP7315594A patent/JPH07275666A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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AU2006321466B2 (en) * | 2005-11-29 | 2009-11-12 | Kolon Industries, Inc. | A braid-reinforced composite hollow fiber membrane |
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US8147938B2 (en) | 2005-11-29 | 2012-04-03 | Kolon Industries, Inc. | Braid-reinforced composite hollow fiber membrane |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040225 |