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JPH07269477A - スクロール気体圧縮機 - Google Patents

スクロール気体圧縮機

Info

Publication number
JPH07269477A
JPH07269477A JP25650694A JP25650694A JPH07269477A JP H07269477 A JPH07269477 A JP H07269477A JP 25650694 A JP25650694 A JP 25650694A JP 25650694 A JP25650694 A JP 25650694A JP H07269477 A JPH07269477 A JP H07269477A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bearing
scroll
motor
drive shaft
bearing frame
Prior art date
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Granted
Application number
JP25650694A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2615527B2 (ja
Inventor
Katsuharu Fujio
勝晴 藤尾
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP6256506A priority Critical patent/JP2615527B2/ja
Publication of JPH07269477A publication Critical patent/JPH07269477A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2615527B2 publication Critical patent/JP2615527B2/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 駆動軸をモータの両側で支持し、両軸受への
給油を簡単な手段で行うことによって、圧縮機の小型化
を図る。 【構成】 圧縮部を下部に、モータ3を上部に配置して
密閉ケース1に収納した縦置形スクロール気体圧縮機に
おいて、モータ3の上部に本体フレーム5と共に駆動軸
4を支承する軸受フレームを配置し、密閉ケース1の上
端と軸受フレーム9との間の空間で圧縮気体から分離し
た潤滑油が、軸受フレーム9の上部軸受10の上部に収
集すべく軸受フレーム9の中央部をモータ3の側に凹設
させ、凹設底部と上部軸受10とを隣接させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スクロール気体圧縮機
の軸受給油に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スクロール圧縮機は、吸入室が外周部に
あり、吐出ポートが対称に配置された渦巻き形状の圧縮
室の中心部に設けられ、圧縮流体の流れが一方向で、往
復動圧縮機や回転式圧縮機よりも圧縮時の負荷変動がき
わめて小さいという圧縮原理から低振動・低騒音特性を
基本的に備えていることが一般に知られている。
【0003】また、固定スクロールと旋回スクロールの
両部材によって形成された圧縮室内で、流体が圧縮され
る際の圧縮圧力により、両部材を軸方向に引き離そうと
する力が生じ、圧縮室内の密封が不完全となり、圧縮流
体漏れが増大し、効率低下を招くので、旋回スクロール
の背面に圧縮流体圧力を付勢して軸方向押し付け力を与
え、両部材が離反するのを防ぐ構成も知られており、図
13、図14はその一例である。
【0004】同図は、駆動シャフト1007の先端部の
駆動ピン1007aに連結する旋回スクロール1001
の鏡板1001aが、固定スクロール1002の鏡板1
002aと、フレーム1008との間に微少隙間で支持
され、旋回スクロール1001の背面に、圧縮途中の中
間圧力などを導入し、旋回スクロール1001に背圧付
勢して上記の問題を解決すると共に、圧縮機の始動、停
止時、高速運転時など、圧縮負荷や回転部材の慣性力な
どが変化する際に、旋回スクロール1001が駆動シャ
フト1007の主軸に対して傾斜するのを少なくし、圧
縮室の隙間保持による圧縮室の密封を図り、圧縮効率を
高める工夫がなされている。また、旋回スクロール10
01が駆動シャフト1007の主軸に対して傾斜した
り、圧縮荷重や旋回スクロール1001の鏡板1001
aと固定スクロール1002の鏡板1002aとの間の
摺動抵抗が駆動シャフト1007の先端部の駆動ピン1
007aに作用して駆動シャフト1007に曲げモーメ
ントを与える。この曲げモーメントによって駆動シャフ
ト1007を支持する軸受に片当り現象が生じて軸受損
傷を招くのを阻止するために、駆動シャフト1007を
支持する軸受の間隔を長くする傾向にある(特開昭55
−142902号公報)。
【0005】また、例えば、軸受部片当り現象に対し
て、より一層改善された構成が特開昭62−12628
5号公報に開示されている。すなわち、密閉容器内の上
部にスクロール圧縮部を、下部にモータを収納し、底部
に軸受潤滑のための油溜を配置すると共に、モータと連
結する駆動軸を支持する軸受がモータの両側に配置され
た構成である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、モータの両側
に軸受を配置したこれらの構成は、モータと油溜のある
空間が吸入圧力に等しい低圧で、吐出圧力に等しい高圧
空間は圧縮部の上部に配置されており、圧縮室隙間の密
封と摺動面潤滑に供された潤滑油を吐出気体から分離さ
せるための広い高圧空間を必要とするので、圧縮機高さ
が高くなるという課題がある。
【0007】一方、圧縮機小型化と圧縮部への潤滑油供
給容易化のために、圧縮部とモータを配置した密閉容器
内を高圧空間とした構成が実開昭57−69991号公
報に開示されている。
【0008】この構成は、密閉容器の下部にスクロール
圧縮部を、上部にモータを配置し、モータに連結する駆
動軸を圧縮部側でのみ支持し、密閉容器の上端に吐出管
を接続しており、従来のロータリ圧縮機構成と同様であ
り、上述のスクロール圧縮機特有の軸受片当り現象を回
避出来ない課題が残る。
【0009】当然のことながら、モータの上部にも軸受
を配置する構成も考えられるが、その軸受部への給油方
法解決を必要とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明のスクロール気体圧縮機は、モータの上部に圧
縮部の本体フレームと共に駆動軸を支承する軸受フレー
ムを配置し、密閉ケースの上端と軸受フレームとの間の
空間で圧縮気体から分離した潤滑油が、軸受フレームの
上部軸受の上部に収集すべく軸受フレームの中央部をモ
ータの側に凹設させ、その凹設底部と上部軸受とを隣接
させたものである。
【0011】
【作用】本発明は上記構成によって、圧縮部からモータ
部に送られモータ冷却と油分離を終えた吐出気体は、密
閉ケース上端と軸受フレームとの間の空間に流入の後、
密閉ケースの内壁と衝突して再び潤滑油を分離される。
この潤滑油は軸受フレームの中央部の凹設部に収集・貯
溜され、駆動軸を支持する軸受に供給される。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例のスクロール冷媒圧縮
機について、図面を参照しながら説明する。
【0013】図1〜図12において、1は鉄製の密閉ケ
ースで、その内部は吐出室2に連通する高圧雰囲気とな
り、上部にモータ3、下部に圧縮部を配置し、モータ3
の回転子3aに固定された駆動軸4を支承する圧縮部の
本体フレーム5により、密閉ケース1の内部がモータ室
6と吐出室2とに仕切られている。
【0014】本体フレーム5は軽量化と軸受部の熱発散
を主目的とした熱伝導特性に優れたアルミニウム合金製
で、その外周部に、溶接性に優れた鉄製のライナー8が
焼ばめ固定され、ライナー8の外周面が密閉ケース1に
全周内接し部分的に溶接固定されている。
【0015】モータ3の固定子3bの両端外周部は、密
閉ケース1に内接固定された軸受フレーム9と本体フレ
ーム5によって支持固定されている。駆動軸4は軸受フ
レーム9に設けられた上部軸受10、本体フレーム5の
上端部に設けられた下部軸受11、本体フレーム5の中
央部に設けられた主軸受12、本体フレーム5の上端面
とモータ3の回転子3aの下部端面との間に設けられた
スラスト球軸受13とで支持され、その下端部には、駆
動軸4の主軸から偏心した偏心軸受14が設けられてい
る。
【0016】本体フレーム5の下端面にはアルミニウム
合金製の固定スクロール15が固定されている。固定ス
クロール15は渦巻き状の固定スクロールラップ15a
と鏡板15bとから成る。鏡板15bの中央部には、固
定スクロールラップ15aの巻始め部開口する吐出ポー
ト16が吐出室2にも開口して設けられ、固定スクロー
ルラップ15aの外周部には吸入室17が設けられてい
る。
【0017】固定スクロールラップ15aに噛み合って
圧縮室を形成する渦巻き状の旋回スクロールラップ18
aと、駆動軸4の偏心軸受14に支持された旋回軸18
bとを直立させたラップ支持円板18cとから成るアル
ミニウム合金製の旋回スクロール18は、固定スクロー
ル15と本体フレーム5と駆動軸4とに囲まれて配置さ
れており、旋回軸18bの外周部に、高張力鋼材料から
成るスリーブ94が焼ばめ固定され、ラップ支持円板1
8cの表面は硬化処理されている。
【0018】本体フレーム5に固定された割りピン形の
平行ピン19に拘束されて軸方向にのみ移動が可能なス
ラスト軸受20と、固定スクロール15の鏡板15bと
の間には、スペーサ21が設けられ、スペーサ21の軸
方向寸法は、油膜による摺動面のシール性向上のため
に、ラップ支持円板18cの厚さよりも約0.015〜
0.020mm大きく設定されている。
【0019】ラップ支持円板18cのスラスト軸受20
との摺動面の最外周部には、環状溝81が設けられ、そ
の内部に、焼結合金製の弾性を有する環状リング82が
微少隙間で装着され、その最大軸方向隙間は0.025
mm以上で、油膜形成が可能な程度である。また、環状
リング82は、図4のように自由状態で、その円周方向
に対して傾斜して切断された切り口を有して開いてお
り、その切り口は、環状リング82が環状溝81に装着
された時、環状リング82の外側面が、その弾性力で環
状溝81の外側面に密接して微少隙間を有する程度に設
定されている。また、環状溝81の幅と環状リング82
の幅とは、全周囲に渡って同一寸法でなく、環状リング
82が環状溝81内で一回転できない状態に構成されて
いる。
【0020】駆動軸4の偏心軸受14の底部と旋回スク
ロール18の旋回軸18bの軸部との間の偏心軸受空間
36と、ラップ支持円板18cの外周部空間37とは、
旋回軸18bとラップ支持円板18cに設けられた油穴
A38aにより連通されている。
【0021】スラスト軸受20は焼結合金製で、図2、
図6のように、その中央部が2つの平行な直線部分と、
それに連なる2つの円弧状曲線部分23から成る形状に
貫通成形されている。
【0022】旋回スクロール18の自転阻止部材(以
下、オルダムリングという)24は、焼結成形や射出成
形工法などに適した軽合金や強化繊維複合樹脂材料から
成り、含油特性も有し、図5のように両面が平行な薄い
環状板24aと、その一面に設けられた一対の平行キー
部分24bとから成り、環状板24aの外輪郭は、2つ
の平行な直線部分25と、それに連なる2つの円弧状曲
線部分26から成り、直線部分25が図6のように、ス
ラスト軸受20の直線部分22に微少隙間で係合し、摺
動可能であり、平行キー部分24bの側面24cは、直
線部分25の中央部で直交し、図1、図2のように旋回
スクロール18のラップ支持円板18cに設けられた一
対のキー溝71に微少隙間で係合し、摺動可能な形状に
設定されている。
【0023】なお、環状板24aの内輪郭は、外輪郭に
類似した形状である。また、平行キー部分24bの付け
根に設けられたヘコミ部分24dは、潤滑油の通路にも
成る。また、円弧状曲線部分に設けられたヘコミ部24
0eも同様な潤滑油の通路である。
【0024】図1、図3のように、本体フレーム5とス
ラスト軸受20との間は、約0.1mmのレリース隙間
27が設けられ、そのレリース隙間27に対向して本体
フレーム5にも環状溝28が設けられ、環状溝28を囲
んだゴム製のシールリング70が、本体フレーム5とス
ラスト軸受20との間に装着されている。
【0025】モータ室6の上部と吐出室2とは、密閉ケ
ース1の側壁を貫通して接続されたバイパス吐出管29
を介して連通し、バイパス吐出管29のモータ室6への
開口位置は、固定子3bの上部コイルエンド30の側面
に対向し、バイパス管29の上部開口端と密閉ケース1
の上端に接続された吐出管31とは、軸受フレーム9に
設けられた抜き穴32、密閉ケース1の上面と軸受フレ
ーム9との間に配置され、多数の小穴を有するパンチン
グメタル33を介して連通している。
【0026】モータ室6の下部に設けられた吐出室油溜
34は、モータ室6の上部とモータ3の固定子3bの外
周の一部にカットして設けた冷却通路35により連通さ
れている。また、吐出室油溜34は、本体フレーム5に
設けられた油穴B38bを経由して環状溝28に通じる
と共に、オルダムリング24が配置された旋回スクロー
ル18の背圧室39にも主軸受12の摺動部微少隙間を
介して通じ、更に偏心軸受14に設けられた油溝A40
aを介して偏心軸受空間36へも連通している。
【0027】また、本体フレーム5に設けられた油穴B
38bは、駆動軸4の下部軸受11に対応する下部軸部
4aの表面に設けられた螺旋状油溝41にも通じてお
り、螺旋状油溝41の巻き方向は、駆動軸4が正回転す
る時に潤滑油の粘性を利用したネジポンプ作用の生じる
ように設けられ、その終端は下部軸受4aの途中まで形
成されている。
【0028】図7、図8のように、固定スクロール15
は、吸入室17の両端を連通する円弧状の吸入通路42
が設けられ、それに直交する円形の吸入穴43が、固定
スクロールラップ15aの側面に対しても直角方向に設
けられ、吸入穴43の底部は平面で、吸入通路42の側
面にまで到達している。
【0029】また、図9のように、吸入穴43の中心は
吸入通路42の底面44とずれており、吸入通路42へ
の開口部寸法W45は、吸入穴43の直径寸法より小さ
く設けられている。また、吸入穴43には、アキュウム
レータ46の吸入管47が接続されており、吸入穴43
の底面44と吸入管端面48との間には、吸入管47の
内径寸法および吸入管端面48と底面44との間の吸入
穴深さ寸法L499Lも大きく、且つ開口寸法W45よ
りも大きい円形薄鋼板の逆止弁50が配置されている。
【0030】逆止弁50の表面は油濡れ特性が悪く、弾
力性に富んだテフロンまたはゴムなどがコーティングさ
れている。
【0031】吸入室17にも吐出室2にも連通しない第
2圧縮室51と外周部空間とは、第2圧縮室51に開口
して鏡板15bに設けられた細径のインジェクション穴
52、鏡板15bと樹脂製の断熱カバー53とで形成さ
れたインジェクション溝54、外周部空間37に開口し
た段付き形状の油穴C38cとから成るインジェクショ
ン通路55で連通され、油穴C38cの大径部56に
は、図10に示すような外周の一部に切欠き57を有す
る薄鋼板製の逆止弁58と、コイルスプリング59とが
配置されている。
【0032】コイルスプリング59は、断熱カバー53
に押さえられて逆止弁58を常時付勢する。外周部空間
37への油穴C38cの開口位置は、図11、図12に
示す如く、吐出ポート16に連通する第3圧縮室60の
容積減少行程が終了する近傍にまで、旋回スクロール1
8が移動した(図11参照)時に、外周部空間37と油
穴C38cとが連通し、それ以外の時(図12参照)に
はラップ支持円板18cによって遮断される位置に設け
られている。
【0033】以上のように構成されたスクロール冷媒圧
縮機について、その動作を説明する。
【0034】図1〜図12において、モータ3によって
駆動軸4が回転駆動すると、旋回スクロール18が旋回
運動をし、圧縮機に接続した冷凍サイクルから潤滑油を
含んだ吸入冷媒ガスが、アキュームレータ46に接続し
た吸入管47、吸入穴43、吸入通路42を順次経て吸
入室17に流入し、旋回スクロール18と固定スクロー
ル15との間に形成された第1圧縮室61a,61bを
経て圧縮室内に閉じ込められ、常時密閉空間となる第2
圧縮室51a,51b、第3圧縮室60a,60bへと
順次移送圧縮され、中央部の吐出ポート16を経て吐出
室2へと排出される。
【0035】潤滑油を含んだ吐出冷媒ガスは、圧縮機外
部へ配管されたバイパス吐出管29を経て再び圧縮機内
のモータ室6に帰還した後、外部の冷凍サイクルへ吐出
管31から排出されるが、モータ室6に流入する際に、
モータ3の上部コイルエンド30の側面に衝突してモー
タ巻き線の表面に付着する。これにより、潤滑油の一部
が分離され、その後、軸受フレーム9に設けられた抜き
穴32を通過する際に、流れ方向を変えたり、パンチン
グメタル33の小穴を通る際に、潤滑油の慣性力や表面
付着により潤滑油が効果的に分離される。この潤滑油の
一部は軸受フレーム9の中央部のへこみ部に収集・貯溜
され、上部軸受10に供給された後、残りの潤滑油と共
に冷却通路35を通り、モータ3を冷却しながら吐出室
油溜34に収集される。
【0036】旋回スクロール18の旋回軸18bから曲
げモーメントを受けて上部軸受10と主軸受12の摺動
面内で傾斜しようとする駆動軸4は、摺動面で発生する
油膜に支持される。
【0037】一方、吐出室油溜34の潤滑油は、駆動軸
4の下部軸部4aの表面に設けられた螺旋状油溝41の
粘性ポンプ作用により、スラスト球軸受13へ給油さ
れ、下部軸部4aの端部の微少軸受隙間を潤滑油が通過
する際に、その油膜シール作用により、モータ室6の吐
出冷媒ガス雰囲気と主軸受12の上流側空間とが遮断さ
れる。
【0038】吐出室油溜34の溶解冷媒ガスを含んだ潤
滑油は、主軸受12の微少隙間を通過する際に、吐出圧
力と吸入圧力との中間圧力に減圧され、背圧室39に流
入する。その後、偏心軸受14の油溝A40a、偏心軸
受空間36、旋回スクロール18を通る油穴A38を経
て漸次減圧されながら外周部空間37に流入し、更に間
欠的に開口する油穴C38c、インジェクション溝5
4、インジェクション穴52a、52bを経て第2圧縮
室51a,51bに流入し、その通路途中の各摺動面を
潤滑する。
【0039】第2圧縮室51a,51bにインジェクシ
ョンされた潤滑油は、圧縮機外部の冷凍サイクルから吸
入冷媒ガスと共に圧縮室に流入した潤滑油と合流し、隣
接する圧縮室間の微少隙間を油膜により密封して圧縮冷
媒ガス漏れを防ぎ、圧縮室間の摺動面を潤滑しながら圧
縮冷媒ガスと共に吐出室2に再び排出される。
【0040】また、吐出室油溜34は、環状溝28やレ
リース隙間27とも通じているので、スラスト軸受20
はその背圧力により、付勢されてスペーサ21に当接す
る。そして、旋回スクロール18のラップ支持円板18
cは、スラスト軸受20と固定スクロール15の鏡板1
5bとの間で微少隙間を保持されて円滑に摺動すると共
に、固定スクロールラップ15aの端面とラップ支持円
板18cとの間、旋回スクロールラップ18aの端面と
鏡板15bとの間の隙間も微少に保持され、隣接する圧
縮室間の冷媒漏れを少なくする。
【0041】なお、旋回スクロール18に追従して旋回
運動をする弾性体の環状リング82が、ラップ支持円板
18cと接するスラスト軸受20の摺動面の潤滑油を油
掻きして環状溝81の周辺に収集し、環状溝81と環状
リング82との間の隙間および環状リング82とスラス
ト軸受20との間の隙間を油密封する。その結果、背圧
室39に潤滑油が常に充満しており、主軸受12,旋回
軸受14の摺動面も潤滑油で充満し、軸受隙間内での駆
動軸4の傾斜が阻止され、上部軸受10内での駆動軸4
の円滑な摺動を補助する。
【0042】以上のように上記実施例によれば、スクロ
ール圧縮機構を密閉ケース1の下部に、駆動軸4に連結
するモータ3をその上部に配置して密閉ケース1に吐出
管31を接続し、吐出ポート16から排出した圧縮冷媒
が吐出室2とバイパス吐出管29を経てモータ3のコイ
ルエンド30を冷却した後に吐出管31から密閉容器1
の外部に排出する吐出冷媒通路を設けた構成において、
モータ3の上部に本体フレーム5と共に駆動軸4を支承
する軸受フレーム9を配置し、密閉ケース1の上端と軸
受フレーム9との間の空間で冷媒から分離した潤滑油
が、軸受フレーム9の上部軸受10の上部に収集すべく
軸受フレーム9の中央部をモータ3の側に凹設させ、そ
の凹設底部と上部軸受10とを隣接させたことにより、
密閉ケース1の上端と軸受フレーム9との間の空間で冷
媒から分離した潤滑油を軸受フレーム9の中央凹設部に
収集・貯溜し、駆動軸4を支持する上部軸受10への給
油が容易にできる。その結果、旋回スクロールから曲げ
モーメントを受けて上部軸受10と本体フレーム5の主
軸受12の摺動面内で傾斜しようとする駆動軸4が、摺
動面で発生する油膜に支持されて軸受片当りを生じるこ
となく円滑に回転し、本来のスクロール圧縮機の低振動
・低騒音特性を発揮させることができる。また、軸受摺
動部の入力低減と耐久性向上も図ることができる。
【0043】更に、軸受フレーム9を配置することによ
って、モータ3の回転子3aの回転に伴って生じる冷媒
気流の拡散が密閉ケース1の上部空間に伝播しないの
で、密閉ケース1の上端壁と軸受フレーム9との間での
油分離効率も向上し、圧縮機外部への油吐出量が低減で
きる。
【0044】また、密閉ケース1内が高圧空間のため
に、圧縮冷媒ガスから潤滑油を分離させるための特別な
空間を必要とせず、小型化が可能な縦置形スクロール冷
媒圧縮機を実現することができる。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明は、駆動軸を支承す
る本体フレームと旋回スクロールとの間に、旋回スクロ
ールの自転阻止部材を係合させて旋回スクロールを旋回
運動させるスクロール圧縮機構を形成し、スクロール圧
縮機構を密閉ケースの下部に、駆動軸に連結するモータ
をその上部に配置して密閉ケースに吐出管を接続し、吐
出ポートから排出した圧縮気体がモータを冷却した後に
吐出管から密閉ケースの外部に排出する気体通路を設け
た構成において、モータの上部に本体フレームと共に駆
動軸を支承する軸受フレームを配置し、密閉ケースの上
端と軸受フレームとの間の空間で圧縮気体から分離した
潤滑油が、軸受フレームの上部軸受の上部に収集すべく
軸受フレームの中央部をモータの側に凹設させ、凹設底
部と上部軸受とを隣接させたことにより、密閉のケース
の上端と軸受フレームとの間の空間で圧縮気体から分離
した潤滑油を軸受フレームの中央凹設部に収集・貯溜
し、駆動軸を支持する上部軸受への給油が容易にでき
る。その結果、旋回スクロールから曲げモーメントを受
けて上部軸受と本体フレームの軸受部の摺動面内で傾斜
しようとする駆動軸が、摺動面で発生する油膜に支持さ
れて軸受片当りを生じることなく円滑に回転し、本来の
スクロール圧縮機の低振動・低騒音特性を発揮させるこ
とができる。また、軸受摺動部の入力低減と耐久性向上
も図ることができる。
【0046】更に、軸受フレームを配置することによっ
て、モータの回転子の回転に伴って生じる圧縮気流の拡
散が密閉ケースの上部空間に伝播しないので、密閉ケー
スの上端壁と軸受フレームとの間での油分離効率も向上
し、圧縮機外部への油吐出量が低減できる。
【0047】また、密閉ケース内が高圧空間のために、
吐出気体から潤滑油を分離させるための特別な空間を必
要とせず、小型化が可能な縦置形スクロール気体圧縮機
を実現することができるなど、数多くの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるスクロール冷媒圧縮
機の縦断面図
【図2】同圧縮機における主要部品の分解図
【図3】同圧縮機におけるシールリング部とスラスト軸
受部の部分断面図
【図4】同圧縮機におけるシールリングの外観図
【図5】同圧縮機におけるオルダムリングの外観図
【図6】同圧縮機におけるオルダム機構部の組立外観図
【図7】図1におけるA−A線に沿った横断面図
【図8】同圧縮機の吸入管接続部における逆止弁の位置
説明図
【図9】図8におけるB−B線に沿った部分断面図
【図10】同圧縮機の給油通路に用いる逆止弁の外観図
【図11】同圧縮機の吐出ポート付近における圧縮室の
移動説明図
【図12】同圧縮機の吐出ポート付近における圧縮室の
移動説明図
【図13】従来のスクロール圧縮機の縦断面図
【図14】図3の部分拡大図
【符号の説明】
1 密閉ケース 2 吐出室 3 モータ 3a 回転子 4 駆動軸 5 本体フレーム 9 上部フレーム 10 上部軸受 12 主軸受 16 吐出ポート 18 旋回スクロール 29 バイパス吐出管 30 コイルエンド 31 吐出管

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定スクロールの一部をなす鏡板の一面
    に形成された渦巻き状の固定スクロールラップに対し
    て、旋回スクロールの一部をなすラップ支持円板上の旋
    回スクロールラップを搖動回転自在に噛み合わせ、両ス
    クロール間に渦巻き形の圧縮空間を形成し、前記固定ス
    クロールラップ、または前記旋回スクロールラップの中
    心部には吐出ポートを設け、前記固定スクロールラップ
    の外側には吸入室を設け、前記圧縮空間は、吸入側より
    吐出側に向けて連続移行する複数個の圧縮室に区画され
    て流体を圧縮すべく、駆動軸を支承する本体フレームと
    前記旋回スクロールとの間に、前記旋回スクロールの自
    転阻止部材を係合させて前記旋回スクロールを旋回運動
    させるスクロール圧縮機構を形成し、前記スクロール圧
    縮機構を密閉ケースの下部に、前記駆動軸に連結するモ
    ータをその上部に配置して前記密閉ケースに吐出管を接
    続し、前記吐出ポートから排出した圧縮気体が前記モー
    タを冷却した後に前記吐出管から前記密閉ケースの外部
    に排出する気体通路を設けた構成において、前記モータ
    の上部に前記本体フレームと共に前記駆動軸を支承する
    軸受フレームを配置し、前記密閉ケースの上端と前記軸
    受フレームとの間の空間で圧縮気体から分離した潤滑油
    が、前記軸受フレームの上部軸受の上部に収集すべく前
    記軸受フレームの中央部を前記モータの側に凹設させ、
    前記凹設底部と前記上部軸受とを隣接させたスクロール
    気体圧縮機。
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