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JPH07266373A - 熱可塑性エラストマー成形品 - Google Patents

熱可塑性エラストマー成形品

Info

Publication number
JPH07266373A
JPH07266373A JP5746494A JP5746494A JPH07266373A JP H07266373 A JPH07266373 A JP H07266373A JP 5746494 A JP5746494 A JP 5746494A JP 5746494 A JP5746494 A JP 5746494A JP H07266373 A JPH07266373 A JP H07266373A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
thermoplastic
synthetic resin
mold
resin sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5746494A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsumi Yoshida
勝美 吉田
Toshiaki Izumida
敏明 泉田
Hisashi Tawara
久志 田原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority to JP5746494A priority Critical patent/JPH07266373A/ja
Publication of JPH07266373A publication Critical patent/JPH07266373A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ゴム状の軟質樹脂である熱可塑性
エラストマーを成形材料として使用し、通常の射出成形
により表面硬度(耐擦傷性)および耐候性を有する熱可
塑性エラストマー成形品及びその成形法を提供すること
にある。 【構成】 射出成形機を使用して成形される熱可塑性エ
ラストマー成形品であって、熱可塑性合成樹脂シートも
しくはフィルムを少なくとも1つの金型内表面に接する
ように配置し、次いで、成形材料として溶融熱可塑性ポ
リウレタンエラストマーを金型内へ射出して得られる積
層一体化された熱可塑性エラストマー成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性エラストマー合
成樹脂成形品、特に優れた表面硬度を有する軟質樹脂成
形品およびその成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、熱可塑性エラストマー成形品が自
動車部品、建材部品、精密機器部品、雑貨等の分野で使
用されている。しかし熱可塑性エラストマーの大半は、
耐候性に劣るため屋外用途には使用できず、また表面硬
度が無く耐擦傷性に劣るという欠点があるため、その使
用範囲に制限があった。
【0003】成形品の耐擦傷性を改善する方法として、
成形品の表面をハードコーティング剤で塗装しその表面
硬度を向上させる方法がある。ハードコーティング剤の
一例としては、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、アミ
ノ樹脂系、ポリシロキサン系、等のハードコート剤があ
る。これらハードコート剤組成物は、適当な溶剤に溶解
されて、成形品にスプレー塗装や浸漬塗装などの手段に
よって数ミクロンから数十ミクロンの膜厚のハードコー
ト膜として塗装される。次いで、このハードコート膜
は、加熱または紫外線照射等の手段により硬化され、表
面硬度を有する硬化皮膜となる。このように、通常合成
樹脂成形品への表面硬度付与は二次加工法により行なわ
れている。
【0004】これら二次加工法による生産は目的とする
成形品の表面硬度を向上することができるが、工業生産
という観点からは以下のような問題があり、必ずしも好
ましいものではない。 (1)射出成形により形成された成形品には、分子配向
や残留応力があり、成形品に塗装する際に、塗料溶剤の
影響により成形品へのクラックやクレージングを発生さ
せ、製品不良となる。 (2)熱処理による皮膜の硬化を行なうと、同じく成形
品の分子配向や残留応力の影響により、成形品が変形す
るなど寸法変化をおこす問題がある。 (3)プラスチック材料は帯電性が大きいため、塗装工
程ではゴミ、埃等の静電付着による汚染を完全に避ける
ことはできず、成形品へのハードコート剤の塗装が不完
全となり外観不良を引き起こす。そのために、成形品表
面に付着したゴミ、埃等を取り除くための成形品洗浄工
程が必要になり生産性が著しく悪くなる。
【0005】(4)形状の複雑な成形品に、スプレー塗
装や浸漬塗装を行なった場合には、塗料液のダレや塗料
液の溜りが発生し外観不良をおこしやすく、成形品形状
に制約がある。 (5)成形品の片面のみに浸漬塗装する場合は、非塗装
部分に塗料が付着しないように、非塗装部をマスキング
して塗装を実施しなければならない。また、非塗装部が
複雑な形状をしている場合は、マスキング処理が困難に
なる等の問題がある。以上のような問題が合成樹脂製品
の塗装工程における致命的な障害となっていた。更に、
ゴム状弾性体である軟質熱可塑性エラストマー成形品へ
の表面硬化処理は困難であった。ゴム状弾性体表面に硬
化皮膜を形成させると、実使用時に成形品がわずかに変
形しただけで、硬化皮膜が割れるからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、表面硬度
(耐擦傷性)および耐候性を必要とする場合、ゴム状の
軟質樹脂である熱可塑性エラストマーを成形剤として使
用して、通常の成形工程のみで表面硬度(耐擦傷性)お
よび耐候性を有する熱可塑性エラストマー成形品及びそ
の成形法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、表面硬度
(耐擦傷性)および耐候性を必要とする軟質熱可塑性エ
ラストマー成形品の成形方法について鋭意研究を重ねた
結果、金型表面に熱可塑性剛性樹脂シート、更にはハー
ドコート層付き合成樹脂シートを配設した後成形材料を
射出することにより、上記課題を解決できることを見出
し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、射出成
形機を使用して成形される熱可塑性エラストマー成形品
であって、熱可塑性合成樹脂シートもしくはフィルムを
金型内の少なくとも1つの表面に接するように配設し、
次いで、成形材料として溶融熱可塑性ポリウレタンエラ
ストマーを金型内へ射出して得られる積層一体化された
熱可塑性エラストマー成形品、及び射出成形機を使用し
て成形される熱可塑性エラストマーの成形方法であっ
て、熱可塑性合成樹脂シートもしくはフィルムを金型内
の少なくとも1つの表面に接するように配設し、次い
で、成形材料として熱可塑性ポリウレタンエラストマー
を金型内へ射出して得られる表面硬度に優れた熱可塑性
エラストマーの成形方法に関する発明である。以下、本
発明について説明する。
【0008】本発明で使用する熱可塑性合成樹脂シート
もしくはフィルム(以下、単にシートということがあ
る)として、ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート
樹脂−ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物、ポリメ
チルメタクリレート(PMMA)、アクリロニトリルー
スチレン共重合体(AS樹脂)、ポリスチレン等の熱可
塑性樹脂性シートが使用できるが、耐衝撃性に優れた芳
香族ポリカーボネート(以下、PCということがある)
を使用するのが望ましい。PCとしては、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−プロ
パンで例示される二価のフェノール系化合物の一種以上
とホスゲンで例示されるカーボネート前駆体とから公知
の方法によって得られる重合体が例示できる。シート厚
みとしては、特に0.1mm〜2.0mmのシートを選
択すると製品表面外観、成形性が向上する。0.1mm
未満のシートを使用した場合、最終充填部のシート表面
に皺の発生する場合があり、また、2.0mmを超える
とシートの適宜形状への加工が困難となる場合がある。
【0009】本発明で使用する熱可塑性エラストマー
は、常温下でもゴム状の柔軟性を有する熱可塑性ポリウ
レタンエラストマーであって、ポリエステル系、ポリエ
ーテル系に分類できる。ポリエステル系としては、アジ
ペート系(エチレンアジペート系、ブチレンアジペート
系、ヘキサンアジペート系)、カプロラクトン系、ポリ
炭酸エステル系に分類され、これらの熱可塑性ポリウレ
タンエラストマーが本発明に用いることができる。
【0010】また熱可塑性ポリウレタンエラストマーの
製造方法としては、ポリイソシアネートとポリオールお
よび鎖延長剤を用い、通常使用されるワンショット法ま
たはプレポリマー法によって合成される。使用するポリ
イソシアネートとして、芳香族および脂環式ジイソシア
ネートから得られるもの、具体的には4,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルエンジイ
ソシアネート(TDI)、イソホロンジイソシアネート
(IPDI)、メチレンビス−(4−シクロヘキシル)
ジイソシアネート(HMDI)、および1,4−ジイソ
シアネートベンゼン(PPDI)が例示できる。ポリオ
ールとして、具体的にはカプラクトン系ポリオール、ア
ジペート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポ
リカーボネート系ポリオールであり、詳しくはポリラク
トン、ポリカプラクトンポリオール、ポリ(エチレンア
ジペート)ポリオール、ポリ(エチレンスクシネート)
ポリオール、ポリ(ブチレンアジペート)ポリオール、
ポリ(エチレンセバセート)ポリオール、ポリ(ジエチ
レンエーテルアジペート)ポリオールが例示できる。ま
た、本発明で用いる熱可塑性ポリウレタンのポリオール
は数平均分子量が1000から2000の範囲で選択さ
れるものが望ましい。
【0011】上記製造法によって合成された熱可塑性ポ
リウレタンエラストマーは、JISK7311 A形の
方法に基づいて得られたショアA硬度が、60から90
の範囲、JIS K7311 D形の方法に基づいて得
られたシェアD硬度が、50から74のものを得ること
ができ、使用状況によって硬度が適時選択される。
【0012】本発明では、成形材料である熱可塑性ポリ
ウレタンエラストマーと熱可塑性合成樹脂シートとの接
着性能が必要であるが、上記に記載の熱可塑性ポリウレ
タンエラストマーを使用することで、特別な接着剤層を
使用することなく、容易に熱可塑性ポリウレタンエラス
トマーと熱可塑性合成樹脂シートとして使用するPCシ
ート等の接着は可能であり、熱可塑性ポリウレタンエラ
ストマーの組成は特には限定されない。熱可塑性合成樹
脂シートに赤外線吸収性能、紫外線吸収性能を有す添加
剤等を混合し、耐候性を向上させた場合でも、材料とシ
ートとの接着強度は90度剥離強度で5kg/cm以上
の接着強度がある。
【0013】ハードコート層付き熱可塑性合成樹脂シー
トは以下のようにして得られる。本発明の熱可塑性合成
樹脂シートは押出成形法等により所定厚に成形される。
この押出法は、通常、押出機と直角に置かれたダイより
加熱溶融された熱可塑性合成樹脂が押出され、ポリッシ
ングロールで光沢を与えながら、冷却されてトリミング
を行って所定寸法に切断し、製品とされる。このように
して分子配向あるいは残留応力のできるだけ少ない熱可
塑性合成樹脂シートが用意される。
【0014】ついで、この熱可塑性合成樹脂シートに水
洗あるいは清浄化等の表面処理が施される。そして、そ
の片面に必要に応じてプリコート液でプリコート処理さ
れた後、ハードコート剤塗料が所定厚に塗布される。つ
いで、この塗布ハードコート剤は紫外線あるいは赤外線
炉で充分に硬化処理されて、ハードコート膜が形成され
た、表面硬度および耐候性に優れる熱可塑性合成樹脂シ
ートとなる。該ハードコート処理面は金型キャビティ内
で、金型表面に接する様に配設するのが望ましい。
【0015】上記ハードコート剤としは、エポキシ樹脂
系、アクリル樹脂系、アミノ樹脂系、ポリシロキサン
系、等が例示できる。
【0016】上記ハードコート剤塗布の前工程であるプ
リコート処理は、例えばγ−アミノプロピルメトキシシ
ラン、アルコールおよび水を含有するプリコート液や熱
硬化型アクリル変性樹脂溶液のプリコート液が用いられ
る。上記ハードコート膜形成熱可塑性合成樹脂シート
は、所望合成樹脂成形品の外面形状片に打ち抜かれる。
この打ち抜き片は、公知の打ち抜き装置により得られ
る。
【0017】熱可塑性合成樹脂シートの装着方法として
プレス機械で金型キャビティ形状に打ち抜いて得られた
シートのゲートやタブ部に予め穴空けしておき、金型に
設けたピンに固定したり、シートタブ部に鉄片を貼付
け、同位置の金型部に磁石を埋め込んで装着する公知の
方法で装着するか、または金型キャビティ形状に予め真
空成形等で賦形したシートを装着する等の方法により装
着して成形を行う。
【0018】図1において、本発明の製造方法の1例を
以下に詳細に説明するが、本発明は下記の成形方法に限
定されるものではない。尚、図1及び2において使用し
た符号は以下の通りである。 1:金型 2:移動側金型 3:固定側金型 4:キャビティ部 5:キャビティ表面 6:打ち抜き片 7:溶融樹脂 8:射出成形手段 9:ハードコート膜形成面 10:ハードコート膜
非形成面 11:スプルー 12:流動溶融層 13:固化スキン層 14:固化スキン層 15:成形品
【0019】所望の成形品を形成するための射出成形機
に取付けられた図1に示すような金型1の移動側金型2
を開き、キャビティ部4に上記PC打ち抜き片6を装着
する。この打ち抜き片6は、そのハードコート膜形成面
9が最終製品としての合成樹脂成形品の最外面に位置す
るように、成形品外面となるキャビティ表面側5上に配
置される。配置された打ち抜き片6は、公知の方法によ
り所定キャビティ面上に保持されつつ移動側金型2が閉
じられる。次いで、この打ち抜き片6のハードコート膜
形成面9が最終成形品の外面となりハードコート膜非形
成面10が内面となる様に、このキャビティ部4へ溶融
樹脂である熱可塑性ポリウレタンエラストマー(以下、
TPUということがある)7が射出成形機ノズルなどの
射出成形手段8から高圧射出される。
【0020】高圧射出されたTPU7はスプルー11を
通ってキャビティ部4に注入される。キャビティ部4に
入った溶融樹脂7は、キャビティ面に直接もしくは打ち
抜き片6を介してキャビティ面に間接的に接触するや否
や冷やされ瞬時に固化層スキン13,14を形成する。
冷却されていない流動溶融層12は、すでに形成された
固化層13,14の内側を射出圧により既成の固化層よ
りさらに前方へ流動していく。前方へ流動した流動溶融
層12、すなわち溶融TPUも、同様にキャビティ面に
直接もしくは打ち抜き片6を介してキャビティ面に間接
的に接触するや否や冷やされて固化層を新たに形成して
いく。
【0021】キャビティ部4へ注入された溶融樹脂7
は、キャビティ面もしくは打ち抜き片との接触面に固化
スキン層13,14を形成しつつ注入される。その結
果、打ち抜き片6のPCシートは、キャビティ部4内で
溶融樹脂TPUにより当初の装着位置からずれることな
くキャビティ面に沿って瞬時に賦形される。
【0022】一方、PCシートの打ち抜き片6のハード
コート膜非形成面10は、その界面10がTPU7の熱
により溶融される。溶融TPU7とPCシート打ち抜き
片6の膜非形成面10とは、PCとTPUであるため、
両者はその界面10を介して接着する。それゆえ、PC
シート打ち抜き片と溶融TPUとが界面10において完
全に一体化する。
【0023】次いで、冷却後合成樹脂成形品が金型1か
ら取り出される。その成形品は所望部分が完全にハード
コート膜によりカバーされた製品であるから、それ以上
の後工程をも必要とされない。上記PCシートの打ち抜
き片が、最終成形品の最外面と最内面との両面に位置す
るようにこの打ち抜き片を金型キャビティ部に配置する
こともできる。この場合には、最終成形品の外面と内面
との両面がハードコート膜でカバーされることになる。
なお、成形品を成形する成形装置としては、公知の射出
成形機と金型とが準備されるだけでよく、何ら特殊な付
帯設備を必要としない。
【0024】また、PCシートに予め着色剤もしくは紫
外線吸収剤等の添加剤を混入させておくことにより、溶
融樹脂材料にこのような添加剤を混入させることなく合
成樹脂成形品に所望色の着色性能を持たせたり紫外線吸
収性能を持たせることができる。着色剤として使用され
る染料、顔料としては、無機顔料としてチタンホワイ
ト、ベンガラ、ストロネルグリーン等、有機顔料として
キナクリドン系、ペリレン系、アンスラキノン系、カー
ボンブラック、染料としては、ペリレン系、ペリノン
系、アンスラキノン系、および複素環系が例示される。
また、PCシートのハードコート膜面とは反対側の面に
予め所望の文字または符号を印刷しておくと、この文字
または符号は成形品の外面に位置しないため永久に消え
ることがない。
【0025】使用するシートの片側表面には、耐候性、
帯電防止性、防曇性の少なくとも一種以上の性能を付与
することができるが、これらの機能の付与は例えば、特
開昭60−250927号公報、特開昭60−2535
18号公報 特開昭60−523516号公報、および
特開昭60−253518号公報等に記載されているよ
うに耐候性、帯電防止性、防曇性に優れた皮膜を片面に
施したPCシートを金型に装着し、次いで、金型内に成
形材料を射出することによって行うことができる。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。実施例において、各物性値は以下のようにして測定
した。 (1)テーバー摩耗試験(ASTM D1044−5
6)は、摩耗輪CS−10F、500g荷重下、100
サイクル実施した。試験後に曇価の測定を実施した。 (2)スチールウール摩耗試験は、#0000スチール
ウールを用い1000g荷重下、15往復摩耗させた。
試験後に曇価の測定を実施した。 (3)サンシャインウェザーメーター試験は、ブラック
パネル温度63℃、雨有り(120分中18分降雨)、
3000時間処理を実施した。試験後に黄変度の測定を
実施した。 (4)曇価は直読ヘーズコンピューター(スガ試験機
製)を用いて測定した。 (5)黄変度はSMカラーコンピューター(スガ試験機
製)を用いて測定した。
【0027】実施例1 金型として図1に示されるされるキャビティ4が厚み3
mm、直径100mmφのキャビティ4を有す円板金型
を用いた。金型の片側キャビティ4にシート厚み0.5
mmのハードコート硬化皮膜を形成したPCシート(三
菱瓦斯化学(株)製、商品名:ユーピロンシートCFI
−1)6をプレス機械でキャビティ形状に切断後に装着
した。ついでTPU樹脂材料7(武田バーディシェウレ
タン工業(株)製、商品名:エラストランS80A1
0)を樹脂温度200℃、金型温度30℃、射出圧力
(ゲージ圧力:500kgf/cm2 )の条件で射出注
入し図2に示す円板形状の成形品15を得た。
【0028】使用した成形機は三菱重工業(株)製、型
式:150MSTを用いた。該成形材料とシートは成形
の熱、圧力により一体化され、表面にはハードコート膜
層を形成させた積層成形品が得られた。このようにして
得られた成形品の、ハードコート膜形成面を、テーバー
摩耗試験、スチールウール摩耗試験、サンシャインウェ
ザー試験をそれぞれ実施した結果を第1表に示す。
【0029】比較例1 実施例1で使用したと同じ金型を用いて、シートの装着
をせずに同成形材料(武田バーディシェウレタン工業
(株)製、商品名:エラストランS80A10)を、実
施例1と同様の成形条件で成形を行い円板形状成形品を
得た。このようにして得られた成形品を、テーバー摩耗
試験、スチールウール摩耗試験、サンシャインウェザー
試験をそれぞれ実施した結果を表1に示す。
【0030】比較例2 実施例1と同じ金型を用いて、シートの装着をせずに同
成形材料(武田バーディシェウレタン工業(株)製、商
品名:エラストランS80A10)を、実施例1と同様
の成形条件で成形を行い円板形状成形品を得た。つい
で、この成形品の片側にマスキングを施し、シリコン系
ハードコート液を浸漬塗装し120℃で2時間熱処理し
ハードコート膜を硬化させた後、成形品よりマスキング
を剥し片面にハードコート硬化皮膜を付与させた成形品
を得た。このようにして得られた成形品の、ハードコー
ト膜形成面を、テーバー摩耗試験、スチールウール摩耗
試験、サンシャインウェザー試験をそれぞれ実施した結
果を表1に示す。
【0031】 表1 実施例、比較例番号 実施例1 比較例1 比較例2 テーバー摩耗試験(△ヘーズ(%)) 2.5 22 17 スチールウール試験(△ヘーズ(%)) 1.5 19 15サンシャインウェザー試験(△YI(%)) 5.8 22.3 19.7 *比較例2においては、いずれの試験もハードコート膜
が試験中に剥離した。
【0032】
【発明の効果】
1、表面硬度(耐擦傷性)および耐候性を必要とする、
ゴム状の軟質樹脂である熱可塑性エラストマー成形品
に、通常の成形工程のみで表面硬度(耐擦傷性)および
耐候性を付与することができる。 2、成形時に表面硬度を付与できるために、後工程の省
略と液だまり不良の改善ができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 成形品の成形過程を説明する金型断面の概念
【図2】 本発明の実施例1で得られた成形品の断面の
概念図
【符号の説明】 1:金型 2:移動側金型 3:固定側金型 4:キャビティ部 5:キャビティ表面 6:打ち抜き片 7:溶融樹脂 8:射出成形手段 9:ハードコート膜形成面 10:ハードコート膜
非形成面 11:スプルー 12:流動溶融層 13:固化スキン層 14:固化スキン層 15:成形品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田原 久志 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社プラスチックスセンタ ー内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出成形機を使用して成形される熱可塑
    性エラストマー成形品であって、熱可塑性合成樹脂シー
    トもしくはフィルムを金型内の少なくとも1つの表面に
    接するように配設し、次いで、成形材料として溶融熱可
    塑性ポリウレタンエラストマーを金型内へ射出して得ら
    れる積層一体化された熱可塑性エラストマー成形品。
  2. 【請求項2】 熱可塑性合成樹脂シートもしくはフィル
    ムが熱可塑性合成樹脂シートもしくはフィルムの片面に
    ハードコート剤を塗布後、硬化させて得られたハードコ
    ート層付き熱可塑性合成樹脂シートもしくはフィルムで
    ある請求項1に記載の熱可塑性エラストマー成形品。
  3. 【請求項3】 熱可塑性合成樹脂シートもしくはフィル
    ムが透明な芳香族ポリカーボネート樹脂である請求項1
    に記載の熱可塑性エラストマー成形品。
  4. 【請求項4】 熱可塑性合成樹脂シートもしくはフィル
    ムがあらかじめ紫外線吸収剤を添加させて成形された紫
    外線吸収性能を有する熱可塑性合成樹脂シートもしくは
    フィルムである請求項1に記載の熱可塑性エラストマー
    成形品。
  5. 【請求項5】 熱可塑性合成樹脂シートもしくはフィル
    ムが着色剤を添加させた熱可塑性合成樹脂シートもしく
    はフィルムである請求項1に記載の熱可塑性エラストマ
    ー成形品。
  6. 【請求項6】 射出成形機を使用して成形される熱可塑
    性エラストマーの成形方法であって、熱可塑性合成樹脂
    シートもしくはフィルムを金型内の少なくとも1つの表
    面に接するように配設し、次いで、成形材料として熱可
    塑性ポリウレタンエラストマーを金型内へ射出して得ら
    れる表面硬度に優れた熱可塑性エラストマーの成形方
    法。
  7. 【請求項7】 ハードコート層付き合成樹脂シートもし
    くはフィルムのハードコート剤塗布面が金型内の少なく
    とも1つの金型表面に配設された請求項6に記載の熱可
    塑性エラストマーの成形方法。
  8. 【請求項8】 熱可塑性合成樹脂シートもしくはフィル
    ムの片側表面には、耐候性性能、帯電防止性能、防曇性
    能の少なくとも一つ以上の機能性膜を付与し、シートも
    しくはフィルムに付与された機能性膜は金型内で金型表
    面を向くように配設した請求項5に記載の熱可塑性エラ
    ストマーの成形方法。
JP5746494A 1994-03-28 1994-03-28 熱可塑性エラストマー成形品 Pending JPH07266373A (ja)

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JP5746494A JPH07266373A (ja) 1994-03-28 1994-03-28 熱可塑性エラストマー成形品

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JP5746494A Pending JPH07266373A (ja) 1994-03-28 1994-03-28 熱可塑性エラストマー成形品

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19980061134A (ko) * 1996-12-31 1998-10-07 박병재 기재와 표피재의 접착방법 및 그에 사용되는 금형
CN103587029A (zh) * 2012-08-15 2014-02-19 汉达精密电子(昆山)有限公司 玻璃置入模具注塑成型方法及其产品
WO2017221583A1 (ja) * 2016-06-24 2017-12-28 Jsr株式会社 接合体及びその製造方法

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