JPH07260928A - 合成開口レーダにおける送信電力の設計方法 - Google Patents
合成開口レーダにおける送信電力の設計方法Info
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- JPH07260928A JPH07260928A JP6075479A JP7547994A JPH07260928A JP H07260928 A JPH07260928 A JP H07260928A JP 6075479 A JP6075479 A JP 6075479A JP 7547994 A JP7547994 A JP 7547994A JP H07260928 A JPH07260928 A JP H07260928A
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- G01S—RADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
- G01S13/00—Systems using the reflection or reradiation of radio waves, e.g. radar systems; Analogous systems using reflection or reradiation of waves whose nature or wavelength is irrelevant or unspecified
- G01S13/88—Radar or analogous systems specially adapted for specific applications
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- G01S13/904—SAR modes
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- G—PHYSICS
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- G01S—RADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
- G01S7/00—Details of systems according to groups G01S13/00, G01S15/00, G01S17/00
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- G01S7/40—Means for monitoring or calibrating
- G01S7/4004—Means for monitoring or calibrating of parts of a radar system
- G01S7/4008—Means for monitoring or calibrating of parts of a radar system of transmitters
- G01S7/4013—Means for monitoring or calibrating of parts of a radar system of transmitters involving adjustment of the transmitted power
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 送信電力を大幅に低減させ、レーダ構成を簡
素化できるようにした合成開口レーダの送信電力の設計
方法を提供する。 【構成】 人工衛星等の飛翔体に搭載される合成開口レ
ーダにおける送信電力の設計方法において、受信電力P
r をレーダに要求される条件を満たすように設定するた
めに用いられるレーダ方程式Pr =Pt σAp 2 /(4
πλ2 R4 )〔Pt :送信電力(W)、σ:レーダ散乱
断面積(m2 )、Ap :アンテナ面積(m2 )、R:物
標までの距離(m)、λ:電波の波長(m)〕を適用す
るに際して、レーダ散乱断面積σを、σ=σ0 ・S2 ・
4π/λ2 〔σ0 :散乱係数、S:照射領域面積
(m2 )〕に設定して、送信電力を設計する。
素化できるようにした合成開口レーダの送信電力の設計
方法を提供する。 【構成】 人工衛星等の飛翔体に搭載される合成開口レ
ーダにおける送信電力の設計方法において、受信電力P
r をレーダに要求される条件を満たすように設定するた
めに用いられるレーダ方程式Pr =Pt σAp 2 /(4
πλ2 R4 )〔Pt :送信電力(W)、σ:レーダ散乱
断面積(m2 )、Ap :アンテナ面積(m2 )、R:物
標までの距離(m)、λ:電波の波長(m)〕を適用す
るに際して、レーダ散乱断面積σを、σ=σ0 ・S2 ・
4π/λ2 〔σ0 :散乱係数、S:照射領域面積
(m2 )〕に設定して、送信電力を設計する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、合成開口レーダにお
いて、送信電力を大幅に低減できるようにした合成開口
レーダの送信電力の設計方法に関する。
いて、送信電力を大幅に低減できるようにした合成開口
レーダの送信電力の設計方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、人工衛星や航空機等の飛翔体
(プラットフォーム)に搭載した映像(サイドルッキン
グレーダ)から、移動飛翔体の側方の地上に電波を発射
し、移動しながらこの反射波を受信して合成することに
より、比較的小さい開口のアンテナで、実効的に大開口
のアンテナを合成することができるようにした合成開口
レーダはよく知られている。そして、かかる合成開口レ
ーダは、映像センサとして用いられ、全天候型で高分解
能の画像を得ることができるものである。
(プラットフォーム)に搭載した映像(サイドルッキン
グレーダ)から、移動飛翔体の側方の地上に電波を発射
し、移動しながらこの反射波を受信して合成することに
より、比較的小さい開口のアンテナで、実効的に大開口
のアンテナを合成することができるようにした合成開口
レーダはよく知られている。そして、かかる合成開口レ
ーダは、映像センサとして用いられ、全天候型で高分解
能の画像を得ることができるものである。
【0003】図2は、かかる合成開口レーダの概略構成
を示す図である。図において、11は人工衛星や航空機等
の飛翔体(プラットフォーム)、12は該飛翔体に搭載さ
れる送信機、13は受信機、14は送受分波器、15は受信機
13で受信した受信電波を記録する受信電波記録装置、16
はアンテナである。
を示す図である。図において、11は人工衛星や航空機等
の飛翔体(プラットフォーム)、12は該飛翔体に搭載さ
れる送信機、13は受信機、14は送受分波器、15は受信機
13で受信した受信電波を記録する受信電波記録装置、16
はアンテナである。
【0004】次に、これらの部材により構成されている
合成開口レーダの動作原理を、図3に基づいて説明す
る。所望の目的により予め設定される特定の航路、また
は軌道Lを、速度Vで移動する人工衛星等の飛翔体11
は、地上からhの高度にある軌道Lに沿って、A0 、A
1 、A2 ・・・・・・・の各位置において、搭載する合
成開口レーダの小開口アンテナ16から一定時間間隔toで
送信パルス電波を放射する。この送信パルス電波はビー
ム幅βの広がりで、軌道Lと直角方向に放射され、例え
ばA1 点においては、地上の面積BCDEからの反射波
(レーダエコー)となって同じアンテナ16で受信され
る。
合成開口レーダの動作原理を、図3に基づいて説明す
る。所望の目的により予め設定される特定の航路、また
は軌道Lを、速度Vで移動する人工衛星等の飛翔体11
は、地上からhの高度にある軌道Lに沿って、A0 、A
1 、A2 ・・・・・・・の各位置において、搭載する合
成開口レーダの小開口アンテナ16から一定時間間隔toで
送信パルス電波を放射する。この送信パルス電波はビー
ム幅βの広がりで、軌道Lと直角方向に放射され、例え
ばA1 点においては、地上の面積BCDEからの反射波
(レーダエコー)となって同じアンテナ16で受信され
る。
【0005】この反射波は、飛翔体11が速度Vで移動し
ている間、次々に入力され、地上を距離BCの幅で進行
軌道Lと平行な線l、l′間を観測しながら、各時点で
の受信信号として、振幅情報と位相情報が記録装置15に
記録される。例えば、対象物の点目標Pは、飛翔体11の
進行軌道L上の点A0 で送信パルス電波の照射を受け始
め、点A2 で送信パルス電波の照射を受け終わる。点目
標Pからの反射波はこの間受信され、その受信信号は距
離情報と共に、絶えず変化する相対速度に対応する位相
情報を含んでおり、この受信信号を記録しておいて、一
括演算処理(ホログラフィック処理)することにより、
A0 A2 の長い開口径Ls を有するアンテナを用いた場
合と実効的に同じ効果が得られる(合成開口法)。
ている間、次々に入力され、地上を距離BCの幅で進行
軌道Lと平行な線l、l′間を観測しながら、各時点で
の受信信号として、振幅情報と位相情報が記録装置15に
記録される。例えば、対象物の点目標Pは、飛翔体11の
進行軌道L上の点A0 で送信パルス電波の照射を受け始
め、点A2 で送信パルス電波の照射を受け終わる。点目
標Pからの反射波はこの間受信され、その受信信号は距
離情報と共に、絶えず変化する相対速度に対応する位相
情報を含んでおり、この受信信号を記録しておいて、一
括演算処理(ホログラフィック処理)することにより、
A0 A2 の長い開口径Ls を有するアンテナを用いた場
合と実効的に同じ効果が得られる(合成開口法)。
【0006】このようにして、次々に各位置で取得した
受信信号を記録しておいて合成することにより、実際に
搭載されているアンテナの数十倍〜数万倍の大きさの大
開口アンテナを用いて対象物を観測した場合と等価にな
り、それだけ方位分解能が向上し鮮明な映像が得られる
ことになる。
受信信号を記録しておいて合成することにより、実際に
搭載されているアンテナの数十倍〜数万倍の大きさの大
開口アンテナを用いて対象物を観測した場合と等価にな
り、それだけ方位分解能が向上し鮮明な映像が得られる
ことになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来、かか
る合成開口レーダにおける送信機から出力される送信電
力を設計する際には、一般のパルスレーダで用いられて
いるレーダ方程式をそのまま利用し、受信電力がレーダ
に要求される条件を満足するように、送信電力が設計さ
れていた。
る合成開口レーダにおける送信機から出力される送信電
力を設計する際には、一般のパルスレーダで用いられて
いるレーダ方程式をそのまま利用し、受信電力がレーダ
に要求される条件を満足するように、送信電力が設計さ
れていた。
【0008】次に、従来用いられているレーダ方程式に
ついて説明する。送信アンテナから送信電力Pt の電波
が等方性に放射されたと考えると、距離R離れた位置で
の電力密度Pd は、次式(1)で表される。 Pd =Pt /(4πR2 ) ・・・・・・・・・・・・・(1) 送信アンテナの利得(等方性アンテナに対する利得)を
Gt とすると、アンテナビーム方向での電力密度Pd ′
は、次式(2)で表される。 Pd ′=Pt ・Gt /(4πR2 ) ・・・・・・・・・(2) この電力密度の電波が面積Sの散乱体に吸収されると、
散乱体の受電電力Psrは次式(3)で表される。 Psr=Pt ・Gt ・S/(4πR2 ) ・・・・・・・・(3) この散乱体受電電力の内、その何割かが再放射される。
その割合が散乱係数σ0であり、したがって再放射され
る電力Pstは、次式(4)で表される。 Pst=Pt ・Gt ・S・σ0 /(4πR2 ) ・・・・・(4)
ついて説明する。送信アンテナから送信電力Pt の電波
が等方性に放射されたと考えると、距離R離れた位置で
の電力密度Pd は、次式(1)で表される。 Pd =Pt /(4πR2 ) ・・・・・・・・・・・・・(1) 送信アンテナの利得(等方性アンテナに対する利得)を
Gt とすると、アンテナビーム方向での電力密度Pd ′
は、次式(2)で表される。 Pd ′=Pt ・Gt /(4πR2 ) ・・・・・・・・・(2) この電力密度の電波が面積Sの散乱体に吸収されると、
散乱体の受電電力Psrは次式(3)で表される。 Psr=Pt ・Gt ・S/(4πR2 ) ・・・・・・・・(3) この散乱体受電電力の内、その何割かが再放射される。
その割合が散乱係数σ0であり、したがって再放射され
る電力Pstは、次式(4)で表される。 Pst=Pt ・Gt ・S・σ0 /(4πR2 ) ・・・・・(4)
【0009】上記散乱体から再放射される電力Pstが等
方性に放射されたとすると、送信アンテナ地点で受信す
る電力密度Prdは、次式(5)で表される。 Prd=Pt ・Gt ・S・σ0 /(4πR2 )2 ・・・・(5) ここで、送信アンテナの面積をAp とすると、送信アン
テナで受信する電力Prは、次式(6)で表される。 Pr =Pt ・Gt ・S・σ0 ・Ap /(4πR2 )2 ・・(6) そして、アンテナ面積Ap とアンテナ利得Gt との間に
は、次式(7)で示される関係がある。 Gt =4πAp /λ2 ・・・・・・・・・・・・・・・(7) 上記(7)式を(6)式に代入すると、次式(8)が得
られる。 Pr =Pt ・σ0 ・S・Ap 2 /(4πλ2 R4) ・・・・(8) ここで、σ0 ・Sを散乱断面積σで置き換えることによ
り、次式(9)が得られる。 Pr =Pt ・σ・At 2 /(4πλ2 R4) 但し、σ=σ0 ・S ・・・・・・・(9) この(9)式が、従来用いられている通常のレーダ方程
式である。
方性に放射されたとすると、送信アンテナ地点で受信す
る電力密度Prdは、次式(5)で表される。 Prd=Pt ・Gt ・S・σ0 /(4πR2 )2 ・・・・(5) ここで、送信アンテナの面積をAp とすると、送信アン
テナで受信する電力Prは、次式(6)で表される。 Pr =Pt ・Gt ・S・σ0 ・Ap /(4πR2 )2 ・・(6) そして、アンテナ面積Ap とアンテナ利得Gt との間に
は、次式(7)で示される関係がある。 Gt =4πAp /λ2 ・・・・・・・・・・・・・・・(7) 上記(7)式を(6)式に代入すると、次式(8)が得
られる。 Pr =Pt ・σ0 ・S・Ap 2 /(4πλ2 R4) ・・・・(8) ここで、σ0 ・Sを散乱断面積σで置き換えることによ
り、次式(9)が得られる。 Pr =Pt ・σ・At 2 /(4πλ2 R4) 但し、σ=σ0 ・S ・・・・・・・(9) この(9)式が、従来用いられている通常のレーダ方程
式である。
【0010】上記レーダ方程式は、上記のように、散乱
体は等方性に電波を散乱するものとの仮定に基づいて導
出されたものである。通常、レーダでは性質が全く分か
らない対象物(大抵は離散物体)を、その散乱電波によ
り判断しようとするものなので、対象物から再放射され
る電力が等方性に放射されるという仮定を行い、いわば
この判断基準に基づいた客観的な判断を行っている。
体は等方性に電波を散乱するものとの仮定に基づいて導
出されたものである。通常、レーダでは性質が全く分か
らない対象物(大抵は離散物体)を、その散乱電波によ
り判断しようとするものなので、対象物から再放射され
る電力が等方性に放射されるという仮定を行い、いわば
この判断基準に基づいた客観的な判断を行っている。
【0011】ところで、合成開口レーダは広範囲に電波
を照射し、平面的に広がった領域を観測対象とするもの
であり、この場合には、平面的な観測対象からの電波の
散乱は、もはや等方性ではなくなる。かくして合成開口
レーダには、本来は、一般のパルスレーダ用のレーダ方
程式を、そのまま用いることは出来ないことになる。し
たがって、合成開口レーダの送信電力の設計に際して、
散乱体から再放射される電力が等方性に放射されるとい
う仮定に基づく従来のレーダ方程式をそのまま用いた従
来の設計方法においては、送信電力は正しく設計され
ず、本来必要とする送信電力より非常に大きく設計され
ていた。
を照射し、平面的に広がった領域を観測対象とするもの
であり、この場合には、平面的な観測対象からの電波の
散乱は、もはや等方性ではなくなる。かくして合成開口
レーダには、本来は、一般のパルスレーダ用のレーダ方
程式を、そのまま用いることは出来ないことになる。し
たがって、合成開口レーダの送信電力の設計に際して、
散乱体から再放射される電力が等方性に放射されるとい
う仮定に基づく従来のレーダ方程式をそのまま用いた従
来の設計方法においては、送信電力は正しく設計され
ず、本来必要とする送信電力より非常に大きく設計され
ていた。
【0012】送信電力が大きくなると、増幅器の増幅度
を大きくしなければならないことのほか、それに伴い発
熱量が増大したり、伝送線路中で放電現象が発生する
等、様々な弊害が生ずる。
を大きくしなければならないことのほか、それに伴い発
熱量が増大したり、伝送線路中で放電現象が発生する
等、様々な弊害が生ずる。
【0013】本発明は、従来の合成開口レーダにおける
送信電力の設計方法における上記問題点を解消するため
になされたもので、平面である観測対象を電磁界的に正
確に考慮し、送信電力を大幅に低減させて、レーダ構成
を非常に簡素化できるようにした合成開口レーダの送信
電力の設計方法を提供することを目的とする。
送信電力の設計方法における上記問題点を解消するため
になされたもので、平面である観測対象を電磁界的に正
確に考慮し、送信電力を大幅に低減させて、レーダ構成
を非常に簡素化できるようにした合成開口レーダの送信
電力の設計方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用】上記問題点を解
決するため、本発明は、人工衛星等の飛翔体に搭載され
る合成開口レーダにおける送信電力の設計方法におい
て、受信電力Pr をレーダに要求される条件を満たすよ
うに設定するために用いられるレーダ方程式Pr =Pt
σAp 2 /(4πλ2 R4 )〔Pt :送信電力(W)、
σ:レーダ散乱断面積(m2 )、Ap :アンテナ面積
(m2 )、R:観測対象までの距離(m)、λ:電波の
波長(m)〕を適用するに際して、レーダ散乱断面積σ
を、σ=σ0 ・S2 ・4π/λ2 〔σ0 :散乱係数、
S:照射領域面積(m2 )〕に設定して、送信電力を設
計するものである。
決するため、本発明は、人工衛星等の飛翔体に搭載され
る合成開口レーダにおける送信電力の設計方法におい
て、受信電力Pr をレーダに要求される条件を満たすよ
うに設定するために用いられるレーダ方程式Pr =Pt
σAp 2 /(4πλ2 R4 )〔Pt :送信電力(W)、
σ:レーダ散乱断面積(m2 )、Ap :アンテナ面積
(m2 )、R:観測対象までの距離(m)、λ:電波の
波長(m)〕を適用するに際して、レーダ散乱断面積σ
を、σ=σ0 ・S2 ・4π/λ2 〔σ0 :散乱係数、
S:照射領域面積(m2 )〕に設定して、送信電力を設
計するものである。
【0015】合成開口レーダにおいて、観測対象から再
放射される電力が等方性に放射されるという仮定に基づ
いた、従来のパルスレーダに用いるレーダ方程式をその
まま適用して送信電力を設定した場合、合成開口レーダ
からは広範囲に電波が照射され、平面的に広がった領域
を観測対象とし、平面的な観測対象からの電波の散乱は
等方性とはみなせないものであるため、受信電力は極め
て大となる。
放射される電力が等方性に放射されるという仮定に基づ
いた、従来のパルスレーダに用いるレーダ方程式をその
まま適用して送信電力を設定した場合、合成開口レーダ
からは広範囲に電波が照射され、平面的に広がった領域
を観測対象とし、平面的な観測対象からの電波の散乱は
等方性とはみなせないものであるため、受信電力は極め
て大となる。
【0016】合成開口レーダに要求される条件の代表と
して、S/N(受信電力と受信装置で発生する内部雑音
との比)があるが、従来のレーダ方程式を用いた設計方
法において、等方性の再放射に基づく受信電力を基準と
してS/Nを満足するように設定した送信電力に対する
実際のS/Nは、非常に大きな値となり、したがって従
来は、送信電力は過剰な設計をしていたことになる。
して、S/N(受信電力と受信装置で発生する内部雑音
との比)があるが、従来のレーダ方程式を用いた設計方
法において、等方性の再放射に基づく受信電力を基準と
してS/Nを満足するように設定した送信電力に対する
実際のS/Nは、非常に大きな値となり、したがって従
来は、送信電力は過剰な設計をしていたことになる。
【0017】合成開口レーダは、上記のように、広範囲
に電波を照射し、平面的に広がった領域を観測対象とす
るので、観測対象である平面からの電波の散乱は等方性
ではなくなる。このように合成開口レーダの観測対象の
性質を考慮し、電磁界的に正確に把握すると、電波で照
射される観測対象領域はアンテナと考えることができ
る。その場合、その利得をGとすると、送信アンテナ地
点での受信する電力密度Prdは、次式(10)で表され、
また受信電力Pr は次式(11)で表される。 Prd=Pt ・Gt ・S・σ0 ・G/(4πR2 )2 ・・・(10) Pr =Pt ・Gt ・S・σ0 ・G・Ap /(4πR2 )2 ・(11) ここで、アンテナ面積とアンテナ利得との間の関係式
(7)及び該(7)式より得られる次式(12)を、上記
次式(11)に代入することにより、次式(13)が得られ
る。 G=4πS/λ2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(12) Pr =Pt ・σ・Ap 2 /(4πλ2 R4 ) 但し、σ=σ0 ・S2 ・4π/λ2 ・・・・・・・・・・(13) この(13)式が、本発明で採用する観測対象の性質を考
慮したレーダ方程式である。
に電波を照射し、平面的に広がった領域を観測対象とす
るので、観測対象である平面からの電波の散乱は等方性
ではなくなる。このように合成開口レーダの観測対象の
性質を考慮し、電磁界的に正確に把握すると、電波で照
射される観測対象領域はアンテナと考えることができ
る。その場合、その利得をGとすると、送信アンテナ地
点での受信する電力密度Prdは、次式(10)で表され、
また受信電力Pr は次式(11)で表される。 Prd=Pt ・Gt ・S・σ0 ・G/(4πR2 )2 ・・・(10) Pr =Pt ・Gt ・S・σ0 ・G・Ap /(4πR2 )2 ・(11) ここで、アンテナ面積とアンテナ利得との間の関係式
(7)及び該(7)式より得られる次式(12)を、上記
次式(11)に代入することにより、次式(13)が得られ
る。 G=4πS/λ2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(12) Pr =Pt ・σ・Ap 2 /(4πλ2 R4 ) 但し、σ=σ0 ・S2 ・4π/λ2 ・・・・・・・・・・(13) この(13)式が、本発明で採用する観測対象の性質を考
慮したレーダ方程式である。
【0018】以上のように、レーダ方程式におけるレー
ダ散乱断面積σを、従来はσ0 ・Sとしていたのを、本
発明においては合成開口レーダに正しく対応させて、σ
0 ・S2 ・4π/λ2 に設定し、これに基づいて送信電
力を求めるものである。このようにして送信電力を設定
することにより、送信電力を従来のλ2 /(S・4π)
分の1にすることができ、合成開口レーダに要求される
S/N等の条件を十分満たしながら、増幅器等のレーダ
構成の簡素化を実現することができる。
ダ散乱断面積σを、従来はσ0 ・Sとしていたのを、本
発明においては合成開口レーダに正しく対応させて、σ
0 ・S2 ・4π/λ2 に設定し、これに基づいて送信電
力を求めるものである。このようにして送信電力を設定
することにより、送信電力を従来のλ2 /(S・4π)
分の1にすることができ、合成開口レーダに要求される
S/N等の条件を十分満たしながら、増幅器等のレーダ
構成の簡素化を実現することができる。
【0019】
【実施例】次に実施例について説明する。図1は、19
92年2月に打ち上げられた人工衛星J・ERS−1に
搭載された合成開口レーダの仕様に基づくパルス電波の
送出照射態様を示す図である。この合成開口レーダ1か
ら送出されるパルス電波2は、パルス幅35μsec 、波長
0.235 m、進行方向アンテナビーム幅(β)1.05°であ
り、人工衛星の軌道高度(h)570 km、地表入射角
(α)38°、オフナディア角(γ)35°であるので、実
際に送出されたパルス電波が地表3を照射する領域は、
合成開口レーダ1の進行方向の長さは13,045mで、進行
方向と直交する方向の長さはパルス電波のパルス幅に基
づく分解能に対応する8,527 mとなり、面積は111,234,
715 m2 である。
92年2月に打ち上げられた人工衛星J・ERS−1に
搭載された合成開口レーダの仕様に基づくパルス電波の
送出照射態様を示す図である。この合成開口レーダ1か
ら送出されるパルス電波2は、パルス幅35μsec 、波長
0.235 m、進行方向アンテナビーム幅(β)1.05°であ
り、人工衛星の軌道高度(h)570 km、地表入射角
(α)38°、オフナディア角(γ)35°であるので、実
際に送出されたパルス電波が地表3を照射する領域は、
合成開口レーダ1の進行方向の長さは13,045mで、進行
方向と直交する方向の長さはパルス電波のパルス幅に基
づく分解能に対応する8,527 mとなり、面積は111,234,
715 m2 である。
【0020】このような仕様の合成開口レーダにおい
て、送信電力は、従来方式によりσ=σ0 ・Sとしてレ
ーダ方程式をそのまま採用して、ピークで1.3 kWに設
定されていた。しかしながら、この送信電力は、先に述
べたように、合成開口レーダにおいても観測対象から等
方的に電力が再放射されるとみなして設定した受信電力
に基づいて設計されたものであり、正しくない基準で過
剰に設計されたものである。
て、送信電力は、従来方式によりσ=σ0 ・Sとしてレ
ーダ方程式をそのまま採用して、ピークで1.3 kWに設
定されていた。しかしながら、この送信電力は、先に述
べたように、合成開口レーダにおいても観測対象から等
方的に電力が再放射されるとみなして設定した受信電力
に基づいて設計されたものであり、正しくない基準で過
剰に設計されたものである。
【0021】本発明においては、レーダ散乱断面積σ
を、従来はσ0 ・Sとしていたものを、σ0 ・S2 ・4
π/λ2 に設定するものであるから、レーダ散乱断面積
σの従来と本発明の比は、σ0 ・S:σ0 ・S2 ・4π
/λ2 =1:S・4π/λ2 となる。この実施例では、
Sは111,234,715 m2 であり、λは0.235 mであるの
で、本発明におけるレーダ散乱断面積は従来の約2.531
×1010倍となる。したがって、送信電力Pt は観測対象
が理想的な平面の場合は、従来の1/2.531 ×1010でよ
いことになる。しかし、実際には観測対象は完全な平面
ではなく、山、谷等の多数の凹凸があり、位相が揃わな
いので、現実の送信電力は、少なくとも従来の数分の1
程度にはなるものと考えられる。
を、従来はσ0 ・Sとしていたものを、σ0 ・S2 ・4
π/λ2 に設定するものであるから、レーダ散乱断面積
σの従来と本発明の比は、σ0 ・S:σ0 ・S2 ・4π
/λ2 =1:S・4π/λ2 となる。この実施例では、
Sは111,234,715 m2 であり、λは0.235 mであるの
で、本発明におけるレーダ散乱断面積は従来の約2.531
×1010倍となる。したがって、送信電力Pt は観測対象
が理想的な平面の場合は、従来の1/2.531 ×1010でよ
いことになる。しかし、実際には観測対象は完全な平面
ではなく、山、谷等の多数の凹凸があり、位相が揃わな
いので、現実の送信電力は、少なくとも従来の数分の1
程度にはなるものと考えられる。
【0022】このことは、次に述べる事実からも、その
技術的な裏付けがなされている。すなわち、上記実施例
で例示した人工衛星J・ERS−1に搭載された合成開
口レーダは、放電現象のためピーク電力1.3 kWのハイ
パワーモード送信が行えず、300 Wのローパワーモード
送信のみが行われている。したがって、S/N換算で6
dB以上劣化していることになる。しかしながら、ローパ
ワーモード送信で得られた画像は、ピーク電力のハイパ
ワーモード送信で当初予想されていたS/Nより遙かに
高いS/Nが得られている。
技術的な裏付けがなされている。すなわち、上記実施例
で例示した人工衛星J・ERS−1に搭載された合成開
口レーダは、放電現象のためピーク電力1.3 kWのハイ
パワーモード送信が行えず、300 Wのローパワーモード
送信のみが行われている。したがって、S/N換算で6
dB以上劣化していることになる。しかしながら、ローパ
ワーモード送信で得られた画像は、ピーク電力のハイパ
ワーモード送信で当初予想されていたS/Nより遙かに
高いS/Nが得られている。
【0023】
【発明の効果】以上実施例に基づいて説明したように、
本発明によれば、合成開口レーダにおける送信電力を大
幅に低減させることができ、したがってレーダ構成の簡
素化を計ることが可能となる。
本発明によれば、合成開口レーダにおける送信電力を大
幅に低減させることができ、したがってレーダ構成の簡
素化を計ることが可能となる。
【図1】本発明に係る合成開口レーダにおける送信電力
の設計方法の実施例を説明するための説明図である。
の設計方法の実施例を説明するための説明図である。
【図2】一般的な合成開口レーダの概略構成を示す図で
ある。
ある。
【図3】図2に示した合成開口レーダの動作原理を説明
するための説明図である。
するための説明図である。
1 合成開口レーダ 2 パルス電波 3 地表 11 飛翔体 12 送信機 13 受信機 14 送受分波器 15 受信電波記録装置 16 アンテナ
Claims (1)
- 【請求項1】 人工衛星等の飛翔体に搭載される合成開
口レーダにおける送信電力の設計方法において、受信電
力Pr をレーダに要求される条件を満たすように設定す
るために用いられるレーダ方程式Pr =Pt σAp 2 /
(4πλ2 R4 )〔Pt :送信電力(W)、σ:レーダ
散乱断面積(m2 )、Ap :アンテナ面積(m2 )、
R:観測対象までの距離(m)、λ:電波の波長
(m)〕を適用するに際して、レーダ散乱断面積σを、
σ=σ0 ・S2 ・4π/λ2 〔σ0 :散乱係数、S:照
射領域面積(m2 )〕に設定して、送信電力を設計する
ことを特徴とする合成開口レーダにおける送信電力の設
計方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6075479A JPH07260928A (ja) | 1994-03-23 | 1994-03-23 | 合成開口レーダにおける送信電力の設計方法 |
EP95301453A EP0674183A1 (en) | 1994-03-23 | 1995-03-07 | Method for determining transmission power in a synthetic aperture radar |
US08/401,437 US5548290A (en) | 1994-03-23 | 1995-03-09 | Method of designing transmission power in synthetic aperture radar |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6075479A JPH07260928A (ja) | 1994-03-23 | 1994-03-23 | 合成開口レーダにおける送信電力の設計方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07260928A true JPH07260928A (ja) | 1995-10-13 |
Family
ID=13577479
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6075479A Pending JPH07260928A (ja) | 1994-03-23 | 1994-03-23 | 合成開口レーダにおける送信電力の設計方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5548290A (ja) |
EP (1) | EP0674183A1 (ja) |
JP (1) | JPH07260928A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102998655B (zh) * | 2012-11-22 | 2014-07-30 | 北京理工大学 | 一种合成孔径雷达扫描工作模式最优波位选择方法 |
CA3006421C (en) * | 2015-12-14 | 2018-10-23 | Mitsubishi Electric Corporation | Synthetic aperture radar |
CN109254287B (zh) * | 2018-10-08 | 2022-06-10 | 国网经济技术研究院有限公司 | 基于合成孔径雷达影像检测输电导线的方法 |
CN109711044A (zh) * | 2018-12-26 | 2019-05-03 | 山东科技大学 | 一种模拟雷达散射截面面积的平面波间断有限元方法 |
CN113534150B (zh) * | 2021-06-08 | 2022-04-05 | 国家卫星海洋应用中心 | 星载合成孔径雷达海洋场景观测雷达增益设置方法及系统 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04203992A (ja) * | 1990-11-29 | 1992-07-24 | Mitsubishi Electric Corp | 能動型マイクロ波後方散乱装置 |
-
1994
- 1994-03-23 JP JP6075479A patent/JPH07260928A/ja active Pending
-
1995
- 1995-03-07 EP EP95301453A patent/EP0674183A1/en not_active Withdrawn
- 1995-03-09 US US08/401,437 patent/US5548290A/en not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04203992A (ja) * | 1990-11-29 | 1992-07-24 | Mitsubishi Electric Corp | 能動型マイクロ波後方散乱装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US5548290A (en) | 1996-08-20 |
EP0674183A1 (en) | 1995-09-27 |
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