JPH07260702A - 界面検査方法およびその装置 - Google Patents
界面検査方法およびその装置Info
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- JPH07260702A JPH07260702A JP5368794A JP5368794A JPH07260702A JP H07260702 A JPH07260702 A JP H07260702A JP 5368794 A JP5368794 A JP 5368794A JP 5368794 A JP5368794 A JP 5368794A JP H07260702 A JPH07260702 A JP H07260702A
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Landscapes
- Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
- Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)
- Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 熱酸化SiO2 膜とSi基板等の界面に局在
した欠陥の情報を、非破壊でその場でしかも2次元分布
として得る。 【構成】 酸化炉5内の試料ステージ7上にSiウエハ
ー6を置き、熱酸化するとSiO2 膜/Si界面ができ
る。酸化中にYAGレーザー1からのプローブ光をウエ
ハー6に垂直に照射し、それによって界面から発生した
第2高調波の強度をホトマル10とボックスカー積分器
11で測定する。ステージ7は平行移動できるようにな
っており、ウエハー全面にプローブ光を照射できる。光
を使うので非破壊であり、酸化中に測定するのでその場
観察ができ、ステージが移動できるので2次元分布を測
れる。
した欠陥の情報を、非破壊でその場でしかも2次元分布
として得る。 【構成】 酸化炉5内の試料ステージ7上にSiウエハ
ー6を置き、熱酸化するとSiO2 膜/Si界面ができ
る。酸化中にYAGレーザー1からのプローブ光をウエ
ハー6に垂直に照射し、それによって界面から発生した
第2高調波の強度をホトマル10とボックスカー積分器
11で測定する。ステージ7は平行移動できるようにな
っており、ウエハー全面にプローブ光を照射できる。光
を使うので非破壊であり、酸化中に測定するのでその場
観察ができ、ステージが移動できるので2次元分布を測
れる。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】シリコンなどの結晶表面とその上
の薄膜によって形成される界面における欠陥を評価する
事によって、界面の良好性を検査する技術に関する。 【0002】 【従来の技術】シリコン酸化膜/シリコンなどの表面に
おける欠陥は、界面を利用した半導体デバイス特性を大
きく左右するため、適切な評価技術が必要である。現
在、問題となる界面の原子構造を知るためには断面透過
電子顕微鏡(TEM)や、すれすれ入射したX線による
X線回折、界面におけるストイキオメトリーの変化を知
るためにはX線光電子スペクトロスコピー(XPS)が
用いられてきた。また界面における欠陥の電気的特性は
C−V測定によって評価されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし断面TEM観察
の場合には、観察する対象を切断し、しかも電子線が透
過できる程度の薄い試料にしなければならない。XPS
では測定に電子を用いる為、酸化膜などの絶縁薄膜の膜
厚が10A程度以上になった場合には、チャージ・アッ
プにより測定が不可能になる。またすれすれ入射X線回
折では、界面において回折されるX線強度が非常に弱い
為、シンクロトロン放射光を入射光源として用いる必要
がある。C−V測定の場合には、得られるC−V曲線に
は酸化膜中のトラップ準位などの効果が含まれる為、純
粋な界面欠陥の評価を確実に行っていない可能性を常に
念頭におく必要がある。またこれらの方法はいずれも、
シリコン表面を酸化しているプロセスの最中にその場で
観察することが不可能である。さらに従来のいずれの方
法においても、シリコンウエハー面内2次元方向におけ
る界面欠陥の空間分布を自由に測定することは不可能、
あるいは非常な労力と時間を要する。 【0004】本発明の目的は、界面上の薄膜の厚さや物
性によらず、非破壊で、界面欠陥だけの情報を得られる
方法を提供することである。また本発明の目的は、その
情報がプロセスを行っているその場で界面検査方法を提
供することである。さらに界面欠陥の2次元空間分布を
得ることのできる装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、界面に局在し
た欠陥を非破壊、かつその場で観測するために、適当な
波長の光を入射させ、このとき界面において発生する第
2高調波(SHG)の強度をモニターする。J.E.Sipe,
D.J.Moss, H.M.van Driel がフィジカル レビュー(Ph
ysical Review )B35(1987)1129-1141において解析した
ように、第2高調波は反転対称性が破れた場合に発生す
る。一方シリコンのようなダイヤモンド型結晶は、結晶
構造自体が反転対称性を持つ。しかし、現実のシリコン
結晶は表面において結晶構造が打ち切られているため、
反転対称性はその表面においてのみ破られている。こう
したシリコン結晶に一定波長の光を入射した場合は、そ
の第2高調波は表面だけから発生することが予測され
る。実際こうした表面における第2高調波発生はJ.F.Mc
Glipによってジャーナル オブ バキューム サイエン
ス アンド テクノロジ(Journal of Vacuum Science
and Technology)A5(1987)1442-1446 に報告されてい
る。ただし局所的に反転対称性が破れている事情は、シ
リコン表面上に酸化膜などの薄膜が堆積して形成される
界面においても同様である。従ってシリコン上にシリコ
ン酸化膜を形成したような系において、ある波長の光を
入射した場合には、界面だけから第2高調波が発生す
る。従って界面を持つシリコン系などにおいて、第2高
調波発生は界面に極めて敏感である。またプローブとし
て光を用いる為、界面上の薄膜厚さは、光を通す範囲の
厚い膜であっても支障ない。勿論酸化膜によるチャージ
アップは原理的に測定の障害とはならない。 【0006】また測定は特定の波長を持った第2高調波
に対して行えば良い為、実際にプロセスにおいてはプロ
ーブ光を入射させる窓と、その鏡面反射方向に発生する
第2高調波を検出するための窓さえあれば、酸化などの
過程において形成される界面をその場でモニターでき
る。またこの場合に用いるプローブは光であるから、測
定中の真空度、ガス雰囲気などのプロセス環境におい
て、測定を行うための特別な制約は存在しない。従って
酸化などの界面形成プロセスにおいて、界面をその場で
観察することが可能である。 【0007】シリコン結晶上に酸化膜などの薄膜が堆積
している場合には、界面においてシリコン結晶と酸化膜
のある部分は化学結合手によって結合されている。しか
し界面では酸化膜と結合していない、シリコンのダング
リングボンドも存在する。この界面におけるダングリン
グボンドの存在は、結果的に界面における原子構造の不
連続、即ち構造的欠陥をもたらす。また界面ダングリン
グボンドは大きな準位密度を持ち、界面を利用した半導
体デバイスの電極特性における電気的な欠陥の原因とな
る。入射光の波長を適当に選んでやれば、界面から発生
する第2高調波の強度は、こうした界面欠陥の存在に極
めて敏感になる。具体的に界面における第2高調波発生
に寄与するのは、界面において反転対称性を持たない化
学結合手に起因する非線形分極率である。この時、入射
する光の波長が、界面の結合に関係した界面準位による
電子遷移のエネルギーに近い場合は、共鳴効果によって
界面から発生する第2高調波の強度が非常に増大する。
従って、入射波の波長を界面ダングリングボンドの関係
した電子遷移エネルギーに近い値とした場合には、界面
において発生する第2高調波の強度は界面のダングリン
グボンド密度を反映する。 【0008】第2高調波発生を用いて界面欠陥を行う際
のプローブ光はビーム状のもので良い。このためプロー
ブ光ビームを面内で走査する事によって、界面欠陥の2
次元的空間分布を捉えることが可能である。ただしこの
ためには通常、入射光を走査する必要があり、結果的に
測定のための光学系を各測定位置ごとに組み直すことが
必要である。しかしながら第2高調波発生に用いる入射
光を表面垂直方向から入射させ、この時界面において表
面垂直方向に発生する第2高調波を捉える光学系を用い
れば、光軸を走査するかわりに、試料を2次元的に駆動
することで、光軸のセットアップを変えることなく、簡
単かつ短時間に第2高調波強度の2次元的空間分布を測
定することができる。 【0009】 【実施例】以下図面を用いて本発明の実施例について説
明する。図1は本発明を説明するための検査装置の概要
である。シリコンウエハー6は酸化炉5中の試料ステー
ジ7にマウントされる。この試料に対し、YAGレーザ
−1の基本波(1064nm)をプローブ光として照射す
る。この波長は酸化膜とシリコンの界面ダングリングボ
ンドの関係した電子遷移エネルギーに近い値である。プ
ローブ光はNDフィルターによってその強度を5mJ程
度に調節し、さらにその偏光面をポーラライザー3によ
って確定した後に、1064nmの波長の光を完全に透過
するハーモニックセパレーター4を通してシリコンウエ
ハー6に照射される。シリコンウエハーから反射してく
る1064nmの光、およびシリコン酸化膜界面において
発生した波長532nmの第2高調波光はハーモニックセ
パレーターによって分離される。ハーモニックセパレー
ターは1064nmの光は完全透過、532nmの光は完全
反射するため、界面において発生した第2高調波のみが
反射されて受光系に導かれる。ハーモニックセパレータ
ーで反射された光の中から、純粋に532nmの波長の光
のみがカラーフィルター8によって選択される。この光
はさらに入射光と同じ偏光方向を規定するポーラライザ
ー9を通り、ホトマル10によって検出される。ホトマ
ルの信号はYAGレーザーのパルスに同期したものだけ
をボックスカー積分器11で検出することで、精度良く
第2高調波光強度を捉えることができる。入射光のビー
ム系は0.5mm程度である。一方酸化炉中のシリコンウ
エハーはマウントしている試料ステージ7によってX−
Y軸方向の移動が可能である。従って試料ステージを移
動することにより、シリコンウエハー内で入射ビームの
サンプリングしている位置を酸化膜界面内で任意に変化
させることができる。 【0010】図2に実際に図1でシリコンウエハーを酸
素雰囲気中で熱酸化させるプロセスにおいて、そのプロ
セスの途中の一時点でシリコン面12内を入射ビームを
14のようにスキャンさせた時(図2(a))に得られ
た第2高調波の強度分布を図2(b)に示す。このとき
得られた強度分布ではシリコンウエハーの右寄りの位置
13に異常に強いレスポンスを示した。一方酸化後、ウ
エハーの表面を目視すると、異常に強いレスポンスを示
した位置はちょうど酸化が正常に進行していない、黒い
部分に対応していた。この結果は、本発明がシリコンウ
エハーの熱酸化プロセスにおける界面欠陥を、非破壊、
かつその場でしかも2次元的に検出することができるこ
とを示している。 【0011】なお、界面欠陥の定量化を行うこともでき
る。具体的には、はじめにC−V測定によってPbセン
ター(界面のダングリングボンド準位)の準位密度を求
めておき、これに対応する第2高調波(SHG)強度を
図1の例のように測定する。SHG強度はこの界面準位
密度に比例して増大するため、一度この手順でSHG強
度と界面準位密度の変換係数を決定してしまえば、あと
はSHG強度だけで欠陥を定量評価できる。 【0012】また、図1,2の例ではシリコンと酸化膜
の界面を測定したが、反転対称性が破られている界面で
あれば何でもよく、例えばゲルマニウム/酸化膜界面、
シリコン/ゲルマニウムの単原子層超格子などが挙げら
れる。 【0013】またその場観察でなく、熱酸化が終わった
あとに測定してもよいことは自明である。 【0014】 【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明によ
ればシリコン等の結晶の上に薄膜を形成した際の、界面
における欠陥を非破壊、かつその場で2次元的に検査す
ることが可能である。
の薄膜によって形成される界面における欠陥を評価する
事によって、界面の良好性を検査する技術に関する。 【0002】 【従来の技術】シリコン酸化膜/シリコンなどの表面に
おける欠陥は、界面を利用した半導体デバイス特性を大
きく左右するため、適切な評価技術が必要である。現
在、問題となる界面の原子構造を知るためには断面透過
電子顕微鏡(TEM)や、すれすれ入射したX線による
X線回折、界面におけるストイキオメトリーの変化を知
るためにはX線光電子スペクトロスコピー(XPS)が
用いられてきた。また界面における欠陥の電気的特性は
C−V測定によって評価されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし断面TEM観察
の場合には、観察する対象を切断し、しかも電子線が透
過できる程度の薄い試料にしなければならない。XPS
では測定に電子を用いる為、酸化膜などの絶縁薄膜の膜
厚が10A程度以上になった場合には、チャージ・アッ
プにより測定が不可能になる。またすれすれ入射X線回
折では、界面において回折されるX線強度が非常に弱い
為、シンクロトロン放射光を入射光源として用いる必要
がある。C−V測定の場合には、得られるC−V曲線に
は酸化膜中のトラップ準位などの効果が含まれる為、純
粋な界面欠陥の評価を確実に行っていない可能性を常に
念頭におく必要がある。またこれらの方法はいずれも、
シリコン表面を酸化しているプロセスの最中にその場で
観察することが不可能である。さらに従来のいずれの方
法においても、シリコンウエハー面内2次元方向におけ
る界面欠陥の空間分布を自由に測定することは不可能、
あるいは非常な労力と時間を要する。 【0004】本発明の目的は、界面上の薄膜の厚さや物
性によらず、非破壊で、界面欠陥だけの情報を得られる
方法を提供することである。また本発明の目的は、その
情報がプロセスを行っているその場で界面検査方法を提
供することである。さらに界面欠陥の2次元空間分布を
得ることのできる装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、界面に局在し
た欠陥を非破壊、かつその場で観測するために、適当な
波長の光を入射させ、このとき界面において発生する第
2高調波(SHG)の強度をモニターする。J.E.Sipe,
D.J.Moss, H.M.van Driel がフィジカル レビュー(Ph
ysical Review )B35(1987)1129-1141において解析した
ように、第2高調波は反転対称性が破れた場合に発生す
る。一方シリコンのようなダイヤモンド型結晶は、結晶
構造自体が反転対称性を持つ。しかし、現実のシリコン
結晶は表面において結晶構造が打ち切られているため、
反転対称性はその表面においてのみ破られている。こう
したシリコン結晶に一定波長の光を入射した場合は、そ
の第2高調波は表面だけから発生することが予測され
る。実際こうした表面における第2高調波発生はJ.F.Mc
Glipによってジャーナル オブ バキューム サイエン
ス アンド テクノロジ(Journal of Vacuum Science
and Technology)A5(1987)1442-1446 に報告されてい
る。ただし局所的に反転対称性が破れている事情は、シ
リコン表面上に酸化膜などの薄膜が堆積して形成される
界面においても同様である。従ってシリコン上にシリコ
ン酸化膜を形成したような系において、ある波長の光を
入射した場合には、界面だけから第2高調波が発生す
る。従って界面を持つシリコン系などにおいて、第2高
調波発生は界面に極めて敏感である。またプローブとし
て光を用いる為、界面上の薄膜厚さは、光を通す範囲の
厚い膜であっても支障ない。勿論酸化膜によるチャージ
アップは原理的に測定の障害とはならない。 【0006】また測定は特定の波長を持った第2高調波
に対して行えば良い為、実際にプロセスにおいてはプロ
ーブ光を入射させる窓と、その鏡面反射方向に発生する
第2高調波を検出するための窓さえあれば、酸化などの
過程において形成される界面をその場でモニターでき
る。またこの場合に用いるプローブは光であるから、測
定中の真空度、ガス雰囲気などのプロセス環境におい
て、測定を行うための特別な制約は存在しない。従って
酸化などの界面形成プロセスにおいて、界面をその場で
観察することが可能である。 【0007】シリコン結晶上に酸化膜などの薄膜が堆積
している場合には、界面においてシリコン結晶と酸化膜
のある部分は化学結合手によって結合されている。しか
し界面では酸化膜と結合していない、シリコンのダング
リングボンドも存在する。この界面におけるダングリン
グボンドの存在は、結果的に界面における原子構造の不
連続、即ち構造的欠陥をもたらす。また界面ダングリン
グボンドは大きな準位密度を持ち、界面を利用した半導
体デバイスの電極特性における電気的な欠陥の原因とな
る。入射光の波長を適当に選んでやれば、界面から発生
する第2高調波の強度は、こうした界面欠陥の存在に極
めて敏感になる。具体的に界面における第2高調波発生
に寄与するのは、界面において反転対称性を持たない化
学結合手に起因する非線形分極率である。この時、入射
する光の波長が、界面の結合に関係した界面準位による
電子遷移のエネルギーに近い場合は、共鳴効果によって
界面から発生する第2高調波の強度が非常に増大する。
従って、入射波の波長を界面ダングリングボンドの関係
した電子遷移エネルギーに近い値とした場合には、界面
において発生する第2高調波の強度は界面のダングリン
グボンド密度を反映する。 【0008】第2高調波発生を用いて界面欠陥を行う際
のプローブ光はビーム状のもので良い。このためプロー
ブ光ビームを面内で走査する事によって、界面欠陥の2
次元的空間分布を捉えることが可能である。ただしこの
ためには通常、入射光を走査する必要があり、結果的に
測定のための光学系を各測定位置ごとに組み直すことが
必要である。しかしながら第2高調波発生に用いる入射
光を表面垂直方向から入射させ、この時界面において表
面垂直方向に発生する第2高調波を捉える光学系を用い
れば、光軸を走査するかわりに、試料を2次元的に駆動
することで、光軸のセットアップを変えることなく、簡
単かつ短時間に第2高調波強度の2次元的空間分布を測
定することができる。 【0009】 【実施例】以下図面を用いて本発明の実施例について説
明する。図1は本発明を説明するための検査装置の概要
である。シリコンウエハー6は酸化炉5中の試料ステー
ジ7にマウントされる。この試料に対し、YAGレーザ
−1の基本波(1064nm)をプローブ光として照射す
る。この波長は酸化膜とシリコンの界面ダングリングボ
ンドの関係した電子遷移エネルギーに近い値である。プ
ローブ光はNDフィルターによってその強度を5mJ程
度に調節し、さらにその偏光面をポーラライザー3によ
って確定した後に、1064nmの波長の光を完全に透過
するハーモニックセパレーター4を通してシリコンウエ
ハー6に照射される。シリコンウエハーから反射してく
る1064nmの光、およびシリコン酸化膜界面において
発生した波長532nmの第2高調波光はハーモニックセ
パレーターによって分離される。ハーモニックセパレー
ターは1064nmの光は完全透過、532nmの光は完全
反射するため、界面において発生した第2高調波のみが
反射されて受光系に導かれる。ハーモニックセパレータ
ーで反射された光の中から、純粋に532nmの波長の光
のみがカラーフィルター8によって選択される。この光
はさらに入射光と同じ偏光方向を規定するポーラライザ
ー9を通り、ホトマル10によって検出される。ホトマ
ルの信号はYAGレーザーのパルスに同期したものだけ
をボックスカー積分器11で検出することで、精度良く
第2高調波光強度を捉えることができる。入射光のビー
ム系は0.5mm程度である。一方酸化炉中のシリコンウ
エハーはマウントしている試料ステージ7によってX−
Y軸方向の移動が可能である。従って試料ステージを移
動することにより、シリコンウエハー内で入射ビームの
サンプリングしている位置を酸化膜界面内で任意に変化
させることができる。 【0010】図2に実際に図1でシリコンウエハーを酸
素雰囲気中で熱酸化させるプロセスにおいて、そのプロ
セスの途中の一時点でシリコン面12内を入射ビームを
14のようにスキャンさせた時(図2(a))に得られ
た第2高調波の強度分布を図2(b)に示す。このとき
得られた強度分布ではシリコンウエハーの右寄りの位置
13に異常に強いレスポンスを示した。一方酸化後、ウ
エハーの表面を目視すると、異常に強いレスポンスを示
した位置はちょうど酸化が正常に進行していない、黒い
部分に対応していた。この結果は、本発明がシリコンウ
エハーの熱酸化プロセスにおける界面欠陥を、非破壊、
かつその場でしかも2次元的に検出することができるこ
とを示している。 【0011】なお、界面欠陥の定量化を行うこともでき
る。具体的には、はじめにC−V測定によってPbセン
ター(界面のダングリングボンド準位)の準位密度を求
めておき、これに対応する第2高調波(SHG)強度を
図1の例のように測定する。SHG強度はこの界面準位
密度に比例して増大するため、一度この手順でSHG強
度と界面準位密度の変換係数を決定してしまえば、あと
はSHG強度だけで欠陥を定量評価できる。 【0012】また、図1,2の例ではシリコンと酸化膜
の界面を測定したが、反転対称性が破られている界面で
あれば何でもよく、例えばゲルマニウム/酸化膜界面、
シリコン/ゲルマニウムの単原子層超格子などが挙げら
れる。 【0013】またその場観察でなく、熱酸化が終わった
あとに測定してもよいことは自明である。 【0014】 【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明によ
ればシリコン等の結晶の上に薄膜を形成した際の、界面
における欠陥を非破壊、かつその場で2次元的に検査す
ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を説明するための検査装置の説
明図である。 【図2】本発明の実施例を説明するための、シリコン酸
化膜界面から発生した第2高調波の強度分布を示す図で
ある。 【符号の説明】 1 YAGレーザー 2 NDフィルター 3 ポーラライザー 4 ハーモニックセパレーター 5 酸化炉 6 Siウエハー 7 試料ステージ 8 カラーフィルター 9 ポーラライザー 10 ホトマル 11 ボックスカー積分器 12 シリコンウエハー 13 不均一酸化点 14 ビームスキャンライン
明図である。 【図2】本発明の実施例を説明するための、シリコン酸
化膜界面から発生した第2高調波の強度分布を示す図で
ある。 【符号の説明】 1 YAGレーザー 2 NDフィルター 3 ポーラライザー 4 ハーモニックセパレーター 5 酸化炉 6 Siウエハー 7 試料ステージ 8 カラーフィルター 9 ポーラライザー 10 ホトマル 11 ボックスカー積分器 12 シリコンウエハー 13 不均一酸化点 14 ビームスキャンライン
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】反転対称性が破られた界面に局在した欠陥
を検査する方法であって、界面に光を照射しそれによっ
て界面から発生した第2高調波の強度を測定することで
前記の欠陥を測定することを特徴とする界面検査方法。 【請求項1】反転対称性が破られた界面を形成すると
き、光を照射しそれによって発生した第2高調波の強度
を測定することで、形成中の界面に局在する欠陥をその
場で測定する界面検査方法。 【請求項3】界面に照射する光として、界面ダングリン
グボンドの関係した電子遷移エネルギーに近い値の波長
の光を用いる請求項1または2に記載の界面検査方法。 【請求項4】反転対称性が破られた界面としてシリコン
酸化膜とシリコンの界面を測定する請求項1、2または
3に記載の界面検査方法。 【請求項5】基板上に反転対称性が破られた界面を形成
する製造装置に、基板のプローブ光を照射する手段と、
基板を平行移動して基板面内のほぼ全体に前記プローブ
光が照射されるようにする手段と、反射光に含まれる界
面からの第2高調波を測定する手段を備え、界面状態を
基板面内の位置の関数として測定する界面検査装置。 【請求項6】光は基板に対して垂直に照射する請求項5
に記載の界面検査装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5368794A JPH07260702A (ja) | 1994-03-24 | 1994-03-24 | 界面検査方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5368794A JPH07260702A (ja) | 1994-03-24 | 1994-03-24 | 界面検査方法およびその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07260702A true JPH07260702A (ja) | 1995-10-13 |
Family
ID=12949733
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5368794A Pending JPH07260702A (ja) | 1994-03-24 | 1994-03-24 | 界面検査方法およびその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07260702A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10816480B2 (en) | 2018-09-18 | 2020-10-27 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Method of detecting a defect on a substrate, apparatus for performing the same and method of manufacturing semiconductor device using the same |
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-
1994
- 1994-03-24 JP JP5368794A patent/JPH07260702A/ja active Pending
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---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
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