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JPH07258480A - ポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents

ポリオレフィン樹脂組成物

Info

Publication number
JPH07258480A
JPH07258480A JP5615894A JP5615894A JPH07258480A JP H07258480 A JPH07258480 A JP H07258480A JP 5615894 A JP5615894 A JP 5615894A JP 5615894 A JP5615894 A JP 5615894A JP H07258480 A JPH07258480 A JP H07258480A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
ethylene
block
molecular weight
mfr
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5615894A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Sakurai
井 秀 雄 桜
Yoshiharu Yamamoto
本 義 治 山
Hajime Mizuno
野 肇 水
Ayafumi Hirota
田 礼 文 広
Tomofumi Shibazaki
崎 智 文 柴
Nobuaki Sakurai
井 伸 彰 桜
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP5615894A priority Critical patent/JPH07258480A/ja
Publication of JPH07258480A publication Critical patent/JPH07258480A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 フィルム成形時の臭いが無く、高速成形でも
良好なバブル安定性が得られ、良好な外観のフィルムを
与えるポリオレフィン樹脂組成物の提供。 【構成】 成分AとBとからなるポリオレフィン樹脂組
成物。 成分A:低分子量部〔MFR(2.16kg190℃)500〜5000g/1 0分〕30〜60wt%と高分子量部〔MFR(21.6kg190℃)0.1 〜1g/10分〕40〜70wt%からなりMFR(2.16kg190℃)が 0.02〜0.2g/10分、密度0.940〜0.960g/cm3 のエチレン 重合体 80〜99重量部 成分B:光散乱分子量1×106 以上のプロピレン・エ チレンブロック共重合体を有機過酸化物0.001〜0.1wt%の共存下、1 80〜300℃で溶融混練処理して得られた、MFR(2.16kg230℃) が0.1〜10g/10分の変性プロピレン・エチレンブロック共重合体 1〜20重量部

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエチレン系のフィ
ルム用樹脂組成物に関するものである。さらに詳しく
は、本発明は、低分子量と高分子量部から成る特定のポ
リエチレンに、特定の変性プロピレン・エチレンブロッ
ク共重合体を特定の割合で配合した、フィルム用ポリオ
レフィン樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、高密度ポリエチレン系樹脂を
成形して得られるフィルム、特にブロー比3以上でイン
フレーション成形して得られるいわゆる高ブロー比フィ
ルムは、耐衝撃性および引張り強度などの機械的特性が
すぐれているためにショッピングバッグなどに大量に使
用されている。そして、この原料であるポリエチレン系
樹脂としてはチーグラー型触媒によって重合された、低
分子量部と高分子量部から成る、いわゆるバイモーダル
な分子量分布をもつポリエチレンが、一般的に使用され
ている。
【0003】また、近年、生産性の向上、作業の効率化
等から成形機の改良が進み、成形速度が高速化する傾向
にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、高速で成形
すればするほど、特にインフレーション法では、押出さ
れた管状物の溶融体が固化する過程で不安定となり、安
定な管状物が得にくいことから、均一なインフレーショ
ンフィルムを得ることが難しかった。さらにひどい場合
には、この管状物の安定度、いわゆるバブル安定性、が
極度に悪くなって、ついにはインフレーション成形が不
能となることがある。
【0005】上記の問題を改良すべく種々の方法が提案
されているが(特公昭62−28975号および特開昭
59−84940号公報)、成形性を改良しようとする
と臭いの問題が生じたり、外観悪化、とくにフィッシュ
アイが増加したり、フィルムの強度が低下する等の問題
が生じがちであった。
【0006】そこで、工業的に簡便な方法で、高速かつ
安定したインフレーションフィルム成形を可能にするバ
ブル安定性の優れた技術が強く望まれている。 〔発明の概要〕
【0007】
【課題を解決するための手段】
<要旨>本発明は、上記の問題点に解決を与えることを
目的とし、特定の処理を施したプロピレン・エチレンブ
ロック共重合体をポリエチレンに配合することにより、
この目的を達成しようとするものである。
【0008】すなわち、本発明によるポリオレフィン樹
脂組成物は、下記成分(A)80〜99重量部と下記成
分(B)1〜20重量部(ただし、成分(A)と成分
(B)の合計を100重量部とする)とを含有してなる
こと、を特徴とするものである。
【0009】成分(A) MFR(2.16kg荷重、190℃)が500〜50
00g/10分の低分子量部30〜60重量%とMFR
(21.6kg荷重、190℃)が0.1〜1g/10
分の高分子量部40〜70重量%とから成り、MFR
(2.16kg荷重、190℃)が0.02〜0.2g
/10分、密度が0.940〜0.960g/cm3 であ
るエチレン重合体。
【0010】成分(B) 下記aブロックとbブロックとから成り、光散乱分子量
が1×106 以上であるプロピレン・エチレンブロック
共重合体を、0.001〜0.1重量%の有機過酸化物
の共存下、180〜300℃で溶融混練処理して得られ
たMFR(2.16kg荷重、230℃)が0.1〜1
0g/10分である変性プロピレン・エチレンブロック
共重合体。
【0011】<aブロック>MFR(2.16kg荷
重、230℃)が10〜300g/10分のプロピレン
単独重合体またはエチレン含量5重量%以下のプロピレ
ン・エチレン共重合体であって、成分(B)のブロック
共重合体の60〜90重量%を占める成分。
【0012】<bブロック>エチレン単独重合体または
プロピレン含量が20重量%以下のエチレン・プロピレ
ン共重合体であって、成分(B)のブロック共重合体の
10〜40重量%を占める成分。
【0013】<効果>本発明によるポリオレフィン樹脂
組成物は、フィルム成形時に臭いが無く、高速成形でも
良好なバブル安定性が得られ、かつ良好な外観のフィル
ムを提供することができるものである。 〔発明の具体的説明〕本発明によるポリオレフィン樹脂
組成物は、成分(A)のエチレン重合体80〜99重量
部と成分(B)の変性プロピレン・エチレンブロック共
重合体1〜20重量部(両成分の合計を100重量部と
する)とを含有してなること、を特徴とするものであ
る。ここで、「含有してなる」とは、成分(A)および
(B)以外の成分を含有してもよいことを意味するもの
である。成分(A)および(B)以外の成分を含むとき
は、成分(A)および(B)の重量比は両者の合計を1
00重量部とする。
【0014】成分(A) 本発明で用いられる成分(A)は、MFR(2.16k
g荷重、190℃)が500〜5000g/10分の低
分子量部30〜60重量%とMFR(21.6kg荷
重、190℃)が0.1〜1g/10分の高分子量部4
0〜70重量%とから成り、MFR(2.16kg荷
重、190℃)が0.02〜0.2g/10分であり、
かつ密度が0.940〜0.960g/cm3 であるエチ
レン重合体からなる成分である。
【0015】この成分(A)のエチレン重合体は、高分
子量部および低分子量部共にポリエチレン主体重合体、
すなわち、好ましくは例えば、エチレン単独重合体、ま
たはエチレンとエチレンと共重合可能なコモノマー、た
とえば炭素数3〜8、好ましくは3〜6、のα−オレフ
ィン、との共重合体、またはこれらの2種以上の混合物
であり、特に好ましくはエチレン単独重合体、である。
エチレンと共重合可能なコモノマーであるα−オレフィ
ンの具体例としては、例えばプロピレン、1−ブテン、
1−ヘキセンおよび1−オクテンなどがある。コモノマ
ーの含量は、当該重合体の通常10重量%以下、好まし
くは5重量%以下、である。
【0016】成分(A)の低分子量部は、MFR(2.
16kg荷重、190℃)が500〜5000g/10
分、好ましくは1000〜4000g/10分、のもの
であり、高分子量部はMFR(21.6kg荷重、19
0℃)が0.1〜1g/10分、好ましくは0.2〜
0.5g/10分、のものである。ここで、MFRは、
JIS K−6760に従って測定した値である。
【0017】低分子量部のMFRが500g/10分未
満では、成形時の押出し負荷が高くなって、加工性が低
下する。一方、5000g/10分を越えると、混合時
の各成分の均一性が低下するばかりか、そのようなエチ
レン重合体は製造しにくくなる。
【0018】また、高分子量部のMFRが0.1g/1
0分未満では、フィッシュアイが発生したり、加工性が
低下するため好ましくなく、一方、これが1g/10分
を越えると、後述する成分(B)を配合してもインフレ
ーション成形時のバブルが不安定となって、高速成形性
が付与できない。
【0019】低分子量部及び高分子量部の分子量分布指
数(Q値)は、それぞれ、好ましくは3〜6、特に好ま
しくは4〜5.5、である。Q値が3未満では押出し加
工性が悪くなり、6を越えると衝撃強度が低下すること
がある。
【0020】成分(A)のエチレン重合体の低分子量部
と高分子量部との量比は、重量比で60対40〜30対
70、好ましくは50対50〜40対60、の範囲であ
る。低分子量部の量が60%を越えると衝撃強度が著し
く低下し、30%未満であると押出し加工性が著しく低
下するため望ましくない。
【0021】成分(A)を構成するエチレン重合体は、
高、低分子量の二成分からなるが、この二成分は、所定
のMFR値を持つものを別途用意して、それを所定量比
でかつ所定MFRおよび密度の混合物を与えるように混
合することによって得ることができる。しかし、この
高、低分子量の二成分からなるエチレン重合体は、所謂
「ケミカルブレンド」によって得ることが好ましい。す
なわち、成分(A)は、好ましくは、チーグラー触媒を
用い、低分子量部を製造する工程と高分子量部を製造す
る工程とからなる二段階重合を、両工程間で触媒の補給
ないし別種触媒の供給を行ないまたは行なわずに(後者
が普通である)、実施することにより製造することがで
きる。
【0022】その場合のチーグラー触媒は慣用のものが
あり得て、具体的には、例えばチタン含有化合物もしく
は好ましくはマグネシウム含有化合物に、チタン含有化
合物に担持させた遷移金属成分と有機アルミニウム化合
物とを組合せた、公知の触媒がある。そのような触媒と
しては、具体的には、特開昭54−45696号、同5
8−198504号、同59−149905号、同49
−51378号、同50−95382号、同50−13
9885号、同53−30681号、同53−1478
6号、同54−142192号、同54−148093
号各公報等に記載された触媒を例示できる。
【0023】成分(A)は、このようなチーグラー触媒
を用いて公知の手法、例えば懸濁重合、溶液重合、気相
重合などの方法によって、高分子量部を製造する重合工
程と低分子量部を製造する重合工程の二段重合により製
造することができ、特に重合条件等は公知の方法が採用
できる。中でも気相で、上記の順序で重合を行うのが好
ましい。
【0024】高分子量エチレン重合体を製造する工程
は、高分子量を与える重合条件、たとえば低温重合およ
び(または)分子量調節剤(たとえば水素)の不使用ま
たは低濃度での使用、その他の条件で実施すればよく、
低分子量エチレン重合体を製造する工程は、低分子量を
与える重合条件、たとえば高温重合および(または)分
子量調節剤(たとえば水素)の使用または高濃度での使
用、その他の条件で実施すればよい。
【0025】各工程で生成するエチレン重合体のMFR
(およびQ)は、第一(前段)の工程では当該工程の重
合体をサンプリングして測定することによって知ること
ができ、第二(後段)の工程で得られるエチレン重合体
のそれは、そのような重合体を与える重合条件を簡単な
予備実験によって知っておいてその条件で重合を実施す
るか、最終産物のMFRを測定して次式 a log
MFRa+(1−a)log MFRb=log MF
Rp(但し、a=前段での重合割合、MFRa=前段重
合体のMFR、MEFb=後段重合体のMFR、MFR
p=最終産物のMFR)によって算出することができ
る。
【0026】このようにして製造された成分(A)のエ
チレン重合体の2.16kg荷重、190℃でのMFR
は、0.02〜0.2g/10分、好ましくは0.04
〜0.1g/10分、であり、密度は0.940〜0.
960g/cm3 、好ましくは0.945〜0.955g
/cm3 、である。MFRが0.02g/10分未満で
は、加工時の負荷が高くなって加工性が低下し、0.2
g/10分以上になるとインフレーション成形時のバブ
ルの安定性が低下したり、衝撃強度が低下するので好ま
しくない。また、密度が0.940g/cm3 未満では得
られるフィルムが軟らかくなり過ぎ、0.960g/cm
3 を越えると衝撃強度が低下する。
【0027】成分(B) 成分(B)は、下記aブロックとbブロックとから成
り、光散乱分子量が1×106 以上であるプロピレン・
エチレンブロック共重合体を、0.001〜0.1重量
%の有機過酸化物の共存下、180〜300℃で溶融混
練処理して得られたMFR(2.16kg荷重、230
℃)が0.1〜10g/10分である変性プロピレン・
エチレンブロック共重合体である。
【0028】成分(B)は、それが特定の物性のプロピ
レン・エチレンブロック共重合体に基くものであるとい
う点に加えて、このブロック共重合体が有機過酸化物と
共に溶融混練したものであるという点に最大の特徴を有
する。この有機過酸化物処理によってプロピレン・エチ
レンブロック共重合体は架橋して低MFRのものとな
り、それを成分(A)に所定量比で配合することによっ
て、有機過酸化物処理を経ていないプロピレン・エチレ
ンブロック共重合体(高MFRであることがふつうであ
る)を配合した場合に比べて高速インフレーション成形
に耐える樹脂組成物が得られる。
【0029】成分(B)のプロピレン・エチレンブロッ
ク共重合体は、先ず、aブロックとbブロックとからな
る。ここで、「からなる」ということは、このブロック
共重合体が挙示のブロック(すなわちaブロックおよび
bブロック)のみによって構成されている場合の外に、
少量の非本質的なブロックがさらに含まれていてもよい
ことを意味する。
【0030】そして、この「ブロック共重合体」は、そ
の好ましい製造法が各ブロックを形成させる工程を引き
続いて実施することからなることに相当して、aブロッ
クおよびbブロック(および必要に応じて付加されるブ
ロック)が一つの重合分子鎖上に存在する典型的な構造
のものの外に、それと対極的な各ブロック用ポリマーの
混合物およびその中間の構造のもの、を包含するもので
ある。換言すれば、このブロック共重合体は、各ブロッ
クを構成するポリマーの「ケミカルブレンド」である。
この観点からすれば、aブロックおよびbブロックは、
それぞれa成分およびb成分と呼ぶことができる。
【0031】従って、aブロックおよびbブロックにつ
いてのMFRその他の条件は、前記の成分(A)の好ま
しい製造法であるケミカルブレンドの場合と同様に、当
該ブロック形成工程で印加される重合条件によって決定
されるものとして理解すべきである。
【0032】<aブロック>aブロックは、MFR
(2.16kg荷重、230℃)が10〜300g/1
0分のプロピレン単独重合体またはエチレン含量5重量
%以下のプロピレン・エチレン共重合体であって、成分
(B)のブロック共重合体の60〜90重量%を占める
成分である。
【0033】aブロックのMFRは、10〜300g/
10分、好ましくは20〜200g/10分、である。
MFRが10g/10分未満であると溶融混練処理時の
粘度が高くなり過ぎる為に溶融混練処理が困難になる。
一方、MFRが300g/10分を越えるとプロピレン
重合体は、重合時の触媒活性が低下して、経済的に不利
であるばかりでなく、製品中の触媒残渣が多くなって品
質上も悪影響が出てくる。
【0034】aブロックは、プロピレン単独重合体また
はエチレン含量5重量%以下のプロピレン・エチレン共
重合体であるが、これらの重合体は炭素数4〜6のα−
オレフィン、例えば1−ブテンや1−ヘキセンなど、を
aブロックの5重量%以下含有してもよい。エチレン含
量が5重量%を越えると、重合中に非晶性成分が多量に
生成し、最終ブロック共重合体パウダーの性状が悪化す
る。
【0035】aブロックのブロック共重合体(成分
(B))中の割合は、60〜90重量%、好ましくは7
0〜80重量%、である。aブロックの割合が上記範囲
未満であると重合体パウダーの性状が悪化し、上記範囲
を越えると、本発明の組成物が優れた成形性を示さなく
なる。
【0036】<bブロック>bブロックは、エチレン単
独重合体またはプロピレン含量が20重量%以下のエチ
レン・プロピレン共重合体であって、成分(B)のブロ
ック共重合体の10〜40重量%を占める成分である。
【0037】bブロックの重合体は、炭素数4〜6のα
−オレフィン、例えば1−ブテンや1−ヘキセンなど、
をbブロックの20重量%以下含有してもよい。bブロ
ック中のプロピレン含量は、20重量%以下、好ましく
は15重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下、
である。プロピレン含量が上記範囲を越えると、最終ブ
ロック共重合体パウダーの性状が悪化するばかりでな
く、本発明の組成物が優れた成形性を示さなくなる。
【0038】bブロックのブロック共重合体(成分
(B))中の割合は、10〜40重量%、好ましくは2
0〜30重量%、である。bブロックの割合が上記範囲
未満であると本発明の組成物が優れた成形性を示さな
い。一方、上記範囲を越えると重合体パウダーの性状が
悪化する。
【0039】<ブロック共重合体>上述のaブロックと
bブロックとから成るプロピレン・エチレンブロック共
重合体は、光散乱分子量が1×106 以上、好ましくは
1.3×106 以上、さらに好ましくは1.6×106
以上、のものである。光散乱分子量の上限は4×106
程度である。光散乱分子量が1×106 未満であると本
発明の組成物が優れた成形性を示さない。
【0040】プロピレン・エチレンブロック共重合体の
光散乱分子量の測定方法は下記の通りである。
【0041】測定に用いた装置は以下の通りである。 GPC:150C(Waters社製) LALLS(低角度レーザー光散乱強度測定装置):K
MX−6(Chromatix社製) 装置は、試料溶液注入部から順にインサートフィルター
(Waters社製、品番88084)、ゲルカラム、
トランスファーチューブ(135.0±0.1℃)、L
ALLS、トランスファーチューブ(135.0±0.
1℃)、示差屈折計の順序でシリアルに接続した。な
お、ゲルカラムとLALLSとの間にはフィルターは使
用していない。溶液は、試料10mgを精秤し溶媒を20
ml加えて濃度C0 とし、140℃オーブン中で1時間あ
たり数回攪拌操作を加え、約2時間かけて溶解した。次
に、目視で不溶分がないことを確認した後、更に1時間
140℃で加熱し、完全に試料が溶解した後に溶解状態
のままオートサンプラー用バイアルに移し、測定用溶液
とした。この溶解処理の操作においてフィルター等によ
る濾過は一切行っていない。測定条件は以下の通りであ
る。
【0042】GPC カラム:Shodex社製UT−806M 2本 溶媒:1,2,4−トリクロルベンゼン(酸化防止剤:
BHT0.2wt%) 温度:140℃ 注入量(Vinj):300μl 流速:0.5ml/min LALSS 温度:135℃ セル:ステンレス製10μlフローセル フィルドストップ:0.2mm 時定数:0.3sec 見かけの散乱角度:6〜7° 試料重量(m):C0 ×Vinj/α ここでαは溶媒の膨張率(=溶媒25℃の密度/溶媒1
40℃の密度)でありα=1.112 重量平均分子量は次の式から求めた。
【0043】
【数1】 n:溶媒の屈折率(1.502) λ:入射レーザー光の波長(632.8nm) NA :アボガドロ定数(6.022×1023) dn/dc:濃度増分による屈折率の変化率(−0.10
4) θ:散乱角度(4.322°) Gθ(Solution)i :Viにおける溶液の散乱強度 Gθ(Solvent ):溶媒の散乱強度 D:入射光強度測定時のフィルター透過率と散乱光強度
測定時の透過率の比 σ´l´:散乱長(溶媒の屈折率や散乱角度等によって
決まる装置定数でありKMX−6 INSTRUCTI
ON MANUALに従った) <ブロック共重合体の製造>成分(B)のブロック共重
合体は、所定のブロックが形成される限り任意の方法に
よって製造することができるが、好ましい製造法は各ブ
ロックを形成する工程からなる二段重合を、両工程に触
媒の補給ないし別触媒の供給を行ないあるいは行なわず
に(後者がふつうである)、実施することにより製造す
ることが好ましい。すなわち、成分(B)のプロピレン
・エチレンブロック共重合体は、好ましくはチーグラー
触媒を用いて二段階重合で製造することができる。この
とき使用するチーグラー触媒としては、好ましくは三塩
化チタン組成物と有機アルミニウム化合物との組合せ触
媒、チタン成分をマグネシウム化合物に担持させた担持
型固体触媒成分と有機アルミニウム化合物との組合せ触
媒などが用いられる。
【0044】重合の順序は、aブロックおよびbブロッ
クのどちらを先に製造してもよいが、最終ブロック共重
合体パウダーの性状の点からaブロック、すなわち樹脂
質成分であるプロピレン重合体、を先に製造するのが好
ましい。採用できる重合は、溶媒中で行なうスラリー重
合、液体モノマー中で行なう塊状重合、および気相雰囲
気で行なう気相重合があり、いずれの重合様式も採用し
うる。また、重合操作は連続式でも回分式でもよい。
【0045】<有機過酸化物>本発明による成分(B)
は、上記のようなプロピレンブロック共重合体を有機過
酸化物と共に溶融混練して得たものである。
【0046】溶融混練温度が比較的高いので、溶融混練
時の有機過酸化物の過早分解がないようにするために
は、本発明で使用する有機過酸化物は、分解温度が比較
的高いもの、例えば100℃での半減期が10時間を越
えるもの、が好ましい。
【0047】本発明で用いられる有機過酸化物は、好ま
しくは(イ)ジアルキルパーキシド類、好ましくは炭素
数8〜30のアルキル基を有するもの、例えば2,5−
ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオ
キシヘキシン−3など、(ロ)ハイドロパーオキシド
類、好ましくは炭素数4〜20のもの、例えば、2,5
−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキシ
ド、p−メンタンハイドロパーオキシドなど、(ハ)ケ
トンパーオキシド類、および(ニ)パーオキシエステル
類、の中の100℃における半減期が10時間をこえる
ものなどが適当である。
【0048】有機過酸化物のプロピレン・エチレンブロ
ック共重合体への添加割合は、0.001〜0.1重量
%、好ましくは0.002〜0.05重量%、さらに好
ましくは0.005〜0.03重量%、である。有機過
酸化物の添加割合が上記範囲未満では本発明の組成物の
加工性が低下し、また上記範囲を越えると、フィルム外
観が悪化し、成形時の臭いが問題となってくる。
【0049】<成分(B)の製造/有機過酸化物との混
練>本発明の成分(B)を製造するに際しての、プロピ
レン・エチレンブロック共重合体への有機過酸化物の混
合方法は任意であって、固体状(好ましくは、粉状ない
し粒状)または液状の両者を混合して行なう方法があ
る。好ましい方法としては、粉状または粒状の前者と液
状または粉状の後者を単に攪拌混合する方法、適当な溶
剤、例えばメタノール、アセトン、等に溶解させた前記
有機過酸化物溶液を前記ブロック共重合体に添加してそ
の後溶剤を乾燥させる方法、および比較的多量の前記有
機過酸化物を含むマスターバッチのペレットをつくり、
有機過酸化物量が所定の範囲になるようにこのペレット
を前記ブロック共重合体に加える方法などがある。
【0050】溶融混練処理の方法としては、バンバリー
ミキサー、カレンダーロール、スクリューコンベアー等
による方法もあるが、単軸あるいは二軸押出機による溶
融混練が工業的に有利である。溶融混練処理の温度は、
180〜300℃、好ましくは200〜280℃、であ
る。温度が上記範囲未満では、有機過酸化物の作用が十
分でなかったり、ブロック共重合体全体に対して均質に
及ばないため、本発明の組成物の成形加工性が低下す
る。一方、温度が上記範囲を越えると、ブロック共重合
体の熱劣化が進行するため、本発明の組成物の成形加工
性が低下する。溶融混練時間は、10秒〜60分、好ま
しくは20秒〜30分、である。
【0051】以上のようにして、本発明の成分(B)を
得ることができる。成分(B)のMFR(2.16kg
荷重、230℃)は、0.1〜10g/10分、好まし
くは0.2〜5g/10分、さらに好ましくは0.3〜
1.0g/10分、である。成分(B)のMFRが上記
範囲未満では、成分(B)が成分(A)に対して分散不
良となり、本発明の組成物の成形加工性が低下し、さら
にフィルム外観が悪化する。一方、MFRが上記範囲を
越えると、本発明の組成物の成形加工性が低下する。
【0052】ポリオレフィン樹脂組成物 本発明のポリオレフィン樹脂組成物において、成分
(A)と成分(B)の配合割合は、重量割合で成分
(A):成分(B)が99:1〜80:20、好ましく
は98:2〜90:15、さらに好ましくは97:3〜
92:10、である。成分(B)の配合割合が1重量部
未満ではバブル安定性が付与できない。また、20重量
部を越える場合には、フィルムの衝撃強度及びフィルム
外観が低下するため好ましくない。
【0053】本発明による成分(A)と成分(B)とを
含有してなるポリオレフィン樹脂組成物には、各種の添
加剤ないし充填剤、例えば熱安定剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、顔料、帯電防止剤、滑剤、充填剤、他のポリ
オレフィン、熱可塑性樹脂、ゴム等の通常ポリオレフィ
ンに添加、ブレンド可能な物質を、必要に応じて使用す
ることができる。
【0054】したがって、本発明によるポリオレフィン
樹脂組成物は、成分(A)および成分(B)のみを含有
してなるものの外に、必要に応じて使用される例えば上
記各種の添加剤等を含有してなるものをも包含するもの
である。
【0055】成分(A)と成分(B)とを混合し、溶融
混練して本発明の組成物を得るが、溶融混練は一軸また
は二軸混練部と押出機またはギアポンプとの組合せが一
般的である。なかでも二軸混練部とギアポンプとの組合
せが工業的に有利である。
【0056】
【実施例】以下の実施例および比較例に於いて用いた測
定方法及び測定条件は次の通りである。 (1)MFR JIS K−6760に準拠し、成分(A)は190
℃、成分(B)は230℃の温度で、荷重2.16kg
または21.6kgの条件で測定した値で、単位はg/
10分である。 (2)密度;JIS K−6760にしたがって測定し
た。 (3)Q値;分子量分布指数を表わし、ゲルバーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)で求めた重量平均
分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した値(Q
=Mw/Mn)である。
【0057】GPCは、Waters社製「GPC15
0C」の装置、昭和電工社製「AD80M/s」のカラ
ム、検出器に赤外吸光光度計を用い、o−ジ−クロルベ
ンゼンの溶媒中、試料濃度2mg/mlにて140℃で
測定した。標準物質は、ポリエチレン(NBS147
5)を用いた。 (4)バブルの安定性 原料ペレットを50mm径の押出機、120mm径のダイス
でシリンダー及びダイス温度185℃の条件下、ブロー
比3.9でインフレーション成形を行ない、50mm径の
押出機の回転数を徐々に増加して引取り速度を変えなが
ら20μのフィルムが安定的に成形できる最高押出量を
求めた。 (5)フィルムの衝撃強度 上記(4)でつくった最高押出機のフィルムについて振
り子式インパクトテスターを使用し、衝撃子に1インチ
の半球を使って測定した。値は、フィルムを貫通破壊さ
せるのに要したエネルギーをフィルムの厚みで除したも
のであり、単位はkg−cm/cmである。 (6)フィルムの外観 上記(4)でつくったフィルムを透過光下、肉眼でフィ
ルム面の状態を観察し、フィルムにすじやむらが認めら
れず良好な状態を○、すじ、むら、フィッシュアイ等が
発生し、均質性に欠ける状態を×で表わす。
【0058】実施例1成分(A)の製造 <触媒合成>充分に脱気乾燥したヘキサン4リットルに
無水のMgCl2 (ボールミルで24時間粉砕したも
の)を500gおよびTi(O−nC4 9 4 を50
0ml導入して、70℃で30分間反応させた。次いでn
−ブタノール288ミリリットルとヘキサン288ミリ
リットルの混合物を導入し、70℃で1時間反応させ
た。そこへTiCl4 を123ミリリットル導入して7
0℃で1時間反応させた。次いで、メチルハイドロジェ
ンポリシロキサンを480ミリリットル導入して、70
℃で2時間反応させた。反応終了後、得られた固体成分
をそのまま触媒成分とした。
【0059】<重合>内容積200リットルの第1段重
合器に脱水精製した溶媒ヘキサンを50リットル/h
r、トリエチルアルミニウム80mmol/hrの速度
で、前記担体付触媒をTi原子に換算して2mmol/
hrを連続的に供給し、重合器内容物を所要速度で排出
しながら、95℃においてエチレンを14kg/hr、
水素を35Nm3 /hrの速度で導入し、全圧7kg/
cm2 、平均滞留時間2時間の条件下で連続的に第1段重
合を行う。
【0060】重合で生成したポリエチレン(成分(A)
の低分子量部であり、第1段重合器から採取したものを
分析した結果、MFRが3000g/10分、Q値は4
である。)を同速度においてフラッシュ・ドラムに導
き、溶液中に含まれる水素を分離後、そのまま内容積2
00リットルの第2段重合器に全量導入し、触媒を追加
することなく、精製ヘキサン50リットル/hrを供給
し、重合器内容物を所要速度で排出しながら、70℃に
おいてエチレンを15.5kg/hr、1−ブテンを1
000g/hr、水素0.3Nm3 /hrの速度で導入
して全圧を7kg/cm2 、滞留時間1時間の条件下で連
続的に第2段重合を行った。
【0061】第2段重合器から得られた成分(A)のパ
ウダーのMFRは0.07g/10分で、密度は0.9
50g/cm3 であった。
【0062】1段目と2段目での重合体の割合は46:
54に相当し、別に第2段重合と同様の条件で行った単
独重合の実験結果から、2段目の重合器のみで生成して
いるエチレン共重合体(成分(A)の高分子量部)のM
FR(21.6kg荷重)は0.3g/10分でQ値は
5であると推定される。
【0063】成分(B)の製造 1) 触媒調製 窒素置換した500ml内容積のガラス製三ツ口フラスコ
(温度計、滴下ロート、攪拌棒付き)に、144mlの精
製ヘプタンと58mlの四塩化チタンを加える。また、滴
下ロートには120mlのヘプタンと66mlのジエチルア
ルミニウムクロリドを仕込む。フラスコを−10℃に冷
却し、120rpm の攪拌のもとで3時間でジエチルアル
ミニウムクロリドを滴下する。さらに−10℃で1時間
反応させたのち、系の温度を1時間でゆっくりと65℃
に昇温する。65℃で1時間反応させたのち、デカンテ
ーションにより上澄液を分離し、新しい精製ヘプタン2
00mlで5回洗浄する。つぎに250mlのヘプタンと9
9mlのジイソアミルエーテルを添加し、35℃で1時間
反応させた。反応終了後、先の四塩化チタンの還元時と
同様に精製ヘプタン200mlで5回洗浄する。つぎに1
50mlのヘプタンと116mlの四塩化チタンを加えて6
5℃で2時間反応させる。反応終了後、精製ヘプタン2
00mlで5回洗浄する。最後に150mlのヘプタンとn
−ブタノール2.3mlを加え、室温で1時間反応させ、
ヘプタン200mlで3回洗浄して固体触媒成分とした。
【0064】2) 重合 内容積200リットルの攪拌式オートクレーブをプロピ
レンで充分置換した後、充分に脱水・脱酸素したn−ヘ
プタン63リットを導入し、ジエチルアルミニウムクロ
リド50g、前記三塩化チタン組成物10gを60℃で
プロピレン雰囲気下で導入した。第1段重合は、オート
クレーブを65℃に昇温した後、水素濃度を15vol %
に調節しながらプロピレンを9kg/時間の流量で導入
することにより開始した。
【0065】169分後、プロピレン導入をやめ、さら
に重合を65℃で90分間継続させた。気相部プロピレ
ンを0.3kg/cm2 Gとなるまでパージした。
【0066】次に、安息香酸n−ブチル60mlを重合槽
に添加した。
【0067】後段重合は、オートクレーブを60℃に降
温した後、エチレンを3.4kg/時間で導入して15
0分間実施した。
【0068】このようにして得られたスラリーを濾過し
乾燥させて、粉末状のプロピレン・エチレンブロック共
重合体を得た。
【0069】前段重合で得られたポリプロピレンのMF
Rは、136g/10分であり、ブロック共重合体パウ
ダーのMFRは0.5g/10分であった。前段重合と
後段重合の反応割合は75:25であった。光散乱分子
量は1.73×106 であった。
【0070】3) 有機過酸化物の混合・溶融混練処理 上記により得られたプロピレン・エチレンブロック共重
合体パウダーに2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブ
チルパーオキシヘキシン−3を表1に示す割合で、更に
酸化防止剤ないし熱安定剤として、テトラキス〔メチレ
ン−3−(3´,5´−ジ−t−ブチル−4´−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕メタンを1000PPM
、およびステアリン酸カルシウム500PPM を添加し
て、ヘンシェルミキサーで混合した。次いで、ユニオン
・プラスチックス(株)製ベント付き30mmφ押出機で
ダイス出口の樹脂温度が260℃になるように制御しな
がら樹脂を押出して、MFRが0.7g/10分のペレ
ット状の成分(B)を得た。
【0071】インフレーションフィルムの製造 上記でそれぞれ得た成分(A)及び成分(B)を、成分
(A)=97重量部、成分(B)=3重量部、そして、
この成分(A)及び成分(B)の合計量に対して、熱及
び酸化防止剤として、テトラキス〔メチレン−3−(3
´,5´−ジ−t−ブチル−4´−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕メタンを1000ppm およびステ
アリン酸カルシウム1000ppm をそれぞれ添加し、ヘ
ンシェルミキサー中で攪拌混合した。この混合物を径3
5mmの二軸押出機を使用し、280℃の温度で混練しな
がら押出し、ペレット化した。このペレットを用いてイ
ンフレーション成形を行い、得られたフィルムを評価し
た。結果は表1に示される通りである。
【0072】実施例2 実施例1に於いて、成分(A)と成分(B)の割合を変
えること以外は、実施例1と同様に行なった。結果は表
1に示される通りである。
【0073】実施例3 実施例1に於いて、成分(A)と成分(B)の割合及び
成分(B)製造の際の有機過酸化物添加量を変えること
以外は、実施例1と同様に行なった。結果は表1に示さ
れる通りである。
【0074】実施例4 実施例1に於いて、成分(A)と成分(B)の割合及び
成分(B)製造の際の有機過酸化物の種類と添加量を変
えること以外は、実施例1と同様に行なった。結果は表
1に示される通りである。
【0075】実施例5成分(A)の製造 実施例1と同様に行なった。
【0076】成分(B)の製造 1)触媒調製 実施例1と同様に行なった。 2)重合 内容積200リットルの攪拌式オートクレーブをプロピ
レンで充分置換した後、充分に脱水および脱酸素したn
−ヘプタン63リットルを導入し、ジエチルアルミニウ
ムクロリド50g、前記三塩化チタン組成物12gを6
5℃でプロピレン雰囲気下で導入した。第1段重合は、
オートクレーブを70℃に昇温した後、水素濃度を16
vol %に調節しながらプロピレンを9kg/時間の流量
で導入することにより開始した。
【0077】158分後、プロピレン導入をやめ、さら
に重合を70℃で90分間継続させた。気相部プロピレ
ンを0.2kg/cm2 Gとなるまでパージし、さらに安
息香酸n−ブチル60mlを重合槽に添加した。
【0078】後段重合は、オートクレーブを60℃に降
温した後、エチレンを3.4kg/時間で導入して18
0分間実施した。
【0079】このようにして得られたスラリーを濾過・
乾燥して粉末状のプロピレンエチレンブロック共重合体
を得た。
【0080】前段重合で得られたポリプロピレンのMF
Rは、192g/10分であり、ブロック共重合体パウ
ダーのMFRは0.3g/10分であった。前段重合と
後段重合の反応割合は70:30であった。光散乱分子
量は2.16×106 であった。
【0081】以下、実施例1と同様にしてフィルムを製
造し、その物性を測定した。なお、有機過酸化物の添加
量及び成分(A)と成分(B)の割合は表1に示される
通りである。結果は表1に示される通りである。
【0082】実施例6 実施例5に於いて、成分(A)と成分(B)の割合及び
成分(B)製造の際の有機過酸化物の種類と添加量を変
えること以外は、実施例5と同様に重合操作を行なっ
た。結果は表1に示される通りである。 実施例7成分(A)の製造 <触媒合成>実施例1と同様に行なった。
【0083】<重合>低分子量部のMFRを2500g
/10分とし、第2段重合器から得られたパウダーのM
FRを0.06g/10分とすること以外は、実施例1
と同様にして成分(A)を製造した。
【0084】成分(B)の製造 実施例2と同様に行なった。
【0085】以下、実施例2と同様にしてフィルム製造
を行ない、物性を測定した。結果は表1に示される通り
である。
【0086】実施例8成分(A)の製造 実施例7と同様に行なった。
【0087】成分(B)の製造 有機過酸化物の添加量を変えること以外は実施例5と同
様に行なった。
【0088】以下、実施例5と同様にフィルムの製造迄
行なった。結果は表1に示される通りである。
【0089】比較例1 成分(B)の製造に於いて、有機過酸化物を添加しない
こと以外は実施例2と同様に行なった。結果は表1に示
される通りである。
【0090】比較例2成分(A)の製造 実施例1と同様に行なった。
【0091】成分(B)の製造 プロピレン・エチレンブロック共重合体の製造に於い
て、後段重合開始時に安息香酸ブチルを添加しないこと
以外は実施例2と同様に行なった。ブロック共重合体の
光散乱分子量は0.71×106 であり、MFRは1.
8g/10分であった。
【0092】以下、実施例6と同様にしてフィルムの製
造迄行なった。結果は表1に示される通りである。
【0093】比較例3成分(A)の製造 実施例7と同様に行なった。
【0094】成分(B)の製造 プロピレン・エチレンブロック共重合体の製造に於い
て、前段重合と後段重合の反応割合を95:5とするこ
と以外は、実施例6と同様に行なった。光散乱分子量は
0.55×106 であり、MFRは16.8g/10分
であった。
【0095】以下、実施例6と同様にしてフィルムの製
造迄行なった。結果は表1に示される通りである。
【0096】
【表1】
【0097】
【発明の効果】本発明によるポリオレフィン樹脂組成物
は、フィルム成形時に臭いが無く、高速成形でも良好な
バブル安定性が得られ、かつ良好な外観のフィルムを提
供することができるものであることは前記したところで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広 田 礼 文 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内 (72)発明者 柴 崎 智 文 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内 (72)発明者 桜 井 伸 彰 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記成分(A)80〜99重量部と下記成
    分(B)1〜20重量部(ただし、成分(A)と成分
    (B)の合計を100重量部とする)とを含有してなる
    ことを特徴とする、ポリオレフィン樹脂組成物。成分(A) MFR(2.16kg荷重、190℃)が500〜50
    00g/10分の低分子量部30〜60重量%とMFR
    (21.6kg荷重、190℃)が0.1〜1g/10
    分の高分子量部40〜70重量%とから成り、MFR
    (2.16kg荷重、190℃)が0.02〜0.2g
    /10分であり、かつ密度が0.940〜0.960g
    /cm3 であるエチレン重合体。成分(B) 下記aブロックとbブロックとから成り、光散乱分子量
    が1×106 以上であるプロピレン・エチレンブロック
    共重合体を、0.001〜0.1重量%の有機過酸化物
    の共存下、180〜300℃で溶融混練処理して得られ
    たMFR(2.16kg荷重、230℃)が0.1〜1
    0g/10分である変性プロピレン・エチレンブロック
    共重合体。 <aブロック>MFR(2.16kg荷重、230℃)
    が10〜300g/10分のプロピレン単独重合体また
    はエチレン含量5重量%以下のプロピレン・エチレン共
    重合体であって、成分(B)のブロック共重合体の60
    〜90重量%を占める成分。 <bブロック>エチレン単独重合体またはプロピレン含
    量が20重量%以下のエチレン・プロピレン共重合体で
    あって、成分(B)のブロック共重合体の10〜40重
    量%を占める成分。
  2. 【請求項2】成分(A)のエチレン重合体が、低分子量
    部を与える重合条件でのエチレンの重合工程および高分
    子量部を与える重合条件でのエチレンの重合工程の二段
    階からなる重合によって製造したものである、請求項1
    のポリオレフィン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】高分子量部を与える重合工程に続いて低分
    子量部を与える重合工程を実施する、請求項2のポリオ
    レフィン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】成分(B)のプロピレン・エチレンブロッ
    ク共重合体が、aブロックを与える重合条件での関与モ
    ノマーの重合工程およびbブロックを与える重合条件で
    の関与モノマーの重合工程の二段階からなる重合によっ
    て製造したものである、請求項1〜3のポリオレフィン
    樹脂組成物。
  5. 【請求項5】aブロックを与える重合工程に続いてbブ
    ロックを与える重合工程を実施する、請求項4のポリオ
    レフィン樹脂組成物。
  6. 【請求項6】成分(B)を与える有機過酸化物が、2,
    5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキ
    サン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパー
    オキシヘキシン−3、2,5−ジメチルヘキサン−2,
    5−ジハイドパーオキシドまたはp−メンタンハイドロ
    パーオキシドである、請求項1〜5のポリオレフィン樹
    脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002249635A (ja) * 2001-02-26 2002-09-06 Japan Polychem Corp 自動車外装材用ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれを成形してなる自動車用サイドモール

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JP2002249635A (ja) * 2001-02-26 2002-09-06 Japan Polychem Corp 自動車外装材用ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれを成形してなる自動車用サイドモール

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