JPH07258036A

JPH07258036A - 固型粉末化粧料

Info

Publication number: JPH07258036A
Application number: JP7418894A
Authority: JP
Inventors: Akihito Yokozuka; 暁人横塚; Yoshikazu Soyama; 美和曽山
Original assignee: Shiseido Co Ltd
Current assignee: Shiseido Co Ltd
Priority date: 1994-03-18
Filing date: 1994-03-18
Publication date: 1995-10-09

Abstract

(57)【要約】【構成】球状粉末５０重量％以上と、水溶性高分子
と、油分とを含有することを特徴とする固型粉末化粧
料。【効果】なめらかで油っぽくない使用性を有し、成形
性、耐衝撃性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、アイシャドー、頬紅等
に有用な固型粉末化粧料に関する。

【０００２】

【従来の技術および発明が解決しようとする課題】アイ
シャドー、頬紅に一般的に使用される球状粉末には、球
状ポリエチレン、球状ポリメタクリル酸メチル、球状ポ
リスチレン、ナイロン末、球状シリカ、ポリメチルシル
セスキオキサン等があり、なめらかで油っぽくない使用
感を得るために１〜５重量％程度配合されてきた。配合
量を増やすことによりさらに使用性は向上するが、一般
的に球状粉末は成形性が悪く１０重量％以上配合すると
耐衝撃性が著しく低下する。したがって耐衝撃性を向上
させるため、ワックスを配合する方法がとられてきてい
るがワックスの配合により、なめらかな使用感がそこな
われてしまい球状粉末の持つなめらかな使用感が十分に
得られなかった。また、ワックスを多量に配合するため
油分も通常より多く配合する必要があり、そのため瞼で
色がよれ易く色持ちが悪いといった欠点があった。

【０００３】本発明者らは、上記問題に鑑み鋭意検討し
た結果、球状粉末を全体量に対して５０重量％以上と、
水溶性高分子と油分を配合したならば上記課題が解決す
ることを見いだして本発明を完成するに至った。

【０００４】

【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は球状
粉末を全体量に対して５０重量％以上と、水溶性高分子
と、油分とを含有することを特徴とする固型粉末化粧料
である。本発明による固型粉末化粧料は、なめらかで油
っぽくない使用感を有し、しかも耐衝撃性に優れたもの
である。

【０００５】以下、本発明の構成について詳述する。本
発明に用いられる球状粉末にはポリエチレン、ポリスチ
レン、ナイロン、ポリメタクリル酸メチル、シリカ、ポ
リメチルシルセスキオキサン、シリコーン樹脂粉末等が
あり、含有量は全体量に対して５０重量％以上である。
５０重量％未満では特徴とするなめらかで油っぽくない
使用感が得られない。

【０００６】本発明に用いられる水溶性高分子には、ム
コ多糖類、天然水溶性高分子化合物、合成水溶性高分子
化合物がある。ムコ多糖類としてはヒアルロン酸、Ｎ−
アセチルグルコサミン、グルクロン酸等の塩、天然水溶
性高分子化合物類としてデキストリン、ゼラチン、カゼ
イン、ペクチン酸ナトリウム、デンプン、メチルセルロ
ース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース
ナトリウム等、合成水溶性高分子化合物としてポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン等があり、これら
のうちの１種または２種以上が用いられる。これらの中
では特にヒアルロン酸の塩、カルボキシメチルセルロー
スナトリウムが成形性の点で好ましい。ポリビニルアル
コールは凝集がおこりやすいので他の水溶性高分子と組
み合わせて用いた方が好ましい。

【０００７】水溶性高分子の含有量は、本発明の固型粉
末化粧料全量中０．１〜１０重量％であり、好ましくは
０．５〜５重量％である。０．１重量％未満では成形性
が悪く、１０重量％を超えて配合するとチップ等への化
粧料のとれ方の点で好ましくない。

【０００８】本発明に用いられる油分は通常、固型粉末
化粧料に配合されるものは全て配合することができる。
例えば、スクワラン、流動パラフィン、ワセリン等の炭
化水素類、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸、セ
チルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルア
ルコール等の高級アルコール、セチル−２−エチルヘキ
サノエート、２−エチルヘキシルパルミテート、２−オ
クチルドデシルミリステート、２−オクチルドデシルガ
ムエステル、ネオペンチルグリコール−２−エチルヘキ
サネート、イソオクチル酸トリグリセライド、２−オク
チルドデシルオレエート、イソプロピルミリステート、
イソステアリン酸トリグリセライド、ヤシ油脂肪酸トリ
グリセライド等のエステル類、オリーブ油、アボガド
油、ラノリン等の油脂類、ジメチルポリシロキサン、環
状ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキ
サン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコ
ーン等のシリコーン類が挙げられる。

【０００９】含有量は色材の発色に必要な量があればよ
く特に限定しないが、色持ちの観点からなるべく少量、
例えば３〜５重量％が好ましい。逆に言えば、本発明の
固型粉末化粧料はこのような低油分量で、かつ球状粉末
を多量に配合していても成形が可能な技術である。

【００１０】本発明の固型粉末化粧料には、上記成分の
他に本発明の効果を損なわない範囲で上記した以外の粉
末、防腐剤、薬剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、体質
顔料、パール剤、色材、酸化防止剤等の配合が可能であ
る。但し、一般の化粧品に適用できる成分であればよ
く、上記成分に限定されるものではない。

【００１１】これらのうち粉末としては例えば、タル
ク、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチ
ア雲母、セリサイト、パーミキュライト、カオリン、二
酸化チタン、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆タル
ク、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、オキシ塩化ビ
スマス、魚鱗箔、着色酸化チタン被覆雲母等のパール顔
料、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等の金属
粉末顔料、酸化鉄（ベンガラ）、チタン酸鉄の無機赤色
顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土
等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の
無機黒色顔料、マンゴバイオレット、コバルトバイオレ
ット等の無機紫色顔料、酸化クロム、水酸化クロム、チ
タン酸コバルト等の無機緑色系顔料、群青、紺青等の無
機青色系顔料、亜鉛崋、ベントナイト、硫酸バリウム、
金属石鹸、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カル
シウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸
ストロンチウム、タングステン酸金属塩、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カ
ーボンブラック、アルミナ、ヒドロキシアパタイト、窒
化ホウ素、シリカ、ナイロンパウダー、ゼオライト、ベ
ンゾグアナミンパウダー、四弗化エチレンパウダー、ポ
リアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレ
ンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパ
ウダー、セルロースパウダー、シリコーン樹脂粉末、赤
色２０１号、赤色２０２号、赤色２０４号、赤色２０５
号、赤色２２０号、赤色２２６号、赤色２２８号、赤色
４０５号、橙色２０３号、橙色２０４号、黄色２０５
号、黄色４０１号及び青色４０４号等の有機顔料、赤色
３号、赤色１０４号、赤色１０６号、赤色２２７号、赤
色２３０号、赤色４０１号、赤色５０５号、橙色２０５
号、黄色４号、黄色５号、黄色２０２号、黄色２０３
号、緑色３号及び青色１号のジルコニウム、バリウム又
はアルミニウムレーキ等の有機顔料、クロロフィル、β
−カロチン等の天然色素などである。球状粉末およびそ
の他の粉末はそのままで配合してもよいし、疎水化処理
等の表面処理をしていて配合しても構わない。

【００１２】本発明の固型粉末化粧料の製造方法は特に
限定されないが、水溶性高分子を配合するため、粉末部
と油相部を混合し、水及び／又は含水アルコールに溶解
した水溶性高分子を加え混練した後、所定の中皿に充填
し、水及び／又は含水アルコールを乾燥等により除去す
る方法が好ましい。この場合のアルコールとは炭素数３
以下の脂肪族アルコールをさす。

【００１３】

【発明の効果】本発明の固型粉末化粧料は球状粉末のな
めらかで油っぽくない使用性を保持しながら、成形性、
耐衝撃性に優れた化粧料である。さらに操作性（塗布の
しやすさ）、仕上がりの透明性、発色性にも優れるもの
である。

【００１４】

【実施例】次に本発明の実施例について説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。

【００１５】実施例１（アイシャドー）Ａ. 粉末部タルク３７部球状ポリメチルシルセスキオキサン５０部有機顔料適量パール剤適量防腐剤適量Ｂ. 油相部流動パラフィン５部Ｃ. 水相部イオン交換水適量９９％エタノール適量ヒアルロン酸Ｎａ３部ジプロピレングリコール５部製法Ａの粉末部をヘンシェルミキサーで混合後，Ｂの油相部
を粉末部に添加し、均一に混合する。さらにヒアルロン
酸Ｎａとジプロピレングリコールをイオン交換水に均一
に溶解後、９９％エタノールを添加し均一に調整した水
相部をヘンシェルミキサーに添加しスラリーにした後、
中皿に充填し、５０〜６０゜Ｃで乾燥し、アイシャドー
を得た。

【００１６】実施例２（アイシャドー）実施例１と同様にして表１記載の処方でアイシャドーを
製造した。

【００１７】比較例１、２、３実施例１と同様にして表１記載の処方でアイシャドーを
製造した。

【００１８】＜試験法＞実施例１、２および比較例１、
２、３のアイシャドーについて、使用性、化粧持ち、耐
衝撃性について比較した。表１のデータは、女性パネル
３０名にアイシャドーを左右の瞼に塗布してもらい、使
用性、化粧持ちをテストしたものである。評価基準は次
の通りである。 ◎：非常に良い ○：良い △：悪い ×：非常に悪い

【００１９】また、耐衝撃性については、３０ｃｍの高
さからの落下試験によるもので、何回目の落下で割れた
かによって評価した。評価基準は次の通りである。 ◎：１１回目以上 ○：７〜１０回目 △：５〜６回目 ×：４回目以下

【００２０】

【表１】

【００２１】表１から明かなように、本発明のアイシャ
ドーは、比較例と比べて使用性、化粧持ち、耐衝撃性に
おいて非常に良好であることがわかる。

【００２２】実施例３頬紅粉末部タルク１４部球状ポリスチレン７０部酸化鉄赤０．５部酸化チタン２．５部油相部ミリスチン酸亜鉛５部流動パラフィン３部香料適量防腐剤適量酸化防止剤適量水相部イオン交換水適量９９％エタノール適量ポリビニルアルコール５部（製法）実施例１と同様にして頬紅を得た。このものは
若干粉末の凝集がみられたが、頬紅としては使用可能な
ものであった。

【００２３】実施例４アイシャドー粉末部球状ポリメタクリル酸メチル粉末４５部球状ポリスチレン粉末４０部有機顔料３部パール剤３部油相部流動パラフィン４部防腐剤適量香料適量紫外線吸収剤適量水相部ヒドロキシプロピルセルロース５部イオン交換水適量９９％エタノール適量（製法）実施例１と同様にしてアイシャドーを得た。成
形性、耐衝撃性いずれも問題なく、なめらかな使用感を
有していた。

【００２４】実施例５アイシャドー球状シリカ５０部マイカ２８部群青１部酸化チタン４部パール剤２部流動パラフィン４部防腐剤適量香料適量紫外線吸収剤適量水相部ヒドロキシプロピルセルロース１０部イオン交換水適量９９％エタノール適量（製法）実施例１と同様にしてアイシャドーを得た。成
形性、耐衝撃性いずれも問題なく、なめらかな使用感を
有していた。また色持ちも良好であった。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】球状粉末を全体量に対して５０重量％以上
と、水溶性高分子と、油分とを含有することを特徴とす
る固型粉末化粧料。
【請求項２】水溶性高分子がムコ多糖類、天然水溶性高
分子化合物、合成水溶性高分子化合物から選ばれる１種
または２種以上である請求項１記載の固型粉末化粧料。