JPH07248036A - 摺動ブッシュ及びその製法 - Google Patents
摺動ブッシュ及びその製法Info
- Publication number
- JPH07248036A JPH07248036A JP6663994A JP6663994A JPH07248036A JP H07248036 A JPH07248036 A JP H07248036A JP 6663994 A JP6663994 A JP 6663994A JP 6663994 A JP6663994 A JP 6663994A JP H07248036 A JPH07248036 A JP H07248036A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- inner cylinder
- resin
- convex portion
- collar
- resin bearing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Support Of The Bearing (AREA)
- Vibration Prevention Devices (AREA)
- Springs (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 摺動ブッシュ製造の作業性を向上させる。
【構成】 内筒1の外周に凸部10を設け、その軸方向
両端を段差をなす環状壁12とする。カラー2の内周側
には、凸部10と対面する凹部14を設け、双方の間に
形成される空間へ樹脂ベアリング部成形用の樹脂を内筒
1の軸方向と平行な方向から注入すると、樹脂は凸部1
0の外周面11を覆うと同時に環状壁12上へ回り込
み、そのまま硬化すると、収縮によって凸部10へ一体
化し、同時に凹部14の表面との間に微細なクリアラン
ス18を形成し、凹部14側を摺動面にする。これによ
り、収縮量の厳格な管理条件を緩和し、かつ、摺動面を
成形時に傷つけにくくでき、そのうえ、樹脂ベアリング
部3と弾性体4の形成時期を無関係にでき、製造の自由
度が大きくなる。
両端を段差をなす環状壁12とする。カラー2の内周側
には、凸部10と対面する凹部14を設け、双方の間に
形成される空間へ樹脂ベアリング部成形用の樹脂を内筒
1の軸方向と平行な方向から注入すると、樹脂は凸部1
0の外周面11を覆うと同時に環状壁12上へ回り込
み、そのまま硬化すると、収縮によって凸部10へ一体
化し、同時に凹部14の表面との間に微細なクリアラン
ス18を形成し、凹部14側を摺動面にする。これによ
り、収縮量の厳格な管理条件を緩和し、かつ、摺動面を
成形時に傷つけにくくでき、そのうえ、樹脂ベアリング
部3と弾性体4の形成時期を無関係にでき、製造の自由
度が大きくなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ねじれや、場合によ
りこじれ等が作用する場所に使用する摺動ブッシュに関
する。
りこじれ等が作用する場所に使用する摺動ブッシュに関
する。
【0002】
【従来の技術】車両のサスペンション等、ねじれや、場
合によりこじれ等が作用する場所に使用する摺動ブッシ
ュは公知であり、このようなものの一例として、特開昭
61−287807号がある。このものは、中間部外周
に部分的な大径部をなす球状凸部を設けた内筒と、この
周囲に同心状に設けられる筒状の部材であって、内周面
の凸部と対応する部分に球状凹部を形成したカラーと、
これら球状の凸部と凹部とで形成される空間内に注入さ
れた樹脂からなる樹脂ベアリング部と、カラーの周囲に
設けられた弾性体とを備え、ねじれとこじれの両方に対
応できるようになっている。
合によりこじれ等が作用する場所に使用する摺動ブッシ
ュは公知であり、このようなものの一例として、特開昭
61−287807号がある。このものは、中間部外周
に部分的な大径部をなす球状凸部を設けた内筒と、この
周囲に同心状に設けられる筒状の部材であって、内周面
の凸部と対応する部分に球状凹部を形成したカラーと、
これら球状の凸部と凹部とで形成される空間内に注入さ
れた樹脂からなる樹脂ベアリング部と、カラーの周囲に
設けられた弾性体とを備え、ねじれとこじれの両方に対
応できるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記公知例の
場合、樹脂ベアリング部はカラー側へ一体化され、樹脂
ベアリング部の内表面と凸部の外表面が樹脂ベアリング
部面になる。このため樹脂ベアリング部と凸部表面との
間に微細なクリアランスを形成しなければならないが、
樹脂ベアリング部は、凸部と凹部の間へ射出される樹脂
によって成形されるため、その硬化時における収縮量を
何らかの方法でコントロールしなければならず、このコ
ントロールが極めて困難であった。
場合、樹脂ベアリング部はカラー側へ一体化され、樹脂
ベアリング部の内表面と凸部の外表面が樹脂ベアリング
部面になる。このため樹脂ベアリング部と凸部表面との
間に微細なクリアランスを形成しなければならないが、
樹脂ベアリング部は、凸部と凹部の間へ射出される樹脂
によって成形されるため、その硬化時における収縮量を
何らかの方法でコントロールしなければならず、このコ
ントロールが極めて困難であった。
【0004】そのうえ、射出成形時に摺動面となる凸部
表面を傷つけないように慎重に作業する必要があり、こ
れらの点で成形が難しくなる。また、この公知例では樹
脂をカラーの半径方向に沿って、外周側から内部へ向け
て射出しているため、カラーの周囲へ弾性体を形成する
よりも先に、必ず樹脂ベアリング部を形成しなければな
らず、製造方法の自由度が少なくなってしまった。本願
はこのような問題点の解決を目的にする。
表面を傷つけないように慎重に作業する必要があり、こ
れらの点で成形が難しくなる。また、この公知例では樹
脂をカラーの半径方向に沿って、外周側から内部へ向け
て射出しているため、カラーの周囲へ弾性体を形成する
よりも先に、必ず樹脂ベアリング部を形成しなければな
らず、製造方法の自由度が少なくなってしまった。本願
はこのような問題点の解決を目的にする。
【0005】
【上記課題を解決するための手段】上記課題を解決する
ため本願に係る摺動ブッシュは、中間部外周の一部に大
径部をなす凸部を設けた内筒と、この周囲に同心状に設
けられる筒状の部材であって、前記凸部との間に空間を
形成する凹部を内周側に設けたカラーと、これら凸部と
凹部間の前記空間内に注入された樹脂によって形成され
た樹脂ベアリング部と、カラーの周囲に設けられた弾性
体とを備える摺動ブッシュにおいて、内筒の軸方向にお
ける凸部の両端部に内筒の外周面と段差をなす環状壁を
設け、樹脂ベアリング部は、凸部の外周面を覆うととも
に一部が前記環状壁の表面を覆う回り込み部をなすこと
により前記凸部と一体化し、樹脂ベアリング部と前記凹
部の間で摺動することを特徴とする。
ため本願に係る摺動ブッシュは、中間部外周の一部に大
径部をなす凸部を設けた内筒と、この周囲に同心状に設
けられる筒状の部材であって、前記凸部との間に空間を
形成する凹部を内周側に設けたカラーと、これら凸部と
凹部間の前記空間内に注入された樹脂によって形成され
た樹脂ベアリング部と、カラーの周囲に設けられた弾性
体とを備える摺動ブッシュにおいて、内筒の軸方向にお
ける凸部の両端部に内筒の外周面と段差をなす環状壁を
設け、樹脂ベアリング部は、凸部の外周面を覆うととも
に一部が前記環状壁の表面を覆う回り込み部をなすこと
により前記凸部と一体化し、樹脂ベアリング部と前記凹
部の間で摺動することを特徴とする。
【0006】また、この摺動ブッシュを製造するための
本願に係る製法は、カラーの内側へ内筒を入れて凸部と
凹部を合わせ、凸部と凹部の間に形成された空間に、内
筒の軸方向から樹脂を注入することを特徴とする。
本願に係る製法は、カラーの内側へ内筒を入れて凸部と
凹部を合わせ、凸部と凹部の間に形成された空間に、内
筒の軸方向から樹脂を注入することを特徴とする。
【0007】
【作用】カラーの内側へ内筒を入れて凸部と凹部を合わ
せ、凸部と凹部の間に形成された空間に、内筒の軸方向
から樹脂を注入すると、この空間内へ注入された樹脂は
凸部の外周面を覆うとともに、内筒の軸方向における凸
部の両端部に形成されている環状壁上へ回り込む。この
状態で樹脂が硬化すると、環状壁上へ回り込んだ樹脂か
らなる回り込み部の存在によって、樹脂全体が凸部側へ
収縮するため、樹脂ベアリング部は凸部と一体化し、同
時に樹脂ベアリング部の外表面と凹部の内表面との間に
クリアランスが自動的に形成され、このクリアランスを
挟んで摺動面が形成される。
せ、凸部と凹部の間に形成された空間に、内筒の軸方向
から樹脂を注入すると、この空間内へ注入された樹脂は
凸部の外周面を覆うとともに、内筒の軸方向における凸
部の両端部に形成されている環状壁上へ回り込む。この
状態で樹脂が硬化すると、環状壁上へ回り込んだ樹脂か
らなる回り込み部の存在によって、樹脂全体が凸部側へ
収縮するため、樹脂ベアリング部は凸部と一体化し、同
時に樹脂ベアリング部の外表面と凹部の内表面との間に
クリアランスが自動的に形成され、このクリアランスを
挟んで摺動面が形成される。
【0008】
【発明の効果】本願の摺動ブッシュは、内筒の軸方向に
おける凸部の両端部に内筒の外周面と段差をなす環状壁
を設け、樹脂ベアリング部が、凸部の外周面を覆うとと
もに一部が前記環状壁の表面を覆う回り込み部をなすの
で、樹脂の硬化時における収縮を利用して樹脂ベアリン
グ部を凸部側へ一体化させ、かつ、樹脂ベアリング部の
外表面と凹部の間にクリアランスを形成することによ
り、樹脂ベアリング部の外表面と凹部の各表面を摺動面
にできる。このため、従来のように収縮量のコントロー
ルを必要とする困難な行程が不要になり、かつ、樹脂の
注入時に摺動面を傷つけるおそれがなくなるので、作業
性が向上する。
おける凸部の両端部に内筒の外周面と段差をなす環状壁
を設け、樹脂ベアリング部が、凸部の外周面を覆うとと
もに一部が前記環状壁の表面を覆う回り込み部をなすの
で、樹脂の硬化時における収縮を利用して樹脂ベアリン
グ部を凸部側へ一体化させ、かつ、樹脂ベアリング部の
外表面と凹部の間にクリアランスを形成することによ
り、樹脂ベアリング部の外表面と凹部の各表面を摺動面
にできる。このため、従来のように収縮量のコントロー
ルを必要とする困難な行程が不要になり、かつ、樹脂の
注入時に摺動面を傷つけるおそれがなくなるので、作業
性が向上する。
【0009】また、本願の製法によれば、カラーの内側
へ内筒を入れて凸部と凹部を一致させ、これら凸部と凹
部の間に形成された空間に、内筒の軸方向から樹脂を注
入するので、従来のように、カラーの外周側における射
出関連作業が無くなるため、樹脂ベアリング部の成形の
前後いずれでもカラーの外側へ弾性体を形成できる。し
たがって、製造方法の自由度を大きくできる。
へ内筒を入れて凸部と凹部を一致させ、これら凸部と凹
部の間に形成された空間に、内筒の軸方向から樹脂を注
入するので、従来のように、カラーの外周側における射
出関連作業が無くなるため、樹脂ベアリング部の成形の
前後いずれでもカラーの外側へ弾性体を形成できる。し
たがって、製造方法の自由度を大きくできる。
【0010】
【実施例】図1乃至図4に基づいて、自動車のサスペン
ションアーム用に形成された摺動ブッシュの第1実施例
を説明する。図2は本実施例の軸方向断面を示し、図1
はその樹脂ベアリング部部分についての拡大図である。
ションアーム用に形成された摺動ブッシュの第1実施例
を説明する。図2は本実施例の軸方向断面を示し、図1
はその樹脂ベアリング部部分についての拡大図である。
【0011】これらの図において明らかなように、摺動
ブッシュは、内筒1、これと同心でその周囲へ嵌合する
筒状のカラー2、内筒1とカラー2の間に設けられる樹
脂ベアリング部3、カラー2の外周側へ設けられる弾性
体4、この弾性体4の外周側が焼き付けで一体化した外
筒5、内筒1とカラー2の各軸方向両端部に設けられる
ダストカバー6を備えている。ダストカバー6にはリン
グ枠7が一体に設けられている。但し、図2中に仮想線
で示すように、ダストカバー6を弾性体4と一体に形成
することもできる。
ブッシュは、内筒1、これと同心でその周囲へ嵌合する
筒状のカラー2、内筒1とカラー2の間に設けられる樹
脂ベアリング部3、カラー2の外周側へ設けられる弾性
体4、この弾性体4の外周側が焼き付けで一体化した外
筒5、内筒1とカラー2の各軸方向両端部に設けられる
ダストカバー6を備えている。ダストカバー6にはリン
グ枠7が一体に設けられている。但し、図2中に仮想線
で示すように、ダストカバー6を弾性体4と一体に形成
することもできる。
【0012】弾性体4は、ゴム又は適当なエラストマー
等からなる公知の部材であり、通常はカラー2と同心状
に形成された円筒状の部材であり、焼き付け、又は、嵌
合によってカラー2の外周側へ一体化されている。
等からなる公知の部材であり、通常はカラー2と同心状
に形成された円筒状の部材であり、焼き付け、又は、嵌
合によってカラー2の外周側へ一体化されている。
【0013】外筒5は内側へ弾性体4を嵌合するための
円筒状をなす金属部材であり、図示しない車体側などの
被取付部材に予め設けられている取付穴へ嵌合されるよ
うになっている。
円筒状をなす金属部材であり、図示しない車体側などの
被取付部材に予め設けられている取付穴へ嵌合されるよ
うになっている。
【0014】図3はカラー2へ内筒1を嵌合し、まだ樹
脂ベアリング部3を形成していない状態において、将来
樹脂ベアリング部3を形成する部分を拡大して示す部分
断面図であり、図4は樹脂ベアリング部3を射出成形す
る状態を示す断面図である。
脂ベアリング部3を形成していない状態において、将来
樹脂ベアリング部3を形成する部分を拡大して示す部分
断面図であり、図4は樹脂ベアリング部3を射出成形す
る状態を示す断面図である。
【0015】これらの図において明らかなように、内筒
1の中間部外周には、半径方向へ突出する大径部である
凸部10が一体に形成され、その外周面11は球状凸面
をなし、かつ、内筒1の軸方向における両端部は、凸部
10近傍における内筒1の外周面から段差をなして軸直
交方向へ張り出した環状壁12になっている。
1の中間部外周には、半径方向へ突出する大径部である
凸部10が一体に形成され、その外周面11は球状凸面
をなし、かつ、内筒1の軸方向における両端部は、凸部
10近傍における内筒1の外周面から段差をなして軸直
交方向へ張り出した環状壁12になっている。
【0016】一方、カラー2の中間部には内周側に厚肉
部13が形成されている。厚肉部13における最小内径
は凸部10における最大外径よりも若干大きく、内筒1
をカラー2内へ嵌合し、かつ厚肉部13の内側へ凸部1
0を位置させることができるようになっている。
部13が形成されている。厚肉部13における最小内径
は凸部10における最大外径よりも若干大きく、内筒1
をカラー2内へ嵌合し、かつ厚肉部13の内側へ凸部1
0を位置させることができるようになっている。
【0017】厚肉部13の中央部で、内筒1を嵌合した
とき凸部10と対面する位置に凹部14が形成されてい
る。凹部14は凸部10における外周面11と同心の球
状凹面に形成され、この凹部14と凸部10との間に樹
脂注入用の空間15が形成されている。
とき凸部10と対面する位置に凹部14が形成されてい
る。凹部14は凸部10における外周面11と同心の球
状凹面に形成され、この凹部14と凸部10との間に樹
脂注入用の空間15が形成されている。
【0018】この空間15内へ注入された樹脂によって
形成される樹脂ベアリング部3は、図1において明らか
なように、凸部10の外周面11と凹部14の間に形成
される摺動部16と、環状壁12の周囲へ回り込んで形
成される回り込み部17が一体に形成され、略コ字状断
面になっている。
形成される樹脂ベアリング部3は、図1において明らか
なように、凸部10の外周面11と凹部14の間に形成
される摺動部16と、環状壁12の周囲へ回り込んで形
成される回り込み部17が一体に形成され、略コ字状断
面になっている。
【0019】なお、摺動部16の外周面と凹部14の内
周面は、それぞれ摺動面をなし、両者の間に微細なクリ
アランス18が形成されている。このため、内筒1とカ
ラー2は樹脂ベアリング部3を介して、ねじれ方向並び
に軸方向へ傾くこじれ方向の各相対運動が可能になって
いる。
周面は、それぞれ摺動面をなし、両者の間に微細なクリ
アランス18が形成されている。このため、内筒1とカ
ラー2は樹脂ベアリング部3を介して、ねじれ方向並び
に軸方向へ傾くこじれ方向の各相対運動が可能になって
いる。
【0020】次に、図4に基づいて、樹脂ベアリング部
3の成形方法を説明する。まず、内筒1とカラー2を一
方の合わせ型20にセットして凸部10と凹部14を一
致させ、他方の合わせ型21を型締めする。なお、合わ
せ型20、21には、それぞれ内筒1とカラー2の間へ
入り、先端が環状壁12と所定の間隔を形成する回り込
み部用成形部22、23が形成されているため、凸部1
0と凹部14並びに回り込み部用成形部22、23の各
先端によって樹脂ベアリング部3を成形するためのキャ
ビティイ24が形成される。
3の成形方法を説明する。まず、内筒1とカラー2を一
方の合わせ型20にセットして凸部10と凹部14を一
致させ、他方の合わせ型21を型締めする。なお、合わ
せ型20、21には、それぞれ内筒1とカラー2の間へ
入り、先端が環状壁12と所定の間隔を形成する回り込
み部用成形部22、23が形成されているため、凸部1
0と凹部14並びに回り込み部用成形部22、23の各
先端によって樹脂ベアリング部3を成形するためのキャ
ビティイ24が形成される。
【0021】また、一方の回り込み部用成形部22に
は、これを貫通して内筒1の軸方向と平行に形成され、
かつ先端がキャビティイ24に連通している樹脂通路2
5が形成されている。そこで、この樹脂通路25から、
図示しない射出成形機によって成形用の溶融樹脂をキャ
ビティイ24内へ射出すると、溶融樹脂は外周面11と
凹部14の間を埋めると同時に環状壁12の周囲へ回り
込む。
は、これを貫通して内筒1の軸方向と平行に形成され、
かつ先端がキャビティイ24に連通している樹脂通路2
5が形成されている。そこで、この樹脂通路25から、
図示しない射出成形機によって成形用の溶融樹脂をキャ
ビティイ24内へ射出すると、溶融樹脂は外周面11と
凹部14の間を埋めると同時に環状壁12の周囲へ回り
込む。
【0022】その後、溶融樹脂が冷却硬化すると、摺動
部16と回り込み部17が一体になった樹脂ベアリング
部3が形成される。この樹脂ベアリング部3は、回り込
み部17の存在によって、硬化時に凸部10の周囲へ向
かって収縮するので、凸部10の周囲へ一体化するとと
もに、凹部14の表面との間に、微細なクリアランス1
8が自動的に形成される。なお、このクリアランス18
の大きさは、成形温度などの成形条件や、樹脂材料の選
択によって任意に制御できる。
部16と回り込み部17が一体になった樹脂ベアリング
部3が形成される。この樹脂ベアリング部3は、回り込
み部17の存在によって、硬化時に凸部10の周囲へ向
かって収縮するので、凸部10の周囲へ一体化するとと
もに、凹部14の表面との間に、微細なクリアランス1
8が自動的に形成される。なお、このクリアランス18
の大きさは、成形温度などの成形条件や、樹脂材料の選
択によって任意に制御できる。
【0023】このため、クリアランス18を利用して確
実に凹部14側に摺動面が形成されるようになり、か
つ、クリアランス18の大きさが多少バラついても、摺
動性が確保されるので、従来のように面倒な収縮量の厳
格な管理が不要になる。また、摺動面が凹部14側にな
り、この部分は回り込み部用成形部22、23のような
成形型に接触しないので、成形時に摺動面を傷付けるお
それがなくなる。このため、従来と比べて遥かに作業が
容易になり、作業性が向上する。
実に凹部14側に摺動面が形成されるようになり、か
つ、クリアランス18の大きさが多少バラついても、摺
動性が確保されるので、従来のように面倒な収縮量の厳
格な管理が不要になる。また、摺動面が凹部14側にな
り、この部分は回り込み部用成形部22、23のような
成形型に接触しないので、成形時に摺動面を傷付けるお
それがなくなる。このため、従来と比べて遥かに作業が
容易になり、作業性が向上する。
【0024】また、樹脂ベアリング部3を凸部10側へ
一体化する構成の採用によって、樹脂を内筒1とカラー
2の間へ、内筒1と平行の方向からに射出できるので、
従来のように、カラー2の外周部へ内外を貫通する穴を
開け、この穴よりカラー2の外方から半径方向に沿って
内方へ樹脂を射出する場合と比較すると、摺動ブッシュ
製造の自由度が大きくなる。
一体化する構成の採用によって、樹脂を内筒1とカラー
2の間へ、内筒1と平行の方向からに射出できるので、
従来のように、カラー2の外周部へ内外を貫通する穴を
開け、この穴よりカラー2の外方から半径方向に沿って
内方へ樹脂を射出する場合と比較すると、摺動ブッシュ
製造の自由度が大きくなる。
【0025】すなわち前記従来の場合は、カラー2の周
囲へ弾性体4を形成する場合、必ず先に樹脂ベアリング
部3を成形し、その後、弾性体4を焼き付けにより、又
は、嵌合によって一体化しなければならないが、本願に
よれば、このような制約がなくなり、弾性体4の形成
は、樹脂ベアリング部3の形成の前後いずれでも、焼き
付けにより、又は、嵌合による一体化が可能になる。
囲へ弾性体4を形成する場合、必ず先に樹脂ベアリング
部3を成形し、その後、弾性体4を焼き付けにより、又
は、嵌合によって一体化しなければならないが、本願に
よれば、このような制約がなくなり、弾性体4の形成
は、樹脂ベアリング部3の形成の前後いずれでも、焼き
付けにより、又は、嵌合による一体化が可能になる。
【0026】図5は、別実施例の図1に相当する部分を
示す図であり、この実施例では、凸部10の外周面11
が球面でなく、図示の断面状態で内筒1の軸方向と平行
な直線状をなす点で相違する。このようにすると、内筒
1と外筒5側の軸方向における相対移動を禁止して、ね
じれのみを可能にできる。その他の点は前実施例と同様
の構成並びに機能を有し、図5には共通符号を使用して
ある。
示す図であり、この実施例では、凸部10の外周面11
が球面でなく、図示の断面状態で内筒1の軸方向と平行
な直線状をなす点で相違する。このようにすると、内筒
1と外筒5側の軸方向における相対移動を禁止して、ね
じれのみを可能にできる。その他の点は前実施例と同様
の構成並びに機能を有し、図5には共通符号を使用して
ある。
【0027】なお、本発明はこれらの実施例に限定され
ず種々に変形や応用が可能であり、例えば、外筒5は必
ずしも必要でなく、取付相手側の部材を外筒の代わりに
直接利用することができる。また、樹脂ベアリング部3
の成形においては、射出以外の方法で樹脂を注入しても
よい。なお、凸部と凹部のいずれか一方を第1実施例の
ような球状面とし、他方を第2実施例のような軸方向断
面が直線をなす曲面とする、異なる曲面の組み合わせで
あってもよい。
ず種々に変形や応用が可能であり、例えば、外筒5は必
ずしも必要でなく、取付相手側の部材を外筒の代わりに
直接利用することができる。また、樹脂ベアリング部3
の成形においては、射出以外の方法で樹脂を注入しても
よい。なお、凸部と凹部のいずれか一方を第1実施例の
ような球状面とし、他方を第2実施例のような軸方向断
面が直線をなす曲面とする、異なる曲面の組み合わせで
あってもよい。
【図1】第1実施例に係る摺動ブッシュの要部拡大断面
図
図
【図2】第1実施例に係る摺動ブッシュの全体断面図
【図3】第1実施例に係る樹脂ベアリング部成形部の拡
大断面図
大断面図
【図4】第1実施例に係る樹脂ベアリング部成形方法を
示す断面図
示す断面図
【図5】第2実施例に係る摺動ブッシュの図1に相当す
る要部拡大断面図
る要部拡大断面図
1:内筒、2:カラー、3:樹脂ベアリング部、4:弾
性体、5:外筒、10:凸部、11:外周面、12:環
状壁、14:凹部、16:摺動部、17:回り込み部、
18:クリアランス
性体、5:外筒、10:凸部、11:外周面、12:環
状壁、14:凹部、16:摺動部、17:回り込み部、
18:クリアランス
Claims (2)
- 【請求項1】中間部外周の一部に大径部をなす凸部を設
けた内筒と、この周囲に同心状に設けられる筒状の部材
であって、前記凸部との間に空間を形成する凹部を内周
側に設けたカラーと、これら凸部と凹部間の前記空間内
に注入された樹脂によって形成された樹脂ベアリング部
と、カラーの周囲に設けられた弾性体とを備える摺動ブ
ッシュにおいて、内筒の軸方向における凸部の両端部に
内筒の外周面と段差をなす環状壁を設け、樹脂ベアリン
グ部は、凸部の外周面を覆うとともに一部が前記環状壁
の表面を覆う回り込み部をなすことにより前記凸部と一
体化し、樹脂ベアリング部と前記凹部の間で摺動するこ
とを特徴とする摺動ブッシュ。 - 【請求項2】請求項1の摺動ブッシュを製造するための
方法において、カラーの内側へ内筒を入れて凸部と凹部
を合わせ、凸部と凹部の間に形成された空間に、内筒の
軸方向から樹脂を注入することを特徴とする摺動ブッシ
ュの製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06663994A JP3537176B2 (ja) | 1994-03-10 | 1994-03-10 | 摺動ブッシュ及びその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06663994A JP3537176B2 (ja) | 1994-03-10 | 1994-03-10 | 摺動ブッシュ及びその製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07248036A true JPH07248036A (ja) | 1995-09-26 |
JP3537176B2 JP3537176B2 (ja) | 2004-06-14 |
Family
ID=13321680
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06663994A Expired - Fee Related JP3537176B2 (ja) | 1994-03-10 | 1994-03-10 | 摺動ブッシュ及びその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3537176B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10122233A (ja) * | 1996-10-21 | 1998-05-12 | Oiles Ind Co Ltd | 合成樹脂製のスラスト軸受 |
BE1011431A5 (fr) * | 1996-01-12 | 1999-09-07 | Freudenberg Carl Fa | Guide de tige et son procede de fabrication. |
KR100456896B1 (ko) * | 2002-10-14 | 2004-11-10 | 현대자동차주식회사 | 리어 서스펜션의 트레일링 아암 부쉬 |
KR100751683B1 (ko) * | 2005-12-19 | 2007-08-23 | 현대모비스 주식회사 | 차량용 능동제어 현가장치의 횡 방향 유격 차단 구조를갖는 토우제어장치 |
WO2011055713A1 (ja) * | 2009-11-05 | 2011-05-12 | 株式会社フコク | ブッシュ |
JP2013525715A (ja) * | 2010-05-03 | 2013-06-20 | テネコ オートモティブ オペレーティング カンパニー インコーポレイテッド | 傾斜機能を有するキャブサスペンション用二経路マウント |
JP2015161411A (ja) * | 2014-02-26 | 2015-09-07 | エアバス ヘリコプターズ ドイチェランド ゲーエムベーハー | 第1の軸受層と第2の軸受層とを備えた軸受装置 |
-
1994
- 1994-03-10 JP JP06663994A patent/JP3537176B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
BE1011431A5 (fr) * | 1996-01-12 | 1999-09-07 | Freudenberg Carl Fa | Guide de tige et son procede de fabrication. |
JPH10122233A (ja) * | 1996-10-21 | 1998-05-12 | Oiles Ind Co Ltd | 合成樹脂製のスラスト軸受 |
KR100456896B1 (ko) * | 2002-10-14 | 2004-11-10 | 현대자동차주식회사 | 리어 서스펜션의 트레일링 아암 부쉬 |
KR100751683B1 (ko) * | 2005-12-19 | 2007-08-23 | 현대모비스 주식회사 | 차량용 능동제어 현가장치의 횡 방향 유격 차단 구조를갖는 토우제어장치 |
WO2011055713A1 (ja) * | 2009-11-05 | 2011-05-12 | 株式会社フコク | ブッシュ |
JP2013525715A (ja) * | 2010-05-03 | 2013-06-20 | テネコ オートモティブ オペレーティング カンパニー インコーポレイテッド | 傾斜機能を有するキャブサスペンション用二経路マウント |
JP2015161411A (ja) * | 2014-02-26 | 2015-09-07 | エアバス ヘリコプターズ ドイチェランド ゲーエムベーハー | 第1の軸受層と第2の軸受層とを備えた軸受装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3537176B2 (ja) | 2004-06-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9752637B2 (en) | Vibration damping bushing and manufacturing method of vibration damping bushing | |
US20070085253A1 (en) | Elastomeric bush bearing and process for manufacturing same | |
US5620261A (en) | Bearing bush and method of manufacturing the bearing bush | |
US6030141A (en) | Ball-and-socket joint and device for assembling a ball-and-socket joint | |
JPH07248036A (ja) | 摺動ブッシュ及びその製法 | |
JPH03213710A (ja) | ボールジョイント | |
JPH10151931A (ja) | スタビライザー用リンクロッド及びその製造方法 | |
JP4812615B2 (ja) | ボールジョイント及びボールジョイントの製造方法 | |
GB2306616A (en) | Mounting eye | |
JP3468575B2 (ja) | すべりブッシュの製法 | |
US20210301864A1 (en) | Joint and method for producing a joint of this type | |
US6193417B1 (en) | Belt tensioner device and method for making same | |
JPH11230224A (ja) | 外筒付きゴムブッシュ及びその外筒の絞り方法 | |
JP3988068B2 (ja) | ブッシュ | |
KR102737052B1 (ko) | 차량 섀시용 볼 조인트 및 이러한 볼 조인트의 제조 방법 | |
JPH04107332A (ja) | 摺動型ブッシュの製造方法 | |
JP3838126B2 (ja) | ストッパ付き防振ブッシュの製造方法 | |
JPH09210107A (ja) | 防振ブッシュ | |
JP2002276711A (ja) | メンバマウント | |
US20030039508A1 (en) | Ball-end pin with plastic flange | |
JP3731488B2 (ja) | 防振装置 | |
JPH07248037A (ja) | 摺動ブッシュ | |
JPH028744Y2 (ja) | ||
JP2000310216A (ja) | ボールジョイントおよび継手装置 | |
JP3454588B2 (ja) | 防振装置の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040316 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Effective date: 20040316 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090326 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |