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JPH07247464A - ステンレス鋼用コーティング組成物 - Google Patents

ステンレス鋼用コーティング組成物

Info

Publication number
JPH07247464A
JPH07247464A JP3865694A JP3865694A JPH07247464A JP H07247464 A JPH07247464 A JP H07247464A JP 3865694 A JP3865694 A JP 3865694A JP 3865694 A JP3865694 A JP 3865694A JP H07247464 A JPH07247464 A JP H07247464A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
polymerizable monomer
weight
stainless steel
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP3865694A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Yamamoto
哲也 山本
Yukiko Hori
由貴子 堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP3865694A priority Critical patent/JPH07247464A/ja
Publication of JPH07247464A publication Critical patent/JPH07247464A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水系で、耐水性、耐薬品性、耐候性、耐汚染
性、耐熱性、加工性、屈曲性に優れ、高硬度でかつ可撓
性良好な被膜を形成し得るステンレス鋼用コーティング
組成物を提供することを目的とする。 【構成】 ステンレス鋼用コーティング組成物が、シラ
ン化合物を界面活性剤の存在下に水中で加水分解縮合し
て得られた水溶性重合体(A)と、ラジカル重合可能な
重合性単量体を水中で乳化重合して得られた水分散重合
体(B)を、前記水溶性重合体(A)/前記水分散重合
体(B)(固形分重量比)が、0.1〜5となる様に含
有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐水性、耐薬品性、耐
候性、耐汚染性、耐熱性、加工性に優れ、高硬度でかつ
屈曲性にも優れた可撓性被膜を形成し得るステンレス鋼
用コーティング組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼板は、優れた耐食性や、耐
久性に加え、美麗な外観を有する事から、厨房器具を始
めとして、化学機械、産業機械分野に多用され、近年で
は建築物の外壁や車両の外装用にも利用されている。ス
テンレス鋼板においても他の金属材料と同様に、その表
面の諸性質を改善する目的でめっきやほうろう加工等の
表面処理が行われており、また有機材料による塗装鋼板
も知られている。ステンレス鋼板は塗料との密着性が悪
いため、ブチラール系やエポキシ樹脂系のプライマー処
理や化成処理が前処理として行われ、その後、ウレタン
系やアクリル系の有機溶剤系塗料が塗工されて塗装鋼板
が製造されているが、これらのプライマーや塗料は有機
溶剤系であるため、環境的に問題がある。
【0003】塗料分野では環境公害や安全衛生の面から
塗料の水性化が進み、従来の有機溶剤系塗料にかわって
水性エマルジョン塗料が多用される様になっている。し
かし、一般的な乳化重合で製造されるエマルジョン塗料
は、どうしても耐水性や耐薬品性に劣るため、これまで
ステンレス鋼板に適用された例は少ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明では、水
系で、耐水性、耐薬品性、耐候性、耐汚染性、耐熱性、
加工性、屈曲性に優れ、高硬度でかつ可撓性良好な被膜
を形成し得るステンレス鋼用コーティング組成物を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はステンレス鋼用
コーティング組成物が、下記一般式で示されるシラン化
合物(I) R1 mSi(OR2n …(I) (式中、R1 は同一または異なっていてもよく、水素原
子、低級アルキル基、アリール基または不飽和脂肪族残
基を表し、R2 は水素原子、低級アルキル基またはアシ
ル基を表し、mは0、1または2、nは2、3または4
で、かつm+nは4である)を界面活性剤の存在下に水
中で加水分解縮合して得られた水溶性重合体(A)と、
ラジカル重合可能な重合性単量体を水中で乳化重合して
得られた水分散重合体(B)を、前記水溶性重合体
(A)/前記水分散重合体(B)(固形分重量比)が、
0.1〜5となる様に含有しているところに要旨を有す
る。
【0006】また水分散重合体(B)が、リン酸基また
はカルボキシル基を有するラジカル重合可能な重合性単
量体(B−1)0.1〜30.0重量部と、その他のラ
ジカル重合可能な重合性単量体(B−2)70.0〜9
9.9重量部(ただし、(B−1)+(B−2)は10
0重量部である)を水中で乳化重合したものであること
は、組成物としての保存安定性、成膜性、および被膜の
密着性、その他の塗膜物性を高める点で、好ましい実施
態様である。
【0007】
【作用】本発明者等は、ステンレス鋼板のコート用に、
緻密で耐候性、耐薬品性、耐水性に優れた被膜を形成す
るポリシロキサンに着目したが、屈曲性等の可撓性や成
膜性が悪い点に加え、原料単量体であるアルコキシシラ
ン類はそもそも水と反応して加水分解縮合を起こすの
で、水系では重合安定性や貯蔵安定性が劣るという問題
があったため、鋭意検討を行い、水分散重合体との組み
合わせによって、高硬度でかつ可撓性のある被膜を形成
し得ることと、シラン化合物の加水分解縮合は界面活性
剤の添加によってコントロールし得ることを見出し本発
明に到達したものである。以下本発明を詳細に説明す
る。
【0008】本発明における水溶性重合体(A)の出発
物質として用いられるシラン化合物(I)としては、下
式を満足するものであれば限定されずその1種以上を使
用できる。 R1 mSi(OR2n …(I) (式中、R1 は同一または異なっていてもよく、水素原
子、低級アルキル基、アリール基または不飽和脂肪族残
基を表し、R2 は水素原子、低級アルキル基またはアシ
ル基を表し、mは0、1または2、nは2、3または4
で、かつm+nは4である)。ここで、低級アルキル基
とは炭素数6以下の直鎖および分岐アルキル基を示す。
【0009】これらのシラン化合物(I)の具体例とし
ては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、
テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチ
ルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メ
チルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラ
ン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシ
ラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピル
トリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラ
ン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエト
キシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシ
シラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4−エポキ
シシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−
エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン等が
挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることが
できる。汎用性および保存安定性の面からは、テトラメ
トキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシランが好ましい。
【0010】本発明の組成物は、上記例示したシラン化
合物(I)より選択される1種または2種以上の化合物
を、予め加水分解して縮(重)合し水溶性重合体(A)
を得た後に、後述の水分散重合体(B)と混合するもの
である。ここで、シラン化合物(I)の加水分解縮合
は、水中で界面活性剤の存在下に行うことが必須要件で
ある。界面活性剤は、加水分解縮合時のシラン化合物
(I)の急激な反応を抑制し、ゲル化を防ぐ作用を有す
るためである。
【0011】界面活性剤としては、アニオン性、ノニオ
ン性、アニオンとノニオンの組み合わせ、カチオン性、
両性等の界面活性剤が利用できる。アニオン性界面活性
剤としては、例えば、高級アルコール硫酸エステルナト
リウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、
コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウム塩、
アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸等が挙げら
れ、ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキ
シエチレンアルキルアリルエーテル等を挙げることがで
きる。カチオン性界面活性剤としては、例えばアルキル
ピリジニルクロライド、アルキルアンモニウムクロライ
ド等が用いられ、両面活性剤としては、例えばラウリル
ベタイン等を用いることができる。また、反応性界面活
性剤を用いることも可能である。シラン化合物の加水分
解縮合物の安定性の面からは、アニオン性界面活性剤が
好ましく使用でき、とくにドデシルベンゼンスルホン酸
系の界面活性剤がより好ましい。
【0012】これらの界面活性剤の使用量としては、シ
ラン化合物(I)100重量部に対し、0.001〜1
0重量部とする。0.01〜5重量部がより好ましい。
界面活性剤が0.001重量部より少ないと、加水分解
縮合物である水溶性重合体(A)の保存安定性に劣り、
10重量部を超えるとコーティング膜の耐水性が悪化す
ることがあるため好ましくない。加水分解縮合反応は0
〜200℃の温度条件下、水中で攪拌するだけで簡単に
行うことができる。若干量のアルコール等の水系溶媒が
添加されていてもよい。
【0013】加水分解縮合反応は、例えばシラン化合物
(I)としてテトラエトキシシランを用いた場合には次
式で表すことができる。 Si(OC254 +4H2 O → Si(OH)4 +4C25 OH Si(OH)4 → SiO2 +2H2 O こののちシラン化合物は、縮重合して三次元化していく
が、水溶性重合体(A)としては、ポリスチレン換算で
分子量が100〜5000程度のものが成膜性、塗膜の
性能の点で有用である。この水溶性重合体(A)は、後
の塗膜形成時の加熱によって、さらに三次元化反応を起
こす。
【0014】本発明の組成物におけるもう一つの成分で
ある水分散重合体(B)は、ラジカル重合可能な重合性
単量体を水中で乳化重合して得られるものである。水分
散重合体(B)は本発明の組成物の成膜性を向上する他
に、塗膜の可撓性やその他の物理的性質を向上させる働
きを有する。ラジカル重合可能な重合性単量体(以下単
に重合性単量体という)としては、水溶性重合体(A)
が、後の塗膜形成時にさらに三次元化硬化反応を起こす
ことができる様に、上記加水分解反応の触媒となり得る
官能基であるリン酸基、カルボキシル基のいずれかを有
する重合性単量体(B−1)を含むことが好ましいが、
その他の重合性単量体(B−2)のみで水分散重合体
(B)を形成してもよい。
【0015】重合性単量体(B−1)としては、リン酸
基を有する2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシ
ッドホスフェート、アシッドホスホオキシポリオキシプ
ロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アシッ
ドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、メタクリロイルオキシエチルアシッ
ドホスフェートモノエタノールアミンハーフソルト等;
カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸、2−(メ
タ)アクリルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アク
リルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイル
オキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられ、単独
または混合して使用することができる。
【0016】重合性単量体(B−2)としては、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)
アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)
アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エ
ステル類;スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベ
ンゼンやそれらの核置換誘導体等の芳香族ビニル化合
物;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メ
タ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエ
チル−2−ヒドロキシエチルフタル酸等の水酸基含有化
合物;グリシジル基を有するグリシジル(メタ)アクリ
レート類;アルコキシシリル基を有するγ−(メタ)ア
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)
アクリロキシプロピルトリエトキシシラン;アクリロニ
トリル、アクリルアミド等が挙げられ、これらのうち1
種以上を用いる。
【0017】重合性単量体(B−1)は0.1〜30.
0重量部、重合性単量体(B−2)は70.0〜99.
9重量部(ただし(B−1)+(B−2)は100重量
部である)として水分散重合体(B)を構成することが
好ましい。重合性単量体(B−1)は、前記水溶性重合
体(A)の三次元化反応の触媒として働く他、ステンレ
ス鋼板との密着性を向上させる。ただし重合性単量体
(B−1)が30.0重量部を超えると、コーティング
膜の耐水性が悪化することがある。より好ましい重合性
単量体(B−1)の使用量は1.0〜20.0重量部、
さらに好ましくは5.0〜15.0重量部である。
【0018】ここで、水分散重合体(B)のガラス転移
温度(Tg)が−50〜150℃となる様に前記重合性
単量体(B−1)、(B−2)を選択することが好まし
い。水分散重合体(B)のTgが低すぎると得られるコ
ーティング膜が粘着性を持つことがある。好ましいTg
の下限は−30℃、より好ましくは0℃である。また、
Tgが高すぎるとコーティング膜の可撓性が悪くなる。
好ましいTgの上限は100℃、より好ましくは60℃
である。Tgの設計は、選択される重合性単量体をホモ
ポリマーとした時のTgと、その使用量から計算して行
なえばよい。
【0019】水分散重合体(B)は通常の乳化重合で得
ることができ、例えば、水媒体中に上記重合性単量体と
乳化剤、重合開始剤、必要に応じて連鎖移動剤、pH調
製剤等を添加し、20〜100℃で0.5〜30時間程
度重合を行えばよい。ここで用いられる乳化剤として
は、前記したシラン化合物(I)を加水分解縮合する際
に用いられる界面活性剤をそのまま例示することができ
る。使用量は、全重合性単量体総量100重量部に対
し、0.001〜10重量部が望ましい。0.001重
量部より少ないと重合の際のミセルの安定性に劣り、1
0重量部より多いとコーティング膜とした際の耐水性に
劣ることがある。
【0020】重合開始剤としては、水溶性の過硫酸塩、
過酸化水素等を用いることができ、必要に応じて還元剤
と組み合わせて使用することも可能である。また、油溶
性の重合開始剤、例えば2,2’−アゾビスイソブチロ
ニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4
−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系重合開始剤、過
酸化ベンゾイル、過酸化ブチル等の有機過酸化物重合開
始剤等を用いることもできる。重合開始剤の使用量とし
ては、重合性単量体総量100重量部に対し、0.01
〜5重量部が好ましい。
【0021】本発明におけるコーティング組成物は、水
溶性重合体(A)/水分散重合体(B)が固形分重量比
で0.1〜5となる様に含有するものである。この時、
水溶性重合体は、R1 m−SiO(4-m)/2 とし絶乾状態で
固形分換算する。さらに好ましい配合比は(A)/
(B)が0.5〜3である。5より大きいとコーティン
グ膜の屈曲性等の可撓性が劣り、0.1より小さいと耐
薬品性、硬度が低下する。
【0022】本発明の組成物には、成膜性、濡れ性を向
上させるために有機溶剤を添加することも可能である。
ここで用いられる有機溶剤としては、具体的には、メタ
ノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノー
ル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル等のアルコール類;アセトン、メ
チルエチルケトン等のケトン類の他、メチルアセテート
やテトラヒドロフラン等が挙げられ、これらの1種以上
を混合して用いることができる。これらの中でもアルコ
ール類が好ましく用いられる。これらの有機溶剤の使用
量は、組成物の全溶媒中の35重量部未満、好ましくは
30重量部未満、より好ましくは10重量部未満であ
る。35重量部を超えると、水系コーティング組成物を
提供するという本発明の目的に反する。
【0023】本発明の組成物には、本発明の効果を損な
わない範囲で、硬化剤、濡れ性改良剤、可塑剤、消泡
剤、増粘剤等の無機、有機系各種添加剤を必要に応じて
添加することもできる。また塗料添加剤として公知の水
溶性、水不溶性または水分散性添加剤を添加してもよ
い。水溶性添加剤の例としては、ポリビニルアルコール
等の水溶性重合体等が挙げられる。水不溶性または水分
散性添加剤の例としては、水分散性シリカ、アルコール
分散性シリカ、タルク、ケイソウ土、炭酸カルシウム、
クレー、二酸化チタン、アルミニウムシリケート、リン
酸アルミニウム、アルミナゾル、マグネシアゾル、チタ
ニアゾル、ジルコニアゾル等が挙げられる。
【0024】本発明のコーティング組成物をステンレス
鋼板に被覆する方法は特に限定されず、ロールコーティ
ング法、ディップコーティング法、バーコーティング
法、ノズルコーティング法あるいはこれらを組み合わせ
た方法が採用される。なお、被覆を行う前に公知のステ
ンレス鋼板表面処理を行うこともできる。
【0025】被覆後は塗膜の硬化および乾燥を行う。常
温でも硬化・乾燥は可能であるが、早く硬化・乾燥させ
る場合には、常温〜300℃、好ましくは50〜250
℃で加熱乾燥するとよい。塗膜厚は特に限定されない
が、乾燥後で0.001〜100μm、より好ましくは
0.01〜40μmが適している。0.001μmより
薄いと塗膜が均一にならずピンホールが発生し易くな
り、また100μmより厚くすると塗膜にクラックが生
じ易くなるので好ましくない。
【0026】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 メチルトリメトキシシラン7.4g、テトラエトキシシ
ラン6.3g、ハイテノールN08(第一工業製薬製界
面活性剤)0.3g、水36.5gを混合し、50℃で
1時間撹拌し、固形分10.8%の透明な水溶性重合体
(A成分)を得た。次に、四ツ口フラスコに撹拌機、温
度計を取り付け、水119.0g、ハイテノールN08
0.6g、過硫酸アンモニウム0.34gを仕込み、
窒素ガスで置換し、80℃に昇温の後、アクリル酸ブチ
ル46.5g、メタクリル酸メチル41.8g、メタク
リル酸11.7g、水30.1g、ハイテノールN08
0.7gを混合したものを3時間かけて連続的に滴下し
た。滴下終了後80℃で1時間加熱し、冷却後200メ
ッシュ金網で濾過し、固形分40重量%の水分散重合体
(B成分)を得た。得られた水分散重合体のガラス転移
温度(Tg)は、40.1℃で平均粒子径は、94.5
nmであった。
【0027】50.4gの水溶性重合体と27.2gの
水分散重合体を撹拌しながら混合し、コーティング組成
物1を得た。このコーティング組成物1をステンレス鋼
板(SUS304)にバーコーターを用いて、乾燥後の
厚さが2.0μmになる様に塗布し、200℃で30秒
間乾燥した。得られた塗膜は透明であった。この塗膜の
物性試験結果を表1に示した。
【0028】実施例2〜9 実施例1と同様の操作を行い、コーティング組成物2〜
9を得た。物性試験結果を表1および表2に併せて示し
た。なお、水溶性重合体の固形分濃度は10.8重量%
に、水分散重合体の固形分濃度は40重量%に各々調整
した。
【0029】実施例10 実施例1のハイテノールN08をネオペレックスNo.2
5(花王製)に代えてコーティング組成物10を得た。
物性試験結果は表2に併せて示した。 実施例11 実施例1で、ステンレス鋼板をSUS302に代えて同
様の操作を行った。物性試験結果は表2に併せて示し
た。 実施例12 実施例1で、ステンレス鋼板をSUS430に代えて同
様の操作を行った。物性試験結果は表2に併せて示し
た。
【0030】比較例1 実施例1で得られた水分散重合体のみをステンレス鋼板
(SUS304)にバーコーターを用いて、乾燥後の厚
さが2.0μmになる様に塗布し、200℃で30秒間
乾燥した。得られた塗膜は透明であった。この塗膜のゴ
バン目テストは10で、耐薬品性は×、鉛筆硬度は6
B、ゴバン目エリクセンは10であった。また、保存安
定性は○であった。
【0031】比較例2 実施例1で得られた水溶性重合体のみをステンレス鋼板
(SUS304)にバーコーターを用いて、厚さ2.0
μmになる様に塗布し、200℃で30秒間乾燥した。
得られた塗膜は透明であった。この塗膜のゴバン目テス
トは0で耐薬品性は○、鉛筆硬度は4H、ゴバン目エリ
クセンは0であった。また、保存安定性は×であった。
【0032】物性評価法 ゴバン目テスト:ステンレス鋼板にコーティングした塗
膜をカッターナイフで1mm間隔100×100mmの
ゴバン目を刻み、セロハンテープを圧着した後引きはが
し、塗膜の剥離程度を10点法で評価した。 10点(良)→0点(劣) 耐薬品性:ステンレス鋼板にコーティングした塗膜に対
して、エタノールで100回のラビングテストを行なっ
た。 ○:塗膜に変化なし ×:塗膜が白化、塗膜が溶解 鉛筆硬度:ステンレス鋼板にコーティングした塗膜で、
JIS−K5400に従い行った。 ゴバン目エリクセン:ステンレス鋼板にコーティングし
た塗膜をカッターナイフで、1mm間隔100×100
mmのゴバン目を刻み、エリクセン5mm押し出し、セ
ロハンテープを圧着した後引きはがし、塗膜の剥離程度
を10点法で評価した。 10点(良)→0点(劣) 保存安定性:コーティング組成物を21℃で保存し、3
ケ月後の状態を観察 ○:変化なし ×:凝集、ゲル化
【0033】略号 BA:アクリル酸ブチル MMA:メタクリル酸メチル HEMA:メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル St:スチレン GMA:メタクリル酸グリシジル MAA:メタクリル酸 AA:アクリル酸 MTMOS:メチルトリメトキシシラン ES:テトラエトキシシラン nPTMOS:n−プロピルトリメトキシシラン t−GPTMOS:t−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明のステンレス鋼用コーティング組
成物は、優れた耐薬品性、硬度を有するシラン系水溶性
重合体と、成膜性に優れ可撓性被膜を形成する水分散重
合体を効果的に組み合わせた、ステンレス鋼板用として
は新規な水系のコーティング組成物であるので、環境汚
染の心配がない上に、耐水性、耐薬品性、耐候性、耐汚
染性、耐熱性、加工性に優れ、高硬度でかつ屈曲性にも
優れた可撓性被膜を形成し得るコーティング組成物を提
供することができた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式で示されるシラン化合物
    (I) R1 mSi(OR2n …(I) (式中、R1 は同一または異なっていてもよく、水素原
    子、低級アルキル基、アリール基または不飽和脂肪族残
    基を表し、R2 は水素原子、低級アルキル基またはアシ
    ル基を表し、mは0、1または2、nは2、3または4
    で、かつm+nは4である)を界面活性剤の存在下に水
    中で加水分解縮合して得られた水溶性重合体(A)と、 ラジカル重合可能な重合性単量体を水中で乳化重合して
    得られた水分散重合体(B)を、 前記水溶性重合体(A)/前記水分散重合体(B)(固
    形分重量比)が、0.1〜5となる様に含有されている
    ことを特徴とするステンレス鋼用コーティング組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の水分散重合体(B)
    が、リン酸基またはカルボキシル基を有するラジカル重
    合可能な重合性単量体(B−1)0.1〜30.0重量
    部と、その他のラジカル重合可能な重合性単量体(B−
    2)70.0〜99.9重量部(ただし、(B−1)+
    (B−2)は100重量部である)を水中で乳化重合し
    たものである請求項1に記載のステンレス鋼用コーティ
    ング組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8119248B2 (en) * 2008-04-30 2012-02-21 Fujifilm Corporation Organic-inorganic hybrid free standing film, and its production method

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