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JPH07238250A - 含フッ素重合体溶液組成物 - Google Patents

含フッ素重合体溶液組成物

Info

Publication number
JPH07238250A
JPH07238250A JP6028245A JP2824594A JPH07238250A JP H07238250 A JPH07238250 A JP H07238250A JP 6028245 A JP6028245 A JP 6028245A JP 2824594 A JP2824594 A JP 2824594A JP H07238250 A JPH07238250 A JP H07238250A
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JP
Japan
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group
fluorine
solvent
polymer
aprotic
Prior art date
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Application number
JP6028245A
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English (en)
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Inventor
Atsushi Watakabe
淳 渡壁
Naoko Shirota
直子 代田
Hide Nakamura
秀 中村
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP02824594A priority Critical patent/JP3345152B2/ja
Publication of JPH07238250A publication Critical patent/JPH07238250A/ja
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Publication of JP3345152B2 publication Critical patent/JP3345152B2/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】プロトン性の含フッ素溶媒と非プロトン性の含
フッ素溶媒の混合溶媒に、重合体の主鎖末端または側鎖
末端にアミノ基、マレイミド基などの会合性基を有する
非晶質の含フッ素重合体が溶解してなる含フッ素重合体
溶液組成物。 【効果】同じ重合体を同じ濃度で非プロトン性含フッ素
溶媒のみに溶解させたときよりも溶液粘度を低減できる
ので、本発明組成物はコーティング可能な高濃度の含フ
ッ素重合体溶液などとして有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重合体の主鎖または側
鎖の末端に会合性基を有する非晶質の含フッ素重合体溶
液の粘度が低減され、またはゲル化が抑制された含フッ
素重合体溶液組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素樹脂は耐薬品性、低誘電性、低表
面エネルギー性、非粘着性、耐候性、化学的耐熱性(熱
分解温度が高い)などに優れているために、汎用のプラ
スチックでは使用できない種々の用途に用いられてい
る。
【0003】特開平1−13125号公報によりCF2=CF
O(CF2)nCF=CF2 が環化重合し、含フッ素脂肪族環構造を
有するため溶媒可溶で低屈折率、低誘電率の重合体を与
えることが知られている。この重合体は熱分解温度は高
いものの、ガラス転移温度(Tg )がn=1の重合体で
69℃、n=2の場合でも108℃であるため熱変形温
度があまり高くなく高温での使用には不十分であるとい
う問題があった。
【0004】含フッ素脂肪族環構造を有する重合体のこ
のような欠点を解消して高温使用に耐え得る熱変形温度
の向上した架橋物を与えるために、以下のような方法が
有効であることが明らかになっている(特願平4−23
6574号)。即ち、分子内にマレイミド基を有する重
合体および、含フッ素脂肪族環構造を有しその分子内に
アミノ基を有する重合体が加熱により架橋することで、
前述の欠点を解決する重合体が得られることを見いだし
ている。
【0005】しかし、この重合体は、重合体分子の末端
に会合性基が導入されるため、非プロトン性含フッ素溶
媒にこの重合体を溶解した溶液粘度が著しく高くなった
り、流動性が全くなくなるという別の問題が生じ、高濃
度溶液の濾過やコーティングが困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述のよう
な含フッ素脂肪族環構造を有する重合体溶液の欠点を解
消し、高温での機械的耐熱性が改良された架橋物を与え
る溶液組成物を新規に提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決すべくなされたものであり、プロトン性の含フッ素溶
媒と非プロトン性の含フッ素溶媒の混合溶媒に、重合体
の主鎖末端または側鎖末端に会合性基を有しかつ主鎖に
パーフルオロ脂肪族環構造を有する含フッ素重合体が溶
解してなる含フッ素重合体溶液組成物である。
【0008】本発明でいう会合性基とは、原子数が2以
上の一価のラジカル性結合手を有する原子団であって、
非プロトン性含フッ素溶媒との親和性よりも当該原子団
同志の相互作用(引力)が大きいために、複数個の原子
団が集合(会合)しやすいものをいう。このような会合
性基を有する含フッ素ポリマーは、非プロトン性含フッ
素溶媒中においてゲル化や不溶化という現象が見られた
り、溶解する場合でも会合性基を持たない含フッ素ポリ
マーと比べると、高粘度化という現象が見られる。
【0009】逆に、非プロトン性含フッ素溶媒と相溶性
のあるプロトン性含フッ素溶媒を添加することにより、
可溶化や低粘度化が見られる場合には、会合部位にプロ
トン性含フッ素溶媒が溶媒和することにより、会合が解
けて、分子レベルで溶媒中に分散されるようになったと
考えられる。本発明において、ポリマー末端が会合性基
であるかどうかは、この可溶化や低粘度化が見られるか
どうかで判断することができる。
【0010】このような会合性基としては、マレイミド
基、アミジン基、アミド基、アミノ基、カルボキシル
基、スルホン酸基、スルホンアミド基、フェノール性O
H基、アルコール性OH基およびフェニル基などから選
ばれる少なくとも1種の基であり、2種以上の基が含フ
ッ素重合体中に存在していてもよい。また、本発明の含
フッ素重合体溶液組成物中には種類の異なる会合性基を
有する含フッ素重合体の混合物や、会合性基を持たない
含フッ素重合体が含まれていてもよい。
【0011】カルボキシル基、スルホン酸基はそれぞれ
の一価の金属塩でもよく、アミジン基[−C(=NH)
NH2 ]はイミドイルアミジン構造からなる基[−C
(=NH)N=C(NH2 )R](Rはアルキル基、パ
ーフルオロアルキル基またはエーテル構造を有するパー
フルオロアルキル基)でもよい。
【0012】非プロトン性含フッ素溶媒中においては、
強い極性基やヘテロ原子に水素原子が結合した水素結合
性の基、あるいは二重結合、特には共役二重結合を有す
る原子団、なかでもフッ素原子の結合していない共役二
重結合は会合しやすく、このような会合性基が重合体主
鎖の末端や側鎖の末端に存在すると、溶液粘度が高くな
ったり、ゲル化もしくは溶媒に不溶になってしまう。
【0013】このような場合にプロトン性の含フッ素溶
媒と非プロトン性含フッ素溶媒の混合物を溶媒として用
いると、非プロトン性含フッ素溶媒単独の場合よりも粘
度の低い溶液が得られる。非プロトン性含フッ素溶媒単
独の場合よりも粘度が低いという意味の中には、非プロ
トン性含フッ素溶媒単独では含フッ素重合体が溶解せず
に溶液が得られない場合やゲル化して流動性を示さない
場合も含まれる。
【0014】会合性基はポリマー末端の変性や官能基を
有するモノマーの共重合により導入できる。さらに、共
重合後その官能基を変性して導入することもできる。ポ
リマー末端に会合性基を導入させる方法としては、重合
によるポリマー末端部のカルボキシル基生成や、そのカ
ルボキシル基をアルコールでエステルに変換後、アンモ
ニア、1級アミンまたは2級アミンで処理してアミド化
する方法などを例示できる。
【0015】ジアミンで処理すると末端にアミノ基を有
するアミドを会合性基として導入することができる。末
端にアミノ基を有するポリマーを無水マレイン酸で処理
すると末端にマレイミド構造を有する会合性基を導入す
ることができる。より具体的な例としては、末端にカル
ボキシル基を有するポリマーをメタノールで処理し、次
にエチレンジアミンで処理すると会合性基として-CONHC
H2CH2NH2を導入することができ、これを無水マレイン酸
で処理すると末端にマレイミド構造を有する会合性基を
導入することができる。
【0016】勿論これらの反応に限定されず、種々の有
機化学反応の組み合わせにより、様々な会合性基を導入
することができる。
【0017】共重合による側鎖への会合性基導入の方法
としては、例えばエステル構造を有するモノマーを共重
合し、そのエステルとアミン、ジアミン等との反応によ
りアミド構造を有する会合性基を導入することができ
る。加水分解によりカルボン酸やその塩に変換すること
ができる。エステルをNaBH4 などで還元すると-CH2OHを
導入できる。このような共重合モノマーの例を以下に示
す。
【0018】CX1X2=CX3(CF2)nCO2R1(X1,X2,X3:それ
ぞれ独立にH またはF 、R1:アルキル基、n :0 〜20)
、CF2=CFO(CF2)mCO2R2(m:1 〜20、R2:アルキル基)、
CF2=CFO[CF2CF(CF3)O]p(CF2)qCO2R3 (p:1 〜5 、q :1
〜5 、R3:アルキル基)。
【0019】共重合体中のエステルをアンモニアでアミ
ド化し、五酸化リンや無水トリフルオロ酢酸/ピリジン
で脱水するとシアノ基を導入することができる。あるい
は上記エステルモノマーのエステル部分にシアノ基を有
するモノマーを共重合することにより直接シアノ基を導
入することができる。シアノ基をアンモニアで処理する
と会合性の強いアミジン基[−C(=NH)NH2 ]を
導入することができる。ニトリル化合物の存在下でシア
ノ基をアンモニアで処理するイミドイルアミジン構造か
らなる基[−C(=NH)N=C(NH2)R](Rはア
ルキル基、パーフルオロアルキル基またはエーテル構造
を有するパーフルオロアルキル基)を導入することがで
きる。
【0020】フルオロスルホニル基を有するモノマーを
共重合したのち、変性することも可能である。共重合モ
ノマーの例を以下に示す。CF2=CFO(CF2)mSO2F (m:1〜2
0) 、CF2=CFO[CF2CF(CF3)O]p(CF2)qSO2F (p: 1 〜5 、
q: 1〜5 )。
【0021】共重合により導入されたフルオロスルホニ
ル基をアルカリ加水分解するとスルホン酸のアルカリ金
属塩を得ることができる。酸性にするとスルホン酸基を
導入できる。フルオロスルホニル基をアミンと反応させ
るとスルホンアミド構造を導入することができる。
【0022】会合性基を有するモノマーを直接共重合す
ることも可能である。共重合モノマーの例を以下に示
す。もちろんこの他にも広範な種類の共重合モノマーを
用いることができる。
【0023】R4CO2M、R4CONR5R6、R4CONH(CH2)kNH2、R4CH2
OH、R4SO3M、R4SO2NR7R8、R4C(=NH)NH2[R4:CX4X5=CX6(CF
2)n- (X4,X5,X6:それぞれ独立にH またはF 、n: 0〜2
0)または CF2=CFO(CF2)m- (m: 1 〜20)または CF2=CF
O[CF2CF(CF3)O]p(CF2)q- (p:1〜5 、q :1 〜5 )、M
:H 、アンモニウムまたは一価の金属、R5, R6,R7,
R8:ぞれ独立にH またはアルキル基またはアリール基、
官能基を有していてもよい]。
【0024】本発明に用いられる含フッ素重合体は、単
独重合体または共重合体の繰り返し単位の主鎖構造部分
がパーフルオロの重合体が好ましい。主鎖中または側鎖
への結合部としてエーテル結合を有していてもよい。主
鎖のパーフルオロ構造のフッ素原子の半分以下が塩素原
子や水素原子に置換されていてもよい。非晶質のものが
好ましいが、結晶化度が30%以下、好ましくは20%
以下のものであれば適用可能である。
【0025】このような重合体としては主鎖に脂肪族環
構造を有する非晶質パーフルオロ重合体が好適である。
非晶質パーフルオロ重合体の具体例としては、CF2=CFO
(CF2)nCF=CF2 (n=1〜3)の環化重合体、パーフル
オロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、パ
ーフルオロ−1,3−ジオキソールの単独重合体を挙げ
ることができる。これらのモノマーの複数を用いた共重
合体も好適である。また、これらのモノマーをテトラフ
ルオロエチレンなどのモノマーとの共重合体も結晶化度
が前述の範囲内にあれば用いることができる。
【0026】主鎖に脂肪族環構造を有していなくても、
前述のように結晶化度が小さければ使用することができ
る。例えば、テトラフルオロエチレンとポリフルオロア
ルキルビニルエーテルとの共重合体であって、ビニルエ
ーテル含有量を増やして結晶化度を小さくした重合体が
挙げられる。
【0027】ポリフルオロアルキルビニルエーテルに
は、パーフルオロプロピルビニルエーテルなどのパーフ
ルオロアルキルビニルエーテルやパーフルオロ(3,6
−ジオキサ−5−メチル−1−ノネン)などのパーフル
オロオキシアルキルビニルエーテル、メチルパーフルオ
ロ(4−ビニロキシ−ブタノエート)、メチルパーフル
オロ(4,7−ジオキサ−5−メチル−8−ノネノエー
ト)などのエステル含有ビニルエーテル、パーフルオロ
(3,6−ジオキサ−4−メチル−7−ヘプテニルスル
ホニルフルオリド)などのフルオロスルホニル基含有ビ
ニルエーテル、パーフルオロ(4,7−ジオキサ−5−
メチル−8−ノネノニトリル)などのシアノ基含有ビニ
ルエーテルを例示することができる。
【0028】テトラフルオロエチレンの代わりにフッ化
ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオ
ロエチレンなどを用いることができる。用いる重合体の
分子量は重合体組成や用途により異なるが、コーティン
グ材料として用いるためには数平均または重量平均の平
均分子量がおよそ103 〜107 、特には104 〜5×
106 のものが好ましい。分子量が小さすぎると、重合
体が脆くなったり、フッ素重合体本来の優れた耐熱性な
どの物性が損なわれる場合がある。
【0029】平均分子量は光散乱法や浸透圧法、溶融粘
弾性による方法などにより直接求めることができる。ま
た、予めそれらの方法で得られたデータを用いて検量線
を作製すれば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ーや固有粘度[η]を測定することにより、分子量を算
出することができる。赤外吸収スペクトルや核磁気共鳴
スペクトルによる末端基の分析によっても求めることが
可能である。主鎖に環構造を有する非晶質パーフルオロ
重合体の場合には、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒ
ドロフラン)中30℃で測定される固有粘度[η]が
0.02〜5dl/g、特には0.05〜1dl/gの
重合体が好ましい。
【0030】プロトン性の含フッ素溶媒としては、トリ
フルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフル
オロプロピルアルコール、2−(パーフルオロブチル)
エタノール、2−(パーフルオロヘキシル)エタノー
ル、2−(パーフルオロオクチル)エタノール、2−
(パーフルオロデシル)エタノール、2−(パーフルオ
ロ−3−メチルブチル)エタノール、1H,1H,3H
−テトラフルオロプロパノール、1H,1H,5H−オ
クタフルオロペンタノール、1H,1H,7H−ドデカ
フルオロヘプタノール、1H,1H,9H−ヘキサデカ
フルオロノナノール、2H−ヘキサフルオロ−2−プロ
パノール、1H,1H,3H−ヘキサフルオロ−2−ブ
タノールなどの含フッ素アルコールが挙げられる。
【0031】また、トリフルオロ酢酸、パーフルオロプ
ロパン酸、パーフルオロブタン酸、パーフルオロペンタ
ン酸、パーフルオロヘキサン酸、パーフルオロヘプタン
酸、パーフルオロオクタン酸、パーフルオロノナン酸、
パーフルオロデカン酸、3H−テトラフルオロプロパン
酸、5H−オクタフルオロペンタン酸、7H−ドデカフ
ルオロヘプタン酸、9H−ヘキサデカフルオロノナン酸
などの含フッ素カルボン酸、これら含フッ素カルボン酸
のアミド、トリフルオロメタンスルホン酸、ヘプタデカ
フルオロオクタンスルホン酸などの含フッ素スルホン酸
などを用いることができる。
【0032】これらのプロトン性の含フッ素溶媒単独ま
たは混合して用いることが可能である。含フッ素重合体
のコーティング用途に溶媒として用いる場合には、沸点
が1mmHgで300℃以下であって、1気圧で20℃
以上のものが用いられる。好ましくは、1気圧で40〜
300℃である。
【0033】非プロトン性の含フッ素溶媒としては、パ
ーフルオロベンゼン、ペンタフルオロベンゼン、1,3
−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,4−ビス
(トリフルオロメチル)ベンゼンなどの含フッ素芳香族
炭化水素類、パーフルオロトリブチルアミン、パーフル
オロトリプロピルアミンなどの含フッ素アルキルアミン
類、パーフルオロヘキサン、パーフルオロオクタン、パ
ーフルオロデカン、パーフルオロドデカン、パーフルオ
ロ−2,7−ジメチルオクタン、1,3−ジクロロ−
1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1H−
1,1−ジクロロパーフルオロプロパン、1H−1,3
−ジクロロパーフルオロプロパン、1H−パーフルオロ
ブタン、2H,3H−パーフルオロペンタン、3H,4
H−パーフルオロ−2−メチルペンタン、2H,3H−
パーフルオロ−2−メチルペンタン、パーフルオロ−
1,2−ジメチルヘキサン、パーフルオロ−1,3−ジ
メチルヘキサン、1H−パーフルオロヘキサン、1H,
1H,1H,2H,2H−パーフルオロヘキサン、1
H,1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクタン、
1H−パーフルオロオクタン、1H−パーフルオロデカ
ン、1H,1H,1H,2H,2H−パーフルオロデカ
ンなどの含フッ素脂肪族炭化水素類、パーフルオロデカ
リン、パーフルオロシクロヘキサン、パーフルオロ−
1,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどの含フッ素
脂環族炭化水素類、パーフルオロ−2−ブチルテトラヒ
ドロフラン、フッ素含有低分子量ポリエーテルなどの含
フッ素エーテル類を単独または混合して用いることが可
能である。
【0034】プロトン性の含フッ素溶媒/非プロトン性
の含フッ素溶媒の混合割合は重量比で1/1〜1/10
00、好ましくは1/2〜1/500である。
【0035】本発明の液状組成物を塗布、熱処理して得
られる含フッ素重合体、特には脂肪族環構造を有する非
晶質パーフルオロ重合体の塗膜は架橋されており、高温
の機械的特性に優れる。
【0036】半導体分野では、トランジスタ、IC、L
SIやマルチチップモジュールの封止材、バッファーコ
ート膜、パッシベーション、層間絶縁膜に適用できる。
特にこれらの用途において本発明に用いられる重合体
が、半導体製造工程で200℃以上の高温で形状を保持
する必要がある場合に本発明は有用である。
【0037】一方、本発明は前述の用途に限定されず、
様々の用途に用いることが可能である。窓、ドア、ショ
ーウインドウ、太陽電池、太陽熱温水器、パーソナルコ
ンピュータ、テレビ、ビデオ再生器、ビデオ録画器など
のディスプレーの反射防止膜として用いることができ
る。
【0038】ディスプレーは、液晶、CRT、プラズマ
方式など種々の方式に適用することができる。半導体製
造のリソグラフィー工程におけるフォトマスクおよびレ
チクル上のゴミ付着防止に用いられるペリクルと呼ばれ
る汚染防止保護器具に用いることもできる。
【0039】その他にも前述の用途に限定されることな
く光ファイバーや撥水撥油コーティングなど様々な用途
に適用することができる。本発明の液状組成物を塗布、
熱処理して得られる塗膜中の重合体は架橋しており、外
圧に対して変形しにくいという特色を有する。
【0040】
【実施例】
[実施例1〜10、比較例1〜3]ポリ(パーフルオロ
ブテニルビニルエーテル、[η]=0.09dl/g)
の末端カルボキシル基をメタノールで処理し、引続きエ
チレンジアミンと反応させることによりアミノ基(-CON
HCH2CH2NH2)に変換した。次に、この末端基を無水マレ
イン酸との反応によりマレイミド基に変換した。
【0041】末端アミノ基含有重合体(以下EDと略
す)と末端マレイミド基含有重合体(以下MAと略す)
をそれぞれ単独で、或いは重量比1:1で、パーフルオ
ロブチルアミン単独または含フッ素アルコールとパーフ
ルオロブチルアミンの混合溶媒に55℃で溶解した。溶
液の25℃における粘度(E型粘度計で測定)を表1に
示す。
【0042】[比較例4]ラジカル共重合によってパー
フルオロブテニルビニルエーテルとパーフルオロ−3,
6−ジオキサ−4−メチル−7−オクテノニトリル(CF
2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CN )の共重合体([η]=0.2
4dl/g)を合成した。
【0043】共重合体中のパーフルオロ−3,6−ジオ
キサ−4−メチル−7−オクテノニトリルを19F−NM
Rで求めたところ、1.2モル%であった。この重合体
を濃度5重量%になるように1,1,1,2,2,3,
3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ヘプタ
デカフルオロデカンに溶解した。シアノ基をアミジン基
(-C(=NH)NH2)に変換するため、アンモニアガスを10
分吹き込んだところ直ちに高粘度化し、ゲル化した。
【0044】[実施例11]比較例4と同じ重合体溶液
100重量部に2,2,3,3,3−ペンタフルオロプ
ロパノールを0.5重量部添加した以外は同様にアミジ
ン化したところ、著しい高粘度化やゲル化の現象は見ら
れなかった。
【0045】[実施例12]比較例4と同じ重合体をパ
ーフルオロブチルアミン/3,3,4,4,5,5,
6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクタ
ノール(重量比95/5)の混合溶媒に濃度15重量%
になるように溶解した。次にアンモニアガスを室温で吹
き込んでアミジン化した溶液の粘度は2500cps
(25℃)であった。
【0046】[参考例1]実施例12のアミジン化した
溶液をシリコンウェハー上にスピンコートし、窒素雰囲
気下、350℃で1時間熱処理した。赤外吸収スペクト
ル(FT−IR)で1560cm-1に架橋反応によるト
リアジン環の吸収が確認された。さらに、エッチングに
より孔系2μの孔を作製し、再び350℃で1時間熱処
理したが、孔の形の変化は見られなかった。同様の試験
を[η]=0.24dl/gのポリ(パーフルオロブテ
ニルビニルエーテル)で行ったところ、エッチング後の
熱処理で孔は潰れているのが観察された。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】含フッ素重合体の溶媒としてプロトン性
含フッ素化合物と非プロトン性含フッ素溶媒の混合溶媒
を用いることにより、同じ重合体を同じ濃度で非プロト
ン性含フッ素溶媒に溶解させたときよりも溶液の粘度を
低減することが可能である。したがって、本発明の組成
物はコーティング可能な高濃度の含フッ素重合体溶液な
どとして特に有用である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロトン性の含フッ素溶媒と非プロトン性
    の含フッ素溶媒の混合溶媒に、重合体の主鎖末端または
    側鎖末端に会合性基を有する非晶質の含フッ素重合体が
    溶解してなる含フッ素重合体溶液組成物。
  2. 【請求項2】非晶質の含フッ素重合体が主鎖にパーフル
    オロ脂肪族環構造を有する含フッ素重合体である請求項
    1の組成物。
  3. 【請求項3】プロトン性の含フッ素溶媒が含フッ素アル
    コール、含フッ素カルボン酸および含フッ素スルホン酸
    から選ばれる少なくとも1種である請求項1の組成物。
  4. 【請求項4】非プロトン性の含フッ素溶媒が含フッ素芳
    香族炭化水素類、含フッ素アルキルアミン類、含フッ素
    脂肪族炭化水素類、含フッ素脂環族炭化水素類および含
    フッ素エーテル類から選ばれる少なくとも1種である請
    求項1の組成物。
  5. 【請求項5】プロトン性の含フッ素溶媒/非プロトン性
    の含フッ素溶媒の混合割合が重量比で1/1〜1/10
    00である請求項1の組成物。
  6. 【請求項6】会合性基がマレイミド基、アミジン基、ア
    ミド基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、ス
    ルホンアミド基、フェノール性OH基、アルコール性O
    H基およびフェニル基から選ばれる少なくとも1種であ
    る請求項1の組成物。
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