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JPH07227213A - 煎餅製造のための蒸煮方法と蒸練装置 - Google Patents

煎餅製造のための蒸煮方法と蒸練装置

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Publication number
JPH07227213A
JPH07227213A JP6039116A JP3911694A JPH07227213A JP H07227213 A JPH07227213 A JP H07227213A JP 6039116 A JP6039116 A JP 6039116A JP 3911694 A JP3911694 A JP 3911694A JP H07227213 A JPH07227213 A JP H07227213A
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JP
Japan
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steam
steaming
water
rice
rice flour
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JP6039116A
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English (en)
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Inventor
Seiichi Arai
清一 新井
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ARAI KIKAI SEISAKUSHO
Arai Foods Machinery Co Ltd
Original Assignee
ARAI KIKAI SEISAKUSHO
Arai Foods Machinery Co Ltd
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Publication date
Application filed by ARAI KIKAI SEISAKUSHO, Arai Foods Machinery Co Ltd filed Critical ARAI KIKAI SEISAKUSHO
Priority to JP03911694A priority Critical patent/JP3447100B2/ja
Publication of JPH07227213A publication Critical patent/JPH07227213A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 米粉及び水を供給する開閉自在の原料供給口
(3)を有し、内部に蒸気流通路(14)と表面に蒸気供
給開口を備えた回転自在な攪拌棒(16)を有し、下部に
開閉自在の落下口(4)を有し、さらに蒸気導入口(1
0)とを有する蒸煮釜(5)を設け、該蒸煮釜の下方に
該落下口を内包し、その下端に軸方向を一致させた一対
の送り出しローラー(7)を有する取出部(6)を設
け、さらに該送り出しローラーから送り出された板状の
餅材料を水冷するコンベア(8)を内設した冷却水槽
(9)を設けてなることを特徴とする蒸練装置。 【効果】 本発明によれば蒸練工程の時間が短縮され、
さらに1台の蒸練装置でも連続運転が可能となるので製
造コストを低減でき、また全体にムラなく蒸煮が行なえ
るので均一で安定した品質の煎餅生地が製造できる等の
効果を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は煎餅の製造において原料
の米粉を餅状に効率良く糊化する蒸煮方法と蒸練装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種の蒸練機は、煎餅の原料であ
る米粉と水とを混合して蒸煮釜内に収容し、該蒸煮釜の
内壁に設けた蒸気導入口より蒸気を導入させながら攪拌
羽根で練り、その後この蒸煮された材料を該蒸煮釜より
落下させ、下方で一時保持し、または保持せずに、下端
部に設けた一対の回転するスクリューからなるスクリュ
ーコンベアで次工程の水冷槽に搬送するか、または一対
のローラーからなる送り出しローラーで水冷槽に連続投
入するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような蒸練機にお
いて上記蒸気導入口は蒸煮釜内の蒸煮される材料の近く
に設けられ、比較的下部の内壁に開口しているものであ
る。このような従来の方式では蒸煮が完了するまでの時
間を短くすることが困難であったためコスト低減を図る
ことができなかった。さらに蒸煮後においても、米粉の
澱粉の糊化(即ちアルファ化)が十分でない部分が混在
する場合もあり、均一な品質の煎餅を作る上で問題とな
っていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこれに鑑み種々
検討し、より味や品質の良い煎餅を作るため蒸煮から水
冷までの各段階を詳細に調査した結果、出発段階である
蒸煮工程を見直すことに主眼をおいてこのような問題点
を解消した蒸煮方法とそのような蒸煮方式による蒸練方
法及び蒸練装置を開発したものである。
【0005】即ち本発明方法は、米粉に水を混合して蒸
気の存在下に攪拌することにより煎餅材料を蒸煮する方
法において、攪拌部材からも蒸気を噴出して攪拌するこ
とを特徴とするものである。
【0006】また本発明の蒸練方法は、蒸気を導入した
蒸煮釜内で、米粉と水を攪拌する攪拌部材からも蒸気を
噴出して該米粉と水とを攪拌して餅状とした後、蒸煮釜
から取り出し、その後一対のローラーで板状に圧延して
送り出し、しかる後冷却水中を連続して通過させること
を特徴とするものである。
【0007】また本発明の装置は、米粉及び水を供給す
る開閉自在の原料供給口を有し、内部に蒸気流通路と表
面に蒸気供給開口を備えた回転自在な攪拌棒を有し、下
部に開閉自在の落下口を有し、さらに内面に蒸気導入口
とを有する蒸煮釜を設け、該蒸煮釜の下方に該落下口を
内包し、その下端に軸方向を一致させた一対の送り出し
ローラーを有する取出部を設け、さらに該送り出しロー
ラーから送り出された板状の餅材料を水冷するコンベア
を内設した冷却水槽を設けてなることを特徴とするもの
であり、この場合さらに蒸気供給開口を攪拌棒の回転方
向の後側に設けたり、攪拌棒の蒸気流通路に高圧空気又
は高圧蒸気の噴出口を連結したのは有効である。
【0008】
【作用】本発明の蒸練装置での作業手順と本発明の作用
について説明する。先ず原料供給口を開いて米粉と水、
より好ましくは50℃程度の温水を蒸煮釜内に投入する。
次に該原料供給口を閉じて蒸気導入口と攪拌棒の蒸気供
給開口から蒸煮釜内に蒸気を約 0.5kgf/cm2 の圧力設定
で導入する。続いて蒸煮時間をタイマーで設定するが、
その時間は製品、あるいは製造者による米粉や副粉(ま
ぜもの)等の配合の違いもあり、さらに煎餅の硬さによ
る堅物、ソフト物、中物等の違いもあり、一概に決めら
れないが通常5〜15分程度である。しかしなかには20分
以上の場合もある。
【0009】そして攪拌棒を作動させて米粉と水(温
水)と蒸気とを攪拌と混合を加えながら蒸煮する。この
とき攪拌棒は米粉と水(温水)との攪拌を確実に行な
い、さらに蒸気を均等に混ぜあわせ、蒸煮釜内の蒸煮材
料のすみずみまで均一な製品となるよう働きをなすもの
であり、その構造は羽根状体や棒状体が回転するような
ものが良く、特に下記実施例で示した形状のものが良好
である。
【0010】このように蒸煮時に、蒸煮釜の蒸気導入口
ばかりでなく、ダンゴ状の塊となる蒸煮材料の内部に挿
入される攪拌棒からも蒸気を吐出させて流入させること
により、該蒸気は塊の内部にも良好に浸透してゆくので
全体が均一に蒸煮されてアルファ化し、品質のばらつき
の極めて少ない煎餅材料が得られる。さらに従来に比べ
て速かに材料に蒸気が侵入してゆくので蒸煮完了までの
時間が短くなる利点も有する。
【0011】また攪拌棒の回転方向の後部に蒸気排出開
口を設けたので、糊状となった材料が該開口に詰まって
これを塞ぐ不具合は減少する。さらに攪拌棒の蒸気流通
路に高圧空気もしくは高圧蒸気の噴出口を連結したこと
により、上記蒸気排出開口がたとえ蒸煮された材料で詰
っても、内側から高圧空気もしくは高圧蒸気を噴出して
容易にこの詰りを吹き飛ばすことができる。またこの作
用を行なわせる際には米粉等を投入する原料供給口を閉
じて蒸煮作業中は上記高圧空気等の噴出は実施せず、該
供給口が開いているときに、リミットスイッチ等による
電気信号で噴出させるように構成するとよりよい。従っ
て攪拌棒の蒸気排出開口の詰り解消用高圧空気もしくは
高圧蒸気の噴出は、蒸煮した餅状の材料を蒸煮釜の落下
口から落下させて、次の蒸煮用の米粉等を投入する間に
実施するような自動回路を作っておくのが良いが、手動
でも操作できるように設定する。
【0012】次に蒸煮が完了した材料は蒸煮釜から落下
口を開けることにより連続して設けられている取出部に
落下させる。そして通常は連続して駆動している下端の
一対の送り出しローラーにより所定時間経過した後板状
に送り出される。なお取出部は蒸煮され落下した材料が
常にある程度溜っているような大きさとした方が、以下
に示すように連続運転する上で非常に有効である。
【0013】即ちこのような構成でない蒸練装置では、
例えば上記取出部のない装置や取出部の比較的小さい装
置の場合は蒸煮釜の落下口直下に送り出し用ローラーが
位置するため蒸煮釜に新たな原料の投入はできず、当然
1台の蒸練装置では送り出しの間に煎餅生地原料は途切
れてしまっている。そしてそれを補うためもう1台ある
いはさらに後処理工程の機械の能力に合わせ多数台使う
ことになる。当然それに関わる作業者とその機械の設置
スペースも多くなる。しかし本発明では取出部を設けた
ことにより蒸し上がった米菓生地原料はすばやくその部
分に落下移動し、送り出しローラーにより順次送り出し
ている間に次の生地原料を蒸煮できる。またこの送り出
しローラーの速度は後処理能力に合わせ調整するように
し、時間は蒸煮量と蒸煮時間にあわせて調整する。これ
により、1台で連続処理が可能となりこの工程の自動制
御も可能となった。
【0014】一方従来の操業では複数台を使用する場合
は、それぞれの連動のタイミングの取り方など電気的な
困難さがあり、さらに多品種生産工場であれば(煎餅製
造業者の多くに当てはまる)製品毎に変化する蒸煮時
間、投入水量、投入米粉さらにまぜものといった変化に
すぐには対応できず、加えてその時々の時代のニーズに
合わせた新製品の開発による変更等もあり、一連の工程
の自動制御は不可能に近かった。これを取出部を設けた
ことで1台で米菓生地原料が途切れることなく送り出せ
るようになり米菓製造のラインの自動化が可能となっ
た。このように製造ラインの自動化の見地から上記取出
部を設置した例は従来になかったものである。
【0015】また蒸煮された材料を一対のローラーで適
度に薄く圧延しながら取り出すことで、その後の水冷が
より均一に短時間で終了できるようになった。
【0016】また従来のラセンスクリューで送り出し、
その後25〜30分水槽内のコンベアで徐々に冷却した米菓
生地と、ローラーで圧延して取り出した米菓生地原料を
短時間で必要温度に冷却した米菓生地で作った製品(煎
餅)を食べてくらべてみたところローラー圧延取出しで
急速に冷却した方が米本来の“味”とされる噛むほどに
出る甘み、香りがより感じられることも実感できた。
【0017】これは水冷却を兼ねてあく抜きも行なう水
槽の冷却において、従来のスクリューによる円柱状に取
出した約10〜15cm直径の生地とローラーによる板状の生
地の表面積の違いによる内部外部の冷却スピードの違い
が大きくかかわっていると考えられる。即ちスクリュー
を用いた場合は外部は冷却できても内部冷却はほとんど
できず、その後練り合わせたとしても容易に均一な温度
にならないことが原因であり、さらに冷却されて低温に
なりすぎた外側とまだ高温の内部とを混ぜ合わせて適温
としたものと、内外ともに予め適温まで冷却されている
ものとの違いが味に差が出る原因となっているのであろ
う。
【0018】また蒸煮された煎餅材料を冷却する理由
は、第1に蒸煮により材料にコシと縮む力という物性が
現われ、さらにその物性を安定化させるためであり、第
2に米特有のアクを抜くためであり、水を常に補給させ
ながら水槽内に材料を必要時間浸漬するのである。そし
てこのような良好な物性を発現させるためには、蒸煮工
程で上述の本発明のように内部まで十分均一に蒸煮され
た材料でなければならない。
【0019】またスクリューによる練出しは圧縮セン断
を利用した混練にあるのに対してのローラーによる送り
出しは単なる圧延送出しであり、この両者の違いも食感
に大きく影響する。一般的に知られるローラーの圧延送
出し効果としては成形と捏和とがある。その捏和効果と
して水分分布の均一化と成分組織等の生成があげられる
がそれが米菓にとってより重要である。これにより食
味、食感が形成されると言って良く、さらには圧延にお
いての圧力が加わることで、しぼり込み、浸透、変形加
工などにより含水量の調整も与えられ米菓原料の均一な
ものを作りあげる。これにより米菓生地原料の蒸煮直後
にスクリューを使って原料を圧縮セン断する場合と比較
して好結果が現われたものと思われる。
【0020】このようにローラーを使い均一な厚みを与
えて冷却することで、外と内の温度差も小さくなり冷却
温度設定とその速度設定も容易になり短時間で均一な必
要温度をもつ米菓生地原料が得られる。また中間に取出
部を設けたことも品質向上に一役買っている。即ち途中
で途切れることなく連続的に米菓生地原料の冷却が行な
えるので常に一定の品質の煎餅生地が安定して連続製造
可能となった。
【0021】
【実施例】図1及び図2に示すように円筒状容器の軸方
向を横方向に向け、前側端面に前蓋(1)を有し、上端
部にスライド式に開閉するナイフゲートバルブ(2)を
備えた原料供給口(3)を有し、さらに円筒側面の下端
面に沿って開閉自在な落下口(4)を有する蒸煮釜
(5)を設けた。そして該蒸煮釜の下方に、落下口を内
包する取出部(6)を形成し、該取出部(6)の下端に
は一対の送り出しローラー(7)を取付けた。さらに送
り出しローラー(7)の下方には取出し用コンベア(1
7)を設けて、送り出された板状の煎餅生地を冷却水槽
(9)へ送る取出し用コンベア(17)を設け、該冷却水
槽(9)の内部には冷却用コンベア(8)を設置して蒸
練装置を構成した。なお取出し用コンベア(17)を外し
て、送り出しローラー(7)の下方に直に冷却水槽
(9)を設置してもよいが、該冷却水槽(9)内の保守
点検のし易さを考慮すると図1に示すように取出しコン
ベア(17)を設置した方が良好である。
【0022】上記蒸煮釜(5)への蒸気の導入は、前蓋
(1)の2カ所及び後部に2カ所に設けた蒸気導入口
(10)と、下記構造の攪拌棒から行なう。また図中(1
1)は送り出しローラー(7)の駆動用モーターであ
り、(12)は攪拌棒を作動させるクランク軸(13)を回
転する駆動用モーターである。さらに下記で説明するよ
うに該クランク軸(13)の内部には蒸気流通路(14)を
有し、端部にはロータリージョイント(15)を設けて、
図3に示すように蒸煮用の蒸気配管(20)と高圧蒸気配
管(21)をそれぞれ逆止弁(26)(26)を介して連結し
た。さらにこれら蒸気配管(20)と高圧蒸気配管(21)
はそれぞれ電磁弁(27)(27)を介して、蒸気配管(2
0)はさらに減圧弁(28)を通り、高圧蒸気配管(21)
はそのままもしくは減圧弁(28')を通ってボイラー(2
9)の出口側に接続する。なお図中(30)は通常のスト
ップバルブ、(31)はスチームストレーナー、(32)は
圧力ゲージ、(26')は逆止弁である。そして図3の配管
系統においてボイラー(29)の出口側の蒸気圧力は約10
kgf/cm2 とし、そして減圧弁(28)を通すことにより蒸
煮用として約 0.5kgf/cm2 の蒸気とし、一方減圧弁(28
')を通すことにより3〜5kgf/cm2 の高圧蒸気とする。
なお減圧弁(28')は設けない場合もある。
【0023】上記攪拌棒(16)は蒸煮釜(5)内でクラ
ンク軸(13)を回転中心として回転するものであるが、
その構造は図3に示すように回転中心であるクランク軸
(13)と一体の片側4本、反対側に1本の回転方向を長
径方向に合わせた断面楕円形の攪拌翼(22)を有し、そ
の先端突起(23)はクランク軸(13)の延長上にあって
蒸煮釜の前蓋(1)の内壁面に嵌入して回転中心となっ
ている。そしてクランク軸(13)内部の蒸気流通路(1
4)は攪拌棒(16)の各攪拌翼(22)内部にも延長され
ており、さらに各攪拌翼(22)の側面の回転方向の後側
に各々縦方向に2個の蒸気供給開口(24)を設けた。
【0024】またこの攪拌翼(22)を図4及び図5によ
り詳述すると、先ず図4(a)(b)のように内部の蒸
気流通路(14)は攪拌翼の先端で開口し、通常はメクラ
用ブッシング(25)で塞いでおくものである。こうする
ことにより蒸気流通路(14)内の清掃が容易となる。そ
してこの攪拌翼はクランク軸が回転する時は図中矢印の
方向へ移動するので、この蒸気流通路(14)と連結して
いる蒸気供給開口(24)はその移動の後側に設ける。
【0025】また蒸気供給開口(24)に各種穴径を有す
る噴出ノズル(25)を取付けてもよい。これは多種多様
な煎餅生地の製造に対応し、さらに様々な副粉(まぜ
物)に対応して蒸気を供給する開口の径を種々変更でき
るようにするためである。また図5に示すようにより蒸
気の供給量を増やすために蒸気供給開口(24)を図4の
1カ所につき後側斜めに2個、あるいはそれ以上設ける
こともできる。また攪拌翼(22)の断面形状は、蒸煮釜
(5)内の煎餅生地内にスムーズに切り込みながら蒸気
を満遍なく浸透させるのに適当な形状として上記の楕円
形状としたが、他にも角柱状や円柱状等どのような形状
であってもよい。
【0026】<本発明蒸練装置と従来装置での蒸煮工程
の比較> 本発明例 上記構造の蒸練装置において、攪拌棒(攪拌翼)からも
蒸気を投入しながら以下の表1の条件の蒸煮釜と攪拌条
件により、同じく表2の条件で原料を投入して本発明法
により蒸煮した。そして1分間毎に攪拌棒の駆動用モー
ターに流れる電流の平均最大値と平均最小値をクランプ
式電流計により測定し、また30秒毎に蒸煮釜内の蒸気圧
力をJISB7505準拠のブルドン管式圧力計で測定
してそれらの結果を表3及び表4に示した。なおこれら
の測定はそれぞれ2回行なった。
【0027】
【表1】 ※クランク軸・攪拌棒内の蒸気流通路内径は15mm ※攪拌翼の蒸気供給開口は(2カ所/1本)×5本、開
口径は5mm
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】 ※なお最大値のピークは1回目、2回目ともに2分と3
分との間であった。
【0030】
【表4】
【0031】 従来例 上記表1及び表2の条件により、さらに攪拌棒からは蒸
気を投入しないで従来法による蒸煮を行なった。そして
上記と同様の測定を行なってそれらの結果を表5及び表
6に示した。
【0032】
【表5】 ※なお最大値のピークは1回目、2回目ともに3分と4
分との間であった。
【0033】
【表6】
【0034】表3と表5とを比較して明らかなように、
本発明法によれば澱粉のアルファ化が従来のものより早
く完了するので攪拌棒に加わる負荷の最大ピークは本例
では約1分早くなる。通常米粉及び温水を投入して蒸練
装置で蒸煮すると、先ず米粉と温水との攪拌・混合から
始まり、次に蒸気で蒸され、その後一定時間の後アルフ
ァ化が始まる。そしてこの時の物性の変化(ねばり)が
モーターの負荷となって現われるものである。
【0035】またこのように本発明法の方が従来法のも
のより早く蒸煮が完了することは、表4と表6との蒸煮
釜内の蒸気圧の変動値からも明らかである。なお設定投
入蒸気圧は 0.5kgf/cm2 であるが、蒸煮釜内に投入直後
は釜内の圧力は 0.5kgf/cm2にはならない。これは釜内
の米粉量が、その容積の約 3/4程であり、攪拌初期には
米粉が蒸気圧上昇のいわゆるクッションとして働き、表
のように徐々に上昇する。そして表4と表6の蒸気圧の
変動値からはアルファ化の時期は明確ではないが、米粉
と温水と蒸気とが完全に混ざりあってアルファ化が進
み、粉の状態からダンゴ状の塊となったときに上記クッ
ションとしての働きはなくなり、蒸気圧は安定するよう
になる。このように本発明によれば蒸練工程を短縮で
き、コスト低減が図れる。
【0036】<本発明装置を用いた煎餅と従来装置によ
る煎餅の品質比較>堅焼煎餅用の粒度の米粉(粗粉30メ
ッシュ以下を約60%含む)と温水(50〜60℃)を蒸煮釜
に投入し、攪拌棒からも蒸気を投入して本発明法により
蒸煮した。なお上記メッシュとはふるい面の1インチ
(25.4mm)×1インチの範囲にある開き目の数をいい、
例えば30個の開き目があれば30メッシュという。そして
通常堅焼煎餅用の米粉は30〜50メッシュ、中物煎餅用は
50〜80メッシュ及びソフト煎餅用としては80〜120 メッ
シュもしくはそれ以上のものを用いる。
【0037】このとき攪拌棒の回転速度は最初の3分間
は75回転/分とし、その後米粉がアルファ化して糊化し
た後は20回転/分の低速として4分30秒蒸煮した。その
他の条件は上記表1及び表2と同一とした。蒸煮後蒸煮
された材料を取出部に落下させ、送り出しローラーによ
り圧延して板状にし、17℃の水温の冷却水槽内に直接投
入し、内設されているコンベアで移動させながら10分程
度冷却して40℃の堅焼用米菓生地を作った。
【0038】次にソフトタイプのウキ物といわれる煎餅
用に調整した粒度の米粉(細粉60メッシュ以上を約60%
含む)と温水(50〜60℃)を蒸煮釜に投入し、攪拌棒か
らも蒸気を投入して本発明法により蒸煮した。攪拌棒の
回転速度は最初75回転/分で3分間行ない、続いて50回
転/分で4分30秒行ない、その後は上記と同様の条件で
40℃の板状のウキ物用米菓生地を作った。
【0039】上記2種類の米菓生地にそれぞれ必要な練
り工程を行なった後堅焼煎餅、ウキ物煎餅を焼成した。
これらを食したところいずれも風味や食感において従来
の煎餅に比べて全体に均一で、米特有の旨みに優れてい
ることが判った。
【0040】
【発明の効果】このように本発明によれば蒸練工程の時
間が短縮され、さらに1台の蒸練装置でも連続運転が可
能となるので製造コストを低減でき、また全体にムラな
く蒸煮が行なえるので均一で安定した品質の煎餅生地が
製造できる等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置を示す正面図である。
【図2】同じく側面図である。
【図3】攪拌棒の構造と蒸気配管系統を示す説明図であ
る。
【図4】攪拌翼を説明するもので、(a)は要部側面
図、(b)は上面図、(c)は攪拌翼に取付ける噴出ノ
ズルの斜視図である。
【図5】攪拌翼の他の例を示す上面図である。
【符号の説明】
1 前蓋 2 ナイフゲートバルブ 3 原料供給口 4 落下口 5 蒸煮釜 6 取出部 7 送り出しローラー 8 コンベア 9 水槽 10 蒸気導入口 11 駆動用モーター 12 駆動用モーター 13 クランク軸 14 蒸気流通路 15 ロータリージョイント 16 攪拌棒 17 取出し用コンベア 20 蒸気配管 21 高圧蒸気配管 22 攪拌翼 23 先端突起 24 蒸気供給開口 25 噴出ノズル 26 逆止弁 27 電磁弁 28 減圧弁 29 ボイラー 30 ストップバルブ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米粉に水を混合して蒸気の存在下に攪拌
    することにより煎餅材料を蒸煮する方法において、攪拌
    部材からも蒸気を噴出して攪拌することを特徴とする蒸
    煮方法。
  2. 【請求項2】 蒸気を導入した蒸煮釜内で、米粉と水を
    攪拌する攪拌部材からも蒸気を噴出して該米粉と水とを
    攪拌して餅状とした後、蒸煮釜から取り出し、その後一
    対のローラーで板状に圧延して送り出し、しかる後冷却
    水中を連続して通過させることを特徴とする蒸練方法。
  3. 【請求項3】 米粉及び水を供給する開閉自在の原料供
    給口を有し、内部に蒸気流通路と表面に蒸気供給開口を
    備えた回転自在な攪拌棒を有し、下部に開閉自在の落下
    口を有し、さらに内面に蒸気導入口とを有する蒸煮釜を
    設け、該蒸煮釜の下方に該落下口を内包し、その下端に
    軸方向を一致させた一対の送り出しローラーを有する取
    出部を設け、さらに該送り出しローラーから送り出され
    た板状の餅材料を水冷するコンベアを内設した冷却水槽
    を設けてなることを特徴とする蒸練装置。
  4. 【請求項4】 蒸気供給開口を攪拌棒の回転方向の後側
    に設けた請求項3記載の蒸練装置。
  5. 【請求項5】 攪拌棒の蒸気流通路に高圧蒸気又は高圧
    空気の噴出口を連結した請求項3又は4記載の蒸練装
    置。
JP03911694A 1994-02-14 1994-02-14 煎餅製造のための蒸煮方法と蒸練装置 Expired - Fee Related JP3447100B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006094788A (ja) * 2004-09-30 2006-04-13 Musashino Corp おにぎりの製造装置および製造方法
JP2016182119A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 有限会社木村有機農園 麺の製造方法

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