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JPH07223921A - 化粧品基材 - Google Patents

化粧品基材

Info

Publication number
JPH07223921A
JPH07223921A JP3770594A JP3770594A JPH07223921A JP H07223921 A JPH07223921 A JP H07223921A JP 3770594 A JP3770594 A JP 3770594A JP 3770594 A JP3770594 A JP 3770594A JP H07223921 A JPH07223921 A JP H07223921A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peptide
hair
general formula
cosmetics
skin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3770594A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3516272B2 (ja
Inventor
Masato Yoshioka
正人 吉岡
Hiroshi Shintani
博 新谷
Emi Segawa
江見 瀬川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiwa Kasei Co Ltd
Original Assignee
Seiwa Kasei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiwa Kasei Co Ltd filed Critical Seiwa Kasei Co Ltd
Priority to JP03770594A priority Critical patent/JP3516272B2/ja
Publication of JPH07223921A publication Critical patent/JPH07223921A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3516272B2 publication Critical patent/JP3516272B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
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  • Cosmetics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 毛髪化粧品や皮膚化粧品に配合したときに、
毛髪に艶と潤いを与え、毛髪の櫛通り性を改善し、かつ
毛髪の枝分かれを防止し、また皮膚に艶と潤いを与え、
かつ皮膚をなめらかにし、しかも保存中に濁りや沈殿を
生じない化粧品基材を提供する。 【構成】 次の一般式(I)で表されるペプチド変性シ
リコン誘導体で化粧品基材を構成する。 【化1】 〔式中、R1 、R2 はそれぞれ炭素数1〜3のアルキル
基を示し、R3 は側鎖の末端にアミノ基を有する塩基性
アミノ酸の末端アミノ基を除く残基を示し、R4はR3
以外のアミノ酸の側鎖を示し、aは1または2、bは1
または2で、a+b=3であり、mは0〜200、nは
0〜200、m+nは1〜200である〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の化学構造を有す
るペプチド変性シリコン誘導体からなる化粧品基材に関
する。さらに詳しくは、本発明は、水溶性で、毛髪化粧
品、皮膚化粧品に配合したときに、毛髪に艶や潤いを付
与し、毛髪の櫛通り性を改善し、かつ毛髪の枝分かれを
防止し、皮膚に艶や潤いを付与し、皮膚をなめらかに
し、しかもpH安定性や保存安定性が優れ、保存中に濁
りや沈殿を生じない化粧品基材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、シリコンオイルとポリペプチ
ドを毛髪化粧品に配合して、シリコンオイルの有する優
れた伸展性、毛髪への艶・光沢の付与作用、毛髪への撥
水性付与による保護作用などと、ポリペプチドの有する
毛髪への収着作用、皮膚刺激の緩和作用、造膜による保
護、保湿作用などを発揮させることが試みられている。
【0003】例えば、特公昭63−5005号公報で
は、疎水性のシリコンオイルとモノN−長鎖アシル塩基
性アミノ酸低級アルキルエステル塩を配合した毛髪化粧
品が提案され、特開昭63−310812号公報には、
メチルポリシロキサンやメチルフェニルポリシロキサン
と加水分解コラーゲンを配合したヘアートリートメント
が提案されている。
【0004】しかしながら、シリコンオイルは、本来、
疎水性(親油性)物質であり、ポリペプチドは、本来、
親水性物質であるため、これらは、相溶しにくく、これ
らを併用して配合した場合には、乳化安定性に欠け、分
離しやすいため、化粧品としての商品価値が損なわれや
すく、また、先にシリコンオイルと接触した部分にはポ
リペプチドが付着しにくく、その逆に先にポリペプチド
と接触した部分にはシリコンオイルが付着できず、両者
の特性を充分に発揮させることができないという問題が
あった。
【0005】そこで、上記問題を解決するため、疎水性
のシリコンオイルと親水性のポリペプチドとを反応させ
て、シリコンオイルの特性とポリペプチドの特性を併有
する化合物を合成し、それを化粧品基材として用いるこ
とにより、シリコンオイルとポリペプチドを併用配合す
る場合の欠点を解消し、シリコンオイルの有する特性と
ポリペプチドの有する特性を発揮させることが、本発明
者らによって提案されている(特開平3−223207
号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭3−223207号公報に開示のペプチド変性シリ
コン誘導体は、水に難溶のシリコン部分の影響で、水中
でのpH安定性や保存安定性が悪く、毛髪化粧品や皮膚
化粧品が主として水溶性であることもあって、保存中に
濁りを生じたり、沈殿を生じるという問題があった。
【0007】また、上記ペプチド変性シリコン誘導体の
製造は、水に難溶のシリコンオイルと水溶性ポリペプチ
ドとの反応を水溶液中で行うため、反応性が悪く、収率
が低く、収率向上には、アルコールなどの水溶性有機溶
媒を加えておかねばならないという問題もあった。
【0008】したがって、本発明は、シリコン化合物の
優れた特性とポリペプチドの優れた特性を併有し、しか
も水中でのpH安定性や保存安定性が優れ、保存中に濁
りや沈殿を生じないペプチド変性シリコン誘導体からな
る化粧品基材を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意研究を重ねた結果、次の一般式
(I)
【0010】
【化1】
【0011】〔式中、R1 、R2 はそれぞれ炭素数1〜
3のアルキル基を示し、R3 は側鎖の末端にアミノ基を
有する塩基性アミノ酸の末端アミノ基を除く残基を示
し、R4はR3 以外のアミノ酸の側鎖を示し、aは1ま
たは2、bは1または2で、a+b=3であり、mは0
〜200、nは0〜200、m+nは1〜200である
(ただし、mおよびnはアミノ酸の数を示すのみで、ア
ミノ基配列の順序を示すものではない)〕で表されるペ
プチド変性シリコン誘導体が、水溶性で、水中でのpH
安定性や保存安定性が優れ、しかもシリコン化合物の優
れた特性とポリペプチドの優れた特性を併有し、これを
毛髪化粧品や皮膚化粧品に配合するときは、毛髪に艶や
潤いを付与し、毛髪の櫛通り性を改善し、かつ毛髪の枝
分かれを防止し、皮膚に艶や潤いを付与し、かつ皮膚を
なめらかにし、なかでも、シャンプーなどの洗浄剤に配
合したときには、泡を軟らかい感触にし、使用後の毛髪
や皮膚をなめらかにし、しかも保存中に濁りや沈殿を生
じないことを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0012】上記一般式(I)で表されるペプチド変性
シリコン誘導体は、次の一般式(II)
【0013】
【化2】
【0014】〔式中、R1 、R2 は炭素数1〜3のアル
キル基を示し、aは1または2、bは1または2で、a
+b=3である〕で表されるエポキシ変性シリコン化合
物と、次の一般式(III)
【0015】
【化3】
【0016】〔式中、R3 は側鎖の末端にアミノ基を有
する塩基性アミノ酸の末端アミノ基を除く残基を示し、
4 はR3 以外のアミノ酸の側鎖を示し、mは0〜20
0、nは0〜200、m+nは1〜200である〕で表
されるペプチド類とを反応させることによって得られ
る。
【0017】上記一般式(II)で表されるエポキシ変性
シリコン化合物は、そのケイ素(Si)にR1 −Oで表
される親水性のアルコキシ基が結合していることによっ
て、先願発明〔前記特開平3−223207号公報に記
載されている発明であって、ケイ素(Si)に疎水性の
アルキル基だけが結合している〕の場合とは異なり、水
溶性であって、水系で一般式(III)で表される水溶性の
ペプチド類との反応がスムーズに進行し、高収率で一般
式(I)で表されるペプチド変性シリコン誘導体が得ら
れ、また上記一般式(II)で表されるエポキシ変性シリ
コン化合物が水溶性であることに基づいて、一般式
(I)で表されるペプチド変性シリコン誘導体も水溶性
であって、水中でのpH安定性や保存安定性が向上す
る。
【0018】つぎに、一般式(I)で表されるペプチド
変性シリコン誘導体の特性および該ペプチド変性シリコ
ン誘導体を合成するための一般式(II)で表されるエポ
キシ変性シリコン化合物と一般式(III)で表されるペプ
チド類との反応を詳細に説明する。
【0019】上記一般式(I)で表されるペプチド変性
シリコン誘導体は、その化学構造式からも明らかなよう
に、一般式(II)に基づくシリコンオイルに相当する部
分と一般式(III)に基づくペプチド部分を有するので、
これを化粧品に配合すると、シリコンオイルの有する優
れた伸展性、摩擦低減性、艶や光沢の付与作用、撥水性
の付与作用などと、ペプチドの有する毛髪や皮膚への収
着作用、それに伴う毛髪のボリュームアップ、ハリ(張
り)の付与、皮膚刺激の緩和作用、造膜による保護作
用、保湿作用などを同時に発揮させることができる。
【0020】したがって、毛髪化粧品に配合したときに
は、毛髪に艶や潤いを付与し、毛髪の櫛通り性を改善
し、かつ毛髪の枝分かれを防止し、皮膚化粧品に配合し
たときには、皮膚に艶と潤いを与え、かつ皮膚をなめら
かにする。
【0021】例えば、従来のように、シリコンオイルで
毛髪にハリを付与する時には、高分子量のものが必要に
なるが、高分子量シリコンは一度付着すると取れにく
く、そのため、パーマ、ブリーチ、染毛などの化学的処
理が行いにくくなる上に、ペプチドやカチオン化ポリマ
ーなどの毛髪への収着作用を減少させる。しかし、上記
一般式(I)で表されるペプチド変性シリコン誘導体
は、ペプチド部分に低分子シリル基がついたものであっ
て、毛髪や皮膚には通常のペプチドの収着機構で収着す
るので、ペプチドを含まない洗浄剤で洗浄することによ
り、可逆的にペプチド変性シリコン誘導体を脱着するこ
とができ、上記のような弊害を生じない。
【0022】しかも、一般式(I)で表されるペプチド
変性シリコン誘導体は、一物質中にシリコンオイルに相
当する部分とペプチド部分を有するので、従来のシリコ
ンオイルとポリペプチドとを混合したものとは異なり、
シリコン部分の毛髪や皮膚への収着性が向上し、かつ乳
化安定性が良好で、化粧品用の乳化剤、乳化安定剤、浸
透剤としても使用することができる。
【0023】また、上記一般式(I)で表されるペプチ
ド変性シリコン誘導体は、一般式(II)で表されるエポ
キシ変性シリコン化合物および一般式(III)で表される
ペプチド類が水溶性であることに基づいて、水溶性であ
り、水中でのpH安定性や保存安定性が優れているの
で、水溶液系の毛髪化粧品や皮膚化粧品に配合したとき
に、保存中に濁りや沈殿を生じることがない。
【0024】一般式(I)で表されるペプチド変性シリ
コン誘導体や一般式(II)で表されるエポキシ変性シリ
コン化合物において、R1 、R2 を炭素数1〜3のアル
キル基に特定しているのは、アルキル鎖が長くなると溶
解性が減少し、水中での安定性に欠けるためである。
【0025】aを1または2に特定しているのは、aが
3になると一般式(II)で表されるエポキシ変性シリコ
ン化合物のpH安定領域が3.5〜4.0と狭くなり、
一般式(III)で表されるペプチド類との反応性が悪くな
る上に、その反応生成物である一般式(I)で表される
ペプチド変性シリコン誘導体の水中でのpH安定性が悪
くなるためである。
【0026】また、bを1または2に限定しているの
は、bが0では広いpH領域で加水分解しやすく、化粧
品における実用的pHで安定なpH領域を確保するのが
難しいためであり、bが3になるとアルコキシ基の結合
する余地がなくなり、水溶性を欠くためである。
【0027】一般式(I)で表されるペプチド変性シリ
コン誘導体や一般式(III)で表されるペプチド類におい
て、R3 は側鎖の末端にアミノ基を有する塩基性アミノ
酸の末端アミノ基を除く残基であるが、上記のような側
鎖の末端にアミノ基を有する塩基性アミノ酸としては、
たとえばリシン、アルギニン、ヒスチジン、ヒドロキシ
リシンなどが挙げられる。また、R4 はR3 以外のアミ
ノ酸の側鎖を示すが、そのようなアミノ酸としては、た
とえばグルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、セリ
ン、トリオニン、バリン、メチオニン、ロイシン、イソ
ロイシン、チロシン、フェニルアラニンなどが挙げられ
る。
【0028】一般式(I)で表されるペプチド変性シリ
コン誘導体や一般式(III)で表されるペプチド類におい
て、mは0〜200、好ましくは0より大きく50以
下、より好ましくは0より大きく10以下であり、nは
0〜200、好ましくは1〜50、より好ましくは2〜
40であり、m+nは1〜200、好ましくは2〜10
0、より好ましくは3〜50であるが、これは次の理由
によるものである。
【0029】すなわち、mが上記範囲より大きくなる
と、側鎖のアミノ基に結合するシリコン化合物が増え、
ペプチド本来の皮膚や毛髪への収着作用が減少するため
であり、nが上記範囲より大きくなると、ペプチド部分
に対するシリコン部分の割合が少なくなり、シリコン化
合物の有する効果を充分に発揮できなくなるためであ
り、m+nが上記範囲より大きくなると、ペプチドとし
ての収着性が低分子量のペプチドに比べて減少する上
に、保存中に凝集しやすくなり、化粧品としての保存安
定性が低下するためである。
【0030】なお、上記のm、nやm+nは、理論的に
は整数であるが、ペプチドが分子量の異なるものの混合
物として得られるため、測定値は平均値になる。
【0031】上記一般式(II)で表されるエポキシ変性
シリコン化合物は、市販のものを使用することができ、
また、上記一般式(III)で表されるペプチド類における
ペプチド類には、アミノ酸、ペプチド、アミノ酸または
ペプチドのエステルが含まれる。
【0032】上記のアミノ酸としては、例えば、アラニ
ン、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロ
リン、フェニルアラニン、チロシン、セリン、トレオニ
ン、メチオニン、アルギニン、ヒスチジン、リシン、ア
スパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン
酸、シスチン、システイン、システイン酸、トリプトフ
ァン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリシン、O−ホ
スホセリン、シトルリンなどが挙げられる。
【0033】上記のペプチドは、天然ペプチド、合成ペ
プチド、タンパク質(蛋白質)を酸、アルカリまたは酵
素で部分加水分解して得られる加水分解ペプチドなどで
ある。
【0034】天然ペプチドとしては、例えば、グルタチ
オン、バシトラシンA、インシュリン、グルカゴン、オ
キシトシン、バソプレシンなどが挙げられる。
【0035】合成ペプチドとしては、例えば、ポリグリ
シン、ポリリシン、ポリグルタミン酸、ポリセリンなど
が挙げられる。
【0036】加水分解ペプチドとしては、コラーゲン
(その変性物であるゼラチンも含む)、ケラチン、絹フ
ィブロイン、カゼイン、コンキオリン、エラスチン、鶏
などの卵の卵黄タンパク、卵白タンパク、大豆タンパ
ク、小麦タンパクなど、動植物タンパクを酸、アルカリ
または酵素で部分的に加水分解して得られるペプチドで
あり、この加水分解ペプチド中には、前記種々のアミノ
酸で構成されるペプチドの混合物で、そのアミノ酸の量
体が2〜200であるものも含まれる。
【0037】上記のアミノ酸またはペプチドのエステル
としては、上記アミノ酸またはペプチドのカルボキシル
基における炭素数1〜20の炭化水素アルコールとのエ
ステル、例えば、メチルエステル、エチルエステル、プ
ロピルエステル、イソプロピルエステル、ラウリルエス
テル、セチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、
2−ヘキシルデシルエステル、ステアリルエステルなど
が挙げられる。
【0038】また、上記加水分解ペプチドは、微生物由
来のタンパク質を部分加水分解したものであってもよ
く、そのような微生物由来のタンパク質としては、例え
ば、サッカロミセス属、カンディタ属、エンドミコプシ
ス属の酵母菌や、いわゆるビール酵母、清酒酵母といわ
れる酵母菌より分離した酵母タンパク、キノコ類(担子
菌)より抽出したタンパク、クロレラより分離したタン
パクなどが挙げられる。
【0039】上記一般式(II)で表されるエポキシ変性
シリコン化合物と一般式(III)で表されるペプチド類と
の反応は、例えば、上記一般式(III)で表されるペプチ
ドの水溶液中に一般式(II)で表されるエポキシ変性シ
リコン化合物を滴下し、両者を接触させることによって
行われる。
【0040】上記反応に際して、一般式(III)で表され
るペプチド類は30〜50重量%程度の水溶液にするの
が好ましく、一般式(II)で表されるエポキシ変性シリ
コン化合物の滴下は、30分〜6時間で終わるのが好ま
しい。
【0041】反応時、反応系内のpHを8〜11、特に
9〜10に保つことが好ましく、そのためには水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ溶液を適宜滴
下することが好ましい。
【0042】反応時、反応系内のpHを上記の範囲に維
持するのは、一般式(III)で表されるペプチド類のアミ
ノ基が一般式(II)で表されるエポキシ変性シリコン化
合物と反応するためには、pH8以上のアルカリ側であ
ることが好ましく、またpHが11を超えると一般式
(III)で表されるペプチド類や一般式(II)で表される
エポキシ変性シリコン化合物が加水分解を起こすように
なるからである。
【0043】反応は常温でも進行するが、温度が高くな
るほど反応速度は速くなる。しかし、pHが高い状態で
温度が高くなると、一般式(II)で表されるエポキシ変
性シリコン化合物の加水分解が促進されるため、高くて
も80℃以下にすることが好ましく、特に40〜60℃
で行うのが好ましい。
【0044】反応の進行と終了は、アミノ基への反応に
ついてファン・フレーク(VanSlyke)法によ
り、反応液中のペプチドのアミノ態窒素を測定すること
によって確認することができる。
【0045】反応終了後、反応液は、通常、適宜濃縮
し、イオン交換樹脂、透析膜、あるいは電気透析装置な
どにより、精製され、得られた一般式(I)で表される
ペプチド変性シリコン誘導体の水溶液は、適宜濃縮し
て、固体、ペースト、濃縮液の状態にされる。
【0046】上記一般式(I)で表されるペプチド変性
シリコン誘導体からなる化粧品基材は、従来の化粧品配
合剤に代えて、あるいは従来の化粧品配合剤と併用し
て、各種化粧品に配合される。
【0047】上記一般式(I)で表されるペプチド変性
シリコン誘導体からなる化粧品基材が配合される化粧品
としては、例えば、シャンプー、ヘアーリンス、枝毛コ
ート、パーマネントウェーブ用第1剤、パーマネントウ
ェーブ用第2剤、ヘアークリーム、ヘアーコンディショ
ナー、セットローション、ヘアーカラー、ヘアートリー
トメント、液体整髪料、ヘアーパック、ヘアートニッ
ク、養毛・育毛剤などの毛髪化粧品、化粧水、アフター
シェーブローション、シェービングフォーム、バニシン
グクリーム、クレンジングクリーム、エモリエントクリ
ーム、モイスチャークリーム、ハンドクリーム、洗顔ク
リームなどの各種クリーム、脱毛剤、フェイスパック、
乳液、ボディーシャンプー、各種石鹸、メイキャップ用
品、日焼け止め用品など、各種化粧品に利用が可能であ
る。そして、その配合量としては、化粧品組成物中、
0.1〜20%(以下において、濃度を示す%は特に基
準を示さないかぎり、重量%を示す)程度にするのが好
ましい。
【0048】また、上記化粧品に、上記一般式(I)で
表されるペプチド変性シリコン誘導体からなる化粧品基
材と併用して配合できる成分としては、例えば、ラウリ
ル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸エタノールアミンなど
のアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレン(2EO)ラウ
リルエーテル硫酸トリエタノールアミン(なお、EOは
エチレンオキサイドで、EOの前の数値はエチレンオキ
サイドの付加モル数で示す)、ポリオキシエチレン(3
EO)アルキル(炭素数11〜15のいずれかまたは2
種以上の混合物)エーテル硫酸ナトリウムなどのポリオ
キシエチレンア
【0049】ルキルエーテル硫酸塩、ラウリルベンゼン
スルホン酸ナトリウム、ラウリルベンゼントリエタノー
ルアミンなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオ
キシエチレン(3EO)トリデシルエーテル酢酸ナトリ
ウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸
塩、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、ラウロイル−
L−グルタミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸−L−グル
タミン酸ナトリウムなどのN−アシルアミノ酸塩、エー
テル硫酸アルカンスルホン酸ナトリウム、硬化ヤシ油脂
肪酸グリセリン硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンア
ルキル(炭素数12
【0050】〜15)エーテルリン酸(8〜10E
O)、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸、ヤシ
油脂肪酸メチルタウリン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸加
水分解コラーゲンのナトリウム、カリウム、トリエタノ
ールアミンなどの塩類、ウンデシレン酸加水分解コラー
ゲンカリウム、ラウリン酸加水分解コラーゲンのナトリ
ウム、カリウム塩類などのアニオン性界面活性剤、塩化
ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルト
リメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤、2
−アルキル(炭素数12〜15)−N−カルボキシメチ
ル−N−ヒドロキシエ
【0051】チルイミダゾリニウムベタイン、ウンデシ
ルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウ
ム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル・
DL・ピロリドンカルボン酸塩などの両性界面活性剤、
ポリオキシエチレンアルキル(炭素数12〜14)エー
テル(7EO)、ポリオキシエチレンオレイルエーテ
ル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、アル
キル(炭素数10〜18)グルコシド、アルキル(炭素
数10〜18)ポリグルコシドなどのノニオン性界面活
性剤、カチオン化セルロース、カチオン化ヒドロキシエ
チルセルロースなどのカチオン性ポリマー、両性ポリマ
ー、アニオン性ポリマーなどの合成ポリマー
【0052】、イソステアリン酸ジエタノールアミド、
ラウリル酸ジエタノールアミドなどの増粘剤、動植物抽
出物、ポリサッカライドまたはその誘導体、鎖状または
環状メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキ
サン、アミノ変性シリコンオイル、第4級アンモニウム
変性シリコンオイルなどのシリコンオイル、プロピレン
グリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン
などの潤滑剤、エタノール、メタノール、プロピルアル
コールなどの低級アルコール類、L−アスパラギン酸ナ
トリウム、DL−アラニン、グリシン、L−アルギニ
ン、L−システインなどのアミノ酸、などを挙げること
ができる。ただし、これら例示のもののみに限定される
ことはない。
【0053】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はそれら実施例に例示のも
ののみに限定されることはない。なお、実施例に先立
ち、実施例で用いる一般式(I)で表されるペプチド変
性シリコン誘導体の製造例を示す。また、各製造例にお
いては、ペプチド類(アミノ酸、ペプチドまたはそれら
のエステル)の種類を製造例番号の後に括弧書きで示
す。
【0054】製造例1(L−リシン) L−リシン−塩酸塩10g(分子量:182.6、5
4.7ミリモル)を100mlの水に溶解し、攪拌しつ
つ55℃に加温し、20%水酸化ナトリウム水溶液を滴
してpH10.0にした。
【0055】この水溶液に一般式(II)においてR1
CH3 、R2 =CH3 、a=2、b=1のエポキシ変性
シリコン化合物26.5g(2.2当量、アミノ態窒素
に対して1.1当量)を1時間かけて滴下した。この
間、20%水酸化ナトリウムを滴下してpHを10.0
に保った。さらに、pH10.0、55℃で5時間反応
させた。反応後、ファンスレーク法により、アミノ態窒
素量を測定することによって、反応率を求めたところ、
反応率は85%であり、α位のアミノ基だけでなく、ω
位のアミノ基も反応しているのがわかった。
【0056】反応液を塩酸で中和し、減圧濃縮して総量
を50mlにし、分液ロートに移し、n−ヘキサン25
mlを加えて、振盪し、未反応のエポキシ変性シリコン
化合物とその加水分解物(エポキシ基が加水分解してア
ルコールになったもの)をn−ヘキサン層に抽出して除
去した。つぎに水層を分液ロートに移し、イソブチルア
ルコール100mlを加えて振盪し、反応生成物をイソ
ブチルアルコール層に抽出して、未反応のリシンを分離
した。
【0057】イソブチルアルコール層を減圧乾固して3
1.3gの反応生成物〔つまり、一般式(I)で表され
るペプチド変性シリコン誘導体の範囲内に含まれる化合
物〕を得た。
【0058】製造例2(DL−アラニン) L−リシン−塩酸塩に代えてDL−アラニン10グラム
(分子量:89.1、112ミリモル)を用い、エポキ
シ変性シリコン化合物としては、一般式(II)において
1 =CH3 、R2 =CH3 、a=1、b=2の化合物
を27.4g(1.2当量)用いたほかは、製造例1と
同様にして反応生成物33.2gを得た。アミノ態窒素
量を測定することにより、反応率を求めたところ、反応
率は90%であった。
【0059】製造例3(グリシル−L−アラニン) L−リシン−塩酸塩に代えてグリシル−L−アラニン1
0g(分子量:146.1、68.4ミリモル)を用
い、エポキシ変性シリコン化合物として、一般式(II)
においてR1 =C2 5 、R2 =CH3 、a=1、b=
2の化合物を15.4g(1.2当量)用いたほかは、
製造例1と同様にして、反応生成物21.6gを得た。
アミノ態窒素量を測定することにより、反応率を求めた
ところ、反応率は89%であった。
【0060】製造例4(コラーゲンペプチド) コラーゲンペプチド(コラーゲンの加水分解ペプチド
で、mの平均値=1.4、nの平均値=18.6、m+
nの平均値=20で、分子量:約3,000)の30%
水溶液50g(アミノ態窒素の測定によって得られた化
学量論的モル数として7.0ミリモル)を20%水酸化
ナトリウム水溶液を滴下してpH10.0とし、60℃
に加温した。
【0061】この溶液を攪拌しながら、その中に一般式
(II)においてR1 =CH3 、R2=CH3 、a=2、
b=1のエポキシ変性シリコン化合物1.8g(1.2
当量)を2時間かけて滴下した。
【0062】さらに、60℃、pH10.0で攪拌して
3時間反応させた後、翌日まで静置した。アミノ態窒素
量を測定することにより、反応率を求めたところ、反応
率は85%であった。
【0063】反応液を塩酸で中和した後、分液ロートに
移し、n−ヘキサン50mlを加えて、振盪し、未反応
のエポキシ変性シリコン化合物とその加水分解物を除去
した。
【0064】水層を減圧濃縮して溶解している有機溶媒
を除去し、濃度調整を行うことにより、反応生成物濃度
が30%の水溶液50gを得た。
【0065】製造例5(ケラチンペプチド) ケラチンペプチド(羊毛の加水分解ペプチドで、mの平
均値=1、nの平均値=4、m+nの平均値=5で、分
子量:約600)の30%水溶液50g(アミノ態窒素
の測定によって得られた化学量論的モル数として25ミ
リモル)を20%水酸化ナトリウム水溶液を滴下してp
H10.0とし、60℃に加温した。
【0066】この溶液を攪拌しながら、その中に一般式
(II)においてR1 =C2 5 、R2 =CH3 、a=
1、b=2のエポキシ変性シリコン化合物6.1g
(1.2当量)を2時間かけて滴下した。さらに、60
℃、pH10.0で攪拌して3時間反応させた後、翌日
まで静置した。アミノ態窒素量を測定することにより、
反応率を求めたところ、反応率は93%であった。
【0067】反応液を塩酸で中和した後、分液ロートに
移し、n−ヘキサン50mlを加えて、振盪し、未反応
のエポキシ変性シリコン化合物とその加水分解物を除去
した。
【0068】水層を減圧濃縮して溶解している有機溶媒
を除去し、濃度調整をして、反応生成物濃度が30%の
水溶液62gを得た。
【0069】製造例6(絹フィブロインペプチド) ケラチンペプチドに代えて絹フィブロインペプチド(絹
の加水分解ペプチドで、mの平均値=0.5、nの平均
値=9.5、m+nの平均値=10で、分子量:約85
0)の30%水溶液50g(アミノ態窒素の測定によっ
て得られた化学量論的モル数として17.6ミリモル)
を用い、エポキシ変性シリコン化合物として、一般式
(II)においてR1 =CH3 、R2 =CH3 、a=1、
b=2の化合物を3.9g(1.2当量)用いたほか
は、製造例5と同様にして、反応生成物濃度が30%の
水溶液60gを得た。反応率は90%であった。
【0070】製造例7(小麦タンパクペプチド) ケラチンペプチドに代えて小麦タンパクペプチド(小麦
タンパクの加水分解ペプチドで、mの平均値=1、nの
平均値=7、m+nの平均値=8で、分子量:約100
0)の30%水溶液50g(アミノ態窒素の測定によっ
て得られた化学量論的モル数として15ミリモル)を用
い、エポキシ変性シリコン化合物として、一般式(II)
においてR1 =CH3 、R2 =CH3 、a=1、b=2
の化合物を3.6g(1.2当量)用いたほかは、製造
例6と同様にして、反応生成物濃度が30%の水溶液5
8gを得た。反応率は95%であった。
【0071】製造例8(大豆タンパクペプチド) ケラチンペプチドに代えて大豆タンパクペプチド(大豆
タンパクの加水分解物で、mの平均値=0.4、nの平
均値=3.6、m+nの平均値=4で、分子量:約50
0)の30%水溶液50g(アミノ態窒素の測定によっ
て得られた化学量論的モル数として30.0ミリモル)
を用い、エポキシ変性シリコン化合物として、一般式
(II)においてR1 =C2 5 、R2 =CH3 、a=
2、b=1の化合物を7.9g(1.2当量)を用いた
ほかは、製造例5と同様にして、反応生成物濃度が30
%の水溶液65gを得た。反応率は85%であった。
【0072】〔ペプチド変性シリコン誘導体の安定性〕
上記製造例1〜8で得られたペプチド変性シリコン誘導
体の水溶液を90日間室温(ただし、10〜25℃)お
よび5℃の冷蔵庫に保存した時の沈殿物の発生の有無を
目視により調べた。評価基準は、下記のとおりである。
【0073】評価基準: +++ : 沈殿物が非常に多い ++ : 沈殿物が多い + : 沈殿物がわずかに認められる − : 沈殿物が認められない
【0074】なお、冷蔵庫に保存した試料は、冷蔵庫か
ら取り出した後、試料の温度が室温に達した後、観察し
た。その結果を表1〜表2に示す。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】つぎに、実施例を挙げる。実施例において
は、一般式(I)で表されるペプチド変性シリコン誘導
体を製造例番号で示し、その番号の後にペプチド類の種
類(どのペプチド類の誘導体であるか)を括弧書きで示
す。また、配合量は重量部によるもので、特に括弧内に
濃度を表示したもの以外は、純分としての配合量を示
す。
【0078】実施例1および比較例1 表3に示す組成の5種類のトリートメントベース(実施
例1−1〜1−3および比較例1−1〜1−2)を調製
し、該トリートメントベースとLPGガスを重量比8
0:20の割合で加圧容器内に充填して、トリートメン
トムース剤を調製した。
【0079】上記トリートメントムース剤を長さ10c
mで重さ1gの毛束に使用し、5名の専門家が艶、潤
い、櫛通り性について5段階評価した。評価基準は下記
の通りであり、結果を表4に5名の専門家の平均値で示
す。
【0080】評価基準: 5 : 非常に良い 4 : 良い 3 : 普通 2 : 悪い 1 : 非常に悪い
【0081】
【表3】
【0082】
【表4】
【0083】表4に示すように、実施例1−1〜1−3
のトリートメントムース剤は、比較例1−1〜1−2の
トリートメントムース剤に比べて、艶、潤い、櫛通り性
とも、評価値が高く、一般式(I)で表されるペプチド
変性シリコン誘導体(本例では、製造例1、製造例4お
よび製造例7で製造したもの)を配合した効果が明らか
であった。
【0084】実施例2および比較例2 表5に示す組成の2種類の枝毛コートを調製した。
【0085】
【表5】
【0086】上記実施例2の枝毛コートと比較例2の枝
毛コートを女性パネラー20名の頭の右側と左側の毛髪
にそれぞれ30日間続けて使用し、毛髪の艶、潤い、櫛
通り性、ブラッシングの容易さ、枝毛の減少程度につい
て、どちらの方が良いか、あるいはその差がわからない
(同じ程度)かを各人に聞いた。その結果を表6に示
す。
【0087】
【表6】
【0088】表6に示すように、毛髪の艶、潤い、櫛通
り性、ブラッシングの容易さ、枝毛の減少程度のいずれ
の項目においても、実施例2の方が良いと答えたパネラ
ー数が多く、実施例2の枝毛コートは比較例2の枝毛コ
ートよりも効果が優れていた。
【0089】また、実施例2の枝毛コートを90日間、
室温および5℃の冷蔵庫で保存したが、沈殿物はまった
く生じなかった。
【0090】実施例3 下記組成のトリートメントブロー剤を調製した。
【0091】 製造例5(ケラチンペプチドの誘導体) 2.0 イソステアロイル加水分解コラーゲン・アミノメチ 2.0 ルプロパンジオール(25%)(成和化成社製プロ モイスE118D) ポリエチレングリコール(14)オレート 1.0 アクリル樹脂アルカノールアミン液 2.0 ポリオキシエチレン(15)ラウリルエーテル 0.5 99%エタノール 5.0 パラオキシ安息香酸エステル・フェノキシエタノー 0.3 ル混合物(成和化成社製セイセプト) 香 料 適 量 滅菌イオン交換水 計100とする
【0092】上記トリートメントブロー剤を毛髪に使用
したところ、本発明の化粧品基材を配合していないトリ
ートメントブロー剤〔つまり、一般式(I)で表される
ペプチド変性シリコン誘導体(本例では、製造例5で製
造したもの)を含まず、そのぶん滅菌イオン交換水を増
量したほかは、実施例3と同組成のトリートメントブロ
ー剤〕に比べて、毛髪に艶と潤いを与え、櫛通り性、ブ
ラッシング性が良く、毛髪のコンディショニングが容易
であった。
【0093】実施例4 下記のトリートメントリンスを調製した。
【0094】 製造例8(大豆ペプチドの誘導体) 2.5 カルボキシルメチルキチン(2%)セタノール 4.0 カチオン化加水分解コラーゲン(30%)(成和化 2.0 成社製プロモイスW−52Q) 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(29%) 2.0 塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(73%) 1.0 ステアリン酸エチレングリコール(成和化成社製ア 3.0 ヤコールEGS−D) ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド(成和化 3.0 成社製アヤコールアミンアミド50E) イソステアリン酸ジグリセリン(成和化成社製アヤ 1.5 コールDGMIS) プロピレングリコール 3.0 パラオキシ安息香酸エステル・フェノキシエタノー 0.5 ル混合物(成和化成社製セイセプト) 香 料 適 量 滅菌イオン交換水 計100とする リンゴ酸 pH6.0に調整
【0095】 上記トリートメントリンスを毛髪に使用したところ、本
発明の化粧品基材を配合していないトリートメントリン
ス〔つまり、一般式(I)で表されるペプチド変性シリ
コン誘導体(本例では、製造例8で製造したもの)を含
まず、そのぶん滅菌イオン交換水を増量したほかは、実
施例4と同組成のトリートメントリンス〕に比べて、毛
髪に艶と潤いを与え、櫛通り性、ブラッシング性が良
く、毛髪のコンディショニングが容易であった。
【0096】実施例5および比較例3 表7に示す組成の2種類のシャンプーを調製した。
【0097】
【表7】
【0098】実施例5および比較例3のシャンプーを用
いて、長さ10cmで重さ1gの毛束をそれぞれ洗浄し
た。洗浄にはシャンプー0.5gを使用し、洗浄後、水
ですすいだ後、ヘアードライヤーで乾燥した。この操作
を5回繰り返した後、10人のパネラー(女性6人、男
性4人)に、毛髪の艶、潤い、櫛通り性について、どち
らの方が良いか、あるいはその差がわからない(同程
度)かを各パネラーに聞いた。また、毛束の洗浄操作を
行った担当者(2人)に、洗浄中の泡の軟らかさおよび
なめらかさについてどちらの方が良いかを聞いた。その
結果を表8に示す。
【0099】
【表8】
【0100】実施例6および比較例4 表7に示す組成の2種類のパーマネントウェーブ用第1
剤を調製した。
【0101】
【表9】
【0102】パーマネントウェーブ処理にあたっては、
各1gの毛髪を用い、第2剤には6%の臭素酸ナトリウ
ム水溶液を用いて、実施例6および比較例4のパーマネ
ントウェーブ用第1剤により、それぞれ1回、3回、6
回パーマネントウェーブ処理を行い、処理後の毛髪につ
いて、5名のパネラーにより、下記の評価基準により5
段階評価した。その結果を表10に示す。
【0103】評価基準: 5 : 非常に良い 4 : 良い 3 : 普通 2 : 悪い 1 : 非常に悪い
【0104】
【表10】
【0105】表10に示すように、実施例6のパーマネ
ントウェーブ用第1剤による場合は、比較例4のパーマ
ネントウェーブ用第1剤による場合に比べて、外観、触
感とも評価値が高く、一般式(I)で表されるペプチド
変性シリコン誘導体を配合した効果が明らかであった。
【0106】実施例7 下記の組成の洗顔クリームを調製した。
【0107】 製造例6(絹フィブロインペプチドの誘導体) 1.0 ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲンカリウム(成和化 40.0 成社製プロモイスECP−C) ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム(30%) 40.0 ラウリン酸ジエタノールアマイド 3.0 モノステアリン酸ポリエチレングリコール 4.5 ジオレイン酸ポリエチレングリコール 4.0 パラオキシ安息香酸エステル・フェノキシエタノー 0.5 ル混合物(成和化成社製セイセプト) 香 料 適 量 滅菌イオン交換水 計100とする リンゴ酸 pH6.0に調整
【0108】上記洗顔クリームを洗顔に使用したとこ
ろ、本発明の化粧品基材を配合していない洗顔クリーム
〔つまり、一般式(I)で表されるペプチド変性シリコ
ン誘導体(本例では、製造例6で製造したもの)を含ま
ず、そのぶん滅菌イオン交換水を増量したほかは、実施
例7と同組成の洗顔クリーム〕を使用した場合に比べ
て、使用後の皮膚に艶と潤いがあり、かつ皮膚がなめら
かであった。
【0109】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の一般式
(I)で表されるペプチド変性シリコン誘導体からなる
化粧品基材は、毛髪に艶と潤いを与え、毛髪の櫛通り性
を改善し、かつ毛髪の枝分かれを防止し、シャンプーな
どの洗浄剤に配合すると、泡を軟らかくなめらかにする
ため、皮膚に対する感触を良くし、また皮膚に対しては
艶と潤いを与え、かつ皮膚をなめらかにする効果があっ
た。
【0110】また、本発明の一般式(I)で表されるペ
プチド変性シリコン誘導体からなる化粧品基材は、水溶
性で、水中でのpH安定性や保存安定性が優れていて、
水溶液系の毛髪化粧品や皮膚化粧品に配合中したとき
に、保存中に濁りや沈殿を生じない。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(I) 【化1】 〔式中、R1 、R2 はそれぞれ炭素数1〜3のアルキル
    基を示し、R3 は側鎖の末端にアミノ基を有する塩基性
    アミノ酸の末端アミノ基を除く残基を示し、R4はR3
    以外のアミノ酸の側鎖を示し、aは1または2、bは1
    または2で、a+b=3であり、mは0〜200、nは
    0〜200、m+nは1〜200である(ただし、mお
    よびnはアミノ酸の数を示すのみで、アミノ基配列の順
    序を示すものではない)〕で表されるペプチド変性シリ
    コン誘導体からなる化粧品基材。
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