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JPH07214893A - 転写用シート - Google Patents

転写用シート

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Publication number
JPH07214893A
JPH07214893A JP6012733A JP1273394A JPH07214893A JP H07214893 A JPH07214893 A JP H07214893A JP 6012733 A JP6012733 A JP 6012733A JP 1273394 A JP1273394 A JP 1273394A JP H07214893 A JPH07214893 A JP H07214893A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
sheet
sizing agent
size
transfer sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6012733A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Minamizawa
昌儀 南沢
Takeo Sugiyama
武夫 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP6012733A priority Critical patent/JPH07214893A/ja
Publication of JPH07214893A publication Critical patent/JPH07214893A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェット記録用紙および電子写真用転
写紙として共用できる紙に共用できる保存性及び走行性
に優れた転写シートを提供することにある。 【構成】 内添サイズ剤として中性ロジンサイズ剤を含
有し、サイズ定着剤としてのアルミニウム多価金属化合
物を添加し、表面サイズ剤として少なくとも分子量10
0万以上のポリアクリルアミド系樹脂水溶液とアルカリ
性塩を配合したサイズプレス液を用い、シート坪量に対
するサイズプレス液の吸液量の比(吸液係数)が0.4
7以上、かつコッブサイズ度が13±3g/m2 である
ことを特徴とした転写シートである。さらにはシートの
表面電気抵抗が109 〜1011Ω(20℃、65%R
H)であることを特徴とする転写用シートである。 【効果】 印字部分のブロンズ化現象の少ないインクジ
ェット適性、トナー定着性、走行性、カールの良好な電
子写真適性を持ち、且つ保存性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、保存性に優れ、インク
ジェットの画像適性を改良した中性紙のインクジェット
記録用紙および電子写真用転写紙に共用できる転写用シ
ートに関するものである。更に詳しくは、直接染料を配
合した水性インクを用いるインクジェット記録方式によ
り印字を行なった場合でも、高濃度の印字物が得られ、
かつ印字部分のブロンズ化現象の少ないインクジェット
記録用紙および電子写真用転写紙に共用できる保存性及
び走行性に優れた転写シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】水性インクを用いるインクジェット記録
方式は、記録時の騒音の発生が少なく、高集積のヘッド
を使用することにより、機械的には高解像の記録画像が
高速で得られるという利点を有している。一方、用紙の
面から見た場合、高品位の画像を得るには、主としてパ
ルプよりなる記録用紙の上に付着したインクがその表面
上に不規則に広がることなく、かつ速やかに吸収される
ことが必要である。このためインクの吸収性および乾燥
性を改良する目的では、従来から酸性紙をベースとし
て、無サイズ紙のように水の吸収性の大きい用紙を用い
たり、シリカのような吸収性被覆層を設ける事が提案さ
れ(特公昭60−27588号公報、および特公昭63
−65037号公報)ている。
【0003】一方、社会的には電子写真複写機の普及に
伴い、一般の事務用紙や印刷用紙としての電子写真用転
写紙の役割は拡大を続け、インクジェット記録方式にも
電子写真複写方式にも共用できる用紙の開発が求められ
ている。電子写真用転写紙については、既に数多くの特
許が出願されているが、現在は保存性および画像適性の
面から内添填料として炭酸カルシウムを主体とした、ア
ルキルケテンダイマーやアルケニルコハク酸無水物等
の、いわゆる中性サイズ剤を配合した中性紙(特公昭6
3−40312号公報、および特公平2−54543号
公報)が主流になりつつある。
【0004】しかしながら実際は、サイズ性を十分に発
現させるためにはある程度の割合で硫酸バンド等のアル
ミニウム多価金属化合物を添加する抄造方法を採用して
いるのが現状であり、また中性抄造に際してしばしば問
題とされているアルキルケテンダイマーやアルケニルコ
ハク酸無水物等の内添サイズ剤に起因する抄紙系内ロー
ル汚れ防止の対策として使用されている例もある。これ
らの中性紙は保存性及び白色度は優れているものの、イ
ンクジェット記録方式においては印字濃度が低下した
り、色調が変化する等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の様な塗
工型インクジェット用紙は、シリカを主成分とする塗工
層を表面に持つため用紙の自然感を損なうこと、またコ
ストが高いことから、一般の事務用紙や印刷用紙として
用いられる上質紙(非塗工紙)に対しては、鮮明な画像
および印字を得る技術への要求が高まっている。また、
従来の塗工型インクジェット用紙は他分野での共用につ
いて考慮されておらず、シリカを主成分とする塗工層を
表面に持つため、電子写真用転写紙として使用した場合
には感光ドラムを傷めるだけでなく、トナーの定着性や
複写機での走行性など、電子写真用適性は殆ど無かっ
た。
【0006】逆に、普通紙として中性の電子写真用転写
紙を、インクジェット記録用紙として用いた場合、サイ
ズ性が高い紙では最大の問題として、印字後、紙上の染
料が内部まで染み込みにくくなるため、紙の繊維間に浸
透するよりも先に水分や溶剤が蒸発するにつれ紙上で染
料同士が会合してしまい、さらに蒸発が進につれ、染料
の結晶が紙上に析出して金属光沢を放つようないわゆる
ブロンズ化現象が起こり、色調も大きく変わるという問
題があった。また、サイズ性の低い紙では、インクの紙
中への沈み込みが大きく、かつその表面上に不規則に広
がることから、印字濃度の低下とともにドットの広がり
やフェザリングと呼ばれるひげ状のにじみが発生すると
いう問題があった。さらにはこれらの品質を維持しよう
とすると電子写真用転写紙の重要特性である走行性が悪
化するという問題があった。
【0007】本発明者らは、上記の課題を解決すべく、
従来のシリカのような顔料を含む水性インク受容性被覆
層を持たない、上質紙のインクジェット記録用紙および
電子写真用転写紙として共用できる転写用シートについ
て検討した。この結果、直接染料を配合した水性インク
によるインクジェット記録方式における印字部分のブロ
ンズ化現象は、内添サイズ剤として中性ロジンサイズ剤
を用い、サイズプレスで特定の量以上のサイズプレス液
の吸液量を持たせ、かつコッブサイズ度を規定した場
合、公知の技術では予測できないほど改良しうることを
見出し、さらにはこれらの品質を維持したまま表面電気
抵抗をある範囲内にすることによって走行性の問題も解
決し本発明に到達した。
【0008】従って、本発明の目的は、直接染料が配合
された水性インクを用いるインクジェット記録方式によ
り印字を行なった場合、高濃度の印字物が得られ、かつ
印字部分のブロンズ化現象の少ないインクジェット適
性、並びにトナー定着性・走行性・およびカールの良好
な電子写真適性に優れた転写用シートを提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録用紙および電子写真用転写紙に共用可能な転写用シ
ートは、内添サイズ剤として中性ロジンサイズ剤を含有
し、サイズ定着剤としてのアルミニウム多価金属化合物
を添加し、表面サイズ剤として少なくとも分子量100
万以上のポリアクリルアミド系樹脂水溶液とアルカリ性
塩を配合したサイズプレス液を用い、シート坪量に対す
るサイズプレス液の吸液量の比(吸液係数)が0.47
以上、かつコッブサイズ度が13±3g/m2 であるこ
とを特徴とする。さらには、転写用シートの表面電気抵
抗が109 〜1011Ω(20℃、65%RH)であるこ
とを特徴としたものである。
【0010】本発明で用いる中性ロジンサイズ剤とは、
pH6〜9の中性領域において使用される、各種界面活
性剤もしくは水溶性高分子で乳化してなるエマルジョン
型ロジンサイズ剤である。具体的に中性ロジンの添加量
はパルプ固形分に対して0.01〜2.0重量%、好ま
しくは0.1〜0.7重量%用いることによって所望の
吸液量とコッブサイズ度を得ることができる。ここで、
ロジン物質としては、ガムロジン、ウッドロジン、トー
ル油ロジン、水素化ロジン、不均化ロジン、重合ロジ
ン、アルデヒド変成ロジン、ロジンエステルなどのロジ
ン類、更には該ロジン類とアクリル酸、無水マレイン
酸、フマール酸、イタコン酸などのα、β−不飽和カル
ボン酸との加熱反応物を例示できるが、中性領域でのロ
ジン物質の溶出を抑える目的で重合、耐水化等の不溶化
処理を行なうことができる。
【0011】上記中性ロジンサイズ剤のイオン性は、乳
化時に用いる各種界面活性剤もしくは水溶性高分子によ
りアニオン性、カチオン性の選択は可能であるが、本発
明ではイオン性は問わない。
【0012】さらに、中性ロジンサイズ剤のサイズ性を
発現させる目的で、アルミニウムの多価金属化合物(例
えば、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、ポリアルミ
ニウムシリケートサルファイト、アルミン酸ソーダな
ど)を配合するものである。具体的には上記中性ロジン
サイズ添加量範囲の中でパルプ固形分に対して0.03
〜5.0重量%、好ましくは0.1〜1.0重量%用い
て所望の特性が得られる。
【0013】本発明では、上記の目的に適う方法につい
て鋭意検討を重ねた結果、水性インクを用いるインクジ
ェット記録方式の印字適性と用紙のサイズ性、および、
ブロンズ化現象とシートの吸液係数についても、強い相
関があることが認められた。この結果、本発明ではシー
ト坪量に対するサイズプレス液の付着量の比を表わす吸
液係数を0.47以上に規定するとともに、JIS P
−8140に示すコッブサイズ度を13±3g/m2
規定することで印字適性を最適化できることを見出した
ものである。
【0014】因みに、吸液係数が0.47以下では直接
染料を配合した水性インクによるインクジェット記録方
式において、印字部分のブロンズ化現象が顕著となり所
望の効果が期待できない。また、コッブサイズ度が16
g/m2 以上では、水性インクを用いるインクジェット
記録方式により印字を行なった場合、インクの紙中への
浸透が大き過ぎることからインクが沈み込んでしまい、
印字濃度が低下するだけでなく、ドットの不規則な広が
りやインクがパルプ繊維に沿ってひげ状ににじむ現象
(以下、フェザリングと表現)が発生するという問題が
出る。さらに、コッブサイズ度が10g/m2 以下にな
ると、インクの乾燥が遅くなると共にインクのブロンズ
化現象を引き起こし易いという問題がある。
【0015】サイズプレスにおけるサイズプレス液の吸
液係数を増加させる手段としては、内添サイズ剤やサイ
ズプレス液の配合量を変化させる他に、シートのパルプ
濾水度を粗くする方法、プレス圧を低下させる方法、サ
イズプレス前のシート水分を低下させる方法、サイズプ
レス液の液温を高める方法、サイズプレス液に界面活性
剤を添加する方法などの内、1種あるいは2種以上を適
宜組み合わせて使用することができる。
【0016】インクジェット記録方式における水性イン
クの浸透性を制御する手段としては、内添サイズ剤の配
合量を変化させる方法、サイズプレス液にアクリル酸
系、α−オレフィン系、スチレン−マレイン酸系等の表
面サイズ剤を添加する方法、サイズプレス液に界面活性
剤を添加する方法などを用いることができる。
【0017】本発明ではサイズプレス液組成についても
鋭意検討した結果、所望の結果を得るためには、分子量
が100万以上、好ましくは300万前後のポリアクリ
ルアミド系樹脂水溶液を主体としたサイズプレス液を用
いることにより、インクジェット適性および電子写真適
性に優れ、かつ操業性上安定したものが得られることを
見いだした。従来のポリアクリルアミド系樹脂の分子量
は約35万程度であるが、従来品では直接染料が配合さ
れた水性インクを用いるインクジェット記録方式により
印字を行なった場合、ドットの広がりやフェザリングと
呼ばれるひげ状のにじみ、および印字部分のブロンズ化
現象を十分に改良することはできない。一方、分子量が
500万を超え極度に高粘度のものにすると、これらの
特性のバランスが崩れる他に、何よりも製紙用添加剤と
して使用中に過度の凝集を起こすため、紙の地合を乱
す、あるいは抄紙工程でワイヤーや毛布類を汚損する等
の問題を生じてしまうため好ましくない。
【0018】ポリアクリルアミド系樹脂の具体的な重合
方法としては、従来公知の重合反応によって製造するこ
とができる。例えば、モノマーとして所定量のジメチル
アミノプロピル(メタ)アクリルアミド又はその4級化
物、イタコン酸又はその塩類およびアクリルアミド、さ
らには必要に応じて他のモノマーを仕込んだ水溶液に、
イソプロピルアルコール、アリルアルコール、次亜リン
酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム等の連鎖移
動剤を適宜使用し、pH3〜6に調整してから過硫酸ア
ンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等に過
硫酸塩からなる重合開始剤、あるいはこれらの過硫酸塩
と亜硫酸水素ナトリウムの如き還元剤との組み合せから
なる重合開始剤を加え、上記のモノマー濃度を5〜30
重量%とし、35〜95℃で1〜10時間加温攪拌する
ことにより得られる。また、この他に『高分子凝集剤』
(大森英三著)に示されているように高濃度のモノマー
水溶液に少量のレドックス系触媒を添加して、比較的低
温で重合させて得る、あるいは微量のビスアクリルアミ
ドを添加して重合を行なわせる等によって製造すること
ができる。
【0019】本発明では、サイズプレス液に先に述べた
手法を施した他に、アルカリ性塩を添加することによっ
てブロンズ化現象を更に改良することを見いだした。そ
の理由は不明であるが、アルカリ性塩を添加することに
よって紙中の水酸基イオンが染料の結晶化を抑えるため
と思われる。アルカリ性塩については水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム等の強アルカリ性物質の使用が考え
られるが、四硼酸ナトリウム、四硼酸カリウム、ケイ酸
ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウ
ム等の弱アルカリ性塩のうち1種あるいは2種以上適宜
組み合せることもできる。具体的にはアルカリ性塩の添
加量はサイズプレス液配合に対して0.01〜0.5重
量%、好ましくは0.03〜0.1重量%添加すること
によって、ブロンズ化現象を更に改良することができる
ものである。
【0020】本発明では、転写用シートの表面電気抵抗
が109 〜1011Ω(20℃、65%RH)にすること
によって、紙質適性・走行性及び保存性のバランスを保
持できるものである。即ち、表面電気抵抗が1011Ωを
越える場合には、転写用シートの抄造時や裁断加工時に
静電気が発生しやすくなり、ゴミの付着の問題や作業性
の悪化となる。また、残留静電気により給紙時に転写用
シートが2枚以上同時に送られる重送の発生頻度が著し
くなる。さらには感光体ドラムからの転写用シート表面
に帯電される静電気量が多いためトナーの部分的飛散に
よるコピー不良が発生しやすくなる。
【0021】具体的に本発明で用いる導電剤としては、
塩化ナトリウム・塩化カリウム・塩化カルシウム・塩化
マグネシウム・硫酸ナトリウム・アルミン酸ソーダ・リ
ン酸ナトリウム等の無機塩、及び蟻酸カリウム・臭酸ナ
トリウム等の有機酸塩、石鹸・燐酸塩・カルボン酸塩等
の界面活性剤、4級アンモニウム塩・ポリアクリル酸塩
・スチレンマレイン酸コポリマー塩・ポリスチレンスル
ホン酸等の高分子電解質、さらにはシリカ・アルミナ・
モンモリナイト等の無機導電性物質等を挙げることがで
きるが、無機塩では潮解性の少ないものを用いることが
好ましい。
【0022】本発明で用いる填料としては、石灰石・貝
殻・白亜等の粉砕により得られる重質炭酸カルシウムお
よび沈降性炭酸カルシウム、タルク、カオリン、二酸化
チタン等の一般的な無機顔料や有機顔料を用いることが
でき、これらを2種以上併用することができる。本発明
では粒子形状および粒子径については特に限定されるも
のではない。また、填料は通常、紙中に4〜17%重量
%添加される。
【0023】また、上記のサイズプレス液をサイズプレ
ス工程で塗抹する方式としては、コンベンショナルサイ
ズプレス、ゲートロールサイズプレス、あるいはフィル
ムトランスファー方式のサイズプレス、ロッドコータ
ー、ビルブレード、ショートドウェルコーター等の装置
を用いることができるが、吸液係数の観点からはコンベ
ンショナルサイズプレスが好ましい。更に、同時に、澱
粉、ポリビニールアルコール等のバインダー、無水マレ
イン酸系、α−オレフィン系、スチレン−アクリル酸系
等の各種の表面サイズ剤、エチレン−尿素樹脂等の寸法
安定化剤、界面活性剤、顔料、染料を塗抹することは勿
論可能である。
【0024】また、本発明に使用されるパルプとして
は、NBKP、LBKP、NBSP、LBSP、GP、
TMPなどの他に古紙パルプが挙げられる。使用に当た
っては、それらを数種類目的に応じた比率で混合して用
いる。全パルプ中の古紙パルプの混合比率は、電子写真
複写機のフィーダー部での重送対策、転写後のカール対
策から40%以下が好ましい。
【0025】紙料中にはこの他に、本発明の所望の効果
を損なわない範囲で従来から使用されている各種のアニ
オン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の歩留り
向上剤、ろ水向上剤、紙力向上剤や内添サイズ剤等の抄
紙用内添助剤が必要に応じて適宜選択して使用される。
例えばFe、Sn、Zn等の多価金属化合物、および各
種澱粉、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポ
リアミン、ポリアミド・ポリアミン、尿素ホルマリン樹
脂、メラミンホルマリン樹脂、植物ガム、ポリビニール
アルコール、ラテックス、ポリエチレンオキサイド、ポ
リアミド樹脂、親水性架橋ポリマー粒子分散物等および
これらの誘導体あるいは変成物などやコロイダルシリ
カ、ベントナイト等の化合物の内の1種あるいは2種以
上が適宜組み合わされて使用される。
【0026】なお、染料、pH調節剤、消泡剤、ピッチ
コントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内
添助剤を目的に応じて適宜添加することも可能である。
【0027】本発明の抄紙方法については、抄紙pHが
6.5〜9.0付近である中性抄紙が好ましいが、抄紙
機は長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、コンビネーシ
ョン抄紙機、丸網抄紙機、ヤンキー抄紙機等を適宜使用
できる。
【0028】
【作用】本発明で規定したように、中性ロジンサイズ剤
は従来から使用されている中性サイズ剤であるアルキル
ケテンダイマーやアルケニルコハク酸無水物等に比較し
て、直接染料を配合した水性インクの浸透性の制御領域
が広い。さらに、コッブサイズ度を規定したシートに対
してサイズプレス液の吸液係数を上げて行くことを組み
合わせると、サイズプレス工程での吸液量増加によりサ
イズプレス液によるパルプ繊維、および填料に対する被
覆性が向上する。特に高分子量のポリアクリルアミド系
樹脂水溶液を用いた場合には、被覆性の向上が顕著で、
インクの縦方向の適度な浸透と、横方向の拡散が防げる
ため、結果として印字濃度を低下させる事無く、ブロン
ズ化現象の原因とされているインクの結晶化を抑制する
ものと推定される。さらには、表面電気抵抗を規定する
ことによって走行性の悪化を防止できるものである。
【0029】
【実施例】以下に実施例を示し本発明を詳細に説明す
る。なお、本発明はこれに限定されるものではない。以
下における部、%はすべて重量によるものである。
【0030】実施例1 1.原紙配合; LBKP(濾水度 350ml、c.s.f) 70部 NBKP(濾水度 400ml、c.s.f) 30部 炭酸カルシウム(奥多摩工業社製 TP−121) 10部 中性ロジンサイズ剤(ハリマ化成製、NeuSize 770) 0.7部 硫酸バンド 1部 両性澱粉(王子ナショナル社製 Cato3210) 1部 炭酸ナトリウム 0.4部 歩留り向上剤(ハイモ社製 NR−11LS) 0.02部 上記配合のスラリーを抄幅1,300mm、抄紙速度1
50m/min.の長網抄紙機により64g/m2 の原
紙の抄造を行ない、この原紙に以下の配合とガラス棒を
用いて、吸液係数が0.63となるようにサイズプレス
処理を行った。次に、これを乾燥し20℃・65%RH
の恒温恒湿の部屋に一昼夜放置した後、コッブサイズ度
と表面電気抵抗を測定したところ各々12.7g/m
2 、1010であった。こうしてインクジェット記録用紙
と電子写真用転写紙に共用できる転写用シートを得た。 2.サイズプレス液配合; ホ゜リアクリルアミト゛ 系樹脂水溶液 (分子量300万) 1部 塩化ナトリウム 0.05部スチレン -アクリル酸系表面サイズ剤(荒川化学社製、ホ゜リマロン1308S) 0.30部 水酸化ナトリウム 0.05部 水 98.60部
【0031】吸液係数(K)の測定は、テーブルにてサ
イズプレス処理を行うに際し、サイズプレス処理前と直
後のシート重量を測定することにより、K=(W2−W
1)/W1の式により算出した。但し、ここでW1はサ
イズプレス処理前の転写用シート原紙の重量(g)、W
2はサイズプレス処理直後の転写用シートの重量(g)
である。
【0032】又、上記インクジェット記録用紙、および
電子写真用転写紙に共用できる転写用シートの代表特性
として、コッブサイズ度はJIS P−8140に準じ
て測定されるが、水との接触時間は10秒とした。
【0033】インクジェット適性の評価は、上記のイン
クジェット記録用紙および電子写真用転写紙に共用でき
る転写用シートをA4判にカットし、20℃、65%R
Hの条件の恒温恒湿室にて24時間以上調湿を行なった
後、キヤノン製インクジェットプリンターであるBJ−
10Vを用いて以下の方法にて行なった。 1.ベタ濃度 A4判の紙の上下2箇所、左右3箇所に印字したベタ印
刷部をマクベス反射型濃度計(Macbeth社製、R
D−918)にて12点の測定を行ない、この平均値を
ベタ濃度とした。 2.フェザリング A4判の紙に横罫線のパターン、およびアルファベット
文字を印字し、目視にて線の太りを5段階で評価した。 3.ブロンズ 1.の項にて印字したベタ部分の色差値(L、a、b)
を色彩色差計(ミノルタ社製、CR−100)を用いて
測定し、a値の平均値で評価した。
【0034】上記インクジェット記録用紙、電子写真用
転写紙として共用できる転写用シートの電子写真適性は
シャープ社製の電子写真式複写機(SF−9400)を
用いてA4判縦目のサンプルで以下の方法にて評価を行
なった。 1.トナー定着性 上記複写機にて複写した光学濃度が約1.4の画像部
に、市販の18mm幅セロハン粘着テープ(ニチバン社
製、セロテープ)を300g/cmの線圧で貼り付け、
1cm/sec.の速度で剥離した際の、剥離前の画像
濃度に対する剥離後の画像濃度の比(以下、OD比と略
す)を指標として評価した。 OD比=剥離後の画像濃度/剥離前の画像濃度 電子写真用転写紙としては、OD比で0.7以上のトナ
ー定着性が必要とされている。なお、画像濃度の測定に
はマクベス反射型濃度計(Macbeth社製、RD−
918)を使用した。 2.重送 A4判の紙を抄紙と直角方向(CD方向)に2,500
枚片面通紙した時の、重送の発生枚数で評価した。 3.カール A4判の紙をCD方向に通紙して片面複写をした後、カ
ール面を上にして平らな台の上に置き、四隅の中で台の
面より最も高い値を測定した。
【0035】実施例2 実施例1で吸液係数が0.78となるようにサイズプレ
ス処理を行った以外は同様にしてサンプルを調整し、実
施例2とした。
【0036】実施例3 実施例1でLBKPの濾水度を430ml、NBKPの
濾水度を480mlとした以外は同様にしてサンプルを
調整し、実施例3とした。
【0037】実施例4 実施例1で原紙の中性ロジンサイズ剤を1.4部とした
以外は同様にしてサンプルを調整し、実施例4とした。
【0038】実施例5 実施例1でポリアクリルアミド系樹脂水溶液の分子量を
100万とした以外は同様にしてサンプルを調整し、実
施例5とした。
【0039】実施例6 実施例1でポリアクリルアミド系樹脂水溶液の分子量を
500万とした以外は同様にしてサンプルを調整し、実
施例6とした。
【0040】実施例7 実施例1でサイズプレス液配合の塩化ナトリウムを0.
03部添加し、水を98.62部とした以外は同様にし
てサンプルを調整し、実施例7とした。
【0041】実施例8 実施例1でサイズプレス液配合の塩化ナトリウムを0.
07部添加し、水を98.58部とした以外は同様にし
てサンプルを調整し、実施例8とした。
【0042】比較例1 実施例1で原紙の中性ロジンサイズ剤を2.5部とした
以外は同様にしてサンプルを調整し、比較例1とした。
【0043】比較例2 実施例1で原紙の中性ロジンサイズ剤を1.8部とした
以外は同様にしてサンプルを調整し、比較例2とした。
【0044】比較例3 実施例1で原紙の中性ロジンサイズ剤を0.4部とした
以外は同様にしてサンプルを調整し、比較例3とした。
【0045】比較例4 実施例1で原紙の中性ロジンサイズ剤を添加せず、代わ
りにアルキルケテンダイマーを0.10部とした以外は
同様にしてサンプルを調整し、比較例4とした。
【0046】比較例5 実施例1でサイズプレス液配合の塩化ナトリウムを添加
せず、水を98.65部とした以外は同様にしてサンプ
ルを調整し、比較例5とした。
【0047】比較例6 実施例1でサイズプレス液配合の水酸化ナトリウムを
0.10部添加し、水を98.55部とした以外は同様
にしてサンプルを調整し、比較例6とした。
【0048】比較例7 実施例1でサイズプレス液のポリアクリルアミド系樹脂
水溶液を添加せず、代わりに酸化澱粉(日本食品加工社
製、MS−3800)を5部添加し、水を94.60部
とした以外は同様にしてサンプルを調整し、比較例7と
した。
【0049】比較例8 実施例1でポリアクリルアミド系樹脂水溶液の分子量を
35万とした以外は同様にしてサンプルを調整し、比較
例8とした。
【0050】これらの得られたサンプルを実施例1と同
様に評価し、結果を表1および2にまとめて示した。ま
た、表中のフェザリングの判定は、5段階評価とし、5
・・良い、1・・悪い、の順で記入した。
【0051】
【表1】 ※ 実施例3では、濾水度変更。
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】 注) 判定は総合評価として◎・○を合格とし、△・×
は不合格とした。
【0054】
【表4】 注) 判定は総合評価として◎・○を合格とし、△・×
は不合格とした。
【0055】
【発明の効果】表1からも明らかな様に、本発明によ
り、内添サイズ剤として中性ロジンサイズ剤を用い、サ
イズプレスで特定の量以上のサイズプレス液の吸液量を
持たせ、かつ特定のコッブサイズ度を規定することによ
り、さらにはシートの表面電気抵抗が109〜1011Ω
(20℃、65%RH)にすることによってベタ印字濃
度が高く、ブロンズ化現象の少ないインクジェット記録
用紙、および電子写真用転写紙として共用できる保存性
に優れ、且つ走行性の良い転写用シートを製造する事が
可能になる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内添サイズ剤として中性ロジンサイズ剤
    を含有し、サイズ定着剤としてのアルミニウム多価金属
    化合物を添加し、表面サイズ剤として少なくとも分子量
    100万以上のポリアクリルアミド系樹脂水溶液とアル
    カリ性塩を配合したサイズプレス液を用い、シート坪量
    に対するサイズプレス液の吸液量の比(以下、吸液係数
    と表示)が0.47以上、かつコッブサイズ度が13±
    3g/m2である転写用シートであって、該転写用シー
    トの表面電気抵抗が109〜1011Ω(20℃、65%
    RH)であることを特徴とする転写用シート。
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