JPH0720050A - シリコン含有アルミニウム合金の耐摩耗性評価装置 - Google Patents
シリコン含有アルミニウム合金の耐摩耗性評価装置Info
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- JPH0720050A JPH0720050A JP18550193A JP18550193A JPH0720050A JP H0720050 A JPH0720050 A JP H0720050A JP 18550193 A JP18550193 A JP 18550193A JP 18550193 A JP18550193 A JP 18550193A JP H0720050 A JPH0720050 A JP H0720050A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 シリコン含有アルミニウム合金の耐摩耗性評
価装置を提供する。 【構成】 被測定面のアルミニウム合金領域とシリコン
領域とをグレーレベル信号として検出する手段(図1中
の装置的構成要素);グレーレベル信号をアルミニウム
合金領域を表わす数値とシリコン領域を表わす数値とに
2値化する手段(以下の要素はコンピュータ20内に含
まれる);被測定面を1次元的に走査することにより得
る2値化データに基づいて2次元ヒストグラムH(A,
S)を作成する手段;2次元ヒストグラムH(A,S)
から耐摩耗性評価値Xを算出する手段;耐摩耗性評価値
Xを表示する手段;とを備えてなる。 【効果】 被検体を破壊することなく、耐摩耗性を簡便
迅速に評価することができる。
価装置を提供する。 【構成】 被測定面のアルミニウム合金領域とシリコン
領域とをグレーレベル信号として検出する手段(図1中
の装置的構成要素);グレーレベル信号をアルミニウム
合金領域を表わす数値とシリコン領域を表わす数値とに
2値化する手段(以下の要素はコンピュータ20内に含
まれる);被測定面を1次元的に走査することにより得
る2値化データに基づいて2次元ヒストグラムH(A,
S)を作成する手段;2次元ヒストグラムH(A,S)
から耐摩耗性評価値Xを算出する手段;耐摩耗性評価値
Xを表示する手段;とを備えてなる。 【効果】 被検体を破壊することなく、耐摩耗性を簡便
迅速に評価することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコン含有アルミニ
ウム合金の耐摩耗性評価装置、更に詳しくは自動車のエ
ンジンなどを構成するシリコン含有アルミニウム合金の
摺動面などの耐摩耗性を非破壊で評価することができる
シリコン含有アルミニウム合金の耐摩耗性評価装置に関
するものである。
ウム合金の耐摩耗性評価装置、更に詳しくは自動車のエ
ンジンなどを構成するシリコン含有アルミニウム合金の
摺動面などの耐摩耗性を非破壊で評価することができる
シリコン含有アルミニウム合金の耐摩耗性評価装置に関
するものである。
【0002】
【従来技術】従来、金属材料の耐摩耗性試験は機械的な
手段を用いる試験法により行われており、金属材料の摩
耗量を測定して耐摩耗性を評価していた。機械的な手段
を用いる耐摩耗性試験法は二つに大別することができ
る。その一つは実際の製品に対し、その使用状況を再現
あるいは模擬した試験を行ってその際摩耗した量を測定
し、耐摩耗性を評価する方法である。他の一つは試験片
によるもので〔例えば材料試験便覧(日本材料試験協会
編)第293〜295頁参照〕、所定の寸法・形状の試
験片を作成し、実際の製品が使用される条件で擦り合わ
せ試験を行い、その後試験片の摩耗量を測定して耐摩耗
性を評価する方法である。
手段を用いる試験法により行われており、金属材料の摩
耗量を測定して耐摩耗性を評価していた。機械的な手段
を用いる耐摩耗性試験法は二つに大別することができ
る。その一つは実際の製品に対し、その使用状況を再現
あるいは模擬した試験を行ってその際摩耗した量を測定
し、耐摩耗性を評価する方法である。他の一つは試験片
によるもので〔例えば材料試験便覧(日本材料試験協会
編)第293〜295頁参照〕、所定の寸法・形状の試
験片を作成し、実際の製品が使用される条件で擦り合わ
せ試験を行い、その後試験片の摩耗量を測定して耐摩耗
性を評価する方法である。
【0003】上記二つの方法のほかに、特にシリコン含
有アルミニウム合金の場合には耐摩耗性が初晶シリコン
の分布状態に依存することが知られており、該合金の場
合には、合金表面の初晶シリコンの分布状態を目視観察
することにより耐摩耗性を評価する評価方法が採られて
いる。この場合、初晶シリコンがアルミニウム合金中に
一定の粒径で偏析なく均一に分布していれば耐摩耗性が
高く、偏析していれば耐摩耗性が低いことが知られてい
るため、被検体の所定領域の初晶シリコンの分布状態を
目視により観察して耐摩耗性を評価する。すなわち、初
晶シリコンが偏析により偏った分布状態を示していれ
ば、被測定面に明暗のいわゆる斑模様が現れるため、測
定者はこの程度から被検体の耐摩耗性を判断している。
有アルミニウム合金の場合には耐摩耗性が初晶シリコン
の分布状態に依存することが知られており、該合金の場
合には、合金表面の初晶シリコンの分布状態を目視観察
することにより耐摩耗性を評価する評価方法が採られて
いる。この場合、初晶シリコンがアルミニウム合金中に
一定の粒径で偏析なく均一に分布していれば耐摩耗性が
高く、偏析していれば耐摩耗性が低いことが知られてい
るため、被検体の所定領域の初晶シリコンの分布状態を
目視により観察して耐摩耗性を評価する。すなわち、初
晶シリコンが偏析により偏った分布状態を示していれ
ば、被測定面に明暗のいわゆる斑模様が現れるため、測
定者はこの程度から被検体の耐摩耗性を判断している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記二つの方法のう
ち、製品を用いた耐摩耗性試験は実際の製品を評価する
ためには適している。しかしながら、この試験法では製
品の構造や摺動面の温度などの摩耗の要因が同時に複雑
に影響し、それらの要因を個別に解析することは不可能
に近い。このため、製品を構成する材料自体の耐摩耗性
を正しく評価することは困難な場合が生じるという問題
点がある。
ち、製品を用いた耐摩耗性試験は実際の製品を評価する
ためには適している。しかしながら、この試験法では製
品の構造や摺動面の温度などの摩耗の要因が同時に複雑
に影響し、それらの要因を個別に解析することは不可能
に近い。このため、製品を構成する材料自体の耐摩耗性
を正しく評価することは困難な場合が生じるという問題
点がある。
【0005】一方、試験片を用いた耐摩耗性試験法では
試験片の材料自体の耐摩耗性を評価することができる。
この場合、製品と同じ条件で試験片を製作する、或いは
製品から試験片を切り出すなどの方法により試験片を製
作することができる。しかしながら、シリコン含有アル
ミニウム合金の場合には、シリコンの分布状態にばらつ
きがあり、このため耐摩耗性試験結果もばらつきを持っ
たものになる。又、試験片の製作、耐摩耗試験条件の設
定及び耐摩耗試験に多大な手間と時間がかかる。
試験片の材料自体の耐摩耗性を評価することができる。
この場合、製品と同じ条件で試験片を製作する、或いは
製品から試験片を切り出すなどの方法により試験片を製
作することができる。しかしながら、シリコン含有アル
ミニウム合金の場合には、シリコンの分布状態にばらつ
きがあり、このため耐摩耗性試験結果もばらつきを持っ
たものになる。又、試験片の製作、耐摩耗試験条件の設
定及び耐摩耗試験に多大な手間と時間がかかる。
【0006】更に、前記二つの方法はいわゆる破壊試験
であるために、何れの方法を用いても製品の全数検査は
不可能である。それ故、前記二つの方法はサンプリング
された製品に対して行われる。この場合、サンプリング
された製品の耐摩耗試験結果で製品全体(母集団)の耐
摩耗性が推定される。この推定は、通常の金属材料から
なり、製品全体がほぼ均一な耐摩耗性を有し、且つ耐摩
耗性試験の再現性が高い場合には信頼性が高く、それ
故、通常実施することが可能である。しかしながら、シ
リコン含有アルミニウム合金のように摩耗がミクロ的な
メカニズムで発生し、又、例えば局部的に発生した摩耗
が更に周辺部の摩耗を連鎖的に誘発する場合や、或いは
母集団にばらつきがある場合などを考慮すれば、製品の
耐摩耗性を保証或いは一層信頼性高く評価するために
は、更に優れた耐摩耗性評価方法が望まれている。
であるために、何れの方法を用いても製品の全数検査は
不可能である。それ故、前記二つの方法はサンプリング
された製品に対して行われる。この場合、サンプリング
された製品の耐摩耗試験結果で製品全体(母集団)の耐
摩耗性が推定される。この推定は、通常の金属材料から
なり、製品全体がほぼ均一な耐摩耗性を有し、且つ耐摩
耗性試験の再現性が高い場合には信頼性が高く、それ
故、通常実施することが可能である。しかしながら、シ
リコン含有アルミニウム合金のように摩耗がミクロ的な
メカニズムで発生し、又、例えば局部的に発生した摩耗
が更に周辺部の摩耗を連鎖的に誘発する場合や、或いは
母集団にばらつきがある場合などを考慮すれば、製品の
耐摩耗性を保証或いは一層信頼性高く評価するために
は、更に優れた耐摩耗性評価方法が望まれている。
【0007】他方、被検体の初晶シリコンの分布状態を
目視観察する方法は、本質的に官能評価法であるため、
観察者によって結果に差が生じる場合があり、又、観察
者に疲労がある場合や被検体の被測定面が汚染されてい
る場合等、適切な評価が行えない場合も生じ得る。
目視観察する方法は、本質的に官能評価法であるため、
観察者によって結果に差が生じる場合があり、又、観察
者に疲労がある場合や被検体の被測定面が汚染されてい
る場合等、適切な評価が行えない場合も生じ得る。
【0008】本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、シリコン
含有アルミニウム合金の耐摩耗性を非破壊で簡便迅速に
評価することができる耐摩耗性評価装置を提供すること
にある。
されたものであり、その目的とするところは、シリコン
含有アルミニウム合金の耐摩耗性を非破壊で簡便迅速に
評価することができる耐摩耗性評価装置を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明のシリコン含有アルミニウム合金の耐摩耗性評
価装置は、シリコン含有アルミニウム合金からなる平滑
な被測定面に対して光源から光を照射し、被測定面によ
って反射された反射光を受光器で検出することにより得
られた被測定面のシリコン及びアルミニウム合金に関す
る分布情報に基づいて、シリコン含有アルミニウム合金
の耐摩耗性を評価するための装置であって、アルミニウ
ム合金とシリコンとの光の反射率の差異に基づいて、被
測定面のアルミニウム合金領域とシリコン領域とをグレ
ーレベル信号として検出するグレーレベル信号検出手
段、と検出されたグレーレベル信号を、所定のしきい値
を基準にして、アルミニウム合金領域を表わす数値とシ
リコン領域を表わす数値とに2値化する2値化手段、と
被測定面を1次元的に走査することにより、走査線に沿
ったアルミニウム合金領域の幅Aと該アルミニウム合金
領域の幅Aに続くシリコン領域の幅Sとを2値化された
データから測定し、測定値A,Sに基づいて測定値A,
Sをパラメータとする2次元ヒストグラムH(A,S)
を作成するヒストグラム作成手段、と作成された2次元
ヒストグラムH(A,S)に対して所定の重み関数を作
用させて耐摩耗性評価値Xを算出する耐摩耗性評価値算
出手段、と算出された耐摩耗性評価値Xを表示する表示
手段、とを備えてなることを特徴とする。
の本発明のシリコン含有アルミニウム合金の耐摩耗性評
価装置は、シリコン含有アルミニウム合金からなる平滑
な被測定面に対して光源から光を照射し、被測定面によ
って反射された反射光を受光器で検出することにより得
られた被測定面のシリコン及びアルミニウム合金に関す
る分布情報に基づいて、シリコン含有アルミニウム合金
の耐摩耗性を評価するための装置であって、アルミニウ
ム合金とシリコンとの光の反射率の差異に基づいて、被
測定面のアルミニウム合金領域とシリコン領域とをグレ
ーレベル信号として検出するグレーレベル信号検出手
段、と検出されたグレーレベル信号を、所定のしきい値
を基準にして、アルミニウム合金領域を表わす数値とシ
リコン領域を表わす数値とに2値化する2値化手段、と
被測定面を1次元的に走査することにより、走査線に沿
ったアルミニウム合金領域の幅Aと該アルミニウム合金
領域の幅Aに続くシリコン領域の幅Sとを2値化された
データから測定し、測定値A,Sに基づいて測定値A,
Sをパラメータとする2次元ヒストグラムH(A,S)
を作成するヒストグラム作成手段、と作成された2次元
ヒストグラムH(A,S)に対して所定の重み関数を作
用させて耐摩耗性評価値Xを算出する耐摩耗性評価値算
出手段、と算出された耐摩耗性評価値Xを表示する表示
手段、とを備えてなることを特徴とする。
【0010】本発明の装置におけるグレーレベル信号検
出手段は、シリコン含有アルミニウム合金からなる被検
体の被測定面に光源から光を照射し、被測定面各部の反
射光を検出器でグレーレベル信号として検出する。検出
したグレーレベル信号は、アルミニウムとシリコンの光
の反射率の差異により連続的に濃淡状態を表わす信号で
ある。この信号は被測定面のアルミニウムとシリコンの
表面占有率に対応した信号であり、したがってアルミニ
ウム合金中の初晶シリコンの分布状態を反映している。
出手段は、シリコン含有アルミニウム合金からなる被検
体の被測定面に光源から光を照射し、被測定面各部の反
射光を検出器でグレーレベル信号として検出する。検出
したグレーレベル信号は、アルミニウムとシリコンの光
の反射率の差異により連続的に濃淡状態を表わす信号で
ある。この信号は被測定面のアルミニウムとシリコンの
表面占有率に対応した信号であり、したがってアルミニ
ウム合金中の初晶シリコンの分布状態を反映している。
【0011】2値化手段は、上記グレーレベル信号を所
定のしきい値を基準にして、アルミニウム合金領域を表
わす数値と初晶シリコン領域を表わす数値との二つに2
値化する。しきい値の設定方法としては、グレーレベル
信号の最大値及び最小値から設定する方法、グレーレベ
ル信号のヒストグラムを作成し、このヒストグラムから
しきい値を求める方法などがある。グレーレベル信号の
最大値及び最小値からしきい値を設定する方法では、被
測定領域がアルミニウム合金領域で占められている場合
には信号値が最大になり、逆に被測定領域が初晶シリコ
ン領域で占められている場合には信号値が最小になる。
それ故、前記最大値と最小値との間にしいき値を定め
る。この場合、しきい値は、2値化された二つの領域が
実際のアルミニウム領域と初晶シリコン領域の割合とな
るように設定する。
定のしきい値を基準にして、アルミニウム合金領域を表
わす数値と初晶シリコン領域を表わす数値との二つに2
値化する。しきい値の設定方法としては、グレーレベル
信号の最大値及び最小値から設定する方法、グレーレベ
ル信号のヒストグラムを作成し、このヒストグラムから
しきい値を求める方法などがある。グレーレベル信号の
最大値及び最小値からしきい値を設定する方法では、被
測定領域がアルミニウム合金領域で占められている場合
には信号値が最大になり、逆に被測定領域が初晶シリコ
ン領域で占められている場合には信号値が最小になる。
それ故、前記最大値と最小値との間にしいき値を定め
る。この場合、しきい値は、2値化された二つの領域が
実際のアルミニウム領域と初晶シリコン領域の割合とな
るように設定する。
【0012】一方、被測定面に傷などの欠陥が存在する
場合には最大値及び最小値は各々、アルミニウム合金領
域及び初晶シリコン領域に対応した値ではなくなる恐れ
がある。これを防止するためには、グレーレベル信号の
ヒストグラムを作成し、測定領域全体でアルミニウム合
金領域と初晶シリコン領域と占める割合が所定の値とな
るようにしきい値を設定する。所定の値とは、シリコン
含有アルミニウム合金中の各成分含有率から求められる
ものである。この方法により、被測定面がアルミニウム
合金領域である確率とシリコン領域である確率を求める
ことができる。被測定面が広い場合には、アルミニウム
合金領域及びシリコン領域それぞれが占める割合は実際
に前記確率通りとなる。このため、被測定面が広い場合
には、ヒストグラムからしきい値を求める方法が優れて
いる。更に、この方法によれば、被測定面の傷などの欠
陥に影響されないため、グレーレベル信号をアルミニウ
ム合金領域を表わす数値とシリコン領域を表わす数値と
に正確に2値化することができる。
場合には最大値及び最小値は各々、アルミニウム合金領
域及び初晶シリコン領域に対応した値ではなくなる恐れ
がある。これを防止するためには、グレーレベル信号の
ヒストグラムを作成し、測定領域全体でアルミニウム合
金領域と初晶シリコン領域と占める割合が所定の値とな
るようにしきい値を設定する。所定の値とは、シリコン
含有アルミニウム合金中の各成分含有率から求められる
ものである。この方法により、被測定面がアルミニウム
合金領域である確率とシリコン領域である確率を求める
ことができる。被測定面が広い場合には、アルミニウム
合金領域及びシリコン領域それぞれが占める割合は実際
に前記確率通りとなる。このため、被測定面が広い場合
には、ヒストグラムからしきい値を求める方法が優れて
いる。更に、この方法によれば、被測定面の傷などの欠
陥に影響されないため、グレーレベル信号をアルミニウ
ム合金領域を表わす数値とシリコン領域を表わす数値と
に正確に2値化することができる。
【0013】ヒストグラム作成手段においては、前述の
如く、被測定面を1次元的に走査することにより(すな
わち、被測定面を多数の線条に分割して、各線条を走査
することにより)、走査線に沿ったアルミニウム合金領
域の幅Aと該アルミニウム合金領域の幅Aに続くシリコ
ン領域の幅Sとを2値化されたデータとして測定し、測
定値A,Sに基づいて測定値A,Sをパラメータとする
2次元ヒストグラムH(A,S)を作成する。
如く、被測定面を1次元的に走査することにより(すな
わち、被測定面を多数の線条に分割して、各線条を走査
することにより)、走査線に沿ったアルミニウム合金領
域の幅Aと該アルミニウム合金領域の幅Aに続くシリコ
ン領域の幅Sとを2値化されたデータとして測定し、測
定値A,Sに基づいて測定値A,Sをパラメータとする
2次元ヒストグラムH(A,S)を作成する。
【0014】耐摩耗性評価値算出手段においては、作成
された2次元ヒストグラムH(A,S)に対して所定の
重み関数を作用させて耐摩耗性評価値Xを算出する。前
記重み関数は、2次元ヒストグラムH(A,S)から耐
摩耗性評価値Xを算出することができるものであれば特
にその形態は限定されない。耐摩耗性評価値Xは、例え
ば下記式(1): X=[ΣΣA2 /(A+S)・H(A,S)]/ΣΣH(A,S) (1) で表わすことができる。
された2次元ヒストグラムH(A,S)に対して所定の
重み関数を作用させて耐摩耗性評価値Xを算出する。前
記重み関数は、2次元ヒストグラムH(A,S)から耐
摩耗性評価値Xを算出することができるものであれば特
にその形態は限定されない。耐摩耗性評価値Xは、例え
ば下記式(1): X=[ΣΣA2 /(A+S)・H(A,S)]/ΣΣH(A,S) (1) で表わすことができる。
【0015】上記式(1)で表わされる耐摩耗性評価値
Xは、以下に示す事項から導き出されるものである。す
なわち、アルミニウム合金領域中のミクロ的なシリコン
分布と耐摩耗性との間には次の関係が成り立つ。 アルミニウム合金領域の占める割合A/(A+S)が
小さいほど、シリコン含有アルミニウム合金の耐摩耗性
は高い。 アルミニウム合金領域の幅Aが小さいほど、シリコン
含有アルミニウム合金の耐摩耗性は高い。
Xは、以下に示す事項から導き出されるものである。す
なわち、アルミニウム合金領域中のミクロ的なシリコン
分布と耐摩耗性との間には次の関係が成り立つ。 アルミニウム合金領域の占める割合A/(A+S)が
小さいほど、シリコン含有アルミニウム合金の耐摩耗性
は高い。 アルミニウム合金領域の幅Aが小さいほど、シリコン
含有アルミニウム合金の耐摩耗性は高い。
【0016】以上の二つの観点から、A2 /(A+S)
を2次元ヒストグラムH(A,S)に対する重み関数と
して作用させれば耐摩耗性評価値Xを得ることができ
る。この場合、Xが小さいほど耐摩耗性は高い(摩耗さ
れ難い)ことを意味し、逆にXが大きいほど耐摩耗性は
低い(摩耗され易い)ことを意味する。
を2次元ヒストグラムH(A,S)に対する重み関数と
して作用させれば耐摩耗性評価値Xを得ることができ
る。この場合、Xが小さいほど耐摩耗性は高い(摩耗さ
れ難い)ことを意味し、逆にXが大きいほど耐摩耗性は
低い(摩耗され易い)ことを意味する。
【0017】耐摩耗性評価値Xを表示する表示手段は、
例えばデジタル・ディスプレイ或いはパーソナル・コン
ピュータなど前記耐摩耗性評価値Xを表示できるもので
あればよく、特に限定されない。複数の表示手段を併用
してもよい。
例えばデジタル・ディスプレイ或いはパーソナル・コン
ピュータなど前記耐摩耗性評価値Xを表示できるもので
あればよく、特に限定されない。複数の表示手段を併用
してもよい。
【0018】本発明の装置において、光源が赤外線波長
領域を含む光を発生する光源であり、受光器が被測定面
からの反射光を撮像することができる受光器であり、光
源又は受光器が波長選択フィルタを備え、且つ光源と受
光器とは被測定面に対して正反射の位置を取り得るよう
に配置されていることが好ましい。
領域を含む光を発生する光源であり、受光器が被測定面
からの反射光を撮像することができる受光器であり、光
源又は受光器が波長選択フィルタを備え、且つ光源と受
光器とは被測定面に対して正反射の位置を取り得るよう
に配置されていることが好ましい。
【0019】本発明の装置において、光源が赤外線波長
領域を含む平行光を照射する光源であり、且つマスクパ
ターンを備えており、マスクパターンは波長選択フィル
タを兼ねるマスクパターンであり、受光器がマスクパタ
ーンの大きさと位置を検出し、この情報に基づいて被測
定面に対して光源と正反射の位置を取り得る受光器であ
る装置も好ましい。
領域を含む平行光を照射する光源であり、且つマスクパ
ターンを備えており、マスクパターンは波長選択フィル
タを兼ねるマスクパターンであり、受光器がマスクパタ
ーンの大きさと位置を検出し、この情報に基づいて被測
定面に対して光源と正反射の位置を取り得る受光器であ
る装置も好ましい。
【0020】被測定面は、平滑であって本装置を適用し
得るものであればその形状は特に限定されない。もとも
と充分に平滑な面、例えば自動車エンジンのシリンダブ
ロックのシリンダ内面などはそのままの状態で本装置を
用いて測定することができる。
得るものであればその形状は特に限定されない。もとも
と充分に平滑な面、例えば自動車エンジンのシリンダブ
ロックのシリンダ内面などはそのままの状態で本装置を
用いて測定することができる。
【0021】本発明装置に用いる光源は、可視光線から
赤外線波長領域までの何れかの波長の光を含む光源であ
ればよく、特に限定されない。例えば、LEDや通常の
蛍光灯、白熱灯などを用いることができる。アルミニウ
ムとシリコンの反射率差は赤外線波長領域の波長をもつ
光に対して特に大きくなるために、光源としては、前記
光源のうち、赤外線波長領域を含んだものが望ましい。
この場合、赤外線波長領域の光のみを透過させる波長選
択フィルタを光学系に組み込んで、赤外光のみを透過さ
せるようにしてもよい。
赤外線波長領域までの何れかの波長の光を含む光源であ
ればよく、特に限定されない。例えば、LEDや通常の
蛍光灯、白熱灯などを用いることができる。アルミニウ
ムとシリコンの反射率差は赤外線波長領域の波長をもつ
光に対して特に大きくなるために、光源としては、前記
光源のうち、赤外線波長領域を含んだものが望ましい。
この場合、赤外線波長領域の光のみを透過させる波長選
択フィルタを光学系に組み込んで、赤外光のみを透過さ
せるようにしてもよい。
【0022】赤外線波長領域の光源は、波長0.8μm
−1000μm程度の電磁波を含む光を発生する光源で
あり、赤外線波長領域は更に波長0.8μm−2.5μ
m程度の近赤外線領域、波長2.5μm−25μm程度
の(普通)赤外線領域及び波長25μm−1000μm
程度の遠赤外線領域に細分されるが、特に近赤外線領域
ないし(普通)赤外線領域を含む光を発生する光源が好
ましい。又、平行光を放射する光源が実用上使用し易
い。
−1000μm程度の電磁波を含む光を発生する光源で
あり、赤外線波長領域は更に波長0.8μm−2.5μ
m程度の近赤外線領域、波長2.5μm−25μm程度
の(普通)赤外線領域及び波長25μm−1000μm
程度の遠赤外線領域に細分されるが、特に近赤外線領域
ないし(普通)赤外線領域を含む光を発生する光源が好
ましい。又、平行光を放射する光源が実用上使用し易
い。
【0023】光源の具体的な例としては、赤外線波長領
域を含む光を発生する光源として慣用のランプ例えばタ
ングステンランプ、グローバーランプ、ネルンストラン
プを挙げることができる。光源の大きさや形状は、被測
定面の大きさや形状を考慮して適宜選択する。
域を含む光を発生する光源として慣用のランプ例えばタ
ングステンランプ、グローバーランプ、ネルンストラン
プを挙げることができる。光源の大きさや形状は、被測
定面の大きさや形状を考慮して適宜選択する。
【0024】受光器は被測定面からの反射光を撮像する
ことができる受光器であれば特に限定されないが、例え
ばレンズ系、撮像系(例えば受光センサ、撮像管等)及
び所望により波長選択フィルタを備えたものであってよ
い。受光器としてはCCDカメラなど通常使用される撮
像装置、或いは一次元の受光素子などを用いることがで
きる。受光器の大きさや形状も被測定面に応じて最適に
決定する。
ことができる受光器であれば特に限定されないが、例え
ばレンズ系、撮像系(例えば受光センサ、撮像管等)及
び所望により波長選択フィルタを備えたものであってよ
い。受光器としてはCCDカメラなど通常使用される撮
像装置、或いは一次元の受光素子などを用いることがで
きる。受光器の大きさや形状も被測定面に応じて最適に
決定する。
【0025】光源の光強度にむらがある場合、或いは受
光器例えば撮像装置固有の特性により均一なグレーレベ
ル信号が得られない場合には、シェーディング補正など
により補正を行ってもよい。
光器例えば撮像装置固有の特性により均一なグレーレベ
ル信号が得られない場合には、シェーディング補正など
により補正を行ってもよい。
【0026】波長選択フィルタは光源及び受光器の何れ
かに少なくとも1種類備えられていてよいが、光源に備
えられていることが好ましい。
かに少なくとも1種類備えられていてよいが、光源に備
えられていることが好ましい。
【0027】本発明装置の使用に当たり、被測定面が動
いている場合、例えば被測定面がベルトコンベヤー上に
載置されて順次搬送されてくる物品上の一面である場
合、或いは被測定面の性状に応じて光源からの被測定面
への照射角を変化させる場合には、光源、被測定面及び
受光器の位置関係を、如何なる場合にも光源と受光器と
が被測定面に対して正反射の位置を取り得るように位置
決めできる姿勢制御機構が必要となる。
いている場合、例えば被測定面がベルトコンベヤー上に
載置されて順次搬送されてくる物品上の一面である場
合、或いは被測定面の性状に応じて光源からの被測定面
への照射角を変化させる場合には、光源、被測定面及び
受光器の位置関係を、如何なる場合にも光源と受光器と
が被測定面に対して正反射の位置を取り得るように位置
決めできる姿勢制御機構が必要となる。
【0028】前記姿勢制御機構は本発明の目的を達成し
得るものであれば特に限定されないが、前記の如く例え
ば光源に適当なマスクパターンを設けるとよい。すなわ
ち、光源から被測定面を経て受光器で撮像されたマスク
パターンを、光源と受光器とが被測定面に対して正反射
の位置を取った場合のマスクパターンと一致するように
光源及び/又は受光器の位置を変化させることにより、
被測定面の動きに追従させて光源と受光器とが被測定面
に対して正反射の位置を取り得るように位置決めするこ
とができる。なお、姿勢制御機構の駆動手段は慣用の駆
動手段を使用してよい。
得るものであれば特に限定されないが、前記の如く例え
ば光源に適当なマスクパターンを設けるとよい。すなわ
ち、光源から被測定面を経て受光器で撮像されたマスク
パターンを、光源と受光器とが被測定面に対して正反射
の位置を取った場合のマスクパターンと一致するように
光源及び/又は受光器の位置を変化させることにより、
被測定面の動きに追従させて光源と受光器とが被測定面
に対して正反射の位置を取り得るように位置決めするこ
とができる。なお、姿勢制御機構の駆動手段は慣用の駆
動手段を使用してよい。
【0029】マスクパターンが波長選択フィルタを兼ね
るマスクパターンであると、非常に便利である。
るマスクパターンであると、非常に便利である。
【0030】
【作用】前述の如き構成を有するグレーレベル信号検出
手段、2値化手段、ヒストグラム作成手段、耐摩耗性評
価値算出手段及び表示手段により、シリコン含有アルミ
ニウム合金の耐摩耗性を、被検体を破壊することなく、
簡便迅速に評価することができる。
手段、2値化手段、ヒストグラム作成手段、耐摩耗性評
価値算出手段及び表示手段により、シリコン含有アルミ
ニウム合金の耐摩耗性を、被検体を破壊することなく、
簡便迅速に評価することができる。
【0031】
【実施例】以下に、図面に基づいて本発明の実施例を更
に詳細に説明する。
に詳細に説明する。
【0032】図1に本発明装置の一実施例の概略構成図
を示す。図1において、被検体であるシリンダブロック
1の筒内にはその中央部に蛍光灯からなる光源2、シリ
ンダブロック1内面近傍に設置されたプリズムを兼ねた
赤外領域の光を透過させる波長選択フィルタ3、シリン
ダブロック1内面に対して傾斜して設置された平面鏡か
らなる反射鏡4が配設され、これらはコンピュータ5の
命令により回転する回転テーブル6に接続されている。
回転テーブル6には光源2と反対側に凸レンズ7、ライ
ンセンサからなる受光センサ8を含んで構成される信号
検出装置9が更に接続されている。以上示した要素(被
検体を除く)により、グレーレベル信号検出手段が構成
されている。そして、受光センサ8は、CRTからなる
モニタ10、及び図示しない2値化手段、ヒストグラム
作成手段、耐摩耗性評価手段、表示手段を含むコンピュ
ータ5に電気的に接続されている。
を示す。図1において、被検体であるシリンダブロック
1の筒内にはその中央部に蛍光灯からなる光源2、シリ
ンダブロック1内面近傍に設置されたプリズムを兼ねた
赤外領域の光を透過させる波長選択フィルタ3、シリン
ダブロック1内面に対して傾斜して設置された平面鏡か
らなる反射鏡4が配設され、これらはコンピュータ5の
命令により回転する回転テーブル6に接続されている。
回転テーブル6には光源2と反対側に凸レンズ7、ライ
ンセンサからなる受光センサ8を含んで構成される信号
検出装置9が更に接続されている。以上示した要素(被
検体を除く)により、グレーレベル信号検出手段が構成
されている。そして、受光センサ8は、CRTからなる
モニタ10、及び図示しない2値化手段、ヒストグラム
作成手段、耐摩耗性評価手段、表示手段を含むコンピュ
ータ5に電気的に接続されている。
【0033】以下、上記構成の本実施例装置をシリコン
含有アルミニウム合金製自動車用エンジンのシリンダブ
ロック1内面の耐摩耗性評価に用いる場合について説明
する。図1において、光源2によりシリンダブロック1
内面が照らされ、内面で反射した光は波長選択フィルタ
3を通過し、更に反射鏡4で光路を変えられる。その
後、反射光11は受光器12に入り、凸レンズ7を通過
して受光センサ8で受光されてグレーレベル信号とな
る。回転テーブル6は、中心軸13の回りを矢印で示す
如く円周方向に回転するため、線状の受光センサ8によ
りシリンダブロック1内面全周のグレーレベル信号を得
ることができる。なお、得られたグレーレベル信号は、
モニタ10で直接観察することができる。
含有アルミニウム合金製自動車用エンジンのシリンダブ
ロック1内面の耐摩耗性評価に用いる場合について説明
する。図1において、光源2によりシリンダブロック1
内面が照らされ、内面で反射した光は波長選択フィルタ
3を通過し、更に反射鏡4で光路を変えられる。その
後、反射光11は受光器12に入り、凸レンズ7を通過
して受光センサ8で受光されてグレーレベル信号とな
る。回転テーブル6は、中心軸13の回りを矢印で示す
如く円周方向に回転するため、線状の受光センサ8によ
りシリンダブロック1内面全周のグレーレベル信号を得
ることができる。なお、得られたグレーレベル信号は、
モニタ10で直接観察することができる。
【0034】グレーレベル信号は、図示しないA/D変
換器でデジタル変換されコンピュータ5に含まれる2値
化手段で2値化される。なお、デジタル変換後の信号の
解像度は16ドット/mmで階調幅は16ビットであ
る。又、2値化の際のしきい値の設定にはヒストグラム
階調法を用い、アルミニウム合金領域とシリコン領域と
の比率が1:2となるように設定した。
換器でデジタル変換されコンピュータ5に含まれる2値
化手段で2値化される。なお、デジタル変換後の信号の
解像度は16ドット/mmで階調幅は16ビットであ
る。又、2値化の際のしきい値の設定にはヒストグラム
階調法を用い、アルミニウム合金領域とシリコン領域と
の比率が1:2となるように設定した。
【0035】図2は、シリンダブロック1内面の2値化
後の静止画像を示す。図2中、白色の領域はアルミニウ
ム合金領域14を表わし、黒色の領域はシリコン領域1
5を表わす。
後の静止画像を示す。図2中、白色の領域はアルミニウ
ム合金領域14を表わし、黒色の領域はシリコン領域1
5を表わす。
【0036】次いで、ヒストグラム作成手段では、被測
定面を1次元的に走査することにより、走査線に沿った
アルミニウム合金領域14の幅Aと該アルミニウム合金
領域14の幅Aに続くシリコン領域15の幅Sとを2値
化されたデータから測定し、測定値A,Sに基づいて測
定値A,Sをパラメータとする2次元ヒストグラムH
(A,S)を作成する。この手法を具体的に説明する。
すなわち、例えば図2に示すように、先ず走査線a−
a′に沿って走査することにより、2値化データとして
図3に示す一次元走査データを得る。この一次元走査デ
ータのうちwの領域に着目すると、シリコン領域15及
びアルミニウム合金領域14が幅S1 ,A1,S2 及び
A2 の順に並んでいる。したがって、この場合H
(A1 ,S1 )、H(A2 ,S2 )に1づつ加算する。
同様の手法を用いて、所定の間隔で設定した走査線に沿
って前記走査を繰り返し、図2に示す全領域についての
2次元ヒストグラムH(A,S)を得る。
定面を1次元的に走査することにより、走査線に沿った
アルミニウム合金領域14の幅Aと該アルミニウム合金
領域14の幅Aに続くシリコン領域15の幅Sとを2値
化されたデータから測定し、測定値A,Sに基づいて測
定値A,Sをパラメータとする2次元ヒストグラムH
(A,S)を作成する。この手法を具体的に説明する。
すなわち、例えば図2に示すように、先ず走査線a−
a′に沿って走査することにより、2値化データとして
図3に示す一次元走査データを得る。この一次元走査デ
ータのうちwの領域に着目すると、シリコン領域15及
びアルミニウム合金領域14が幅S1 ,A1,S2 及び
A2 の順に並んでいる。したがって、この場合H
(A1 ,S1 )、H(A2 ,S2 )に1づつ加算する。
同様の手法を用いて、所定の間隔で設定した走査線に沿
って前記走査を繰り返し、図2に示す全領域についての
2次元ヒストグラムH(A,S)を得る。
【0037】耐摩耗性評価値算出手段においては、前記
2次元ヒストグラムH(A,S)に対して、A2 /(A
+S)を重みとする重み演算を行う次式(1)により耐
摩耗性評価値Xを算出する。 X=[ΣΣA2 /(A+S)・H(A,S)]/ΣΣH(A,S) (1)
2次元ヒストグラムH(A,S)に対して、A2 /(A
+S)を重みとする重み演算を行う次式(1)により耐
摩耗性評価値Xを算出する。 X=[ΣΣA2 /(A+S)・H(A,S)]/ΣΣH(A,S) (1)
【0038】耐摩耗性評価値Xは表示装置で表示する。
この場合使用する表示装置は、例えばデジタル・ディス
プレイ或いはパーソナル・コンピュータなど、前記耐摩
耗性評価値を表示できるものを適宜選択する。
この場合使用する表示装置は、例えばデジタル・ディス
プレイ或いはパーソナル・コンピュータなど、前記耐摩
耗性評価値を表示できるものを適宜選択する。
【0039】<耐摩耗性評価試験>上記と同様の方法
で、本実施例装置を用いて、性状の異なる複数のシリコ
ン含有アルミニウム合金製自動車用エンジンブロックの
シリンダ内面の耐摩耗性評価試験を行った。すなわち、
所定のシリコン含有率を有し、シリコンの分布状態が異
なるシリコン含有アルミニウム合金製自動車用エンジン
ブロック12種類を準備し、上記本実施例装置を用いて
シリンダブロック内面を走査し、耐摩耗性評価値Xを求
めた。走査領域は、シリンダブロックのピストンリング
上死点近傍から深さ方向に64mmの全周とした。次い
で、前記エンジンブロックによりエンジンを構成し、所
定の条件でベンチテストを行った。その後、ピストンリ
ング上死点近傍の位置で表面粗さ測定器によりシリンダ
ブロック内面の段付き摩耗深さを測定し、摩耗量とし
た。
で、本実施例装置を用いて、性状の異なる複数のシリコ
ン含有アルミニウム合金製自動車用エンジンブロックの
シリンダ内面の耐摩耗性評価試験を行った。すなわち、
所定のシリコン含有率を有し、シリコンの分布状態が異
なるシリコン含有アルミニウム合金製自動車用エンジン
ブロック12種類を準備し、上記本実施例装置を用いて
シリンダブロック内面を走査し、耐摩耗性評価値Xを求
めた。走査領域は、シリンダブロックのピストンリング
上死点近傍から深さ方向に64mmの全周とした。次い
で、前記エンジンブロックによりエンジンを構成し、所
定の条件でベンチテストを行った。その後、ピストンリ
ング上死点近傍の位置で表面粗さ測定器によりシリンダ
ブロック内面の段付き摩耗深さを測定し、摩耗量とし
た。
【0040】図4に、耐摩耗性評価値X(縦軸)とベン
チテスト後のシリンダブロック内面の摩耗深さ(横軸)
との関係を示す。図4より明らかな如く、両者の間には
相関関係(相関係数r=0.731)がある。このこと
から、本実施例の装置を用いて非破壊でシリコン含有ア
ルミニウム合金の耐摩耗性評価が可能であることが判
る。
チテスト後のシリンダブロック内面の摩耗深さ(横軸)
との関係を示す。図4より明らかな如く、両者の間には
相関関係(相関係数r=0.731)がある。このこと
から、本実施例の装置を用いて非破壊でシリコン含有ア
ルミニウム合金の耐摩耗性評価が可能であることが判
る。
【0041】
【発明の効果】上述の如く、本発明のシリコン含有アル
ミニウム合金の耐摩耗性評価装置は、所定の構成を有す
るグレーレベル信号検出手段、2値化手段、ヒストグラ
ム作成手段、耐摩耗性評価値算出手段及び表示手段を備
えてなるため、シリコン含有アルミニウム合金の耐摩耗
性を、被検体を破壊することなく、簡便迅速に評価する
ことができるので、製品開発及び製品の品質管理に有用
である。
ミニウム合金の耐摩耗性評価装置は、所定の構成を有す
るグレーレベル信号検出手段、2値化手段、ヒストグラ
ム作成手段、耐摩耗性評価値算出手段及び表示手段を備
えてなるため、シリコン含有アルミニウム合金の耐摩耗
性を、被検体を破壊することなく、簡便迅速に評価する
ことができるので、製品開発及び製品の品質管理に有用
である。
【0042】又、本発明の装置を使用すると、測定に際
して被測定面に何ら手を加える必要がなくなり、更に被
測定面に対する形状的な制約が大幅に軽減される。この
ため、本発明の装置は種々の産業分野に広く適用でき
る。
して被測定面に何ら手を加える必要がなくなり、更に被
測定面に対する形状的な制約が大幅に軽減される。この
ため、本発明の装置は種々の産業分野に広く適用でき
る。
【0043】更に、本発明の装置を使用して測定したシ
リコン含有アルミニウム合金の耐摩耗性評価データは、
例えばコンピュータのメモリに蓄えて任意の処理を施す
ことができるので、被測定物の分析や研究に大きな効果
を奏し、且つその情報の複写、電送、保管、管理等も容
易である。
リコン含有アルミニウム合金の耐摩耗性評価データは、
例えばコンピュータのメモリに蓄えて任意の処理を施す
ことができるので、被測定物の分析や研究に大きな効果
を奏し、且つその情報の複写、電送、保管、管理等も容
易である。
【図1】本発明のシリコン含有アルミニウム合金の耐摩
耗性評価装置の一実施例の概略構成図である。
耗性評価装置の一実施例の概略構成図である。
【図2】本発明の装置を使用して2値化後の、シリコン
含有アルミニウム合金製シリンダブロック内面の金属組
織の顕微鏡写真である。
含有アルミニウム合金製シリンダブロック内面の金属組
織の顕微鏡写真である。
【図3】図2の走査線a−a′に沿った2値化一次元走
査データを示す図である。
査データを示す図である。
【図4】耐摩耗性評価値Xとベンチテスト後のシリンダ
ブロック内面の摩耗深さとの関係を示す図である。
ブロック内面の摩耗深さとの関係を示す図である。
1 シリンダブロック 2 光源 3 波長選択フィルタ 4 反射鏡 5 コンピュータ 6 回転テーブル 7 凸レンズ 8 受光センサ 9 信号検出装置 10 モニタ 11 反射光 12 受光器 13 中心軸 14 アルミニウム合金領域 15 シリコン領域
フロントページの続き (72)発明者 和田 隆志 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 松田 守弘 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 升田 隆一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 浴野 芳夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 大山 忠 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 シリコン含有アルミニウム合金からなる
平滑な被測定面に対して光源から光を照射し、被測定面
によって反射された反射光を受光器で検出することによ
り得られた被測定面のシリコン及びアルミニウム合金に
関する分布情報に基づいて、シリコン含有アルミニウム
合金の耐摩耗性を評価するための装置であって、 アルミニウム合金とシリコンとの光の反射率の差異に基
づいて、被測定面のアルミニウム合金領域とシリコン領
域とをグレーレベル信号として検出するグレーレベル信
号検出手段、と検出されたグレーレベル信号を、所定の
しきい値を基準にして、アルミニウム合金領域を表わす
数値とシリコン領域を表わす数値とに2値化する2値化
手段、と被測定面を1次元的に走査することにより、走
査線に沿ったアルミニウム合金領域の幅Aと該アルミニ
ウム合金領域の幅Aに続くシリコン領域の幅Sとを2値
化されたデータから測定し、測定値A,Sに基づいて測
定値A,Sをパラメータとする2次元ヒストグラムH
(A,S)を作成するヒストグラム作成手段、と作成さ
れた2次元ヒストグラムH(A,S)に対して所定の重
み関数を作用させて耐摩耗性評価値Xを算出する耐摩耗
性評価値算出手段、と算出された耐摩耗性評価値Xを表
示する表示手段、とを備えてなることを特徴とするシリ
コン含有アルミニウム合金の耐摩耗性評価装置。 - 【請求項2】 耐摩耗性評価値Xが次式(1): X=[ΣΣA2 /(A+S)・H(A,S)]/ΣΣH(A,S) (1) で表わされる、ことを特徴とする請求項1記載のシリコ
ン含有アルミニウム合金の耐摩耗性評価装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18550193A JPH0720050A (ja) | 1993-06-29 | 1993-06-29 | シリコン含有アルミニウム合金の耐摩耗性評価装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18550193A JPH0720050A (ja) | 1993-06-29 | 1993-06-29 | シリコン含有アルミニウム合金の耐摩耗性評価装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0720050A true JPH0720050A (ja) | 1995-01-24 |
Family
ID=16171884
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18550193A Pending JPH0720050A (ja) | 1993-06-29 | 1993-06-29 | シリコン含有アルミニウム合金の耐摩耗性評価装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0720050A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6049153A (en) * | 1996-02-23 | 2000-04-11 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Motor |
US6798103B2 (en) | 1996-10-18 | 2004-09-28 | Hitachi, Ltd. | Permanent magnet electric rotating machine and electromotive vehicle using permanent magnet electric rotating machine |
US7105971B2 (en) | 2002-04-15 | 2006-09-12 | Denso Corporation | Permanent-magnet rotor for an inner rotor type electric rotary machine and magnet-saving type rotor for a synchronous motor |
US7148597B2 (en) | 2002-05-15 | 2006-12-12 | Hitachi, Ltd. | Permanent magnet rotating electric machine |
-
1993
- 1993-06-29 JP JP18550193A patent/JPH0720050A/ja active Pending
Cited By (21)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6979924B2 (en) | 1996-02-23 | 2005-12-27 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Compressor using a motor |
US6300700B1 (en) * | 1996-02-23 | 2001-10-09 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Motor |
US6356001B1 (en) | 1996-02-23 | 2002-03-12 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Electric vehicle using a motor |
US6369480B1 (en) | 1996-02-23 | 2002-04-09 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Compressor using a motor |
US6759778B2 (en) | 1996-02-23 | 2004-07-06 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Electric vehicle using a motor |
US6049153A (en) * | 1996-02-23 | 2000-04-11 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Motor |
US7119470B2 (en) | 1996-10-18 | 2006-10-10 | Hitachi, Ltd. | Permanent magnet electric rotating machine and electromotive vehicle using permanent magnet electric rotating machine |
US7378773B2 (en) | 1996-10-18 | 2008-05-27 | Hitachi, Ltd. | Permanent magnet electric rotating machine and electromotive vehicle using permanent magnet electric rotating machine |
US6822360B2 (en) | 1996-10-18 | 2004-11-23 | Hitachi, Ltd. | Permanent magnet electric rotating machine and electromotive vehicle using permanent magnet electric rotating machine |
US8198775B2 (en) | 1996-10-18 | 2012-06-12 | Hitachi, Ltd. | Permanent magnet electric rotating machine and electromotive vehicle using permanent magnet electric rotating machine |
US6798103B2 (en) | 1996-10-18 | 2004-09-28 | Hitachi, Ltd. | Permanent magnet electric rotating machine and electromotive vehicle using permanent magnet electric rotating machine |
US7851959B2 (en) | 1996-10-18 | 2010-12-14 | Hitachi, Ltd. | Permanent magnet electric rotating machine and electromotive vehicle using permanent magnet electric rotating machine |
US7847462B2 (en) | 1996-10-18 | 2010-12-07 | Hitachi, Ltd. | Permanent magnet electric rotating machine and electromotive vehicle using permanent magnet electric rotating machine |
US6876117B2 (en) | 1996-10-18 | 2005-04-05 | Hitachi, Ltd. | Permanent magnet electric rotating machine and electromotive vehicle using permanent magnet electric rotating machine |
US7808144B2 (en) | 1996-10-18 | 2010-10-05 | Hitachi, Ltd. | Permanent magnet electric rotating machine and electromotive vehicle using permanent magnet electric rotating machine |
US7446448B2 (en) | 1996-10-18 | 2008-11-04 | Hitachi, Ltd. | Permanent magnet electric rotating machine and electromotive vehicle using permanent magnet electric rotating machine |
US7667365B2 (en) | 1996-10-18 | 2010-02-23 | Hitachi, Ltd. | Permanent magnet electric rotating machine and electromotive vehicle using permanent magnet electric rotating machine |
US7105971B2 (en) | 2002-04-15 | 2006-09-12 | Denso Corporation | Permanent-magnet rotor for an inner rotor type electric rotary machine and magnet-saving type rotor for a synchronous motor |
US7417346B2 (en) | 2002-05-15 | 2008-08-26 | Hitachi, Ltd. | Permanent magnet rotating electric machine |
US7233089B2 (en) | 2002-05-15 | 2007-06-19 | Hitachi, Ltd. | Permanent magnet rotating electric machine |
US7148597B2 (en) | 2002-05-15 | 2006-12-12 | Hitachi, Ltd. | Permanent magnet rotating electric machine |
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