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JPH07197974A - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器

Info

Publication number
JPH07197974A
JPH07197974A JP34972993A JP34972993A JPH07197974A JP H07197974 A JPH07197974 A JP H07197974A JP 34972993 A JP34972993 A JP 34972993A JP 34972993 A JP34972993 A JP 34972993A JP H07197974 A JPH07197974 A JP H07197974A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil passage
valve
bypass
oil
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34972993A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuya Masamura
辰也 政村
Koji Takase
孝次 高瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kayaba Industry Co Ltd filed Critical Kayaba Industry Co Ltd
Priority to JP34972993A priority Critical patent/JPH07197974A/ja
Publication of JPH07197974A publication Critical patent/JPH07197974A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 伸圧減衰力調整式油圧緩衝器のコスト面と部
品管理面での不利の除去と、併せて、車両への搭載性お
よび加工面の改善をも図る。 【構成】 ピストン2の圧側ポート6にチェックバル
ブ27と圧側背面バルブ8を直列に設け、これらバルブ
8,27の間を切換バルブ22の可変ポート35を通し
てピストンロッド4のバイパス油路9に連通する。ピス
トン2上には圧側バイパス油路機構17と伸圧共用バイ
パス油路機構18を積層して配置し、バイパス油路9を
切換バルブ22の可変ポート36から圧側サブバルブ2
0を通して上部油室Aに連通すると共に、上部油室Aを
切換バルブ22の可変ポート37を通してバイパス油路
9に連通する。そして、バイパス油路9を下部油室Bに
対し伸側サブバルブ19を通して連通し、切換バルブ2
2を操作して伸圧減衰力特性を一定の条件下で制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両走行時の車体振
動に応動して発生減衰力を適切に切り換え、車体の姿勢
を正しく制御する伸圧減衰力調整式油圧緩衝器の改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】走行車両のサスペンションとしては、車
体に生じる振動を単に減衰して吸収するだけでは充分な
乗心地を得られず、より一層の乗心地の向上を図るため
には、車体の挙動を検出して積極的に正しい姿勢を保つ
ように制御するアクティブ制御のサスペンションシステ
ムを用いるのが望ましい。
【0003】しかし、このようなアクティブサスペンシ
ョンシステムは油圧ポンプや油圧バルブを必要とし、か
つ、それらを制御するコントローラ自体の構成も複雑と
なることから高価につく。
【0004】そこで、サスペンションに用いられる油圧
緩衝器として、車体振動の振幅や周波数に応動して自動
的に減衰力特性を制御する所謂セミアクティブサスペン
ションシステムというものが注目されるようになってき
た。
【0005】図8は、本願特許出願人が、先に平成4年
特許願第110869号として提案したセミアクティブ
サスペンション用の油圧緩衝器を示すものである。
【0006】すなわち、このものは、密閉筒体のシリン
ダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入したピストン
2、シリンダ1との間でリザーバ室Tを区画するアウタ
シェル3、およびピストン2を担うピストンロッド4を
有する。
【0007】ピストン2はシリンダ1の内部を上部油室
Aと下部油室Bに区画すると共に、これら上部油室Aと
下部油室Bを互いに連通する伸側ポート5と圧側ポート
6を備え、伸側ポート5の下端は伸側メインバルブ7
で、また、圧側ポート6の上端は圧側背面バルブ8でそ
れぞれ閉じられている。
【0008】ピストンロッド4の軸心部分はバイパス油
路9となって下端が下部油室Bに開口し、かつ、ピスト
ンロッド4に穿った三つに油孔10,11,12を通し
て上部油室A側にも開口している。
【0009】また、シリンダ1内の下部には、油圧緩衝
器の伸長行程時にリザーバ室T内の作動油を下部油室B
に吸い込むチェックバルブ13と、圧縮行程時に下部油
室Bからリザーバ室Tに流れる作動油に抵抗を与えて圧
側減衰力を発生する圧側メインバルブ14を備えたベー
スバルブ15が設けてある。
【0010】さらに、ピストン2の上方には、伸側バイ
パス油路機構16と圧側バイパス油路機構17および伸
圧共用バイパス油路機構18が積層してそれぞれ設けら
れている。
【0011】伸側バイパス油路機構16は、油圧緩衝器
の伸長行程時に、上部油室Aから伸側サブバルブ19を
押し開いて伸側減衰力を発生しつつ、ピストンロッド4
の油孔10とバイパス油路9を通して下部油室Bに向か
う作動油のバイパス流れを与える役目を果たす。
【0012】それに対し、圧側バイパス油路機構17
は、圧縮行程時に下部油室Bからピストンロッド4のバ
イパス油路9と油孔11を通り、圧側サブバルブ20を
押し開きつつ圧側減衰力を発生して上部油室Aに向かう
作動油のバイパス流れを与える役目をもつ。
【0013】また、伸圧共用バイパス油路機構18は、
上記の伸長および圧縮行程の如何に拘らず、ピストンロ
ッド4の油孔12とバイパス油路9を通して上下部油室
A,B間に亙る作動油のバイパス流れを与える。
【0014】そして、上記した各バイパス流れを制御す
るために、バイパス油路9の内部には、コントローラか
らの指令信号に基づきアクチュエータCとコントロール
ロッド21を通して切り換え操作されるロータリバルブ
22が納めてある。
【0015】ロータリバルブ22は、上記ピストンロッ
ド4の油孔10,11,12と対向して当該油孔10,
11,12を一定の条件の下に開閉制御する可変ポート
23,24,25を備える。
【0016】これにより、例えば、通常の良路走行時に
あっては、油孔10,11,12を共に開いて全てのバ
イパス流れを可能にし、伸圧共用バイパス油路機構18
により油孔12とバイパス油路9を通るバイパス流れを
与えて、伸圧両方のメインバルブ7,14と共にサブバ
ルブ19,20をも働かせて伸側および圧側ともソフト
の減衰力を発生する「モードS」にする。
【0017】また、車体速度が正(上向き)のときに
は、油孔10,12を閉じて油孔11のみを開き、圧側
メインバルブ14と共に圧側サブバルブ20のみを働か
せて伸側ハードで圧側ソフトの減衰特性となる「モード
R」に切り換え、車体速度が負(下向き)になると、油
孔10のみの開口に切り換えて伸側メインバルブ7と共
に伸側サブバルブ19のみを働かせ、伸側ソフトで圧側
ハードの減衰特性となる「モードC」に切り換えて車両
の乗心地を向上させるようにしている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のセミアクティブサスペンション用の油圧緩衝器にあっ
ては、図8とその等価油圧回路である図9から明らかな
ように、ピストン2上に積層してピストンロッド4に伸
側バイパス油路機構16と圧側バイパス油路機構17お
よび伸圧共用バイパス油路機構18を直列に配設してや
る必要がある。
【0019】そのために、ピストンロッド4側に配設す
るバルブ構成機構がピストン2を含めて四部品となり、
バルブ構成のための部品点数が多くなって管理面および
コスト面で不利になるばかりか、これらバルブの組み立
てにも多大の手数を要することになって組付性も悪い。
【0020】しかも、ピストンロッド4におけるバルブ
構成機構全体の全長が長大となるので油圧緩衝器の有効
ストロークが短くなり、この有効ストロークを適切に取
ろうとすると油圧緩衝器自体の全長が長くなって車両へ
の搭載性が悪くなる。
【0021】また、上記全バルブ構成機構の全長が長く
なるということはそれに伴ってロータリバルブ22の長
さも長くなり、当該ロータリバルブ22を組み込むため
のバイパス油路9の穴加工を奥深くまで施さなければな
らないので穴の奥で偏心が生じ易く、油洩れを起して減
衰特性が安定しない等の欠点があった。
【0022】したがって、この発明の目的は、ピストン
上に配設するバルブ構成機構を簡略化してコスト面と部
品管理面での不利を除去すると共に、有効ストロークと
車両への搭載性および加工面でも有利な改良されたこの
種の伸圧減衰力調整式油圧緩衝器を提供することであ
る。
【0023】
【問題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明にあっては、上部油室と下部油室を区画
するピストンの伸側ポートに伸側メインバルブを、ま
た、圧側ポートにはチェックバルブと圧側背面バルブを
直列にしてそれぞれ設け、かつ、ピストン上に圧側バイ
パス油路機構と伸圧共用バイパス油路機構を積層して配
置する。
【0024】また、ピストンを担うピストンロッドには
伸側サブバルブを通して下部油室に通じるバイパス油路
を構成し、このバイパス油路を一方ではピストンの圧側
ポートに設けたチェックバルブと圧側背面バルブを通し
て上部油室に連通し、また、他方では圧側バイパス油路
機構から当該圧側バイパス油路機構に設けた圧側サブバ
ルブを通して同じく上部油室に連通すると共に、さら
に、伸圧共用バイパス油路機構をも通して上部油室に連
通する。
【0025】そして、上記ピストンロッドのバイパス油
路内に位置して、上記伸圧共用バイパス油路機構による
連通のみを閉状態に保つ切換位置と、少なくともこの伸
圧共用バイパス油路機構による連通を開状態に保ちつつ
上記ピストンのチェックバルブを通してバイパス油路へ
と向う連通を開または閉状態に保つ二つの切換位置とを
もつ切換バルブを配設したのである。
【0026】
【作 用】これにより、本発明のものによれば、切換バ
ルブで伸圧共用バイパス油路機構による連通のみを閉状
態に保つことにより、油圧緩衝器の伸長行程時には、伸
側サブバルブを通る作動油の流れを断って伸側メインバ
ルブによりハードの伸側減衰力を発生し、圧縮行程時に
は、ピストンに設けたチェックバルブを開きつつバイパ
ス油路から圧側サブバルブを通して上部油室に向う作動
油の流れを許容してソフトの圧側減衰力を発生する。
【0027】また、伸圧共用バイパス油路機構による連
通とピストンのチェックバルブを通してバイパス油路へ
と向う連通の両方を開状態に保つことにより、油圧緩衝
器の伸長行程時には、伸側サブバルブを通る作動油の流
れを許容して当該伸側サブバルブによりソフトの伸側減
衰力を発生し、圧縮行程時には、ピストンに設けたチェ
ックバルブを開きつつバイパス油路から伸圧共用バイパ
ス油路機構を通して上部油室に向う作動油の流れを許容
して同じくソフトの圧側減衰力を発生する。
【0028】それに対し、伸圧共用バイパス油路機構に
よる連通を開状態に保ちつつピストンのチェックバルブ
を通してバイパス油路へと向う連通を閉状態に保つこと
により、油圧緩衝器の伸長行程時には、伸側サブバルブ
を通る作動油の流れを許容して当該伸側サブバルブによ
りソフトの伸側減衰力を発生し、圧縮行程時には、ピス
トンのチェックバルブを通してバイパス油路へと向う作
動油の流れを断って圧側メインバルブによりハードの圧
側減衰力を発生することになる。
【0029】かくして、伸側サブバルブをピストンロッ
ド側に配設すると共に、ピストン上には圧側バイパス油
路機構と伸圧共用バイパス油路機構を積層するだけで伸
圧減衰力調整式油圧緩衝器を構成することができ、バル
ブ構成機構を簡略化してコスト面と部品管理面での優位
性を保ちつつ、かつ、有効ストロークと車両への搭載性
および加工面の向上を図ることが可能になる。
【0030】
【実施例】以下、図1に基づいてこの発明を一実施例を
説明する。
【0031】なお、当該実施例にあっては、先に述べた
従来例のセミアクティブサスペンション用油圧緩衝器と
ピストン部の構成が異なるだけで、その他の部分につい
て従来例と全く同一の構成をとればよいので、ここで
は、ピストン部のみについて説明する。
【0032】図1に示すように、ピストン2は、ピスト
ンロッド4の下端インロー部にピストンナット26で締
め付けて固定してある。
【0033】当該ピストン2は、シリンダ1の内部を上
部油室Aと下部油室Bに区画すると共に、これら上部油
室Aと下部油室Bを互いに連通する伸側ポート5と圧側
ポート6を備え、伸側ポート5の下端は伸側メインバル
ブ7で、また、圧側ポート6の上端は直列に配置したチ
ェックバルブ27と圧側背面バルブ8でそれぞれ閉じら
れている。
【0034】ピストンロッド4の軸心部分はバイパス油
路9となって下端が下部油室B側に開口し、かつ、ピス
トンロッド4に穿った油孔10を通して上記チェックバ
ルブ27の背面側に連通すると共に、二つの油孔11,
12を通して上部油室Aにも開口している。
【0035】上記二つの油孔11,12と対向してピス
トン2の上面側には、伸圧共用バイパス油路機構18と
圧側サブバルブ20をもつ圧側バイパス油路機構17と
が積層して設けてあり、これらはピストン2と共にピス
トンロッド4の下端インロー部に螺着したピストンナッ
ト26で締め付けて固定してある。
【0036】伸圧共用バイパス油路機構18は、上部油
室Aをピストンロッド4内のバイパス油路9に連通させ
ておく役目をもち、そのために、当該ピストンロッド4
の油孔12に通じる油路28を備えている。
【0037】それに対し、圧側バイパス油路機構17
は、油圧緩衝器の圧縮行程時に下部油室Bからピストン
2の圧側ポート6を通してチェックバルブ27を開き、
かつ、圧側背面バルブ8をバイパスして油路29からピ
ストンロッド4の油孔10を通り、さらに、バイパス油
路9から油孔11を通してサブバルブ20を押開きつつ
上部油室Aに向う作動油の流れを与え、圧縮行程時の背
面圧力(下部油室Bの発生圧力)をセット圧の低い圧側
サブバルブ20の流動抵抗で与えることにより圧縮行程
時の背面圧力を低く保つ役目を果たす。
【0038】そのために、ピストンロッド4の油孔11
を圧側サブバルブ20へと導く油路30を備え、かつ、
ピストン2の上面には、チェックバルブ27によって閉
じられる凹部31と、当該チェックバルブ27を通して
通じるもう一つの凹部32とが設けてあり、この凹部3
2が上記油路29に通じると共に、圧側背面バルブ8を
通して上部油室Aにも通じている。
【0039】一方、ピストンナット26内には、ピスト
ンロッド4におけるバイパス油路9の下端開口部と対向
して伸側バイパス油路機構16が直列に配設してある。
【0040】この伸側バイパス油路機構16は、油圧緩
衝器の伸長行程時に、上部油室Aから伸圧共用バイパス
油路機構18を通してバイパス油路9に押し出されてき
た作動油に流動抵抗を与えてソフトの伸側減衰力を発生
する役目を果たす。
【0041】そのために、伸側バイパス油路機構16
は、ピストンロッド4のバイパス油路9を下部油室Bに
導くポート33を備え、このポート33の下部油室B側
への出口部分を伸側サブバルブ19で塞いでいる。
【0042】そして、上記した各作動油の流れを制御す
るために、バイパス油路9内には、コントロールロッド
21と切換バルブ22(この実施例ではロータリバルブ
を用いてあるが軸方向の摺動バルブであってもよい)が
結合して納めてあり、これらは下方に位置してバイパス
油路9内に圧入した脱落防止用のストッパ34で係止さ
れている。
【0043】また、図示はしてないが、切換バルブ22
を切換操作するために、コントロールロッド21の上端
はアクチュエータに連結し、このアクチュエータに対し
てコントローラからの指令信号が与えられる。
【0044】切換バルブ22は、上記ピストンロッド4
の油孔10,11,12と対向してこれら油孔10,1
1,12を一定の条件の下に開閉制御する可変ポート3
5,36,37を備える。
【0045】この切換バルブ22の可変ポート35,3
6,37は、W−W断面,X−X断面およびY−Y断面
の各断面で位相をずらして設けてあり、図2に示される
ように大きく分類してモードR,モードSおよびモード
Cの三つのモードを取り得るようになっている。
【0046】すなわち、モードRでは、油孔10のみが
閉で油孔11,12は開、モードSでは、油孔10,1
2が開で油孔11が閉、モードCでは、油孔10のみが
開で油孔11,12は閉となるように設定されている。
【0047】なお、油孔11は、モードRのときにのみ
必要とし、モードS,Cでは必要がないので、モードR
でのみ開となり、その他のモードS,Cでは開,閉何れ
であってもよい。
【0048】また、上記油圧緩衝器の油路関係を容易に
理解するために、図3に当該油圧緩衝器の等価油圧回路
を示しておく。
【0049】次に、上記で述べたセミアクティブサスペ
ンション用油圧緩衝器の作用について説明する。
【0050】当該油圧緩衝器は、切換バルブ22の切換
え動作に伴う各モードR,S,Cにおいて次のように作
動する。
【0051】図4のモードRにおいて、伸長行程時に
は、上部油室A内の作動油を実線矢印のように、ピスト
ン2の伸側ポート5からのみ伸側メインバルブ7を押し
開いてハードの伸側減衰力を発生しつつ下部油室Bに流
し、かつ、ピストンロッド4の退出体積分に相当する量
の作動油を従来例と同じ構造となっているベースバルブ
15のチェックバルブ13を開いてリザーバ室Tから下
部油室Bに補給する。
【0052】一方、圧縮行程時には、下部油室B内の作
動油を点線矢印で示すように、ピストン2の圧側ポート
6から凹部31を通してチェックバルブ27を開き、か
つ、圧側背面バルブ8をバイパスして凹部32から油路
29およびピストンロッド4の油孔10と切換バルブ2
2の可変ポート35を通り、さらに、バイパス油路9か
ら可変ポート36と油孔11および圧側バイパス油路機
構17の油路30を通して圧側サブバルブ20を押し開
きつつ上部油室Aに流し、当該圧側サブバルブ20の流
動抵抗で下部油室Bに圧側背面バルブ8による圧力より
も低い背面圧力を立てる。
【0053】そして、この下部油室Bからピストンロッ
ド4の侵入体積分に相当する量の作動油をベースバルブ
15の圧側メインバルブ14を押し開いてリザーバ室T
に流し、これら圧側サブバルブ20による背面圧力と圧
側メインバルブ14による流動抵抗とでソフトの圧側減
衰力を発生する。
【0054】したがって、このモードRにあっては、伸
側ハードで圧側ソフトの減衰力を発生することになる。
【0055】図5のモードSにおいて、伸長行程時に
は、上部油室A内の作動油を実線矢印のように、伸圧共
用バイパス油路機構18の油路28から油孔12と可変
ポート37およびバイパス油路9を通し、さらに、伸側
バイパス油路機構16のポート33から伸側サブバルブ
19を押し開いてソフトの伸側減衰力を発生しつつ下部
油室Bに流し、かつ、ピストンロッド4の退出体積分に
相当する量の作動油をベースバルブ15のチェックバル
ブ13を開いてリザーバ室Tから下部油室Bに補給す
る。
【0056】一方、圧縮行程時には、下部油室B内の作
動油を点線矢印で示すように、ピストン2の圧側ポート
6から凹部31を通してチェックバルブ27を開き、か
つ、圧側背面バルブ8をバイパスして凹部32から油路
29およびピストンロッド4の油孔10と切換バルブ2
2の可変ポート35を通り、さらに、バイパス油路9か
ら可変ポート37と油孔12および伸圧共用バイパス油
路機構18の油路28を通して殆ど抵抗なく上部油室A
に流す。
【0057】そのため、下部油室Bには殆ど背面圧力が
立たず、当該下部油室Bからピストンロッド4の侵入体
積分に相当する量の作動油をベースバルブ15の圧側メ
インバルブ14を押し開いてリザーバ室Tに流し、この
ときの圧側メインバルブ14による流動抵抗で先のモー
ドRのときの圧側減衰力よりも低い超ソフトの圧側減衰
力を発生する。
【0058】したがって、このモードSにあっては、伸
側ソフトで圧側超ソフトの減衰力を発生することにな
る。
【0059】図6のモードCにおいて、伸長行程時に
は、上部油室A内の作動油を実線矢印のように、先のモ
ードSの場合と同じく伸圧共用バイパス油路機構18の
油路28から油孔12と可変ポート37およびバイパス
油路9を通し、さらに、伸側バイパス油路機構16のポ
ート33から伸側サブバルブ19を押し開いてソフトの
伸側減衰力を発生しつつ下部油室Bに流し、かつ、ピス
トンロッド4の退出体積分に相当する量の作動油をベー
スバルブ15のチェックバルブ13を開いてリザーバ室
Tから下部油室Bに補給する。
【0060】それに対し、圧縮行程時には、下部油室B
内の作動油を点線矢印のように、ピストン2の圧側ポー
ト6から凹部31を通してチェックバルブ27を開きつ
つ、さらに、圧側背面バルブ8をも押し開いて上部油室
Aに流し、当該圧側背面バルブ8の流動抵抗で下部油室
Bに最も高い背面圧力を立てる。
【0061】そして、この下部油室Bからピストンロッ
ド4の侵入体積分に相当する量の作動油をベースバルブ
15の圧側メインバルブ14を押し開いてリザーバ室T
に流し、これら圧側背面バルブ8による背面圧力と圧側
メインバルブ14による流動抵抗とでハードの圧側減衰
力を発生する。
【0062】したがって、このモードCにあっては、先
のモードRの場合とは逆に伸側ソフトで圧側ハードの減
衰力を発生することになる。
【0063】かくして、当該セミアクティブサスペンシ
ョン用の油圧緩衝器は、切換バルブ22の切換制御に伴
う各モードR,S,Cにおいて、図7に示すような減衰
力特性を発揮することになる。
【0064】このことから、例えば、通常の良路走行時
にあっては、コントローラからの指令信号に基づいてア
クチュエータによりコントロールロッド21を通して切
換バルブ22を「モードS」に切り換え、伸側および圧
側ともソフトの減衰力特性とする。
【0065】また、車体速度が正(上向き)のときに
は、伸側ハードで圧側ソフトの減衰力特性となる「モー
ドR」に切り換え、かつ、車体速度が負(下向き)にな
ったときには、逆に伸側ソフトで圧側ハードの減衰力特
性となる「モードC」に自動的に切換制御することによ
り車両の乗心地を向上させることができる。
【0066】なお、この実施例にあっては、切換バルブ
22を右に回してモードSからモードRに切換える場合
には、油孔10を開いたまま油孔12を徐々に閉じ、ま
た、モードSからモードCに切換える場合には、油孔1
2を開いたまま油孔10を徐々に閉じるようにしてあ
る。
【0067】これにより、必要によってはモードSとモ
ードRの間およびモードSとモードCの間を細かく分け
て制御することができるばかりか、油孔10,11,1
2と可変ポート35,36,37の位相ずれを適宜に選
ぶことでさらに制御の幅が広がる。
【0068】なお、上記の実施例にあっては、この発明
をセミアクティブサスペンション用油圧緩衝器に実施し
た場合について述べてきたが、これに限定されるもので
はなく、通常使用されている伸圧減衰力調整式の油圧緩
衝器にこの発明を具体化してもよいことは言うまでもな
い。
【0069】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、伸側
サブバルブをピストンロッド側に配設すると共に、ピス
トン上には圧側バイパス油路機構と伸圧共用バイパス油
路機構を積層するだけで伸圧減衰力調整式油圧緩衝器を
構成することができる。
【0070】したがって、バルブ構成機構を簡略化して
コスト面と部品管理面での優位性を保ちつつ、かつ、有
効ストロークと車両への搭載性および加工面の向上を図
ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるセミアクティブサスペンション
用油圧緩衝器のピストン部構造例を示す縦断正面図であ
る。
【図2】同上、各モードでの切換バルブによる制御用油
路の開閉状態を示す説明図である。
【図3】同じく、図1の等価油圧回路図である。
【図4】モードRでの作動油の流れ状態を示す説明図で
ある。
【図5】同じく、モードSでの作動油の流れ状態を示す
説明図である。
【図6】同上、モードCでの作動油の流れ状態を示す説
明図である。
【図7】上記各モードでの減衰力特性を示すグラフであ
る。
【図8】従来のセミアクティブサスペンション用油圧緩
衝器の縦断正面図である。
【図9】同上の等価油圧回路図である。
【符号の説明】
A 上部油室 B 下部油室 T リザーバ室 1 シリンダ 2 ピストン 4 ピストンロッド 5 伸側ポート 6 圧側ポート 7 伸側メインバルブ 8 圧側背面バルブ 9 バイパス油路 16 伸側バイパス油路機構 17 圧側バイパス油路機構 18 伸圧共用バイパス油路機構 19 伸側サブバルブ 20 圧側サブバルブ 22 切換バルブ 27 チェックバルブ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部油室と下部油室を区画するピストン
    の伸側ポートに伸側メインバルブを、また、圧側ポート
    にはチェックバルブと圧側背面バルブを直列にしてそれ
    ぞれ設け、かつ、ピストン上に圧側バイパス油路機構と
    伸圧共用バイパス油路機構を積層して配置し、さらに、
    ピストンロッドに伸側サブバルブを通して下部油室に通
    じるバイパス油路を構成して、このバイパス油路を一方
    ではピストンの圧側ポートに設けたチェックバルブと圧
    側背面バルブを通して上部油室に連通すると共に、他方
    では圧側バイパス油路機構から当該圧側バイパス油路機
    構に設けた圧側サブバルブを通して、また、伸圧共用バ
    イパス油路機構で直接上部油室にそれぞれ連通し、か
    つ、上記バイパス油路内に位置して、上記伸圧共用バイ
    パス油路機構による連通のみを閉状態に保つ切換位置
    と、少なくともこの伸圧共用バイパス油路機構による連
    通を開状態に保ちつつ上記圧側ポートのチェックバルブ
    を通してバイパス油路へと向う連通を開または閉状態に
    保つ二つの切換位置とをもつ切換バルブを配設したこと
    を特徴とする油圧緩衝器。
JP34972993A 1993-12-28 1993-12-28 油圧緩衝器 Pending JPH07197974A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008014431A (ja) * 2006-07-07 2008-01-24 Yamaha Motor Co Ltd 油圧緩衝装置及び自動二輪車

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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