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JPH07195256A - 制御装置及びそれが用いられる工作機械並びにトルク測定器及び工具折損検出装置 - Google Patents

制御装置及びそれが用いられる工作機械並びにトルク測定器及び工具折損検出装置

Info

Publication number
JPH07195256A
JPH07195256A JP6772394A JP6772394A JPH07195256A JP H07195256 A JPH07195256 A JP H07195256A JP 6772394 A JP6772394 A JP 6772394A JP 6772394 A JP6772394 A JP 6772394A JP H07195256 A JPH07195256 A JP H07195256A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque
feed
target value
tool
speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP6772394A
Other languages
English (en)
Inventor
Teruyuki Maeda
輝幸 前田
Shuichi Misumi
修一 三角
Takaaki Yamada
隆章 山田
Nobutomo Matsunaga
信智 松永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Omron Corp, Omron Tateisi Electronics Co filed Critical Omron Corp
Publication of JPH07195256A publication Critical patent/JPH07195256A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Automatic Control Of Machine Tools (AREA)
  • Automatic Tool Replacement In Machine Tools (AREA)
  • Machine Tool Sensing Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 工具に対し過大なトルクがかかることを防止
し、工具の寿命を延ばし、加工時間の短縮並びに加工精
度の向上を図る制御装置を提供すること 【構成】 先端に着脱自在に装着されたドリル10を回
転させる主軸回転機構部4が、送り機構部3によりワー
ク11に対して前後進移動する。加工時のドリルに加わ
った加工トルクを磁歪式のトルクセンサ16で検出し、
トルク制御装置15に送る。トルク制御装置では、与え
られたトルク目標値と加工トルクを比較し、差がある場
合には両者を一致させるための送り速度を求め、送りモ
ータ駆動装置12に速度命令信号を出力する。これによ
り、加工トルクがトルク目標値に一致する。よって、ド
リルには過大なトルクが加わらずに劣化の進みが遅くな
る。また係る過大なトルクが加わらない条件の元で高速
に送られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制御装置及びそれが用
いられる工作機械並びにトルク測定器及び工具折損検出
装置に関するものである。
【0002】
【発明の背景】ドリルやフライス盤並びにボール盤など
の回転する工具により穴あけ・切削・研磨その他の種々
の加工を行う工作機械では、上記工具を工作機本体に着
脱自在に取り付け、所定の加工処理を行うようになって
いる。そして、この工作機本体には、前記工具が取り付
けられる主軸を回転させるための主軸回転機構と、その
主軸回転機構全体または被加工物(ワーク)を前後進移
動させる送り機構とを備え、一般的には、一定速度で主
軸を回転させた状態で、予め定められた一定速度で工具
をワークに対して相対的に前進移動させるようになって
いる。そして、その速度は、ワークや工具の材質並びに
工具の径等を考慮して決定される。
【0003】ところで、加工処理時には被加工物(ワー
ク)からの反力を受け、その工具に対しトルクが加わ
る。そこで、各モータの速度の設定を誤ったり、切り屑
・加工屑が詰まったり、工具が磨耗したりすると、工具
に加わるトルクが大きくなり、一定値以上のトルクがか
かると工具が折損してしまうおそれがある。一方、係る
事態を考慮して、予め所定のマージンをとり、速度を低
く設定すると、加工効率が悪くなる。
【0004】そこで、加工中に工具にかかるトルクを検
出し、一定値以上のトルクがかからないように工作機械
を制御し、工具の折損を防止する技術が必要となる。
【0005】さらに、従来では、工具が折損すると交換
を余儀無くされるが、磨耗の程度を知ることはできない
ので、工具の適切な交換タイミングを検出することが困
難であった。これにより、磨耗が進み劣化し、加工効率
が悪いのにもかかわらず、使用し続けることにより出来
上がりの加工精度が悪かったり、加工中に折れてその加
工中の製品をダメにしたり折れた工具の破片が飛び危険
を生じる。これを解消するため、速めの交換をすると、
使用できるのにも拘らず捨てることになり無駄となる。
さらには何時使用不能になるかが不明であるので、予め
大量の工具を用意しておく必要があり、無駄となる。
【0006】また、過大なトルクがかからないように制
御するには、目標となるトルクを設定する必要がある
が、その設定がノウハウ的になり易い。さらに、工具が
折損しないように制御すると、その時の加工状況に応じ
て工具に無理な負荷がかからないようになるが、そうす
ると、従来にもまして工具の劣化度合いや、加工状況が
設定通りに行われているか否か(異常の有無)を検出し
にくくなる。
【0007】さらに、工具の折損を防止するためには、
精度のよいトルク測定を行う必要があるが、従来一般の
トルクセンサでは、折損時にともない生じる瞬間的なト
ルク変動をとらえることは困難であった。
【0008】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、工具に対し過大なト
ルクがかかることを防止し、工具の折損を抑制するとと
もに劣化(磨耗)の進みを遅らせて工具の使用可能な時
間を延ばし、加工時間の短縮並びに加工精度の向上を図
ることにより効率の良い加工を行うことができ、安全で
高精度の加工を行え、さらに、制御基準となるトルク目
標値を自動的にしかも実際の使用状況に適した値にセッ
トすることができ、加工時の異常(磨耗折損などの工具
の異常,被加工物の誤セット等の加工条件の間違い)を
知ることができさらに工作機械に用いられる工具の磨耗
状況を把握して交換時期が近付いたり、或いは交換時期
に来たことを精度よくしかも簡単に知ることができ、寿
命(残りの使用可能回数等)を求めることのできる制御
装置及びそれを用いた工作機械を提供することにある。
【0009】また、他の目的としては主軸モータ容量に
対して加工負荷の変動が小さくても精度良く、しかもリ
アルタイムでトルクの推定を行なうことができるトルク
測定器及び工具折損検出装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明に係る制御装置では、先端に着脱自在に
装着された工具を回転させる主軸回転機構と、前記主軸
回転機構を被加工物に対して前後進移動させる送り機構
とを備えた工作機械に用いられ、前記送り機構の送り速
度を制御する制御装置であって、前記工具に加わるトル
クを検出するトルク検出手段と、少なくとも設定された
トルク目標値と、前記トルク検出手段により検出された
トルクとに基づいて前記送り速度を求める送り速度算出
手段と、前記送り速度算出手段の出力を受け、算出され
た送り速度になるように前記送り機構を制御する送り機
構制御手段とから構成した。
【0011】そして好ましくは、上記構成に加え、さら
に前記工具の送り位置に基づいたトルク目標値を決定す
るトルク目標値生成手段を備え、前記送り速度算出手段
が、前記トルク目標値生成手段から出力されるトルク目
標値に基づいて前記送り速度を求めるようにすることで
ある。
【0012】そしてこの場合に前記目標値生成手段とし
ては、例えば複数の送り位置に対するトルク目標値対か
らなる目標値点列を記憶する目標値点列記憶手段と、そ
の目標値点列記憶手段に記憶された所定の目標値点列
と、現在の前記送り位置に基づいて、現在のトルク目標
値を算出する目標値トルク演算手段とから構成すること
ができる。また、正常加工時の加工トルク波形に基づい
て前記目標値点列を生成するとともに、前記目標値点列
記憶手段に格納する目標値点列生成手段をさらに設ける
と、トルク目標値を自動的に生成できるため、より好ま
しい。
【0013】さらに、上記いずれかの構成に、前記送り
速度を、一定の速度設定値になるように制御する速度制
御手段を追加し、切替手段による切り替え処理により、
速度を一定に保つ速度制御と、送り速度算出手段の出力
すなわちトルクを一定に保つトルク制御のいずれかを選
択的に実行できるようにすると、より好ましい。そし
て、かかる場合の切替手段の切り換えタイミングとして
は、例えば少なくとも前記送り位置に基づいて決定され
るようにすることができる。
【0014】さらに、上記各種の構成において、送り速
度算出手段により決定された送り速度が、一定の上限値
よりも速くなったり、及びまたは一定の下限値よりも低
くなった時に異常信号を発する異常検知手段をさらに設
けるとよい。
【0015】そして好ましくは、1回の加工に要する作
業完遂時間を検出する作業完遂時間検出手段と、その作
業完遂時間が、工具交換が必要となる最大遅延時間以上
または越えた時に交換要求信号を出力することである。
【0016】また、1回の加工に要する作業完遂時間を
検出する作業完遂時間検出手段と、前記作業完遂時間検
出手段により検出された現在及び所定の過去の作業完遂
時間と、工具交換が必要となる最大遅延時間とに基づい
て使用中の工具の寿命を求める予測手段をさらに備える
と、なおよい。
【0017】本発明に係る工作機械では、先端に着脱自
在に装着された工具を回転させる主軸回転機構と、前記
主軸回転機構を被加工物に対して前後進移動させる送り
機構と、上記した各種の構成からなる制御装置を備え、
その制御装置により前記送り機構が制御するように構成
することである。
【0018】本発明に係るトルク測定器では、工作機械
に実装される主軸モータの電流及び回転速度値に基づい
て、オブザーバ理論を用いて前記工作機械に取り付けら
れた工具にかかるトルクを推定するトルク算出手段を備
えた。また、工作機械に使用されるトルク測定器であっ
て、前記工作機械に実装される主軸モータの電流及び回
転速度値に基づいて、主軸にかかっているトルクの値を
推定する主軸負荷トルク推定手段と、前記主軸負荷トル
ク推定手段により求められた非加工時で回転中の前記主
軸のトルクを記憶する記憶手段と、前記主軸負荷トルク
推定手段により求められた加工中の前記主軸にかかって
いるトルクと、前記記憶手段に記憶されたトルクから、
前記加工機械に取り付けられた工具にかかるトルクを算
出する演算手段とから構成してもよい。
【0019】また本発明に係る工具折損検出装置では、
上記構成のトルク測定器を備え、前記トルク測定器によ
って出力されたトルク測定値を用いて工具の折損状態を
検出し、その検出結果に基づいて前記工作機械の運転状
態を制御する制御手段を備えて構成した。
【0020】
【作用】トルク検出手段を用い、加工中に工具に加わっ
ているトルクを直接または間接的に検出する。そして、
設定されたトルク目標値と比較し、加工トルクがトルク
目標値と一致するように送り速度をリアルタイムで増減
速制御する。そして、検出された加工トルクを用いて直
接比較しているので、制御は高精度に行われる。
【0021】トルク目標値生成手段を設けた場合(請求
項2〜4)には、送り位置などに応じてその時に最適な
トルク目標値を基準に上記制御を行えるので、制御がよ
り高精度になり、加工精度も向上する。そして、請求項
3のように、トルク目標値を複数の目標値点列で規定
し、目標値点列間はそのデータに基づいて補間すること
により、記憶容量は少なくかつ簡易な構成で加工処理全
体に渡って所望のトルク目標値が設定される。さらに請
求項4のように、目標値点列を実際の加工時に得られた
加工トルク波形に基づいて自動的に生成するようにする
と、特にノウハウを有していない人でも、その時の使用
環境・条件に適した目標値点列が決定されるので、それ
に基づいて行われる制御も良好なものとなる。
【0022】さらに、速度制御機能とトルク制御機能を
備え、切替手段により適宜選択された制御機能を用いて
送り速度の制御を行うようにした場合には(請求項5,
6)、その時の使用条件に応じて適した制御を行うこと
ができるので、より高精度な制御が行われる。
【0023】さらに、算出された送り速度が、一定の上
限値よりも速くなったり、及びまたは一定の下限値より
も低くなった時に異常信号を発する異常検知手段を設け
た場合(請求項7,8)には、加工トルクが大きくなろ
うとすると送り速度は低下させるので、工具が折損して
いなくても、磨耗が激しかったり、或いは潤滑油などが
供給されなかったり切り屑が挟まるなどの異常がある
と、速度は下限値よりも低くなる。
【0024】また、設定した被加工物と異なる材質のも
のをセットし、それに対して加工処理をしようとする
と、仮に間違って設定したものよりも硬い材質のものの
場合には、加工トルクが大きく上記と同様に速度は下限
値より低くなる。逆に仮に間違って設定したものよりも
柔らかい材質のものの場合には、加工トルクが小さく速
度は上限値より低くなる。このように各種の異常が検出
される。特に上限値よりも越える場合に異常信号を設け
た場合には、上記の如くセットミスを知ることができ、
さらに送り速度が過大になると危険になるが、その前に
異常信号による警告を受けるので、装置保護並びに使用
者保護が図られる。
【0025】さらに、作業完遂時間検出手段を設け、作
業完遂時間が最大遅延時間以上または越えた時に交換要
求信号を出力するようにした場合には(請求項9)、工
具の交換時期が来たことを正確に知ることができる。こ
れにより、適切なタイミングで工具の交換が行われる。
しかも、作業完遂時間検出手段と、予測手段を設けた場
合には(請求項10)、予め交換時期が近付いて来たの
を知ることができるので、交換用の工具を用意する目安
となり、無駄なストックをする必要がなくなる。
【0026】そして、本発明に係る工作機械(請求項1
1)では、上記した各種の制御装置により制御されるの
で、安全で、しかも効率の良い加工を短時間で行うこと
ができる。
【0027】また、本発明に係るトルク測定器(請求項
12,13)は、加工前の無負荷時で一定速度で回転し
ている主軸モータの回転速度並びに電流から、主軸負荷
トルク推定手段を用いてその時の主軸負荷トルクを算出
し、それを記憶手段に格納する。すると、この場合に切
削トルクがゼロであるので、記憶手段に格納した値は、
主軸モータの主軸に対する摩擦,慣性等に基づいて発生
するトルクとなる。同様にして実際に工具を被加工物に
当接させて所定の加工処理をしている時の主軸負荷トル
クを算出し、それを演算手段に送る。この算出されたト
ルクには、上記主軸の摩擦等に基づくトルク分に加え、
実際の工具にかかっているトルク分も含んだ値となる。
よって演算部では、記憶手段に格納されたトルクデータ
を読み出すとともに、両者を減算することにより、工具
にかかっているトルクを算出し、それを出力する。ま
た、上記電流,回転速度からトルクを推定するに際し、
粘性・摩擦を考慮したモデリングをし、推定算出式を立
てることにより、電流,回転速度から直接工具にかかっ
ているトルクを推定することができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明に係る制御装置及びそれが用い
られる工作機械並びにトルク測定器及び工具折損検出装
置の好適な実施例を添付図面を参照にして詳述する。図
1は本発明に係る工作機械のトルク制御装置の第1実施
例を示している。本例では制御対象の工作機械として、
ドリル加工装置を用いている。このドリル加工装置は、
ワーク保持用テーブル1の上面に起立形成された支柱2
に、送り機構部3を介して昇降移動可能に主軸回転機構
部4が取り付けられている。
【0029】すなわち、送り機構部3は、送りモータ5
と、その送りモータ5の出力に基づいて主軸回転機構部
4を安定して昇降させるボールネジからなるガイドレー
ル6とから構成される。また、主軸回転機構部4は、主
軸モータ7と、その主軸モータ7の出力に連結された主
軸(図示せず)の先端に取り付けられたチャック8と、
それら主軸モータ7と主軸,チャック8等の回転伝達機
構を支持し、上記ガイドレール6に連結する連結部材9
とを備えている。そして、上記チャック8に工具たるド
リル10は着脱自在に装着される。
【0030】従って、主軸モータ7を回転駆動させる
と、主軸7,チャック8を介してその回転力がドリル1
0に伝わり、所定速度で回転する。そして、この状態で
送りモータ5を正回転させると、その回転力はボールネ
ジからなるガイドレール6に伝わり、連結部材9、すな
わち主軸回転機構部4全体を下降移動させる。これによ
り、ドリル10をその下方のワーク保持用テーブル1の
上面に載置された被加工物たるワーク11に当接させ、
切削加工する。なお、送りモータ5を逆回転させると、
主軸回転機構部4は上昇移動する。そして、各モータ
5,7は、それぞれ接続された送りモータ駆動装置1
2,主軸モータ駆動装置13から与えられる電力量によ
りその回転数(速度)が制御されるようになっている。
【0031】ここで本発明では、主軸モータ駆動装置1
3は、主軸モータ制御装置14からの主軸モータ速度指
令に基づいて等速回転させるように制御する。また、送
りモータ駆動装置12は、送り速度算出手段たるトルク
制御装置15から与えられる送りモータ速度指令に基づ
いて、下降移動速度がその指令値になるように所定の回
転速度で送りモータ5が回転するように制御する。
【0032】トルク制御装置15は、加工トルク(加工
時に工具に加わるトルク)が、与えられたトルク目標値
になるようにその送り速度を決定する(具体的な機能は
後述する)ようになっている。そして、上記加工トルク
は、ドリル10の外周囲に配置したトルクセンサ16及
びそのトルクセンサ16の出力に接続されたアンプ17
で増幅することにより検出し、その検出した加工トルク
値を上記トルク制御装置15に送るようになっている。
【0033】上記トルクセンサ16は、例えば磁歪式ト
ルクセンサを用いることができる。すなわち、例えば4
本の脚部を備えたコアの各脚部に、励磁コイル,検出コ
イルを巻回して構成されるトルクセンサを、そのコアの
脚部開放側を回転軸の外側表面に近接するようにして配
置する。
【0034】係る構成にすることにより、図外の電源か
ら励磁コイルに交流信号を流すと、電磁誘導により検出
コイル側に誘導電圧が誘起されて所定の交流信号が出力
される。この時、回転軸にトルクがかかると、逆磁歪効
果により回転軸の透磁率が変化するため両コイル間での
結合係数が変わる。よって、検出コイルから出力される
信号の振幅が変化する。この振幅を検出することによ
り、回転軸に加わっているトルクの大きさを知ることが
できるのである。
【0035】なお、この例ではドリルに加わったトルク
を直接検出するようにしたが、本発明はこれに限ること
なく、チャック内部や主軸の途中にトルクセンサを取り
付け、間接的に加工トルクを検出するようにしても良
く、さらには、ワーク保持用テーブル1に取り付け加工
時のトルクを計測できる切削動力計を用いることもでき
る。さらには、主軸モータ7の電流や回転速度から加工
トルクを推定するトルク測定器(この推定により加工ト
ルクを求める例については後述する)を用いても良く、
要は加工トルクを検出できるものであればなんでも良
い。
【0036】一方、加工トルク及びトルク目標値に基づ
いて送りモータの速度を決定するトルク制御装置15の
具体的な処理機能は、図2に示すフローチャートのよう
になっている。すなわち、加工開始と共にドリル10を
定速回転させた状態で、予め設定された基本送り速度f
0 で下降移動するように速度指令を出力する(ST
1)。そして、ドリル先端位置(送り位置)h[mm]
を計測し、ドリル10の先端がワーク11の上面に当接
(h=0)するまで上記基本送り速度f0 を維持する
(ST2,ST3)。なお、本例ではボールネジからな
るガイドレール6に沿って主軸回転機構部4が昇降移動
するため、送りモータ5が1回転する毎に昇降移動する
距離は一定であるので、初期位置(例えば最上方位置)
から送りモータ5が回転した積算数を求めることにより
送り位置を算出することができる。
【0037】そして、ドリル10の先端がワーク11に
当接したならば(h=0)、それ以後実際の穴明け加工
が行なわれるので、ステップ4以降の加工状況に応じた
送り速度の調整制御を行う。すなわち、主軸の回転数N
[rpm](固定)と加工トルク値τ[kgf・cm]
を取得する。加工トルク値はトルクセンサ16により検
出される(ST4)。
【0038】ここで加工トルク値τについて考えると、
ドリル10がワーク11を削ることによって発生するト
ルクτc [kgf・cm]と、ドリル10とすでに開け
られた穴の内面との間の摩擦トルクτf [kgf・c
m]がある。そして、τc は、ドリル径Dの2乗に比例
し、ドリル10の送りf(ドリルが1回転するときにド
リルが前進・後退する量[mm/rev])に比例する
ので、次式で表せる。
【0039】τc =kc・f・D kmは材料などに依存する値(厳密には送りfにも依存
する) また、τf は、ドリルの回転数Nとすでに切削した穴の
深さhに比例するため、 τf =kf・N・h kfは材料などに依存する値となる。
【0040】従って、加工中に検出される加工トルクτ
は、 τ=kc・f・D+kf・N・h となり、送りモータの速度を一定とする(速度制御)
と、時間経過に伴い検出される加工トルクの一例を示す
と、図3中実線で示すように穴深さが増すに連れて加工
トルクも上昇する。そこで本例では、加工トルクτが送
りfに依存することに着目し、加工トルクτと送りfを
図中破線で示すように比例関係で近似し、その近似曲線
に基づいて制御するようにしている。
【0041】そして、トルク制御装置15に対して外部
から制御基準となるトルク目標値τd を与えるのである
が、本例では、図4に示すように送り速度並びにドリル
の回転速度を一定にした時(速度制御時)の時間経過
(穴開け深度h)に対する加工トルク波形に基づいて、
そのピーク値をトルク目標値に決定し、その値を設定す
るようにしている。このピーク値は、正常動作時におけ
る各時期での加工トルクであるので、その加工トルク以
内であれば、ドリルに加わるトルクが過負荷となること
がなく、折損することはない。
【0042】そこで、上記ステップ4で取得した現在の
加工トルクτと予め与えられたトルク目標値τd の偏差
τe を求める(ST5)。
【0043】τe =τd −τ 次いで、その算出結果に基づいて送り修正量fmを算出
する。具体的には、下記式(ST6)により求められ
る。
【0044】fm=Kp・τe 但し、Kpは比例定数 また、送り修正量fmは、トルクの偏差τeの微分値,
積分値を用い、下記式に代入することにより、算出する
ようにしても良い。すなわち、PID制御方式(または
PI,PD制御方式)を用いて算出しても良い。
【0045】
【数1】 さらに、τe の値が連続量(アナログ値)の場合には、
上記した演算式により修正量fm を求めるようになって
いるが、マイクロコンピュータ等を用いて制御する場合
にはτe は離散量(ディジタル量)となるので、制御開
始からkサンプル目における修正量fm (k)は、
【0046】
【数2】 となる。
【0047】次に、基準送り量f0に上記求めた修正量
fmを加算して送り量f[mm/rev]を算出し、そ
の算出結果fにドリル回転数Nを掛けることによりドリ
ルの送り速度F[mm/min]を算出する。そして、
その主軸回転機構部4(ドリル10)の送り速度が算出
したFになるための送りモータ5の回転速度を下記式に
より求め、その算出結果を送り速度指令として送りモー
タ駆動装置12に出力する(ST7〜ST10)。
【0048】V=Kv ×F 但し、Kv は送り速度/モータ速度指令変換係数 これにより、図5中実線で示すように穴開け加工開始し
たならば加工トルクがトルク目標値(同図中破線で示
す)とほぼ一致するようになる。すなわち、摩擦トルク
τf の小さい穴開け開始当初はトルクτc を大きく、つ
まり、送りfを大きくすることができる。また、摩擦ト
ルクτf の大きくなる穴開け終了付近では、速度を遅く
(同図中二点鎖線で示す速度制御(送り速度を一定にす
る制御)における送り速度とほぼ等しい)し、無理のな
い穴開け加工をする。これにより、ドリル10に過大な
トルクを加えることなく加工速度を上げることができ、
同図から明らかなように、速度制御に比べ短時間で加工
処理を行える。また、加工トルクがトルク目標値を越え
た場合には、送り速度を低下させてドリル保護を図る。
【0049】そして、上記トルク制御(ステップ4〜ス
テップ10)を、穴開け終了位置まで行い(ST11,
12)、穴開け終了位置まで達したならドリル戻り指令
を出力する(ST13)。なお、この戻り指令に基づき
送りモータ駆動装置12では送りモータ5を逆回転させ
るように電力供給する。そして、ドリルが元の初期位置
まで上昇移動したならば、処理を終了する(ST14,
15)。
【0050】上記構成によれば、加工中のドリルにかか
っている加工トルクを検出し、それに基づいてリアルタ
イムで送り速度を増減速制御することにより実際の加工
トルクをトルク目標値通りにすることができる。よっ
て、加工トルクが過大にならずドリル(工具)の破損を
防止できる。そして、工具磨耗が進行した場合であって
も、加工トルクを増大させることがないので(この場合
には全体的に加工速度は遅くなる)、工具に無理なトル
クがかからず寿命が延びる。さらに工具を長期にわたっ
て、しかもその工具の状態に合わせた送り速度で加工す
ることができる。さらに、加工トルクの変動が小さいの
で、加工精度が向上するなどの種々の効果を奏する。
【0051】図6,図7は本発明に係る制御装置の第2
実施例を示している。同図に示すトルク制御装置15
は、加工時の工具にかかっている加工トルクを受け、そ
のトルク値がトルク目標値になるように送り速度を制御
するもので、上記した図1,図2に示すものと同様の構
成のものを用いている。
【0052】そして、本実施例では、加工異常検知装置
を設け、トルク制御装置15の出力(送りモータ速度指
令)を受け、加工状態を判断し、異常がある場合には送
りモータ駆動装置12に対して停止信号を出力するよう
にしている。具体的には、上限しきい値と下限しきい値
と言う2つの基準値を有し、入力信号(送りモータ速度
指令値)が上限しきい値を越えたり或いは下限しきい値
より小さくなった場合に異常信号を出力する比較装置2
0から構成される。そして、この比較装置20は、CP
U内でソフトウエアで処理しても良く、或いはウインド
コンパレータのようにハードウエアで構成することもで
きる。
【0053】すなわち、例えば図7に示すように、例え
ば穴開け加工により生じる切り屑が、ドリルの刃部内に
詰まると、加工トルクが非常に大きくなる。すると、上
記した如くトルク制御装置15は加工トルクをトルク目
標値にすべく送り速度を低下させるように指示する。よ
って、指示した送り速度は下限しきい値以下になる。ま
た、同様のことは、加工中には切削油を供給するが、こ
の切削油の供給が停止したり供給量が不十分の場合にも
加工トルクが上昇するので同様の現象を生じる。
【0054】そして、かかる状態の時にそのまま穴開け
加工を継続すると、単に加工時間が長くなって加工効率
が悪くなるのみならず、ワークの加工精度(仕上がり精
度)が低下したり、工具の損傷・磨耗の原因となる。そ
こで、本例のように送り速度が低くなり過ぎた場合には
異常ありと判断し、送りモータ駆動装置12に停止手停
止信号を出力し、図外の送りモータを停止する。
【0055】また、設定したのと異なる材質のワークを
挿入し、穴開け加工しようとした異常事態の場合にも、
本実施例の異常検出装置で検出できるようなる。すなわ
ち、仮にアルミのワークの穴開けを行うことを想定して
基準送り速度やトルク目標値などを設定した場合に、そ
れよりも硬いステンレスのワークを挿入してしまうと、
基準送り速度の間まで加工すると、発生する加工トルク
が非常に大きくなり、やはり上記と同様の原理により検
出される。これにより、間違ったワークに対して作業を
してしまうと言う事態を抑制できる。
【0056】一方、上記とは逆にステンレスを想定して
設定した場合において、アルミのワークを供給してしま
った場合には、基準送り速度で加工している時に発生す
る加工トルクは小さいので送り速度を非常に早くするよ
うに制御される。係る場合には、制御された送り速度が
上記上限しきい値を越えるため、送りモータは停止され
る。これにより、間違ったワークに対して作業をしてし
まうと言う事態を抑制できる。
【0057】なお、上記した実施例では、上限,下限の
2つのしきい値を設定し、いずれを越えても検出するよ
うにしたが、本発明はこれに限ることなく、いずれか一
方のしきい値を設定し、そのしきい値よりも上/下の2
値制御を行うようにしてもよい。
【0058】図8は、主軸モータ7に供給される電流及
び回転速度からトルクを推定する本発明に係るトルク測
定器の一実施例を示している。そして、図1に示すトル
クセンサのかわりにこのトルク測定器を用いることによ
り、上記した各種の制御や異常検知を行うことができ
る。
【0059】同図に示すように、加工機械本体に実装さ
れる主軸モータ7には、その出力軸7aの先端に取り付
けられたチャック8を介してドリル10が着脱自在に取
り付けられる。なお、図示の例では便宜上主軸モータ7
の出力軸7aのチャック8を取り付けた状態を示した
が、実際には係る出力軸7aを主軸に連結し、その主軸
の下端にチャックが装着される。そして、この主軸モー
タ7は、主軸モータドライバ(主軸モータ駆動装置)1
3からの制御信号(電流)、すなわち、電流値により所
望の回転数で稼働するようになっている。
【0060】ここで本発明では、主軸モータ7に出力軸
7aの回転速度を計測する回転検出器21を設け、その
回転検出器21により検出された回転速度ωと、主軸モ
ータドライバ(主軸モータ駆動装置)13の出力、すな
わちモータ電流imを本発明に係るトルク測定器22に
与えるようになっている。
【0061】このトルク測定器22は、上記2つの入力
データに基づいてオブザーバの理論にしたがってモータ
7の主軸(出力軸7a)にかかっている主軸負荷トルク
を推定するトルク推定部23を備え、このトルク推定部
23の出力を、一時記憶する記憶装置24と、工具にか
かっている加工トルク(本例では工具がドリルのため、
以下「切削トルク」と称する)を算出する切削トルク算
出部25に接続する。さらにこのトルク算出部25に
は、前記記憶装置24に記憶されたデータを読み出して
与えられるようになっている。
【0062】そしてトルク推定部23では、回転速度を
y,電流をu,オブザーバゲインをK(行列(A−K
C)が安定となるように選ぶ)とし、下記式によりxの
推定ベクトルを求め、そのxの推定ベクトルに[0
1]を掛けることにより主軸負荷トルクTL を推定する
ことになる。
【0063】
【数3】 なお、上記した式(1)中の各係数は、下記のモータの
運動方程式(式(2))に基づき、以下のようにして求
められる。
【0064】
【数4】
【0065】
【数5】 したがって、図9に示すように加工前の無負荷時(ドリ
ル10がワークに非接触状態(切削トルク=0)で一定
速度で回転している状態)の主軸モータ7の回転速度並
びに電流をトルク推定部23に入力し、その時の主軸負
荷トルクTL1を算出し、それを記憶装置24に格納す
る。すると、この場合に切削トルクがゼロであるので、
記憶装置24に格納した値は、主軸モータ7の出力軸7
aに対する摩擦,慣性等に基づいて発生するトルクとな
る。これにより、初期設定が終了する。
【0066】次いで、図10に示すように実際にドリル
10をワーク11に当接させて切削加工している時の主
軸モータの回転速度,電流をトルク推定部23に入力
し、その時の主軸負荷トルクTL2を算出し、それをトル
ク算出部25に与える。すると、この時の主軸負荷トル
クTL2は、上記した軸の摩擦等によるトルクと切削によ
り工具にかかっているトルクの和である。よって、切削
トルク算出部25では、記憶装置24に格納されたトル
クデータTL1を読み出すとともに、両者を減算(TL2−
TL1)することにより、切削トルクを算出し、それを出
力する。
【0067】そして、加工前と加工中の回転速度の間に
大きな差がなければ、加工中の摩擦等によるトルク分は
初期設定時に求めて記憶装置24に格納したものFL1と
ほぼ等しい。これにより、軸の摩擦等を排除した正確な
切削トルクを求めることができる。すなわち、本例で
は、トルクの推定並びに減算処理は短時間で行えるた
め、リアルタイムでの処理が可能となる。
【0068】一方、上記したトルク推定部23では、モ
ータの回転速度,電流からモータの主軸にかかるトルク
を推定したが、摩擦にともない生じるトルクが速度に比
例する粘性・摩擦項とすると、上述したモータの運動方
程式は、下記式のようにおくことができる。
【0069】
【数6】 すると、上記した実施例の導入過程の式(3)は、下記
式のようになる。
【0070】
【数7】 そして、上記式に基づいてオブザーバを構成すると(上
述した実施例の式(3)に相当)、式(4)中の各係数
には、摩擦によるトルク分が考慮された状態で決定され
ているので、結局摩擦によるトルク分が差し引かれ、純
粋に工具にかかっているで推定トルクTL が求まる。上
記した一実施例に示す記憶手段やトルク算出部が不要と
なり、図8に示すトルク推定部(演算式は異なる)の単
独によりトルク推定手段が構成される。本例では、経年
変化などによりモータのパラメータが変動した場合であ
っても、オブザーバの再設計は不要となり、経年変化に
強いものとなる。
【0071】ここで上記式(4)中の粘性・摩擦係数D
は、例えば実験的に求めることができる。すなわち、パ
ラメータ同定法を用い、一例を示すとステップ入力に対
する応答から求める。つまり、上記式(4)中のimが
i0(一定)とすると、式(4)の解は微分方程式を解
くことにより、
【0072】
【数8】 となる。そして、上記式(5)から、出力ω(t)の最
終値がGで,時間t=Tにおけるω(T)はGの63.
2%に達することがわかる。
【0073】よって、ステップ入力i0をモータに加
え、その時の出力ωを時間応答データとして測定し、ω
が収束して一定値とみなした時点で最大値Gを求める。
そして、 D=Km・i0/G よりDを求めることができる。また、Gの63.2%と
なる時間Tを求め、 J=DT よりJを求めることができる。これにより、式(4)中
の係数が決定される。なお、Jは、各種特性から物理的
計算により算出することもできる。
【0074】図11,図12は、本発明に係る制御装置
の第3実施例である上記した各トルク検出センサの出力
に対する信号処理装置の一例を示している。図示するよ
うに、工作機械(ドリル加工装置)本体には、ドリル1
0を正逆回転させるための主軸モータ7と、ドリル10
(主軸モータ7)を上下移動させるための送りモータ5
とを有し、両モータ5,7は切削トルク制御装置26か
らの速度指令を受けたドライバ12,13によりその回
転が制御されるようになっている。これにより、主軸モ
ータ7にてドリル10を所定速度で正回転させながら、
送りモータ5を作動させてドリル10を下降移動させて
ワーク15に所定の圧力で当接させることにより切削
(穴あけ)加工をすることになる。
【0075】この時、送りモータ5の回転出力をあげる
と加工時間が短くなるがドリル10がワーク15から受
ける反力が強く、大きなトルクがかかるために折損する
おそれが生じ、逆に送りモータ5の出力を下げるとドリ
ル10の折損のおそれは可及的に減少するが加工時間も
長くなる。すなわち、ドリル10の回転速度を一定とす
ると、ドリル10にかかるトルクは送り量(下降速度)
に依存する。
【0076】そこで本例では、ドリル10に本発明に係
る切削トルク推定器22を設け、その切削トルク推定器
22の出力を切削トルク制御装置26に送り、フィード
バック制御によりドリル10に一定以上のトルクがかか
らない状態で切削加工をするようにしている。
【0077】すなわち、図12に示すように、切削トル
ク制御装置(図1に示すトルク制御装置15に対応)2
6はPIDコントローラ26aと、送り速度算出部26
bと、主軸回転制御部26cとから構成され、PIDコ
ントローラ26aに切削トルク推定器22で推定・算出
したドリル10にかかっているトルクに基づく信号と、
設定負荷に基づく信号の差分を入力するようにする。こ
こで、設定負荷とはそのドリル10が折損してしまうト
ルクに対して所定のマージンを取った値である。なお、
主軸回転制御部26cでは、主軸モータドライバ13に
対して主軸モータ7を一定速度で回転するように制御信
号を発するようになっている。
【0078】この状態で、PIDコントローラ26aで
は、入力信号の正負及びその絶対値から、ドリル10の
下降速度すなわち送り量を決定する。つまり、入力信号
が負の場合にはドリル10にかかっているトルクが設定
負荷を越えていて折損のおそれが高いため、送り量を低
下させたり或いは逆戻りさせたりする(ドリルを上昇さ
せる)必要があり、一方、入力信号が正の場合には、ド
リル10にかかっているトルクは設定負荷よりも小さい
ため、ドリル10にかかるトルクをもう少し増やしても
ドリルが折損するおそれが低いので、送り量を増加させ
て加工効率の向上を図る。そして、上記増減量は、PI
Dコントローラ26aへの入力信号の絶対値により決定
する。そして、この決定した送り量を次段の送り速度算
出部26bに送り、その送り量を得るに必要な送りモー
タ5の速度を求め、その決定した速度を送りモータドラ
イバ12に制御信号として出力する。
【0079】係る構成にすることにより、切削時にドリ
ル10にかかるトルク(負荷)を折損レベル以下に保つ
ことができる。そして、ドリルに無理な負荷がかからな
いので、ドリルの長寿命化が図れる。
【0080】図13,図14は本発明に係る工具折損検
出装置の一実施例を示している。すなわち、ワーク15
に穴を開ける切削処理の場合、折損するような瞬間には
過大なトルクがかかるために時間tの変化に対するトル
クの変化は、異常(折損)であれば図13に示すよう
に、あるしきい値(正常であれば取り得ないトルク(セ
ンサ出力))を設定し、そのしきい値をこえた場合には
折損したと判定し、所定の出力をするようにしている。
すなわち、図14に示すように上記した切削トルク制御
装置26に替えて工具折損検知装置27を設け、その検
知装置27にて、設定した基準トルク(上記しきい値)
と推定トルクを比較し、推定トルクが大きくなったとき
に、異常と判定するようにしている。
【0081】そして、工具折損検知装置27では、異常
を検知したら主軸モータドライバ13に対して異常信号
(主軸回転停止指令)を発する。すると、主軸モータド
ライバ13は主軸モータ7に対する電流供給を停止す
る。また、これと同時に送りモータドライバ12に対し
て戻り指令を発し、送るモータ5を逆回転させてドリル
10を引き上げるなどの所定の処理を行う。なお、主軸
モータ7への指令は、上記のような停止命令ではなく、
逆回転命令でも良く、或いは回転させたままとしても良
い。
【0082】図15は本発明に係る制御装置の第4実施
例を示している。この実施例では、上記した図1に示す
制御装置を基本とし、さらに加工位置に応じてトルク目
標値を替えることにより、状況に応じた高精度の制御が
できるようにしている。すなわち、第1実施例では、ト
ルク目標値を固定としたが、本例ではトルク制御装置1
5に与えるトルク目標値を、ドリル位置(送り位置)に
基づいてトルク目標値生成装置30にて決定し、そのト
ルク目標値生成装置30から与えるようにしている。
【0083】すなわち、ドリル10の先端は尖っている
ため、ドリルの先端がワーク11に当接し穴明け加工を
開始した時は、接触している径も小さく、また穴開け深
度も少ないので、τc ,τf 共に小さい。従って、トル
ク目標値を一定にすると、加工の初期に過大な送りにな
るおそれがある。また、貫通穴を形成する場合に、ドリ
ル10の先端がワーク11の裏面側に突出すると、加工
により生じるトルクτc が減少するので、やはり、トル
ク目標値を一定にすると、貫通後に送り速度が急に上昇
するおそれがある。そして、貫通により抵抗が小さくな
るにも拘らず比較的大きな加工トルクを維持するととも
に高速に送ると、バリを生じるおそれが高くなり、さら
に危険でもある。一方、ドリル10の先端部分がワーク
11内に入り込んだ後の通常の穴開け加工時は、できる
だけ一定のトルクで加工したほうが仕上がりが良くな
る。
【0084】そこで本例では、止まり穴を加工する場合
には、図16(A)に示すように、ワーク11にドリル
10の先端10aが当接してから(h=0)、その先端
部分10bが入り切る(h=hm )までは徐々にトルク
目標値を上昇させていき、その後は最終穴開け位置(h
=t)まで一定のトルク目標値τm とする。
【0085】また、貫通穴を加工する場合は、同図
(B)に示すように、ワーク11にドリル10の先端1
0aが当接してから(h=0)、その先端部分10bが
入り切る(h=hm )までは徐々にトルク目標値を上昇
させていく。その後、先端10aがワーク11の裏面
(h=t)に達するまでは一定のトルク目標値τm とす
る。そして、その後徐々にトルク目標値を低下させ、先
端部分10bが完全に外に突出したときにトルク目標値
を0にする。
【0086】なお、上記一定のトルク目標値τm は、上
記各実施例と同様に、ドリル10の強度やワークの材質
等から決定される。また、トルク目標値τm になるとき
の位置、すなわち、ドリル10の先端部分10bの長さ
hm は、図17に示すようにドリルの径をD,先端角を
θとすると、 hm =D/(tan(θ/2)) により求めることができる。
【0087】そして、加工中にドリル10の先端位置
(送り位置)hを取得し、その先端位置hのトルク目標
値を決定するのであるが、本例では、メモリ容量を削減
するため、図16に示す特性の中で特徴を表す代表点
(ドリル位置,トルク目標値)を複数決定し、その代表
点(離散的に抽出される)を目標値点列記憶装置31に
格納する。図16(B)を例にとると、格納される目標
値点列は、
【0088】
【数9】 に示すようになる。すなわち、各目標値点列を直線で結
ぶことと、図示の特性が得られる。なお、同図(A)の
場合には、P4がなくなる。
【0089】そして、トルク目標値生成装置30内のト
ルク目標値演算装置32に現在の送り位置hが与えられ
たなら、目標値点列記憶装置31に格納された所定の2
点の代表点(本例では現在の送り位置の両側に隣接する
代表点)についてのデータを読み出すとともに、現在の
送り位置でのトルク目標値を算出し、トルク制御装置1
5へ送るようにしている。
【0090】上記トルク目標値演算装置32では、読み
出した2点間を補間して目標値を演算するもので、本例
では補間を直線で行うようにしている。これにより、例
えば(h1,τ1),(h2,τ2)間の位置hにおけ
るトルク目標値τd を算出する演算式は
【0091】
【数10】 となる。よって、図16(B)の例における送り位置h
に対する目標値τd は、下記表のようになる。
【0092】
【表1】 なお、上記した実施例では、目標値点列を4点抽出した
が、使用する目標点列の数を増加することにより、複雑
な目標値も簡単に生成できる。また、補間を行うに際
し、上記した実施例では、2つの代表点を結ぶ直線によ
り補間を行ったが、2次関数,3次関数などにより設定
することもできる。なお、その他の構成並びに作用効果
は、上記した実施例と同様であるので同一符合を付し、
その詳細な説明は省略する。
【0093】図18は本発明に係る制御装置の第5実施
例を示している。この例では、上記した第4実施例を基
本とし、目標値点列記憶装置31に格納する目標値点列
データを自動的に生成し記憶するようにしている。
【0094】すなわち、本例におけるトルク目標値生成
装置30′は、上記した実施例と同一機能を有する目標
値点列記憶装置31とトルク目標値演算装置32に加
え、目標値点列生成装置33を備え、この生成装置33
にて与えられたデータに基づいて目標値点列データを生
成し、目標値点列記憶装置31に格納するようにしてい
る。
【0095】そして、この目標値点列生成装置33にお
ける機能を説明すると、図19に示すように、まず送り
速度を一定に保つように制御する速度制御を行って1回
加工し、その加工時のドリル10に加わる加工トルクを
トルクセンサ16で検出し、その加工トルク波形を記憶
する(ST20)。これにより例えば図20(A)に示
す波形が記憶される。なお、複数回加工処理をし、得ら
れた複数の加工トルク波形の平均値を算出し記憶するよ
うにしても良い。
【0096】次に、抽出する目標値点列を決定する(S
T21)。具体的には、加工トルクがかかり始める位置
(h1)と、その位置h1からドリル10の先端部分の
距離だけ進んだ位置(h2)と、加工トルクが0になる
位置(h4)とその位置h4よりも先端部分の距離だけ
戻った位置h3を決定する(図20(A)参照)。な
お、止まり穴の場合には、加工トルクの変化からh1を
決定したならば、その位置に基づいてh2,h3を決定
する。
【0097】記憶した加工トルク波形から、各決定した
送り位置h1〜h4の加工トルクを検出し、その加工ト
ルクをトルク目標値とし対応する送り位置と対にして目
標値点列P1〜P4とし、次段の目標値点列記憶装置3
1に格納する(ST22)。これにより、目標値点列記
憶装置31には、図20(B)に示すP1〜P4の各点
の座標データ(送り位置,トルク目標値)が記憶される
ことになり、このデータに基づいて上述した如くトルク
目標値演算装置32にて各点間を補間するため、結局図
20(B)中実線で示した折れ線波形が、各位置でのト
ルク目標値となり、この目標値になるようにトルク制御
装置15により送り量が制御される。
【0098】また、ステップ22での目標値点列の抽出
に際し、例示した図20の場合には、各位置h1〜h4
での加工トルクをそのまま用いたが、例えばP2,P3
を決定するに際は、図21に示すように一定の区間(H
a,Hb)を設定し、その区間内の加工トルクの平均を
求め、その平均値をトルク目標値にしても良い。これに
より、より正確な目標値を求めることができる。
【0099】係る構成にすると、実際の測定したデータ
に基づいて自動的に目標値点列が設定されるので、簡易
かつその時の使用条件・状況に適した値が決定され、ト
ルク制御もより効率良く行える。
【0100】さらに、図16(B)に示すような目標値
点列を得たい場合には、速度制御時の加工トルク波形の
ピークを検出し、そのピーク値をP2,P3のトルク目
標値と設定(ドリル送り位置h2,h3は上記と同様に
する)することにより対応できる(図22(A)参
照)。
【0101】これにより、P2〜P3間では一定の目標
値となるので、同図(B)中実線で示すように、実際の
加工トルクは開始当初は徐々に加工トルクを高くしてい
き、その後ピークトルク値付近で穴開け加工を行った
後、ドリルの先端がワーク裏面から突出した(h=3)
なら徐々にトルクを低下させてバリの発生を抑制する。
すなわち、上記した第1実施例と同様に加工時間の短縮
が図れる。
【0102】また、図23(A)に示すように、新品ド
リルと、使用によりドリルの刃部が磨耗した磨耗ドリル
を同一条件で速度制御を行うと、磨耗ドリルの加工トル
クが非常に大きくなる。そこで、P2〜P3までを一定
のトルク目標値になるように制御する場合の係るトルク
目標値を決定するに際し、図示するように新品ドリルの
速度制御を行って得られた加工トルク波形から、穴の浅
い位置(hが小)での加工トルクを抽出し、その値をP
2,P3のトルク目標値にセットしても良い。かかる場
合には、同図(B)に示すように、磨耗した工具でも無
理のないトルクでの加工が実現でき、磨耗による工具
(ドリル)折損を防止できる。
【0103】さらに、複数の異なる材質からなるワーク
を積層した状態のものに対し、穴開け加工をする場合に
は、以下のような目標値点列を設定することができる。
すなわち、図24(A)に示すように、硬度の異なる2
種類の材質(例えばアルミとSUS)を重ね、速度制御
を行うようにした場合に、硬いSUSに合わせて速度を
設定する(速度は遅くなる)と、図中一点鎖線で示すよ
うに加工時間が長くなる。一方、柔らかいアルミに合わ
せると、図中二点鎖線で示すように加工速度は速くなる
が、SUSを切削する際の加工トルクが過大になり、折
損するおそれがある。
【0104】そこで、SUSに合わせて送り速度を決定
して速度制御をし、得られたSUSの加工トルクに合わ
せてトルク目標値P2,P3を決定する(同図(B)参
照)。そして、その様にして求めた目標値点列に基づい
てトルク制御を行うと、同図(C)に示すように、アル
ミに対する加工時は、本来の設定よりも大きな加工トル
クで穴開けが行われるので、短時間で処理され、その後
のSUSでは最適な条件で加工されるので、ドリルに過
大なトルクが加わることなく、加工時間が必要以上に長
くなるのを抑制できる。なお、目標値点列をアルミから
SUSにかわる送り位置にさらに1,2点加え、各材質
で最適な加工トルクをトルク目標値に設定するようにし
ても良い。
【0105】そして、上記例示したいずれの場合も、実
際に加工処理したデータに基づいて目標値点列を自動的
に決定でき(どの種類・パターンのものを用いて決定す
るかは予め与えておく)、しかも決定された目標値点列
は、その時の使用状況に適した値となるので、高精度で
の制御が行え、加工精度も向上する。さらに、簡単明確
であるので設定ミスもなくなる。なお、上記した目標値
点列の決定以外の構成並びに作用効果は上記した第4実
施例のものと同様であるのでその説明を省略する。
【0106】図25は本発明に係る制御装置の第6実施
例を示しており、この実施例では、上記した第4,第5
実施例と相違して、トルク目標値生成装置30″は、具
体的な送り位置に対するトルク目標値からなる目標値点
列を使用せず、加工中に与えられる送り位置を所定の関
数に代入することにより、トルク目標値を決定するよう
にしている。
【0107】具体的には、例えば各送り位置に対するト
ルク目標値が図26(図16(A)の止まり穴用の目標
値と同じ)に示すようになっているとすると、ドリルの
先端部分が完全にワーク内に入る位置(トルク値を一定
にする制御開始位置)をhm、その時のトルク目標値を
τm とおくと、下記に示すmin演算(2つの数値の小
さい方を選択)中の現在のドリルの先端位置(送り位
置)hを代入することにより、その位置でのトルク目標
値を求めることができる。
【0108】 τd =min(τm ,(τm /hm )×h) 図27は、本発明に係る制御装置の第7実施例を示して
いる。同図に示すように、本実施例では、送り速度を一
定に制御する速度制御機構と、上記各実施例で示したト
ルクをトルク目標値になるように送り速度を変化させる
トルク制御機構の両者を備え、ドリルの送り位置に応じ
て2つの制御機構の一方を選択し、所定の制御を行うよ
うになっている。
【0109】すなわち、貫通孔を形成する場合を考える
と、ワークとドリルの位置関係は、図28の(A)〜
(E)に示す5種類に分けられる。そして、ドリル10
の先端10aがワーク11に到達する前(同図(A))
は加工トルクがなく、また、ドリル10の先端部分10
bが完全にワーク11の裏面側から突出した後(同図
(E))は、加工トルクは摩擦トルクのみに起因する
(切削トルクがない)とともにドリルと接触している距
離(穴の深さ)はtで一定であるので、送り位置(ドリ
ル10の先端10aの位置)に関係なくほぼ一定の値を
示す。そして、いずれの場合も切削トルクが生じている
0<x<t+hm (同図(B)〜(D))の時の加工ト
ルクよりも小さい。
【0110】そこで、(A)と(E)の区間では制御系
の簡易な速度制御を行い、(B)〜(D)の区間ではト
ルク制御を行うようにした。すなわち図27に示すよう
に、送りモータ駆動装置12から送られる回転制御信号
に基づいて送り機構部3は、主軸回転機構部4を所定の
速度で送る。この時、トルクセンサ16によりドリルに
加わっている加工トルクを検出し、トルク制御装置15
に入力する。このトルク制御装置15の出力は、切り替
えスイッチ35を介して送りモータ駆動装置12に与え
られるようにしている。また、この切り替えスイッチ3
5を介して、速度制御時の速度目標値が、送りモータ駆
動装置12に与えられるようになっいてる。
【0111】一方、送り機構部3に併設された送り位置
センサ36により、現在のドリルの先端の位置(送り位
置)を検出し、その検出した送り位置を、切替器37及
びトルク目標値生成装置30に入力するようにしてい
る。そして、切替器37は、送り位置に応じて上記切り
替えスイッチ35を切り替え、トルク制御装置15から
出力される送り速度か、速度制御用の速度目標値のいず
れかが選択され送りモータ駆動装置に与えられる。
【0112】そして、本例におけるトルク制御は、実際
の加工トルクが、図29に示すようなトルク目標値にな
るようにしている。すなわち、トルク目標値生成装置3
0は、本例では上記した第4実施例に示されたものと同
一構成のものを用い(送り位置0,hm ,t,t+hm
の時の各トルク目標値を目標値点列として記憶させてお
き、hm 〜tまではトルク一定で、それ以外の区間では
所定の演算式(二次関数等)で補間して求める)、送り
位置に対し図29に示すようなトルク目標値特性になる
ように所望のトルク目標値をトルク制御装置15に出力
し、トルク制御装置15では検出された加工トルクがト
ルク目標値に一致するように制御する。なお、このトル
ク制御の具体的な処理は上記した各実施例と同様である
ので省略する。なおまた、使用するトルク目標値生成装
置としては、第5,第6実施例に示されたものを用いて
もよい。
【0113】また、切替器37は、図30に示すように
最初は速度制御側に接続し、送り位置が0の時に切り替
えてトルク制御側に接続し、さらに送り位置がt+hm
になったなら再度切り替えて速度制御側に接続するよう
になっている。
【0114】これにより、負荷が小さく加工トルクの少
ない上記区間(A),(E)で送り速度が過大になるこ
とがなく、特に区間(E)でその様に比較的低い速度で
送ることによりバリが少なくてすみ、しかも、急激に速
度が上昇することがないので、その速度変化時にドリル
に無理な力が加わって折れたりすることがなく安全とな
る。
【0115】なお、この例では、区間(B),(D)で
は送り位置に応じてトルク目標値も変更させたが、上述
した第1実施例のように、区間(B)〜(D)に渡っ
て、トルク目標値を一定にしても良い。
【0116】図31は本発明に係る制御装置の第8実施
例の要部を示している。この実施例でも、速度制御とト
ルク制御の両者を適宜切り替えることができるようにし
ている点では、上記第7実施例と同様である。
【0117】ここで本例では、切替器37により切替ス
イッチ35の切替タイミングを図32に示すように、ド
リルの先端部分が完全にワーク内に入っている区間(送
り位置がhm 〜tまで)のみトルク制御(一定のトルク
値を維持するようにする)を行い、その他の区間は速度
制御するようにしている。
【0118】そして、その速度制御時の速度目標値は、
図33に示すように送り位置に応じて変更している。な
お、図中実線部分が速度制御している区間である。すな
わち、送り位置が0になる前はドリルがワークに接触し
ていないため、高速移動させる。そして、ドリルがワー
クに対し実際の穴開けを開始する送り位置0〜hm で
は、速度を落とし過大な加工トルクがドリルにかからな
いようにする。
【0119】なお、本例では、速度変更点を送り位置0
より少し前におき、ドリルがワークに接触する前に速度
を落とすようにしたが、これは、送り位置やワーク寸法
の誤差を考慮し、確実にドリルがワークに達する前に減
速を完了しておくためである。そして、上記2つの速度
目標値と速度変更点を記憶しておき、図外の送り位置セ
ンサから与えられる送り位置情報に基づいていずれかの
速度目標値を出力するようになっている。
【0120】また、図33に示すように、ドリルの先端
がワークの裏面から突出する送り位位置t以降も一定速
度で送るが、このときの速度目標値は、その直前のトル
ク制御しているときの送り速度をトルク制御装置15か
ら受け、その与えられた送り速度を速度目標値に決定
し、出力するようにしている。これにより、トルク制御
から速度制御に切り替わる時に、送り速度が急に変化し
不連続な制御となって機械的な振動を発生したりするこ
とがなくなる。また、上記振動によりドリルの破損や加
工精度の低下を引き落とすことがあるが、制御の切り替
わり時に速度が変化することがないので、連続的にスム
ーズな切替が行え、ドリルの折損を防止でき、加工精度
の向上を図ることができる。
【0121】なお、図から明らかなように、送り位置が
t+hm よりもさらに奥まで上記速度目標値を維持する
ように速度制御している(速度変更点がt+hm よりも
後)が、これも上記と同様、送り位置やワーク寸法の誤
差を考慮し、確実にドリルがワークを貫通させるまで一
定の速度を維持できるようにしておくためである。
【0122】一方、トルク目標値生成装置39では、上
記した各実施例と同様に図34に示すような送り位置に
対するトルク目標値の特性となるように与えられた送り
位置に基づいてその時のトルク目標値をトルク制御装置
15に送るようにしている。ここで本例では、トルク制
御は、同図中実線で示す送り位置hm 〜tまでの加工ト
ルクを一定に保つ制御を行うので、送り位置情報を受
け、該当区間中内部メモリに格納されたトルク目標値を
出力するようになり、演算手段などの複雑な機能は不要
となる。
【0123】さらに、メモリに格納するトルク目標値
は、その時の加工条件に応じ適宜変更される。すなわ
ち、切り替わり直前(送り位置hm の直前)の速度制御
を行っているときに得られた実際の加工トルクを受け、
その加工トルクをメモリに格納するようにしている。こ
れにより、上記したのと同様に速度制御からトルク制御
に切り替わるときにドリルに加わるトルクが急に変動す
ることがなく、スムーズな切替が行われる。
【0124】図35〜図37は本発明に係る制御装置の
第9実施例を示している。本例では、工作機械としてボ
ール盤に適用した例を示している。同図に示すように、
基本構成は上記した各種の実施例と同様で、主軸モータ
7の出力軸の先端にチャック8を介して工具たるドリル
10が取り付けられる。そして主軸モータ7を等速回転
させた状態で、送りモータ5を正回転すると、主軸モー
タ7,チャック8並びにドリル10は、ワーク11に向
かって前進し、穴開け加工する。
【0125】この加工時にトルクセンサ16′によりド
リル10に加わっている加工トルクを検出し、その加工
トルクをトルク制御装置15に与えるようになってい
る。このトルク制御装置15は、上記した各種の実施例
で示したものを適用でき、加工トルクが外部から与えら
れるトルク目標値になるようにドリルの送り速度を決定
するようになっている。なお、与えられるトルク目標値
は、加工処理全体に渡って一定でも良く、或いは送り位
置に基づき図示省略のトルク目標値生成装置により生成
される値(可変)でもよい。そして、このトルク制御装
置15で決定された送り速度になるように送りモータ5
は所定の回転速度で回転する。なお、図示は省略する
が、各モータにはそれぞれモータ駆動装置(図1等参
照)が設けられている。また、図示の例では、主軸モー
タ7の出力軸(主軸)にかかるトルク(ドリルにかかる
トルクとほぼ等しい)を検出するようにしたが、上記し
た各実施例のようにドリルの周囲にトルクセンサを設け
てもよく、また、主軸モータ7に通電する電流などから
トルクを推定するものでもよく、種々のものを用いるこ
とができる。
【0126】ここで本実施例では、主軸モータ7等の移
動にともない移動するマーカー40を設け、その主軸モ
ータ7等の移動を案内するガイドレール6の所定位置に
第1,第2の検出器41a,41bを設け、上記マーカ
ー40の通過を検知するようにしている。各検出器41
a,41bの具体的な設置位置は、ドリルが加工開始位
置に来た時に第1の検出器41aがマーカー40を検出
し、ドリルが加工終了位置に来たときに第2検出器41
bがマーカー40を検出するような位置に設定される。
各検出器41a,41bは、例えば近接スイッチ等を使
用することができ、さらに、その設置位置を移動できる
ようにしている。これにより、使用するドリル10やワ
ーク11の寸法・形状や加工条件(貫通穴/止まり穴)
に応じて変動する作業領域に対応できるようにしてい
る。
【0127】そして、上記第1の検出器41aから出力
され作業開始トリガと、第2の検出器41bから出力さ
れる作業開始トリガが磨耗検知器42に与えられ、そこ
においてドリル10の磨耗の程度を求めて交換時期にき
たか否かを判断し、交換時期に達したなら出力装置43
に対し交換要求信号を出力するようになっている。そし
て、出力装置43は、交換要求信号に基づいて警告ラン
プを点灯させたり、アラームを鳴らしたりし、使用者に
交換時期がきたことを知らせる。
【0128】次に、磨耗検知器42について説明する
と、その内部構成は図36に示すようになっている。す
なわち、上記各検出器41a,41bから出力されるト
リガは、ともに基準タイマ42aに入力され、この基準
タイマ42aは、作業開始トリガの入力により計時を開
始し、作業終了トリガの入力により計時を停止する。こ
れにより、実際の穴開け加工に要した1回の作業時間T
が計測される。
【0129】そして、このようにして求められた作業時
間Tが次段の判断部42bに送られ、そこにおいて外部
から与えられる作業最大遅延時間STと比較し、ST<
Tならば交換時期にきたと判断する。すると、工具交換
信号出力部42cを介して出力装置に交換要求信号を送
り、一方、トルク制御装置15に対し送り停止命令を送
るようになる。
【0130】すなわち、上記した各実施例で説明したよ
うに、トルク制御をしている場合には、ドリルが磨耗し
てくると加工時間が長くなる(図37参照)。従って、
作業に要した加工時間に着目し、その加工時間が予め決
定した値STを越えた場合には磨耗の程度が激しく、交
換時期に来たと判断できる。よって、本例では作業時間
Tが作業最大遅延時間ST以上になった時(図37中ハ
ッチング)にドリルの寿命がきたとし、交換するように
している。
【0131】かかる構成にすることにより、磨耗による
工具折損を防止できる。更に、作業終了までの時間とい
う形で磨耗の判断を行うので設定機器順が明確で使い易
い。
【0132】図37,図38は、本発明に係る制御装置
の第10実施例を示している。この例では、上記した第
9実施例を更に改良し、単に工具の寿命(交換時期)が
来たことを知らせるのみならず、あと何回くらいで交換
時期がくるかの予測を行えるようになっている。図37
に示す磨耗予測器44は、上記した第9実施例(図3
5)の磨耗検知器42に替えて工作機械に実装されるも
ので、タイマ44aにて各検出器41a,42aから送
られる作業開始トリガを受けてから作業終了トリガを受
けるまでの時間(作業完遂時間)Tを測定し、その作業
完遂時間Tを記憶装置44bに格納する。この記憶装置
44bには、作業の履歴として本例では現在検出された
作業完遂時間と、1回前に検出された作業完遂時間が記
憶保持されるようにする。また、現在までの作業回数も
記憶される。
【0133】所定の作業回数毎に、記憶装置44bに格
納された現在と一回前の作業完遂時間が差分演算部44
cに与えられ、そこにおいて両者の差、すなわち、作業
完遂時間の増加分ΔTを求め、算出結果を次段の残り回
数演算部44dに与える。また、この残り回数演算部4
4dには、記憶装置44bから現在の作業完遂時間Tが
与えられる。さらに、外部から予め作業最大遅延時間S
Tが設定されている。そして、残り回数演算部では、与
えられた3つのデータに基づいて下記式により残り回数
Mを算出するようになっている。
【0134】M=(ST−T)/ΔT すなわち、図39に示すように、作業回数が増加するに
つれて、作業完遂時間は長くなる。そして、現在と1回
前の作業完遂時間の差ΔTがわかると、現在の作業完遂
時間Tに対し、今後作業を行うごとにΔTだけ時間が長
くなると仮定すると、図中破線で示す予測線が引ける。
そこで、作業最大遅延時間STと現在の作業完遂時間T
の差を上記差分ΔTで割ることにより、残り回数が予測
できるのである。
【0135】そして、このようにして求めた残り回数M
を次段の表示可否決定部44eに送り、そこにおいて予
め設定されたアラーム表示回数(残り回数を表示開始す
るための基準値)SMと比較し、残り回数がアラーム表
示回数以下になったなら、残り回数出力部44fを介し
て算出された残り回数Mを図外の出力装置に表示する。
また、残り回数演算部44dの出力は工具交換信号出力
部44gにも接続され、M=0になったなら、上記した
実施例と同様に交換要求信号を出力し、使用者に交換時
期が来たことを知らせるようになっている。
【0136】かかる構成にすることにより、上記した第
9実施例の効果に加え、さらに使用者に対していきなり
交換時期を知らせるのではなく、将来的な交換時期,使
用期間を知らせることができるので、必要以上に交換用
の工具(ドリル)をストックする必要がない。一方、交
換時期に来たのにも拘らず交換用の工具がないといった
事態の発生を抑制でき、工具の効率的運用が図れる。
【0137】なお、残り回数の算出は、上記した演算式
に限ることなく、例えば、記憶装置に現在までのすべて
の作業完遂時間を格納しておき、残り時間を求める時に
は図39のようなグラフを作成し、各回の作業完遂時間
の頂点を通るような予測線(直線或いは曲線)を引き、
その予測線と作業最大遅延時間との交点を求めるととも
にその時の作業回数を検出し、その作業回数から現在の
作業回数を引くことにより残り回数を求めるなどのほ
か、種々の方式をとることができる。
【0138】また、残り回数の表示は、具体的な数値を
出力してもよく、或いは、交換時期が近付いたことを知
らせる警告ランプを点灯させるだけでもよく、任意の方
式を取ることができる。そして、警告とランプを点灯さ
せる場合には、基準値(SM)を複数設け、交換時期が
近付くにつれて段階的にランプを点灯(色を変えたり、
数を替える)させるようにしてもよい。
【0139】なお、上記した各実施例では、いずれも工
具としてドリルを用いた例に付いて説明したが、本発明
が適用される工具(工作機械)は、ドリル以外の種々の
ものに適用できるのはもちろんである。
【0140】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る制御装置で
は、加工トルクがトルク目標値と一致するように送り速
度をリアルタイムで増減速制御されるので、工具に対し
過大なトルクがかかることが防止され、工具の折損を抑
制することができる。そして、実際の加工トルクがトル
ク目標値よりも小さい場合には送り速度が上昇するの
で、工具に対して無理な力を加えることなく加工速度を
向上させることができる。また、このように工具に対し
て無理な力がかからないので、工具の劣化(磨耗)の進
みを送らせて工具の使用可能な時間を延ばすことができ
る。
【0141】トルク目標値生成手段を設けた場合(請求
項2〜4)には、送り位置などに応じてその時に最適な
トルク目標値を基準に上記制御を行えるので、制御がよ
り高精度になり、加工精度もより向上する。そして、請
求項3のように、トルク目標値を複数の目標値点列で規
定し、目標値点列間はそのデータに基づいて補間するこ
とにより、記憶容量は少なくかつ簡易な構成で加工処理
全体に渡って所望のトルク目標値を設定することができ
る。さらに請求項4のように、目標値点列を実際の加工
時に得られた加工トルク波形に基づいて自動的に生成す
るようにすると、特にノウハウを有していない人でも、
その時の使用環境・条件に適した目標値点列を決定する
ことができる。
【0142】さらに、速度制御機能とトルク制御機能を
備え、切替手段により適宜選択された制御機能を用いて
送り速度の制御を行うようにした場合には(請求項5,
6)、その時の使用条件に応じて適した制御を行うこと
ができるので、より高精度な制御が行われる。特に、ト
ルク変動の少ない区間を速度制御機能により制御するよ
うにすると、制御系が簡単で高速に行える。
【0143】さらに、算出された送り速度が、一定の上
限値よりも速くなったり、及びまたは一定の下限値より
も低くなった時に異常信号を発する異常検知手段を設け
た場合(請求項7,8)には、加工時の異常(磨耗折損
などの工具の異常,被加工物の誤セット等の加工条件の
間違い)を知ることができる。これにより、間違った状
態での加工を繰り返すことによる不良品の発生を抑制で
きる。
【0144】さらに、作業完遂時間検出手段を設け、作
業完遂時間が最大遅延時間以上または越えた時に交換要
求信号を出力するようにした場合には(請求項9)、工
具の交換時期が来たことを正確に知ることができる。こ
れにより、適切なタイミングで工具の交換を行うことが
できる。そして、作業完遂時間検出手段と、予測手段を
設けた場合には(請求項10)、予め交換時期が近付い
て来たことを知ることができるので、交換用の工具を用
意する目安となり、無駄なストックをする必要がなくな
る。
【0145】そして、本発明に係る工作機械では、上記
した各種の制御装置により制御されるので、安全で、し
かも効率の良い加工を短時間で行うことができ、使い勝
手が良くなる。
【0146】また、本発明に係るトルク測定器では、ト
ルクの変動ではなくトルクの値を推定するため、加工負
荷の変動が小さくても精度良く行なえ、その算出も、比
較的簡単でリアルタイムでトルクの推定を行なうことが
できる。また、粘性摩擦を考慮した算出式を求めそれに
基づいて算出したり、工具にかかっていない状態での出
力負荷トルクを求めることにより摩擦等による誤差分を
予め求めその値を加工中に測定したトルクから減算する
ようにしたため、工具にかかっているトルクを正確に計
測することができる。
【0147】また、上記本発明のトルク測定器の出力
(推定トルク)を監視し、トルクの値に応じて工作機械
の運転状態を調整する工具折損検出装置では、工具の折
損の有無を検知したり、折損の予測をすることができ、
折損した場合にはスムーズに工具を被加工物から離反さ
せたり、予測をすることにより効率の良い加工処理がで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る制御装置の第1実施例を示す図で
ある。
【図2】第1実施例の要部であるトルク制御装置の機能
を説明するフローチャート図である。
【図3】第1実施例の作用を説明する図である。
【図4】第1実施例の作用を説明する図である。
【図5】第1実施例の作用を説明する図である。
【図6】本発明に係る制御装置の第2実施例の要部を示
す図である。
【図7】第2実施例の作用を説明する図である。
【図8】本発明に係るトルク測定器の一実施例を示す図
である。
【図9】トルク測定器の一実施例の作用を説明する図で
ある。
【図10】トルク測定器の一実施例の作用を説明する図
である。
【図11】本発明に係る制御装置の第3実施例を示す図
である。
【図12】本発明に係る制御装置の第3実施例を示す図
である。
【図13】本発明に係る工具折損検出装置の一実施例の
動作原理を説明する図である。
【図14】本発明に係る工具折損検出装置の一実施例を
示す図である。
【図15】本発明に係る制御装置の第4実施例を示す図
である。
【図16】第4実施例の作用を説明する図である。
【図17】第4実施例の作用を説明する図である。
【図18】本発明に係る制御装置の第5実施例の要部を
示す図である。
【図19】第5実施例の要部である目標値点列生成装置
の機能を説明するフローチャート図である。
【図20】第5実施例の作用を説明する図である。
【図21】第5実施例の作用を説明する図である。
【図22】第5実施例の作用を説明する図である。
【図23】第5実施例の作用を説明する図である。
【図24】第5実施例の作用を説明する図である。
【図25】本発明に係る制御装置の第6実施例の要部を
示す図である。
【図26】第6実施例の作用を説明する図である。
【図27】本発明に係る制御装置の第7実施例の要部を
示す図である。
【図28】ドリルとワークの位置関係を説明する図であ
る。
【図29】第7実施例のトルク制御装置に与えられるト
ルク目標値の一例を示す図である。
【図30】第7実施例の切替器の切り換えタイミングを
示す図である。
【図31】本発明に係る制御装置の第8実施例の要部を
示す図である。
【図32】第8実施例の切替器の切り換えタイミングを
示す図である。
【図33】第8実施例の速度目標値設定装置から出力さ
れる送り位置に対する速度目標値の一例を示す図であ
る。
【図34】第8実施例のトルク制御装置に与えられるト
ルク目標値の一例を示す図である。
【図35】本発明に係る制御装置の第9実施例を示す図
である。
【図36】第9実施例の要部である磨耗検知器の内部構
成を示すブロック図である。
【図37】第9実施例の作用を説明する図である。
【図38】本発明に係る制御装置の第10実施例の要部
を示す図である。
【図39】第10実施例の作用を説明する図である。
【符号の説明】
7 主軸モータ 10 工具(ドリル) 13 主軸モータ駆動装置(主軸モータドライバ) 16 トルクセンサ(トルク検出手段) 20 比較装置(加工異常検知手段) 21 回転速度検出器 22 切削トルク推定器(トルク測定器) 23 トルク推定部(主軸負荷トルク推定手段) 24 記憶装置 25 トルク算出部(演算手段) 26 切削トルク制御装置(速度算出手段) 27 工具折損検知装置(制御手段) 30,30′,30″ トルク目標値生成装置 31 目標値点列記憶装置 32 トルク目標値演算装置 42 磨耗検知器 44 寿命予測器
フロントページの続き (72)発明者 松永 信智 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オ ムロン株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端に着脱自在に装着された工具を回転
    させる主軸回転機構と、 前記主軸回転機構を被加工物に対して前後進移動させる
    送り機構とを備えた工作機械に用いられ、前記送り機構
    の送り速度を制御する制御装置であって、 前記工具に加わるトルクを検出するトルク検出手段と、 少なくとも設定されたトルク目標値と、前記トルク検出
    手段により検出されたトルクとに基づいて前記送り速度
    を求める送り速度算出手段と、 前記送り速度算出手段の出力を受け、算出された送り速
    度になるように前記送り機構を制御する送り機構制御手
    段とを備えた制御装置。
  2. 【請求項2】 前記工具の送り位置に基づいたトルク目
    標値を決定するトルク目標値生成手段を備え、 前記送り速度算出手段が、前記トルク目標値生成手段か
    ら出力されるトルク目標値に基づいて前記送り速度を求
    めるようにした請求項1に記載の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記目標値生成手段が、複数の送り位置
    に対するトルク目標値対からなる目標値点列を記憶する
    目標値点列記憶手段と、 その目標値点列記憶手段に記憶された所定の目標値点列
    と、現在の前記送り位置に基づいて、現在のトルク目標
    値を算出する目標値トルク演算手段とを備えた請求項2
    に記載の制御装置。
  4. 【請求項4】 正常加工時の加工トルク波形に基づいて
    前記目標値点列を生成するとともに、前記目標値点列記
    憶手段に格納する目標値点列生成手段をさらに備えた請
    求項3に記載の制御装置。
  5. 【請求項5】 前記送り速度を、一定の速度設定値にな
    るように制御する速度制御手段と、 前記速度制御手段の出力と、前記送り速度算出手段の出
    力のいずれかを選択して、前記送り機構制御手段に伝達
    する切替手段を備えた請求項1〜4のいずれかに記載の
    制御装置。
  6. 【請求項6】 前記切替手段の切り換えタイミングが、
    少なくとも前記送り位置に基づいて決定されるようにし
    た請求項5に記載の制御装置。
  7. 【請求項7】 前記送り速度が一定の基準値よりも遅く
    なった時に異常信号を発する異常検知手段を備えた請求
    項1〜6のいずれかに記載の制御装置。
  8. 【請求項8】 前記送り速度が一定の基準値よりも速く
    なった時に異常信号を発する異常検知手段を備えた請求
    項1〜7のいずれかに記載の制御装置。
  9. 【請求項9】 1回の加工に要する作業完遂時間を検出
    する作業完遂時間検出手段と、 その作業完遂時間が、工具交換が必要となる最大遅延時
    間以上または越えた時に交換要求信号を出力するように
    した請求項1〜8のいずれかに記載の制御装置。
  10. 【請求項10】 1回の加工に要する作業完遂時間を検
    出する作業完遂時間検出手段と、 前記作業完遂時間検出手段により検出された現在及び所
    定の過去の作業完遂時間と、工具交換が必要となる最大
    遅延時間とに基づいて使用中の工具の寿命を求める予測
    手段を備えた請求項1〜9のいずれかに記載の制御装
    置。
  11. 【請求項11】 先端に着脱自在に装着された工具を回
    転させる主軸回転機構と、 前記主軸回転機構を被加工物に対して前後進移動させる
    送り機構と、 請求項1〜10のいずれかに記載の制御装置を備え、前
    記制御装置により前記送り機構が制御されるようにした
    工作機械。
  12. 【請求項12】 工作機械に使用されるトルク測定器で
    あって、 前記工作機械に実装される主軸モータの電流及び回転速
    度値に基づいて、オブザーバ理論を用いて前記工作機械
    に取り付けられた工具にかかるトルクを推定するトルク
    算出手段を備えたトルク測定器。
  13. 【請求項13】 工作機械に使用されるトルク測定器で
    あって、 前記工作機械に実装される主軸モータの電流及び回転速
    度値に基づいて、主軸にかかっているトルクの値を推定
    する主軸負荷トルク推定手段と、 前記主軸負荷トルク推定手段により求められた非加工時
    で回転中の前記主軸のトルクを記憶する記憶手段と、 前記主軸負荷トルク推定手段により求められた加工中の
    前記主軸にかかっているトルクと、前記記憶手段に記憶
    されたトルクから、前記加工機械に取り付けられた工具
    にかかるトルクを算出する演算手段とからなるトルク測
    定器。
  14. 【請求項14】 請求項12または13に記載のトルク
    測定器を備え、 前記トルク測定器によって出力されたトルク測定値を用
    いて工具の折損を検出し、その検出結果に基づいて前記
    工作機械の運転状態を制御する制御手段を備えたことを
    特徴とする工具折損検出装置。
JP6772394A 1993-11-26 1994-03-11 制御装置及びそれが用いられる工作機械並びにトルク測定器及び工具折損検出装置 Withdrawn JPH07195256A (ja)

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