JPH0718463B2 - 重ね板ばね - Google Patents
重ね板ばねInfo
- Publication number
- JPH0718463B2 JPH0718463B2 JP13267589A JP13267589A JPH0718463B2 JP H0718463 B2 JPH0718463 B2 JP H0718463B2 JP 13267589 A JP13267589 A JP 13267589A JP 13267589 A JP13267589 A JP 13267589A JP H0718463 B2 JPH0718463 B2 JP H0718463B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plate
- spring
- parent
- leaf spring
- child
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60G—VEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
- B60G2202/00—Indexing codes relating to the type of spring, damper or actuator
- B60G2202/10—Type of spring
- B60G2202/11—Leaf spring
- B60G2202/112—Leaf spring longitudinally arranged
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60G—VEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
- B60G2500/00—Indexing codes relating to the regulated action or device
- B60G2500/20—Spring action or springs
Landscapes
- Vehicle Body Suspensions (AREA)
- Springs (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、親板と単数又は複数枚の子板を重ねて構成
した重ね板ばねに関する。
した重ね板ばねに関する。
一般に、重ね板ばねについて、第1図に示すように、ベ
ルリン形アイ即ちベルリン形目玉2を持つ親板1と複数
枚の子板3を重ねて構成したテーパリーフスプリングが
知られている。
ルリン形アイ即ちベルリン形目玉2を持つ親板1と複数
枚の子板3を重ねて構成したテーパリーフスプリングが
知られている。
また、トラック用サスペンションとしては、第2図に示
すように、親板8がアップターンドアイ9を持つ重ね板
ばねが良く知られている。このアップターンドアイ形の
重ね板ばねの荷重−撓み特性であるばね定数は、第10図
に示すような特性を有している。
すように、親板8がアップターンドアイ9を持つ重ね板
ばねが良く知られている。このアップターンドアイ形の
重ね板ばねの荷重−撓み特性であるばね定数は、第10図
に示すような特性を有している。
即ち、第10図には、重ね板ばねが上下に撓む場合に、該
重ね板ばねの板間の摩擦のために発生するヒステリシス
の特性線図が示されている。この特性線図において、標
準荷重状態a点より撓みXを増すと、荷重Wが増加す
る。また、任意の点bまで達してから撓みXを減じる
と、荷重−撓み線図は増加時a→bの特性線図をそのま
ま戻らずに、b→c→dと別の特性線図を描く。更に、
e点まで撓みXを減じ、次いでまた増加すると、e→f
→bの特性線図を描き、ループを形成する。このループ
において、b→c、e→fを一般に移り部分と称してい
る。この移り部分の傾斜は、別の振幅即ち撓みX値で求
めてもほぼ等しい状態の形状となり、第10図に示すよう
に、例えば、b1→c1、e1→f1及びb2→c2、e2→f2を描
く。
重ね板ばねの板間の摩擦のために発生するヒステリシス
の特性線図が示されている。この特性線図において、標
準荷重状態a点より撓みXを増すと、荷重Wが増加す
る。また、任意の点bまで達してから撓みXを減じる
と、荷重−撓み線図は増加時a→bの特性線図をそのま
ま戻らずに、b→c→dと別の特性線図を描く。更に、
e点まで撓みXを減じ、次いでまた増加すると、e→f
→bの特性線図を描き、ループを形成する。このループ
において、b→c、e→fを一般に移り部分と称してい
る。この移り部分の傾斜は、別の振幅即ち撓みX値で求
めてもほぼ等しい状態の形状となり、第10図に示すよう
に、例えば、b1→c1、e1→f1及びb2→c2、e2→f2を描
く。
また、例えば、実開昭55−127141号公報には、重ね板ば
ねにおける各ばね板間に鋼製ロールを配備した重ね板ば
ねが開示されている。
ねにおける各ばね板間に鋼製ロールを配備した重ね板ば
ねが開示されている。
或いは、特開昭56−141433号公報には、ばね定数が所定
荷重値において不連続的に変化する重ね板ばね装置が開
示されている。
荷重値において不連続的に変化する重ね板ばね装置が開
示されている。
ところで、上記のような特性線図を描く重ね板ばねにお
いて、該重ね板ばねの性能は、通常、b→e,b1→e1,b2
→e2の傾きから求める対角線ばね定数tK,tK1,tK2(動的
ばね定数にほぼ近い値を示す)及び荷重の基点aよりの
振れa〜dの幅即ちフリクションを各振幅によって求め
た特性によってほぼ決まるものである。
いて、該重ね板ばねの性能は、通常、b→e,b1→e1,b2
→e2の傾きから求める対角線ばね定数tK,tK1,tK2(動的
ばね定数にほぼ近い値を示す)及び荷重の基点aよりの
振れa〜dの幅即ちフリクションを各振幅によって求め
た特性によってほぼ決まるものである。
そこで、第10図に示すようなアップターンドアイ形の重
ね板ばねの荷重−撓み特性を基にして、対角線ばね定
数、所謂、動ばね定数及びフリクションの振幅依存性を
求めると、第11図及び第12図において一点鎖線で示すよ
うになる。即ち、振幅の小さい範囲では対角線ばね定数
が高く、振幅が大きくなるに従って対角線ばね定数が下
がり、静ばね定数に近づいて行くことが分かる。
ね板ばねの荷重−撓み特性を基にして、対角線ばね定
数、所謂、動ばね定数及びフリクションの振幅依存性を
求めると、第11図及び第12図において一点鎖線で示すよ
うになる。即ち、振幅の小さい範囲では対角線ばね定数
が高く、振幅が大きくなるに従って対角線ばね定数が下
がり、静ばね定数に近づいて行くことが分かる。
ところが、車両のサスペンションとしては、小振幅では
ばね定数が低く、ソフトな乗り心地が得られ、大振幅で
はばね定数が高く、安定性の高い剛性感の得られるばね
が望まれる。従って、従来の重ね板ばねは、理想の特性
とは全く逆の特性を有し、性能的には不利な特性と言え
る。
ばね定数が低く、ソフトな乗り心地が得られ、大振幅で
はばね定数が高く、安定性の高い剛性感の得られるばね
が望まれる。従って、従来の重ね板ばねは、理想の特性
とは全く逆の特性を有し、性能的には不利な特性と言え
る。
この種の重ね板ばねにおいて、ソフトな乗り心地を得る
手段として、小振幅での対角線ばね定数を低く抑えるた
め、重ね板ばねを構成するばねの枚数を少なくするか、
或いは板端部に摩擦係数の低い低摩擦材を挿入してフリ
クションを減じることも行われているが、このように重
ね板ばねを構成すると、第11図及び第12図において点線
で示すようになる。即ち、大振幅でのフリクションが減
少し、対角線ばね定数が下がるため、剛性感のない安定
性の悪いサスペンションになってしまう。
手段として、小振幅での対角線ばね定数を低く抑えるた
め、重ね板ばねを構成するばねの枚数を少なくするか、
或いは板端部に摩擦係数の低い低摩擦材を挿入してフリ
クションを減じることも行われているが、このように重
ね板ばねを構成すると、第11図及び第12図において点線
で示すようになる。即ち、大振幅でのフリクションが減
少し、対角線ばね定数が下がるため、剛性感のない安定
性の悪いサスペンションになってしまう。
また、この方法では、重ね板ばねの板間のフリクション
を低減しているだけであるので、極小振幅の対角線ばね
定数(即ち、極小振幅では移り部分の傾斜にほぼ等しい
ばね定数)も十分に低減できないという問題点を有して
いる。
を低減しているだけであるので、極小振幅の対角線ばね
定数(即ち、極小振幅では移り部分の傾斜にほぼ等しい
ばね定数)も十分に低減できないという問題点を有して
いる。
この発明の目的は、上記の課題を解決することであり、
目玉を持つ親板と単数又は複数枚の子板で構成された重
ね板ばねが理想的なばね特性を有するように形成するこ
とであり、親板と子板との接触点即ち接触部位での親板
と子板との弾性変形から初めてすべり始めるまでのばね
板の弾性変形する変形限界範囲の変位量が所定の範囲内
になるような構造に構成することによって、重ね板ばね
の小振幅での対角線ばね定数とフリクションを抑えてソ
フトな乗り心地を確保すると共に、大振幅での対角線ば
ね定数とフリクションを従来と同様な十分な大きさを確
保して安定性の高い剛性感の得られる重ね板ばねを提供
することである。
目玉を持つ親板と単数又は複数枚の子板で構成された重
ね板ばねが理想的なばね特性を有するように形成するこ
とであり、親板と子板との接触点即ち接触部位での親板
と子板との弾性変形から初めてすべり始めるまでのばね
板の弾性変形する変形限界範囲の変位量が所定の範囲内
になるような構造に構成することによって、重ね板ばね
の小振幅での対角線ばね定数とフリクションを抑えてソ
フトな乗り心地を確保すると共に、大振幅での対角線ば
ね定数とフリクションを従来と同様な十分な大きさを確
保して安定性の高い剛性感の得られる重ね板ばねを提供
することである。
この発明は、上記の目的を達成するために、次のように
構成されている。即ち、この発明は、両端に目玉を有す
る親板と子板から成り、中央部が互いに固定され且つ前
記親板の前記目玉と前記子板の両端部が互いに相対変位
可能に接触して構成された重ね板ばねにおいて、前記親
板の前記目玉と前記子板との接触部位が荷重下において
相対的にすべりを発生することなく前記親板が弾性変形
する変位量を、前記親板の中央部位の支点の上下変位量
に換算した下記式で表される換算変位量が0.010m〜0.01
5mの範囲内に存在するように設定した構造を有すること
を特徴とする重ね板ばねに関する。下記式は次のとおり
である。
構成されている。即ち、この発明は、両端に目玉を有す
る親板と子板から成り、中央部が互いに固定され且つ前
記親板の前記目玉と前記子板の両端部が互いに相対変位
可能に接触して構成された重ね板ばねにおいて、前記親
板の前記目玉と前記子板との接触部位が荷重下において
相対的にすべりを発生することなく前記親板が弾性変形
する変位量を、前記親板の中央部位の支点の上下変位量
に換算した下記式で表される換算変位量が0.010m〜0.01
5mの範囲内に存在するように設定した構造を有すること
を特徴とする重ね板ばねに関する。下記式は次のとおり
である。
但し、P;設計上の最大積載時におけるばね板に作用する
荷重Wをばね板全体に与えた時の親板と子板の接触力、
μ;ばね板間の摩擦係数、L;親板のUボルトと接触点と
の間の距離、H;Uボルト締付け部分での親板と子板との
間の距離、R;親板の目玉の外径の半径、R′;親板の板
厚中心と接触点との間の距離、Kw;親板の剛性。
荷重Wをばね板全体に与えた時の親板と子板の接触力、
μ;ばね板間の摩擦係数、L;親板のUボルトと接触点と
の間の距離、H;Uボルト締付け部分での親板と子板との
間の距離、R;親板の目玉の外径の半径、R′;親板の板
厚中心と接触点との間の距離、Kw;親板の剛性。
この発明による重ね板ばねは、上記のように構成されて
おり、次のように作用する。即ち、この重ね板ばねは、
両端に目玉を有する親板と子板から成り、前記親板と前
記親板に隣接する前記子板との接触部位が荷重下におい
て相対的にすべることなく前記親板の接触部位が弾性変
形する変形量を、前記親板の中央部位の支点の上下変位
量に換算した換算変位量が0.010m〜0.015mの範囲内に存
在するように設定した構造を有するので、重ね板ばねの
動ばね定数特性を理想形に設定することができ、重ね板
ばねについて、ばね板の小振幅領域での対角線ばね定数
とフリクションを抑え、また、スパン変化が大きい大振
幅での対角線ばね定数とフリクションを従来と同様に通
常の板間滑り摩擦に支配される特性を得ることができる
十分な大きさに構成することができる。
おり、次のように作用する。即ち、この重ね板ばねは、
両端に目玉を有する親板と子板から成り、前記親板と前
記親板に隣接する前記子板との接触部位が荷重下におい
て相対的にすべることなく前記親板の接触部位が弾性変
形する変形量を、前記親板の中央部位の支点の上下変位
量に換算した換算変位量が0.010m〜0.015mの範囲内に存
在するように設定した構造を有するので、重ね板ばねの
動ばね定数特性を理想形に設定することができ、重ね板
ばねについて、ばね板の小振幅領域での対角線ばね定数
とフリクションを抑え、また、スパン変化が大きい大振
幅での対角線ばね定数とフリクションを従来と同様に通
常の板間滑り摩擦に支配される特性を得ることができる
十分な大きさに構成することができる。
以下、図面を参照して、この発明による重ね板ばねの一
実施例を説明する。
実施例を説明する。
第1図にはこの発明の一実施例としての重ね板ばねが示
されている。この重ね板ばねは、両端部にベルリン形目
玉2を持つ一番リーフである親板1と複数枚(図では2
枚)の子板3とを、板全長にわたって重ね且つ板中央部
においてセンタボルト4によって互いに固定されたもの
である。
されている。この重ね板ばねは、両端部にベルリン形目
玉2を持つ一番リーフである親板1と複数枚(図では2
枚)の子板3とを、板全長にわたって重ね且つ板中央部
においてセンタボルト4によって互いに固定されたもの
である。
また、重ね板ばね自体は、車両のアクスルに対して所定
の位置即ち中央部位の荷重を支える支点となる位置に配
置された一対のUボルト10によって固定されている。こ
の重ね板ばねは、親板1及び子板3がテーパ状に形成さ
れたテーパリーフスプリングで構成されている。なお、
図中、5はクリップを示す。
の位置即ち中央部位の荷重を支える支点となる位置に配
置された一対のUボルト10によって固定されている。こ
の重ね板ばねは、親板1及び子板3がテーパ状に形成さ
れたテーパリーフスプリングで構成されている。なお、
図中、5はクリップを示す。
この発明による重ね板ばねについては、例えば、第1図
及び第3図に示すように、親板1と二番リーフである子
板3との接触点Aが、親板1の目玉部の下方に位置して
いる。更に、この重ね板ばねを構成する親板1は、その
剛性Kw及び目玉径Rが次式を満足する構造を有してい
る。
及び第3図に示すように、親板1と二番リーフである子
板3との接触点Aが、親板1の目玉部の下方に位置して
いる。更に、この重ね板ばねを構成する親板1は、その
剛性Kw及び目玉径Rが次式を満足する構造を有してい
る。
即ち、この重ね板ばねは、両端に目玉を有する親板と子
板から成り、前記親板と前記親板に隣接する前記子板と
の接触点が荷重下において相対的にすべりを発生するこ
となく前記親板の接触部位が弾性変形する変形量を、前
記親板の中央部位の支点の上下変位量に換算した換算変
位量が0.010m〜0.015mの範囲内に存在するように設定し
た構造を有するものである。
板から成り、前記親板と前記親板に隣接する前記子板と
の接触点が荷重下において相対的にすべりを発生するこ
となく前記親板の接触部位が弾性変形する変形量を、前
記親板の中央部位の支点の上下変位量に換算した換算変
位量が0.010m〜0.015mの範囲内に存在するように設定し
た構造を有するものである。
詳しくは、上記換算変位量は、次式を満足するものであ
る。
る。
但し、単位は全てSI単位系である。
P;設計上の最大積載時におけるばね板に作用する荷重W
をばね板全体に与えた時の親板1と子板3の接触力であ
り、第1図に示すように、ばね板が3枚で構成された重
ね板ばねの場合には、P≒W/6とするのが一般的であ
る。
をばね板全体に与えた時の親板1と子板3の接触力であ
り、第1図に示すように、ばね板が3枚で構成された重
ね板ばねの場合には、P≒W/6とするのが一般的であ
る。
μ;鋼材間、即ちばね板間の摩擦係数、 L;親板1において、子板3との接触点Aと中央部位の支
点であるUボルト10との間の距離、 H;Uボルト10の締付け部分での親板1と子板3との間の
距離(第4図参照)、 R;目玉2の外径の半径(第3図参照)、 R′;親板1の板厚中心と接触点Aとの間の距離(親板
1がベルリン形目玉2の場合には、R=R′、また、親
板8がアップターンドアイ9の場合には、R≫R′≒
0)、 Kw;親板1の剛性で目玉部分にトルクTを与えた場合の
目玉2の回転角をθとすると、Kw=T/θで表される値。
点であるUボルト10との間の距離、 H;Uボルト10の締付け部分での親板1と子板3との間の
距離(第4図参照)、 R;目玉2の外径の半径(第3図参照)、 R′;親板1の板厚中心と接触点Aとの間の距離(親板
1がベルリン形目玉2の場合には、R=R′、また、親
板8がアップターンドアイ9の場合には、R≫R′≒
0)、 Kw;親板1の剛性で目玉部分にトルクTを与えた場合の
目玉2の回転角をθとすると、Kw=T/θで表される値。
ここで、親板1の剛性Kwについて、説明すると、上記実
施例では親板1と子板3とをテーパリーフで構成した
が、仮に親板を全長にわたって等しい板厚で構成した場
合には、剛性Kwは、次の式で表される。第5図を参照し
て説明する。
施例では親板1と子板3とをテーパリーフで構成した
が、仮に親板を全長にわたって等しい板厚で構成した場
合には、剛性Kwは、次の式で表される。第5図を参照し
て説明する。
下記式において、親板1に作用する断面二次モーメント
をIとし、弾性率をE、親板1の目玉2と平らなばね板
部6との湾曲連結部7の曲率半径をrとする。
をIとし、弾性率をE、親板1の目玉2と平らなばね板
部6との湾曲連結部7の曲率半径をrとする。
まず、親板1と子板3との接触点Aから親板1の直線端
部の点Cまでの親板1を剛体で構成し、また、親板1の
ばね板部6の端部の点CからUボルト10の位置する点D
までの親板1を弾性体で構成したとすると、点Cでの角
度変化は、μPRL/2EIとなり、親板1の目玉部は、μPRL
/2EI回転する。
部の点Cまでの親板1を剛体で構成し、また、親板1の
ばね板部6の端部の点CからUボルト10の位置する点D
までの親板1を弾性体で構成したとすると、点Cでの角
度変化は、μPRL/2EIとなり、親板1の目玉部は、μPRL
/2EI回転する。
また、接触点Aから親板1の目玉2と湾曲連結部7との
境界点Bまで、及び点Cから点Dまでを剛体で構成し、
また、点Bから点Cまでを弾性体で構成したとすると、
点Cに対する点Bでの角度変化は、 となる。
境界点Bまで、及び点Cから点Dまでを剛体で構成し、
また、点Bから点Cまでを弾性体で構成したとすると、
点Cに対する点Bでの角度変化は、 となる。
更に、点Bから点Cまでを剛体で構成し、また、点Aか
ら点Bまでを弾性体で構成したとすると、点Bに対する
点Aでの角度変化は、 となる。
ら点Bまでを弾性体で構成したとすると、点Bに対する
点Aでの角度変化は、 となる。
ここで、一般的な重ね板ばねにおけるばね板の形状は、 L≫R≫r であるから、親板1の目玉部分の角度変化は、点Cから
点Dまでを剛性が支配的となり、点Aから点Bまでの剛
性及び点Bから点Cまでの剛性は無視できるので、 μPRL/2EIとなる。
点Dまでを剛性が支配的となり、点Aから点Bまでの剛
性及び点Bから点Cまでの剛性は無視できるので、 μPRL/2EIとなる。
従って、 親板1のばね定数は、K1は、 K1=6EI/L3であるから、 Kw=K1L3/3L =K1L2/3 となり、親板1のワインドアップ剛性に比例する。従っ
て、以下の説明では便宜上、Kwを親板1のワインドアッ
プ剛性即ち親板1の剛性と称する。
て、以下の説明では便宜上、Kwを親板1のワインドアッ
プ剛性即ち親板1の剛性と称する。
この発明の一実施例による重ね板ばねは、上記のような
構成を有しており、次のような作動をする。この重ね板
ばねについての作用を、第1図、第3図及び第7図を参
照して説明する。
構成を有しており、次のような作動をする。この重ね板
ばねについての作用を、第1図、第3図及び第7図を参
照して説明する。
車両が定積載状態で使用されている時に加わる荷重、即
ち、設計上の最大積載時における荷重Wを重ね板ばねに
与えると、親板1の目玉部分即ち親板1と子板3との接
触点Aには二番以降の子板3より力Pが与えられる。こ
の力Pによって発生する摩擦力μPにより、トルクμP
・P′が親板1に与えられ、即ち、親板1にワインドア
ップトルクが与えられ、親板1はワインドアップを起こ
す。
ち、設計上の最大積載時における荷重Wを重ね板ばねに
与えると、親板1の目玉部分即ち親板1と子板3との接
触点Aには二番以降の子板3より力Pが与えられる。こ
の力Pによって発生する摩擦力μPにより、トルクμP
・P′が親板1に与えられ、即ち、親板1にワインドア
ップトルクが与えられ、親板1はワインドアップを起こ
す。
即ち、重ね板ばねが荷重下において、親板1と子板3と
の接触部位Aが相対的にすべることなく、親板1の子板
3との接触部位Aが弾性変形する変形範囲の回転が発生
する。この時、親板1のワインドアップ剛性をKwとする
と、親板1の目玉部分即ち子板3との接触部位Aの回転
角は、 μP・R/Kw となる。
の接触部位Aが相対的にすべることなく、親板1の子板
3との接触部位Aが弾性変形する変形範囲の回転が発生
する。この時、親板1のワインドアップ剛性をKwとする
と、親板1の目玉部分即ち子板3との接触部位Aの回転
角は、 μP・R/Kw となる。
この状態で、設計標準荷重WをΔW増加させ、ばね変位
(上下変位量に相当)即ち撓みXを15mm(0.015m)増加
させる。
(上下変位量に相当)即ち撓みXを15mm(0.015m)増加
させる。
この場合、W≫ΔWであるから、Pの変化は小さいとみ
なす。この時、設計上の最大積載時におけるばね板に作
用する荷重Wとばね変位Xとの関係は、第7図に示すよ
うに、点Eから点F(E→F)までとなる。
なす。この時、設計上の最大積載時におけるばね板に作
用する荷重Wとばね変位Xとの関係は、第7図に示すよ
うに、点Eから点F(E→F)までとなる。
次に、荷重Wを減じる。この場合に、従来の重ね板ばね
では、ばねの変位より、直ちにばね板間にすべりを生
じ、摩擦力が作用するため、第10図において移り部分b
→c,e→fで示したように、荷重が急激に変化するが、
この発明の実施例のように、重ね板ばねを構成すると、
ばね板間にすべりを生じる前に、一番リーフである親板
1のワインドアップによって目玉部分が回転し、該回転
によって蓄えられるトルクが摩擦力よりも大きくなって
から初めてすべり始める。そのため、第7図に示すよう
に、点Fから点Gまで(F→G)は緩やかに変化し、点
Gからすべり始めて点Hに到るので、図示のように、滑
らかなヒステリシス曲線を描くようになる。
では、ばねの変位より、直ちにばね板間にすべりを生
じ、摩擦力が作用するため、第10図において移り部分b
→c,e→fで示したように、荷重が急激に変化するが、
この発明の実施例のように、重ね板ばねを構成すると、
ばね板間にすべりを生じる前に、一番リーフである親板
1のワインドアップによって目玉部分が回転し、該回転
によって蓄えられるトルクが摩擦力よりも大きくなって
から初めてすべり始める。そのため、第7図に示すよう
に、点Fから点Gまで(F→G)は緩やかに変化し、点
Gからすべり始めて点Hに到るので、図示のように、滑
らかなヒステリシス曲線を描くようになる。
親板1のワインドアップにより生じる親板1の目玉部分
の回転角(μP・R′/Kw)を、該回転角に対応する親
板1の子板3との接触部位Aの弧の変位量、即ち、親板
1の弾性変形する変位量に換算すると、次のようにな
る。この場合に、親板1に発生する逆ワインドアップを
考慮に入れて2倍すると、 となる。
の回転角(μP・R′/Kw)を、該回転角に対応する親
板1の子板3との接触部位Aの弧の変位量、即ち、親板
1の弾性変形する変位量に換算すると、次のようにな
る。この場合に、親板1に発生する逆ワインドアップを
考慮に入れて2倍すると、 となる。
更に、第6図を参照して、親板1の弾性変形する上記変
位量Xを、親板1の中央部位の荷重Wを受ける支点(U
ボルト10の部位に相当する)における上下変位量に換算
した換算変位量は、次のようになる。
位量Xを、親板1の中央部位の荷重Wを受ける支点(U
ボルト10の部位に相当する)における上下変位量に換算
した換算変位量は、次のようになる。
となる。
詳しくは、第6図に示すように、親板1の目玉部分即ち
親板1の子板3との接触部位Aの変位量をX、該変位量
Xに応じてばね板の撓みで形成する各角度、即ち、親板
1と子板3とが無荷重下で親板1と子板3との接触部位
Aのなす角度をψ1、親板1と子板3とが荷重下で親板
1と子板3との接触部位Aのなす角度をψ2、及び親板
1のワインドアップにより生じる親板1の目玉部分の回
転角に対応する親板1の子板3との接触部位Aの弧の変
位量X(親板1の弾性変形する変位量)に対応する角
度、言い換えれば、親板1と子板3とが弾性変形範囲を
超えて親板1と子板3との間に初めてすべりが発生する
時、親板1と子板3との間の変位量Xに対応する角度を
ψ3とすると、 ψ1≒ψ2≒ψ3 であり、しかも ψ1≒ψ2≒ψ3≒T/L であるから、親板1の子板3との接触部位Aの弧の変位
量Xを支点における上下変位量に換算した該換算変位量
X・ψ3は、 X・ψ3=X・T/L となる。
親板1の子板3との接触部位Aの変位量をX、該変位量
Xに応じてばね板の撓みで形成する各角度、即ち、親板
1と子板3とが無荷重下で親板1と子板3との接触部位
Aのなす角度をψ1、親板1と子板3とが荷重下で親板
1と子板3との接触部位Aのなす角度をψ2、及び親板
1のワインドアップにより生じる親板1の目玉部分の回
転角に対応する親板1の子板3との接触部位Aの弧の変
位量X(親板1の弾性変形する変位量)に対応する角
度、言い換えれば、親板1と子板3とが弾性変形範囲を
超えて親板1と子板3との間に初めてすべりが発生する
時、親板1と子板3との間の変位量Xに対応する角度を
ψ3とすると、 ψ1≒ψ2≒ψ3 であり、しかも ψ1≒ψ2≒ψ3≒T/L であるから、親板1の子板3との接触部位Aの弧の変位
量Xを支点における上下変位量に換算した該換算変位量
X・ψ3は、 X・ψ3=X・T/L となる。
そこで、親板1の子板3との接触部位Aにおける弾性変
形の範囲内の変位量、言い換えれば、親板1の子板3と
の接触部位Aが初めてすべり始める親板1の変位量を換
算した上記のばねの換算変位量を、この発明による実施
例のように、 0.015m即ち15mmと設定すると、 まず、ばね板に対して設計上の最大積載時におけるばね
板に作用する荷重Wより荷重を増加し、親板1の中央部
位の荷重Wを受ける支点(Uボルト10の部位に相当す
る)における上下変位量を、15mmだけ撓ませた後、上記
ニュートラルポイント即ち15mmまで戻すと、親板1はワ
インドアップを開始し、更に逆ワインドアップを起こ
す。そして、ばね板を15mmまで戻した時、逆ワインドア
ップによって蓄えられた力が摩擦力μPに等しくなり、
この点よりばね板間にはすべりが発生する。
形の範囲内の変位量、言い換えれば、親板1の子板3と
の接触部位Aが初めてすべり始める親板1の変位量を換
算した上記のばねの換算変位量を、この発明による実施
例のように、 0.015m即ち15mmと設定すると、 まず、ばね板に対して設計上の最大積載時におけるばね
板に作用する荷重Wより荷重を増加し、親板1の中央部
位の荷重Wを受ける支点(Uボルト10の部位に相当す
る)における上下変位量を、15mmだけ撓ませた後、上記
ニュートラルポイント即ち15mmまで戻すと、親板1はワ
インドアップを開始し、更に逆ワインドアップを起こ
す。そして、ばね板を15mmまで戻した時、逆ワインドア
ップによって蓄えられた力が摩擦力μPに等しくなり、
この点よりばね板間にはすべりが発生する。
従って、ばね板のニュートラルポイントでのフリクショ
ンは、従来のばねと等しいものとなる。
ンは、従来のばねと等しいものとなる。
一方、ばね板の撓みを、例えば、10mmとすると、ニュー
トラルポイントでは、親板1の子板3との接触部位Aで
のすべりはまだ生じないため、この時のフリクションは
従来のばね板よりも小さい。上記の方法で求めた結果よ
り、対角線ばね定数及びフリクションの振幅依存性を求
めると、第8図及び第9図に示すようになる。
トラルポイントでは、親板1の子板3との接触部位Aで
のすべりはまだ生じないため、この時のフリクションは
従来のばね板よりも小さい。上記の方法で求めた結果よ
り、対角線ばね定数及びフリクションの振幅依存性を求
めると、第8図及び第9図に示すようになる。
即ち、例えば、車両がコーナリングしている時のロー
ル、或いは悪路等の走行によって、ばね板に対して15mm
以上の入力が発生した場合、該入力に対しては、従来の
ばね板と同等の対角線ばね定数、及びフリクションを有
することになる。一方、車両が高速道路等の良路を走行
している時のように、15mm以下の微少の入力では、対角
線ばね定数及びフリクションが低くなり、ソフトな乗り
心地を得られる。
ル、或いは悪路等の走行によって、ばね板に対して15mm
以上の入力が発生した場合、該入力に対しては、従来の
ばね板と同等の対角線ばね定数、及びフリクションを有
することになる。一方、車両が高速道路等の良路を走行
している時のように、15mm以下の微少の入力では、対角
線ばね定数及びフリクションが低くなり、ソフトな乗り
心地を得られる。
なお、逆に、親板1の上下変位量に換算した換算変位量
を、 とすると、ばね板に対して15mm以上の入力でも、従来の
ばね板より柔らかくなるため、車両のコーナリング時の
ロール、悪路等でのばね下振動のおどりが大きくなり、
性能が落ちることになる。例えば、第13図において、 の場合の変位−荷重特性を示しているが、移り部分(20
mm)が長くなり、振幅が±15mmでの2Fが少なくなる(図
において、2F′から2Fへ)。15mmでの2Fが少なくなる
と、ロールに対する安定性或いは悪路でのばねした共振
に対する減衰性が悪化する。
を、 とすると、ばね板に対して15mm以上の入力でも、従来の
ばね板より柔らかくなるため、車両のコーナリング時の
ロール、悪路等でのばね下振動のおどりが大きくなり、
性能が落ちることになる。例えば、第13図において、 の場合の変位−荷重特性を示しているが、移り部分(20
mm)が長くなり、振幅が±15mmでの2Fが少なくなる(図
において、2F′から2Fへ)。15mmでの2Fが少なくなる
と、ロールに対する安定性或いは悪路でのばねした共振
に対する減衰性が悪化する。
また、親板1の子板3との接触点Aにおける上記のばね
の換算変位量が0.010mの場合には、設計上の最大積載時
におけるばね板に作用する荷重Wを加えてばね板の撓み
が10mm以上の入力で、従来のばね板と等しく、10mm以下
の入力で、従来のばね板よりも柔らかくなる。
の換算変位量が0.010mの場合には、設計上の最大積載時
におけるばね板に作用する荷重Wを加えてばね板の撓み
が10mm以上の入力で、従来のばね板と等しく、10mm以下
の入力で、従来のばね板よりも柔らかくなる。
また、親板1の上下変位量に換算した換算変位量を、 とすると、ばね板に対して10mm以下の入力でも、従来の
ばね板と同じ硬さになり、良路での好ましい乗り心地を
確保することができない。
ばね板と同じ硬さになり、良路での好ましい乗り心地を
確保することができない。
例えば、第14図において、 の場合の変位−荷重特性を示しているが、移り部分(5m
m)が短くなり、小振幅10mm以下での対角線ばね定数が
下がらなくなる。
m)が短くなり、小振幅10mm以下での対角線ばね定数が
下がらなくなる。
従って、±5mm以上の対角線ばね定数が従来のものと同
等になり、特に、乗り心地を向上させるため下げること
が望ましいと考えられる範囲、±5mm〜±10mmでのばね
定数が従来と同等になってしまう。
等になり、特に、乗り心地を向上させるため下げること
が望ましいと考えられる範囲、±5mm〜±10mmでのばね
定数が従来と同等になってしまう。
上記の振幅と2Fの関係を第15図に示し、また、上記の振
幅と対角線ばね定数の関係を第16図に示す。
幅と対角線ばね定数の関係を第16図に示す。
第15図において、横軸に振幅Xを且つ縦軸に2Fをプロッ
トすると、振幅Xが±15mmまでは斜線で示す範囲の特性
であることが好ましく、また、振幅Xが±15mm以上では
従来のアップターンドアイ型の重ね板ばねの特性でよ
い。しかるに、振幅Xが±15mm以上の領域は、ロール及
び悪路でのばね下に影響する領域である。
トすると、振幅Xが±15mmまでは斜線で示す範囲の特性
であることが好ましく、また、振幅Xが±15mm以上では
従来のアップターンドアイ型の重ね板ばねの特性でよ
い。しかるに、振幅Xが±15mm以上の領域は、ロール及
び悪路でのばね下に影響する領域である。
第16図において、横軸に振幅Xを且つ縦軸に対角線ばね
定数をプロットすると、振幅Xが±10mm以下では斜線で
示す範囲の特性であることが好ましく、対角線ばね定数
を従来のアップターンドアイ型重ね板ばねのものよりも
下げることがよい。
定数をプロットすると、振幅Xが±10mm以下では斜線で
示す範囲の特性であることが好ましく、対角線ばね定数
を従来のアップターンドアイ型重ね板ばねのものよりも
下げることがよい。
しかるに、2Fは、ばねのヒステリシスループを求めた時
の生き返りの幅であり、ばね単位の持つ減衰性能を決定
する要素である。上記生き返りの幅2Fが小さいと、減衰
性が悪くなる。ショックアブソーバで補うことも考えら
れるが、板ばねではショックアブソーバの持つ減衰力よ
り非常に大きく、ショックアブソーバの減衰力だけでは
補えない。従って、大振幅で使用される場合は、生き返
りの幅2Fは大きい方がよい。逆に、上記生き返りの幅2F
が大きいと、対角線ばね定数が上がってしまう。従っ
て、小振幅で使われる場合は、生き返りの幅2Fは極力小
さくした方がよい。
の生き返りの幅であり、ばね単位の持つ減衰性能を決定
する要素である。上記生き返りの幅2Fが小さいと、減衰
性が悪くなる。ショックアブソーバで補うことも考えら
れるが、板ばねではショックアブソーバの持つ減衰力よ
り非常に大きく、ショックアブソーバの減衰力だけでは
補えない。従って、大振幅で使用される場合は、生き返
りの幅2Fは大きい方がよい。逆に、上記生き返りの幅2F
が大きいと、対角線ばね定数が上がってしまう。従っ
て、小振幅で使われる場合は、生き返りの幅2Fは極力小
さくした方がよい。
また、対角線ばね定数は、ばねの振動性能に影響を及ぼ
す特性であり、動的なばね定数を見做すことができる。
対角線ばね定数が高いと、硬いばねとなり、また、対角
線ばね定数が低いと、柔らかいばねとなる。重ね板ばね
の場合には、大きな摩擦(2Fに相当)が存在するため、
小振幅での対角線ばね定数が上がり、硬い乗り心地の悪
いものとなる。従って、小振幅では対角線ばね定数を下
げるため、小振幅での2Fを下げる必要がある。
す特性であり、動的なばね定数を見做すことができる。
対角線ばね定数が高いと、硬いばねとなり、また、対角
線ばね定数が低いと、柔らかいばねとなる。重ね板ばね
の場合には、大きな摩擦(2Fに相当)が存在するため、
小振幅での対角線ばね定数が上がり、硬い乗り心地の悪
いものとなる。従って、小振幅では対角線ばね定数を下
げるため、小振幅での2Fを下げる必要がある。
上記のことから、この発明による重ね板ばねについて
は、車両がコーナリング時のロール及び悪路において、
ばね下のバタツキが抑えるためには、振幅Xが±15mm以
上では、2Fは従来の重ね板ばねのものと同等にすること
が好ましく、また、良路、継ぎ目路での車両の乗り心地
を向上させるためには、振幅Xが±10mm以下では、対角
線ばね定数を従来の重ね板ばねのものより下げる事が好
ましい。これについてグラフで示すと、第17図及び第18
図のようになる。ここで、目玉部分の回転角を親板と該
親板に接する子板との接触部位における変位量Xを換算
したばねの換算変位量をSで表すと、次式のようにな
る。
は、車両がコーナリング時のロール及び悪路において、
ばね下のバタツキが抑えるためには、振幅Xが±15mm以
上では、2Fは従来の重ね板ばねのものと同等にすること
が好ましく、また、良路、継ぎ目路での車両の乗り心地
を向上させるためには、振幅Xが±10mm以下では、対角
線ばね定数を従来の重ね板ばねのものより下げる事が好
ましい。これについてグラフで示すと、第17図及び第18
図のようになる。ここで、目玉部分の回転角を親板と該
親板に接する子板との接触部位における変位量Xを換算
したばねの換算変位量をSで表すと、次式のようにな
る。
第17図において、ばねの換算変位量Sの値と振幅が±15
mmの時の2Fの関係を示す。横軸にばねの換算変位量Sの
値を且つ縦軸を振幅Xが±15mmでの2Fの値をプロットす
る。即ち、振幅Xが±15mm以上での2Fを従来の重ね板ば
ねと同等のものを確保するには、ばねの上下変位量S
は、0.015mm以下でなければならない。
mmの時の2Fの関係を示す。横軸にばねの換算変位量Sの
値を且つ縦軸を振幅Xが±15mmでの2Fの値をプロットす
る。即ち、振幅Xが±15mm以上での2Fを従来の重ね板ば
ねと同等のものを確保するには、ばねの上下変位量S
は、0.015mm以下でなければならない。
第18図において、ばねの換算変位量Sの値と振幅が±10
mmの時の対角線ばね定数の関係を示す。横軸にばねの換
算変位量Sの値を且つ縦軸を振幅Xが±10mmでの対角線
ばね定数の値をプロットする。即ち、振幅Xが±10mm以
下での対角線ばね定数を下げるには、ばねの換算変位量
Sは、0.010m以上でなければならない。
mmの時の対角線ばね定数の関係を示す。横軸にばねの換
算変位量Sの値を且つ縦軸を振幅Xが±10mmでの対角線
ばね定数の値をプロットする。即ち、振幅Xが±10mm以
下での対角線ばね定数を下げるには、ばねの換算変位量
Sは、0.010m以上でなければならない。
それ故に、この発明による重ね板ばねを構成する親板1
の構造は、ばね板の換算変位量が次式を満足する構造に
構成することが好ましいものとなる。
の構造は、ばね板の換算変位量が次式を満足する構造に
構成することが好ましいものとなる。
〔発明の効果〕 この発明による重ね板ばねは、上記のように構成されて
おり、次のような効果を有する。即ち、この重ね板ばね
は、両端に目玉を有する親板と子板から成り、中央部が
互いに固定され前記親板の目玉と子板の両端部が互いに
相対変位可能に接触して構成された重ね板ばねにおい
て、前記親板の目玉と子板のの接触部位が荷重下におい
て相対的にすべりを発生することなく前記親板が弾性変
形する変位量を、前記親板の中央部位の支点の上下変位
量に換算した換算変位量が0.010m〜0.015mの範囲内に存
在するように設定した構造を有するので、重ね板ばねの
動ばね定数特性を理想形に設定することができ、ばね板
の小振幅でのフリクションを抑えてソフトな乗り心地を
得て、且つ大振幅でのフリクションを従来と同様に十分
な大きさを得て、安定性の高い剛性感の得られる重ね板
ばねを提供できる。
おり、次のような効果を有する。即ち、この重ね板ばね
は、両端に目玉を有する親板と子板から成り、中央部が
互いに固定され前記親板の目玉と子板の両端部が互いに
相対変位可能に接触して構成された重ね板ばねにおい
て、前記親板の目玉と子板のの接触部位が荷重下におい
て相対的にすべりを発生することなく前記親板が弾性変
形する変位量を、前記親板の中央部位の支点の上下変位
量に換算した換算変位量が0.010m〜0.015mの範囲内に存
在するように設定した構造を有するので、重ね板ばねの
動ばね定数特性を理想形に設定することができ、ばね板
の小振幅でのフリクションを抑えてソフトな乗り心地を
得て、且つ大振幅でのフリクションを従来と同様に十分
な大きさを得て、安定性の高い剛性感の得られる重ね板
ばねを提供できる。
即ち、ばね板の小振幅領域ではフリクションが少なくな
り且つスパン変化が大きい大振幅領域では通常の板間滑
り摩擦に支配される特性を得ることができる。
り且つスパン変化が大きい大振幅領域では通常の板間滑
り摩擦に支配される特性を得ることができる。
従って、この発明による重ね板ばねについては、該重ね
板ばねを車両に適用することによって、車両の乗り心地
特性、特に、小振幅領域において理想的なフリクション
特性を得ることができことによって、従来のように減衰
力の制御を行う必要がなく、また、大振幅領域では、従
来以上にフリクションを増すことも可能となるため、ロ
ール時のスタビライザの必要性も薄れる等、多大な効果
を奏することができる。
板ばねを車両に適用することによって、車両の乗り心地
特性、特に、小振幅領域において理想的なフリクション
特性を得ることができことによって、従来のように減衰
力の制御を行う必要がなく、また、大振幅領域では、従
来以上にフリクションを増すことも可能となるため、ロ
ール時のスタビライザの必要性も薄れる等、多大な効果
を奏することができる。
第1図はベルリン形目玉を持つ重ね板ばねの一例を示す
概略図、第2図はアップターンドアイを持つ重ね板ばね
の一例を示す説明図、第3図はこの発明による重ね板ば
ねの親板と子板との作動状態を示す説明図、第4図はこ
の発明による重ね板ばねの親板の一部を示す説明図、第
5図はこの発明による重ね板ばねの親板の一部を示す説
明図、第6図はこの発明による重ね板ばねの親板のワイ
ンドアップの際の上下変位量を説明する線図、第7図は
この発明による重ね板ばねの荷重−撓み特性を示すグラ
フ、第8図はこの発明による重ね板ばねの振幅と対角線
ばね定数との関係を示すグラフ、第9図はこの発明によ
る重ね板ばねの振幅とフリクションとの関係を示すグラ
フ、第10図は従来の重ね板ばねの荷重−撓み特性を示す
グラフ、第11図は従来の重ね板ばねの振幅と対角線ばね
定数との関係を示すグラフ、第12図は従来の重ね板ばね
の振幅とフリクションとの関係を示すグラフ、第13図は
この発明による重ね板ばねの荷重−撓み特性を示すグラ
フ、第14図は従来の重ね板ばねの荷重−撓み特性を示す
グラフ、第15図は振幅と2Fの関係を示す説明図、第16図
は振幅と対角線ばね定数の関係を示す説明図、第17図は
ばねの換算変位量の値と振幅が±15mmの時の2Fの関係を
示す説明図、及び第18図はばねの換算変位量の値と振幅
が±10mmの時の対角線ばね定数の関係を示す説明図であ
る。 1,8……親板、2,9……目玉、3……子板、4……センタ
ボルト、6……平らなばね板部分、7……湾曲連結部、
10……Uボルト。
概略図、第2図はアップターンドアイを持つ重ね板ばね
の一例を示す説明図、第3図はこの発明による重ね板ば
ねの親板と子板との作動状態を示す説明図、第4図はこ
の発明による重ね板ばねの親板の一部を示す説明図、第
5図はこの発明による重ね板ばねの親板の一部を示す説
明図、第6図はこの発明による重ね板ばねの親板のワイ
ンドアップの際の上下変位量を説明する線図、第7図は
この発明による重ね板ばねの荷重−撓み特性を示すグラ
フ、第8図はこの発明による重ね板ばねの振幅と対角線
ばね定数との関係を示すグラフ、第9図はこの発明によ
る重ね板ばねの振幅とフリクションとの関係を示すグラ
フ、第10図は従来の重ね板ばねの荷重−撓み特性を示す
グラフ、第11図は従来の重ね板ばねの振幅と対角線ばね
定数との関係を示すグラフ、第12図は従来の重ね板ばね
の振幅とフリクションとの関係を示すグラフ、第13図は
この発明による重ね板ばねの荷重−撓み特性を示すグラ
フ、第14図は従来の重ね板ばねの荷重−撓み特性を示す
グラフ、第15図は振幅と2Fの関係を示す説明図、第16図
は振幅と対角線ばね定数の関係を示す説明図、第17図は
ばねの換算変位量の値と振幅が±15mmの時の2Fの関係を
示す説明図、及び第18図はばねの換算変位量の値と振幅
が±10mmの時の対角線ばね定数の関係を示す説明図であ
る。 1,8……親板、2,9……目玉、3……子板、4……センタ
ボルト、6……平らなばね板部分、7……湾曲連結部、
10……Uボルト。
Claims (1)
- 【請求項1】両端に目玉を有する親板と子板から成り、
中央部が互いに固定され且つ前記親板の前記目玉と前記
子板の両端部が互いに相対変位可能に接触して構成され
た重ね板ばねにおいて、前記親板の前記目玉と前記子板
との接触部位が荷重下において相対的にすべりを発生す
ることなく前記親板が弾性変形する変位量を、前記親板
の中央部位の支点の上下変位量に換算した下記式で表さ
れる換算変位量が0.010m〜0.015mの範囲内に存在するよ
うに設定した構造を有することを特徴とする重ね板ば
ね。 但し、P;設計上の最大積載時におけるばね板に作用する
荷重Wをばね板全体に与えた時の親板と子板の接触力、
μ;ばね板間の摩擦係数、L;親板のUボルトと接触点と
の間の距離、H;Uボルト締付け部分での親板と子板との
間の距離、R;親板の目玉の外径の半径、R′;親板の板
厚中心と接触点との間の距離、Kw;親板の剛性。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13267589A JPH0718463B2 (ja) | 1989-05-29 | 1989-05-29 | 重ね板ばね |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13267589A JPH0718463B2 (ja) | 1989-05-29 | 1989-05-29 | 重ね板ばね |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03334A JPH03334A (ja) | 1991-01-07 |
JPH0718463B2 true JPH0718463B2 (ja) | 1995-03-06 |
Family
ID=15086876
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13267589A Expired - Fee Related JPH0718463B2 (ja) | 1989-05-29 | 1989-05-29 | 重ね板ばね |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0718463B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4573756B2 (ja) * | 2005-11-18 | 2010-11-04 | 財団法人鉄道総合技術研究所 | 車両の防振装置 |
JP5089494B2 (ja) * | 2008-06-04 | 2012-12-05 | 日野自動車株式会社 | サスペンション装置 |
CN113216645B (zh) * | 2021-06-01 | 2022-09-09 | 中国建筑第二工程局有限公司 | 一种冷弯型大跨度钢骨结构架的施工方法 |
-
1989
- 1989-05-29 JP JP13267589A patent/JPH0718463B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03334A (ja) | 1991-01-07 |
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