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JPH07179024A - インクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録方法

Info

Publication number
JPH07179024A
JPH07179024A JP32857993A JP32857993A JPH07179024A JP H07179024 A JPH07179024 A JP H07179024A JP 32857993 A JP32857993 A JP 32857993A JP 32857993 A JP32857993 A JP 32857993A JP H07179024 A JPH07179024 A JP H07179024A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
emulsion
ink
resin
wax
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32857993A
Other languages
English (en)
Inventor
Michiya Tsukahara
道也 塚原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP32857993A priority Critical patent/JPH07179024A/ja
Publication of JPH07179024A publication Critical patent/JPH07179024A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 転写型インクジェットプリンタにおいて、耐
水性に優れ、かつ表面が硬く、また記録媒体に強固に接
着された高印字品質の印字物を得る。 【構成】 分子量が5、000以下の樹脂またはワック
スを分散した第1のエマルジョンと、分子量が100、
000以上樹脂を分散した第2のエマルジョンを含有す
るインク像5を、転写媒体上で第1のエマルジョンの軟
化温度、かつ第2のエマルジョンのMFT温度以上の温
度に加熱した後、転写媒体上のインク像5を記録媒体に
転写する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録ヘッドからインク
滴を吐出させ転写媒体上にインク像を形成した後、記録
媒体に転写し、記録媒体上にインク像を得る転写型イン
クジェットプリンタの記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の、インク滴を記録媒体上に吐出さ
せて記録像を書き込む形式のインクジェット記録方式
は、機構が簡単でしかも騒音が発生しない点で優れてい
るが、記録媒体の違い、例えば被転写紙の紙質の違いに
より印字状態が違うといった印字品質上の問題を有する
ほか、被転写紙排出の際に未乾燥状態の記録像を乱して
しまうといった問題を有している。
【0003】このような問題に対して本出願人が特開昭
62−92849号公報において提案した装置は、米国
特許第4538156号明細書に示された転写式プリン
タを基礎として改良し、インク滴を一旦転写媒体上に吐
出し、ここでインク滴中の大半の水分を蒸発させて、濃
縮したインクを紙等の記録媒体上に転写するようにした
ものである。さらに、米国特許第5099256号明細
書に印字品質を向上した同様なプリンタが提案され、前
述した問題を解消できるばかりでなく、きわめて鮮明な
画像形成を可能にした。
【0004】また、樹脂エマルジョンを用いたインクの
従来例としては、特公昭62−1426号公報、特開平
4−18462号公報には、記録媒体上に形成されたイ
ンク画像の定着性、堅牢性を目的とした、水と顔料と水
不溶性合成樹脂エマルジョンからなるインク構成が記載
されている。
【0005】更に、本出願人は特開平3−160068
号公報において、樹脂エマルジョンを含有し最低造膜温
度が40℃以上のインク組成を、また特開平5−125
4号公報においては最低造膜温度30℃以上のエマルジ
ョンを含有するインクを用いた記録方法を提案し、普通
紙対応性の向上、ノズルの目詰まり防止、保存信頼性の
確保、速乾性の向上、を可能にするインク及び記録方法
を提案した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
転写型プリンタ、また従来の樹脂エマルジョンを含有す
るインクを用いた従来の転写型プリンタのでは、以下の
問題点があった。
【0007】その問題点は、印字物上に水滴が付着した
状態で長時間放置されたのち、印字物を触れた場合、ま
たは水を含んだ物で印字物表面を擦った場合には、印字
直後では高品質であった印字物の印字品質が劣化してし
まうという点である。
【0008】本発明は以上の問題点を解決するもので、
その目的は、印字物が水と長時間接触した後に擦られた
り、水を含んだ物で表面を強く擦ったりしても、高印字
品質を維持することが可能な新たなインクジェット記録
方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録方法は、少なくとも水と着色材と、分子量が5、0
00以下の樹脂またはワックスを水中に分散した第1の
エマルジョンと、分子量が100、000以上の樹脂を
水中に分散した第2のエマルジョンとを含有するインク
を、記録ヘッドからインク滴として吐出させ、表面温度
を上記第1のエマルジョンの樹脂及び/またはワックス
の軟化温度以上、かつ第2のエマルジョンのMFT(最
低造膜温度)以上の温度に加熱した転写媒体上にインク
像を書き込む工程と、前記温度にてこのインク像を加熱
する工程と、転写媒体上のインク像を記録媒体に転写す
る転写工程とを経ることを特徴とする。
【0010】また、第1のエマルジョン中に分散された
樹脂またはワックスの軟化温度、また第2のエマルジョ
ンのMFTが、50℃から130℃の範囲であり、転写
媒体の表面温度が50℃〜180℃の範囲であることが
好まく、第1のエマルジョン中の樹脂及び/またはワッ
クス成分と、第2のエマルジョン中の樹脂成分のインク
中での重量比が、1:5〜3:1であることが好まし
い。
【0011】さらに、第1のエマルジョンが、ポリエチ
レン、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、パラフィンワックスから選ばれた樹脂またはワック
スを水中に分散した、1種または複数種のエマルジョン
からなり、第2のエマルジョンが、スチレン・アクリル
酸アルキルエステル共重合体、スチレン・(メタ)アク
リル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸アルキル
エステル・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合
体、ポリアクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル、ポリスチレン、スチレン・
アクリルアミド共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、酢酸ビニル・アクリル酸アルキル共重合体、三次元
架橋樹脂から選ばれる樹脂を水中に分散した、一種また
は複数種からなることを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明のインクジェット記録方法では、インク
中に少なくとも水と着色材と、分子量が5、000以下
の樹脂またはワックスを水中に分散した第1のエマルジ
ョンと、分子量が100、000以上の樹脂を水中に分
散した第2のエマルジョンとを併せて含有するインク像
を転写媒体上に形成し、転写媒体の表面温度を上記第1
のエマルジョンの樹脂またはワックスの軟化温度、かつ
第2の樹脂エマルジョンのMFT温度以上の温度に加熱
した後に、転写媒体上のインク像を記録媒体に転写する
ことにより、耐水性に優れ、かつ表面が硬く、また記録
媒体に強固に接着された高印字品質の印字物が形成でき
る。
【0013】ここで、軟化点とはは樹脂またはワックス
が固相から液相への相変化を起こす温度であるが、溶融
温度、Tgで代用しても構わない。
【0014】またMFTとはエマルジョン樹脂が連続皮
膜を形成する温度である。
【0015】本記録方法に用いられるインクは、上記の
第1のエマルジョンと第2のエマルジョンを混合して用
いることに特徴がある。
【0016】なかでもインク中の第1のエマルジョンの
樹脂及び/またはワックス成分と、第2のエマルジョン
中の樹脂成分の重量比が、1:5〜3:1であると、よ
り優れた印字物強度が得られる。即ち、第1のエマルジ
ョン中の樹脂及び/またはワックス成分は、その軟化点
以上の温度に加熱することにより、主として記録媒体へ
の接着力と耐水性を付与する。また第二のエマルジョン
中の樹脂はそのMFT以上の温度に加熱することによ
り、主として印字物の硬度と耐水性を付与する。さらに
両者を、好ましくは上記の比率で混合して用いることに
より、印字物の耐水性、硬度、接着性のすべてを満足で
き、いかなる状況で水と接触しようとも初期の高印字品
質を確保できる。従って、どちらか一方のみではそれら
の特性が十分得られない。
【0017】なかでもインク中の第1のエマルジョンの
樹脂及び/またはワックス成分と、第2のエマルジョン
中の樹脂成分の重量比が、1:5〜3:1であると、よ
り優れた印字物強度が得られる。
【0018】第1の樹脂またはワックスエマルジョンの
樹脂またはワックス成分の分子量は5,000(重量平
均分子量)以下であることが好ましく、これより大きく
なると軟化点以上の温度で加熱しても十分な接着力が得
られない。また軟化点が高くなってしまい、過剰な加熱
エネルギーが必要になってしまうため、好ましくない。
【0019】第2の樹脂エマルジョンの樹脂の分子量は
100,000(重量平均分子量)以上が好ましく、こ
れ以下の分子量ではMFT以上の温度に加熱しても十分
な硬度、耐水性が得られず、好ましくない。従って、第
1の樹脂またはワックスエマルジョンの分子量は5,0
00以下、また第2の樹脂エマルジョンの分子量は10
0,000以上が好ましい。
【0020】第1のエマルジョン中の樹脂またはワック
スの軟化温度、また第2のエマルジョンのMFTが50
℃〜130℃の範囲であることが好ましく、転写媒体の
表面温度が50℃〜180℃の範囲であることが好まし
い。インクに含まれる第1のエマルジョンの樹脂または
ワックスの軟化温度、または第2の樹脂エマルジョンの
MFTが50℃未満の場合、環境温度によってインクの
ゲル化等の発生が予測され、保存信頼性の確保ができな
いことが懸念される。また、加熱された転写媒体からの
熱や、周囲の環境温度により、ノズルからのインク成分
の蒸発で樹脂エマルジョンが皮膜を形成してしまった場
合には、吐出不良が発生するので好ましくない。
【0021】更に、第1のエマルジョンの樹脂またはワ
ックスの軟化温度、または第2の樹脂エマルジョンのM
FTが130℃を超える場合、転写媒体の表面温度を1
80℃を超えるレベルまで上げる必要が生ずる。その場
合には、転写媒体近傍に設置されているヘッドの温度が
上昇し、ノズルから溶媒成分が蒸発し増粘することによ
る吐出不良を引き起こし、ヘッドの信頼性が低下する。
【0022】従って転写媒体の表面温度は50℃〜18
0℃が望ましく、第1のエマルジョン中の樹脂またはワ
ックスの軟化温度、また第2の樹脂エマルジョンのMF
Tも50℃〜130℃の範囲であることが好ましい。
【0023】
【実施例】まず、本発明のインクジェット記録方法の実
施例を詳細に説明する。
【0024】図1は、本発明の転写型インクジェットプ
リンタの特徴的な実施例の構成を示す斜視図であり、図
2は図1の断面図である。転写媒体である転写ドラム1
の周囲に、回転方向上流側からインクジェット記録ヘッ
ド2、転写手段であるバックアップローラ3、また必要
に応じて転写ドラム上の付着物を除去するクリーナー8
が配置されている。また、転写ドラム1の内部には、加
熱手段7が配置されている。
【0025】記録ヘッド2は圧電素子を用いる形式のイ
ンクジェット記録ヘッドであり、複数個のノズルを転写
ドラム1の軸方向に有している。記録ヘッド2には、イ
ンク容器21が接続され、必要に応じてインクが供給さ
れる。
【0026】転写ドラム1は、金属素管11の周囲にシ
リコーンゴムからなる弾性層12を積層したものであ
る。弾性層12は、ゴム材が適しており、その中でも、
インク像を剥離し易い良離型性材料でかつ耐熱性、耐久
性を有する材質が望ましく、シリコーンゴム、フッ素樹
脂、フルオロシリコーンゴム等、またはそれらの変性品
が好ましい。またその他の材料としてクロロプレンゴ
ム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴ
ム、スチレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、
エチレン/プロピレン/ブタジエンポリマー、ニトリル
ブタジエンゴム等も用いることができる。
【0027】さらには、前記各種ゴム材の表層(インク
層担持面)に各種良離型性のコーテイング材を塗工して
弾性層12を形成してもよい。コーテイング材として
は、シリコーン系コーテイング、フッ素系コーテイング
が好ましい。
【0028】バックアップローラ3はアルミニウムの金
属ローラであり、図示しない転写圧力印加装置により転
写ドラム1に押圧及び押圧解除できる構成になってい
る。押圧時は記録紙6を介して図中矢印Bの方向に、転
写ドラム1の周速と同一速度で回転する。転写荷重は、
本実施例では約0.6kg重/cmである。
【0029】クリーナー8はフェルトにより構成され、
図示しない当接機構により転写ドラム1に所定の圧力で
当接されている。
【0030】加熱手段7は、棒状のハロゲンランプ15
と、楕円面を内面に有するリフレクター16とによって
構成され、ハロゲンランプ15を上記リフレクタ16の
第1焦点に配置している。
【0031】本実施例では、転写媒体の表面温度を、第
1のエマルジョンの樹脂またはワックスの軟化温度、第
2のエマルジョンのMFTに応じ、60℃、120℃、
180℃の3水準に設定した。
【0032】本発明の記録方法に用いられているインク
は、インク中に分子量が5、000以下の第1のエマル
ジョン中の樹脂またはワックスと、分子量が100、0
00以上の第2のエマルジョン中の樹脂を併せて含有
し、第1のエマルジョン中の樹脂またはワックスの軟化
温度、また第2のエマルジョンのMFT、が50℃〜1
30℃の範囲である。
【0033】具体的に以下にインク組成を示す。
【0034】(インク組成物1)
【0035】
【表1】
【0036】インクの製造は以下の手順で行ったがこれ
に限定されるものではない。着色剤と分散剤からなる水
分散液が単分散状態になったことを顕微鏡観察により確
認し、そこへ樹脂エマルジョン、ジエチレングリコール
を添加し、さらに30分混合攪はんし完全に均一混合さ
せる。その後防腐剤等の添加物を加え完全溶解を確認し
た後、その分散液を孔径10μmのメンブランフィルタ
ーにて濾過してゴミ及び粗大粒子を除去し記録用インク
を得た。最後にもう一度濾過操作を行うことは不純物混
合防止に効果的である。
【0037】次に動作について説明する。
【0038】最初にインク像書き込み工程を説明する。
図3は、インク像書き込みの様子を示す図である。本実
施例に用いた記録ヘッド2は、印字領域Lの全域にわた
ってノズルを有したライン状の記録ヘッドであり、転写
ドラム1の1回転で1ページ分のインク像書き込みを行
なう。記録ヘッド2のノズルから記録信号に応じて選択
的にインク滴5を吐出し所望のインク像50を形成す
る。
【0039】次に、転写ドラム1上に記録ヘッド2によ
り形成されたインク像50(インク滴5)は、加熱手段
7によりインクを構成する第1のエマルジョンの樹脂及
び/またはワックスの軟化温度以上、かつ第2のエマル
ジョンのMFT以上の温度に加熱される。加熱手段7は
図示しない温度検出器により転写媒体の表面温度が所定
温度の範囲に収まるよう制御される。転写ドラム1上の
インク像は急激に加熱されて、溶媒成分が蒸発し、第1
のエマルジョンの樹脂及び/またはワックスが軟化、ま
た第2エマルジョン樹脂が造膜することにより、接着力
があり100%転写が可能な内部凝集力の強いインク膜
を形成する。
【0040】本実施例のインクに含まれるエマルジョン
の軟化温度、またMFTは、50〜130℃であり、加
熱温度はそのMFT+5〜50℃が好ましい。
【0041】第2エマルジョンのMFTが高すぎる場
合、ブチルカルビトール、エチルカルビトール、トリエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール等の有機溶
媒を造膜助剤として添加してMFTを低く調節しても構
わない。ただし、インク組成物としてのMFTが50℃
以上であることが好ましい。
【0042】次に転写ドラム1とバックアップローラ3
との当接部に記録紙6を通過させ、印加される圧力によ
って、転写ドラム1上のインク像50を記録紙6に転写
する。この時、インク像は一様な粘着力を保っているた
めに、低圧力で記録紙6上に画像を得ることができる。
【0043】更に詳しく説明すると、インク像50は、
加熱により接着力のある膜状態にあり、記録紙6に接触
すると同時に、バックアップローラ3によって圧力が印
加されることにより、インクが記録紙の繊維の凹凸に食
い込んで接着する。さらに溶媒が完全に除去された時点
で強固な接着性を有すインク像を記録紙6上に得ること
ができる。
【0044】ここで低圧力とは、装置の小型化、転写ド
ラム1やバックアップローラ3等の構成部品の低コスト
化、さらには転写ドラム表面の弾性層の耐久性の向上の
為に1kg重/cm以下が好ましく、さらに望ましくは
0.6kg重/cm以下が好ましい。
【0045】転写ドラム1は記録紙6へのインク像の転
写が終了すると、回転につれてクリーナー8と当接する
部分に移動し、転写ドラム1上の残留インクが除去され
る。
【0046】また、図4は本実施例に用いることのでき
る別の転写ドラムの構成を示す図である。転写ドラム1
8は金属素管10の上に断熱層13を設け、その上に加
熱手段であるシートヒーター層19を設け、さらにその
上層に上述した材質によって構成される弾性層17を設
けた構成である。これは、転写ドラムに加熱手段を一体
で形成した構成を示すものである。
【0047】上記の構成に加え、記録媒体上のインク像
の定着強度を向上させるため、また溶媒の蒸発を促進す
る為に、ロール加熱、ランプ加熱等の熱定着手段をもち
いることができる。
【0048】次に本発明の上記実施例に適応できるイン
クの具体的組成例を示す。
【0049】従来からインク用溶媒としては、低粘度で
あること、安全性に優れること、取扱が容易であるこ
と、コストが安いこと、臭気が無いこと等の理由より主
に水が用いられる。インク材料としてはイオン交換、蒸
留等の精製工程を経た純水または超純水が望ましい。
【0050】また本インクにノズルの耐目詰まり性、保
湿性、分散安定性の効果を付与するために親水性高沸点
低揮発性溶媒が加えられる。尚、前記の造膜助剤として
の有機溶媒も本目的で加えることもできる。本インクに
用いられる親水性高沸点低揮発性溶媒としては、グリセ
リン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール等の高沸点低
揮発性の多価アルコール類が用いられ、あるいはそれら
のモノエーテル化物、ジエーテル化物、エステル化物、
例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が用いら
れ、その他Nメチル2ピロリドン、1.3ージメチルイ
ミダゾリジノン、モノエタノールアミン、N,N−ジメ
チルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノー
ルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノー
ルアミン等の含窒素有機溶剤等の水溶性有機溶剤を印字
の流れ、にじみが生じない範囲で添加することが出来
る。
【0051】また主溶媒である水に対して、乾燥性、定
着性の向上を目的として、エタノール、プロパノール、
イソプロパノール、ブタノール、等の高揮発性の一価の
アルコールも少量ならば添加することが出来る。
【0052】着色材剤としては顔料、水溶性染料、分散
染料、非水溶性染料(樹脂エマルジョンと混練添加する
場合)、が用いられ、主溶媒である水との親和性がよい
ものまたは、分散剤等の併用により均一分散が可能であ
るものであれば使用できる。
【0053】本インクに用いることができる顔料として
は、有機顔料、無機顔料等が挙げられ、例えば、黒色用
としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセ
チレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラ
ック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、
鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等
の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラ
ック1)等の有機顔料が挙げられる。 更にカラー用と
しては C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、3、1
2(シ゛スアソ゛イエローAAA)、13、14、17、24、3
4、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、8
1、83(シ゛スアソ゛イエローHR)、95、97、98、10
0、101、104、108、109、110、11
7、120、138、153、C.I.ピグメントオレ
ンジ5、13、16、17、36、43、51、C.
I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(フ゛
リリアントファーストスカーレット)、23、31、38、48:2(ハ゜ー
マネントレット゛2B(Ba))、48:2(ハ゜ーマネントレット゛2B(Ca))、4
8:3(ハ゜ーマネントレット゛2B(Sr))、48:4(ハ゜ーマネントレット゛2B
(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(フ゛リリアン
トカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81
(ロータ゛ミン6Gレーキ)、83、88、101(べんがら)、
104、105、106、108(カト゛ミウムレット゛)、11
2、114、122(キナクリト゛ンマセ゛ンタ) 、123、146、149、166、168、170、
172、177、178、179、185、190、1
93、209、219、C.I.ピグメンバイオレット
1(ロータ゛ミンレーキ)、3、5:1、16、19(キナクリト゛ンレット
゛)、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、
15(フタロシアニンフ゛ルーR)、15:1、15:2、15:3(フ
タロシアニンフ゛ルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンフ゛ルーE)、
16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメン
トグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、
等、その他顔料表面を樹脂等で処理したグラフトカーボ
ン等の加工顔料等が使用できる。その添加量は、0.5
〜30重量%が好ましいが、さらには1.0〜12重量
%が好ましい。粒子経は25μm以下から用いることが
できるが、平均粒子径が1μm以下の粒子からなる顔料
を用いることが好ましく、さらには平均粒子径が0.5
μm以下が望ましい。
【0054】またこれらの着色剤均一分散するために
は、必要により分散剤を顔料に対し0.5〜200wt
%添加することができ、さらに好ましくは1〜50wt
%、特に好ましくは10〜30wt%添加することがで
き、さらにボールミル等で分散処理されることが望まし
い。
【0055】本インクに用いられる水溶性染料として
は、直接染料、酸性染料、塩基性染料、食用染料等が用
いられる。
【0056】また非水溶性染料も本インク中に分散する
か、または樹脂中に混合または溶解して用いることもで
きる。
【0057】これら染料の添加量は、染料の種類、溶媒
成分の種類、インクに対し要求されている特性等に依存
して決定されるが、一般にはインク全重量に対し0.2
〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%の範囲が良
い。
【0058】本インクに用いる第1エマルジョンとして
は分子量が5,000以下のもので、軟化温度が50℃
〜130℃であるものが用いられ、より好ましくは分子
量は1,000〜3,000、軟化温度は60℃〜10
0℃のものが用いられ、1種、または、2種以上を混合
して用いることができる。
【0059】その添加量は、良好な耐水性と接着強度を
得る為に、エマルジョン中の固形分がインク全固形分に
対し、重量比で2%以上であることが好ましい。2%未
満であると、十分な接着効果が得られない。ただしエマ
ルジョンの添加量を増加させていくことで、インクの信
頼性が低下していくので、固形分はインク全体に対し3
0重量%程度に抑えるのが好ましい。
【0060】第1のエマルジョンの樹脂またはワックス
としては、ポリエチレン、カルナバワックス、パラフィ
ンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタン
ワックス、アルコールワックス、合成酸化ワックス、α
オレフィン−無水マレイン酸共重合体等を用いることが
出来る。
【0061】本インクに用いる第2のエマルジョンの樹
脂としては分子量が100,000以上のもので、MF
Tが50℃〜130℃のものが好ましく、さらには分子
量は200,000〜1000,000、MFTは60
℃〜100℃のものを用いることがで好ましい。
【0062】その添加量は、良好な耐水性とインク像強
度を得る為に、エマルジョン中の固形分がインク全固形
分に対し、重量比で5%以上であることが好ましい。5
%未満であると、十分なインク像の強度が得られない。
ただし添加量を増加させていくことで、インクの信頼性
が低下していくのでインク全体に対し、固形分で15重
量%程度に添加量を抑えるのが好ましい。
【0063】第2のエマルジョンに用いられる樹脂とし
ては、スチレン・アクリル酸アルキルエステル共重合
体、スチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共
重合体、アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル共重合体、ポリアクリル酸アルキ
ルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル、ポリスチレン、スチレン・アクリルアミド共重合
体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル・アク
リル酸アルキル共重合体、三次元架橋樹脂から選ばれる
ことが好ましい。
【0064】また、第1のエマルジョンの樹脂及び/ま
たはワックスと、第2のエマルジョンの樹脂の重量比は
1:5〜3:1の範囲が好ましく、1:3〜1:1の範
囲がより好ましい。この混合比にすることにより、イン
ク像が加熱されることにより、印字物の耐水性、硬度、
接着性をより向上させることが可能になる。
【0065】また着色剤を強固に結着させるために、着
色剤と樹脂エマルジョンの固形分比が1:1〜1:20
の範囲がよい。
【0066】また、インクの粘着性を増して転写性を向
上させるために水溶性高分子類を混合することができ
る。
【0067】本インクに用いることのできる水溶性高分
子としては、ポリエチレンオキサイド等のポリアルキル
オキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸、にか
わ、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、アラビアゴム、
アルギン酸、メチルセルロース、カルボキシルメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルエ
ーテル、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレングリ
コール、さらにはグルコース、キシロース、スクロー
ス、マルトース、アラビノース、αーシクロデキストリ
ン、デンプン等の単糖類、二糖類、多糖類、配糖体等が
挙げられる。
【0068】さらに必要に応じ、インクを低表面張力化
し、低表面張力のゴム材質からなる転写媒体等にも濡れ
性の改善し、インク像転写媒体上でのインクのはじき、
流れを防止し、インク像を固定させるために、水溶性の
アニオン性、カチオン性、両性、ノニオン性の界面活性
剤を一種類または複数種を添加できる。
【0069】添加量としては十分な濡れ性を確保する為
に0.05〜10wt%、望ましくは0.1〜8wt%
が必要である。
【0070】例えばアニオン界面活性剤としては、高級
脂肪酸塩、高級アルキルジカルボン酸塩、高級アルコー
ル硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン
酸塩、ナフタレンスルホン酸の塩(Na、K、Li、C
a)ホルマリン重縮合物、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合
物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルス
ルホコハク酸塩、ナフテン酸塩等、アルキルエーテルカ
ルボン酸塩、アシル化ペプチド、α−オレフィンスルホ
ン酸塩、N−アシルメチルタウリン、アルキルエーテル
硫酸塩、第二級高級アルコールエトキシサルフェート、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、
モノグリサルフェート、アルキルエーテル燐酸エステル
塩、アルキル燐酸エステル塩等があるがこれらに限定さ
れるものではない。
【0071】カチオン界面活性剤としては、脂肪族アミ
ン塩、第4アンモニウム塩、スルホニウム塩、ホスフォ
ニウム塩等があるがこれらに限定されるものではない。
【0072】両性界面活性剤としてはカルボキシベタイ
ン型、アミノカルボン酸塩、レシチン等があるがこれら
に限定されるものではない。
【0073】ノニオン界面活性剤としては、フッ素系、
シリコーン系、アクリル酸共重合物、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエー
テル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオ
キシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホル
マリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルポリオ
キシエチレン化合物の脂肪酸エステル型、ポリエチレン
オキサイド縮合型ポリエチレングリコール脂肪酸エステ
ル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エス
テル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコー
ル脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アル
カノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポ
リオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキ
サイド等があるがこれらに限定されるものではない。
【0074】その他必要に応じて、リン酸二水素カリウ
ム、リン酸水素二ナトリウム等のpH調整剤、防カビ、
防腐、防錆等の目的で安息香酸、ジクロロフェン、ヘキ
サクロロフェン、ソルビン酸、p−ヒドロキシ安息香酸
エステル、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、デヒ
ドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベゾチアゾリン−3−オ
ン(製品名:プロキセルXLII(ICI製))、3,4
−イソチアゾリン−3−オン等を含むことができる。さ
らにノズル乾燥防止の目的で、尿素、チオ尿素、エチレ
ン尿素等を添加することができる。
【0075】またインク物性としてはヘッドからの安定
吐出、ヘッドへの安定インク供給を確保する為に、50
mPa・秒以下であることが望ましく、さらに望ましく
は25mPa・秒以下が良い。以下に説明するインク組
成例はいずれもこの範囲の粘度に調整した。
【0076】本発明のインクジェト記録方法に用いるこ
とのできるインクの組成例を表.1に示す。組成比の数
値は、すべて重量%である。また、エマルジョンは固形
分の添加量を示した。
【0077】また、実施例1〜7は第1エマルジョンと
第2エマルジョンの添加比が、何れも1:5〜3:1の
範囲であるインクを用いた例である。
【0078】実施例6は、第1のエマルジョンの軟化温
度が50℃を下回ったエマルジョンを用いた組成のイン
クを用いた例である。
【0079】実施例4、7は、第1のエマルジョンを軟
化温度が130℃を超えるエマルジョンを用いた組成の
インクを用いた例である。
【0080】実施例8 は、第1のエマルジョンと第2
のエマルジョンの混合比率が1:5〜3:1の範囲を超
えて含有した組成のインクを用いた例である。
【0081】
【表2】
【0082】また、インクの比較例として表2に組成を
示す。
【0083】比較例1は、米国特許第4538156号
明細書中に記載されている従来例を元に作製したインク
を用いた例である。
【0084】比較例2は、第1のエマルジョンのみを含
有する組成にインクを用いた例である。尚以下のインク
の製造はインク実施例1と同様の方法で行った。
【0085】比較例3は、第2のエマルジョンのみを含
有する組成のインクを用いた例である。
【0086】比較例4は、第1のエマルジョンを分子量
が5,000超えるエマルジョンに置き換えた組成のイ
ンクを用いた例である。
【0087】比較例5は、第2のエマルジョンを分子量
が100,000を下回るエマルジョンに置き換えた組
成のインクを用いた例である。
【0088】比較例6は、転写媒体の表面温度が、第1
のエマルジョンの軟化温度よりも低い温度である例であ
る。
【0089】比較例7は、転写媒体の表面温度が、第2
のエマルジョンのMFTよりも低い温度である記録方法
例である。
【0090】以下に上記の各インクを用い、本発明の転
写型インクジェット記録方法の実施例及び比較例にて印
字試験を行った結果を示す。
【0091】評価項目は1.インク像が濡れた状態で5
分間放置したのち、インク像表面を布で軽く擦った場合
の画質劣化度合、2.湿った布でインク像を強く擦った
場合の画質劣化度合、3.ノズルの目詰まり性の3項目
について評価した。
【0092】各評価条件および判定基準は以下の通りで
ある。
【0093】1.濡れ状態のインク像を擦る 評価パターン ベタ 1ドット連続ライン、 文字 判定基準 ◎:全く画質が劣化しない ○:濃度が一部低下する △:画像の一部がとれてしまう ×:画像の大部分がとれる、または汚れる 2.湿った布でインク像を擦る 評価パターン ベタ 1ドット連続ライン、 文字 判定基準 ◎:全く画質が劣化しない ○:濃度が一部低下する △:画像の一部がとれてしまう ×:画像の大部分がとれる、または汚れる 3.ノズル目詰まり性 ○:5分間放置後、目詰まりが無い △: 〃 一部目詰まりが発生している ×: 〃 全ノズル目詰まりが発生している 上記の評価条件及び判定基準に基づき、各実施例、各比
較例について調査を行った結果を表3に示す。
【0094】
【表3】
【0095】上表に示したごとく、本発明の記録方法に
よれば、インク中に分子量が5、000以下の第1の樹
脂またはワックスエマルジョンと、分子量が100、0
00以上の第2の樹脂エマルジョンを併せて含有するイ
ンク像を転写媒体上に形成し、転写媒体の表面温度を上
記第1の樹脂またはワックスエマルジョンの樹脂または
ワックスの軟化温度、かつ第2の樹脂エマルジョンのM
FT温度以上の温度に加熱した状態で、転写媒体上のイ
ンク像を記録媒体に転写することにより、耐水性に優
れ、かつ表面が硬く、また記録媒体に強固に接着された
高印字品質の印字物が形成できる。その結果、濡れ状態
のインク像を擦ったり、湿った布でインク像を擦っても
初期の画質を維持することが可能になる。
【0096】また第1の樹脂またはワックスエマルジョ
ンの樹脂またはワックス成分の分子量は5,000(重
量平均分子量)以下であることが好ましく、これより大
きくなると軟化点以上の温度で加熱しても十分な接着力
が得られない。
【0097】第2の樹脂エマルジョンの樹脂の分子量は
100,000(重量平均分子量)以上が好ましく、こ
れ以下の分子量ではMFT以上の温度に加熱しても十分
な硬度、耐水性が得られない。
【0098】従って、第1の樹脂またはワックスエマル
ジョンの分子量は5,000以下、また第2の樹脂エマ
ルジョンの分子量は100,000以上が好ましい。
【0099】さらに、第1の樹脂またはワックスエマル
ジョン中の樹脂またはワックスの軟化温度、また第2の
樹脂エマルジョンのMFTが50℃〜130℃の範囲で
あることが好ましい。インクに含まれる第1エマルジョ
ンの樹脂またはワックスの軟化温度、または第2の樹脂
エマルジョンのMFTが50℃未満の場合、吐出不良を
引き起こし、ヘッドの信頼性の確保ができない。
【0100】更に、第1エマルジョンの樹脂またはワッ
クスの軟化温度、または第2の樹脂エマルジョンのMF
Tが130を超える場合、転写媒体の表面温度を180
℃を超える温度に設定する必要が生ずる場合があり、吐
出不良を引き起こし、ヘッドの信頼性の確保ができな
い。
【0101】従って転写媒体の表面温度は50℃〜18
0℃が望ましく、第1の樹脂またはワックスエマルジョ
ン中の樹脂またはワックスの軟化温度、また第2の樹脂
エマルジョンのMFTも50℃〜130℃の範囲である
ことが好ましい。
【0102】さらに、インクに含まれる第1のエマルジ
ョンの樹脂またはワックスと、第2のエマルジョンの樹
脂の混合比は、1:5〜3:1が好ましくこの範囲で
は、耐水性、硬度、接着性のすべてを十分に満足でき、
水と接触した場合でも初期の高印字品質を確保できる。
【0103】本発明は転写媒体上で複数のインクを重ね
あわすことが可能である為、2色プリンター、多色カラ
ープリンター、フルカラープリンターへの応用も可能で
ある。
【0104】
【発明の効果】本発明は、インク中に分子量が5、00
0以下の樹脂またはワックスを分散した第1のエマルジ
ョンと、分子量が100、000以上の樹脂を分散した
第2のエマルジョンを併せて含有するインク像を転写媒
体上に形成し、転写媒体の表面温度を上記第1のエマル
ジョンの樹脂及び/またはワックスの樹脂またはワック
スの軟化温度、かつ第2のエマルジョンのMFT温度以
上の温度に加熱した状態で、転写媒体上のインク像を記
録媒体に転写することにより、耐水性に優れ、かつ表面
が硬く、また記録媒体に強固に接着された高印字品質の
印字物が形成できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のインクジェットプリンタの構
成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例のインクジェットプリンタの構
成を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例に用いた記録ヘッドによるイン
ク像書き込みの様子を示す図である。
【図4】本発明に適用できる別の転写媒体の構成を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 :転写ドラム(転写媒体) 2 :記録ヘッド 3 :バックアップローラー(転写手段) 5 :インク像 6 :記録紙(記録媒体) 7 :加熱手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも水と着色材と、分子量が5、
    000以下の樹脂またはワックスを水中に分散した第1
    のエマルジョンと、分子量が100、000以上の樹脂
    を水中に分散した第2のエマルジョンとを含有するイン
    クを、記録ヘッドからインク滴として吐出させ、表面温
    度をインク中の第1のエマルジョンの樹脂及び/または
    ワックスの軟化温度以上、かつ第2のエマルジョンのM
    FT(最低造膜温度)以上の温度に加熱した転写媒体上
    にインク像を書き込む工程と、前記温度にてこのインク
    像を加熱する工程と、転写媒体上のインク像を記録媒体
    に転写する転写工程とを経ることを特徴とするインクジ
    ェット記録方法。
  2. 【請求項2】 第1のエマルジョン中に分散された樹脂
    またはワックスの軟化温度、また第2のエマルジョンの
    MFTが、50℃から130℃の範囲であり、転写媒体
    の表面温度が50℃〜180℃の範囲であることを特徴
    とする請求項1記載のインクジェット記録方法。
  3. 【請求項3】 インク中の、第1のエマルジョン中の樹
    脂及び/またはワックス成分と、第2のエマルジョン中
    の樹脂成分の重量比が、1:5〜3:1である請求項1
    記載のインクジェット記録方法。
  4. 【請求項4】 第1のエマルジョンが、ポリエチレン、
    カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックス、パ
    ラフィンワックスから選ばれた樹脂またはワックスを水
    中に分散した、1種または複数種のエマルジョンからな
    ることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録
    方法。
  5. 【請求項5】 第2のエマルジョンが、スチレン・アク
    リル酸アルキルエステル共重合体、スチレン・(メタ)
    アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸アル
    キルエステル・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共
    重合体、ポリアクリル酸アルキルエステル、ポリ(メ
    タ)アクリル酸アルキルエステル、ポリスチレン、スチ
    レン・アクリルアミド共重合体、エチレン・酢酸ビニル
    共重合体、酢酸ビニル・アクリル酸アルキル共重合体、
    三次元架橋樹脂から選ばれる樹脂を水中に分散した、一
    種または複数種からなることを特徴とする請求項1記載
    のインクジェット記録方法。
JP32857993A 1993-12-24 1993-12-24 インクジェット記録方法 Pending JPH07179024A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09176533A (ja) * 1995-10-06 1997-07-08 Seiko Epson Corp インクジェット記録用インク組成物及びインクジェット記録方法
JP2006008726A (ja) * 2004-06-22 2006-01-12 Tombow Pencil Co Ltd 水性修正液組成物
JP2012206488A (ja) * 2011-03-30 2012-10-25 Seiko Epson Corp インクジェット記録方法
JP2015155147A (ja) * 2014-02-20 2015-08-27 株式会社リコー 画像形成装置、及び画像形成方法

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