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JPH0717880A - オクタフルオロブタンを含む三元系共沸様組成物 - Google Patents

オクタフルオロブタンを含む三元系共沸様組成物

Info

Publication number
JPH0717880A
JPH0717880A JP16342593A JP16342593A JPH0717880A JP H0717880 A JPH0717880 A JP H0717880A JP 16342593 A JP16342593 A JP 16342593A JP 16342593 A JP16342593 A JP 16342593A JP H0717880 A JPH0717880 A JP H0717880A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
azeotrope
octafluorobutane
dihydro
ethanol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16342593A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoru Ide
哲 井手
Takahiro Matsuda
高広 松田
Tatsumi Tsuchiya
立美 土屋
Hiroichi Aoyama
博一 青山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP16342593A priority Critical patent/JPH0717880A/ja
Publication of JPH0717880A publication Critical patent/JPH0717880A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 CFC−113に代替し得るとともに、オゾ
ン層を破壊しない共沸様溶剤組成物であって、過酷な条
件下においても優れた安定性を示す組成物を提供するこ
とを主な目的とする。 【構成】 (i)1,4−ジヒドロ−1,1,2,2,
3,3,4,4−オクタフルオロブタン、(ii)メタ
ノール又はエタノール、及び(iii)ニトロメタン又
はエピクロルヒドリンからなる三元系共沸様組成物であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1,4−ジヒドロ−
1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタ
ンを含む三元系共沸様組成物に関する。
【0002】本明細書において、“%”および“部”と
あるのは、それぞれ“重量%”および“重量部”を意味
するものとする。
【0003】
【従来の技術】クロロフルオロエタン系化合物であるト
リクロロトリフルオロエタン(以下CFC−113とい
う)は、(イ)不燃性である、(ロ)生体毒性が低い、
(ハ)プラスチックス、ゴムなどの高分子物質を侵すこ
となく、油脂、グリース、ワックスなどを溶解するとい
う選択的溶解性に優れている、などの優れた特性を有し
ているので、従来から単独で或いは他の有機溶媒との混
合物乃至共沸組成物の形態で溶剤、洗浄剤などとして広
く使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、CFC−113
などの炭化水素中の水素が全て塩素およびフッ素で置換
されたクロロフルオロカーボン系化合物(以下パーハロ
カーボンという)が、地球を取り巻くオゾン層を破壊す
るという地球規模での環境汚染が問題となっており、パ
ーハロカーボンの使用量を漸次低減し、やがては全廃す
ることが緊急の課題となっている。よって、CFC−1
13に代替し得るとともに、オゾン層を破壊しない有用
な材料の開発が強く望まれている。
【0005】また、CFC−113に代替し得る単独化
合物で上記の要件をすべて満足するものはないので、そ
の用途、目的などに応じて他の有機溶剤を混合して各種
の機能を付与した混合溶剤とする試みもあるが、この様
な混合溶剤を使用するためには、使用時の液管理が容易
で、液を回収・再使用し得ることが重要であり、さらに
蒸気洗浄も可能であることが好ましい。この様な要件を
満足する混合溶剤は、共沸状態の混合物であることが好
ましいが、2種又は3種の異なった物質から共沸組成物
を得るのは容易ではない。
【0006】従来、CFC−113の代替として使用し
得る共沸混合物としては、例えば、特開平4−2133
97号公報において、約3〜5%のエタノールと約95
〜97%の1,4−ジヒドロ−1,1,2,2,3,
3,4,4−オクタフルオロブタンとを含有する共沸型
混合物が開示され、特開平5−51597号公報におい
て、エチルアルコールと1,4−ジヒドロ−1,1,
2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタンとから
なる共沸溶剤組成物が開示されている。しかしながら、
これらの二成分系の混合物は保存時の貯蔵安定性、長期
使用時の安定性などの点において満足のいくものではな
い。よって、オゾン層を破壊することなく、CFC−1
13に代替し得るものであって、より安定性に優れた共
沸混合物が望まれているのが現状である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の様な
技術の現状に鑑みて鋭意研究を進めた結果、(i)1,
4−ジヒドロ−1,1,2,2,3,3,4,4−オク
タフルオロブタン、(ii)メタノール又はエタノー
ル、及び(iii)ニトロメタン又はエピクロルヒドリ
ンからなる三元系の組成物は、CFC−113に代替し
得るものであって、オゾン層を破壊することがなく、し
かも非常に安定性に優れた共沸様混合物であることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、下記の三元系共沸様
組成物を提供するものである: 「(i)1,4−ジヒドロ−1,1,2,2,3,3,
4,4−オクタフルオロブタン、(ii)メタノール又
はエタノール、及び(iii)ニトロメタン又はエピク
ロルヒドリンからなる三元系共沸様組成物。」。
【0009】本発明組成物は、安定剤としてのニトロメ
タン又はエピクロルヒドリンを含む三元系の組成物であ
り、この様な三元系の組成物が共沸様組成物となること
は従来知られていない。かかる三元系の共沸様組成物
は、従来公知の1,4−ジヒドロ−1,1,2,2,
3,3,4,4−オクタフルオロブタンを含む二元系の
組成物と比べて高い安定性を有するものであり、過酷な
条件下においても安定性が良好で、保存時の貯蔵安定
性、長期使用時の安定性などの点においても優れた特性
を発揮する。
【0010】本明細書で使用する共沸様混合物という用
語は、二成分以上の混合物が一定圧力下において、通常
の蒸留又は蒸発により分離が起こらず、蒸気相と液相の
成分比率が実質的に近い混合物を意味するものである。
【0011】本発明で用いる1,4−ジヒドロ−1,
1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタン
は、下記の特性を有する化合物であり、オゾン層破壊の
危険性はない。
【0012】 分子式 CHF2 CF2 CF2 CHF2 分子量 202.09 沸点 44℃ オゾン破壊係数 0.0 本発明の組成物は、上記1,4−ジヒドロ−1,1,
2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタンに、メ
タノール又はエタノールと、ニトロメタン又はエピクロ
ルヒドリンを特定の割合で配合した三元系の共沸様組成
物である。具体的には、(イ)1,4−ジヒドロ−1,
1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタン9
6.2〜96.7%、メタノール3.2〜3.4%及び
ニトロメタン0.1〜0.4%からなり、常圧下36.
0〜37.0℃の沸点を有する共沸様組成物、(ロ)
1,4−ジヒドロ−1,1,2,2,3,3,4,4−
オクタフルオロブタン96.1〜96.6%、メタノー
ル3.2〜3.4%及びエピクロルヒドリン0.2〜
0.5%からなり、常圧下35.5〜36.5℃の沸点
を有する共沸様組成物、(ハ)1,4−ジヒドロ−1,
1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタン9
8.6〜99.0%、エタノール0.9〜1.0%及び
ニトロメタン0.1〜0.3%からなり、常圧下42.
5〜43.5℃の沸点を有する共沸様組成物、(ニ)
1,4−ジヒドロ−1,1,2,2,3,3,4,4−
オクタフルオロブタン98.5〜99.0%、エタノー
ル0.9〜1.0%及びエピクロルヒドリン0.1〜
0.4%からなり、常圧下42.5〜43.5℃の沸点
を有する共沸様組成物である。
【0013】本発明による組成物は、従来公知の二元系
の共沸組成物やCFC−113系混合物に比して高い安
定性を示すが、必要ならば、更に安定剤を添加しても良
い。安定剤としては、蒸留操作により同伴留出されるも
の或いは共沸混合物を形成するものが望ましい。
【0014】この様な安定剤の具体例としては、ニトロ
エタン、ニトロプロパン、ニトロベンゼン、ニトロスチ
レンなどのニトロ化合物;3−メチル−1−ブチン−3
−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オールなど
のアセチレンアルコール類;グリシドール、メチルグリ
シジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニル
グリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキシド、シク
ロヘキセンオキシドなどのエポキシド類;ジメトキシメ
タン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサ
ン、1,3,5−トリオキサンなどのエーテル類;ヘキ
セン、ヘプテン、オクテン、2,4,4−トリメチル−
1−ペンテン、ペンタジエン、オクタジエン、シクロヘ
キセン、シクロペンテンなどの不飽和炭化水素類;アリ
ルアルコール、1−ブテン−3−オール、3−メチル−
1−ブテン−3−オールなどのオレフィン系アルコール
類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、メタクリル酸ビニルなどのアクリル酸またはメ
タクリル酸エステル類;クロロ酢酸メチルエステル、ク
ロロ酢酸エチルエステル、ブロモ酢酸メチルエステル、
ブロモ酢酸エチルエステルなどのカルボン酸エステル
類;クロロアセトニトリル、ブロモアセトニトリル、α
−クロロプロピオニトリル、β−クロロプロピオニトリ
ル、α−ブロモプロピオニトリルなどのニトリル化合
物;1−クロロアセトン、1,3−ジクロロアセトン、
1,1−ジクロロアセトン、1−ブロモアセトン、1,
3−ジブロモアセトン、1,1−ジブロモアセトンなど
のカルボニル化合物;クロロニトロメタン、α−クロロ
ニトロエタン、β−クロロニトロエタン、ブロモニトロ
メタン、α−ブロモニトロエタン、β−ブロモニトロエ
タン等が挙げられ、これらは単独で使用しても良く或い
は2種以上を併用しても良い。
【0015】さらに、上記の安定剤と下記の様な安定助
剤とを併用することにより、相乗的により一層改善され
た安定化効果が達成される。この様な安定助剤として
は、フェノール、トリメチルフェノール、チモール、
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ブチ
ルヒドロキシアニソール、イソオイゲノールなどのフェ
ノール類;ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、
ジイソブチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルア
ミン、ピリジン、N−エチルモルホリン、2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン、N,N´−ジアリル−p
−フェニレンジアミンなどのアミン類;ベンゾトリアゾ
ール、2−(2´−ヒドロキシ−5´−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、クロロベンゾトリアゾールな
どのトリアゾール類などが挙げられる。
【0016】安定剤及び安定助剤の使用量は、その種類
などにより異なるが、共沸様の性質に支障のない程度と
する。安定剤および安定助剤の合計の使用量は、通常本
発明組成物重量の0.01〜10%程度であり、0.1
〜5%程度とすることがより好ましい。
【0017】また、本発明組成物には、洗浄力、界面作
用などを改善するために、必要に応じて、各種の界面活
性剤を添加することができる。界面活性剤としては、ソ
ルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエートな
どのソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン
のソルビットテトラオレエートなどのポリオキシエチレ
ンソルビット脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモ
ノラウレートなどのポリエチレングリコール脂肪酸エス
テル類;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオ
キシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレンセチルエーテルなどのポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレンアルキルエーテル類;ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンオ
レイルアミン、ポリオキシエチレンオレイン酸アミドな
どのポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸アミド類
などのノニオン系界面活性剤の一種または二種以上が使
用できる。これらノニオン系界面活性剤には、さらにカ
チオン系界面活性剤またはアニオン系界面活性剤を併用
しても良い。カチオン系界面活性剤およびアニオン系界
面活性剤は、本発明組成物には溶解し難いが、ノニオン
系界面活性剤と併用する場合には、溶解性が改善され、
相乗的に洗浄力、界面作用等を改善することができる。
【0018】界面活性剤の使用量は、その種類などによ
り異なるが、通常本発明組成物重量の0.1〜20%程
度であり、0.3〜5%程度とすることがより好まし
い。
【0019】本発明の組成物は、公知の洗浄及び乾燥用
途に広く使用できるが、水切り乾燥剤、フラックス洗浄
剤、洗浄溶剤、脱脂洗浄剤として好ましく使用できる。
尚、水切り乾燥剤とは、例えば、水洗後の電子部品、光
学部品などの各種部材を本発明の組成物に接触させるこ
とにより、物品に付着した水を溶解剥離して除去し、乾
燥を容易に行なえるようにするためのものである。
【0020】本発明の組成物はまた、ポリウレタンおよ
び熱可塑性樹脂の発泡体製造用の発泡剤としても好適に
用いられる。発泡原料としては、公知のポリウレタンお
よび熱可塑性樹脂が広く使用できる。
【0021】発泡剤としての本発明組成物の使用量も、
公知の発泡剤の場合と変わるところはなく、発泡原料の
種類、所望の発泡体の密度等により適宜決定されるが、
通常発泡原料と発泡剤の合計に対する発泡剤の割合とし
て1〜40%程度である。
【0022】本発明組成物からなる発泡剤を使用してポ
リウレタンおよび熱可塑性樹脂の発泡体を製造する場合
にも、公知の方法と同様にして行なえば良い。例えば、
ポリウレタン発泡体の製造は、ポリオールなどの活性水
素含有基を2以上有する活性水素化合物とポリイソシア
ネート化合物とを、触媒と発泡剤の存在下に反応させる
方法が広く知られており、反応体をそれ自身公知の1段
階法、プレポリマー法、ブロック発泡または二重ベルト
コンベア法によっても製造することができる。
【0023】尚、公知の整泡剤、触媒等を用いることも
できる。整泡剤としては、シリコーン系整泡剤、含フッ
素系整泡剤などが挙げられ、これらは発泡原料に対し
て、0.1〜2%程度用いられる。また触媒としてはト
リエチレンジアミンなどの3級アミン触媒や、有機スズ
化合物などの金属化合物系触媒等が挙げられ、これらは
発泡原料に対して0.1〜5%程度用いられる。
【0024】本発明組成物からなる発泡剤には、その
他、必要に応じて、水、充填剤、着色剤、難燃剤等を配
合することができる。
【0025】
【発明の効果】本発明組成物は、下記の様な顕著な効果
を有している。
【0026】パーハロカーボンを使用しないので、オゾ
ン層破壊の危険性はない。
【0027】不燃性乃至難燃性なので、使用上安全性に
優れている。
【0028】共沸様組成物であるので、使用中に組成が
変化することはなく、液の管理、回収、再生などが容易
となる。また、洗浄および乾燥後の最終仕上げに欠かせ
ない蒸気洗浄にも使用し得る。
【0029】過酷な条件下においても安定性が良好で、
保存時の貯蔵安定性、長期使用時の安定性などの点にお
いても優れたものである。
【0030】1,4−ジヒドロキシ−1,1,2,2,
3,3,4,4−オクタフルオロブタン単独では達成し
難い、水に濡れた物品の乾燥に極めて優れた効果を発揮
する。より具体的には、半導体(IC,LSIなど)の
製造に使用されるウェハー、メッキ製品、光学レンズ、
フォトリソグラフィー用マスク、液晶表示装置部品、各
種の金属、プラスチック、ガラス、セラミックなどの部
品および材料類の洗浄、水洗後の水切り乾燥に有用であ
る。
【0031】さらに、回路基板、接点等の洗浄溶剤、金
属加工時に使用される切削油の除去、フッ素系オイルの
溶解、ドライクリーニング等の洗浄などにも好適であ
る。
【0032】化学的に安定しているので、金属、プラス
チック、ゴムなどに殆ど影響を与えることなく、洗浄、
乾燥を行ない得る。
【0033】ポリオールとの相溶性が良好であるため、
ウレタン発泡体を製造するのに適している。
【0034】本発明組成物を発泡剤として用いて得られ
るポリウレタン樹脂および熱可塑性樹脂の発泡体は独立
気泡であるため断熱性、寸法安定性および圧縮強度のほ
か、外観、均一性に優れている。
【0035】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特
徴とするところをより一層明確にする。本発明が、これ
らの実施例に限定されるものではないことは言うまでも
ない。
【0036】尚、以下の実施例及び比較例において、
1,4−ジヒドロキシ−1,1,2,2,3,3,4,
4−オクタフルオロブタン(HFC−338pcc)を
単に338pccと記載する。
【0037】実施例1蒸留試験 下記出発組成物(A)〜(D)の各々200gを蒸留フ
ラスコに入れ、大気圧下で理論段数20の蒸留装置で蒸
留した。蒸気温度をモニターしながら分留液を採取し、
蒸気中の各成分をガスクロマトグラフィーにより分析し
た。
【0038】(A) 338pcc 93.0%、メタノール
5.0% 、ニトロメタン 2.0% (B) 338pcc 93.0%、メタノール 5.0% 、エピ
クロルヒドリン 2.0% (C) 338pcc 93.0%、エタノール 5.0% 、ニト
ロメタン 2.0% (D) 338pcc 93.0%、エタノール 5.0% 、エピ
クロルヒドリン 2.0% 結果を下記表1〜表4に示す。
【0039】 表1 出発組成物(A)の蒸留 蒸発量 蒸気温度 各成分の割合(%) (%) (℃) 338pcc メタノール ニトロメタン 1 36.3 96.7 3.2 0.1 20 36.5 96.4 3.3 0.3 40 36.5 96.4 3.3 0.3 60 36.5 96.3 3.4 0.3 80 36.7 96.2 3.4 0.4 表2 出発組成物(B)の蒸留 蒸発量 蒸気温度 各成分の割合(%) (%) (℃) 338pcc メタノール エピクロルヒドリン 1 35.8 96.6 3.2 0.2 20 35.9 96.5 3.2 0.3 40 36.0 96.3 3.3 0.4 60 36.0 96.3 3.3 0.4 80 36.2 96.1 3.4 0.5 表3 出発組成物(C)の蒸留 蒸発量 蒸気温度 各成分の割合(%) (%) (℃) 338pcc エタノール ニトロメタン 1 42.9 99.0 0.9 0.1 20 43.0 98.9 1.0 0.1 40 43.1 98.8 1.0 0.2 60 43.1 98.8 1.0 0.2 80 43.3 98.6 1.1 0.3 表4 出発組成物(D)の蒸留 蒸発量 蒸気温度 各成分の割合(%) (%) (℃) 338pcc エタノール エピクロルヒドリン 1 42.6 99.0 0.9 0.1 20 42.8 98.9 0.9 0.2 40 42.8 98.7 1.0 0.3 60 42.8 98.7 1.0 0.3 80 43.0 98.5 1.1 0.4 以上の結果から、上記各分留液の示す成分割合と同じ成
分からなる混合物は、蒸発中に大きな組成変化を起こさ
ず、共沸様の性質を有していることが明らかになった。
【0040】以降の実施例および比較例では、下記組成
の共沸様組成物(1)〜(4)を用いた。
【0041】(1) 338pcc 96.4%、メタノール
3.3% 、ニトロメタン 0.3% (2) 338pcc 96.3%、メタノール 3.3% 、エピクロルヒド
リン 0.4% (3) 338pcc 98.8%、エタノール 1.0% 、ニト
ロメタン 0.2% (4) 338pcc 98.7%、エタノール 1.0% 、エピ
クロルヒドリン 0.3% 実施例2脱脂性 超音波槽−超音波槽−蒸気槽からなる3槽式卓上洗浄機
に、338pcc単独又は本発明組成物(1)〜(4)
を各々入れ、金属加工油(“G6250”、日本工作油
製)が全面に薄く付着した鋼板(80mm×60mm×
20mm)を洗浄し、脱脂洗浄試験を行なった。洗浄方
法は、超音波洗浄を本発明組成物の沸点よりも約5℃低
い加熱浴中で各1分間行ない、次いで蒸気洗浄を1分間
行なう方法とし、その後鋼板に残存している油分を目視
により観察した。目視観察の結果を表5に示す。尚、表
5中、“○”は、油分が完全に除去されていることを示
し、“△”は、油分が若干残存していることを示し、
“×”は、油分が相当量残存していることを示す。
【0042】表5溶剤 目視観察の結果 組成物(1) ○ 組成物(2) ○ 組成物(3) ○ 組成物(4) ○ 338pcc(100%) △〜× 上記表5の結果から、本発明組成物(1)〜(4)は、
脱脂洗浄剤として優れていることが明らかとなった。
【0043】実施例3フラックス洗浄性 10cm×10cmのプリント基板にフラックスMH−
820V(商標名、株式会社田村製作所製)を塗布し、
110℃で予備加熱した後、250℃で5秒間はんだ付
けを行なった。次いで、下記表6に示す溶剤1リットル
を用いて浸漬洗浄を1分間行ない、蒸気洗浄を1分間行
なうことによりフラックス洗浄試験を行なった。
【0044】洗浄後のプリント基板を目視で観察した結
果を下記表6に示す。
【0045】表6溶剤 目視観察の結果 組成物(1) 表面清浄 組成物(2) 表面清浄 組成物(3) 表面清浄 組成物(4) 表面清浄 338pcc(100%) 白色残渣 上記表6の結果から、本発明組成物(1)〜(4)は、
フラックス洗浄剤として優れていることが明らかとなっ
た。
【0046】実施例4プラスチックへの影響 下記表7に示す各プラスチックの試験片(50mm×5
0mm×2mm)を組成物(1)〜(4)及びCFC−
113の5種類の溶剤に各々浸漬し、50℃の恒温槽中
に1時間放置した後、取り出して直ちに重量変化及び体
積変化を調べ、下記の基準により評価した。
【0047】1:重量又は体積増加0〜2% 2:重量又は体積増加2〜5% 結果を下記表7に示す。
【0048】 表7 溶剤 ABS ポリカーボネート ポリスチレン 組成物(1) 1 1 1 組成物(2) 1 1 1 組成物(3) 1 1 1 組成物(4) 1 1 1 CFC−113 1 1 1 表7の結果から、本発明の組成物は、従来の溶剤である
CFC−113と同様にプラスチックへの影響が少な
く、溶剤として優れた性質を有することが明らかとなっ
た。
【0049】実施例5ポリウレタン発泡体の製造 トリエチレンジアミンにプロピレンオキシドを反応させ
た水素基価430のポリエーテルポリオール100g、
シリコーン系整泡剤1g、水0.5g、触媒としてN,
N,N´,N´−テトラメチルヘキサン1,6−ジアミ
ン2g及び本発明組成物(1)〜(4)のいずれか35
gを混合した。混合物は、均一に溶解し、分離しなかっ
た。
【0050】この混合物を粗製ポリメチレンポリフェニ
ルイソシアネート148gと混合して発泡させ、硬質ポ
リウレタン発泡体を得た。
【0051】得られた発泡体の物理的データを下記表8
に示す。尚、表8中、“○”は、従来品であるCFC1
1を用いて得た発泡体の物理的データと同等であること
を示し、“△”は、従来品であるCFC11を用いて得
た発泡体の物理的データよりやや劣ることを示す。
【0052】 実施例6安定性試験 前記組成物(1)〜(4)並びに下記組成物(イ)及び
(ロ)を用いて下記の方法で各組成物の安定性を評価し
た。
【0053】組成物(イ) 338pcc/メタノー
ル=96.7/3.3(wt%) 組成物(ロ) 338pcc/エタノール=99.0
/1.0(wt%) 各組成物を100mlの耐圧ガラスビンに各々50ml
ずつ加えた。次いで、この中に、下記表9に示す各金属
テストピースを加え、50℃で2時間加熱し、腐食状況
を観察した。結果を下記表9に示す。尚、表9中、
“○”は、腐食がないことを示し、“△”は、若干腐食
が認められたことを示し、“×”は、腐食したことを示
す。
【0054】 表9の結果から、本発明の組成物は、金属材料に対する
腐食性が低く、即ち、腐食性分解物の生成が非常に少な
いものであり、安定性に優れたものであることが明らか
となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C11D 7/50 7:30 7:26 7:32 7:28) C08L 75:04 (72)発明者 土屋 立美 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 青山 博一 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)1,4−ジヒドロ−1,1,2,
    2,3,3,4,4−オクタフルオロブタン、(ii)
    メタノール又はエタノール、及び(iii)ニトロメタ
    ン又はエピクロルヒドリンからなる三元系共沸様組成
    物。
  2. 【請求項2】(i)1,4−ジヒドロ−1,1,2,
    2,3,3,4,4−オクタフルオロブタン96.2〜
    96.7重量%、(ii)メタノール3.2〜3.4重
    量%、及び(iii)ニトロメタン0.1〜0.4重量
    %からなり、常圧下36.0〜37.0℃の沸点を有す
    る共沸様組成物。
  3. 【請求項3】(i)1,4−ジヒドロ−1,1,2,
    2,3,3,4,4−オクタフルオロブタン96.1〜
    96.6重量%、(ii)メタノール3.2〜3.4重
    量%、及び(iii)エピクロルヒドリン0.2〜0.
    5重量%からなり、常圧下35.5〜36.5℃の沸点
    を有する共沸様組成物。
  4. 【請求項4】(i)1,4−ジヒドロ−1,1,2,
    2,3,3,4,4−オクタフルオロブタン98.6〜
    99.0重量%、(ii)エタノール0.9〜1.0重
    量%、及び(iii)ニトロメタン0.1〜0.3重量
    %からなり、常圧下42.5〜43.5℃の沸点を有す
    る共沸様組成物。
  5. 【請求項5】(i)1,4−ジヒドロ−1,1,2,
    2,3,3,4,4−オクタフルオロブタン98.5〜
    99.0重量%、(ii)エタノール0.9〜1.0重
    量%、及び(iii)エピクロルヒドリン0.1〜0.
    4重量%からなり、常圧下42.5〜43.5℃の沸点
    を有する共沸様組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項に記載の共沸
    様組成物を被処理物と接触させることを特徴とする水切
    り乾燥方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜5のいずれか1項に記載の共沸
    様組成物を被処理物と接触させることを特徴とするフラ
    ックス洗浄方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜5のいずれか1項に記載の共沸
    様組成物を被処理物と接触させることを特徴とする脱脂
    洗浄方法。
  9. 【請求項9】請求項1〜5のいずれか1項に記載の共沸
    様組成物を発泡剤として配合したポリウレタン組成物を
    発泡成形することを特徴とするポリウレタン発泡体の製
    造方法。
  10. 【請求項10】請求項1〜5のいずれか1項に記載の共
    沸様組成物を発泡剤として配合した熱可塑性樹脂組成物
    を発泡成形することを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体の
    製造方法。
JP16342593A 1993-07-01 1993-07-01 オクタフルオロブタンを含む三元系共沸様組成物 Pending JPH0717880A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996010062A1 (en) * 1994-09-29 1996-04-04 E.I. Du Pont De Nemours And Company 1,1,2,2,3,3,4,4-octafluorobutane compositions
US5730894A (en) * 1996-04-16 1998-03-24 E. I. Du Pont De Nemours And Company 1,1,2,2,3,3,4,4-octafluorobutane azeotropic (like) compositions

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WO1996010062A1 (en) * 1994-09-29 1996-04-04 E.I. Du Pont De Nemours And Company 1,1,2,2,3,3,4,4-octafluorobutane compositions
US5730894A (en) * 1996-04-16 1998-03-24 E. I. Du Pont De Nemours And Company 1,1,2,2,3,3,4,4-octafluorobutane azeotropic (like) compositions

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