JPH07178588A - 熱間圧延タイプの溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents
熱間圧延タイプの溶接用フラックス入りワイヤInfo
- Publication number
- JPH07178588A JPH07178588A JP32869193A JP32869193A JPH07178588A JP H07178588 A JPH07178588 A JP H07178588A JP 32869193 A JP32869193 A JP 32869193A JP 32869193 A JP32869193 A JP 32869193A JP H07178588 A JPH07178588 A JP H07178588A
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- JP
- Japan
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- potassium
- welding
- flux
- wire
- arc
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 中空孔を有するビレットにフラックスが充填
された後製造されるフラックス入りワイヤで、ワイヤ表
層部にカリウムおよび/またはカリウム酸化物を外皮金
属中にカリウム換算で3ppm 〜20ppm 含有させた熱間圧
延タイプの溶接用フラックス入りワイヤ。 【効果】 本発明のフラックス入りワイヤは、溶接アー
クを安定させ、溶接作業性を改善することができる。
された後製造されるフラックス入りワイヤで、ワイヤ表
層部にカリウムおよび/またはカリウム酸化物を外皮金
属中にカリウム換算で3ppm 〜20ppm 含有させた熱間圧
延タイプの溶接用フラックス入りワイヤ。 【効果】 本発明のフラックス入りワイヤは、溶接アー
クを安定させ、溶接作業性を改善することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中空孔を有するビレッ
トにフラックスが充填された後熱間圧延されて製造され
る溶接用シームレスフラックス入りワイヤに関するもの
である。
トにフラックスが充填された後熱間圧延されて製造され
る溶接用シームレスフラックス入りワイヤに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】カリウムおよび/またはカリウム酸化物
をワイヤ表層部に存在させ、溶接作業性を向上させるこ
とは溶接用ソリッドワイヤではすでに周知の技術であ
る。しかし、これら技術を溶接用フラックス入りワイヤ
に適用した例はなく、溶接用フラックス入りワイヤでは
外皮金属成分、内蔵フラックス組成、ワイヤ表面の潤滑
剤残留量または組成等で溶接作業性の改善が図られてい
る。すなわち、溶接用フラックス入りワイヤでは、フラ
ックス中に比較的多量のカリウム化合物を添加させるこ
とができるため、外皮金属のワイヤ表層部にカリウム化
合物を存在させる必要はなく、したがってカリウムおよ
び/またはカリウム酸化物を積極的にワイヤ表層部に存
在させる例はなかった。一方、中空孔を有するビレット
にフラックスが充填された後熱間圧延で線材化する熱間
圧延タイプの溶接用フラックス入りワイヤでは、ビレッ
ト段階で 950〜1100℃に加熱するため、溶接作業性を向
上させるカリウムやカリウム酸化物のフラックス中への
添加は、フラックスの融点を下げ、加熱によってフラッ
クスを焼結し、冷間での伸線性を阻害する。このため、
溶接作業性を向上させるに足る、カリウムおよび/また
はカリウム酸化物のフラックス中への添加は、熱間圧延
タイプの溶接用フラックス入りワイヤでは不可能であっ
た。
をワイヤ表層部に存在させ、溶接作業性を向上させるこ
とは溶接用ソリッドワイヤではすでに周知の技術であ
る。しかし、これら技術を溶接用フラックス入りワイヤ
に適用した例はなく、溶接用フラックス入りワイヤでは
外皮金属成分、内蔵フラックス組成、ワイヤ表面の潤滑
剤残留量または組成等で溶接作業性の改善が図られてい
る。すなわち、溶接用フラックス入りワイヤでは、フラ
ックス中に比較的多量のカリウム化合物を添加させるこ
とができるため、外皮金属のワイヤ表層部にカリウム化
合物を存在させる必要はなく、したがってカリウムおよ
び/またはカリウム酸化物を積極的にワイヤ表層部に存
在させる例はなかった。一方、中空孔を有するビレット
にフラックスが充填された後熱間圧延で線材化する熱間
圧延タイプの溶接用フラックス入りワイヤでは、ビレッ
ト段階で 950〜1100℃に加熱するため、溶接作業性を向
上させるカリウムやカリウム酸化物のフラックス中への
添加は、フラックスの融点を下げ、加熱によってフラッ
クスを焼結し、冷間での伸線性を阻害する。このため、
溶接作業性を向上させるに足る、カリウムおよび/また
はカリウム酸化物のフラックス中への添加は、熱間圧延
タイプの溶接用フラックス入りワイヤでは不可能であっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のよう
な現状を鑑みて、中空孔を有するビレットにフラックス
が充填された後熱間圧延で線材化する熱間圧延タイプの
溶接用フラックス入りワイヤで、カリウムおよび/また
はカリウム酸化物を溶接用フラックス中には添加せず
に、別な方法で溶接作業性を向上させた、熱間圧延タイ
プの溶接用フラックス入りワイヤを提供するためになさ
れたものである。
な現状を鑑みて、中空孔を有するビレットにフラックス
が充填された後熱間圧延で線材化する熱間圧延タイプの
溶接用フラックス入りワイヤで、カリウムおよび/また
はカリウム酸化物を溶接用フラックス中には添加せず
に、別な方法で溶接作業性を向上させた、熱間圧延タイ
プの溶接用フラックス入りワイヤを提供するためになさ
れたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、中空孔を有す
るビレットにフラックスが充填された後熱間圧延されて
製造される熱間圧延タイプの溶接用フラックス入りワイ
ヤであって、ワイヤ表層部にカリウムおよび/またはカ
リウム酸化物を、外皮金属中にカリウム換算で3ppm 〜
20ppm 存在させた熱間圧延タイプの溶接用フラックス入
りワイヤである。
るビレットにフラックスが充填された後熱間圧延されて
製造される熱間圧延タイプの溶接用フラックス入りワイ
ヤであって、ワイヤ表層部にカリウムおよび/またはカ
リウム酸化物を、外皮金属中にカリウム換算で3ppm 〜
20ppm 存在させた熱間圧延タイプの溶接用フラックス入
りワイヤである。
【0005】
【作用】中空孔を有するビレットにフラックスが充填さ
れた後熱間圧延されて製造される溶接用フラックス入り
ワイヤのワイヤ表層部に、カリウムおよび/またはカリ
ウム酸化物を外皮金属中にカリウム換算で3〜20ppm 存
在させたので、溶接アーク発生時に、カリウムの作用で
アークが安定すると同時に、外周の外皮金属から発生す
るアークの溶滴下端部への部分集中が緩和され、溶滴の
押し上げ力が低下し、アークが軟らかくなり、溶接作業
性が向上する。
れた後熱間圧延されて製造される溶接用フラックス入り
ワイヤのワイヤ表層部に、カリウムおよび/またはカリ
ウム酸化物を外皮金属中にカリウム換算で3〜20ppm 存
在させたので、溶接アーク発生時に、カリウムの作用で
アークが安定すると同時に、外周の外皮金属から発生す
るアークの溶滴下端部への部分集中が緩和され、溶滴の
押し上げ力が低下し、アークが軟らかくなり、溶接作業
性が向上する。
【0006】また、カリウムおよび/またはカリウム酸
化物を溶接用フラックスに添加したときに比べ、外皮金
属表層部中に存在させた方が、アークの安定化、溶接作
業性の改善に効くので本発明の方が少量のカリウム量で
効果を発揮することができる。外皮金属中の換算カリウ
ム量が3ppm 未満であるとその効果が発揮できず、一方
20ppm を超えるとアーク力が弱くなりすぎて、アークの
強さが不十分となる。したがって、外皮金属中の換算カ
リウム量を3ppm 〜20ppm に限定した。
化物を溶接用フラックスに添加したときに比べ、外皮金
属表層部中に存在させた方が、アークの安定化、溶接作
業性の改善に効くので本発明の方が少量のカリウム量で
効果を発揮することができる。外皮金属中の換算カリウ
ム量が3ppm 未満であるとその効果が発揮できず、一方
20ppm を超えるとアーク力が弱くなりすぎて、アークの
強さが不十分となる。したがって、外皮金属中の換算カ
リウム量を3ppm 〜20ppm に限定した。
【0007】
【実施例】熱間圧延タイプの溶接用フラックス入りワイ
ヤでカリウムおよび/またはカリウム酸化物を、ワイヤ
表層部に塗布しない比較例(No. 1)、カリウムおよび
/またはカリウム酸化物をダイスを通して塗布したがカ
リウム換算値が3ppm 未満の比較例(No. 2)、カリウ
ム換算値が20ppm 超の比較例(No. 7、8)、およびカ
リウム換算値が3ppm 〜20ppm である実施例(No. 3、
4、5、6)の試験結果を表1に示した。
ヤでカリウムおよび/またはカリウム酸化物を、ワイヤ
表層部に塗布しない比較例(No. 1)、カリウムおよび
/またはカリウム酸化物をダイスを通して塗布したがカ
リウム換算値が3ppm 未満の比較例(No. 2)、カリウ
ム換算値が20ppm 超の比較例(No. 7、8)、およびカ
リウム換算値が3ppm 〜20ppm である実施例(No. 3、
4、5、6)の試験結果を表1に示した。
【0008】なお、この試験の溶接条件はつぎのとおり
である。溶接電流 300A、溶接電圧33V、溶接速度30cm
/ 分、ワイヤ突出長さ25mm、シールドガスCO2 20l/
分、ワイヤ径 1.2mm、溶接は平板(板厚12mm)上で実施
(溶接長1000mm)。カリウムおよび/またはカリウム酸
化物をワイヤ表層部に塗布しない試料 No.1のフラック
ス入りワイヤ(FCW)はアークが不安定で溶接作業性
が良くなく、カリウム換算値が低い試料 No.2のFCW
は同様にアークがやや不安定で溶接作業性が良くない。
一方カリウム換算値の高い試料 No.7、8のFCWはア
ーク力が弱く溶接作業性が良くない。
である。溶接電流 300A、溶接電圧33V、溶接速度30cm
/ 分、ワイヤ突出長さ25mm、シールドガスCO2 20l/
分、ワイヤ径 1.2mm、溶接は平板(板厚12mm)上で実施
(溶接長1000mm)。カリウムおよび/またはカリウム酸
化物をワイヤ表層部に塗布しない試料 No.1のフラック
ス入りワイヤ(FCW)はアークが不安定で溶接作業性
が良くなく、カリウム換算値が低い試料 No.2のFCW
は同様にアークがやや不安定で溶接作業性が良くない。
一方カリウム換算値の高い試料 No.7、8のFCWはア
ーク力が弱く溶接作業性が良くない。
【0009】本発明の実施例である試料 No.3、4、
5、6のFCWは、いずれもアークが安定し溶接作業性
が良好であった。
5、6のFCWは、いずれもアークが安定し溶接作業性
が良好であった。
【0010】
【表1】
【0011】ワイヤ表層部にカリウムおよび/またはカ
リウム酸化物を存在させる方法として、中空孔を有する
ビレットにフラックスが充填された後熱間圧延した線材
を用い、冷間伸線する段階において、カリウムおよび/
またはカリウム酸化物を、潤滑剤に含ませて伸線を行
い、ワイヤ表層部に塗布する方法を本試験で用いた。し
かし、カリウムおよび/またはカリウム酸化物をワイヤ
表層部に存在させる方法としては、カリウム酸化物を熱
処理して固化させダイス引きして塗布する方法の他メッ
キ、蒸着、溶射、浸透など種々の方法が本発明に適用で
きる。
リウム酸化物を存在させる方法として、中空孔を有する
ビレットにフラックスが充填された後熱間圧延した線材
を用い、冷間伸線する段階において、カリウムおよび/
またはカリウム酸化物を、潤滑剤に含ませて伸線を行
い、ワイヤ表層部に塗布する方法を本試験で用いた。し
かし、カリウムおよび/またはカリウム酸化物をワイヤ
表層部に存在させる方法としては、カリウム酸化物を熱
処理して固化させダイス引きして塗布する方法の他メッ
キ、蒸着、溶射、浸透など種々の方法が本発明に適用で
きる。
【0012】
【発明の効果】熱間圧延タイプの溶接用フラックス入り
ワイヤの、ワイヤ表層部にカリウムおよび/またはカリ
ウム酸化物を適量存在させることによって、アークを安
定させ溶接作業性を改善することができた。
ワイヤの、ワイヤ表層部にカリウムおよび/またはカリ
ウム酸化物を適量存在させることによって、アークを安
定させ溶接作業性を改善することができた。
Claims (1)
- 【請求項1】 中空孔を有するビレットにフラックスが
充填された後熱間圧延されて製造される熱間圧延タイプ
の溶接用フラックス入りワイヤであって、 ワイヤ表層部にカリウムおよび/またはカリウム酸化物
を、外皮金属中にカリウム換算で3ppm 〜20ppm 存在さ
せた熱間圧延タイプの溶接用フラックス入りワイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32869193A JPH07178588A (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | 熱間圧延タイプの溶接用フラックス入りワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32869193A JPH07178588A (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | 熱間圧延タイプの溶接用フラックス入りワイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07178588A true JPH07178588A (ja) | 1995-07-18 |
Family
ID=18213095
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32869193A Pending JPH07178588A (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | 熱間圧延タイプの溶接用フラックス入りワイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07178588A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0904888A1 (en) * | 1997-09-29 | 1999-03-31 | Kobe Steel, Ltd. | Solid wire for MAG welding |
JP2011154048A (ja) * | 2011-05-19 | 2011-08-11 | Hitachi Ltd | 高温下で使用されるボルトの余寿命診断方法 |
-
1993
- 1993-12-24 JP JP32869193A patent/JPH07178588A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0904888A1 (en) * | 1997-09-29 | 1999-03-31 | Kobe Steel, Ltd. | Solid wire for MAG welding |
JP2011154048A (ja) * | 2011-05-19 | 2011-08-11 | Hitachi Ltd | 高温下で使用されるボルトの余寿命診断方法 |
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