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JPH07176289A - イオン注入方法およびその装置 - Google Patents

イオン注入方法およびその装置

Info

Publication number
JPH07176289A
JPH07176289A JP5345037A JP34503793A JPH07176289A JP H07176289 A JPH07176289 A JP H07176289A JP 5345037 A JP5345037 A JP 5345037A JP 34503793 A JP34503793 A JP 34503793A JP H07176289 A JPH07176289 A JP H07176289A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ion
amount
beam current
ion implantation
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP5345037A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihito Hoshino
良仁 星野
Haruyuki Narishima
春行 成島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tel Varian Ltd
Original Assignee
Tel Varian Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tel Varian Ltd filed Critical Tel Varian Ltd
Priority to JP5345037A priority Critical patent/JPH07176289A/ja
Publication of JPH07176289A publication Critical patent/JPH07176289A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Electron Sources, Ion Sources (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体ウエハに注入された不純物量を高精度
に測定することのでき、ガス発生に起因した処理の中断
を無くしてスループットを高めることができるイオン注
入方法およびその装置を提供すること。 【構成】 減圧チャンバー30に配置したウエハWに、
イオンビームを照射してイオンを注入するイオン注入方
法において、イオン注入開始後の所定時間では、電流計
35にて測定されるビーム電流が第1のビーム電流値L
1 となるように制御し、時間T経過後は第1のビーム電
流値L1 よりも高い第2のビーム電流値L2 となるよう
に制御する。こうして、イオン注入開始直後の所定時間
T内に半導体ウエハWのレジスト膜からの発生ガスに起
因して上昇するチャンバー30内圧力を、時間T経過後
の前記チャンバー内圧力と同等以下とする。この結果、
チャンバー30内の圧力は、電流計35でのビーム電流
の測定精度に影響の少ない圧力値となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオン注入方法および
その装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】イオ
ン注入技術は、イオン源で発生する不純物イオンを高電
界で加速し、そのイオンビームの運動エネルギーを利用
して半導体ウエハ内に不純物を導入する技術である。こ
のイオン注入技術は、現在では熱拡散技術にとって代わ
り、不純物導入技術の主流となっている。その最大の理
由は、ウエハ内に導入された不純物の総量を電荷量とし
て純物理的に測定でき、その状況を測定できる点にあ
る。すなわち、半導体ウエハの上流側に配置されたファ
ラダーカップ内に飛びこんできたイオンの数に基づい
て、そのイオンビーム電荷量を電流量としてモニタで
き、この電流計に接続したドーズカウンタにてドーズ量
がモニタできる。
【0003】しかしながら、本発明者等の研究によれ
ば、特にイオン注入開始直後にウエハに打ち込まれた不
純物の数を正確に測定できないことが判明した。この原
因について本発明者が鋭意研究したところ、例えばレジ
スト膜が塗布形成された半導体ウエハにイオン注入を行
なう場合に、イオン衝突時の熱によりレジスト膜が気化
され、半導体ウエハが配置された減圧チャンバー内の圧
力が上昇してしまうことに起因していると判明した。
【0004】図9(A)は、従来のイオン注入装置の一
般的なイオン注入条件を示しており、イオン注入開始直
後から終了に至るまで、電流計にて測定されるビーム電
流がほぼ一定値となる特性図を示している。図9(B)
は、同図(A)の条件下において、半導体ウエハが配置
される減圧チャンバー内の圧力をモニターした特性図で
ある。図9(B)から明らかなように、イオン注入開始
直後にチャンバ圧力が上昇しており、これは上述した通
り、レジスト膜が気化されたことにより発生するガス圧
力によるものである。
【0005】このように、イオン注入開始直後に減圧チ
ャンバー内の圧力が上昇すると、半導体ウエハに到達す
る以前に上記ガスとイオンとが衝突する確率が高くな
り、一部のイオンは原子または分子となって半導体ウエ
ハに打ち込まれることになる。この分子または原子の状
態で半導体ウエハ内に打ち込まれた不純物は、イオンと
して打ち込まれた不純物と同様に半導体ウエハの不純物
濃度を高めることにはなるが、ファラデーカップに接続
された電流計にて計測されることがないのである。例え
ば、90個のイオンおよび10個の分子が半導体ウエハ
内に打ち込まれ、計100個の不純物が打ち込まれたに
も拘らず、イオンの数のみに依存した測定では、90個
の不純物が打ち込まれたものと誤測定してしまうことに
なる。
【0006】イオン注入開始直後に減圧チャンバー内の
圧力が上昇することで不純物の打ち込み量の測定に誤差
が生ずることは、以下の理由も考えられる。一般に、フ
ァラデーカップの外に二次電子が飛び出さないように、
例えば−1000V程度の電圧を印加するためのサプレ
ス電極が設けられている。ところが、このサプレス電極
が配置される減圧チャンバー内の圧力が上昇すると、サ
プレス電極からの放電が生じやすくなる。この放電が生
ずると、ファラデーカップ内の二次電子が外部に放出さ
れる。そして、二次電子の放電先が、イオンビーム電荷
量をカウントする電位であった場合、この二次電子量を
イオンビーム電荷量としてカウントしてしまい、誤測定
が生じてしまう。
【0007】また、上述したガスが発生すると、測定さ
れるビーム電流値が低下する。イオン注入装置によって
は、モニタされたビーム電流値が一定値を下回った場
合、イオン注入を中断するものがあり、この中断により
イオン注入に要する時間が増大しスループットが低下し
てしまう。この種のガスの発生は、ビーム電流値を大き
くして処理時間の短縮を図ったイオン注入装置ほど顕著
となるが、上記の処理の中断が頻繁であると、ビーム電
流を大きくした意義がなくなってしまう。
【0008】そこで、本発明の目的とするところは、被
処理体に注入された不純物量を高精度に測定することの
でき、ガス発生に起因した処理の中断を無くしてスルー
プットを高めることができるイオン注入方法およびその
装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明方法は、減圧チャ
ンバー内に配置した被処理体に、イオンビームを照射し
てイオンを注入するイオン注入方法において、被処理体
への単位時間当たりの到達イオン量を、イオン注入開始
後の所定時間と、それ以外とで異ならせて、前記所定時
間内に前記被処理体からの発生ガスに起因して上昇する
前記チャンバー内圧力を、前記所定時間経過後の前記チ
ャンバー内圧力と同等以下としたことを特徴とする。
【0010】本発明装置は、減圧チャンバー内に配置し
た被処理体に、イオン源から引き出されたイオンビーム
を照射してイオンを注入し、かつ、到達イオン量に基づ
くビーム電流を測定してイオン注入量を制御するイオン
注入装置において、イオン注入開始後所定時間にわたっ
て、被処理体への単位時間当たりの到達イオン量を段階
的または連続的に上昇させる到達イオン量制御手段を設
け、前記所定時間内にて前記被処理体からの発生ガスに
起因して上昇する前記チャンバー内圧力を、前記ビーム
電流の測定精度への影響の少ない圧力値以下に設定した
ことを特徴とする。
【0011】本発明方法及び装置において、被処理体へ
の単位時間当たりの到達イオン量は、イオンビーム電荷
量、ビーム電流、ドーズカウンタ量などのいずれか一つ
によりモニタできる。
【0012】本発明装置において、前記到達イオン量制
御手段は、前記イオン源でのイオンの発生量を制御する
パラメータを変更制御する手段を含むことができる。あ
るいは、前記到達イオン量制御手段は、前記イオン源か
ら前記被処理体に至るイオンビーム経路途中にて、ビー
ムの通過量を可変する手段を含むことができる。このと
き、前記到達イオン量制御手段は、前記所定時間内に測
定される前記ビーム電流値が、それ以外の時間内に測定
される前記ビーム電流値よりも低くなるように、前記パ
ラメータまたはビーム通過量を設定することができる。
あるいは、チャンバー内圧力を検出する検出手段と、こ
の検出手段からの圧力値と予め設定された圧力値とを比
較する手段と、を設け、前記到達イオン量制御手段が前
記比較手段からの比較結果に基づき前記パラメータまた
は前記ビーム通過量を変更するができる。
【0013】
【作用】本発明方法および装置によれば、被処理体への
単位時間当たりの到達イオン量を、イオン注入開始後の
所定時間と、それ以外とで異ならせることで、あるい
は、イオン注入開始後所定時間にわたって、被処理体へ
の単位時間当たりの到達イオン量を段階的または連続的
に上昇させることで、前記所定時間内に被処理体からの
発生ガスに起因して上昇するチャンバー内圧力を所定時
間経過後のチャンバー内圧力と同等以下に設定できる。
換言すれば、所定時間内で被処理体からの発生ガスに起
因して上昇するチャンバー内圧力を、ビーム電流の測定
制度への影響の少ない圧力値以下に維持することができ
る。したがって、イオン注入開始直後であっても、被処
理体から発生したガスとイオンビームとの衝突頻度が少
なくなり分子または原子の状態にて被処理体内に打ち込
まれる不純物量が低減し、被処理体に打ち込まれた不純
物量を高精度に測定することが可能となる。
【0014】この到達イオン量の制御としては、イオン
注入開始直後の所定時間内に測定されるビーム電流値
を、それ以外の時間内に測定されるビーム電流値よりも
低くなるように条件設定するか、あるいはチャンバー内
圧力を常時モニターし、この検出された圧力値と予め設
定された圧力値との比較結果に基づき、到達イオン量を
可変制御することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を適用したイオン注入方法及び
その装置の実施例について、図面を参照して具体的に説
明する。なお、本実施例が適用されるイオン注入装置と
しては、測定精度に悪影響を及ぼすガスの発生スピード
が高い装置ほど効果が大きく、この点から、ビーム電流
が100μA未満の低電流タイプよりむしろ、ビーム電
流が100μA〜2mAの中電流タイプ、ビーム電流が
200μA〜30mAの大電流タイプなど、ビーム電流
値が比較的大きいものにて好適に実施できる第1実施例 図1は、本発明の第1実施例に係るイオン注入装置全体
を示す概略図である。同図において、イオン源10は、
例えばペーパライザ12内の固体原料から昇華したガス
をプラズマ化するものである。このイオン源10として
は、熱フィラメントを用いた熱陰極放電型イオン源(フ
リーマン型)、あるいはマグネトロン利用のマイクロウ
エーブプラズマを用いたマイクロウェーブイオン源のい
ずれを採用してもよい。本実施例では、例えばプラズマ
密度を変更することで、イオン源10より引き出される
イオン量を可変としている。このプラズマ密度を変更す
るパラメータとしては、アーク電流、アーク電圧あるい
はソースマグネットの電流(磁束密度)等があり、これ
らのパラメータのいずれか1つまたは複数を変更するこ
とで引き出されるイオン量が可変である。
【0016】このイオン源10のプラズマ中のイオン
は、引出し電極14とイオン源10本体との間に与えら
れる引出し電圧によって外部にイオンビームとして引き
出される。この引出し電極14の下流側には、スリット
16を介して質量分析器20が配置され、ここで所望の
イオンのみが取り出される。なお、図1に示すようにこ
のイオン源10から半導体ウエハWに至るイオンビーム
経路途中、例えば質量分析器20の上流側に可変スリッ
ト18を配置することもできる。この可変スリットのス
リット幅を変更することで、半導体ウエハWに到達する
イオン量を変更することができる。質量分析器20を通
過したイオンビームは、その後スリット22を介して加
速器24に入り、予め与えられた加速電圧により加速さ
れる。
【0017】この加速器24の下流側には、減圧チャン
バー30が配置されている。この減圧チャンバー30内
には、スピンモータ32により回転駆動される回転ディ
スク34が設けられ、この回転ディスク34上に複数枚
の半導体ウエハWが載置保持されている。なお、半導体
ウエハW上にはレジスト膜が塗布形成されている。回転
ディスク34上に載置保持された半導体ウエハWの上流
側にはファラデーカップ36が設けられ、電流計35に
接続されている。また、この電流計35とアーストの間
には、半導体ウエハWへのイオン照射量をカウントする
ためのドーズカウンタ37が配置されている。このファ
ラデーカップ36は、イオン注入時に発生する二次電子
を外部に流出しないように閉じ込めて、電流計35にて
測定されるビーム電流と、ドーズカウンタ37で測定さ
れるドーズ量とを正確に測定するものである。このファ
ラデーカップ36の上流側にはさらに、ファラデーカッ
プ36の外部に二次電子が飛び出さないように、例えば
−1000Vの電圧が印加されるサプレス電極38が設
けられている。
【0018】さらに、この第1実施例装置では、CPU
40、操作パネル42及びメモリ44が設けられてい
る。操作パネル42は、打ち込みエネルギー、ドーズ量
などの一般的なイオン注入条件の他に、イオン注入開始
直後の所定時間内と、その後とで異なる第1実施例固有
のイオン注入条件の入力が可能である。CPU40は、
操作パネル42を介して入力されメモリ44に格納され
た実施例固有のイオン注入条件に関する情報に基づき、
イオン源10から引き出されるイオンビームのイオン量
を変更するためのパラメータを設定し、あるいは可変ス
リット18のスリット幅を変更する。
【0019】次に、この第1実施例装置の動作につい
て、図2(A),(B)および図3を参照して説明す
る。図2(A)は、操作パネル42により入力された第
1実施例固有の条件情報に基づいてCPU40により設
定される条件(L1 ,L2,T)を、時間軸とビーム電流
との関係にて表わしている。図2(A)に示すように、
イオン注入開始後の所定時間Tの時間内においては、電
流計35にて検出されるビーム電流は第1のビーム電流
値L1 (例えば5mA)となるように設定され、この時
間T経過後は第2のビーム電流値L2 (例えば15m
A)となるように設定されている。したがってCPU4
0は、図3に示すフローチャートのステップ1に示すよ
うに、第1のビーム照射条件、すなわち図2(A)にお
いて第1のビーム電流値L1 が得られるようにイオン源
10の各種パラメータあるいは可変スリット18のスリ
ット幅を設定制御する。その後CPU40は、イオン注
入開始直後からの経過時間が設定時間Tを越えたか否か
を判断し(ステップ2)、この判断がYESの場合に限
りステップ3に移向する。CPU40は、ステップ3に
おいて、第2のビーム照射条件、すなわち図2(A)に
示すように、第1のビーム電流値L1 よりも高い第2の
ビーム電流L2 となるように、イオン源10のパラメー
タあるいは可変スリット18のスリット幅を設定制御す
る。その後、ステップ4において、ドーズカウンタ37
にて検出される半導体ウエハWへのイオン打込み量が設
定値に到達したか否かを判断し、設定値に到達した場合
にイオン注入動作が終了する。
【0020】上記のような条件下にて行われるイオン注
入動作時での、減圧チャンバー30内の圧力状態は図2
(B)の通りである。同図に示すように、イオン注入開
始後の所定時間T内でのチャンバー30内の圧力は、時
間T経過後のチャンバー30内の圧力とほぼ同等となっ
ていることがわかる。これは、時間T内では比較的低い
第1のビーム電流値L1 が得られるように制御すること
で、半導体ウエハWのレジスト膜から徐々にガスが発生
され、チャンバー30の排気とのバランスにより、従来
よりもチャンバー30内の圧力を低くできるからであ
る。また、時間T経過後は、イオン注入開始直後よりも
レジスト膜からの発生ガス量が少なくなるため、第1の
ビーム電流値L1 よりも高い第2のビーム電流値が得ら
れるように制御しても、チャンバー30内圧力はさほど
昇圧されない。
【0021】したがって、第1のビーム電流値L1 とし
ては、イオン注入開始後の時間T内でのチャンバー30
内部の圧力が、半導体ウエハW上に形成されたレジスト
膜がイオンの熱により気化して生ずるガスにより昇圧し
ても、時間T経過後のチャンバー内圧力と同等以下とな
るように、比較的低い電流値が選択される。換言すれ
ば、第1のビーム電流値L1 が測定されるようにイオン
注入条件を設定することで、時間T内でのチャンバー3
0内の圧力は、イオンビームとの衝突頻度が低い例えば
10-5Torr台よりも高真空となる圧力であって、電流計
35またはドーズカウンタ37での測定精度に影響の少
ない圧力に設定される。これにより、半導体ウエハWに
打ち込まれる不純物量を高精度に制御できる。この制御
は、時間T内でのチャンバー30内圧力を従来よりも低
くして、電流計35にて測定されるビーム電流の測定精
度が高精度であることにより保障される。また、時間T
内にて比較的嵩真空を維持できるので、サプレス電極3
8からの放電も生じない。
【0022】第1のビーム電流値L1 に維持される時間
Tとしては、ビーム電流値を低くすることで徐々にレジ
スト膜から発生するガスによる悪影響が無くなるに足る
時間が選択される。この時間Tは、例えばイオン注入に
要するトータル時間が10分であれば、2〜3分程度で
足りる。
【0023】なお、上記実施例ではビーム電流値を2段
階で制御したが、時間T内で複数段階に設定しても良
く、あるいは従来よりも測定されるビーム電流値の立ち
上がりスビードが遅くなるようにして、ビーム電流値が
連続的に上昇するように制御しても良い。
【0024】第2実施例 次に、本発明の第2の実施例について図4および図5を
参照して説明する。この第2実施例装置も、到達イオン
量制御手段として、CPU50,操作パネル55および
メモリ54を含んでいる。操作パネル52は、第1実施
例と同様に、図2(A)に示す第1,第2のビーム電流
値L1 ,L2 及び時間Tを入力する点で同様であり、C
PU50はこの情報をメモリ54に格納する。この第2
実施例装置が第1実施例装置と相違する点は、CPU5
0が電流計35からのビーム電流をモニターしてフィー
ドバック制御している点である。このため、CPU50
は電流計35からのビーム電流値と、操作パネル52を
介して入力され、メモリ54に格納された第1,第2の
ビーム電流値L1 ,L2 とを比較する比較器56と、こ
の比較結果に基づいて、イオン源10のパラメータある
いは可変スリット18のスリット幅の変更制御を行なう
コントローラ58とを含んでいる。このコントローラ5
8は、ドーズカウンタ37からの情報に基づき、イオン
注入動作の終了制御を行うこともできる。また、コント
ローラ58にはタイマー59が接続され、イオン注入開
始後時間Tが経過したか否かが判断される。
【0025】この第2実施例装置の動作が図5のフロー
チャートに示されている。図5のステップ1において、
CPU50はまず、第1のビーム照射条件、すなわち予
め設定された第1のビーム電流値L1 が得られる条件
を、イオン源10あるいは可変スリット18に設定す
る。この条件にてイオン注入動作が開始され、ファラデ
ーカップ36内を通過するイオンビームに基づいて電流
計35にてビーム電流が測定され、この測定されたビー
ム電流値がCPU50に逐次入力される。CPU50
は、ステップ2において、測定されたビーム電流値と第
1のビーム照射条件としてのビーム電流値L1 とを比較
する。そして、CPU50はこの測定されたビーム電流
値が第1のビーム電流値L1 から逸脱した場合には、ス
テップ3においてイオン源10のパラメータを変更する
か、あるいは可変スリット18のスリット幅を変更す
る。
【0026】このステップ3の動作が終了するか、ある
いはステップ2の判断がNOである場合には、ステップ
4に移向し、CPU50はタイマー59からの情報に基
づき、イオン注入動作開始後の経過時間が、操作パネル
52を介して予め入力された設定時間Tを越えたか否か
を判断する。ステップ4の判断がNOである場合にはス
テップ2に戻り、この判断がYESである場合にはステ
ップ5に移向する。ステップ4の判断がYESである場
合には、ステップ5において、CPU50は第2のビー
ム照射条件、すなわち第2のビーム電流値L2 が得られ
る条件にイオン源10のパラメータあるいは可変スリッ
ト18のスリット幅を設定する。その後CPU50は、
電流計35から得られたビーム電流値が第2のビーム電
流値L2を逸脱したか否かを判断し(ステップ6)、こ
の判断がYESである場合にはステップ7にてステップ
3と同様にパラメータの変更あるいはスリット幅の変更
を行なう。ステップ6の判断がNOであった場合、ある
いはステップ7の動作が終了した後、CPU50はステ
ップ8において、ドーズカウンタ37からの情報に基づ
き予め設定された不純物注入量に到達したか否かを判断
する。このステップ8の判断がNOである場合は、ステ
ップ6に戻り、ステップ8の判断がYESである場合に
全ての動作が終了する。
【0027】この第2実施例装置の動作中の減圧チャン
バー30内の圧力変化は、第1実施例とほぼ同様に図2
(B)の通りとなり、第1実施例と同様の効果を奏する
ことができる。この第2実施例ではさらに加えて、ビー
ム電流の測定値と設定値のレベル差を少なくする方向
に、到達イオン量を制御するパラメータを変更している
ので、設定時間T内での減圧チャンバー30内部の圧力
上昇を確実に抑制することができる。この第2実施例で
は、電流計35にて測定されるビーム電流に基づいてフ
ィードバック制御を行なっているが、この制御の基とな
るビーム電流値は設定時間T内においても測定誤差の少
ないものとなるので、確実な制御を実行することができ
る。
【0028】第3実施例 次に、本発明の第3実施例について図6〜図8を参照し
て説明する。この第3実施例装置は、第2実施例装置と
同様にCPU60,操作パネル62およびメモリ64を
有しているが、CPU60には、減圧チャンバー30内
部に配置した圧力センサ66が接続されている。操作パ
ネル62は、第2実施例とは異なり、図7(A)に示す
減圧チャンバー30内の目標圧力値L3 を設定するもの
であり、CPU60はこの圧力値L3 をメモリ64に格
納する。この圧力値L3 は、ファラデーカップ36にて
測定されるビーム電流の測定精度への影響の少ない圧力
値に設定される。CPU60は、メモリ64に格納され
た圧力値L3 と、圧力センサ66にてモニターされる測
定値とを比較する比較器68と、この比較結果である圧
力レベル差を少なくする方向に、イオン源10のパラメ
ータあるいは可変スリット18のスリット幅を変更する
コントローラ69とを含んでいる。
【0029】この第3実施例は、第1,第2実施例とは
異なり設定時間Tを設定するものではなく、しかもビー
ム電流の測定誤差に直接影響を与える減圧チャンバー3
0内部の圧力を監視するものである。その動作が、図8
のフローチャートに示されている。CPU60はまず、
図8のステップ1において、初期設定条件にてイオンビ
ームの照射を行なうように制御する。この初期設定条件
とは、例えば第1,第2実施例と同様に、図7(B)の
実線で示すように、第1のビーム電流値L1 に設定する
ことができる。あるいは、図7(B)の破線で示すよう
に、第1のビーム電流値L1 よりも高い値に設定しても
よい。
【0030】次にCPU60は、ステップ2においてメ
モリ64に格納された圧力値L3 と、圧力センサ66に
て測定された測定値とを比較する。そしてCPU60
は、この圧力レベルに差が生じていた場合に限り、イオ
ン源10のパラメータあるいは可変スリット18のスリ
ット幅の変更を行なう(ステップ3)。なお、CPU6
0は、予めレベル差を登録しておき、測定値と設定値と
のレベル差が登録されたレベル差の範囲内であればパラ
メータ等の変更を行なわないように制御してもよい。こ
のステップ2およびステップ3の動作は、ステップ4に
て半導体ウエハに打ち込まれた不純物量が設定値に到達
するまで行われ、ステップ4の判断がYESとなった場
合に全ての動作が終了する。
【0031】この第3実施例によれば、イオン注入動作
開始直後の時間内に半導体ウエハWの例えばレジスト膜
から発生するガスに起因して上昇する減圧チャンバー3
0内の圧力を、イオン注入開始直後の所定時間経過後の
チャンバー内圧力と同等以下に設定することができる。
しかも、監視対象となる圧力レベルL3 は、電流計35
でのビーム電流の測定精度への影響の少ない圧力値に設
定されているので、半導体ウエハWに打ち込まれる不純
物量の測定誤差を確実に防止することができる。
【0032】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、例えばイオン注入する被処理体としては半
導体ウエハに限らず種々のものを適用できる。また本発
明は、加速管を設けない装置や、ファラデーカップ36
が回転ディスクの裏側に配置されている装置にも適用す
ることができる。さらに、上記各実施例はバッチ処理式
のイオン注入装置であったが、被処理体に1枚ずつイオ
ン注入を行なう枚葉処理装置にも適用可能である。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
イオン注入開始直後にあっても、被処理体の配置される
減圧チャンバー内の圧力を、ビーム電流の測定制度への
影響の少ない圧力値に維持することができるので、ビー
ム電流値の高いイオン注入装置であっても被処理体に打
ち込まれる不純物量を正確に測定することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るイオン注入装置の全
体構成を示す概略図である。
【図2】(A)は到達イオン量制御条件を時間軸とビー
ム電流値との関係で示す特性図であり、(B)は(A)
の条件下にて動作を実行した場合の減圧チャンバー内の
圧力変化を示す特性図である。
【図3】図1に示す第1実施例装置の動作を説明するた
めのフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施例に係るイオン注入装置の要
部を示すブロック図である。
【図5】図4示す第2実施例装置の動作を説明するため
のフローチャートである。
【図6】本発明の第3実施例に係るイオン注入装置の要
部を示すブロック図である。
【図7】(A)は、第3実施例装置の到達イオン量制御
条件を、時間軸とチャンバー内圧力値との関係で示す特
性図であり、(B)は同図(A)の条件下にて測定され
るビーム電流の特性図である。
【図8】第3実施例装置の動作を説明するためのフロー
チャートである。
【図9】(A)は従来のイオン注入装置の到達イオン量
制御条件を、時間軸とビーム電流との関係で示す特性図
であり、(B)は同図(A)の条件下にて実施した場合
のチャンバー内圧力の特性図である。
【符号の説明】
10 イオン源 14 引出し電極 16 スリット 18 可変スリット 20 質量分析器 22 スリット 24 加速器 30 減圧チャンバー 35 電流計 36 ファラデーカップ 37 ドーズカウンタ 40,50,60 CPU 42,52,62 操作パネル 44,54,64 メモリ 56,68 比較器 58,69 コントローラ 59 タイマー 66 圧力センサ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減圧チャンバー内に配置した被処理体
    に、イオンビームを照射してイオンを注入するイオン注
    入方法において、 被処理体への単位時間当たりの到達イオン量を、イオン
    注入開始後の所定時間と、それ以外とで異ならせて、前
    記所定時間内に前記被処理体からの発生ガスに起因して
    上昇する前記チャンバー内圧力を、前記所定時間経過後
    の前記チャンバー内圧力と同等以下としたことを特徴と
    するイオン注入方法。
  2. 【請求項2】 減圧チャンバー内に配置した被処理体
    に、イオン源から引き出されたイオンビームを照射して
    イオンを注入し、かつ、到達イオン量に基づくビーム電
    流を測定してイオン注入量を制御するイオン注入装置に
    おいて、 イオン注入開始後所定時間にわたって、被処理体への単
    位時間当たりの到達イオン量を段階的または連続的に上
    昇させる到達イオン量制御手段を設け、 前記所定時間内にて前記被処理体からの発生ガスに起因
    して上昇する前記チャンバー内圧力を、前記ビーム電流
    の測定精度への影響の少ない圧力値以下に設定したこと
    を特徴とするイオン注入装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記到達イオン量制御手段は、前記イオン源でのイオン
    の発生量を制御するパラメータを変更制御する手段を含
    むことを特徴とするイオン注入装置。
  4. 【請求項4】 請求項2において、 前記到達イオン量制御手段は、前記イオン源から前記被
    処理体に至るイオンビーム経路途中にて、ビームの通過
    量を可変する手段を含むことを特徴とするイオン注入装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項3または4において、 前記到達イオン量制御手段は、前記所定時間内に測定さ
    れる前記ビーム電流値が、それ以外の時間内に測定され
    る前記ビーム電流値よりも低くなるように、前記パラメ
    ータまたはビーム通過量を設定することを特徴とするイ
    オン注入装置。
  6. 【請求項6】 請求項3または4において、 前記チャンバー内圧力を検出する検出手段と、 前記検出手段からの圧力値と予め設定された圧力値とを
    比較する比較手段と、をさらに設け、 前記到達イオン量制御手段は、前記比較手段からの比較
    結果に基づき前記パラメータまたは前記ビーム通過量を
    変更することを特徴とするイオン注入装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014132568A (ja) * 2012-12-03 2014-07-17 Advanced Ion Beam Technology Inc 高エネルギーイオン注入
CN107993931A (zh) * 2017-11-30 2018-05-04 上海华力微电子有限公司 提高注入机生产效率的方法

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