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JPH07176089A - 光磁気記録媒体及びそれを用いた光磁気記録情報の再生方法 - Google Patents

光磁気記録媒体及びそれを用いた光磁気記録情報の再生方法

Info

Publication number
JPH07176089A
JPH07176089A JP5318734A JP31873493A JPH07176089A JP H07176089 A JPH07176089 A JP H07176089A JP 5318734 A JP5318734 A JP 5318734A JP 31873493 A JP31873493 A JP 31873493A JP H07176089 A JPH07176089 A JP H07176089A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
magneto
magnetic field
recording
external magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5318734A
Other languages
English (en)
Inventor
Junsaku Nakajima
淳策 中嶋
Naoyasu Iketani
直泰 池谷
Yoshiteru Murakami
善照 村上
Akira Takahashi
明 高橋
Kenji Ota
賢司 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP5318734A priority Critical patent/JPH07176089A/ja
Priority to US08/356,857 priority patent/US5637394A/en
Priority to KR1019940034901A priority patent/KR0157654B1/ko
Priority to EP94309416A priority patent/EP0658891B1/en
Priority to DE69430043T priority patent/DE69430043T2/de
Publication of JPH07176089A publication Critical patent/JPH07176089A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【構成】 光磁気ディスクは、室温からキュリー温度に
至る領域で垂直磁化を示す記録層4と、読み出し層3と
からなる磁気二重層を備えており、この読み出し層3
は、その磁化が、室温では比較的小さい外部磁界が印加
されることにより、この外部磁界に従う方向を向くと共
に、室温以上の高温状態では比較的大きな外部磁界のも
とでも、記録層4からの交換結合力に従った方向を向く
ように構成されている。 【効果】 再生時に照射する光の温度分布を利用して、
高温状態となる読み出し層3の領域を調整すると共に、
適当な大きさの外部磁界Hrを印加することにより、短
波長レーザを用いることなく、また、トラックピッチを
狭くしてもクロストーク量を増大させることなく、記録
密度の向上を実現できる。また、初期化磁界は不要であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気記録再生装置に
適用される、例えば光磁気ディスク、光磁気テープ、光
磁気カード等の光磁気記録媒体およびそれを用いた光磁
気記録情報の再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光磁気ディスクは、書き換え可能な光デ
ィスクとして研究開発が進められており、その一部は既
に、コンピュータ用の外部メモリとして実用化されてい
る。
【0003】記録媒体として垂直磁化膜を用いる光磁気
ディスクでは、光を利用して記録再生を行うため、面内
磁化膜を用いたフロッピィディスクあるいはハードディ
スクに比べて、大記録容量を実現できる。
【0004】ところが、光磁気ディスクの記録密度は、
光磁気ディスク上の光ビームスポットの大きさに制約を
受ける。つまり、記録ビット径および記録ビットの間隔
が、光ビームスポットの大きさに比べて小さくなると、
光ビームスポット内に複数の記録ビットが入るため、各
記録ビットを分離して再生することができなくなる。記
録密度を向上させるためにビームスポットの大きさを小
さくするには、レーザ光の波長を短くすることが有効で
あるが、現在市販されている半導体レーザは680nm
のものが最短であり、より短波長を有する半導体レーザ
は、いまだ開発途上にある。したがって、現在市販され
ている長い波長のレーザを用いて光磁気ディスクの記録
密度をさらに大きくすることは困難である。
【0005】これに対し、例えばJ.J.A.P.,vol.31(199
2),pp.568-575には、記録層と読み出し層との2つの磁
性層を備えた光磁気ディスクを用い、光ビームスポット
より小さいビットを読み出す2つの方法〔FAD(front
aperture detection)とRAD(rear aperture detecti
on) 〕が提案されており、ビーム走行方向の記録密度を
向上できることが示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法のうち、FAD方式においては、ビームスポット
の中の読み出しに関与する部分の形状が、三日月形状に
なり(上記文献のFig.6)、トラックピッチを狭くして
再生を行った場合、隣接トラックからの信号が混入する
現象(クロストーク)が起き易く、トラック密度を向上
させ難いという問題が生じる。また、RAD方式におい
ては、初期化のための磁界(磁石)が必要であり、装置
が大型化するという問題がある。
【0007】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであって、その目的は、初期化磁石を要すること
なく、また、トラックピッチを狭くしてもクロストーク
の増大を招来することなく、ビーム走行方向の記録密度
を向上させることが可能な光磁気記録媒体及びそれを用
いた光磁気記録情報の再生方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る光
磁気記録媒体は、上記の課題を解決するために、光磁気
記録した情報を読み出すための垂直磁気異方性をもつ、
厚みh1 の磁性層である読み出し層と、情報を光磁気記
録するための垂直磁気異方性をもつ、厚みh2の磁性層
である記録層とからなる磁気二重層を有し、室温(t
a)における、上記読み出し層の保磁力をHc1(t
a)、飽和磁化をMs1(ta)、上記記録層の保磁力を
Hc2(ta)、飽和磁化をMs2(ta)、界面での磁壁
エネルギーをσw(ta)、室温以上の所定温度(t
m)以上の温度(t)における、上記読み出し層の保磁
力をHc1(t)、飽和磁化をMs1(t)、上記記録層の
保磁力をHc2(t)、飽和磁化をMs2(t)、界面での
磁壁エネルギーをσw(t)とし、 Hw1(ta)=σw(ta)/2Ms1(ta)h1 Hw1(t)=σw(t)/2Ms1(t)h1 とすると、 Hc1(ta)+Hw1(ta)<−Hc1(t)+Hw
1(t) の条件を満たすことを特徴としている。
【0009】また、請求項2の発明に係る光磁気記録情
報の再生方法は、上記の課題を解決するために、請求項
1記載の光磁気記録媒体を用い、 Hw2(ta)=σw(ta)/2Ms2(ta)h2 Hw2(t)=σw(t)/2Ms2(t)h2 とすると、 Hc1(ta)+Hw1(ta)<Hr<−Hc1(t)+H
1(t) Hr<Hc2(ta)−Hw2(ta) Hr<Hc2(t)−Hw2(t) の関係を満たす外部磁界Hrを印加しながら光を照射
し、情報を読み取ることを特徴としている。
【0010】
【作用】請求項1の構成によれば、この光磁気記録媒体
から情報を読み出す際、光を照射すると、この光照射領
域における温度分布は、ほぼガウス分布になる。したが
って、光照射領域における中心近傍の領域のみが、所定
温度(tm)以上に昇温して周囲よりも高温(t)の領
域となる。この高温(t)まで昇温した領域の読み出し
層の磁化方向は、印加される外部磁界強度が−Hc
1(t)+Hw1(t)よりも小さければ、記録層からの交
換結合力に従った方向に動作するようになっている。
【0011】一方、上記光照射領域における高温(t)
まで昇温した領域以外の領域、すなわち高温領域の周囲
の領域の温度は、光が照射されてもそれほど上昇せず室
温(ta)程度のままである。このような周囲の領域で
は、印加される外部磁界強度がHc1(ta)+Hw1(t
a)よりも大きければ、読み出し層の磁化方向が、外部
磁界に従った方向に向くようになっている。
【0012】そこで、請求項2記載のように、情報の再
生を行う際、Hc1(ta)+Hw1(ta)<Hr<−H
1(t)+Hw1(t)を満足する外部磁界Hrを印加し
ながら、温度分布を考慮して上記光磁気記録媒体に光を
照射すると、光照射領域の周囲の領域、すなわち温度上
昇していない室温(ta)程度の領域の磁化は、上記外
部磁界Hrにより、外部磁界Hrに従った方向に向けら
れる。すなわち、室温(ta)程度の温度を有する読み
出し層の領域では、磁化が同一の垂直方向を向くことに
なる。一方、高温(t)状態となっている光照射領域の
中心部近傍に対応する領域の磁化は、上記の範囲の外部
磁界Hrを印加しても、外部磁界Hrに従うことはな
く、記録層との交換結合力により記録層の磁化の向きに
従うことになる。
【0013】また、上記再生時に印加される外部磁界H
rは、請求項2に記載したように、記録層の磁化が室温
(ta)で反転するときの磁界Hc2(ta)−Hw2(t
a)、および高温(t)付近で反転するときの磁界Hc
2(t)−Hw2(t)よりも小さくなるよう設定されてい
るので、この外部磁界Hrにより、記録層の磁化反転が
起こることはない。
【0014】したがって、読み出し層における光照射領
域の中心部近傍の領域のみが、記録層に記録された情報
に従って動作し、その周辺の読み出し層の磁化が、上記
外部磁界Hrにより常に同一方向を向くことにより、光
照射領域の中心部近傍以外の領域にある情報をマスクし
た状態になる。
【0015】これにより、所定温度(tm)以上の温度
に昇温され、光ビームの径より小さい中心近傍領域のみ
を再生に関与させることができるので、前記した従来の
FAD方式のように、再生に関与する領域が三日月状に
なる場合と異なり、隣接トラックからのクロストークが
減少し、再生時の分解能が向上する。また、再生時に印
加される上記外部磁界Hrによって記録層の情報が影響
を受けることもない。これらの結果、トラックピッチを
狭くしてもクロストークを増大させることなく、ビーム
走行方向の記録密度の向上を実現することが可能にな
る。また、これらのことを初期化用の磁界を要すること
なく実現できる。
【0016】
【実施例】本発明の一実施例について図1ないし図11
に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0017】本実施例の光磁気ディスク(光磁気記録媒
体)は、図1に示すように、基板1、透明誘電体層2、
読み出し層3、記録層4、保護層5、及びオーバーコー
ト層6が、この順に積層された構成となっている。
【0018】上記読み出し層3には、フェリ磁性体であ
るGdFeCo希土類遷移金属合金が使用されている。
GdFeCo希土類遷移金属合金単層(厚さ50nm)
の保磁力(Hc)の温度依存性は、図2に示すようにな
り、室温で希土類金属副格子磁化が遷移金属副格子磁化
よりも大きく、補償温度を130℃付近にもち、キュリ
ー温度は330℃である。この膜は、垂直磁気異方性が
比較的小さいため、室温でのHcの値は比較的小さなも
のとなっている。
【0019】尚、図には、代表的な温度でのカーヒステ
リシスループも併せて示している。ここで使用したGd
FeCo膜は、単層の場合、200℃以上で外部磁界が
0のときに略面内方向に磁化が向いているが、低温では
磁化は垂直方向を向く。尚、このようなデータを得るた
めに作製した試料は、図3に示すように、ガラス基板1
0上に磁性層11としてGdFeCo膜を50nm、A
lN誘電体層12を50nm積層したものであり、ガラ
ス基板10側から633nmの光を照射して測定してい
る。
【0020】上記記録層4には、フェリ磁性体であるD
yFeCo希土類遷移金属合金が使用されている。Dy
FeCo希土類遷移金属合金単層(厚さ50nm)の保
磁力(Hc)の温度依存性は、図4に示すようになり、
補償温度が室温で、キュリー温度は230℃である。図
には、代表的な温度でのカーヒステリシスループも併せ
て示している。ここで使用したDyFeCo膜は、単層
の場合、室温からキュリー温度に至る温度領域で垂直方
向に磁化が向いている。
【0021】尚、このようなデータを得るために作製し
た試料は、図3に示すように、ガラス基板10上に磁性
層11としてDyFeCo膜を50nm、AlN誘電体
層12を50nm積層したものであり、ガラス基板10
側から633nmの光を照射して測定している。
【0022】図5ないし図6は、上述のGdFeCo膜
およびDyFeCo膜をそれぞれ50nmずつ積層した
磁気二重層を有する試料のGdFeCo側より見た代表
的な温度でのカーヒステリシスループを示すものであ
る。作製した試料は、図7に示すように、ガラス基板1
3上にGdFeCo膜からなる読み出し層14、DyF
eCo膜からなる記録層15、およびAlN誘電体層1
6を順に積層した構成となっている。測定はガラス基板
13側より633nmの光を照射して行った。
【0023】尚、図5は室温、図6は120℃のループ
である。各図とも図7に示したサンプルの膜面に垂直方
向に印加される外部磁界Hと、膜面に垂直な方向から光
を入射させた場合の極カー回転角(θK ) の関係を示し
ている。また、ガラス基板のカー効果はキャンセルして
示してある。図中実線の矢印は、ループの軌跡が描かれ
る方向を表している。また、各図には、代表的な磁界で
の上記磁気二重層中の遷移金属副格子磁化の磁化方向を
模式的に示している。図中白抜きで示した矢印は、遷移
金属副格子磁化の方向を表しており、上の方が読み出し
層14の遷移金属副格子磁化、下の方が記録層15の遷
移金属副格子磁化を示している。また、波線で示した矢
印は外部磁界Hの方向である。外部磁界Hが正のとき
は、膜面に垂直に上向きの磁界が、一方、外部磁界Hが
負のときは下向きの磁界が印加されることを表してい
る。遷移金属副格子磁化の方向を表す白抜きの矢印は、
この外部磁界Hで採用した方向に対応してその方向が示
されている。
【0024】図5より明らかなように、室温で、図に示
したH1 以上の大きさをもつ外部磁界Hを垂直方向に印
加すると、読み出し層(GdFeCo膜)14の遷移金
属副格子磁化は外部磁界Hに従った方向を向く。図で
は、H1 以上の磁界では外部磁界Hに従って下を向き、
2 以下の磁界では記録層(DyFeCo膜)15との
交換結合力に従って上を向く。尚、図において記録層1
5の遷移金属副格子磁化の方向が全ての外部磁界Hで同
一方向(図では上向き)を向いているのは、記録層15
が室温に補償温度を持っていることを反映しているため
である。
【0025】また、図6は、−1.2≦H≦1.2(kO
e)の範囲で外部磁界Hを変化させたときのカーループ
である。120℃では、図に示したH3 以上の外部磁界
Hにおいて読み出し層14の遷移金属副格子磁化は、外
部磁界Hに従って下を向き、H4 以下の外部磁界Hでは
記録層15からの交換結合力に従って上を向く。尚、図
において記録層15の遷移金属副格子磁化の方向が全て
常に上向きに描かれているのは、記録層15が−1.2≦
H≦1.2(kOe)の範囲では磁化反転を起こさないこ
とを反映しているためである。
【0026】次に、ここで測定した試料にAlN誘電体
層16側より633nmの光を照射して、記録層15の
カーヒステリシスループを測定した結果を図8及び図9
に示す。測定は、−10≦H≦10(kOe)の範囲で
行った。図8は室温、図9は120℃の結果である。室
温では、−10≦H≦10(kOe)の範囲で記録層1
5の磁化は反転しなかった。また、120℃では、H=
2.2kOeで記録層15の磁化は反転した。
【0027】上記の特性を備えた磁気二重層を使用し、
適当な外部磁界のもとでレーザを照射して情報を再生す
る方法を採用すれば、光磁気ディスクの記録密度を向上
できる。すなわち、光ビームの大きさよりも小さな記録
ビットの再生が可能になる。
【0028】これについて、図5および図6を参照して
以下に説明する。再生動作時、図1に示す再生光ビーム
7が、基板1の側から集光レンズ8を介して読み出し層
3に照射される。再生光ビーム7が照射された読み出し
層3の領域は、その中心部近傍の温度が最も上昇し、周
辺の部位よりも高温になる。これは、再生光ビーム7
が、集光レンズ8により回析限界まで絞り込まれている
ため、その光強度分布がガウス分布になり、光磁気ディ
スク上の照射部位の温度分布もガウス分布になるからで
ある。
【0029】中心近傍の温度が上昇し、周辺部位の温度
が室温付近になるように再生光ビーム7の強度が設定さ
れている場合、光ビーム径よりも小さい中心近傍の領域
のみが再生に関与する。つまり、読み出し層3における
昇温した中心近傍の領域は、図6に示すような特性を有
する一方、読み出し層3における、再生光ビーム7の中
心近傍に対応した領域以外の周辺部位では、温度が室温
に近く、図5に示すような特性を有している。したがっ
て、磁石9を用いて、H1 とH4 の間をとる外部磁界H
rを印加することにより、上記中心近傍の領域内の読み
出し層3の遷移金属副格子磁化は、上記外部磁界Hrの
強度がH4 よりも小さいので、記録層4からの交換結合
力に従い、また上記の周辺部位の読み出し層3の遷移金
属副格子磁化は、上記外部磁界Hrの強度がH1 よりも
大きいので、磁石9から印加した外部磁界Hrに従うこ
とになる。
【0030】このように、本実施例で用いた磁気二重層
は、 H1 <H4 ・・・(1) なる条件を満たす必要があり、さらに、 H1 <Hr<H4 ・・・(2) を満たす外部磁界Hrを再生時に印加すれば、再生光ビ
ーム7の中心近傍の領域に対応する温度上昇部位のみで
記録層4の情報が読み出し層3に転写されることとな
り、再生光ビーム7の中心近傍のみが情報再生に関与す
ることとなる。つまり、温度上昇部位以外の読み出し層
3の遷移金属副格子磁化は、記録層4の情報をマスクす
る働きをする。
【0031】そして、再生光ビーム7が移動して(実際
には光磁気ディスクが回転して)、次の記録ビットを再
生するときは、先の再生部位の温度は室温付近まで下が
り、読み出し層3の遷移金属副格子磁化は、もはや記録
層4の遷移金属副格子磁化に従うことはなく、上記外部
磁界Hrにより温度上昇部位以外の領域の遷移金属副格
子磁化と同じ垂直方向を向くことになるので、先の再生
部位はマスクされることになる。
【0032】この現象を実現するための条件を一般的に
説明すると次のようになる。GdFeCo膜からなる読
み出し層3の厚みをh1 、DyFeCo膜からなる記録
層4の厚みをh2 、室温における読み出し層3の保磁力
をHc1(ta)、飽和磁化をMs1(ta)、記録層4の
保磁力をHc2(ta)、飽和磁化をMs2(ta)、界面
での磁壁エネルギーをσw(ta)とし、また、120
℃における読み出し層3の保磁力をHc1(t)、飽和磁
化をMs1(t)、記録層4の保磁力をHc2(t)、飽和
磁化をMs2(t)、界面での磁壁エネルギーをσw
(t)とすると、上記H1 及びH4 は、それぞれ H1 =Hc1(ta)+Hw1(ta) ・・・(3) H4 =−Hc1(t)+Hw1(t) ・・・(4) である。尚、上記Hw1(ta)及びHw1(t)は、それ
ぞれ Hw1(ta)=σw(ta)/2Ms1(ta)h1 Hw1(t)=σw(t)/2Ms1(t)h1 である。上記(3),(4)式を前記(2)式に代入す
ると、 Hc1(ta)+Hw1(ta)<Hr<−Hc1(t)+Hw1(t)・・・(5) となり、光磁気ディスクの磁気特性に応じた外部磁界H
rの範囲が設定される。
【0033】また、光磁気ディスクに設けられている磁
気二重層は、前記(1)より、 Hc1(ta)+Hw1(ta)<−Hc1(t)+Hw1(t) ・・・(6) を満たす必要がある。
【0034】上記(6)式の条件を満たした磁気二重層
を有する光磁気ディスクと、(5)式の条件を満たした
外部磁界Hrとの組み合わせを用いて再生を行ったとき
の状態は、図1に示されている。図において読み出し層
3および記録層4中に示した矢印は、各層の遷移金属副
格子磁化の方向を表しており、昇温している部位のみ
で、記録層4に書き込まれた情報が読み出し層3に転写
されている。一方、ビーム中心近傍以外の室温状態にあ
る領域では、読み出し層3の遷移金属副格子磁化は、上
向きに印加された外部磁界Hrによって一様な同一垂直
方向(図では下向き)を向き、記録層4に書き込まれた
情報をマスクしている。
【0035】したがって、温度の低下した部位からは情
報が再生されなくなり、雑音の原因である隣接ビットか
らの信号混入がなくなる。ただし、このとき外部磁界H
rは記録層4の情報を破壊しない程度の大きさである必
要がある。
【0036】ところで、 Hw2(ta)=σw(ta)/2Ms1(ta)h2 Hw2(t)=σw(t)/2Ms1(t)h2 とすると、室温付近で記録層4の磁化を反転させる外部
磁界は、Hc2(ta)−Hw2(ta)であり、上記再生
光ビーム7が照射されることにより、昇温した状態にあ
る記録層4の磁化を反転させるときの外部磁界はHc
2(t)−Hw2(t)で表されるので、上記再生時に印加
する外部磁界Hrは、これらの値よりも小さい範囲に設
定する必要がある。
【0037】よって、上記外部磁界Hrは、 Hr<Hc2(ta)−Hw2(ta) ・・・(7) Hr<Hc2(t)−Hw2(t) ・・・(8) を満足することが必要になる。
【0038】これらの結果、上記(5),(6),
(7),(8)式が、光磁気ディスクと再生時の外部磁
界Hrとの満たすべき条件となる。本実施例で用いた磁
気二重層は、図5及び図6より分かるように、 Hc1(ta)+Hw1(ta)=450(Oe) −Hc1(120℃)+Hw1(120℃)=800(O
e) であり、上記(6)式を満たしている。
【0039】また、図8及び図9から分かるように、 Hc2(ta)−Hw2(ta)>10(kOe) Hc2(120℃)−Hw2(120℃)=2.2(kOe) であった。
【0040】そこで、450<Hr<800(Oe)と
なるHrを選べば(5),(7),(8)式を満たすこ
ととなる。
【0041】以上のように、上記のような条件を満足す
る磁気二重層をもつ本実施例の光磁気ディスクを用い、
適当なレーザパワーで、かつ適当な外部磁界Hrのもと
で情報を再生すると、再生光ビーム7の径よりも小さい
記録ビットの再生を確実に行うことが可能になる。しか
も、隣接する記録ビットの影響を受けないため、記録密
度を著しく高めることが可能になる。また、初期化用の
磁界を必要としないため、このような光磁気ディスクを
用いた装置では、小型化を実現できる。
【0042】次に、上記光磁気ディスクの具体例をさら
に詳細に説明する。基板1は、直径86mm、内径15
mm、厚さ1.2mmの円盤状のガラス基板からなり、図
示していないが、片側の表面には、光ビーム案内用の凹
凸状のガイドトラックが1.6μmピッチ、グルーブ幅
(凹部)の幅が0.8μm、ランド(凸部)の幅が0.8μ
mで形成されている。
【0043】この基板1における上記ガイドトラックが
形成された面側には、透明誘電体層2として、AlNが
厚さ80nmで形成されている。さらに、この透明誘電
体層2上には、読み出し層3として、希土類遷移金属合
金薄膜であるGdFeCo膜が、厚さ50nmで形成さ
れている。GdFeCoの組成は、Gd0.22(Fe0. 82
Co0.180.78で、室温では希土類金属副格子磁化が遷
移金属副格子磁化よりも優勢で、補償温度は130℃付
近、キュリー温度は330℃である。
【0044】この読み出し層3上に記録層4として、希
土類遷移金属合金薄膜であるDyFeCo膜が、厚さ5
0nmで形成されている。DyFeCoの組成は、Dy
0.25(Fe0.83Co0.170.75で、室温が補償温度で、
キュリー温度は230℃である。
【0045】上記の読み出し層3と記録層4との組み合
わせにより、読み出し層3の遷移金属副格子磁化の方向
は、上述のように、室温では450(Oe)以上の外部
磁界のもとでは外部磁界の方向に従い、120℃では8
00(Oe)以下の外部磁界のもとで記録層4からの交
換結合力に従う。
【0046】記録層4上には、保護層5としてAlN膜
が、厚さ20nmで形成されている。さらに、この保護
層5上には、オーバーコート層6としてポリウレタンア
タリレート系の紫外線硬化型樹脂が、厚さ50nmで形
成されている。
【0047】次に、上記構成の光磁気ディスクを用い
て、動作認識のために行った実験および実験により得ら
れた結果について説明する。実験に使用した光ピックア
ップの半導体レーザの波長は780nm、対物レンズ開
口数(N.A.) は0.55である。まず、上記光磁気デ
ィスクの半径26.5mmに在るランド部に、回転数18
00rpm(線速5m/sec)下で、0.765μmの
長さの単一周波数記録ビットを予め記録した。記録は、
まず、記録層4の磁化の方向を一方向に揃えて(消去状
態)から、記録用外部磁界の方向を消去方向とは逆方向
に固定しておいて、0.765μmの長さに相当する記録
周波数(この場合は約3.3MHz)でレーザを変調する
ことで行った。記録レーザパワーは、8mW程度であっ
た。
【0048】このように記録した記録ビット列を、再生
レーザパワーおよび再生時の印加磁界を変えて再生し、
再生信号波形の振幅を調べた結果を図10に示す。図に
おいては、横軸が再生レーザパワーであり、0.5mWか
ら3.0mWの範囲で測定した。縦軸は再生信号振幅を示
しており、再生レーザパワーが0.5mWのときの振幅で
規格化している。図中Aで示す曲線は、本実施例の光磁
気ディスクの測定結果で、再生時に印加する外部磁界H
rは650(Oe)とした。図中Bで示した曲線は、比
較のために作製した従来の光磁気ディスクの測定結果で
ある。
【0049】従来の光磁気ディスクは、上記と同様の基
板上にAlN80nm/DyFeCo20nm/AlN
25nm/AlNi30nmをこの順に積層し、AlN
i上に上記と同様のオーバーコート層を設けた構成をと
っている。すなわち、従来の光磁気ディスクは、希土類
遷移金属合金であるDyFeCo磁性層が1層だけであ
り、その両側を透明誘電体層であり、また保護層である
AlNで挟み込み、最後に反射膜であるAlNiを設け
た構造である。
【0050】この構造は、反射膜構造と呼ばれ、既に市
販されている3.5インチサイズ単板仕様の光磁気ディス
クの代表的な構成である。また、周知の如く、従来の光
磁気ディスクにおけるDyFeCo磁性層は、室温から
高温まで垂直磁化を有している。尚、従来の光磁気ディ
スクに対して再生動作を行う際には、外部磁界は印加し
ていない。
【0051】また、図に示した破線は、原点と0.5mW
での振幅規格値を結んだ線であり、次式で表される光磁
気信号の再生における信号振幅と再生レーザパワーの関
係を示す比例直線を表すものである。
【0052】 再生信号振幅 ∝ 媒体反射光量 × 極カー回転角 この式で、媒体反射光量は、再生レーザパワーに比例し
て増加するものであるから、再生レーザパワーで置き換
えることができる。
【0053】図において、従来の光磁気ディスクの測定
結果曲線Bが、上記比例直線の下にあるのは、次の理由
による。すなわち、再生レーザパワーを上げると、媒体
反射光量はそれにつれて増加するが、一方で記録媒体の
温度が上昇する。磁性体の磁化は、一般に温度が上がる
につれ減少し、キュリー温度で0になる性質を有してい
る。したがって、従来の光磁気ディスクでは、温度が上
昇するにつれ極カー回転角が小さくなるため、その測定
結果曲線Bは、上記比例直線よりも下側に位置する。
【0054】一方、本実施例の光磁気ディスクの測定結
果曲線Aは、再生レーザパワーが上がるにつれ、急激に
信号振幅が上昇し、上記比例直線より上側にあり、再生
レーザパワーの増加分以上の振幅の増加が得られている
ことがわかる。この結果は、温度が低い時には、外部磁
界Hrと読み出し層3の効果により記録層4に書かれた
情報がマスクされるため読み出されず、温度上昇に伴い
読み出し層3の遷移金属副格子磁化が、記録層4の遷移
金属副格子磁化に従うことにより情報が読みだされると
いう、前述した適当な外部磁界Hrのもとで再生を行う
際の磁気二重層の特性を反映しており、その動作を裏付
けるものである。
【0055】次に、記録ビットをより小さくしていった
場合の再生信号品質を調べた結果について説明する。こ
こで、より小さな記録ビットの再生が可能になるという
ことは、記録密度の向上を意味する。
【0056】図11のグラフは、記録ビット長さと再生
信号品質(C/N)との関係を示すものである。この実
験では、ディスクの線速を先の実験と同様に5m/se
cに設定し、記録周波数を変えて記録を行い、そのC/
Nを測定した。それ以外の、光ピックアップおよび記録
方法は、先の実験と同様である。図中Aで示す曲線が、
本実施例の光磁気ディスクの測定結果で、再生レーザパ
ワーは3.0mWとし、再生時に印加する外部磁界Hrは
650(Oe)とした。また、図中Bで示す曲線が、先
の実験で用いたものと同様の従来の光磁気ディスクの測
定結果で、再生レーザパワーは1mW、また、再生時に
磁界は印加しなかった。
【0057】記録ビットの長さが0.7μm以上の長いビ
ットにおいては、両者でC/Nにほとんど差はないが、
0.7μm以下になると、本実施例の光磁気ディスクによ
る測定結果曲線Aと、従来の光磁気ディスクによる測定
結果曲線Bの差が顕著に現れる。
【0058】従来の光磁気ディスクにおいて、記録ビッ
トの長さが0.7μm以下の場合に、C/Nが低いのは、
ビット長さが小さくなるにつれ、光ビームの照射径の中
に存在するビットの数(面積)が増え、個々のビットを
識別できなくなるからである。
【0059】光ピックアップの光学的分解能を表す一つ
の指標として、カットオフ空間周波数があり、これは、
光源であるレーザの波長と対物レンズの開口数により定
まるものである。この実験に用いた光ピックアップのレ
ーザの波長(780nm)と対物レンズの開口数の値
(0.55)を用いて、カットオフ周波数を求め、これを
記録ビット長さに換算すると、 780nm/(2*0.55)/2=0.355μm になる。言い換えると本実験に用いた光ピックアップの
光学的分解能の限界は、ビット長さで0.355μmであ
る。上記従来の光磁気ディスクの測定結果は、これを反
映して、0.35μmでのC/Nがほぼ0になっている。
【0060】一方、本実施例の光磁気ディスクは、ビッ
ト長さが小さくなるにつれて、C/Nが若干減少するも
のの、光学的分解能である0.355μmよりも短いビッ
トにおいても大きなC/Nの値が得られている。
【0061】以上の結果から、本実施例の光磁気ディス
クを用いることで、光学的回析限界より小さなビットの
再生が行えることが確認された。これにより、従来の光
磁気ディスクに比べて記録密度を大きく向上させること
が可能である。
【0062】次に、上記実験で確かめた記録密度向上の
効果に加えて、もう一つの重要な効果であるクロストー
ク量の減少について実験した結果について説明する。
【0063】一般に、光磁気ディスクは、例えばランド
仕様であればランドの幅をできるだけ広く取り、グルー
ブの幅を狭くしたガイドトラックを形成し、ランド部の
みを記録、再生に用いる。したがって、例えばランド仕
様ディスクでのクロストークとは、任意のランドを再生
している場合に、両隣のランドに書き込まれたビットか
ら漏れ込んでくるものを言う。尚、グルーブ仕様のディ
スクであれば、この逆である。
【0064】例えばIS10089規格(ISOの5.2
5”書き換え型光ディスクについて定めた規格)におい
ては、1.6μmピッチのガイドトラックにおいて、最短
記録ビット(0.765μm)に対するクロストーク量が
−26dB以下であるように定められている。尚、ここ
での実験では、ランド幅とグルーブ幅が同じ0.8μmで
ある前述のガラス基板を用いた光磁気ディスクを使用し
ており、ランド部再生時の両隣接グルーブからのクロス
トーク量を測定した。
【0065】図12のグラフは、この実験を本実施例の
光磁気ディスクと従来の光磁気ディスクとについて測定
した結果を示すものである。このグラフにおいて、横軸
は再生レーザパワー、縦軸はクロストーク量である。図
中Aは、本実施例の光磁気ディスクの測定結果であり、
再生時のレーザパワーは3.0mW、再生時に印加する外
部磁界Hrは650(Oe)とした。図中Bは、先に行
った実験と同様に、比較用の従来の光磁気ディスクの測
定結果である。
【0066】このグラフから明らかなように、従来の光
磁気ディスク(B)では、クロストーク量が−15dB
程度と大きいのに対して、本実施例の光磁気ディスク
(A)では、−30dBと上記ISO規格で定められた
−26dBをクリアする結果が得られた。
【0067】このような結果が得られる理由を図13を
用いて説明する。図13は、真上から見た光磁気ディス
クの状態を示しており、真ん中のランド部と両隣のグル
ーブ部にそれぞれ円形(破線)で示された記録ビットが
記録されている。図中の大きい方の円(実線)は、集光
された光ビームであり、この場合は、真ん中のランド部
にサーボがかかっている。図において、ランド幅および
グルーブ幅は0.8μm、光ビーム直径は1.73μm(エ
アリーディスク径:1.22*780nm/0.55)、記
録ビット直径は、説明の便宜上、0.355μmの大きさ
で示している。
【0068】図において、光ビームの下には、7個の記
録ビットが入っている。従来の光磁気ディスクであれ
ば、光ビーム内のそれぞれの信号を分離することはでき
なくなる。このことが、従来の光磁気ディスクにおい
て、0.35μmの記録ビットに対してC/Nがほとんど
得られなかったこと、および隣接トラックからのクロス
トークが大きかったことに対する理由である。
【0069】一方、本実施例の光磁気ディスクであれ
ば、光ビームの中心近傍の領域(すなわち周囲より温度
の高い領域)のみで、読み出し層3の遷移金属副格子磁
化が、記録層4の遷移金属副格子磁化の方向(すなわ
ち、記録されている情報)に従って動作するのに対し、
光ビーム中心近傍以外の部分の読み出し層3の遷移金属
副格子磁化は、再生時に印加された外部磁界Hrに従っ
て一様に同一の垂直方向を向いている。
【0070】したがって、上記のように、光ビーム内に
7個のビットがあっても、再生に寄与するのは光ビーム
中心に位置する1つのビットのみであるので、0.355
μmという非常に小さなビットであっても、大きなC/
Nが得られる。さらに、前記した従来のFAD方式で
は、再生に関与する領域が三日月状になるため、隣接ト
ラックからのクロストークが問題となっていたが、本実
施例では、再生に関与する光ビームの中心近傍の領域
は、図に示すように、略円形であるので、両隣接トラッ
クからのクロストークも非常に小さくなる。
【0071】以上のように、読み出し層3と記録層4を
積層した磁気二重層を備えた光磁気ディスクを用い、再
生時に上記した範囲の強度を有する外部磁界Hrを印加
しながら、レーザ光を照射することにより、初期化磁石
を要することなく、また、トラックピッチを狭くしても
クロストークの増大を招来することなく、ビーム走行方
向の記録密度の向上を実現できることが、上記各実験結
果から確かめられた。
【0072】尚、読み出し層3および記録層4の組成、
膜厚、合金の種類等は、上記の実施例に限定されるもの
ではない。本発明の主旨に沿えば、磁気二重層の膜厚、
磁気特性、再生時に印加する外部磁界Hrが前記
(5),(6),(7),(8)式を満たせば良いこと
は明らかである。希土類遷移金属合金は、希土類と遷移
金属の比率を変えれば、保磁力、磁化の大きさ、界面で
の磁壁エネルギーが大きく変わる材料系であるので、上
記GdFeCoやDyFeCoの比率を変えれば、これ
に伴って上述のH1 やH4 も変化する。また、膜厚を変
えた場合にも、同様である。さらに、希土類金属遷移金
属合金の種類を、例えばTbFeCo,GdTbFe,
GdTbFeCo,GdDyFeCo,NdGdFeC
o等に変えることも可能である。
【0073】
【発明の効果】請求項1の発明に係る光磁気記録媒体
は、以上のように、光磁気記録した情報を読み出すため
の垂直磁気異方性をもつ、厚みh1 の磁性層である読み
出し層と、情報を光磁気記録するための垂直磁気異方性
をもつ、厚みh2 の磁性層である記録層とからなる磁気
二重層を有し、室温(ta)における、上記読み出し層
の保磁力をHc1(ta)、飽和磁化をMs1(ta)、上
記記録層の保磁力をHc2(ta)、飽和磁化をMs2(t
a)、界面での磁壁エネルギーをσw(ta)、室温以
上でかつ所定温度(tm)以上の温度(t)における、
上記読み出し層の保磁力をHc1(t)、飽和磁化をMs
1(t)、上記記録層の保磁力をHc2(t)、飽和磁化を
Ms2(t)、界面での磁壁エネルギーをσw(t)と
し、 Hw1(ta)=σw(ta)/2Ms1(ta)h1 Hw1(t)=σw(t)/2Ms1(t)h1 とすると、 Hc1(ta)+Hw1(ta)<−Hc1(t)+Hw
1(t) の条件を満たす構成である。
【0074】また、請求項2の発明に係る光磁気記録情
報の再生方法は、以上のように、請求項1記載の光磁気
記録媒体を用い、 Hw2(ta)=σw(ta)/2Ms2(ta)h2 Hw2(t)=σw(t)/2Ms2(t)h2 とすると、 Hc1(ta)+Hw1(ta)<Hr<−Hc1(t)+H
1(t) Hr<Hc2(ta)−Hw2(ta) Hr<Hc2(t)−Hw2(t) の関係を満たす外部磁界Hrを印加しながら光を照射
し、情報を読み取るものである。
【0075】そえゆえ、請求項1記載の光磁気記録媒体
では、請求項2記載の方法で、光を照射した際の温度分
布と印加する外部磁界Hrとを調整しながら再生するこ
とにより、読み出し層において光照射領域の中心近傍に
相当する所定の温度(tm)以上の高温(t)領域のみ
を再生に関与させることが可能になり、トラックピッチ
を狭くしてもクロストークを増大させることなく、従来
より小さい記録ビットの再生を行えるようになるため、
記録密度を著しく向上できるという効果を奏する。
【0076】さらに、この方法では、初期化用の磁界を
必要としないので、このような光磁気記録媒体を用いる
ことにより、記録再生装置等の小型化を実現できるとい
う効果を併せて奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における光磁気ディスクの概
略の構成および再生動作を説明するための模式図であ
る。
【図2】図1に示す光磁気ディスクに用いられている読
み出し層が単層の場合の保磁力の温度依存性および代表
的な温度でのカーヒステリシスループを示すグラフであ
る。
【図3】図2のグラフに示す測定結果を得るために作製
された試料の断面図である。
【図4】図1に示す光磁気ディスクに用いられている記
録層が単層の場合の保磁力の温度依存性および代表的な
温度でのカーヒステリシスループを示すグラフである。
【図5】図1に示す光磁気ディスクにおける磁気二重層
の読み出し層側からみた室温でのカーヒステリシスルー
プを示すグラフである。
【図6】図1に示す光磁気ディスクにおける磁気二重層
の読み出し層側からみた120℃でのカーヒステリシス
ループを示すグラフである。
【図7】図5及び図6のカーヒステリシスループを測定
するために作製した試料の断面図である。
【図8】図1に示す光磁気ディスクにおける磁気二重層
の記録層側からみた室温でのカーヒステリシスループを
示すグラフである。
【図9】図1に示す光磁気ディスクにおける磁気二重層
の記録層側からみた120℃でのカーヒステリシスルー
プを示すグラフである。
【図10】本実施例の光磁気ディスクおよび従来の光磁
気ディスクにおける再生レーザパワーと再生信号振幅と
の関係を示すグラフである。
【図11】本実施例の光磁気ディスクおよび従来の光磁
気ディスクにおける記録ビットの長さと再生信号品質と
の関係を示すグラフである。
【図12】本実施例の光磁気ディスクおよび従来の光磁
気ディスクにおけるクロストーク量を示すグラフであ
る。
【図13】本実施例における光磁気ディスクの再生動作
時の状態を示す模式図である。
【符号の説明】
3 読み出し層 4 記録層 7 再生光ビーム 9 磁石 11 磁性層 14 読み出し層 15 記録層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 明 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 太田 賢司 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光磁気記録した情報を読み出すための垂直
    磁気異方性をもつ、厚みh1 の磁性層である読み出し層
    と、情報を光磁気記録するための垂直磁気異方性をも
    つ、厚みh2 の磁性層である記録層とからなる磁気二重
    層を有し、室温(ta)における、上記読み出し層の保
    磁力をHc1(ta)、飽和磁化をMs1(ta)、上記記
    録層の保磁力をHc2(ta)、飽和磁化をMs2(t
    a)、界面での磁壁エネルギーをσw(ta)、室温以
    上の所定温度(tm)以上の温度(t)における、上記
    読み出し層の保磁力をHc1(t)、飽和磁化をMs
    1(t)、上記記録層の保磁力をHc2(t)、飽和磁化を
    Ms2(t)、界面での磁壁エネルギーをσw(t)と
    し、 Hw1(ta)=σw(ta)/2Ms1(ta)h1 Hw1(t)=σw(t)/2Ms1(t)h1 とすると、 Hc1(ta)+Hw1(ta)<−Hc1(t)+Hw
    1(t) の条件を満たすことを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光磁気記録媒体を用い、 Hw2(ta)=σw(ta)/2Ms2(ta)h2 Hw2(t)=σw(t)/2Ms2(t)h2 とすると、 Hc1(ta)+Hw1(ta)<Hr<−Hc1(t)+H
    1(t) Hr<Hc2(ta)−Hw2(ta) Hr<Hc2(t)−Hw2(t) の関係を満たす外部磁界Hrを印加しながら光を照射
    し、情報を読み取ることを特徴とする光磁気記録情報の
    再生方法。
JP5318734A 1993-12-17 1993-12-17 光磁気記録媒体及びそれを用いた光磁気記録情報の再生方法 Pending JPH07176089A (ja)

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JP5318734A JPH07176089A (ja) 1993-12-17 1993-12-17 光磁気記録媒体及びそれを用いた光磁気記録情報の再生方法
US08/356,857 US5637394A (en) 1993-12-17 1994-12-15 Magneto-optical recording medium and method of reproducing magneto-optical information using thereof
KR1019940034901A KR0157654B1 (ko) 1993-12-17 1994-12-15 광자기 기록매체 및 이것을 이용한 광자기 기록 정보의 재생방법
EP94309416A EP0658891B1 (en) 1993-12-17 1994-12-16 Magneto-optical recording medium and method of reproducing magneto-optical information using thereof
DE69430043T DE69430043T2 (de) 1993-12-17 1994-12-16 Magnetooptisches Aufzeichnungsmedium und Verfahren zur Wiedergabe dessen magneto-optischer Information

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100385406B1 (ko) * 1998-01-23 2003-05-23 산요 덴키 가부시키가이샤 광자기 기록 매체의 재생 방법 및 광자기 디스크 장치

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100385406B1 (ko) * 1998-01-23 2003-05-23 산요 덴키 가부시키가이샤 광자기 기록 매체의 재생 방법 및 광자기 디스크 장치

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