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JPH07174183A - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器

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Publication number
JPH07174183A
JPH07174183A JP34438193A JP34438193A JPH07174183A JP H07174183 A JPH07174183 A JP H07174183A JP 34438193 A JP34438193 A JP 34438193A JP 34438193 A JP34438193 A JP 34438193A JP H07174183 A JPH07174183 A JP H07174183A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
bypass passage
rod
spool
piston
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP34438193A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3733148B2 (ja
Inventor
Tatsuya Masamura
辰也 政村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kayaba Industry Co Ltd filed Critical Kayaba Industry Co Ltd
Priority to JP34438193A priority Critical patent/JP3733148B2/ja
Publication of JPH07174183A publication Critical patent/JPH07174183A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3733148B2 publication Critical patent/JP3733148B2/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 所謂自動的に所定の減衰力調整をなし得るの
は勿論のこと、それ自体のコスト高を招来せず、しか
も、サスペンション装置として利用する場合にも装置全
体としてのコスト上昇化を招来しないようにすること。 【構成】 ピストン3に配設の伸側減衰バルブ4及び圧
側減衰バルブ5をそれぞれ迂回しそれぞれの側のサブバ
ルブ6,7を有する伸側バイパス路及び圧側バイパス路
が、シリンダ体1内に挿通されピストン3を連設させる
ロッド体2の外周に介装され共振体を構成するスプール
21の共振移動時に選択的に開閉されて、発生減衰力が
高低調整されるように形成されてなるとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両におけるサスペ
ンション装置等の制振装置への利用に適する油圧緩衝器
の改良に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】例えば、車両の車軸と車体との
間に配在されて車両におけるサスペンション装置を構成
する油圧緩衝器は、走行中の車両において、路面からの
振動を車体に伝達させないように構成されると共に、不
必要な車体の揺れを防止するように構成される。
【0003】特に、近年の油圧緩衝器は、運転者が操縦
に専心できるように、所謂自動的に発生減衰力を高低調
整し得る構成とされることが多く、一般的には、車体に
配設の各種センサからの検出値に基づいて作動するコン
トローラによって発生減衰力が高低調整される等のよう
に構成されている。
【0004】この場合に、油圧緩衝器にあっては、例え
ば、減衰力発生部にコントロールバルブを有していて、
該コントロールバルブがアクチュエータの駆動で所定の
作動をし、減衰力発生部で発生される減衰力を高低、即
ち、ハードあるいはソフトに変更調整する等のように構
成されている。
【0005】それ故、上記した近年汎用の油圧緩衝器に
あっては、該油圧緩衝器自体の構成が複雑になり易く、
従って、部品点数や組立工程数の増加で油圧緩衝器自体
にコスト高を招来し易くなる不具合がある。
【0006】また、このような油圧緩衝器をサスペンシ
ョン装置に利用する場合には、センサやコントローラの
配設が必須になり、装置全体としてのコスト上昇化が招
来され易くなる不都合もある。
【0007】この発明は、前記した事情に鑑みて創案さ
れたものであって、その目的とするところは、所謂自動
的に所定の減衰力調整をなし得るのは勿論のこと、それ
自体のコスト高を招来せず、しかも、サスペンション装
置として利用する場合にも装置全体としてのコスト上昇
化を招来しないようにするに最適となる油圧緩衝器を提
供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、この発明の構成を、車軸側部材に設定されたシ
リンダ体に対して出没される車体側部材に設定のロッド
体の先端に連設のピストンによってシリンダ体内に区画
されるロッド側室とピストン側室とが、ピストンに配設
の伸側減衰バルブ及び圧側減衰バルブを介して相互に連
通可能とされる一方で、伸側減衰バルブを迂回する伸側
バイパス路及び圧側減衰バルブを迂回する圧側バイパス
路を介して相互に連通可能とされてなる油圧緩衝器にお
いて、伸側バイパス路の下流側端に伸側サブバルブが配
設されると共に、圧側バイパス路の上流側端に圧側サブ
バルブが配設されてなり、かつ、伸側バイパス路の上流
側端及び圧側バイパス路の下流側端がロッド体に上下二
段に開穿の横孔を介してそれぞれロッド側室に連通され
ると共に、ロッド側室におけるロッド体の外周に上下に
配設のスプリングの介在下にロッド体の軸線方向に摺動
可能にスプールが介装されてなり、スプールの静止時に
伸側バイパス路の上流側端及び圧側バイパス路の下流側
端がそれぞれ開口状態におかれる一方で、スプールの上
昇時に圧側バイパス路の下流側端が閉口状態におかれ、
スプールの下降時に伸側バイパス路の上流側端が閉口状
態におかれるように形成されてなるとする。
【0009】そして、好ましくは、スプールと上下一対
のスプリングとで構成される固有振動数は、おおむね、
車体と懸架バネとで構成される固有振動数(1〜2H
z)付近に設定されるとする。
【0010】
【作用】それ故、車体側部材とされるロッド体が静止状
態にあるとき、仮に、車軸側部材たるシリンダ体が路面
振動で上下動されても、ロッド体に介装のスプールは、
ロッド体の外周で静止状態におかれる。
【0011】もっとも、このとき、相対的には、シリン
ダ体内でピストンが摺動する状態になり、ロッド側室と
ピストン側室とは、伸側減衰バルブ及び圧側減衰バルブ
を介して連通される一方で、伸側バイパス路及び圧側バ
イパス路を介してであるが、伸側サブバルブ及び圧側サ
ブバルブを介しても連通される。
【0012】従って、このとき、油圧緩衝器において発
生される減衰力は、低い、即ち、ソフトな減衰力にな
る。
【0013】これに対して、車体側部材たるロッド体が
振動で上下動されるとき、ロッド体に介装のスプール
は、その慣性によってロッド側室におけるロッド体の外
周で摺動状態におかれる。
【0014】そして、ロッド体の振動時にスプールが共
振し、しかもこの共振によってスプールがロッド体の外
周で下降した状態になるとき、ロッド側室におけるロッ
ド体の外周に開口する伸側バイパス路の上流側端が閉口
状態になり、伸側バイパス路が閉塞される。
【0015】その結果、伸側バイパス路の閉塞で伸側サ
ブバルブを介してのロッド側室のピストン側室への連通
が遮断され、伸側減衰バルブを介してのみロッド側室の
ピストン側室への連通が許容される。
【0016】また、共振によってスプールがロッド体の
外周で上昇した状態になるとき、ロッド側室におけるロ
ッド体の外周に開口する圧側バイパス路の下流側端が閉
口状態になり、圧側バイパス路が閉塞される。
【0017】その結果、圧側バイパス路の閉塞で圧側サ
ブバルブを介してのピストン側室のロッド側室への連通
が遮断され、圧側減衰バルブを介してのみピストン側室
のロッド側室への連通が許容される。
【0018】従って、ロッド体に介装のスプールの共振
でバイパス路が閉塞状態におかれる場合には、ロッド側
室とピストン側室との連通が伸側減衰バルブあるいは圧
側減衰バルブを介してのみ実現されることになり、この
とき、油圧緩衝器において発生される減衰力が高い、即
ち、ハードな減衰力になる。
【0019】そして、スプールが一方のバイパス路を閉
塞するときには他方のバイパス路を連通状態にすること
から、伸側減衰力がハードになるときは圧側減衰力がソ
フトになり、圧側減衰力がハードになるときには伸側減
衰力がソフトになる。
【0020】
【実施例】以下、図示したところに基づいてこの発明を
説明するが、この発明の一実施例に係る油圧緩衝器も、
基本的には、所謂従来の油圧緩衝器と同様に構成されて
いるとし、それ故、以下には、この発明の要部となると
ころ中心に説明し、その他の構成については、必要に応
じて説明することにする。
【0021】即ち、図1に示すように、この発明の一実
施例に係る油圧緩衝器は、シリンダ体1に対して出没さ
れるロッド体2の先端に連設のピストン3によって、シ
リンダ体1内にロッド側室Aとピストン側室Bとを区画
している。
【0022】そして、ロッド側室Aとピストン側室B
は、ピストン3に配設の伸側減衰バルブ4及び圧側減衰
バルブ5を介して相互に連通可能とされている一方で、
伸側減衰バルブ4を迂回する伸側バイパス路の下流側端
に配在の伸側サブバルブ6及び圧側減衰バルブ5を迂回
する圧側バイパス路の上流側端に配在の圧側サブバルブ
7を介しても相互に連通可能とされている。
【0023】シリンダ体1は、この実施例にあって、車
軸側部材に設定されているもので、例えば、単筒構造の
油圧緩衝器におけるシリンダ、あるいは、複筒構造の油
圧緩衝器における内筒、を構成する。
【0024】そして、ロッド体2は、この実施例にあっ
て、車体側部材に設定されており、例えば、上記シリン
ダ、あるいは、上記内筒に対して出没されるピストンロ
ッドを構成する。
【0025】尚、図示しないが、シリンダ体1の上端内
部は、ロッド体2を軸封構造に挿通させるように構成さ
れ、ロッド体2との間に必要なシール部材等も有する。
【0026】また、同じく図示しないが、ピストン側室
Bは、背後にガス室を区画するフリーピストンを有して
いたり、内筒の外周側に配在の外筒との間に区画される
リザーバ室にベースバルブ部を介して連通されていたり
する。
【0027】伸側減衰バルブ4及び圧側減衰バルブ5
は、この実施例にあって、それぞれ環状のリーフバルブ
からなり、伸側減衰バルブ4は、ピストン3に開穿の伸
側ポート3aの図中で下端となる下流側端を、また、圧
側減衰バルブ5は、ピストン3に開穿の圧側ポート3b
の図中で上端となる下流側端を、それぞれ開閉可能に閉
塞するように、即ち、内周端固定で外周端自由となるよ
うに配在されている。
【0028】尚、伸側減衰バルブ4の背後側には、後述
する伸側サブバルブ6のバルブストッパを兼ねるバルブ
ストッパ4aが間座4bの介在下に配在され、圧側減衰
バルブ5の背後側には、後述する振動体機構20を構成
するガイド部材を兼ねるバルブストッパ5aが間座5b
の介在下に配在されている。
【0029】伸側サブバルブ6及び圧側サブバルブ7
も、この実施例にあっては、それぞれ環状のリーフバル
ブからなり、上記した伸側減衰バルブ4及び圧側減衰バ
ルブ5と同様に、それぞれ内周端固定で外周端自由の形
態に配在されている。
【0030】ところで、伸側サブバルブ6をその下流側
端に配在させる伸側バイパス路及び圧側サブバルブ7を
その上流側端に配在させる圧側バイパス路は、この実施
例にあって、ロッド体2の先端インロー部2aの近傍た
る近傍部2bから該ロッド体2の先端螺条部2cに螺装
されるピストンナット8との間に亙って形成されてい
る。
【0031】即ち、ロッド体2は、その近傍部2bから
先端インロー部2aにかけての軸芯部に開穿されその下
端がピストン側室B側に開口する縦孔2dを有してなる
一方で、その近傍部2bに縦孔2dに連通すると共にロ
ッド側室Aに連通するように上下二段に開穿された横孔
2e,2fを有してなる。
【0032】因に、横孔2eと横孔2fとの間に形成さ
れる間隔は、後述する振動体機構20における構成から
適宜に設定されるが、このことについては、後述する。
【0033】上記に対して、ピストンナット8は、この
実施例において所謂有頭円筒状に形成されてなるとする
もので、これがその頭部たる上端部8aを介してロッド
体2の先端螺条部2cに螺装されるとき、その内空部8
bに上記縦孔2dの下端を開口させるとしている。
【0034】そして、該ピストンナット8は、その上端
部8aに伸側ポート8cを有してなり、該伸側ポート8
cの図中で上端となるその下流側端に伸側サブバルブ6
を開閉可能に隣接させている。
【0035】尚、伸側サブバルブ6の背後側には、前記
伸側減衰バルブ4のバルブストッパ4aが間座6aの介
在下に配在されている。
【0036】一方、該ピストンナット8は、その下端部
8dの内部に圧側サブバルブ7を配在させている。
【0037】即ち、該ピストンナット8の下端部8dの
内周には、そこを閉塞して内空部8bとピストン側室B
との連通を遮断するように、バルブディスク9がカシメ
固着されており、該バルブディスク9に開穿の圧側ポー
ト9aの図中で上端となるその下流側端に圧側サブバル
ブ7を開閉可能に隣接させている。
【0038】そして、該圧側サブバルブ7背後側には、
バルブストッパ7aが間座7bの介在下に配在されてい
る。
【0039】尚、圧側サブバルブ7,バルブストッパ7
a及び間座7bは、バルブディスク9の軸芯部に挿通さ
れた固定ピン10の外周に介装されており、かつ、固定
ピン10の下端のカシメ加工によってバルブディスク9
に一体化され、所謂ブロック化されている。
【0040】ところで、上記ピストンナット8内、即
ち、内空部8b内及び前記ロッド体2に開穿の縦孔2d
内は、この実施例にあって、隔壁部材11で所謂伸側と
圧側に区画されている。
【0041】即ち、隔壁部材11は、基本的には、内空
部8bを上下に区画するフランジ部11aと、該フラン
ジ部11aの軸芯部に連設されロッド体2に開穿の縦孔
2d内に臨在される筒状部11bと、該筒状部11bの
上端外周に形成された膨出部11cと、を有してなる。
【0042】そして、フランジ部11aの中央に筒状部
11bの下端が開口し、筒状部11bの上端が縦孔2d
の上端部に開口し、筒状部11bの外周が縦孔2dの内
周との間に適宜の隙間を有し、かつ、膨出部11cの外
周が縦孔2dの内周に液密状態に隣接されるとしてい
る。
【0043】尚、膨出部11cの外周は、ロッド体2に
上下二段に開穿された前記横孔2e,2fが縦孔2dの
内周に開口している状態のその間に形成されるストロー
ク部分の内周に隣接されるとしている。
【0044】従って、隔壁部材11におけるフランジ部
11aによって、ピストンナット8内の内空部8bが、
伸側サブバルブ6に連通する伸側と、圧側サブバルブ7
に連通する圧側と、に区画される。
【0045】また、隔壁部材11における筒状部11b
によって、ロッド体2の縦孔2d内が、伸側サブバルブ
6に連通する伸側と、圧側サブバルブ7に連通する圧側
と、に区画される。
【0046】尚、隔壁部材11は、そのフランジ部11
aの外周端がピストンナット8の下端側の内周に形成の
段差部8eと、前記バルブディスク9の外周端にその下
端が係止された筒状スペーサ12と、の間に挟持されて
いる。
【0047】その結果、この実施例にあっては、ロッド
側室Aがロッド体2に開穿の上段の横孔2e,筒状部1
1bの内周側及びフランジ部11aの下方側で形成され
る圧側バイパス路を介して圧側サブバルブ7の下流側と
連通すると共に、ロッド体2に開穿の下段の横孔2f,
筒状部11bの外周側及びフランジ部11aの上方側で
形成される伸側バイパス路を介してを伸側サブバルブ6
の上流側と連通することになる。
【0048】一方、振動体機構20は、ロッド側室Aに
おけるロッド体2の外周に摺動可能に介装されたスプー
ル21を有してなるもので、該スプール21は、その上
下に配設され互いにスプール21を前進方向に附勢する
一対のスプリング22,23に挟持されている。
【0049】尚、該振動体機構20における振動体、即
ち、スプール21と上下一対のスプリング22,23と
で構成される振動体の固有振動数は、おおむね、車体と
懸架バネ(図示せず)とで構成される振動体の固有振動
数(1〜2Hz)付近に設定される。
【0050】それ故、該振動体機構20にあっては、ス
プール21は、その静止時に伸側バイパス路の上流側
端、即ち、前記横孔2fを開口状態におき、圧側バイパ
ス路の下流側端、即ち、前記横孔2eを開口状態におく
ことになる。
【0051】そして、スプール21は、その最上昇時に
圧側バイパス路の下流側端、即ち、前記横孔2eを閉口
状態におき、その最下降時に伸側バイパス路の上流側
端、即ち、前記横孔2fを閉口状態におくことになる。
【0052】ところで、スプール21は、その内周面に
形成されその静止時に上記横孔2fに対向する環状溝2
1aを有してなると共に、その外周側に開穿され環状溝
21aとロッド側室Aとを連通させる連通孔21bを有
してなる。
【0053】そして、該スプール21は、上記環状溝2
1aが形成されることで、その上端側の内周面に残存さ
れる所謂ランド部21cが、上記横孔2eと横孔2fと
の間に形成される間隔分に一致するように設定されてい
る。
【0054】因に、スプール21は、有底筒状に形成さ
れたガイド部材、即ち、前記バルブストッパ5a内にそ
の下端側の外周が摺接する状態に収装されているもの
で、該バルブストッパ5aとの間にダンピング室24を
形成するとしている。
【0055】そして、該ダンピング室24は、バルブス
トッパ5aにおける底部に開穿のオリフィス25を介し
てロッド側室Aに連通されている。
【0056】尚、スプール21に上方側から隣接される
スプリング22は、その上端がロッド体2の外周に配設
されたクッション部材13の下端に隣接のバネ受14に
係止され、スプール21に下方側から隣接されるスプリ
ング23の下端が上記バルブストッパ5aの内底部に係
止されるとしている。
【0057】以上のように形成されたこの実施例に係る
油圧緩衝器にあっては、車体側部材とされるロッド体2
が静止状態にあるとき、仮に、車軸側部材たるシリンダ
体1が路面振動で上下動されても、ロッド体2に介装の
スプール21は、ロッド体2の外周で静止状態におかれ
る。
【0058】このとき、相対的には、シリンダ体1内で
ピストン3が摺動する状態になり、ロッド側室Aとピス
トン側室Bとが伸側減衰バルブ4及び圧側減衰バルブ5
を介して連通される一方で、伸側バイパス路及び圧側バ
イパス路を介してであるが、伸側サブバルブ6及び圧側
サブバルブ7を介しても連通される。
【0059】従って、このとき、油圧緩衝器において発
生される減衰力は、低い、即ち、ソフトな減衰力にな
る。
【0060】これに対して、車体側部材たるロッド体2
が振動で上下動されるとき、ロッド体2に介装のスプー
ル21は、その慣性によってロッド側室Aにおけるロッ
ド体2の外周で摺動状態におかれる。
【0061】そして、ロッド体2の振動時にスプール2
1が共振し、しかもこの共振によってスプール21がロ
ッド体2の外周で下降した状態になるとき、ロッド側室
Aにおけるロッド体2の外周に開口する伸側バイパス路
の上流側端、即ち、ロッド体2に開穿の横孔2fの開口
がスプール21によって閉口状態にされ、従って、伸側
バイパス路が閉塞された状態になる。
【0062】その結果、伸側バイパス路の閉塞で伸側サ
ブバルブ6を介してのロッド側室Aのピストン側室Bへ
の連通が遮断され、伸側減衰バルブ4を介してのみロッ
ド側室Aのピストン側室Bへの連通が許容されることに
なり、従って、このとき伸側減衰力が高く、即ち、ハー
ドになる。
【0063】また、共振によってスプール21がロッド
体2の外周で上昇した状態になるとき、ロッド側室Aに
おけるロッド体2の外周に開口する圧側バイパス路の下
流側端、即ち、ロッド体2に開穿の横孔2eの開口がス
プール21によって閉口状態にされ、従って、圧側バイ
パス路が閉塞された状態になる。
【0064】その結果、圧側バイパス路の閉塞で圧側サ
ブバルブ7を介してのピストン側室Bのロッド側室Aへ
の連通が遮断され、圧側減衰バルブ5を介してのみピス
トン側室Bのロッド側室Aへの連通が許容されることに
なり、従って、このとき圧側減衰力が高く、即ち、ハー
ドになる。
【0065】以上のように、この実施例にあっては、ス
プール21がバイパス路を閉塞するときには発生減衰力
がハードになり、スプール21がバイパス路を開口する
ときは発生減衰力がソフトになる。
【0066】従って、この限りにおいては、図示しない
が、ロッド体2に形成される横孔が一つとされると共
に、隔壁部材11の配設が省略され、かつ、スプール2
1の静止時に横孔とロッド側室とが連通される形態とす
ることでも、バイパス路の閉塞時に発生減衰力をハード
にし、バイパス路の開口時に発生減衰力をソフトにする
ことが可能になる。
【0067】ただ、そのように設定する場合には、一方
側の減衰力がハードになるときには他方側の減衰力もハ
ードになり、一方側の減衰力がソフトになるときには他
方側の減衰力もソフトになり、この発明の実施例の場合
のように、いずれか一方側の減衰力がハードとされると
き、他方側の減衰力がソフトにされるように設定するこ
とが不可能になる。
【0068】その結果、この実施例による場合には、一
方側の減衰力をハードにするとき反対側の減衰力がソフ
トになることから、ばね上の振動を抑えるためにハード
な減衰力になっているときに、路面からの入力でロッド
体2側たるピストン3とシリンダ体1との相対的な動き
の方向が逆転して、却ってばね上の振動を増長する事態
となるときに、ソフトな減衰力の発生状態になって、路
面からの入力の車体への伝達を最小限に止めることが可
能になる。
【0069】従って、この実施例による場合には、路面
からの入力、即ち、振動の車体への伝達防止と車体の揺
れ防止が同時に達成できることになる。
【0070】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、バネ
上共振時に自動的に所定の減衰力が発生されて、例え
ば、車両においては、運転者に操縦に専心させながら、
路面からの振動を車体に伝達させず、かつ、不必要な車
体の揺れを防止することが可能になる利点がある。
【0071】また、この発明によれば、油圧緩衝器自体
の構成を複雑にしないから、それ自体のコスト高を招来
せず、しかも、例えば、車両におけるサスペンション装
置として利用する場合にも、車体側への各種センサやコ
ントローラ等の配設を要しないことになり、装置全体と
してのコスト上昇化を招来しない利点がある。
【0072】さらに、この発明によれば、例えば、車両
におけるサスペンション装置以外の制振装置に利用する
場合にも、その取付側に各種センサやコントローラ等の
配設やそのための設計変更等が要請されず、従って、油
圧緩衝器の交換のみで足りることになり、その汎用性を
期待できる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る油圧緩衝器を一部破
断して示す断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ体 2 ロッド体 2e,2f 横孔 3 ピストン 4 伸側減衰バルブ 5 圧側減衰バルブ 6 伸側サブバルブ 7 圧側サブバルブ 21 スプール 22,23 スプリング A ロッド側室 B ピストン側室

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車軸側部材に設定されたシリンダ体に対
    して出没される車体側部材に設定のロッド体の先端に連
    設のピストンによってシリンダ体内に区画されるロッド
    側室とピストン側室とが、ピストンに配設の伸側減衰バ
    ルブ及び圧側減衰バルブを介して相互に連通可能とされ
    る一方で、伸側減衰バルブを迂回する伸側バイパス路及
    び圧側減衰バルブを迂回する圧側バイパス路を介して相
    互に連通可能とされてなる油圧緩衝器において、伸側バ
    イパス路の下流側端に伸側サブバルブが配設されると共
    に、圧側バイパス路の上流側端に圧側サブバルブが配設
    されてなり、かつ、伸側バイパス路の上流側端及び圧側
    バイパス路の下流側端がロッド体に上下二段に開穿の横
    孔を介してそれぞれロッド側室に連通されると共に、ロ
    ッド側室におけるロッド体の外周に上下に配設のスプリ
    ングの介在下にロッド体の軸線方向に摺動可能にスプー
    ルが介装されてなり、スプールの静止時に伸側バイパス
    路の上流側端及び圧側バイパス路の下流側端がそれぞれ
    開口状態におかれる一方で、スプールの上昇時に圧側バ
    イパス路の下流側端が閉口状態におかれ、スプールの下
    降時に伸側バイパス路の上流側端が閉口状態におかれる
    ように形成されてなることを特徴とする油圧緩衝器
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100885533B1 (ko) * 2007-03-08 2009-02-26 심도식 쇽업쇼버
JP2012002338A (ja) * 2010-06-21 2012-01-05 Showa Corp 油圧緩衝器
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