JPH07169998A - 圧電アクチュエータ - Google Patents
圧電アクチュエータInfo
- Publication number
- JPH07169998A JPH07169998A JP5314671A JP31467193A JPH07169998A JP H07169998 A JPH07169998 A JP H07169998A JP 5314671 A JP5314671 A JP 5314671A JP 31467193 A JP31467193 A JP 31467193A JP H07169998 A JPH07169998 A JP H07169998A
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- JP
- Japan
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- piezoelectric actuator
- elastic member
- insulating material
- piezoelectric
- layer
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- General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】駆動時の変位量を低下させることがなく、絶縁
材に発生するクラックによる耐久性の低下を低減させる
ことができる圧電アクチュエータを提供する。 【構成】本発明の圧電アクチュエータ1は、少なくとも
一方の面に導電層21を形成した圧電板20、22を複
数枚積層して積層体2を形成し、該積層体2の側面に位
置する前記導電層21を絶縁材3を用いて一層おきに覆
い、前記絶縁材3を覆って他の導電層21に一層おきに
導通するように外部電極4を形成してなる圧電アクチュ
エータにおいて、前記絶縁材3は、弾性部材30と、該
弾性部材30に混合された略球状のビーズ31とよりな
ることを特徴とする。
材に発生するクラックによる耐久性の低下を低減させる
ことができる圧電アクチュエータを提供する。 【構成】本発明の圧電アクチュエータ1は、少なくとも
一方の面に導電層21を形成した圧電板20、22を複
数枚積層して積層体2を形成し、該積層体2の側面に位
置する前記導電層21を絶縁材3を用いて一層おきに覆
い、前記絶縁材3を覆って他の導電層21に一層おきに
導通するように外部電極4を形成してなる圧電アクチュ
エータにおいて、前記絶縁材3は、弾性部材30と、該
弾性部材30に混合された略球状のビーズ31とよりな
ることを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電アクチュエータに
関する。
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の圧電アクチュエータとして、例え
ば、一方の面に導電層(内部電極)を形成した圧電板
(圧電ペレット)を複数枚積層して形成された積層体
と、積層体の側面に位置する前記導電層を一層おきに覆
う絶縁材(絶縁層)と、絶縁材を覆って他の導電層に一
層おきに導通するように形成された外部電極とよりなる
圧電アクチュエータにおいて、絶縁材のクラック(亀
裂)を防止するため、圧電定数が大きな層を、圧電定数
が小さな層でサンドイッチ状に挟み3層構造とし、圧電
定数が小さな層の側面に絶縁材を形成した圧電アクチュ
エータが知られている(特開平1ー223784号公
報)。
ば、一方の面に導電層(内部電極)を形成した圧電板
(圧電ペレット)を複数枚積層して形成された積層体
と、積層体の側面に位置する前記導電層を一層おきに覆
う絶縁材(絶縁層)と、絶縁材を覆って他の導電層に一
層おきに導通するように形成された外部電極とよりなる
圧電アクチュエータにおいて、絶縁材のクラック(亀
裂)を防止するため、圧電定数が大きな層を、圧電定数
が小さな層でサンドイッチ状に挟み3層構造とし、圧電
定数が小さな層の側面に絶縁材を形成した圧電アクチュ
エータが知られている(特開平1ー223784号公
報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の圧電アクチ
ュエータによれば、その絶縁材は、駆動時の変位量(伸
び)の少ない、圧電定数が小さな層に絶縁材が接するた
め、クラックの発生を防止できる。しかしこの反面、圧
電定数が小さな層を用いるため圧電アクチュエータの変
位量が低下する。
ュエータによれば、その絶縁材は、駆動時の変位量(伸
び)の少ない、圧電定数が小さな層に絶縁材が接するた
め、クラックの発生を防止できる。しかしこの反面、圧
電定数が小さな層を用いるため圧電アクチュエータの変
位量が低下する。
【0004】本発明は、変位量を低下させることがな
く、絶縁材に発生するクラックによる耐久性の低下を低
減させることができる圧電アクチュエータを提供するこ
とを目的とする。
く、絶縁材に発生するクラックによる耐久性の低下を低
減させることができる圧電アクチュエータを提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の圧電アクチュエ
ータは、少なくとも一方の面に導電層を形成した圧電板
を複数枚積層して積層体を形成し、該積層体の側面に位
置する前記導電層を絶縁材を用いて一層おきに覆い、前
記絶縁材を覆って他の導電層に一層おきに導通するよう
に外部電極を形成してなる圧電アクチュエータにおい
て、前記絶縁材は、弾性部材と、該弾性部材に混合され
た略球状のビーズとよりなることを特徴とする圧電アク
チュエータ。
ータは、少なくとも一方の面に導電層を形成した圧電板
を複数枚積層して積層体を形成し、該積層体の側面に位
置する前記導電層を絶縁材を用いて一層おきに覆い、前
記絶縁材を覆って他の導電層に一層おきに導通するよう
に外部電極を形成してなる圧電アクチュエータにおい
て、前記絶縁材は、弾性部材と、該弾性部材に混合され
た略球状のビーズとよりなることを特徴とする圧電アク
チュエータ。
【0006】
【作用】本発明の圧電アクチュエータによれば、その駆
動時に、弾性部材にクラックが発生した場合、クラック
の先端は、最も近くのビーズに向かって弾性部材領域を
進行する。そして前記ビーズに到達したクラックの先端
は、ビーズの球表面形状に沿って移動するため、弾性部
材領域での進行が一旦止まる。この後、クラックの先端
は、ビーズの球表面に沿って方向転換し、かつ弾性部材
領域をさらに他のビーズに向かって進行する現象が繰り
返され、クラックの先端が外部電極に到達するまでの時
間を長引かせる。
動時に、弾性部材にクラックが発生した場合、クラック
の先端は、最も近くのビーズに向かって弾性部材領域を
進行する。そして前記ビーズに到達したクラックの先端
は、ビーズの球表面形状に沿って移動するため、弾性部
材領域での進行が一旦止まる。この後、クラックの先端
は、ビーズの球表面に沿って方向転換し、かつ弾性部材
領域をさらに他のビーズに向かって進行する現象が繰り
返され、クラックの先端が外部電極に到達するまでの時
間を長引かせる。
【0007】
【実施例】本発明の圧電アクチュエータの実施例を図1
〜図4に基づいて説明する。図1に、実施例の圧電アク
チュエータ1の全体を、積層方向の長さを短縮し、要部
を斜視図で示す。圧電アクチュエータ1は、積層体2
と、絶縁材3と、外部電極4と、よりなる。
〜図4に基づいて説明する。図1に、実施例の圧電アク
チュエータ1の全体を、積層方向の長さを短縮し、要部
を斜視図で示す。圧電アクチュエータ1は、積層体2
と、絶縁材3と、外部電極4と、よりなる。
【0008】積層体2は、一方の面もしくは両面に導電
層21を形成した圧電板20を下あるいは上に向けて5
8層に積み重ね、さらに一方の面に導電層21を形成し
た圧電板22を上下に1枚ずつ重ねて一体化したもので
ある。積層体2の上下互いに隣なり合う圧電板22は導
電層21を共有するものとなる。なお、積み重ねられた
最下部位置あるいは最上部位置に配置される圧電板22
は、上下隣なり合う圧電板20の導電層21を共有でき
るため、予め一方の面に導電層21が形成されていな
い。
層21を形成した圧電板20を下あるいは上に向けて5
8層に積み重ね、さらに一方の面に導電層21を形成し
た圧電板22を上下に1枚ずつ重ねて一体化したもので
ある。積層体2の上下互いに隣なり合う圧電板22は導
電層21を共有するものとなる。なお、積み重ねられた
最下部位置あるいは最上部位置に配置される圧電板22
は、上下隣なり合う圧電板20の導電層21を共有でき
るため、予め一方の面に導電層21が形成されていな
い。
【0009】圧電板20は、PZT(チタン酸ジルコン
酸鉛)を主成分とする直径が16mm、厚さが0.5m
mの円板状のものである。圧電板22は圧電アクチュエ
ータ1と外部とを絶縁するために、圧電板20より厚い
2mmで製作されている。材料は圧電板20と同一であ
る。導電層21は、圧電板20の一方の面もしくは両面
にガラスフリットを含む銀ペーストを全面印刷し、乾燥
したのち圧電板20を58枚積み重ね、さらに圧電板2
2を導電層21を内側とした状態で上下に1枚ずつ重
ね、その状態で加熱圧着して形成したものである。
酸鉛)を主成分とする直径が16mm、厚さが0.5m
mの円板状のものである。圧電板22は圧電アクチュエ
ータ1と外部とを絶縁するために、圧電板20より厚い
2mmで製作されている。材料は圧電板20と同一であ
る。導電層21は、圧電板20の一方の面もしくは両面
にガラスフリットを含む銀ペーストを全面印刷し、乾燥
したのち圧電板20を58枚積み重ね、さらに圧電板2
2を導電層21を内側とした状態で上下に1枚ずつ重
ね、その状態で加熱圧着して形成したものである。
【0010】絶縁材3は、図1および図2に示されるよ
うに積層体2の円周部の180度離れて対向する積層体
2の側面位置で、かつ導電層21を一層おきに覆うよう
に形成される。この絶縁材3は、絶縁性の弾性エポキシ
樹脂ペーストよりなる弾性部材30と、弾性部材30に
重量比で45%〜55%混合された丸い形状のガラスビ
ーズ31とよりなる。ガラスビーズ31の平均粒径は、
20μm〜30μmである。ガラスビーズ31の重量比
および平均粒径は、目的に応じて変更可能である。
うに積層体2の円周部の180度離れて対向する積層体
2の側面位置で、かつ導電層21を一層おきに覆うよう
に形成される。この絶縁材3は、絶縁性の弾性エポキシ
樹脂ペーストよりなる弾性部材30と、弾性部材30に
重量比で45%〜55%混合された丸い形状のガラスビ
ーズ31とよりなる。ガラスビーズ31の平均粒径は、
20μm〜30μmである。ガラスビーズ31の重量比
および平均粒径は、目的に応じて変更可能である。
【0011】外部電極4は、エポキシ樹脂に銀粉末を混
入した導電性ペーストを用いて形成される。すなわち、
外部電極4を形成するには、図略の導電性ペーストを図
1および図2に示される積層体2の円周部180度離れ
て対向する側面位置で、かつ前記絶縁材3を覆うように
して塗布するとともに、前記塗布に連続して絶縁材3が
形成されていない他の導電層21を一層おきに塗布した
後、乾燥、焼付けすることによって形成される。なお、
積層体2は、その上端側及び下端側に図略の鋼製シムが
積層されるとともに、外周面を被覆する図略の保護層が
形成される。保護層は、前記外周面に約0.5mmの厚
さの熱収縮チューブを被覆したものである。
入した導電性ペーストを用いて形成される。すなわち、
外部電極4を形成するには、図略の導電性ペーストを図
1および図2に示される積層体2の円周部180度離れ
て対向する側面位置で、かつ前記絶縁材3を覆うように
して塗布するとともに、前記塗布に連続して絶縁材3が
形成されていない他の導電層21を一層おきに塗布した
後、乾燥、焼付けすることによって形成される。なお、
積層体2は、その上端側及び下端側に図略の鋼製シムが
積層されるとともに、外周面を被覆する図略の保護層が
形成される。保護層は、前記外周面に約0.5mmの厚
さの熱収縮チューブを被覆したものである。
【0012】前記のように製造された圧電アクチュエー
タ1をテストサンプルとして10個を用意し、以下に示
す条件により作動試験を実施した。作動条件としては、
荷重5KN,周波数100Hzの矩形波駆動で概略30
0〜−150Vの電圧を印加し、変位量20μmとし
た。そして絶縁材3にクラック(亀裂)の発生に伴うシ
ョートが発生して圧電アクチュエータ1が作動停止する
までの繰り返し回数を確認し、図4に示した。
タ1をテストサンプルとして10個を用意し、以下に示
す条件により作動試験を実施した。作動条件としては、
荷重5KN,周波数100Hzの矩形波駆動で概略30
0〜−150Vの電圧を印加し、変位量20μmとし
た。そして絶縁材3にクラック(亀裂)の発生に伴うシ
ョートが発生して圧電アクチュエータ1が作動停止する
までの繰り返し回数を確認し、図4に示した。
【0013】実施例の圧電アクチュエータ1によれば、
絶縁材3は弾性部材30と弾性部材30に混合されてい
る略球状のガラスビーズ31とよりなる。このため、 (1)圧電アクチュエータ1の駆動時に、弾性部材30
にクラックSが発生した場合、クラックSの先端は、最
も近くのガラスビーズ31に向かって弾性部材30領域
を進行する。そして前記ガラスビーズ31に到達したク
ラックSの先端は、ガラスビーズ31の球表面形状に沿
って移動するため、弾性部材30領域での進行が一旦止
まる。この後、クラックSの先端は、ガラスビーズ31
の球表面に沿って方向転換し、かつ弾性部材30領域を
さらに他のガラスビーズ31に向かって進行する現象が
繰り返され、クラックSの先端が外部電極4に到達する
までの時間を長引かせる。
絶縁材3は弾性部材30と弾性部材30に混合されてい
る略球状のガラスビーズ31とよりなる。このため、 (1)圧電アクチュエータ1の駆動時に、弾性部材30
にクラックSが発生した場合、クラックSの先端は、最
も近くのガラスビーズ31に向かって弾性部材30領域
を進行する。そして前記ガラスビーズ31に到達したク
ラックSの先端は、ガラスビーズ31の球表面形状に沿
って移動するため、弾性部材30領域での進行が一旦止
まる。この後、クラックSの先端は、ガラスビーズ31
の球表面に沿って方向転換し、かつ弾性部材30領域を
さらに他のガラスビーズ31に向かって進行する現象が
繰り返され、クラックSの先端が外部電極4に到達する
までの時間を長引かせる。
【0014】従って、実施例の圧電アクチュエータ1
は、絶縁材3の弾性部材30に発生したクラックSの影
響でショートするまでの作動回数および駆動耐久性を増
すことができる。 (2)また、圧電アクチュエータ1は、前記従来の圧電
アクチュエータのように駆動時に積層体2の変位量が低
下する構成を備えないため、その駆動時に変位機能を十
分に発揮することができる。 (3)絶縁材3の弾性部材30がガラスビーズ31によ
り強化され、その表面を覆う図略の保護層との接合度を
増し剥離しにくくすることができる。 (4)絶縁材3の弾性部材30は、ガラスビーズ31の
混合量に応じて熱伝導率が増すとともに熱膨張率が小さ
くなり、積層体2全体の温度分布(温度差)が改善され
る。
は、絶縁材3の弾性部材30に発生したクラックSの影
響でショートするまでの作動回数および駆動耐久性を増
すことができる。 (2)また、圧電アクチュエータ1は、前記従来の圧電
アクチュエータのように駆動時に積層体2の変位量が低
下する構成を備えないため、その駆動時に変位機能を十
分に発揮することができる。 (3)絶縁材3の弾性部材30がガラスビーズ31によ
り強化され、その表面を覆う図略の保護層との接合度を
増し剥離しにくくすることができる。 (4)絶縁材3の弾性部材30は、ガラスビーズ31の
混合量に応じて熱伝導率が増すとともに熱膨張率が小さ
くなり、積層体2全体の温度分布(温度差)が改善され
る。
【0015】そして積層体2全体の熱歪みが小さくな
り、積層体2のクラックの発生が少なくなる。 (比較例)実施例1の圧電アクチュエータ1の効果を確
認するため、図5に示されるように、比較例の圧電アク
チュエータ1aを製造し、実施例の圧電アクチュエータ
1と同じように、矩形波駆動による同じ条件で作動試験
を実施した。
り、積層体2のクラックの発生が少なくなる。 (比較例)実施例1の圧電アクチュエータ1の効果を確
認するため、図5に示されるように、比較例の圧電アク
チュエータ1aを製造し、実施例の圧電アクチュエータ
1と同じように、矩形波駆動による同じ条件で作動試験
を実施した。
【0016】なお、比較例の圧電アクチュエータ1a
は、前記実施例1の絶縁性を備えた弾性エポキシ樹脂製
ペーストよりなる弾性部材30のみにより絶縁材3aを
形成したこと以外は前記実施例と同じ構造となしたもの
である。作動試験の結果、比較例の圧電アクチュエータ
1では1×107 回でショートしなかった割合は、0%
であった。すなわち、比較例の場合には、少ない繰り返
し作動回数で、導電層21を発生起点とするクラックS
1(図5参照)が外部電極4に到達した。
は、前記実施例1の絶縁性を備えた弾性エポキシ樹脂製
ペーストよりなる弾性部材30のみにより絶縁材3aを
形成したこと以外は前記実施例と同じ構造となしたもの
である。作動試験の結果、比較例の圧電アクチュエータ
1では1×107 回でショートしなかった割合は、0%
であった。すなわち、比較例の場合には、少ない繰り返
し作動回数で、導電層21を発生起点とするクラックS
1(図5参照)が外部電極4に到達した。
【0017】これに対し本実施例1の圧電アクチュエー
タ1では1×109 回作動してもショート(クラックを
起因とする)しなかった割合は、40%と高い値が得ら
れた。なお、前記実施例では、絶縁材3として、絶縁性
の弾性エポキシ樹脂ペーストよりなる弾性部材30と、
弾性部材30に混合されたガラスビーズ31とよりなる
ものを用いた場合を説明したが、これに限定されるもの
ではなく、例えば、弾性部材30としてシリコンゴムな
どを、ガラスビーズ31の代わりにジルコニアビーズ、
シリカビーズなどを用いることができる。
タ1では1×109 回作動してもショート(クラックを
起因とする)しなかった割合は、40%と高い値が得ら
れた。なお、前記実施例では、絶縁材3として、絶縁性
の弾性エポキシ樹脂ペーストよりなる弾性部材30と、
弾性部材30に混合されたガラスビーズ31とよりなる
ものを用いた場合を説明したが、これに限定されるもの
ではなく、例えば、弾性部材30としてシリコンゴムな
どを、ガラスビーズ31の代わりにジルコニアビーズ、
シリカビーズなどを用いることができる。
【0018】
【発明の効果】本発明の圧電アクチュエータによれば、
絶縁材は、弾性部材と弾性部材に混合されている略球状
のビーズとよりなる。このため、 (1)圧電アクチュエータの駆動時に、弾性部材にクラ
ックが発生した場合、クラックの先端は、最も近くのビ
ーズに向かって弾性部材領域を進行するする。そして前
記ビーズに到達したクラックの先端は、ビーズの球表面
形状に沿って移動するため、弾性部材領域での進行が一
旦止まる。この後、クラックの先端は、ビーズの球表面
に沿って方向転換し、かつ弾性部材領域をさらに他のビ
ーズに向かって進行する現象が繰り返され、クラックの
先端が外部電極に到達するまでの時間を長引かせる。
絶縁材は、弾性部材と弾性部材に混合されている略球状
のビーズとよりなる。このため、 (1)圧電アクチュエータの駆動時に、弾性部材にクラ
ックが発生した場合、クラックの先端は、最も近くのビ
ーズに向かって弾性部材領域を進行するする。そして前
記ビーズに到達したクラックの先端は、ビーズの球表面
形状に沿って移動するため、弾性部材領域での進行が一
旦止まる。この後、クラックの先端は、ビーズの球表面
に沿って方向転換し、かつ弾性部材領域をさらに他のビ
ーズに向かって進行する現象が繰り返され、クラックの
先端が外部電極に到達するまでの時間を長引かせる。
【0019】従って、圧電アクチュエータは、絶縁材の
弾性部材に発生したクラックの影響でショートするまで
の作動回数および駆動耐久性を増すことができる。 (2)また、圧電アクチュエータは、前記従来の圧電ア
クチュエータのように駆動時に積層体の変位量が低下す
る構成を備えないため、その駆動時に変位機能を十分に
発揮することができる。 (3)絶縁材の弾性部材がビーズにより強化され、その
表面を覆う保護層との接合度を増し剥離しにくくするこ
とができる。 (4)絶縁材の弾性部材は、ガラスビーズの混合量に応
じて熱伝導率が増すとともに熱膨張率が小さくなり、積
層体全体の温度分布(温度差)が改善される。
弾性部材に発生したクラックの影響でショートするまで
の作動回数および駆動耐久性を増すことができる。 (2)また、圧電アクチュエータは、前記従来の圧電ア
クチュエータのように駆動時に積層体の変位量が低下す
る構成を備えないため、その駆動時に変位機能を十分に
発揮することができる。 (3)絶縁材の弾性部材がビーズにより強化され、その
表面を覆う保護層との接合度を増し剥離しにくくするこ
とができる。 (4)絶縁材の弾性部材は、ガラスビーズの混合量に応
じて熱伝導率が増すとともに熱膨張率が小さくなり、積
層体全体の温度分布(温度差)が改善される。
【0020】そして積層体全体の熱歪みが小さくなり、
積層体のクラックの発生が少なくなる。
積層体のクラックの発生が少なくなる。
【図1】本発明の圧電アクチュエータの実施例における
全体を、積層方向の長さを短縮し、要部を示す斜視図で
ある。
全体を、積層方向の長さを短縮し、要部を示す斜視図で
ある。
【図2】図1におけるA−A線断面矢視図である。
【図3】図2における一部を拡大して示す拡大断面図で
ある。
ある。
【図4】実施例および比較例の圧電アクチュエータにお
ける耐久性能を示す図で、横軸に圧電アクチュエータの
繰り返し作動回数を示し、縦軸に圧電アクチュエータが
ショートしなかった割合を示す。
ける耐久性能を示す図で、横軸に圧電アクチュエータの
繰り返し作動回数を示し、縦軸に圧電アクチュエータが
ショートしなかった割合を示す。
【図5】比較例の圧電アクチュエータを示し、かつ図3
に対応する部分を示す拡大断面図である。
に対応する部分を示す拡大断面図である。
1…圧電アクチュエータ 2…積層体 20…圧電板
21…導電層 3…絶縁材 30…弾性部材
31…ガラスビーズ 4…外部電極 22…圧電板
21…導電層 3…絶縁材 30…弾性部材
31…ガラスビーズ 4…外部電極 22…圧電板
Claims (1)
- 【請求項1】少なくとも一方の面に導電層を形成した圧
電板を複数枚積層して積層体を形成し、該積層体の側面
に位置する前記導電層を絶縁材を用いて一層おきに覆
い、前記絶縁材を覆って他の導電層に一層おきに導通す
るように外部電極を形成してなる圧電アクチュエータに
おいて、 前記絶縁材は、弾性部材と、該弾性部材に混合された略
球状のビーズとよりなることを特徴とする圧電アクチュ
エータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5314671A JPH07169998A (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | 圧電アクチュエータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5314671A JPH07169998A (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | 圧電アクチュエータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07169998A true JPH07169998A (ja) | 1995-07-04 |
Family
ID=18056151
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5314671A Pending JPH07169998A (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | 圧電アクチュエータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07169998A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19648545A1 (de) * | 1996-11-25 | 1998-05-28 | Ceramtec Ag | Außenelektrode für einen monolithischen Vielschichtaktor |
-
1993
- 1993-12-15 JP JP5314671A patent/JPH07169998A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19648545A1 (de) * | 1996-11-25 | 1998-05-28 | Ceramtec Ag | Außenelektrode für einen monolithischen Vielschichtaktor |
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