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JPH07168559A - 楽器またはスピーカーの支持具 - Google Patents

楽器またはスピーカーの支持具

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Publication number
JPH07168559A
JPH07168559A JP5343693A JP34369393A JPH07168559A JP H07168559 A JPH07168559 A JP H07168559A JP 5343693 A JP5343693 A JP 5343693A JP 34369393 A JP34369393 A JP 34369393A JP H07168559 A JPH07168559 A JP H07168559A
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Japan
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musical instrument
speaker
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JP5343693A
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Yasunaga Ueno
泰永 上野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 床面あるいは架台上に置かれた楽器やスピー
カーに振動の自由度を与えることによって、音質の歪み
や音波振動の減衰を抑制する。 【構成】 底面部分を床面に当接させたベースプレート
と、このベースプレートの上方で床面と所定の離間間隔
を保持しつつ楽器またはスピーカーの支持点を形成する
荷重坦持部材と、上記支持点に埋込まれた交換可能な音
質調整部材とによって、楽器またはスピーカーの支持具
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は楽器またはスピーカーの
支持具に関するものであり、更に詳細には、ピアノ、ハ
ープ、マリンバ、チェロ、コントラバス、ドラムセット
等の床面直置き型の楽器やスピーカーに垂直方向および
水平方向に沿う振動の自由度を保持させるための支持具
の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ピアノ、ハープ、マリンバ、チェロ、コ
ントラバス、ドラムセット等の床面直置き型の楽器やス
ピーカーは、これらの楽器類やスピーカーから発生する
音波振動にできる限り歪を派生させず、かつ、良好な音
響空間を作り出すため、演奏や使用に際して振動の自由
度が阻害されないような支持条件を確保する必要があ
る。
【0003】一例として図8に示すコンサートホール用
の大型グランドピアノ(1)について支持条件を説明す
ると、脚(2)の下端には、ホール内での移動を容易に
するためのキャスター(3)と、位置決め固定用の制動
手段(4)が設けられている。キャスター(3)の車輪
(3A)の中心O1と、脚(2)の軸心O2との間には、
車輪(3A)の回転方向の変化を容易にする目的で所定
の偏心距離eが設けられている。この結果、脚(2)に
ピアノ本体(1)の重量Wに相当する垂直方向の荷重F
1と、床面(F・L)に沿う水平方向の荷重F2が負荷さ
れる。脚(2)に水平方向の分力F2が発生すると、上
記偏心距離eが介在していることによってピアノ本体
(1)、特に脚(2)に曲げモーメントMが発生する。
【0004】脚(2)に上記曲げモーメントMが作用し
ているとき、グランドピアノ(1)は、垂直方向および
水平方向に沿う自由な振動を阻害され、この結果、グラ
ンドピアノの本体(1)から発生する音波振動の波形に
歪が介在することになる。音波振動の波形が歪むと、当
然のこと乍ら音波の方向性や音質の維持に悪影響が及ぼ
され、演奏者や調律師の懸命の努力にも拘らず、予期し
た演奏効果が得られなくなる。
【0005】一方、図9に示すスピーカー(6)は、床
面(F・L)や図示しない架台の上に積載して使用する
場合が一般的である。このとき、スピーカー(6)の底
面部分(7)は床面(F・L)や架台の上面に面接触状
態で密着しているから、スピーカー(6)の本体から発
生した音波振動は、垂直方向および水平方向への自由な
振動を阻害された状態のまま空間に伝播される。この結
果、スピーカー(6)から直接大気中に伝播された音波
振動と、床面(F・L)や架台を経て大気中に伝播され
た音波振動との間で、音波の方向性や振幅あるいは周期
にずれが生じ、音質の忠実な再生が不可能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の課題を解決する
ため、図8に示すグランドピアノ(1)では、キャスタ
ー(3)の車輪(3A)と床面(F・L)の間にピアノ
本体の位置決め固定部材として合成ゴムまたは木質材料
から製作された受皿型の架台(図示省略)を配置した
り、床面(F・L)に沿う車輪(3A)の転動方向、即
ち、重量Wによる水平方向分力F2の作用方向を、グラ
ンドピアノ(1)の本体に設けられている響板または響
棒(何れも図示省略)の長手方向と一致させたり、直交
させたりする方法が試みられている。
【0007】しかしながら、上記何れの荷重支持方式を
採用した場合にも、キャスター(3)の車軸(3B)の
中心O1と、脚(2)の中心O2との間に偏心距離eが保
持されている事実に変化はなく、水平方向の分力F2
よる曲げモーメントMの影響を完全に排除することは不
可能である。
【0008】この結果、グランドピアノ(1)の本体か
ら大気中を通って空間に伝播される音波振動の波形と、
脚(2)、キャスター(3)および床面(F・L)を通
って空間に伝播される音波振動の波形との間に可成りの
位相差が介在することになる。特に脚(2)側では、音
波振動が曲げモーメントMを発生させた脚(2)および
キャスター(3)の車輪(3A)を介して床面(F・
L)に伝達されるため、音波振動の波形の乱れが一層顕
著になり、上記の種々の対策を講じているにも拘らず音
波伝達の方向性や音質の向上が大幅に阻害されてしま
う。
【0009】また、キャスター(3)の車輪(3A)が
比較的狭い接触面積で床面(F・L)と密着しているた
め、床面(F・L)の単位面積当りに作用する荷重Wが
大きくなり、床面(F・L)に振動が伝わり易くなり、
音波振動の波形の乱れが一層大きくなる。
【0010】一方、図9に示すスピーカー(6)では、
床面(F・L)との間にキャスター(3)が介在しない
ため、上記グランドピアノ(1)で問題とされている水
平方向の分力F2および曲げモーメントMによる音波振
動の波形の乱れは余り問題とならないものの、スピーカ
ー(6)の下端面(7)の全域が床面(F・L)に密着
しているため、スピーカー(6)の重量Wが分散荷重と
して床面(F・L)に伝達される。この結果、グランド
ピアノ(1)の場合と同様に、スピーカー(6)は垂直
方向および水平方向に沿う自由な振動を阻害され、床鳴
り現象が発生する。
【0011】この問題を解決するため、在来方式ではス
ピーカー(6)の底端面(7)と床面(F・L)あるい
はスピーカー(6)を支持する架台との間に煉瓦やコン
クリートブロックあるいは本材等の支持部材を介在させ
ることによって床への振動の伝達を抑制し、音波振動の
波形の乱れを減少させようとしているが、このような荷
重坦持方式を採用した場合、制振効果が十分でなく、床
鳴り等の二次的な障害が発生する危険性が皆無ではなか
った。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記架台の解決手段とし
て本発明は、底面部分を床面に当接させたベースプレー
トと、このベースプレートと一体構造をなし、当該ベー
スプレートの上方で上記床面と所定の離間間隔を保持し
つつ楽器またはスピーカーの支持点を形成する一端支持
梁または両端支持梁からなる荷重坦持部材と、上記支持
点に埋込み方式で交換可能に装着された音質調整部材を
組合せることによって、上記楽器またはスピーカーの下
端面と、上記音質調整部材の上端面とが、比較的狭い接
触域で面接触するか、更に好ましくは点接触または線接
触する支持構体を形成したことを特徴とする楽器または
スピーカーの支持具を提供するものである。また、本発
明は、底面部分を床面に当接させたベースプレートと、
このベースプレートの上面に転動自在に載置され、当該
ベースプレートの上方で上記床面と所定の離間間隔を保
持しつつ楽器またはスピーカーの支持点を形成する球状
体または円柱体からなる荷重坦持部材と、上記支持点に
埋込み方式で交換可能に装着された音質調整部材を組合
せることによって、上記楽器またはスピーカーの下端面
と、上記音質調整部材の上端面とが、比較的狭い接触域
で面接触するか、更に好ましくは点接触または線接触す
る支持構体を形成したことを特徴とする楽器またはスピ
ーカーの支持具を提供するものである。
【0013】
【作用】楽器、例えばグランドピアノやキャスター付き
のスピーカーは、その下端に設けられたキャスターを上
記支持具の上面に当接させた状態で持上げ支持し、キャ
スターの車輪を床面から所定距離だけ離すことによっ
て、曲げモーメントの影響を減少させる。グランドピア
ノやキャスター付きのスピーカーに垂直方向および水平
方向に沿う振動の自由度を確保させることによって、ピ
アノ本体やスピーカーの本体から脚およびキャスターを
介して床面に伝達される音波振動の波形の乱れを減少さ
せる。
【0014】また、楽器やスピーカーの下端面と床面と
の間に点接触または線接触に近い比較的狭い接触面積を
具えた支持状態を作り出し、かつ、楽器やスピーカーと
床面との間に音質調整部材と荷重坦持部材とを介在させ
ることによって楽器やスピーカーの本体を床面から所定
距離だけ離し、楽器またはスピーカーから伝播される音
波振動と床振動の波形の乱れを減少させる。
【0015】
【実施例】以下、図1乃至図7を参照し、本発明の幾つ
かの具体例を説明する。尚、以下の記述において、従来
技術を示す図8および図9と同一の構成部材は、原則と
して同一の参照番号と参照符号で表示し、重複事項に関
しては説明を省略する。
【0016】図1乃至図3は、コンサートホール用の大
型グランドピアノ(1)の持上げ支持手段として設計さ
れた支持具(10)を示す。支持具(10)は、底面部分を
床面(F・L)に当接させたベースプレート(11)と、
このベースプレート(11)と一体構造をなし、当該ベー
スプレート(11)の上方で床面(F・L)と所定の離間
間隔Lを保持しつつグランドピアノ(1)の持上げ支持
点Pを形成する片持梁状の荷重坦持部材(12A)と、こ
の荷重坦持部材(12A)の上面に上記持上げ支持点Pを
形成するように着脱可能に嵌装された音質調整部材(1
3)とによって構成されている。
【0017】キャスター(3)は、グランドピアノ
(1)の脚(2)の下端に枢軸(8)を嵌込むことによ
って、脚(2)の軸心O2を回転中心として、かつ、後
記車軸(3B)の中心O1と上記脚(2)の軸心O2との
間に偏心距離eを確保した状態で回動可能に支持されて
いる。キャスター(3)は、車輪(3A)、車軸(3
B)、並びに車軸(3B)を抱持し上記車輪(3A)を
回転可能に支持する逆U字型の軸受部材(3C)から構
成されており、この軸受部材(3C)の上面には、脚
(2)への取付け手段として上記枢軸(8)が固着され
ている。尚、大型のコンサートホール用グランドピアノ
(1)では、演奏時における位置決め固定を確実にする
ため、キャスター(3)に制動手段(4)を付設したも
のがある。この制動手段(4)は、先端側に雄ねじ(4
B)を有し、基端側に雄ねじ(4B)の締付け・弛緩操
作用の回転ハンドル(4A)を有する手動締付け手段
と、キャスター(3)の車軸(3B)を抱持し、上記雄
ねじ(4B)を締付けたときに縮径して車輪(3A)の
回動を抑制し、また、雄ねじ(4B)の締付けを解除し
たときに拡径して車輪(3A)を回動可能な状態に復帰
させるリング状の制動バンド(4C)から形成されてい
る。
【0018】上記制動手段(4)の有無とは無関係に、
支持具(10)は、グランドピアノ(1)の脚(2)の下
端面と支持具(10)の上端との間、更に厳密に言えばグ
ランドピアノ(1)の脚(2)の下端に取付けられた逆
U字型軸受部材(3C)の天板部分の下端面と、荷重坦
持部材(12A)の上端に取付けられた音質調整部材(1
3)の上端面(13A)とが、点接触もしくは線接触する
ように、また、支持面の構造上、点接触や線接触が困難
な場合には、できる限り狭い接触域で面接触するよう
に、その寸法諸元と形状が選定されている。
【0019】図1および図2に示す大型グランドピアノ
(1)用の支持具(10)の場合、キャスター(3)の車
輪(3A)は車軸(3B)の長手方向に沿って2分割構
造になっており、その間に制動手段(4)が設けられて
いる。このためベースプレート(11)の上方に配設され
た荷重坦持部材(12A)は、その先端部分を二又状に分
岐させることによって制動手段(4)の挿入間隔を確保
すると共に、それぞれの分岐部の上面に荷重Wの作用
点、換言すればグランドピアノ(1)の支持点Pを確保
している。
【0020】これに対し、図3および図4に示す支持具
(10)は、比較的小型のグランドピアノ(1)や一般家
庭用のアップライトピアノ(1)用に開発されたもの
で、ベースプレート(11)の上方に1個の荷重坦持部材
(12A)を片持梁として配設している。そして、図1お
よび図2に示すものと同様の点接触もしくは線接触に近
い荷重坦持状態を確保するため、音質調整部材(13)
は、逆U字型軸受部材(3C)の天板部分の下端面に当
接する当該音質調整部材(13)の上端面(13A)を中央
部が凸状に盛上った凸曲面もしくは円錐面に整形してい
る。また、点接触もしくは線接触に近い荷重坦持状態の
確保を容易化するため、図1および図3(B)に示すよ
うに荷重坦持部材(12A)の肩部分には必要に応じて面
取り加工(3D)が施こされている。
【0021】音質調整部材(13)は、ベースプレート
(11)および荷重坦持部材(12A)の形成材料との組合
わせ並びにグランドピアノ(1)等の楽器の音響的な特
性やコンサートホールの壁面構造の変化に対応して交換
できるようにするため、複数種類の材質から選択して使
用する。音質調整部材(13)は、木材、紙、布、皮革等
の繊維質材料、合成ゴムやプラスチック、金属、ガラ
ス、セラミック、および繊維強化プラスチック(FR
P)の群から選択する。
【0022】これに対応してベースプレート(11)およ
び荷重坦持部材(12A)からなる支持具(10)の本体部
分は、強度と振動の自由度を保証し得るように材質を選
択する必要がある。これらの条件を満足する素材として
は、炭素鋼、軟鉄、鋳鉄、鋳鋼、セラミック、セメン
ト、石材、および繊維強化樹脂(FRP)等の硬質剛性
材料が挙げられる。
【0023】脚(2)の下端に取付けられているキャス
ター(3)を支持具(10)の上面、更に厳密には音質調
整部材(13)の上端面(13A)に点支持または線支持状
態に近い比較的狭い接触面積で当接させてグランドピア
ノ(1)を持上げ支持し、床面(F・L)とキャスター
(3)の車輪(3A)とを離間させる。これによって、
グランドピアノ(1)には、垂直方向および水平方向に
沿う振動の自由度が与えられる。この結果、グランドピ
アノ(1)から脚(2)およびキャスター(3)を介し
て床面(F・L)に伝達される音波振動の波形の乱れが
減少する。
【0024】図5は本発明の第2の具体例を説明するも
のであって、楽器(1)やスピーカー(6)の下部にキ
ャスター(3)が取付けられていない場合に使用する支
持具(10’)を示す。図1乃至図4に示す片持梁状の荷
重坦持部材(12A)の代りに、ベースプレート(11)の
上面に当該ベースプレート(11)と一体構造をなし、か
つ、荷重Wの作用点Pに対して略左右対称なリング状
体、球状体、あるいは円柱状体からなる荷重坦持部材
(12B)を配設することによって、支持具(10’)が形
成されている。
【0025】支持具(10’)の上に載置する楽器(1)
がチェロである場合について例示的に説明すると、音質
調整部材(13)の位置をチェロ(1)本体の下端に下向
きに取付けられているエンドピン(図示省略)の下端と
一致させた状態で支持具(10’)を床面(F・L)上に
固定し、エンドピンを音質調整部材(13)の上端面に押
当てることによって、エンドピンの下端と床面(F・
L)との間に離間距離Lを確保しつつベースプレート
(11)と荷重坦持部材(12B)でチェロ(1)の重量W
を支持する。この場合、エンドピンの先端が尖っている
ため、音質調整部材(13)の上端面(13A)は、平坦面
あるいは若干中央部が凹んだ曲面に整形加工することが
可能で、これによって、チェロ(1)には、上記同様の
位置決めおよび点支持状態が確保される。
【0026】一方、上記支持具(10’)をスピーカー
(6)の支持構体として使用する場合には、スピーカー
(6)の下端面(7)の4個のコーナー部分にそれぞれ
1個ずつ、合計4個の支持具(10’)を配置する。これ
によって、スピーカー(6)の下端面(7)と床面(F
・L)との間に所定の離間間隔Lが確保され、また、ス
ピーカー(6)は、4点支持方式で持上げ支持される。
本具体例においてベースプレート(11)および音質調整
部材(13)の構造と材質は上記第1の具体例と同様であ
るが、荷重坦持部材(12B)は、グランドピアノ(1)
に用いられていたキャスター(3)が存在しないため、
図5(A)に示す中空リング状、同(B)に示す中実球
状、同(C)に示す逆U字状もしくは円錐台状に整形す
ることができる。
【0027】図6は本発明の第3の具体例を説明するも
のであって、例えばドラム(1)のような床面直置き型
の楽器やスピーカー(6)の持上げ支持構体として設計
されたものである。上記第1および第2の具体例で支持
具(10)または(10’)が、ベースプレート(11)に荷
重坦持部材(12A)または(12B)を一体構造に接合し
た構造となっているのに対し、本具体例における支持具
(10A)は、底端面(17)を床面(F・L)に当接させ
たベースプレート(11A)と、このベースプレート(11
A)の上面に転動自在に載置され、ベースプレート(11
A)の底端面(17)と音質調整部材(13)の頂端面(13
A)との間に所定の離間間隔Lを保持しつつスピーカー
(6)の支持点Pを形成するボール状の荷重坦持部材
(12C)と、上記支持点Pに埋込み方式で装着された交
換可能な音質調整部材(13)とによって構成されてい
る。
【0028】音質調整部材(13)、荷重坦持部材(12
C)並びにベースプレート(11A)の材質は上記本発明
の第1および第2の具体例と同様である。音質調整部材
(13)、荷重坦持部材(12C)およびベースプレート
(11A)の材質とその組合せは、楽器(1)やスピーカ
ー(6)の音響的な特性に応じて選択する。
【0029】図6に示す本発明の第3の具体例では、ベ
ースプレート(11A)の上面に荷重坦持部材(12C)を
転動自在に、かつ、位置決め可能に取付けるため、図6
(A)に示すように荷重坦持部材(12C)に軸孔(15)
付きの栓体(16)を着脱自在に埋込み、ベースプレート
(11A)の底面側に設けられた凹部(17’)と栓体(1
6)の上端面との間にコイルスプリングまたはゴム線等
からなる可撓性の接続部材(18)を配置することによっ
てベースプレート(11A)と荷重坦持部材(12C)とを
接合している。
【0030】別法として図6(C)に示すように、ベー
スプレート(11A)の上面に所定の曲率半径で凹曲面
(14)を形成し、この凹曲面(14)上に荷重坦持部材
(12C)を転がり接触状態で座着させることによって、
当該荷重坦持部材(12C)を転動自在に、かつ、位置決
め可能に支持する方式も利用することができる。
【0031】荷重坦持部材(12C)1個当りに埋設され
る音質調整部材(13)の数は1個でもよいが、これに限
定されるものではなく、図6(B)および(D)に示す
ように要求される音響特性の多様化に対処し得るように
音響特性の異なる複数種類の音質調整部材(13)を予め
用意して置き、これらの音質調整部材(13)を荷重坦持
部材(12C)の表面全域に所定の離間間隔を保って埋込
んだ構造としてもよい。
【0032】尚、栓体(16)および可撓性接続部材(1
8)からなる位置決め手段を採用する場合、栓体(16)
の埋込み位置は、図6(B)に示すように栓体(16)の
軸心から対応する音質調整部材(13)に向って延びる直
線が荷重坦持部材(12C)の球心Oを通過するように調
節する。
【0033】支持具(10A)を4個1組でスピーカー
(6)の底端面(7)と床面(F・L)との間に挿入
し、上記底端面(7)の角隅部分を支持具(10A)で持
上げ支持する。これによって、床面(F・L)または架
台の上面と支持点Pとの間に所定の離間間隔Lが保持さ
れ、4個の支持具(10A)によって持上げ支持されたス
ピーカー(6)は、垂直方向および水平方向に沿って自
由に振動し得る状態に保持される。
【0034】上記支持具(10A)および図5に示す支持
具(10’)は、スピーカー(6)の持上げ支持手段とし
て使用するほか、例えばハープやドラムセットのように
底部に床面(F・L)と対向する比較的広い座面を有す
る楽器(1)の、持上げ支持手段としても使用すること
ができる。
【0035】図7の(A)乃至(F)は本発明の第4の
具体例を説明するものであって、点接触または線接触に
近い持上げ支持状態を確保し、かつ、支持具(10)の製
造コストを低減させる目的で、旋盤による切削加工等を
利用してベースプレート(11)と荷重坦持部材(12)と
を一体構造物に成形している。音質調整部材(13)は、
その下端部分を荷重坦持部材(12)の軸穴内に嵌込むこ
とによって着脱自在な構造に形成されている。
【0036】図7の(B)(D)および(F)に示す支
持具(10)では、音質調整部材(13)の下端軸部を雄ね
じ構造とし、この下端軸部が嵌まり込む荷重坦持部材
(12)およびベースプレート(11)の軸穴に雌ねじを刻
設している。上記雄ねじと雌ねじの相対螺合位置を変化
させることによって、床面(F・L)と支持具(10)の
頂端との間隔Lを変化させ、これによって楽器(1)ま
たはスピーカー(6)の音質を微調整している。
【0037】
【発明の効果】楽器(1)やスピーカー(6)の底部を
床面(F・L)や架台から所定間隔Lだけ離間させ、点
支持もしくは線支持に近い荷重坦持条件を確保すること
によって、音波振動の方向性が改善され、同時に楽器
(1)やスピーカー(6)の垂直方向及び水平方向に沿
う振動の自由度が確保される。この結果、楽器(1)や
スピーカー(6)から直接空間に伝播される音波と、楽
器(1)の脚(2)やスピーカー(6)の下端面(7)
から床面(F・L)や架台に伝達された後、空間に伝播
される音波との間で振幅や周期のずれが減少する。同時
に、床面(F・L)や架台から伝播される音の歪も大幅
に減少する。
【0038】また、要求される音質に応じて音質調整部
材(13)や荷重坦持部材(12A)(12B)(12C)の材
質を選択することによって、音質の改善ならびに音量の
調節に対しても顕著な効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る支持具の部分縦断面図
【図2】図1の線II−IIに沿う支持具の平面図。
【図3】(A)主としてグランドピアノ用に開発された
支持具の左側面図、(B)上記支持具の正面図、(C)
上記支持具の右側面図、(D)上記支持具の平面図
【図4】(A)アップライトピアノやキャスター付きス
ピーカー用に開発さた支持具の左側面図、(B)上記支
持具の正面図、(C)上記支持具の右側面図、(D)上
記支持具の平面図。
【図5】(A)本発明の第2の具体例に属する支持具の
正面図、(B)本発明の第2の具体例に属する支持具の
正面図、(C)本発明の第2の具体例に属する支持具の
正面図。
【図6】(A)本発明の第3の具体例に属する支持具の
部分縦断面図、(B)荷重坦持部材に対する音質調整部
材と栓体の埋設状態の説明図、(C)本発明の第3の具
体例に属する支持具の正面図、(D)荷重坦持部材に対
する音質調整部材の埋設状態の説明図。
【図7】(A)乃至(F)は本発明の第4の具体例に属
する支持具の部分縦断面図。
【図8】コンサートホール用大型グランドピアノの脚部
の構造を例示する正面図。
【図9】スピーカーの設置状態の説明図。
【符号の説明】
1 楽器 2 脚 3 キャスター 6 スピーカー 10 支持具 10’ 支持具 10A 支持具 11 ベースプレート 11A ベースプレート 12 荷重坦持部材 12A 荷重坦持部材 12B 荷重坦持部材 12C 荷重坦持部材 13 音質調整部材 F・L 床面 W 楽器またはスピーカーの重量 P 楽器またはスピーカーの重量の作用点

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底面部分を床面に当接させたベースプレ
    ートと、このベースプレートと一体構造をなし、当該ベ
    ースプレートの上方で上記床面と所定の離間間隔を保持
    しつつ楽器またはスピーカーの支持点を形成する一端支
    持梁または両端支持梁からなる荷重坦持部材と、上記支
    持点に埋込み方式で交換可能に装着された音質調整部材
    を組合せることによって、上記楽器またはスピーカーの
    下端面と、上記音質調整部材の上端面とが、比較的狭い
    接触域で面接触するか、更に好ましくは点接触または線
    接触する支持構体を形成したことを特徴とする楽器また
    はスピーカーの支持具。
  2. 【請求項2】 底面部分を床面に当接させたベースプレ
    ートと、このベースプレートの上面に転動自在に載置さ
    れ、当該ベースプレートの上方で上記床面と所定の離間
    間隔を保持しつつ楽器またはスピーカーの支持点を形成
    する球状体または円柱体からなる荷重坦持部材と、上記
    支持点に埋込み方式で交換可能に装着された音質調整部
    材を組合せることによって、上記楽器またはスピーカー
    の下端面と、上記音質調整部材の上端面とが、比較的狭
    い接触域で面接触するか、更に好ましくは点接触または
    線接触する支持構体を形成したことを特徴とする楽器ま
    たはスピーカーの支持具。
  3. 【請求項3】 上記ベースプレートおよび荷重坦持部材
    からなる支持具の本体を、炭素鋼、軟鉄、鋳鉄、鋳鋼、
    セラミック、繊維強化樹脂および木質材料の群から選ば
    れた硬質剛性材料から形成した請求項1または2記載の
    楽器またはスピーカーの支持具。
  4. 【請求項4】 上記音質調整部材を、木質材料、ゴム、
    プラスチック、ガラス、セラミック、金属および繊維強
    化樹脂の群から選ばれた材料から形成した請求項1また
    は2記載の楽器またはスピーカーの支持具。
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