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JPH07166480A - フィコシアニンによる染色方法 - Google Patents

フィコシアニンによる染色方法

Info

Publication number
JPH07166480A
JPH07166480A JP5343600A JP34360093A JPH07166480A JP H07166480 A JPH07166480 A JP H07166480A JP 5343600 A JP5343600 A JP 5343600A JP 34360093 A JP34360093 A JP 34360093A JP H07166480 A JPH07166480 A JP H07166480A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dyeing
phycocyanin
dyed
acid
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5343600A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuo Kimura
光雄 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Cosmo Kaihatsu Kk
Cosmo Oil Co Ltd
Original Assignee
Cosmo Kaihatsu Kk
Cosmo Oil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Cosmo Kaihatsu Kk, Cosmo Oil Co Ltd filed Critical Cosmo Kaihatsu Kk
Priority to JP5343600A priority Critical patent/JPH07166480A/ja
Publication of JPH07166480A publication Critical patent/JPH07166480A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 健康に害を及ぼすことのない天然の色素であ
るフィコシアニンを用いて、従来の天然染料では得られ
ない美麗な青色を容易かつ安全に染色する染色方法を提
供する。 【構成】 フィコシアニンを含む染浴で繊維を染色した
後、酸で後処理するフィコシアニンによる染色方法、お
よびフィコシアニンを含む染浴で繊維を染色した後、酸
で後処理し、しかる後、金属塩処理するフィコシアニン
による染色方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はフィコシアニンによる
染色方法に関し、さらに詳しくは、健康に害を及ぼすこ
とのない天然の色素であるフィコシアニンを用いて、従
来の天然染料では得られない美麗な青色を容易かつ安全
に染色する染色方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、安全と健康に対する関心の深まり
とともに、天然染料による染色が見直され、天然染料の
染色によるカラフルな着衣が望まれており、この要望に
対応するため、紅花や紫根など種々の色彩の天然染料を
使用して、着衣をカラフルに染色することが行われてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、天然染料に
より青色の色調を得る場合、一般に藍が用いられる他、
臭木が用いられている程度で、未だ、鮮やかな青色の色
調を与えるものは得られていない。
【0004】本発明はかかる現状に鑑み、健康に害を及
ぼすことのない天然の色素でもって、鮮やかな青色に容
易かつ安全に染色できる染色方法を提供することを目的
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、天然の色素と
してフィコシアニンを使用し、このフィコシアニンを含
む染浴で繊維を染色した後、酸で後処理して、鮮やかな
青色に容易かつ安全に染色できるようにしたものであ
る。
【0006】また、フィコシアニンを含む染浴で繊維を
染色した後、酸で後処理し、しかる後金属塩処理するこ
とによって、鮮やかな青色に容易かつ安全に染色できる
ようにするとともに、日光堅牢度などを良好にしたもの
である。
【0007】この発明において使用されるフィコシアニ
ンは、藍藻、紅藻、クリプト藻などの藻類中に含まれる
天然の色素で、フィコビリン色素類に属する極めて美し
い青色の色調を有している。
【0008】特に、藍藻類の一種であるスピルリナは、
ユレモ科、スピルリナ属に属し、他の藍藻類よりもこの
フィコシアニンの含有量が多く、健康食品として、ある
いは蛋白源として使用されているため、安全な染色材料
として使用でき、このスピルリナから精製したフィコシ
アニンは安全な色素として好適に使用される。
【0009】しかしながら、このフィコシアニンは、極
めて美しい青色の色調を有し、安全な色素として好適で
ある反面、繊維に対して大きな親和力をもたず、通常の
染色方法では繊維を実用的な濃度まで染色することが困
難で、そのままでは染料として使用することができな
い。これはフィコシアニン分子が常に高分子量の蛋白質
成分と結合しているため、他の天然色素分子のように繊
維の非晶質領域に浸入吸着しにくいためと思われる。
【0010】このため、このフィコシアニンを用いて染
色するときは、フィコシアニンがかなりの水溶解度を有
していること、および酸性で析出、沈澱することを利用
して、水溶液中でフィコシアニンを繊維に吸着せしめた
後、酸の水溶液中で処理するのが好ましく、酸の水溶液
中で処理すると、繊維上にフィコシアニンが析出、固着
される。
【0011】従って、フィコシアニンによる染色が、フ
ィコシアニンを水に溶解してこの中に繊維を浸漬し、次
いで、これらの繊維を酸の水溶液中に投入して行われる
と、繊維上にフィコシアニンが析出、固着され、繊維の
色濃度が増加して良好な染色が行われ、鮮やかな青色の
色調が得られる。
【0012】そして、フィコシアニンを溶解した水中へ
の浸漬と、この繊維を酸の水溶液中に投入する操作とを
反復して繰り返すと、染着濃度を増加することができ、
実用的な染色が行われる。
【0013】さらに、これらの染色後に、金属塩処理を
行うと日光堅牢度などが充分に向上され、実用的に充分
使用に堪えるものが得られる。
【0014】このように、フィコシアニンを水に溶解し
て、この中に繊維を浸漬する操作と、次いで、これらの
繊維を酸の水溶液中に投入する操作とを、反復して繰り
返し染色する際、フィコシアニン水溶液中に繊維を浸漬
するときの浴比は1:10〜1:50の範囲内にするの
が好ましく、浴比が小さすぎるとムラ染になりやすく、
大きすぎると染着量が減少する。
【0015】このとき繊維を浸漬するフィコシアニン水
溶液の濃度としては、染色される繊維に対して 0.5〜2
重量%の範囲内にするのが好ましく、 0.5重量%より少
ないとフィコシアニンによる染色が良好に行えず、多す
ぎるとムラが生じて均染が得られない。
【0016】また、このときの温度は20〜40℃で、
1〜2時間かけて染色するのが好ましく、温度が20℃
より低いと染着量が低下し、40℃より高いと色素の分
解が起こりやすくなる。また、時間が短すぎると実用的
な染着量が得られず、長すぎると均染が得られにくい。
【0017】さらに、繊維をフィコシアニンの水溶液に
浸漬した後、フィコシアニンを不溶化するために投入さ
れる酸の水溶液としては、酢酸、タンニン酸、クエン
酸、ポリリン酸などの水溶液が好ましく使用される。
【0018】このような酸の水溶液は、酸の濃度5〜1
0%の範囲内で使用し、浴比を1:10〜1:100の
範囲内にするのが好ましく、酸の濃度が5%未満ではフ
ィコシアニンが不溶化しにくく、10%を超えると繊維
を損傷するおそれがある。
【0019】フィコシアニンによる染色はこのようにし
て行われるが、この染色後、さらに金属塩処理を行うと
日光堅牢度などが向上されるため、金属塩処理を行うの
が好ましい。
【0020】この金属塩処理は、ニッケル、銅、アルミ
ニウム、マグネシウムなどの塩類を溶解した濃度が1〜
5%の水溶液に、浴比1:10〜1:100の範囲内
で、20〜30℃にて10〜20分間浸漬して行われ、
塩類の濃度が1%未満では日光堅牢度を充分に改善する
ことができず、塩類の濃度が5%を超えると均一な処理
が行い難くなる。
【0021】また、浴比が小さすぎたり、温度が20℃
より低かったり、処理時間が10分より短かったりする
と日光堅牢度が充分に改善されず、浴比が大きすぎた
り、温度が30℃より高かったり、処理時間が20分よ
り長かったりすると色素や繊維を損傷するおそれがあ
る。
【0022】このように、天然の色素であるフィコシア
ニンを用いて染色される繊維としては、天然繊維の他、
人造繊維などあらゆる繊維が使用され、特に、絹、羊
毛、木綿、麻などの天然繊維やレ−ヨンなどの人造繊維
からなる編織布、不織布および糸などがいずれも良好に
染色される。
【0023】
【実施例】次に、この発明の実施例について説明する。 実施例1 スピルリナを精製して得られたフィコシアニン100g
を2lの水に溶解して染浴を調製し、この中に絹白布1
00gを40℃で1時間浸漬した。次いで、染浴から絹
白布を取り出し、タンニン酸の10%水溶液10l中に
投入した。
【0024】このような絹白布の染浴への浸漬とタンニ
ン酸水溶液への投入を3回繰り返し行った後、硫酸ニッ
ケルの1%水溶液5l中に30℃で20分間浸漬して金
属塩処理を行った。このようにして染色された絹布は、
鮮やかな緑味青色に染色されていた。
【0025】実施例2 実施例1において、タンニン酸の10%水溶液に代え
て、クエン酸の10%水溶液を使用した以外は実施例1
と同様にして絹白布の染色を行った。このようにして染
色された絹布は、鮮やかな緑味青色に染色されていた。
【0026】実施例3 実施例1において、絹白布に代えて木綿白布を使用した
以外は、実施例1と同様にして木綿白布の染色を行っ
た。このようにして染色された木綿布は、鮮やかな緑味
青色に染色されていた。
【0027】実施例4 実施例1において、絹白布に代えてレ−ヨン不織布の白
布を使用した以外は、実施例1と同様にしてレ−ヨン不
織布の染色を行った。このようにして染色されたレ−ヨ
ン不織布は、鮮やかな緑味青色に染色されていた。
【0028】実施例5 実施例1において、金属塩処理を省いた以外は、実施例
1と同様にして絹白布の染色を行った。このようにして
染色された絹布は、鮮やかな青色に染色されていた。
【0029】実施例6 実施例2において、金属塩処理を省いた以外は、実施例
2と同様にして絹白布の染色を行った。このようにして
染色された絹布は、鮮やかな青色に染色されていた。
【0030】実施例7 実施例3において、金属塩処理を省いた以外は、実施例
3と同様にして木綿白布の染色を行った。このようにし
て染色された木綿布は、鮮やかな青色に染色されてい
た。
【0031】実施例8 実施例4において、金属塩処理を省いた以外は、実施例
4と同様にしてレ−ヨン不織布の白布の染色を行った。
このようにして染色されたレ−ヨン不織布は、鮮やかな
青色に染色されていた。
【0032】比較例1 実施例1において、タンニン酸水溶液への投入を省いた
以外は、実施例1と同様にして絹白布の染色を行った
が、実用的な濃度の染着量が得られず、絹布を鮮やかな
青色に染色することはできなかった。
【0033】各実施例で得られた染色布について、日光
堅牢度試験を行った。日光堅牢度試験は、太陽光に最も
近い紫外線分布を有する促進耐候試験機、サンテスタ−
X−1型を用いて行い、ブル−スケ−ルの退色と比較し
て1〜8等級で評価した。なお、天然染料による染色で
は3級で充分に実用的であり、古来の著名な天然染料で
ある紅花や紫根などでの染色における日光堅牢度は通常
1級である。下記表1はその結果である。
【0034】
【0035】
【発明の効果】上記表1から明らかなように、絹、木綿
およびレ−ヨン等の染色布は、タンニン酸を用いなけれ
ば染着性も悪く、日光堅牢度も1級程度であるのに対
し、この発明の方法で染色された絹、木綿およびレ−ヨ
ン等の染色布は、タンニン酸を用いることによって実用
的な染着量が得られると同時に、日光堅牢度が改善され
ており、また、金属塩処理を行ったもの(実施例1〜
4)は日光堅牢度がさらに改善されている。
【0036】このことから、この発明の方法によると、
天然の色素であるフィコシアニンでもって、着衣を鮮や
かな青色に染色することができ、染色された絹、木綿お
よびレ−ヨン等の染色布は、日光堅牢度もよくて、充分
に実用に堪え得るものであることがわかる。
【0037】また、この天然の色素であるフィコシアニ
ンによる染色は、人類にとってもっとも安全で、しかも
容易に入手しやすい藻類中に含まれる色素を使用してい
るため、安全で健康性に優れた着衣の美麗な青色の染色
が容易かつ安価に行える。さらに、染色排水による環境
汚染のおそれが全くなく、工業的にも優れた染色が行え
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィコシアニンを含む染浴で繊維を染色
    した後、酸で後処理することを特徴とするフィコシアニ
    ンによる染色方法。
  2. 【請求項2】 フィコシアニンを含む染浴で繊維を染色
    した後、酸で後処理し、しかるのち、金属塩処理するこ
    とを特徴とするフィコシアニンによる染色方法。
JP5343600A 1993-12-15 1993-12-15 フィコシアニンによる染色方法 Pending JPH07166480A (ja)

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JP5343600A JPH07166480A (ja) 1993-12-15 1993-12-15 フィコシアニンによる染色方法

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JPH07166480A true JPH07166480A (ja) 1995-06-27

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005281479A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Kakuyokai アントシアニン色素を含む染料溶液及びそれを用いた染色方法
JPWO2018003599A1 (ja) * 2016-06-28 2018-07-12 Dic株式会社 色素材及び色素材の製造方法
JP2020515668A (ja) * 2017-03-20 2020-05-28 アルガライフ リミテッド 着色プロセスで用いるための培養微細藻類を含む組成物

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005281479A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Kakuyokai アントシアニン色素を含む染料溶液及びそれを用いた染色方法
JP4526846B2 (ja) * 2004-03-30 2010-08-18 財団法人覚誉会 アントシアニン色素を含む染料溶液及びそれを用いた染色方法
JPWO2018003599A1 (ja) * 2016-06-28 2018-07-12 Dic株式会社 色素材及び色素材の製造方法
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