JPH07161250A - 絶縁部材およびsf6 ガス絶縁遮断器 - Google Patents
絶縁部材およびsf6 ガス絶縁遮断器Info
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- JPH07161250A JPH07161250A JP30309993A JP30309993A JPH07161250A JP H07161250 A JPH07161250 A JP H07161250A JP 30309993 A JP30309993 A JP 30309993A JP 30309993 A JP30309993 A JP 30309993A JP H07161250 A JPH07161250 A JP H07161250A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】絶縁部材とSF6 ガス絶縁遮断器の耐熱性と、
耐SF6 分解ガス性を共に高める。 【構成】ガラス繊維強化樹脂物2の外面を、エポキシ変
性ポリイミド3により被覆して絶縁ロッド1を構成す
る。
耐SF6 分解ガス性を共に高める。 【構成】ガラス繊維強化樹脂物2の外面を、エポキシ変
性ポリイミド3により被覆して絶縁ロッド1を構成す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はSF6 ガス絶縁遮断器お
よびその絶縁操作棒等の電気的絶縁部材に係り、特に、
耐SF6 分解ガス性と耐熱性の向上を共に図った絶縁部
材およびSF6ガス絶縁遮断器に関する。
よびその絶縁操作棒等の電気的絶縁部材に係り、特に、
耐SF6 分解ガス性と耐熱性の向上を共に図った絶縁部
材およびSF6ガス絶縁遮断器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、六フッ化硫黄(以下SF6 とい
う)ガス絶縁遮蔽器では、絶縁操作棒等のような絶縁ロ
ッドには、電気絶縁性と機械的強度の両方に優れた材料
を使用する必要がある。そこで、絶縁ロッド材料として
は、必要十分な機械的強度が得るため、電気絶縁性の良
好な高分子材料を各種繊維で強化した繊維強化樹脂物が
使用される。強化繊維の種類の違いにより、各種の繊維
強化樹脂物が存在するが、絶縁ロッドの場合は、電気絶
縁の問題からガラス繊維強化樹脂物を使用するのが一般
的である。
う)ガス絶縁遮蔽器では、絶縁操作棒等のような絶縁ロ
ッドには、電気絶縁性と機械的強度の両方に優れた材料
を使用する必要がある。そこで、絶縁ロッド材料として
は、必要十分な機械的強度が得るため、電気絶縁性の良
好な高分子材料を各種繊維で強化した繊維強化樹脂物が
使用される。強化繊維の種類の違いにより、各種の繊維
強化樹脂物が存在するが、絶縁ロッドの場合は、電気絶
縁の問題からガラス繊維強化樹脂物を使用するのが一般
的である。
【0003】ところで、SF6 ガス絶縁遮蔽器中でアー
クが発生すると、アークにより機器に封入されたSF6
が分解して、四フッ化硫黄(SF4 )等の活性な分解ガ
スが発生する。さらに、遮断器中に微量な水分が存在す
ると、SF4 は水と反応してSOF2 やフッ酸HFを生
成する。ガラスの主成分は酸化珪素(SiO2 )である
が、この酸化珪素はフッ酸によって容易に侵されること
が知られている。
クが発生すると、アークにより機器に封入されたSF6
が分解して、四フッ化硫黄(SF4 )等の活性な分解ガ
スが発生する。さらに、遮断器中に微量な水分が存在す
ると、SF4 は水と反応してSOF2 やフッ酸HFを生
成する。ガラスの主成分は酸化珪素(SiO2 )である
が、この酸化珪素はフッ酸によって容易に侵されること
が知られている。
【0004】このため、ガス絶縁遮断器中でガラス繊維
強化樹脂製の絶縁ロッドを単独で使用した場合には、分
解ガスにより樹脂物中のガラス繊維が侵され、絶縁ロッ
ドの機械的強度が低下する。
強化樹脂製の絶縁ロッドを単独で使用した場合には、分
解ガスにより樹脂物中のガラス繊維が侵され、絶縁ロッ
ドの機械的強度が低下する。
【0005】また、酸化珪素とフッ酸の反応により、フ
ッ化珪素が生成し、ガラス繊維強化樹脂物の表面抵抗の
低下、トラッキング発生の原因になることがある。
ッ化珪素が生成し、ガラス繊維強化樹脂物の表面抵抗の
低下、トラッキング発生の原因になることがある。
【0006】したがって、SF6 ガス遮断器中でガラス
繊維強化樹脂物を長期間安定的に使用するためには、S
F6 分解ガスによるガラス繊維およびガラス繊維強化樹
脂物の劣化を防止する必要がある。
繊維強化樹脂物を長期間安定的に使用するためには、S
F6 分解ガスによるガラス繊維およびガラス繊維強化樹
脂物の劣化を防止する必要がある。
【0007】このような課題を解決する技術としては、
例えばガラス繊維強化樹脂物表面にエポキシ樹脂の保護
膜を設ける方法が考えられる。また、前述のようなガラ
ス繊維強化樹脂物表面に保護膜を設ける方法以外には、
特開昭56−71227号公報に記載された技術が知ら
れている。この技術では、ガラス繊維強化樹脂物の補強
材を硼素および硼素化合物のいずれも含有しない低アル
カリガラス繊維にすることで、SF6 分解生成物に対す
る耐性の向上を図っている。
例えばガラス繊維強化樹脂物表面にエポキシ樹脂の保護
膜を設ける方法が考えられる。また、前述のようなガラ
ス繊維強化樹脂物表面に保護膜を設ける方法以外には、
特開昭56−71227号公報に記載された技術が知ら
れている。この技術では、ガラス繊維強化樹脂物の補強
材を硼素および硼素化合物のいずれも含有しない低アル
カリガラス繊維にすることで、SF6 分解生成物に対す
る耐性の向上を図っている。
【0008】一方、日本国特許第861796号では、
ガラス繊維で強化された電気絶縁材料を、SF6 分解生
成物に対して安定な絶縁材料よりなる構造物により包
囲,隔離することで、耐SF6 分解ガスについての課題
の解決を図っている。
ガラス繊維で強化された電気絶縁材料を、SF6 分解生
成物に対して安定な絶縁材料よりなる構造物により包
囲,隔離することで、耐SF6 分解ガスについての課題
の解決を図っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ガラス繊維強化樹脂物の表面にエポキシ樹脂の保護膜を
形成する方法では、エポキシ樹脂皮膜が薄いとSF6 分
解ガスがエポキシ樹脂皮膜を透過して内部のガラス繊維
強化樹脂物に達し、ガラス繊維を分解して表面抵抗の低
下を生じる。
ガラス繊維強化樹脂物の表面にエポキシ樹脂の保護膜を
形成する方法では、エポキシ樹脂皮膜が薄いとSF6 分
解ガスがエポキシ樹脂皮膜を透過して内部のガラス繊維
強化樹脂物に達し、ガラス繊維を分解して表面抵抗の低
下を生じる。
【0010】一方、エポキシ樹脂皮膜を厚くすると、S
F6 分解ガスの透過を防ぐことはできるが、皮膜とガラ
ス繊維強化樹脂物の線膨張係数が異なるため、冷熱サイ
クルによって皮膜に剥離や亀裂が発生する。加えて、S
F6 ガス絶縁遮断器の小型化を図るには、従来と同じ量
の導体からの発熱をより少ない体積で受ける必要性があ
るため、絶縁材料の耐熱性向上が必要である。しかし、
エポキシ樹脂は耐熱性が高くなると靭性が低下して脆く
なる傾向があるため、高温で使用するコーティング剤に
は不向きである。
F6 分解ガスの透過を防ぐことはできるが、皮膜とガラ
ス繊維強化樹脂物の線膨張係数が異なるため、冷熱サイ
クルによって皮膜に剥離や亀裂が発生する。加えて、S
F6 ガス絶縁遮断器の小型化を図るには、従来と同じ量
の導体からの発熱をより少ない体積で受ける必要性があ
るため、絶縁材料の耐熱性向上が必要である。しかし、
エポキシ樹脂は耐熱性が高くなると靭性が低下して脆く
なる傾向があるため、高温で使用するコーティング剤に
は不向きである。
【0011】一方、特開昭56−71227号公報に記
載された技術は、硼素および硼素化合物を含むガラス繊
維を使用した場合よりも、SF6 分解生成物に対する耐
性が向上することは期待できる。しかし、SF6 分解ガ
スに侵され易い酸化珪素を主成分とするガラス繊維を使
用していることに変りはなく、耐分解ガス性の著しい向
上は期待しにくい。
載された技術は、硼素および硼素化合物を含むガラス繊
維を使用した場合よりも、SF6 分解生成物に対する耐
性が向上することは期待できる。しかし、SF6 分解ガ
スに侵され易い酸化珪素を主成分とするガラス繊維を使
用していることに変りはなく、耐分解ガス性の著しい向
上は期待しにくい。
【0012】また、日本国特許第861796号公報に
記載の技術では、構造上、ガラス繊維強化絶縁物が分解
ガスに触れないため、分解ガスによる劣化は生じないと
考えられる。しかし、ガラス繊維強化絶縁物を包囲する
ための絶縁物を新たに機器内に設けるため、従来の機器
の内部構造を変える必要がある。したがって、機器自体
の構造変更を必要としない前述のガラス繊維強化樹脂物
表面にエポキシ樹脂皮膜等の保護膜を設ける方法に比べ
て、機器の製造,保全・管理等が難しくなるという課題
がある。
記載の技術では、構造上、ガラス繊維強化絶縁物が分解
ガスに触れないため、分解ガスによる劣化は生じないと
考えられる。しかし、ガラス繊維強化絶縁物を包囲する
ための絶縁物を新たに機器内に設けるため、従来の機器
の内部構造を変える必要がある。したがって、機器自体
の構造変更を必要としない前述のガラス繊維強化樹脂物
表面にエポキシ樹脂皮膜等の保護膜を設ける方法に比べ
て、機器の製造,保全・管理等が難しくなるという課題
がある。
【0013】そこで本発明はこのような事情を考慮して
なされたもので、その目的は、耐熱性が高く、かつ耐S
F6 分解ガス性の優れたガラス繊維強化樹脂物製の絶縁
部材を提供すると共に、この絶縁部材を使用することに
より、従来の機器よりも構造を複雑にすることなく、安
全性が高く、小型のSF6 ガス絶縁遮断器を提供するこ
とにある。
なされたもので、その目的は、耐熱性が高く、かつ耐S
F6 分解ガス性の優れたガラス繊維強化樹脂物製の絶縁
部材を提供すると共に、この絶縁部材を使用することに
より、従来の機器よりも構造を複雑にすることなく、安
全性が高く、小型のSF6 ガス絶縁遮断器を提供するこ
とにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は次のように構成される。
めに本発明は次のように構成される。
【0015】本願の請求項1に記載の発明(以下、第1
の発明という)は、ガラス繊維強化樹脂物の外面を、エ
ポキシ変性ポリイミドにより被覆してなることを特徴と
する。
の発明という)は、ガラス繊維強化樹脂物の外面を、エ
ポキシ変性ポリイミドにより被覆してなることを特徴と
する。
【0016】また、本願の請求項2に記載の発明(以
下、第2の発明という)は、エポキシ変性ポリイミド
は、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂の化学当量量の酸無水
物の混合物と、ビスマレイミドと硬化促進剤と潜在性硬
化剤の混合物と、を混合してなるものであることを特徴
する。
下、第2の発明という)は、エポキシ変性ポリイミド
は、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂の化学当量量の酸無水
物の混合物と、ビスマレイミドと硬化促進剤と潜在性硬
化剤の混合物と、を混合してなるものであることを特徴
する。
【0017】さらに、本願の請求項3に記載の発明(以
下、第3の発明という)は、エポキシ変性ポリイミド
を、SF6 分解生成物に対して安定な電気絶縁性無機物
に置換してなることを特徴とする。
下、第3の発明という)は、エポキシ変性ポリイミド
を、SF6 分解生成物に対して安定な電気絶縁性無機物
に置換してなることを特徴とする。
【0018】さらにまた、本願の請求項4に記載の発明
(以下、第4の発明という)は、電気絶縁性無機物は、
酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,窒化ホウ素の少
なくとも1種、またはこれらの複合物であることを特徴
とする。
(以下、第4の発明という)は、電気絶縁性無機物は、
酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,窒化ホウ素の少
なくとも1種、またはこれらの複合物であることを特徴
とする。
【0019】また、本願の請求項5に記載の発明(以
下、第5の発明という)は、電気絶縁性無機物の被覆層
の外面を、さらに合成樹脂により被覆してなることを特
徴とする。
下、第5の発明という)は、電気絶縁性無機物の被覆層
の外面を、さらに合成樹脂により被覆してなることを特
徴とする。
【0020】さらに、本願の請求項6に記載の発明(以
下、第6の発明という)は、請求項1〜5のいずれか1
項に記載の絶縁部材により構成された絶縁操作棒を有す
るこを特徴とする。
下、第6の発明という)は、請求項1〜5のいずれか1
項に記載の絶縁部材により構成された絶縁操作棒を有す
るこを特徴とする。
【0021】
〈第1,第2,第6の発明〉絶縁部材のガラス繊維強化
樹脂物の外面を被覆するエポキシ変性ポリイミドは、ア
ークによるSF6 分解生成物に対して安定で、かつ耐熱
性に優れているので、エポキシ変性ポリイミドによりガ
ラス繊維強化樹脂物をSF6 分解生成物から保護するこ
とにより、耐SF6 分解ガス性が高くなるとともに、絶
縁部材全体の耐熱性も向上できる。また、この絶縁部材
をSF6 ガス絶縁遮断器の絶縁操作棒として使用するこ
とにより、従来機器の構造を変更することなしに、小型
で安全性の向上したSF6 ガス絶縁遮断器が得られる。
樹脂物の外面を被覆するエポキシ変性ポリイミドは、ア
ークによるSF6 分解生成物に対して安定で、かつ耐熱
性に優れているので、エポキシ変性ポリイミドによりガ
ラス繊維強化樹脂物をSF6 分解生成物から保護するこ
とにより、耐SF6 分解ガス性が高くなるとともに、絶
縁部材全体の耐熱性も向上できる。また、この絶縁部材
をSF6 ガス絶縁遮断器の絶縁操作棒として使用するこ
とにより、従来機器の構造を変更することなしに、小型
で安全性の向上したSF6 ガス絶縁遮断器が得られる。
【0022】〈第3〜第6の発明〉絶縁部材のガラス繊
維強化樹脂物の外面を被覆する電気絶縁性無機物は、ア
ークによるSF6 分解生成物に対して安定であるので、
電気絶縁性無機物によりガラス繊維強化樹脂物をSF6
分解生成物から保護することにより、耐SF6 分解ガス
性が高くなる。また、この絶縁部材によりSF6 ガス絶
縁遮断器の絶縁操作棒として構成することにより、従来
機器の構造を変更することなしに、小型で安全性の向上
したSF6 ガス絶縁遮断器が得られる。
維強化樹脂物の外面を被覆する電気絶縁性無機物は、ア
ークによるSF6 分解生成物に対して安定であるので、
電気絶縁性無機物によりガラス繊維強化樹脂物をSF6
分解生成物から保護することにより、耐SF6 分解ガス
性が高くなる。また、この絶縁部材によりSF6 ガス絶
縁遮断器の絶縁操作棒として構成することにより、従来
機器の構造を変更することなしに、小型で安全性の向上
したSF6 ガス絶縁遮断器が得られる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。
明する。
【0024】図1は本発明の一実施例のSF6 ガス絶縁
遮断器用絶縁ロッドの断面図であり、絶縁部材である絶
縁ロッド1は、ガラス繊維強化樹脂物2により棒状等所
定形状に形成され、この樹脂物2の外面に、エポキシ変
性ポリイミドよりなるコーティング層3を形成してい
る。
遮断器用絶縁ロッドの断面図であり、絶縁部材である絶
縁ロッド1は、ガラス繊維強化樹脂物2により棒状等所
定形状に形成され、この樹脂物2の外面に、エポキシ変
性ポリイミドよりなるコーティング層3を形成してい
る。
【0025】ガラス繊維強化樹脂物2の母材となる樹脂
2aは、SF6 雰囲気中のアークにより生成される活性
なSF6 分解ガスに対する耐性を有し、絶縁ロッド1と
して必要とされる電気絶縁性,耐熱性,機械的強度を満
たすことが可能であれば、どのような樹脂でもよく、具
体的にはポリイミド樹脂,エポキシ樹脂,ビスマレイミ
ド樹脂等がある。
2aは、SF6 雰囲気中のアークにより生成される活性
なSF6 分解ガスに対する耐性を有し、絶縁ロッド1と
して必要とされる電気絶縁性,耐熱性,機械的強度を満
たすことが可能であれば、どのような樹脂でもよく、具
体的にはポリイミド樹脂,エポキシ樹脂,ビスマレイミ
ド樹脂等がある。
【0026】また、ガラス繊維強化樹脂物2中のガラス
繊維2bとしては、絶縁ロッド1に必要とされる機械的
強度と電気特性を満たすことが可能なものであればよ
い。一般には、電気,電子用繊維強化複合材料に使用す
るガラス繊維は、電気的特性の優れたEガラス繊維であ
ることが多い。また、高強度ガラス繊維を使用すれば、
絶縁ロッド1全体の強度を向上することができる。
繊維2bとしては、絶縁ロッド1に必要とされる機械的
強度と電気特性を満たすことが可能なものであればよ
い。一般には、電気,電子用繊維強化複合材料に使用す
るガラス繊維は、電気的特性の優れたEガラス繊維であ
ることが多い。また、高強度ガラス繊維を使用すれば、
絶縁ロッド1全体の強度を向上することができる。
【0027】そして、エポキシ変性ポリイミドとして
は、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂の化学当量量の酸無水
物の混合物と、ビスマレイミドと硬化促進剤と潜在性硬
化剤の混合物を混合したものであり、以上の最終混合物
をガラス繊維強化樹脂物2の外面に塗布し、硬化させる
ことによりコーティング層3を形成する。
は、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂の化学当量量の酸無水
物の混合物と、ビスマレイミドと硬化促進剤と潜在性硬
化剤の混合物を混合したものであり、以上の最終混合物
をガラス繊維強化樹脂物2の外面に塗布し、硬化させる
ことによりコーティング層3を形成する。
【0028】エポキシ変性ポリイミドは、耐熱性は高い
が接着性の低いポリイミドを接着力の強いエポキシ樹脂
で変性しているため、耐熱性と接着力が共に高い樹脂で
ある。
が接着性の低いポリイミドを接着力の強いエポキシ樹脂
で変性しているため、耐熱性と接着力が共に高い樹脂で
ある。
【0029】また、硬化により生成するエポキシ樹脂と
ビスマレイミド樹脂の網目は、相互に貫通し合うような
構造、つまり、相互貫通構造(IPN)を形成する。こ
のため、エポキシ変性ポリイミドの気体分子が拡散する
分子レベルの空間は、エポキシ樹脂単体の時よりも狭く
なり、ガス拡散がしにくくなる。
ビスマレイミド樹脂の網目は、相互に貫通し合うような
構造、つまり、相互貫通構造(IPN)を形成する。こ
のため、エポキシ変性ポリイミドの気体分子が拡散する
分子レベルの空間は、エポキシ樹脂単体の時よりも狭く
なり、ガス拡散がしにくくなる。
【0030】したがって、エポキシ変性ポリイミドをコ
ーティングした場合は、エポキシ樹脂単体の時よりもS
F6 分解ガスのコーティング層3の透過性が低くなり、
絶縁ロッド1に対する保護性が高くなる。これにより、
SF6 分解ガスと水分により生成するフッ酸を防ぎ、フ
ッ酸によるガラス繊維強化樹脂物2のガラスの侵食を抑
制し、さらに、ガラス繊維が分解して生成する電解質が
水分に溶解して抵抗値の低い表面層を形成し、絶縁性が
低下するのを防止することができる。
ーティングした場合は、エポキシ樹脂単体の時よりもS
F6 分解ガスのコーティング層3の透過性が低くなり、
絶縁ロッド1に対する保護性が高くなる。これにより、
SF6 分解ガスと水分により生成するフッ酸を防ぎ、フ
ッ酸によるガラス繊維強化樹脂物2のガラスの侵食を抑
制し、さらに、ガラス繊維が分解して生成する電解質が
水分に溶解して抵抗値の低い表面層を形成し、絶縁性が
低下するのを防止することができる。
【0031】本実施例において、エポキシ変性ポリイミ
ドの調製に使用するエポキシ樹脂は、塗布性を良好にす
るため、液状エポキシ樹脂を使用する必要がある。ま
た、SF6 分解ガスに安定な無機物を充填すれば、より
コーティング層3のガス透過性を低くすることができ
る。
ドの調製に使用するエポキシ樹脂は、塗布性を良好にす
るため、液状エポキシ樹脂を使用する必要がある。ま
た、SF6 分解ガスに安定な無機物を充填すれば、より
コーティング層3のガス透過性を低くすることができ
る。
【0032】表1に、ガラス繊維強化樹脂物2をSF6
ガスを充填したSF6 ガス絶縁遮断器の容器中に置き、
この容器内でアークを発生させ、発生(遮断)後のSF
6 分解ガスによる各材料の表面抵抗の変化を測定した結
果を示す。
ガスを充填したSF6 ガス絶縁遮断器の容器中に置き、
この容器内でアークを発生させ、発生(遮断)後のSF
6 分解ガスによる各材料の表面抵抗の変化を測定した結
果を示す。
【0033】表1において、実施例1とは、ガラス繊維
強化エポキシ樹脂にエポキシ変性ポリイミドを塗布し、
被覆したものである。比較例1とは、エポキシ変性ポリ
イミドをコーティングしていないガラス繊維強化エポキ
シ樹脂であり、比較例2はガラス繊維強化エポキシ樹脂
表面をエポキシ樹脂の薄膜で被覆したものである。
強化エポキシ樹脂にエポキシ変性ポリイミドを塗布し、
被覆したものである。比較例1とは、エポキシ変性ポリ
イミドをコーティングしていないガラス繊維強化エポキ
シ樹脂であり、比較例2はガラス繊維強化エポキシ樹脂
表面をエポキシ樹脂の薄膜で被覆したものである。
【0034】
【表1】
【0035】表1に示すように、実施例1は他の比較例
1,2よりもSF6 分解生成物に対して安定である。
1,2よりもSF6 分解生成物に対して安定である。
【0036】次の表2はSF6 の雰囲気中、220℃で
100時間エージングした時の重量変化と外観変化の結
果を示しており、表2中、実施例2はコーティング剤と
してエポキシ変性ポリイミドを使用し、比較例3はコー
ティング剤としてエポキシ樹脂を使用した場合である。
表2に示すように、エポキシ変性ポリイミドは、重量、
外観共に殆ど変化が少ないのに対し、エポキシは、一種
の乾留状態となるため、生成物を伴う著しい変化を生じ
る。
100時間エージングした時の重量変化と外観変化の結
果を示しており、表2中、実施例2はコーティング剤と
してエポキシ変性ポリイミドを使用し、比較例3はコー
ティング剤としてエポキシ樹脂を使用した場合である。
表2に示すように、エポキシ変性ポリイミドは、重量、
外観共に殆ど変化が少ないのに対し、エポキシは、一種
の乾留状態となるため、生成物を伴う著しい変化を生じ
る。
【0037】
【表2】
【0038】図2は本願第3,第4発明の一実施例の断
面の模式図であり、絶縁部材である絶縁ロッド11はガ
ラス繊維強化プラスチック12により棒状等所定形状に
形成され、そのプラスチック12の外面に、SF6 分解
生成物に対して安定な電気絶縁性無機物よりなるコーテ
ィング層13を形成している。
面の模式図であり、絶縁部材である絶縁ロッド11はガ
ラス繊維強化プラスチック12により棒状等所定形状に
形成され、そのプラスチック12の外面に、SF6 分解
生成物に対して安定な電気絶縁性無機物よりなるコーテ
ィング層13を形成している。
【0039】ガラス繊維強化プラスチック12の母材と
なる樹脂12aとしては、耐SF6分解ガス性を有し、
絶縁ロッドに必要とされる電気絶縁性,耐熱性,機械的
強度を満たすことが可能なものであれば、どのような樹
脂でもよい。一般に、繊維強化プラスチックに広く使用
されている樹脂としては、ポリアミド樹脂,エポキシ樹
脂,ビスマレイミド樹脂等がある。
なる樹脂12aとしては、耐SF6分解ガス性を有し、
絶縁ロッドに必要とされる電気絶縁性,耐熱性,機械的
強度を満たすことが可能なものであれば、どのような樹
脂でもよい。一般に、繊維強化プラスチックに広く使用
されている樹脂としては、ポリアミド樹脂,エポキシ樹
脂,ビスマレイミド樹脂等がある。
【0040】ガラス繊維強化プラスチック12のガラス
繊維12bとしては、絶縁ロッド1として必要とされる
機械的強度を満たすことが可能なものであればよい。一
般には、電気,電子用繊維強化複合材料に使用するガラ
ス繊維としては、電気的特性の優れたE繊維ガラスであ
ることが多い。
繊維12bとしては、絶縁ロッド1として必要とされる
機械的強度を満たすことが可能なものであればよい。一
般には、電気,電子用繊維強化複合材料に使用するガラ
ス繊維としては、電気的特性の優れたE繊維ガラスであ
ることが多い。
【0041】SF6 分解生成物に対して安定な電気絶縁
性無機物13としては、酸化アルミニウム(アルミ
ナ),酸化マグネシウム,窒化ほう素やこれらの複合物
等を使用する。この無機物13によりガラス繊維強化プ
ラスチック12の外面を覆う方法としては、化学蒸着法
や物理的蒸着法などにより、ガラス繊維強化プラスチッ
ク12の外面に無機物を堆積させて被覆する方法があ
る。
性無機物13としては、酸化アルミニウム(アルミ
ナ),酸化マグネシウム,窒化ほう素やこれらの複合物
等を使用する。この無機物13によりガラス繊維強化プ
ラスチック12の外面を覆う方法としては、化学蒸着法
や物理的蒸着法などにより、ガラス繊維強化プラスチッ
ク12の外面に無機物を堆積させて被覆する方法があ
る。
【0042】また、アルミナ等のセラミックスと無機高
分子を主成分とする一液型熱硬化型無機接着剤,充填
剤,コーティング剤をガラス繊維強化プラスチック12
の外面に塗布,硬化することにより、ガラス繊維強化プ
ラスチック12の外面を無機物で覆う方法もある。セラ
ミックスと無機高分子を主成分とする一液型熱硬化型無
機接着剤,充填剤,コーティング剤としては、アロンセ
ラミック(東亜合成化学工業社製),スミセラム(朝日
化学工業社製)等がある。
分子を主成分とする一液型熱硬化型無機接着剤,充填
剤,コーティング剤をガラス繊維強化プラスチック12
の外面に塗布,硬化することにより、ガラス繊維強化プ
ラスチック12の外面を無機物で覆う方法もある。セラ
ミックスと無機高分子を主成分とする一液型熱硬化型無
機接着剤,充填剤,コーティング剤としては、アロンセ
ラミック(東亜合成化学工業社製),スミセラム(朝日
化学工業社製)等がある。
【0043】そして、電気絶縁性無機物のコーティング
層13は、アーク等により生じたSF6 分解ガスと遮断
機器内にある水分からガラス繊維強化プラスチック12
を遮蔽する。これにより、分解ガスと水分により生成す
るフッ酸を防ぎ、フッ酸によるガラス繊維強化プラスチ
ック12のガラスの侵食を抑制し、さらに、ガラス繊維
が分解して生成する電解質が水分に溶解して抵抗値の低
い表面層を形成し、電気絶縁性が低下するのを防止する
ことができる。
層13は、アーク等により生じたSF6 分解ガスと遮断
機器内にある水分からガラス繊維強化プラスチック12
を遮蔽する。これにより、分解ガスと水分により生成す
るフッ酸を防ぎ、フッ酸によるガラス繊維強化プラスチ
ック12のガラスの侵食を抑制し、さらに、ガラス繊維
が分解して生成する電解質が水分に溶解して抵抗値の低
い表面層を形成し、電気絶縁性が低下するのを防止する
ことができる。
【0044】一方、ガラス繊維強化プラスチッ12上の
無機物のコーティング層13は、SF6 分解ガスに対し
て安定なため、分解反応速度が極めて遅く、電気抵抗値
の低下を招くような電解質溶液を形成しにくい。例え
ば、アルミナは酸化珪素よりもフッ酸による分解反応速
度が極めて遅く、分解により生じたフッ化アルミニウム
AlF3 は水分への溶解性が低いため、抵抗値の低下を
招くような電解質溶液を形成しにくい。
無機物のコーティング層13は、SF6 分解ガスに対し
て安定なため、分解反応速度が極めて遅く、電気抵抗値
の低下を招くような電解質溶液を形成しにくい。例え
ば、アルミナは酸化珪素よりもフッ酸による分解反応速
度が極めて遅く、分解により生じたフッ化アルミニウム
AlF3 は水分への溶解性が低いため、抵抗値の低下を
招くような電解質溶液を形成しにくい。
【0045】図3は前記絶縁ロッド11をSF6 ガス絶
縁遮断器中に置いたときのアーク遮断後の表面抵抗の変
化を曲線Aで示し、曲線Bは前記コーティング層13を
省略したガラス繊維強化プラスチックのアーク遮断後の
表面抵抗の変化を示す。曲線Bで示すようにガラス繊維
強化プラスチックの表面抵抗は著しい低下を生じる。こ
れに対して、本実施例では曲線Aで示されるように、表
面抵抗の低下はガラス繊維プラスチックのみの場合より
も小さい。
縁遮断器中に置いたときのアーク遮断後の表面抵抗の変
化を曲線Aで示し、曲線Bは前記コーティング層13を
省略したガラス繊維強化プラスチックのアーク遮断後の
表面抵抗の変化を示す。曲線Bで示すようにガラス繊維
強化プラスチックの表面抵抗は著しい低下を生じる。こ
れに対して、本実施例では曲線Aで示されるように、表
面抵抗の低下はガラス繊維プラスチックのみの場合より
も小さい。
【0046】なお、前記実施例では、ガラス繊維強化プ
ラスチック12の外面を無機物のコーティング層13に
より被覆した場合について説明しているが、さらにこの
コーティング層13の外面をプラスチックにより被覆し
てもよい。プラスチックで覆うことにより、絶縁ロッド
11の耐衝撃性を一段と向上させことができる。
ラスチック12の外面を無機物のコーティング層13に
より被覆した場合について説明しているが、さらにこの
コーティング層13の外面をプラスチックにより被覆し
てもよい。プラスチックで覆うことにより、絶縁ロッド
11の耐衝撃性を一段と向上させことができる。
【0047】図4は本願第6の発明の一実施例に係るS
F6 ガス絶縁遮断器の投入状態を示す要部縦断面図であ
り、このSF6 ガス絶縁遮断器21は前記各実施例の絶
縁ロッド1,11により絶縁操作棒22を構成した点に
特徴がある。
F6 ガス絶縁遮断器の投入状態を示す要部縦断面図であ
り、このSF6 ガス絶縁遮断器21は前記各実施例の絶
縁ロッド1,11により絶縁操作棒22を構成した点に
特徴がある。
【0048】つまり、SF6 ガス絶縁遮断器21は、S
F6 ガスを充填したタンク23内の上下一対の導体2
4,25に図示しない系統を電気的に接続し、固定アー
ク接触子26と可動アーク接触子27、ならびに固定主
接触子28と可動主接触子29を接触ないし切り離すこ
とにより、系統に投入ないし遮断するものであり、可動
アーク接触子27の図中下端部には絶縁操作棒22を介
して操作ピストン30等の操作機構の一部に接続してい
る。絶縁操作棒22は前記実施例の絶縁ロッド1,11
により構成されている。
F6 ガスを充填したタンク23内の上下一対の導体2
4,25に図示しない系統を電気的に接続し、固定アー
ク接触子26と可動アーク接触子27、ならびに固定主
接触子28と可動主接触子29を接触ないし切り離すこ
とにより、系統に投入ないし遮断するものであり、可動
アーク接触子27の図中下端部には絶縁操作棒22を介
して操作ピストン30等の操作機構の一部に接続してい
る。絶縁操作棒22は前記実施例の絶縁ロッド1,11
により構成されている。
【0049】この操作ピストン30を図4中下方へ引き
下げると、絶縁操作棒22と可動アーク接触子27が図
中下方へ引き下げられるので、可動アーク接触子27と
固定アーク接触子26、ならびに固定主接触子28と可
動主接触子29とがそれぞれ切り離されて系統を遮断す
る。
下げると、絶縁操作棒22と可動アーク接触子27が図
中下方へ引き下げられるので、可動アーク接触子27と
固定アーク接触子26、ならびに固定主接触子28と可
動主接触子29とがそれぞれ切り離されて系統を遮断す
る。
【0050】これとは逆に、操作機構により操作ピスト
ン30を上方へ上昇させることにより可動アーク接触子
27と固定アーク接触子26、ならびに固定主接触子2
8と可動主接触子29とがそれぞれ切り離されて系統を
遮断する。
ン30を上方へ上昇させることにより可動アーク接触子
27と固定アーク接触子26、ならびに固定主接触子2
8と可動主接触子29とがそれぞれ切り離されて系統を
遮断する。
【0051】これら投入と遮断時の各接触子26と2
7,28と29間で発生するサージを図示しない案内機
構により図5(A),(B)で示す抵抗体31に案内し
てこれに吸収させるようになっている。
7,28と29間で発生するサージを図示しない案内機
構により図5(A),(B)で示す抵抗体31に案内し
てこれに吸収させるようになっている。
【0052】抵抗体31は複数の環状抵抗体32を同心
状に並設することにより所定の高い抵抗値を持つように
構成されており、これら抵抗体32の一端にコイル状の
ばね33を隣接している。これら抵抗体32の各中心孔
32aとばね33の中心空間部内とにはテフロン等の絶
縁体34a,34bを介して抵抗支持棒35を挿通し、
この抵抗支持棒35の図中左右両外端部を半球状の左右
一対の絶縁体35a,35bにねじ止めすることにより
一体的に構成している。なお、図4中、符号36はパッ
ファシリンダ、37はパッファピストン、38は固定側
シールド電極、39は遮断部、40は棒状絶縁体、41
は可動側シールド電極である。
状に並設することにより所定の高い抵抗値を持つように
構成されており、これら抵抗体32の一端にコイル状の
ばね33を隣接している。これら抵抗体32の各中心孔
32aとばね33の中心空間部内とにはテフロン等の絶
縁体34a,34bを介して抵抗支持棒35を挿通し、
この抵抗支持棒35の図中左右両外端部を半球状の左右
一対の絶縁体35a,35bにねじ止めすることにより
一体的に構成している。なお、図4中、符号36はパッ
ファシリンダ、37はパッファピストン、38は固定側
シールド電極、39は遮断部、40は棒状絶縁体、41
は可動側シールド電極である。
【0053】したがって本実施例によれば、前記各実施
例の耐熱性,耐SF6 分解ガス性,機械的強度,電気絶
縁性でそれぞれ非常に優れた絶縁ロッド1,11により
絶縁操作棒22を構成しているので、SF6 ガス絶縁遮
断器21の構造を変えることなく、安全性と信頼性の高
い小型のSF6 ガス絶縁遮断器21を提供することがで
きる。
例の耐熱性,耐SF6 分解ガス性,機械的強度,電気絶
縁性でそれぞれ非常に優れた絶縁ロッド1,11により
絶縁操作棒22を構成しているので、SF6 ガス絶縁遮
断器21の構造を変えることなく、安全性と信頼性の高
い小型のSF6 ガス絶縁遮断器21を提供することがで
きる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように本願第1,第2の発
明は、ガラス繊維強化樹脂物の外面を被覆するエポキシ
変性ポリイミドが、アークによるSF6 分解生成物に対
して安定で、かつ耐熱性に優れているので、エポキシ変
性ポリイミドによりガラス繊維強化樹脂物をSF6 分解
生成物から保護することにより、耐SF6 分解ガス性が
高くなるとともに、絶縁部材全体の耐熱性も向上する。
明は、ガラス繊維強化樹脂物の外面を被覆するエポキシ
変性ポリイミドが、アークによるSF6 分解生成物に対
して安定で、かつ耐熱性に優れているので、エポキシ変
性ポリイミドによりガラス繊維強化樹脂物をSF6 分解
生成物から保護することにより、耐SF6 分解ガス性が
高くなるとともに、絶縁部材全体の耐熱性も向上する。
【0055】本願第3〜第5の発明は、ガラス繊維強化
樹脂物の外面を被覆する電気絶縁性無機物が、アークに
よるSF6 分解生成物に対して安定であるので、電気絶
縁性無機物によりガラス繊維強化樹脂物をSF6 分解生
成物から保護することにより、耐SF6 分解ガス性が高
くなる。
樹脂物の外面を被覆する電気絶縁性無機物が、アークに
よるSF6 分解生成物に対して安定であるので、電気絶
縁性無機物によりガラス繊維強化樹脂物をSF6 分解生
成物から保護することにより、耐SF6 分解ガス性が高
くなる。
【0056】本願第6の発明は、前記第1,第2の発明
に係る絶縁部材、または、第3〜第5の発明に係る絶縁
部材によりSF6 ガス絶縁遮断器用の絶縁操作棒を構成
したので、従来機器の構造を変更することなしに、小型
で安全性の向上したSF6 ガス絶縁遮断器が得られる。
に係る絶縁部材、または、第3〜第5の発明に係る絶縁
部材によりSF6 ガス絶縁遮断器用の絶縁操作棒を構成
したので、従来機器の構造を変更することなしに、小型
で安全性の向上したSF6 ガス絶縁遮断器が得られる。
【図1】本発明の一実施例のSF6 ガス絶縁遮断器用絶
縁ロッドの断面模式図。
縁ロッドの断面模式図。
【図2】本発明の他の実施例のSF6 ガス絶縁遮断器用
絶縁ロッドの断面模式図。
絶縁ロッドの断面模式図。
【図3】図2で示す実施例のアーク遮断後の表面抵抗の
変化曲線を主に示すグラフ。
変化曲線を主に示すグラフ。
【図4】本発明に係るSF6 ガス絶縁遮断器の一実施例
の断面図。
の断面図。
【図5】(A)は図4で示すSF6 ガス絶縁遮断器の抵
抗支持棒,(B)は同図(A)のB−B線断面図。
抗支持棒,(B)は同図(A)のB−B線断面図。
1,11 絶縁ロッド 2,12 ガラス繊維強化樹脂(プラスチック) 2a,12a 樹脂(プラスチック) 2b,12b ガラス繊維 3 エポキシ変性ポリイミド 13 SF6 分解生成物に対して安定な電気絶縁性無機
物
物
Claims (6)
- 【請求項1】 ガラス繊維強化樹脂物の外面を、エポキ
シ変性ポリイミドにより被覆してなることを特徴とする
絶縁部材。 - 【請求項2】 エポキシ変性ポリイミドは、エポキシ樹
脂とエポキシ樹脂の化学当量量の酸無水物の混合物と、
ビスマレイミドと硬化促進剤と潜在性硬化剤の混合物
と、を混合してなるものであることを特徴する請求項1
記載の絶縁部材。 - 【請求項3】 エポキシ変性ポリイミドを、SF6 分解
生成物に対して安定な電気絶縁性無機物に置換してなる
ことを特徴とする請求項1記載の絶縁部材。 - 【請求項4】 電気絶縁性無機物は、酸化アルミニウ
ム,酸化マグネシウム,窒化ホウ素の少なくとも1種、
またはこれらの複合物であることを特徴とする請求項3
記載の絶縁部材。 - 【請求項5】 電気絶縁性無機物の被覆層の外面を、さ
らに合成樹脂により被覆してなることを特徴とする請求
項4記載の絶縁部材。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の絶
縁部材により構成された絶縁操作棒を有するこを特徴す
るSF6 ガス絶縁遮断器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30309993A JPH07161250A (ja) | 1993-12-02 | 1993-12-02 | 絶縁部材およびsf6 ガス絶縁遮断器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30309993A JPH07161250A (ja) | 1993-12-02 | 1993-12-02 | 絶縁部材およびsf6 ガス絶縁遮断器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07161250A true JPH07161250A (ja) | 1995-06-23 |
Family
ID=17916884
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30309993A Pending JPH07161250A (ja) | 1993-12-02 | 1993-12-02 | 絶縁部材およびsf6 ガス絶縁遮断器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07161250A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006333568A (ja) * | 2005-05-24 | 2006-12-07 | Mitsubishi Electric Corp | ガス絶縁開閉装置 |
JP2006333567A (ja) * | 2005-05-24 | 2006-12-07 | Mitsubishi Electric Corp | ガス絶縁開閉装置 |
KR100905058B1 (ko) * | 2008-06-20 | 2009-06-30 | 주식회사 이앤엠테크 | 전력설비의 고정밀 결함진단장치 |
WO2010116581A1 (ja) * | 2009-04-07 | 2010-10-14 | 三菱電機株式会社 | ガス絶縁装置 |
US9230759B2 (en) | 2012-02-06 | 2016-01-05 | Mitsubishi Electric Corporation | Gas circuit breaker |
-
1993
- 1993-12-02 JP JP30309993A patent/JPH07161250A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006333568A (ja) * | 2005-05-24 | 2006-12-07 | Mitsubishi Electric Corp | ガス絶縁開閉装置 |
JP2006333567A (ja) * | 2005-05-24 | 2006-12-07 | Mitsubishi Electric Corp | ガス絶縁開閉装置 |
KR100905058B1 (ko) * | 2008-06-20 | 2009-06-30 | 주식회사 이앤엠테크 | 전력설비의 고정밀 결함진단장치 |
WO2010116581A1 (ja) * | 2009-04-07 | 2010-10-14 | 三菱電機株式会社 | ガス絶縁装置 |
WO2010116407A1 (ja) * | 2009-04-07 | 2010-10-14 | 三菱電機株式会社 | ガス絶縁装置 |
JP4582265B1 (ja) * | 2009-04-07 | 2010-11-17 | 三菱電機株式会社 | ガス絶縁装置 |
US8530773B2 (en) | 2009-04-07 | 2013-09-10 | Mitsubishi Electric Corporation | Gas insulated apparatus |
US9230759B2 (en) | 2012-02-06 | 2016-01-05 | Mitsubishi Electric Corporation | Gas circuit breaker |
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