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JPH0715593A - 画像読取装置 - Google Patents

画像読取装置

Info

Publication number
JPH0715593A
JPH0715593A JP30293593A JP30293593A JPH0715593A JP H0715593 A JPH0715593 A JP H0715593A JP 30293593 A JP30293593 A JP 30293593A JP 30293593 A JP30293593 A JP 30293593A JP H0715593 A JPH0715593 A JP H0715593A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
reading
light
transparent original
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30293593A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasutada Endou
安土 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP30293593A priority Critical patent/JPH0715593A/ja
Publication of JPH0715593A publication Critical patent/JPH0715593A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】デジタルフォトプリンタ等に利用されるネガフ
ィルムやリバーサルフィルム等の透過原稿の読取装置で
あって、安価かつ簡易な構成で、しかも高い効率で迅速
な画像読み取りが可能な透過原稿読取装置を提供する。 【構成】前記目的を達成するために、本発明の第1の態
様は、透過原稿の透過光を読み取る本スキャンCCD6
4による透過光の読み取り時間を、透過原稿の画像デー
タに応じて変更することにより、また本発明の第2の態
様は、透過原稿の透過光を読み取る本スキャンCCD6
4による透過光の読み取り回数を、透過原稿の画像デー
タに応じて変更することにより、また本発明の第3の態
様は、プレスキャン部18と本スキャン部20とをそれ
ぞれ独立して構成し、各部にそれぞれ本スキャンCCD
64、プレスキャンCCD46を使用することにより、
それぞれ前記目的を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ネガフィルム、リバー
サルフィルム等の透過原稿の原稿画像を読み取る画像読
取装置に関する。詳しくは、このような透過原稿の読み
取りを良好な効率で、迅速に行うことができ、かつ高精
度な画像読み取りが可能な画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ネガフィルム、リバーサルフィル
ム等の写真フィルム(以下、フィルムとする)に記録さ
れた画像情報を光電的に読み取って、読み取った画像を
デジタル信号とした後、種々の画像処理を施して記録用
の画像情報とし、この画像情報に応じて変調した記録光
によって印画紙等の感光材料を走査露光して、仕上りプ
リントとするデジタルフォトプリンタの開発が進んでい
る。
【0003】デジタルフォトプリンタは、複数画像の合
成や画像の分割等の編集や文字と画像との編集等のプリ
ント画像の編集レイアウトや、色/濃度調整、変倍率、
輪郭強調等の各種の画像処理も自由に行うことができ、
用途に応じて自由に編集及び画像処理した仕上りプリン
トを出力することができる。また、従来の面露光による
プリントでは、濃度分解能、空間分解能、色/濃度再現
性等の点で、フィルムに記録されている画像濃度情報を
すべて再生することはできないが、デジタルフォトプリ
ンタではフィルムに記録されている画像濃度情報をほぼ
100%再生したプリントが出力可能である。
【0004】このようなデジタルフォトプリンタは、基
本的に、フィルムに記録された画像を読み取る読取装
置、読み取った画像を画像処理して後の露光条件を決定
するセットアップ装置、及び決定された露光条件に従っ
て感光材料を走査露光して現像処理を施す画像形成装置
より構成される。
【0005】フィルムに記録された画像の読取装置にお
いては、例えばスリット走査による読み取りでは、1次
元方向に延在するスリット状の読取光をフィルムに照射
すると共に、フィルムを前記1次元方向と略直交する方
向に移動(あるいは読取光と光電変換素子とを移動)す
ることにより、読取光によってフィルムを2次元的に走
査する。フィルムを透過したフィルム画像を担持する透
過光は、半導体イメージセンサ(例えば、電荷結合素子
(以下、CCDと記す)ラインセンサ)等の光電変換手
段の受光面上に結像して、光電変換されて読み取られ
る。読み取られた画像情報は、増幅され、デジタル信号
に変換されたのち、CCD素子の特性誤差の補正、濃度
変換、倍率変換等の各種の画像処理を施されて、セット
アップ装置に転送される。
【0006】セットアップ装置においては、転送された
画像情報を例えばCRT(陰極線管)等のディスプレイ
に可視像として再生する。オペレータは、再生画像を見
て、必要であればこの再生画像に階調補正や色/濃度補
正等の補正をさらに加え、再生画像が仕上りプリントと
して合格(検定OK)であれば、記録用の画像情報とし
て画像形成装置に転送される。
【0007】画像形成装置においては、ラスタースキャ
ン(光ビーム走査)による画像記録を利用するものであ
れば、3原色、例えばR、G、及びBの3色の露光に対
応する3種の光ビームを、前記記録用の画像情報に応じ
て変調して主走査方向(前記1次元方向に対応)に偏向
すると共に、この主走査方向と略直交する方向に感光材
料を副走査搬送する(偏向された光ビームと感光材料と
を相対的に副走査する)ことにより、記録画像に応じて
変調された光ビームによって感光材料を2次元的に走査
露光して、読み取ったフィルムの画像を感光材料に記録
する。
【0008】露光済の感光材料は、次いで感光材料種に
応じた現像処理、例えば銀塩写真感光材料であれば、発
色・現像→漂白・定着→水洗→乾燥等の現像処理が施さ
れ、仕上りプリントとして出力される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】周知のように、フィル
ムは常に適正な光量で露光されているとは限らず、露光
不足(いわゆるアンダー露光)や露光過剰(いわゆるオ
ーバー露光)等の各種の露光状態のものがある。
【0010】また、ネガフィルムに記録される画像濃度
D(=logE)の範囲は一般的に3.2程度であるの
に対し、リバーサルフィルムに記録される画像濃度の範
囲は3.8程度と広い濃度範囲の画像が記録されてい
る。ここで、デジタルフォトプリンタで高画質な仕上り
プリントを実現するためには、空間分解能及び濃度(光
量)分解能共に高い光電変換手段を使用する必要があ
り、例えばCCDセンサ等が良好に使用される。ところ
が、一般的に空間及び濃度分解能に優れた光電変換手段
は、測定可能な濃度範囲(ダイナミックレンジ)が狭
く、前述のようなネガあるいはリバーサルフィルムの濃
度範囲全域を測定することは困難である。
【0011】デジタルフォトプリンタの読取装置に配備
される光電変換手段を良好に作動させて高精度な画像読
み取りを実現するためには、光電変換手段に応じた適正
な露光量(光量×測定時間)が必要である。従って、透
過光量の多いアンダー露光の画像に合わせて読取光の光
量や読み取り時間を設定すると、他の画像では光電変換
手段の受光量が足りなくなってしまい、正確な画像読み
取りができないので、読取光の光量や読み取り時間は、
考え得る範囲で透過光量が最も少ないフィルム(すなわ
ち最も濃度の高いオーバー露光のフィルム)に合わせて
設定して、前述のような光学フィルタや結像レンズ絞り
によって、読取光や透過光の光量を調整することによっ
て、高精度なフィルム画像の読み取りが図られている。
【0012】そのため、光学フィルタや結像レンズ絞り
等の光学部材や、これらの駆動及び調整手段が必要であ
り、読取部が複雑かつ大型のものとなってしまい、デジ
タルフォトプリンタのコストアップを招いている。ま
た、測定時間も最も時間が必要であるオーバー露光のフ
ィルムに合わせて設定されるので、フィルムの読み取り
の効率が悪く、迅速なプリント出力を行うことができな
い。
【0013】さらに、前述のように、空間及び濃度分解
能に優れた光電変換手段は測定濃度域が狭く、ネガある
いはリバーサルフィルムに記録された濃度範囲全域を読
み取ることができない。しかしながら、フィルムが担持
する画像を良好に再現するためには、フィルムの露光状
態(すなわち適正か、アンダーかオーバーか)に応じ
て、濃度で2.0程度の画像濃度範囲を読み取ればよ
い。そのため、デジタルフォトプリンタ等に利用される
画像読取装置では、光電変換手段による読み取り濃度範
囲を決定するために、プリントのためのフィルム画像の
読み取りの前に、光電変換手段の測定濃度域を広くした
状態でフィルムの画像を粗に読み取る先読み(プレスキ
ャン)が行われ、このプレスキャンの結果に応じて本読
み取り(本スキャン)時における、CCDセンサによる
読み取り濃度の範囲が決定される。
【0014】つまり、デジタルフォトプリンタではフィ
ルム画像の読み取りが「プレスキャン→読み取り濃度範
囲の決定→本スキャン」の手順で行なわれているが、従
来の装置ではプレスキャンを行った後に、再度読み取り
を開始する状態にフィルムあるいは読取光源とCCDセ
ンサとを戻した後に本スキャンが行われ、さらにフィル
ム画像の読み取り効率が低下し、かつフィルム(あるい
は読取光とCCDセンサ)の動きが複雑になってしま
い、装置構成の複雑化、及び装置のコストアップを招い
ている。
【0015】本発明の目的は、前記従来技術の問題点を
解決することにあり、デジタルフォトプリンタ等に利用
されるネガフィルムやリバーサルフィルム等の透過原稿
の画像読取装置であって、安価かつ簡易な構成で、しか
も高い効率で迅速な画像読み取りを行うことができる透
過原稿読取装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の画像読取装置の第1の態様は、画像情報を
担持する透過原稿に読取光を照射する光源と、前記透過
原稿の画像濃度情報に応じて前記画像情報の読み取り時
間を可変する光電変換手段とを具備したことを特徴とす
る画像読取装置を提供する。
【0017】また、前記画像読取装置の第1の態様にお
いて、前記画像情報が走査により読み取られ、前記画像
情報の読み取り時間が、該走査速度の制御により可変さ
れることが好ましい。
【0018】また、前記光電変換手段が、半導体イメー
ジセンサであり、前記画像情報の読み取り時間が、該半
導体イメージセンサの蓄積時間の制御により可変される
ことが好ましい。
【0019】また、本発明の画像読取装置の第2の態様
は、画像情報を担持する透過原稿に読取光を照射する光
源と、前記透過原稿の画像濃度情報に応じて前記画像情
報を所要回数読み取る光電変換手段と、前記光電変換手
段で読み取られた画像情報を記憶保持する少なくとも1
つのメモリと、前記透過原稿の画像濃度情報に応じて前
記メモリに前記画像情報を順次導入する画像導入手段と
を有し、前記メモリに記憶保持された画像情報に基づい
て所要光量を有す画像情報を得るようにしたことを特徴
とする画像読取装置を提供する。
【0020】なお、前記画像読取装置の第1及び第2の
態様において、前記透過原稿の読み取り前に、この透過
原稿の先読みを行うことにより、前記透過原稿の画像濃
度情報を得るのが好ましい。
【0021】さらに、本発明の画像読取装置の第3の態
様は、透過原稿に読取光を照射して、この透過原稿の透
過光を光電変換手段によって読み取ることにより、前記
透過原稿に担持される画像を読み取る画像読取装置であ
って、前記透過原稿に先読み用の読取光を照射して、こ
の透過原稿の透過光を測定濃度域の広い光電変換手段に
よって読み取って、前記透過原稿に担持される画像の概
要を得る先読み部と、前記先読み部による画像読み取り
が終了した透過原稿に、本読み用の読取光を照射して、
前記先読み装置によって得られた透過原稿の画像濃度情
報に応じて透過原稿の透過光を高分解能を有する光電変
換手段によって読み取って、前記透過原稿に担持される
画像を詳細に読み取る本読み部とを有することを特徴と
する画像読取装置を提供する。
【0022】
【発明の作用】本発明の画像読取装置は、デジタルフォ
トプリンタ等に利用される、ネガフィルムやポジフィル
ム等に記録された透過画像(以下、画像とする)を、C
CDラインセンサ等の光電変換手段によって光電的に読
み取る画像読取装置であって、本発明の第1の態様は、
前記光電変換手段による画像情報の読み取り時間を、透
過原稿の画像濃度情報に応じて変更することをその基本
構成とし、第2の態様は、デジタルフォトプリンタ等に
利用される画像を、CCDラインセンサ等の光電変換手
段によって光電的に読み取る画像読取装置であって、前
記光電変換手段による画像情報の読み取り回数を、透過
原稿の画像濃度情報に応じて変更することをその基本構
成とし、第3の態様は、画像読取装置が、透過原稿の画
像を測定濃度域の広い光電変換手段によって粗に読み取
る先読み(プレスキャン)部と、このプレスキャンのデ
ータに応じて透過原稿に担持される画像を詳細に読み取
る本読み(本スキャン)部とを有することをその基本構
成とする。
【0023】光電変換手段による光量測定を高精度かつ
高効率で行うためには、光電変換手段に応じた適正な受
光量(光量×測定時間)での光量測定が必要である。こ
こで、ネガフィルムやポジフィルム等の透過原稿は、常
に適正な露光状態で撮影が行われているわけではなく、
露光過剰(オーバー露光)あるいは露光不足(アンダー
露光)の透過原稿も多数存在し、露光状態に応じて、透
過原稿に担持される画像の相対的な濃度は異なる。つま
り、ネガフィルム等に記録された画像を透過して光電変
換手段に受光される透過光の相対的な光量は、透過原稿
の露光状態(すなわち、適正露光かアンダーかオーバー
か)によって異なる。
【0024】従来のフィルム等の画像読取装置において
は、最も透過光量の少ない画像、すなわちオーバー露光
の画像に合わせて光源光量や測定時間(光電変換手段に
よる受光時間)等を選択して光電変換手段の受光量を設
定し、フィルム画像に入射する光量を調整する光学フィ
ルタや、結像レンズに絞り等を配設して光電変換手段に
入射する光量を調整することにより、露光状態が適正あ
るいはアンダーの画像読み取りに対応している。そのた
め、読取装置が複雑な構成でかつ高価になってしまう。
また、長い測定時間が必要なオーバー露光の画像に合わ
せて光電変換手段の測定時間を設定するので、効率のよ
い迅速な読み取りができないのは前述のとおりである。
【0025】これに対し、本発明の画像読取装置の第1
の態様においては、透過原稿の画像濃度データ、例えば
プレスキャンによって得られた透過原稿の画像濃度デー
タに応じて、光電変換手段による透過光の測定時間(例
えばCCDセンサであれば蓄積時間やCCDクロックレ
ート)を調整する。つまり、透過光量の少ないオーバー
露光の透過原稿に対して、透過光量の多い適正露光の透
過原稿の画像読み取りにおける測定時間を短く、さらに
透過光量の多いアンダー露光の透過原稿の場合には、適
正露光の原稿よりもさらに短い測定時間で画像読み取り
を行う。また、光走査による読み取りを行う画像読取装
置である場合には、好ましくは、測定時間の調整に応じ
て走査速度も調整する。
【0026】また、本発明の第2の態様の画像読取装置
においては、透過原稿の画像濃度データ、例えばプレス
キャンによって得られた透過原稿の画像濃度データに応
じて、光電変換手段による画像読み取り回数を調整す
る。つまり、透過光量の少ないオーバー露光の透過原稿
に対して、透過光量の多い適正露光の透過原稿の画像読
み取りにおける画像読み取り回数を減らし、さらに透過
光量の多いアンダー露光の透過原稿の場合には、適正露
光の原稿よりも画像読み取り回数を減らすようにする。
例えば、オーバー露光の透過原稿の画像読み取り回数を
8回に設定し、適正露光の透過原稿の画像を読み取る場
合、さらにアンダー露光の透過原稿の画像を読み取る場
合は、序々に画像読み取り回数を減らすようにする。な
お、画像読み取り回数の調整と併用して、本発明の第1
の態様である光電変換手段による透過光の測定時間を調
整するようにしても良く、また、画像読み取り回数の調
整と併用して、光量調整用の光学フィルタやレンズ絞り
を調整するようにしても良い。例えば、オーバー露光の
透過原稿の画像読み取り回数を8回に設定するととも
に、光電変換手段の測定時間若しくは光学フィルタやレ
ンズ絞りを調整し、適正露光の透過原稿の画像読み取り
回数を4回に設定するとともに、光電変換手段の測定時
間若しくは光学フィルタやレンズ絞りを調整し、アンダ
ー露光の透過原稿の画像読み取り回数を1回に設定する
とともに、光電変換手段の測定時間若しくは光学フィル
タやレンズ絞りを調整する。
【0027】従って、本発明の画像読取装置によれば、
光量調整用の光学フィルタやレンズ絞り、及びこれらの
調整手段を省略できるので、装置構成が簡易でかつ安価
な画像読取装置を実現することができる。また、最も測
定に時間のかかる透過原稿に測定時間を合わせていた従
来の画像読取装置に比べ、短時間での測定可能な透過原
稿の画像読み取りの時間を短縮することができるので、
迅速かつ効率のよい画像読み取りが可能である。特に、
一般写真のネガフィルム等では、適正露光のものが多数
であるので、大幅な時間短縮を実現することができる。
さらに、本願の第2の態様と第1の態様若しくは光量調
整とを併用した場合は、光電変換手段の測定範囲若しく
は光学フィルタやレンズ絞りの可動範囲を広げることな
く、適正な読み取り範囲を選択することができる。従っ
て、光電変換手段の駆動手段若しくは光学フィルタやレ
ンズ絞りの調整手段を簡易に構成することができる。
【0028】他方、高画質な出力画像を得るためには、
空間分解能及び濃度分解能が高い光電変換手段が必要で
あるが、前述のように、このような高性能な光電変換手
段は一般的に測定濃度域が狭く、ネガフィルムやリバー
サルフィルムに記録される濃度範囲全域の測定を行うこ
とは困難である。ここで、透過原稿が担持する画像を良
好に再現するためには、透過原稿の露光状態に応じて、
濃度で2.0程度の画像濃度範囲を読み取ればよいの
で、従来の画像読取装置においては、透過原稿画像の本
読み(本スキャン)に先立ち、先読み(プレスキャン)
を行って透過原稿の画像を粗に読み取り、このデータを
基に本スキャンの際の画像濃度読み取りの範囲を決定し
ている。そのため、フィルム(読取光源及び光電変換手
段)の動き及び装置が複雑化して、画像読み取りの効率
が悪く、しかも、装置のコストも高くなってしまうのは
前述のとおりである。
【0029】これに対し、本発明の第3の態様の画像読
取装置では、透過原稿の透過光を測定濃度域の広い光電
変換手段で粗に読み取って、透過原稿に担持される画像
の概要、特に濃度範囲を得る先読み(プレスキャン)部
と、前記先読み部によって得られた透過原稿の画像デー
タに応じて、透過原稿の透過光を高分解能に読み取る本
読み(本スキャン)部とを有する。このような本発明の
画像読取装置によれば、プレスキャン部によって透過原
稿画像の概要を得て読み取り濃度範囲を決定し、次いで
連続的に本スキャン部によって、高い空間及び濃度分解
能で透過原稿画像を読み取ることができる。
【0030】従って、従来の画像読取装置のようにプレ
スキャンの終了した透過原稿を、再度画像読み取りの開
始位置に戻して本スキャンを行う等を不要として、透過
原稿の移動経路を一方向とすることができるので、透過
原稿の動きやその搬送装置等を大幅に簡略化することが
できる。また、ロールフィルムのように多数の透過原稿
を連続的に有するものを読み取る際にも、プレスキャン
の終了した透過原稿を連続して本スキャンを行っている
際に、次の透過原稿のプレスキャンを行うことができ、
極めて効率のよい透過原稿の読み取りを行うことができ
る。
【0031】
【実施例】以下、本発明の画像読取装置について、添付
の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。図
1に、本発明の画像読取装置を利用するデジタルフォト
プリンタの一例を概念的に示す。なお、図1において
は、画像情報の流れを実線で、制御信号の流れを破線
で、光を一点鎖線で、それぞれ示す。
【0032】図1に示されるデジタルフォトプリンタ1
0は、24枚取り、36枚取り等の現像済のネガフィル
ムやリバーサルフィルムに記録された透過画像を1コマ
づつ順次読み取って必要な画像処理を行った後、フルカ
ラーのプリント画像(出力画像)とするためのセットア
ップを行い、この画像を走査露光によって感光材料Aに
記録して、現像処理して仕上りプリントPを出力するも
ので、基本的に、露光済の(ロール)フィルムFに記録
された透過画像(以下、画像とする)を順次読み取って
画像処理する本発明にかかる画像読取装置12と、読み
取られた画像のシミュレーション像を表示し、品質検定
を行って画像形成条件(セットアップ条件)を決定する
セットアップ装置14と、セットアップ装置14によっ
て決定された画像形成条件に応じて感光材料Aを走査露
光し、露光した感光材料Aを現像処理して仕上りプリン
トPとする画像形成装置16とにより構成される。
【0033】図1において、画像読取装置12は、本発
明の画像読取装置にかかるものであって、基本的に、プ
レスキャン(先読み)部18、本スキャン(本読み)部
20、プレスキャン演算記憶部22、読取制御部24、
増幅器28、アナログ/デジタル(以下、A/Dと記
す)変換器30、CCD補正部32、濃度変換部34、
及び倍率変換部36より構成される。このような画像読
取装置12は、現像済の(ロール)フィルムFを図中矢
印a方向に搬送しつつ、フィルムFに記録された画像を
1コマづつ光電的に読み取って、読み取った画像情報を
A/D変換、計測値の補正、濃度変換、倍率変換、シャ
ープネス等の各種の画像処理を行なって、この画像情報
をセットアップ装置14に送る。
【0034】図2に、画像読取装置12の概略図が示さ
れる。なお、先の図1に示した部分と同一部分には、同
一符号を付して詳細な説明を省略する。本発明にかかる
図示例の画像読取装置12は、プレスキャン部18及び
本スキャン部20がそれぞれ独立して配備され、まずプ
レスキャン部18でフィルムFに記録された画像を粗に
読み取って画像の概要を得、次いで、プレスキャン部1
8によるプレスキャンの結果に応じて、画像読み取りの
濃度範囲のみならず、測定時間(すなわち、図示例にお
いては本スキャン用ラインCCD64(以下、本スキャ
ンCCD64と記す)の蓄積時間等)及びフィルムFの
走査速度を調整して、フィルムFの画像を本スキャン部
20で高い空間分解能及び濃度分解能で読み取る。
【0035】プレスキャン部18は、プレスキャン用の
光源38と、フィルムFを搬送する搬送ローラ対40及
び42と、結像レンズ44と、プレスキャン用ラインC
CD46(以下、プレスキャンCCD46とする)とを
有する。
【0036】光源38は、フィルムFの画像のプレスキ
ャンのための先読み光を射出するもので、プレスキャン
CCD46による読み取りに十分な光量を射出できるも
のであれば、ハロゲンランプや蛍光灯等の通常の画像読
み取りに利用される各種の光源がいずれも利用可能であ
る。
【0037】搬送ローラ対40及び42は、フィルムF
を画像領域以外の場所で挟持して、矢印aで示される走
査搬送方向に所定の搬送速度で搬送する。つまり、フィ
ルムFは搬送ローラ対40及び42によって走査搬送さ
れることにより、光源38からの先読み光によって全面
を照射される。搬送ローラ対40には駆動源となるモー
タ48が係合され、かつ、搬送ローラ対40及び42は
伝達ギヤやタイミングベルト等の公知の手段によって同
速度で回転するように構成される。ここで、図示例の画
像読取装置12は、プレスキャンの結果に応じて本スキ
ャンの走査搬送速度を変更するので、搬送ローラ対40
及び42による搬送速度は、本スキャンにおける走査速
度の最高速度と同速度以上とするのが好ましい。なお、
モータ48としては、必要な精度でフィルムFを搬送可
能な公知のモータがいずれも利用可能であり、例えば、
パルスモータ等が利用される。
【0038】フィルムF(に記録される画像)を透過し
た透過光は、結像レンズ44によってプレスキャンCC
D46に結像される。プレスキャンCCD46は、この
透過光の光量を例えばR(レッド)、G(グリーン)、
及びB(ブルー)に対応する3つのラインCCDより構
成され、透過光を3原色に分解して測定し、光電変換し
てR、G、及びBの各画像情報として読み取る。
【0039】ここで、図示例の画像読取装置12におい
ては、プレスキャン部18によるプレスキャンは、主に
本スキャンの画像読み取りの濃度範囲の決定、本スキャ
ンCCD64の蓄積時間(CCDクロックレート)の決
定、及び走査速度の決定のために行われる。従って、プ
レスキャンCCD46による透過光の測定は、フィルム
Fに記録可能な濃度範囲全域を測定可能な測定濃度域を
有するものであれば、高い空間分解能及び濃度分解能を
有する必要はない。
【0040】従来の画像読取装置においては、プレスキ
ャン及び本スキャンは同じ光電変換手段(すなわち同じ
画像読取部)によって行われている。そのため、複数枚
の画像読取を連続的に処理することができない、プレス
キャンを終了した画像を再度画像読み取りの開始位置に
戻す必要がある等、効率のよい画像読み取りができない
のは前述とおりである。これに対し、本発明(第3の態
様)においては、画像を粗に読み取って読み取り条件を
決定するプレスキャン部18、及びプレスキャンの結果
に応じて高い空間分解能及び濃度分解能で画像記録(プ
リント)のための本スキャン部20を独立して配備する
構成、つまり、プレスキャンと本スキャンとをそれぞれ
別のラインCCD(光電変換手段)を用いて行う構成を
有する。そのため、透過原稿の移動経路を一方向とし
て、透過原稿の動きや搬送装置等を大幅に簡略化するこ
とができ、特に図示例のようなロールフィルムでは、プ
レスキャンの終了した透過原稿を連続して本スキャンを
行っている際に、次の透過原稿のプレスキャンを行うこ
とができ、極めて効率のよい透過原稿の読み取りを行う
ことができる。
【0041】読取制御部24はプレスキャンCCD4
6、及びプレスキャン演算記憶部22に、プレスキャン
開始の指令信号を出し、これによりプレスキャン処理が
開始される。プレスキャン部18によって読み取られた
画像情報(濃度情報)は、プレスキャン演算記憶部22
に転送される。プレスキャン演算記憶部22は、この画
像情報よりプレスキャンされた画像の画素画像濃度のヒ
ストグラムを作成し、このヒストグラムより画像の露光
状態を判別(適正露光か、あるいはアンダー露光かオー
バー露光か)して本スキャンによる画像読み取りの濃度
範囲を決定して、さらに、例えばこのヒストグラムのD
mim(最小濃度)データに基づいて、本スキャンCCD
64による測定の蓄積時間の調整(CCDクロックレー
トの調節によって行ってもよく、直接蓄積時間を調節し
てもよい)、及び調節された蓄積時間に応じて、本スキ
ャン部20におけるフィルムFの走査搬送速度を決定す
る。また、プレスキャンによる画像読み取り結果はセッ
トアップ装置14のセットアップ演算記憶部76にも転
送される。ここで、決定された読み取り濃度範囲やCC
Dの蓄積時間は読取制御部24に転送され、本スキャン
による画像読み取りが制御される。この点については後
に詳述する。
【0042】また、読取制御部24は、本スキャン開始
に合わせて、画像情報の処理タイミングを本スキャンC
CD64、A/D変換器30、CCD補正部32、濃度
変換部34、倍率変換部36、さらにセットアップ装置
14のタイミングセレクタ88に転送する。
【0043】本スキャン部20は、出力(プリント)の
ための画像読み取りを行うものであって、プレスキャン
の終了した画像を、プレスキャンの結果に応じて高い空
間分解能(例えば35ミリフィルムであれば1100画
素×1700ライン程度)及び濃度分解能で光電的に読
み取って、出力画像情報として増幅器28に転送する。
このような本スキャン部20は、基本的に、本スキャン
用の光源50と、フィルタ部52と、集光部54と、搬
送ローラ対56及び58と、結像レンズ62と、本スキ
ャンCCD64とを有する。
【0044】光源50は、フィルムFの画像読み取りの
ための読取光を射出するもので、本スキャンCCD64
による読み取りに十分な光量を照射であるものであれ
ば、ハロゲンランプや蛍光灯等の通常の画像読み取りに
利用される各種の光源がいずれも利用可能である。ま
た、光源38と光源50とを1つの光源によって兼ねる
構成としてもよい。
【0045】光源50より射出された読取光は、次いで
フィルタ部52に入射する。フィルタ部52は、防熱フ
ィルタや紫外線吸収フィルタ等の各種のフィルタが組み
合わされて構成され、フィルムFに入射する読取光より
紫外線や熱線等の不要な成分を取り除く。
【0046】フィルタ部52を通過した読取光は、集光
部54に入射する。集光部54は入射した読取光を内部
で拡散及び集光して、開口66より、走査方向(図中矢
印a方向)と略直交する方向に長手方向を有するスリッ
ト状の読取光として射出して、フィルムFに入射させ
る。なお、集光部54より射出されるスリット状の読取
光は、長手方向がフィルムFの幅方向より長尺である必
要があるのはいうまでもない。
【0047】搬送ローラ対56及び58は、プレスキャ
ン部18の搬送ローラ対40及び42と同様、フィルム
Fを画像領域以外の場所で挟持して、矢印aで示される
走査搬送方向に所定の搬送速度で搬送するものであり、
搬送ローラ対56には駆動源となるモータ68が接続さ
れ、タイミングベルト等の公知の手段によって同速度で
回転するように構成される。ここで、前述のように読取
光はこの走査方向と略直交する方向に長手方向を有する
スリット状であるので、走査方向に搬送されるフィルム
F(画像)は、結果的に読取光によって全面を2次元的
にスリット走査される。
【0048】図示例の画像読取装置12は本発明にかか
るものであるので、本スキャン部20における走査速度
は、プレスキャンによって読み取られたフィルムFの露
光状態に応じて変更される。つまり、フィルムFの露光
状態に応じて変更される本スキャンCCD64の蓄積時
間(CCDクロックレート)に応じて、所定のライン数
(例えば、前述のように35ミリフィルムで走査方向に
1700ライン)の読み取りが行われるように走査速度
が変更される。そのため、モータ68には読取制御部2
4が接続され、搬送ローラ対56及び58は、フィルム
Fの露光状態に応じた所定の走査速度でフィルムFを走
査搬送する。この点については後に詳述する。なお、高
精度な画像読み取りを実現するためには、モータ68は
高精度なものが好ましく利用され、パルスモータ、直流
モータ等が例示される。
【0049】フィルムFを透過したスリット状の透過光
は、結像レンズ62によって本スキャンCCD64の受
光面上に結像して、光量測定される。本スキャンCCD
64は、R、G、及びBの3原色に対応する3つのライ
ンCCDより構成され、フィルムFを透過した記録画像
を担持する透過光を、例えばR、G、及びBの3原色に
分光して、それぞれの光量を光電変換して測定すること
により、フィルムFに記録される画像を読み取るもので
あり、例えば、前述の様に35ミリフィルムであれば、
例えば1ライン(すなわちスリット状の透過光の長手方
向)を1100画素で読み取る。従って、図示例の画像
読取装置12においては、35ミリフィルムに記録され
た画像であれば、1100画素×1700ラインの空間
分解能で読み取る。
【0050】高空間分解能及び高濃度分解能を有する本
スキャンCCD64は、測定濃度域が余り広くなく、ネ
ガフィルムやリバーサルフィルムに記録可能な濃度領域
全域を読み取ることは困難である。ここで、画像はネガ
フィルム等に記録可能な濃度領域全域にわたって記録さ
れているわけではなく、図3に概念的に示されるよう
に、適正露光(N)、アンダー露光(U)、及びオーバ
ー露光(O)、いずれの露光状態においても、画像濃度
D(=logE)で2.0程度の画像濃度範囲となる。
そのため、本スキャンCCD64には、読取制御部24
が接続され、本スキャンCCD64による画像読み取り
は、先のプレスキャンによって検出されたフィルムF
(画像)の露光状態に応じて設定された、所定の濃度領
域について行われる。図示例においては、一例として、
画像がオーバー露光であれば濃度D=1.0〜3.0の
領域が、適正露光であれば濃度D=0.5〜2.5の領
域が、さらにアンダー露光であれば濃度D=0.2〜
2.2の濃度領域が選択され、画像読み取りが行われ
る。
【0051】ここで、本発明(第1の態様)にかかる画
像読取装置12においては、本スキャン部20おける画
像読み取りの際に、フィルムF(画像)の露光状態に応
じて、前述の画像読み取りの濃度領域のみならず、光電
変換手段による測定時間、及び本スキャン部20におけ
るフィルムFの走査搬送速度を読取制御部24からの指
示に従って調節する。
【0052】フィルムFに記録された画像は、全てが適
正な露光状態で記録されたわけではなく、露光量過剰
(オーバー露光)のものや露光量不足(アンダー露光)
のものも多数含まれる。従って、画像の露光状態によっ
て、画像を透過する透過光の光量は相対的に異なり、適
正露光の画像に比べオーバー露光の画像では透過光量が
少ない。光電変換手段において高精度な光量測定を行う
ためには、光電変換手段に応じた適正な受光量(光量×
測定時間)が必要である。そのため、従来の画像の読取
装置においては、読取光の光量及び測定時間は、相対的
な透過光量が最も低く測定に時間のかかるオーバー露光
の画像に合わせて設定し、これに対応して光量調整用の
フィルタ等を設け、適正露光やアンダー露光の画像の読
み取りの際には、読取光や透過光の光量を調整して画像
読取が行われている。しかしながら、このような従来の
装置では、装置が複雑かつ高価になり、また効率のよい
画像読取ができないのは前述のとおりである。
【0053】これに対し、本発明にかかる画像読取装置
12においては、フィルムFに記録された画像の露光状
態に応じて、光電変換手段による測定時間、すなわち図
示例においては本スキャンCCD64による測定の蓄積
時間の調整(CCDクロックレートを調整することによ
って行ってもよく、直接蓄積時間を調整してもよい)、
及び調整されたCCDの蓄積時間に応じて本スキャン部
20におけるフィルムFの走査搬送速度を調節して、画
像読取装置の構成の簡略化及び低コスト化、さらに、迅
速な画像の読取を実現したものである。
【0054】例えば、35ミリフィルムに記録された画
像1コマを、1100画素×1700ラインで読み取る
際に、最も透過光量の少ないオーバー露光(D=1.0
〜3.0)の画像を読み取るために必要な本スキャンC
CD64の蓄積時間、例えばCCDクロックレートが仮
に0.59MHz であれば、フィルムFの送りスピード、
つまり1ライン読むのに必要な時間は、(1/0.5
9)×1100=1.86msec/line となる。従って、
画像1コマの読み取りに必要な時間は、1.86×17
00=3.16sec となる。
【0055】ここで、適正露光(D=0.5〜2.5)
の画像読み取りに必要な本スキャンCCD64のCCD
クロックレートは、オーバー露光と適正露光との相対的
な濃度Dの差(特に最高濃度)が0.5であるので、
0.5=logE すなわちE=3.16 3.16×0.59=1.87MHz とな
る。従って、適正露光の画像読み取りの際の本スキャン
CCD64のCCDクロックレートを1.87MHz に変
更することにより、フィルムFの送りスピードは、(1
/1.87)×1100=588μsec/line となり、
画像1コマの読み取りに必要な時間は、588×170
0=1sec となる。
【0056】同様に、アンダー露光(D=0.2〜2.
2)の画像読み取りに必要な本スキャンCCD64のC
CDクロックレートは、適正露光とアンダー露光との相
対的な濃度Dの差が0.3であるので、0.3=log
E すなわちE=2.00 2.00×1.87=3.74MHz とな
る。従って、適正露光の画像読み取りの際の本スキャン
CCD64のCCDクロックレートを3.74MHz に変
更することにより、フィルムFの送りスピードは、(1
/3.74)×1100=294μsec/line とな
り、画像1コマの読み取りに必要な時間は、294×1
700=0.5sec となる。
【0057】上記数値を、下記表にまとめる。 CCDクロックレート 送りスピード 読み取り時間 −−−−−−−−−− −−−−−−−−− −−−−−− オーバー露光 0.59MHz 1.86msec/line 3.16sec 適正露光 1.87MHz 588μsec/line 1 sec アンダー露光 3.74MHz 294μsec/line 0.5 sec
【0058】従来の画像読取装置においては、本スキャ
ンCCDのCCDクロックレート及びフィルムFの走査
速度は、最も時間を要するオーバー露光の画像に合わせ
て設定されていたため、24枚取りフィルムの読み取り
に要する時間は、フィルムFに記録される画像の状態に
よらず、常に3.16×24=75.8sec
である。これに対し、画像の露光状態に応じて本スキ
ャンCCD64のCCDクロックレート、及びフィルム
Fの走査速度を変更する本発明の画像読取装置によれ
ば、例えば、適正露光の画像が20枚、オーバー露光の
画像が2枚、アンダー露光の画像が2枚の場合では、2
4枚の読取時間は、1×20+3.16×2+0.5×
2=27.32sec となる。
【0059】従って、本発明の画像読取装置によれば、
フィルムに記録された画像の読み取りの効率を大幅に向
上することができる。しかも、画像の露光状態に応じ
て、蓄積時間(この例においてはCCDクロックレー
ト)及びフィルムFの走査速度を変更するので、本スキ
ャンCCD64に入射する透過光の光量を調整する必要
がなく、そのため読取光や透過光の光量調整部材やその
制御手段も不要であるので、画像読取装置の構成を大幅
に簡略化して、安価な画像読取装置を実現することがで
きる。
【0060】以上の例では蓄積時間と共にCCDクロッ
クレートも変更したが、本発明はこれに限定はされず、
例えば、CCDクロックレートを十分に早いスピードで
一定として、蓄積時間のみを変更しても同様の効果を得
ることができる。下記表に、この例を示す。なお、下記
表における蓄積時間は、1ライン当りに換算したもので
ある。 CCDクロックレート 蓄積時間 読み取り時間 −−−−−−−−−− −−−−−− −−−−−− オーバー露光 3.74MHz 1.86msec 3.16sec 適正露光 3.74MHz 588μsec 1 sec アンダー露光 3.74MHz 295μsec 0.5 sec
【0061】本スキャンCCD64によって読み取られ
たフィルムFの画像のR、G、及びBの各画像情報(以
下、画像情報とする)は、増幅器28によって増幅さ
れ、A/D変換器30によってデジタル信号に変換され
る。画像情報は、次いでCCD補正部32によって本ス
キャンCCD64の各画素毎の誤差(バラツキ)や、暗
電流のバラツキを補正され、濃度変換部34によって濃
度変換が施された後、倍率変換部36によって倍率変換
及びシャープネスの強調(アンシャープマスク)を施さ
れてセットアップ装置14に転送される。
【0062】以下、図4を参照して本発明の第2の態様
の画像読取装置12について説明する。なお、先の図2
に示した画像読取装置12と同一部分には同一符号を付
して、詳細な説明を省略する。本スキャンCCD64で
読み取られ増幅器28で増幅された画像情報は、A/D
変換器30に入力されてデジタル信号に変換されたの
ち、マルチプレクサ120に供給される。マルチプレク
サ120には、ラインメモリ122、124、126、
128が接続されており、画像情報導入手段であるマル
チプレクサ120の切換えにより、画像情報が各ライン
メモリに順次記憶保持される。各ラインメモリに記憶保
持された画像情報は、加算回路130に入力されて加算
される。本スキャンCCD64、A/D変換器30、及
びマルチプレクサ120を駆動制御する所要レートの各
タイミング信号(CCD駆動信号、変換タイミング信
号、切換えタイミング信号)は、それぞれ読取制御回路
24’で生成される。さらに、読取制御回路24’は、
プレスキャン演算記憶部22、加算回路130、CCD
補正部32、濃度変換部34、及び倍率変換部36へ制
御信号を供給する。
【0063】先の図3で述べたように、本スキャン部2
0での画像読み取りの際、フィルムF(画像)の露光状
態に応じて読み取り濃度領域を選択する必要がある。そ
こで、本願の第2の態様では、読取光の光量及び測定時
間は、アンダー露光の画像に設定することを基本とし、
適正露光及びオーバー露光の画像の読み取りの際には、
複数回の画像読み取りを実行する。画像読み取りの回数
は、露光状態に基づき、先の第1の態様と併用すること
により以下のように決定される。すなわち、アンダー露
光状態を基準とし、適正露光、オーバー露光と濃度領域
が移るにつれて、画像読み取り回数を増やして適正な読
み取り濃度領域を選択する。ここでは、アンダー露光か
らオーバー露光までの濃度領域のシフト範囲が、0〜
1.5であり、この範囲の中で、適宜シフトさせて適正
な読み取り濃度領域を選択する場合について述べる。
【0064】ここで、必要とするシフト量が0〜0.8
であるときは、先の第1の態様に基づき、本スキャンC
CD64の蓄積時間若しくはクロックレートを可変して
画像を読み取り、1つのラインメモリに記憶保持された
画像情報に基づいて必要光量を確保する。そして、シフ
ト量が0.9〜1.2であるときは、蓄積時間若しくは
クロックレートを可変するとともに、画像読み取りを2
回実行して画像情報を2つのラインメモリに記憶保持さ
せ、各ラインメモリに記憶保持された画像情報を加算す
ることにより必要光量を確保する。さらに、シフト量が
1.2〜1.5であるときは、蓄積時間若しくはクロッ
クレートを可変するとともに、画像読み取りを4回実行
して画像情報を4つのラインメモリに記憶保持させ、各
ラインメモリに記憶保持された画像情報を加算すること
により必要光量を確保する。これらの蓄積時間若しくは
クロックレートの制御、及び複数のラインメモリに画像
情報を導入するためのマルチプレクサ120の切換え制
御は、それぞれ読取制御部24’で生成される各タイミ
ング信号により実行される。
【0065】なお、本発明の第2の態様は、本スキャン
CCD64の蓄積時間若しくはクロックレートを可変す
ることを併用する他、本スキャンCCD64の蓄積時間
若しくはクロックレートは固定し、画像の露光状態に応
じて、フィルムFを透過した透過光の光量を調整する光
学フィルタ、及び/又は光源50から射出された読み取
り光の光量を調整するレンズ絞りを制御することを併用
するようにしても良い。この場合、光学フィルタやレン
ズ絞りは、図3に示したタイミング発生回路132から
生成される光量調整信号(図中点線)に基づいて調整さ
れ、かつタイミング発生回路132から生成されるCC
D駆動信号及び変換タイミング信号のレートは固定され
る。
【0066】画像読み取りの回数は、上述のように、露
光状態に基づき、シフト量が0〜0.8であるときは、
光学フィルタ及び/又はレンズ絞りの調整により本スキ
ャンCCD64に入射する光量を調整して画像を読み取
り、1つのラインメモリに記憶保持された画像情報に基
づいて必要光量を確保する。そして、シフト量が0.9
〜1.2であるときは、入射光量を可変するとともに、
画像読み取りを2回実行して画像情報を2つのラインメ
モリに記憶保持させ、各ラインメモリに記憶保持された
画像情報を加算することにより必要光量を確保する。さ
らに、シフト量が1.2〜1.5であるときは、入射光
量を可変するとともに、画像読み取りを4回実行して画
像情報を4つのラインメモリに記憶保持させ、各ライン
メモリに記憶保持された画像情報を加算することにより
必要光量を確保する。
【0067】以上説明した本願の第2の態様によれば、
画像の読み取り濃度領域0.2〜3.7の範囲から適正
な読み取り濃度領域を選択する場合でも、本スキャンC
CD64及びA/D変換30は、0〜2.0の範囲で作
動すれば良い。従って、上述のように読み取り濃度領域
が広範囲に亘る場合でも、本スキャンCCD64の蓄積
間若しくはクロックレートの可変範囲を広げることなく
適正な読み取り濃度領域を選択することができる。ま
た、本スキャンCCD64の蓄積時間若しくはクロック
レートを固定し、画像の露光状態に応じて、フィルムF
を透過した透過光の光量を調整する光学フィルタ、及び
/又は光源50から射出された読み取り光の光量を調整
するレンズ絞りを制御する態様にあっては、画像の読み
取り濃度領域0.2〜3.7の範囲から適正な読み取り
濃度領域を選択する場合でも、光学フィルタやレンズ絞
りの絞り範囲は、0〜0.9の範囲で作動すれば良い。
従って、上述のように読み取り濃度領域が広範囲に亘る
場合でも、光学フィルタやレンズ絞りの可動範囲を広げ
ることなく、適正な読み取り濃度領域を選択することが
できる。
【0068】なお、本発明の第2の態様において、適正
な読み取り濃度領域を選択して所要光量を有する画像情
報を得る場合、露光状態がアンダー露光側にあるとき
は、本スキャンCCD64の読み取り時間を変え、若し
くは透過光及び読出し光の光量を調整するようにすると
ともに、オーバー露光側にあるときは、本スキャンCC
D64の読み取り時間、若しくは光量の調整と併用して
複数の画像情報を加算するようにしている。しかし、本
スキャンCCD64の読み取り時間若しくは光量の調整
を併用することなく、ラインメモリを増設して画像読み
取り回数をさらに増やし、濃度領域において、適当な読
み取り濃度領域と画像読み取り回数とを対応させ、複数
回の画像読み取りのみにより、必要光量を有する画像情
報を得るようにしても良い。また、複数回の画像読み取
りを実行し、複数のラインメモリに記憶保持された画像
情報を、それぞれ加算して所要光量を有する画像情報を
得る他、少なくとも1つのラインメモリに、順次画像情
報を記憶保持させ、1つのラインメモリ内で順次画像情
報を加算して所要光量を有する画像情報を得るようにし
ても良い。
【0069】図示例の画像読取装置12においては、本
スキャン部20におけるフィルムFの走査速度が可変で
あり、かつ、プレスキャン部18は常に本スキャン部2
0における走査搬送にバックテンションを与えないよう
に構成される必要がある。そのため、好ましくは、プレ
スキャン部18における走査搬送速度は、本スキャン部
20における最高速度と同速度以上である。従って、プ
レスキャン部18の搬送ローラ対42と、本スキャン部
20の搬送ローラ対56との間は、プレスキャン部18
と本スキャン部20との速度差によるフィルムFの弛み
を妨害しない構成とする必要があり、必要に応じてフィ
ルムFの弛みを吸収するためのアキュムレータ等を配備
してもよい。
【0070】また、フィルムFの走査搬送手段は、図示
例の搬送ローラ対に限定はされず、読取光がフィルムF
を透過するのを妨害せず、かつ画像面を損傷しないもの
であれば、スプロケットギア等の公知の各種の走査搬送
手段が利用可能である。さらに、図2及び図4に示した
本スキャン部20及びプレスキャン部18においては、
スリット走査によってフィルムFに記録された画像を読
み取るものであったが、本発明はこれには限定はされ
ず、フライングスポットスキャナ(FSS)や光ビーム
走査(いわゆるラスタースキャン)等を利用してもよい
のはもちろんである。
【0071】図示例の画像読取装置12においては、プ
レスキャン部18及び本スキャン部20共に、光電変換
手段としてラインCCDを使用したが、本発明はこれに
限定はされずエリアCCDを使用してもよい。以下、図
5を参照して、エリアCCDを利用する画像読取装置に
ついて説明する。なお、先の図4に示した部分と同一部
分には同一符号を付して、詳細な説明す省略する。図4
に示した画像読取装置12と異なる点は、ラインCCD
64、読取制御部24’、及びラインメモリ122〜1
28を、それぞれエリアCCD64’、読取制御部2
4”、及びフレームメモリ122’〜128’に代える
とともに、プレスキャンと本スキャンとを1つのエリア
CCD64’で実施することにある。図示例の画像読取
装置12は、フィルムFの画像を1コマ単位で読み取る
ため、フィルムFは、1コマ単位で送られる。さらに、
ここでは、読取光の光量等を制御すべく、光源50から
射出された光は、絞り53を介して所要光量を得、R、
G、及びBの色分解フィルタ55を介したのち、拡散箱
57で均一光に変換されてフィルムFに入射する。そし
て、フィルムFを透過した各色の画像光は、エリアCC
D64’で光電変換されて測光される。エリアCCD6
4’の蓄積時間及び読取回数は、ともに読取制御部2
4”で制御される。蓄積時間及び読取回数は、外部より
得たフィルムFの記録画像の情報に応じてCCDクロッ
クレート、走査速度、及び画像読み取り回数を調整する
ことにより制御される。エリアCCDを使用する際、C
CDの蓄積モードは、垂直解像度及び動解像度に優れた
疑似フィールド蓄積モードが好ましい。疑似フィールド
蓄積モードは、1フィールドのうち半分の信号電荷は使
用されないため、他のモードに比して感度が低下する。
しかし、本発明の第2の態様に示したように、複数の画
像信号を加算することにより、疑似フィールド蓄積モー
ドで生じる感度の低下を補償することができる。エリア
CCDを使用した場合、特に、本発明の第2の態様にお
ける、画像情報は、少なくともフィールド単位で記憶保
持される。また、CCD以外にも、フォトマルチプライ
ヤ等の公知の各種の光電変換手段も利用可能である。例
えば本スキャン部20の光電変換手段としてフォトマル
チプライヤを使用する際には、ゲインを調整することに
より上記目的を達成することができる。
【0072】上述のように、蓄積時間及び読み取り回数
の制御を併用することにより、その相乗効果によって極
めて良好な効率でのフィルム画像の読み取りを行うこと
ができ、より好ましい結果を得ることができる。
【0073】なお、本発明の第3の態様においては、画
像の露光状態に応じてCCDクロックレート及び走査速
度、若しくは画像読み取り回数を調整せず、読取光や透
過光の光量等の調整部材を配備し、画像の露光状態に応
じてこれらを調整する構成であってもよい。
【0074】図1に戻り、セットアップ装置14、及び
画像形成装置16について説明する。セットアップ装置
14は、画像読取装置12より転送された画像情報の品
質検定を行い、必要に応じて色/階調補正を行って、出
力(プリント)のための画像情報として画像形成装置1
6に転送するものであって、基本的に、第1セレクタ7
0と、3ツのフレームメモリ(FM)72a、72b、
及び72cと、第2セレクタ74と、セットアップ演算
記憶部76と、色階調補正表示制御部78(以下、表示
制御部78とする)と、ディスプレイ80と、入力手段
82と、色補正部84と、階調補正部86と、タイミン
グセレクタ88と、出力タイミング制御部90とより構
成される。
【0075】倍率変換部36からの画像情報は、まず第
1セレクタ70に転送される。第1セレクタ70は、フ
ィルムFの各コマの画像情報を3つのフレームメモリ7
2a、72b、及び72cに順次振り分ける。つまり、
例えば、最初は第1セレクタ70は1コマ目の画像情報
をフレームメモリ72aに記憶するように転送経路を接
続する。フレームメモリ72aへの記憶が終了すると第
1セレクタ70は、2コマ目の画像情報がフレームメモ
リ72bに記憶されるように転送経路を切り替える。
【0076】一方、1コマ目の画像情報がフレームメモ
リ72a記憶されると、第2セレクタ74はフレームメ
モリ72aとセットアップ演算記憶部76及び表示制御
部78とを接続する。セットアップ演算記憶部76は、
プレスキャン演算記憶部22より転送されたプレスキャ
ンの画像情報と、フレームメモリ72aから読み込んだ
画像情報に応じて、この画像に対する最適な画像処理条
件(セットアップ条件)を演算し、この結果に基づき表
示制御部78を制御する。表示制御部78は、フレーム
メモリ72aから読み込んだ画像情報及びセットアップ
演算記憶部76からの指示信号に基づき、この条件にお
ける仕上りプリントに対応するシュミレーション画像を
ディスプレイ80に表示する。
【0077】オペレータは、ディスプレイ80に表示さ
れた画像を見て品質検定を行い、検定合格であれば入力
手段82のスタートキーを、検定不合格であれば修正キ
ーを押して、色補正キーや階調補正キーによって、色及
び/又は階調補正の指示を入力手段82に入力する。セ
ットアップ演算記憶部76は、入力された色及び/又は
階調補正の指示に従って表示制御部78を制御し、表示
制御部78はこの制御に従って、再度シュミレーション
画像をディスプレイ80に表示する。この操作は、ディ
スプレイ80に表示された画像の品質検定が合格するま
で繰り返し行われる。
【0078】以上の操作の結果、品質検定が合格して入
力手段82のスタートキーが押圧されると、セットアッ
プ演算記憶部76は確定したセットアップ条件に応じた
色補正及び階調補正信号を色補正部84と階調補正部8
6に転送する。同時に第2セレクタ74はフレームメモ
リ72aと色補正部84とを接続し、フレームメモリ7
2aより読み出された画像情報は、色補正部84及び階
調補正部86によって、セットアップ条件に応じた色/
階調補正が行われて画像形成装置16に転送される。ま
た、第2セレクタ74は、フレームメモリ72bとセッ
トアップ演算記憶部76と表示制御部78とを接続し、
同様にフレームメモリ72bに記憶された画像の品質検
定が行われる。
【0079】セットアップ装置14のセットアップ演算
記憶部76、表示制御部78、色補正部84、階調補正
部86等の各部位からの出力、さらに、画像形成装置1
6に配備されるデジタル/アナログ(以下、D/Aと記
す)変換器92、音響光学変調器(以下、AOMと記
す)ドライバ94等の各部位からの出力及びポリゴンミ
ラー96の駆動は、それぞれ出力タイミング制御部90
によって制御される。
【0080】図示例のセットアップ装置14は、3つの
フレームメモリ72a、72b、及び72cを有するも
のであったが、フレームメモリの数は3つに限定はされ
ず、1又は2、あるいは4以上のフレームメモリを有す
るものであってもよい。なお、図示例のデジタルフォト
プリンタ10は、基本的に、画像読取装置12、セット
アップ装置14、及び画像形成装置16の3つの装置よ
り構成されているので、処理効率やデジタルフォトプリ
ンタ10のコスト等を考慮すると、フレームメモリの数
は図示例の3つが最もバランスがよいと考えられる。
【0081】画像形成装置16は、セットアップ装置1
4より転送された画像情報に応じて、光ビーム走査によ
って感光材料Aを走査露光して、露光を終了した感光材
料Aを現像処理して仕上げプリントPとして出力するも
のであって、D/A変換器92と、AOMドライバ94
と、画像露光部98と、現像部100とを有するもので
ある。
【0082】セットアップ装置14より出力された画像
情報は、D/A変換器92によってアナログ画像情報に
変換された後、AOMドライバ94に転送される。AO
Mドライバ94は、転送された画像情報に応じて光ビー
ムを変調するように、画像露光部98のAOM104を
駆動する。
【0083】一方、画像露光部98は、光ビーム走査
(ラスタースキャン)によって感光材料Aを走査露光し
て、前記画像情報の画像を感光材料Aに記録するもの
で、図6に概念的に示されるように、感光材料Aに形成
されるR感光層の露光に対応する狭帯波長域の光ビーム
を射出する光源102R、以下同様にG感光層の露光に
対応する光源102G、及びB感光層の露光に対応する
光源102Bの各光ビームの光源、各光源より射出され
た光ビームをそれぞれ記録画像に応じて変調するAOM
104R、104G、及び104B、光偏向器としての
ポリゴンミラー96、fθレンズ106、感光材料Aの
副走査搬送手段108を有する。
【0084】光源102(102R、102G、102
B)より射出され、互いに相異なる角度で進行する各光
ビームは、それぞれに対応するAOM104(104
R、104G、104B)に入射する。なお、光源10
2としては、感光材料Aの感光層に対応する所定波長の
光ビームを射出可能な各種の光ビーム光源が利用可能で
あり、各種の半導体レーザ、発光ダイード、He−Ne
レーザ等のガスレーザ、等が例示される。また各光ビー
ムを合波する合波光学系であってもよい。各AOM10
4には、AOMドライバ94より記録画像に応じたR、
G、及びBそれぞれの駆動信号r、g、及びbが転送さ
れており、入射した光ビームを記録画像に応じて強度変
調する。
【0085】AOM104によって変調された各光ビー
ムは、光偏向器としてのポリゴンミラー96の略同一点
に入射して反射され、主走査方向(図中矢印x方向)に
偏向され、次いでfθレンズ106によって所定の走査
位置zに所定のビーム形状で結像するように調整され、
感光材料Aに入射する。なお、光偏向器は、図示例のポ
リゴンミラーのみならず、レゾナントスキャナ、ガルバ
ノメータミラー等であってもよい。また、このような画
像露光部98には、必要に応じて光ビームの整形手段や
面倒れ補正光学系が配備されていてもよいのはもちろん
である。
【0086】一方、感光材料Aはロール状に巻回されて
遮光された状態で所定位置に装填されている。このよう
な感光材料Aは引き出しローラ等の引き出し手段に引き
出され、カッタによって所定長に切断された後(図示省
略)、走査位置zを挟んで配置される副走査手段108
を構成するローラ対108a及び108bによって、走
査位置zに保持されつつ前記主走査方向と略直交する副
走査方向(図中矢印y方向)に副走査搬送される。ここ
で、光ビームは前述のように主走査方向に偏向されてい
るので、副走査方向に搬送される感光材料Aは光ビーム
によって全面を2次元的に走査され、感光材料Aにセッ
トアップ装置14より転送された画像情報の画像が記録
される。
【0087】露光を終了した感光材料Aは、次いで搬送
ローラ対110によって現像部100に搬入され、現像
処理を施され仕上りプリントPとされる。ここで、例え
ば感光材料Aが銀塩写真感光材料であれば、現像部10
0は発色・現像槽112、漂白・定着槽114、水洗槽
116a、116b、及び116c、乾燥部118等よ
り構成され、感光材料Aはそれぞれの処理槽において所
定の処理を施され、仕上りプリントPとして出力され
る。
【0088】以上説明したデジタルフォトプリンタ10
の動作タイミングを、図7に概念的に示す。図示例にお
いては、光ビームをAOM104によって変調した構成
であったが、これ以外にも、光源がレーザダイオード等
の直接変調が可能なものであれば、これによって光ビー
ムを記録画像に応じて変調してもよい。また、副走査搬
送手段も走査位置を挟んで配置される2組のローラ対以
外に、走査位置に感光材料を保持する露光ドラムと走査
位置を挟んで配置される2本のニップローラ等であって
もよい。
【0089】さらに、図示例の光ビーム走査以外にも、
ドラムに感光材料を巻き付けて、光ビームを一点に入射
して、ドラムを回転すると共に軸線方向に移動する、い
わゆるドラムスキャナであってもよい。また、光ビーム
走査以外にも、面光源と液晶シャッタとによる面露光で
あってもよく、発光ダイオードアレイ等の線状光源を用
いた露光であってもよく、感光材料に出力せずに、CR
T等のディスプレイに画像出力をするものであってもよ
い。
【0090】以上、本発明の画像読取装置について詳細
に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本
発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良及び
変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0091】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の画
像読取装置の第1の態様によれば、光量調整用の光学フ
ィルタやレンズ絞り、及びこれらの調整手段を省略でき
るので、装置構成が簡易でかつ安価な画像読取装置を実
現することができると共に、迅速かつ効率のよい画像読
み取りが可能であり、一般写真のネガフィルム等では大
幅な読み取り時間の短縮を実現することができる。さら
に、本発明の画像読取装置の第2の態様によれば、光電
変換手段の駆動を複雑にすることなく、迅速かつ効率の
よい画像読み取りが実現可能であるので、装置構成が簡
易でかつ安価な画像読取装置を実現することができる。
また、本発明の画像読取装置の第3の態様によれば、透
過原稿の移動経路を一方向とすることができるので、透
過原稿の動きやその搬送装置等を大幅に簡略化すること
ができ、特にロールフィルムのように多数の透過原稿を
連続的に有するものを読み取る際には、連続的にプレス
キャンと本スキャンを行うことができ、極めて効率のよ
い透過原稿の読み取りを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像読取装置の第1の態様乃至び第3
の態様を利用するデジタルフォトプリンタの一例を概念
的に示す図である。
【図2】図1に示されるデジタルフォトプリンタの画像
読取装置の一部を概念的に示す斜視図である。
【図3】フィルムに記録された画像の画像画素濃度分布
の一例を示すグラフである。
【図4】本発明の画像読取装置の一例を示す図である。
【図5】本発明の画像読取装置の他例を示す図である。
【図6】図1に示されるデジタルフォトプリンタの画像
形成装置の一部を概念的に示す概略斜視図である。
【図7】図1に示されるデジタルフォトプリンタの動作
タイミングを概念的に示すチャートである。
【符号の説明】
10 デジタルフォトプリンタ 12 画像読取装置 14 セットアップ装置 16 画像形成装置 18 プレスキャン部 20 本スキャン部 22 プレスキャン演算記憶部 24、24’、24” 読取制御部 26 入力タイミング制御部 28 増幅器 30 A/D変換器 32 CCD補正部 34 濃度変換部 36 倍率変換部 38、50 光源 40、42、56、58、110 搬送ローラ対 44、62 結像レンズ 46 プレスキャン用ラインCCD 48、68 モータ 52 フィルタ部 53 絞り 54 集光部 55 色分解フィルタ 57 拡散箱 64 本スキャン用ラインCCD 64’プレスキャン本スキャン用エリアCCD 66 開口 70 第1セレクタ 72a、72b、72c フレームメモリ 74 第2セレクタ 76 セットアップ演算記憶部 78 色階調補正表示制御部 80 ディスプレイ 82 入力手段 84 色補正部 86 階調補正部 88 タイミングセレクタ 90 出力タイミング制御部 92 D/A変換器 94 AOMドライバ 96 ポリゴンミラー 98 画像露光部 100 現像部 102(102R、102G、102B) 光源 104(104R、104G、104B) 音響光学変
調器(AOM) 106 fθレンズ 108 副走査手段 112 発色・現像槽 114 漂白・定着槽 116a、116b、116c 水洗槽 118 乾燥部 120 マルチプレクサ 122、124、126、128 ラインメモリ 122’、124’、126’、128’ フレームメ
モリ 130 加算回路 132 タイミング発生回路 A 感光材料 F フィルム P 仕上りプリント
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年1月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正内容】
【0065】なお、本発明の第2の態様は、本スキャン
CCD64の蓄積時間若しくはクロックレートを可変す
ることを併用する他、本スキャンCCD64の蓄積時間
若しくはクロックレートは固定し、画像の露光状態に応
じて、フィルムFを透過した透過光の光量を調整する光
学フィルタ、及び/又は光源50から射出された読み取
り光の光量を調整するレンズ絞りを制御することを併用
するようにしても良い
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正内容】
【0071】図示例の画像読取装置12においては、プ
レスキャン部18及び本スキャン部20共に、光電変換
手段としてラインCCDを使用したが、本発明はこれに
限定はされずエリアCCDを使用してもよい。以下、図
5を参照して、エリアCCDを利用する画像読取装置に
ついて説明する。なお、先の図4に示した部分と同一部
分には同一符号を付して、詳細な説明省略する。図4
に示した画像読取装置12と異なる点は、ラインCCD
64、読取制御部24’、及びラインメモリ122〜1
28を、それぞれエリアCCD64’、読取制御部2
4”、及びフレームメモリ122’〜128’に代える
とともに、プレスキャンと本スキャンとを1つのエリア
CCD64’で実施することにある。図示例の画像読取
装置12は、フィルムFの画像を1コマ単位で読み取る
ため、フィルムFは、1コマ単位で送られる。さらに、
ここでは、読取光の光量等を制御すべく、光源50から
射出された光は、絞り53を介して所要光量を得、R、
G、及びBの色分解フィルタ55を介したのち、拡散箱
57で均一光に変換されてフィルムFに入射する。そし
て、フィルムFを透過した各色の画像光は、エリアCC
D64’で光電変換されて測光される。エリアCCD6
4’の蓄積時間及び読取回数は、ともに読取制御部2
4”で制御される。蓄積時間及び読取回数は、外部より
得たフィルムFの記録画像の情報に応じてCCDクロッ
クレート、走査速度、及び画像読み取り回数を調整する
ことにより制御される。エリアCCDを使用する際、C
CDの蓄積モードは、垂直解像度に優れた疑似フィール
ド蓄積モードが好ましい。疑似フィールド蓄積モード
は、1フィールドのうち半分の信号電荷は使用されない
ため、他のモードに比して感度が低下する。しかし、本
発明の第2の態様に示したように、複数の画像信号を加
算することにより、疑似フィールド蓄積モードで生じる
感度の低下を補償することができる。エリアCCDを使
用した場合、特に、本発明の第2の態様における、画像
情報は、少なくともフィールド単位で記憶保持される。
また、CCD以外にも、フォトマルチプライヤ等の公知
の各種の光電変換手段も利用可能である。例えば本スキ
ャン部20の光電変換手段としてフォトマルチプライヤ
を使用する際には、ゲインを調整することにより上記目
的を達成することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像情報を担持する透過原稿に読取光を照
    射する光源と、 前記透過原稿の画像濃度情報に応じて前記画像情報の読
    み取り時間を可変する光電変換手段とを具備したことを
    特徴とする画像読取装置。
  2. 【請求項2】前記画像情報が走査により読み取られ、前
    記画像情報の読み取り時間が、該走査速度の制御により
    可変されるようにしたことを特徴とする請求項1記載の
    画像読取装置。
  3. 【請求項3】前記光電変換手段が、半導体イメージセン
    サであり、前記画像情報の読み取り時間が、該半導体イ
    メージセンサの蓄積時間の制御により可変されるように
    したことを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  4. 【請求項4】画像情報を担持する透過原稿に読取光を照
    射する光源と、 前記透過原稿の画像濃度情報に応じて前記画像情報を所
    要回数読み取る光電変換手段と、 前記光電変換手段で読み取られた画像情報を記憶保持す
    る少なくとも1つのメモリと、 前記透過原稿の画像濃度情報に応じて前記メモリに前記
    画像情報を順次導入する画像導入手段とを有し、 前記メモリに記憶保持された画像情報に基づいて所要光
    量を有す画像情報を得るようにしたことを特徴とする画
    像読取装置。
  5. 【請求項5】透過原稿に読取光を照射して、この透過原
    稿の透過光を光電変換手段によって読み取ることによ
    り、前記透過原稿に担持される画像を読み取る画像読取
    装置であって、 前記透過原稿に先読み用の読取光を照射して、この透過
    原稿の透過光を測定濃度域の広い光電変換手段によって
    読み取って、前記透過原稿に担持される画像の概要を得
    る先読み部と、 前記先読み部による画像読み取りが終了した透過原稿
    に、本読み用の読取光を照射して、前記先読み装置によ
    って得られた透過原稿の画像濃度情報に応じて透過原稿
    の透過光を高分解能を有する光電変換手段によって読み
    取って、前記透過原稿に担持される画像を詳細に読み取
    る本読み部とを有することを特徴とする画像読取装置。
JP30293593A 1992-12-09 1993-12-02 画像読取装置 Pending JPH0715593A (ja)

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JP30293593A JPH0715593A (ja) 1992-12-09 1993-12-02 画像読取装置

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JP4-329525 1992-12-09
JP32952592 1992-12-09
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5907735A (en) * 1996-05-15 1999-05-25 Fuji Photo Film Co., Ltd. Photosensitive material processing apparatus
US6788431B1 (en) 1997-05-08 2004-09-07 Fuji Photo Film Co., Ltd. Image processing method and image reading method
JP2015199578A (ja) * 2014-04-09 2015-11-12 株式会社リコー シート材判別装置及び画像形成装置

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